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「化学基礎」夏季課題解答解説
70 回生 化学基礎 夏季課題 解説 P15 問 1 ◇ 単 体:1 種類の元素からなる純物質 固有の性質を示す ◇ 化合物:2 種類以上の元素からなる純物質 ◇ 混合物:2 種類以上の純物質が混ざったもの ◇ 元 混合割合により性質が変わる 素:物質を構成している成分の名前 ( 原子の名前 ) 物質を構成する基礎的な粒子 (1) (2) (3) (4) (5) 水素:H2 単体 食塩水:食塩(主成分 NaCl)+ 水 の混合物 エタノール:C2H5OH 化合物 石油:様々な炭化水素(C と H からなる化合物)からなる混合物 土砂:Al・Ca 等の酸化物、珪酸塩(Si、O、金属元素からなる化合物)、炭酸塩(炭酸イオンと金属イオンから なる化合物)などからなる混合物 (6) 二酸化炭素:CO2 化合物 (7) 酸化マグネシウム:MgO 化合物 (8) 塩酸:塩化水素 HCl+水 の混合物 P19 問 2 (1) 塩化ナトリウム NaCl は温度による水への溶解度の変化が小さい。硝酸カリウム KNO3 は温度による溶解度の 変化が大きい。よって高温で NaCl と KNO3 を溶解させておいて、冷却していくと低温の水に溶けきれなくな った KNO3 のみが析出する。この操作を再結晶という。この析出した KNO3 の結晶をろ過により分離すると、 KNO3 の純物質が得られる。 (2) ナフタレンは昇華性物質である。昇華とは固体が直接気体になる変化である。塩化ナトリウムとナフタレンの 混合物を加熱するとナフタレンのみ昇華し気体となる。この気体となったナフタレンを冷却することで固体のナ フタレンが得られる。このようにして昇華性の物質を混合物から分離する操作を昇華という。 (3) 空気は主に窒素 78.1%と酸素 20.9%(体積)の混合物である。 液体の窒素の沸点は-196℃、液体の酸素は-183℃。この沸点の差を利用して各成分(窒素と酸素)を分離 する。液体の空気の温度を上げていくと、先ず沸点が低い液体窒素が気体となり留出する。さらに温度が高く なると液体酸素が気体となり留出する。この様に沸点の差を利用して、液体の混合物から各成分を、留出する温 度毎に取り出す方法を分留(分別蒸留)という。 (4) 大豆油はヘキサンという溶媒(他の物質を溶解する液体)に溶ける。 すりつぶした大豆をヘキサンにさらすと大豆中の大豆油がヘキサンに溶け出し、大豆から大豆油を取り出すこ とができる。この様に、よく溶かす溶媒を使い、混合物からよく溶解する物質を、溶解させて取り出す方法を 抽出という。 (5) 海水は、塩化ナトリウム NaCl、塩化マグネシウム MgCl2 などだけではなく、様々な物質が水に溶解した混合 物である。この混合物を加熱すると、沸点が低い水のみが気体となって留出し、この気体を冷却することによ り液体の水を取り出すことができる。 (6) 固体と液体の混合物から粒の大きさの違いを利用して、ろ紙の目(穴)を通過する液体と通過しない固体を分 離することができる。砂は水に溶けず、ろ過するとろ紙の目を通過できず、ろ紙の上に残る。一方液体の水は ろ紙を通過するため、砂と水を分離することができる。 P21 問 3 単 体:(イ)窒素 N2(N 元素のみからなる純物質) (ウ)ダイヤモンド C(C 元素のみからなる純物質) 化合物:(ア)アンモニア NH3(N 元素、H 元素からなる純物質) (エ)水蒸気 H2O の気体(H 元素、O 元素からなる純物質) (オ)水酸化ナトリウム NaOH(Na 元素、O 元素、H 元素からなる純物質) 混合物:(カ)牛乳(タンパク質、糖類、脂質そして水などの混合物である) 1 P22 問 4 同じ元素からなる単体で性質が異なる物どうし(異なる物質どうし)を同素体という。同素体は S・C・O・P だ! 同素体であるもの:(イ)酸素 O2 とオゾン O3 同素体でないもの:(ア)塩素 Cl2 とヨウ素 I2 (そもそも元素が異なる) (ウ)銀 Ag と水銀 Hg(そもそも元素が異なる) (エ)一酸化炭素 CO と二酸化炭素 CO2(構成する元素は同じであるが、いずれも単体ではな く化合物である。) P24 問 5 プールの水は塩素で殺菌消毒しています。よってその中には塩素成分が含まれています。 そこへ硝酸銀 AgNO3 を加えると塩化銀 AgCl の白色沈殿を生じます。 この方法は Ag+や Cl-の検出に使います。 P29 演習問題 1 (1) 省略 (2) 温度計下端の球部を枝つきフラスコの枝の付け根の高さにする。留出する物質の温度を正確に計るためである。 (3) 冷却水はリービッヒ冷却器の下側(イ)から入れる。リービッヒ冷却器の冷却水が流れる部分が、完全に水で 満たされれば、注入する冷却水の量を調整することにより、冷却の効率を調整しやすい。また、上側(ア)から 入れると、気泡ができやすく、その気泡が上側に抜けようとして冷却水の流れを妨げやすくしてしまう。 (4) 沸騰石を加えることにより突然沸騰すること(突沸)を防ぐことができる。 P29 演習問題 2 元素名と単体の多くは同じ呼称になることが多いので、その場合、元素のことを指しているのか、単体のことを指 しているのか区別する必要がある。 (ア)水 H2O を電気分解すると水素 H2 と酸素 O2 が得られる。つまりここでいう酸素 O2 は実際の物質のことであ り単体のことを示している。 (イ)水 H2O は水素 H 元素と酸素 O 元素でできていることを言っている。つまりここでいう酸素 O は元素を意味し ている。 水は水分子 H2O からできている。水分子 H2O は水素原子 H と酸素原子 O でできている。この物質を構成する 粒子の元となる原子の種類の名前が元素なのである。 水分子 この原子の名前を酸素 O と言う この原子の名前を水素 H と言う 元素と言う 元素と言う (ウ)酸素 O2 とオゾン O3 は酸素 O の同素体であることを言っている。ここでいう酸素 O は実際の物質のことでは なく物質の成分(物質を構成する基礎的な粒子である原子の種類の名前)のことを指している。 (エ)酸素 O2 の融点は-218℃である。実際の物質である酸素 O2 の話であるので、ここでは単体を指している。 (オ)人体の 65%(質量%)は酸素 O という成分(酸素 O という原子)を含んでいることを言っている。酸素 O2 とい う物質自体でできている訳ではない。酸素 O という成分は、タンパク質、骨などに含まれている。 P32 問 6 原子番号=陽子の数=電子の数(原子の場合) (1)原子番号=陽子の数=電子の数=12 (2)原子番号=陽子の数=電子の数=14 (3)原子番号=陽子の数=電子の数=18 (4)原子番号=陽子の数=電子の数=19 (5)原子番号=陽子の数=電子の数=79 P35 問 7 (1)Al 電子配置:K2 L8 M3 (2)Ar 電子配置:K2 L8 M8 (3)C 電子配置: K2 L4 (4)Ca 電子配置:K2 L8 M8 N2 (5)He 電子配置:K2 (6)S 電子配置: K2 L8 M6 質量数=陽子の数+中性子の数 質量数=24 陽子の数=12 よって 中性子の数=12 質量数=28 陽子の数=14 よって 中性子の数=14 質量数=40 陽子の数=18 よって 中性子の数=22 質量数=39 陽子の数=19 よって 中性子の数=20 質量数=197 陽子の数=79 よって 中性子の数=118 最外殻電子の数=3、価電子の数=3 最外殻電子の数=8、価電子の数=0 最外殻電子の数=4、価電子の数=4 最外殻電子の数=2、価電子の数=2 最外殻電子の数=2、価電子の数=0 最外殻電子の数=6、価電子の数=6 2 P37 問8 (1)Li 原子:K2L1 (2)O 原子:K2L6 (3)Al 原子:K2L8M3 (4)Cl 原子:K2L8M7 (5)Ca 原子:K2L8M8N2 → → → → → リチウムイオン 酸化物イオン アルミニウムイオン 塩化物イオン カルシウムイオン Li+ :K2L0 = ヘリウム 2- O :K2L8 = ネオン Al3+ :K2L8M0 = ネオン ― Cl :K2L8M8 = アルゴン Ca2+:K2L8M8N0 = アルゴン He 原子 Ne 原子 Ne 原子 Ar 原子 Ar 原子 P38 問9 (1)K 原子=19、K+ = 19-1 = 18 (2)F 原子=9、F- = 9+1 = 10 (3)O 原子=8、H 原子=1、OH- = 8+1+1 = 10 (4)N 原子=7、H 原子=1、NH4+ = 7+1×4―1 = 10 (5)S 原子=16、O 原子=8、SO42- = 16+8×4+2 = 50 P45 演習問題 1 (ア)誤:原子の中心には、陽子を含む原子核があるので、原子核は正に帯電している。 原子核の周りには、負に帯電した電子が、陽子と同じ数だけ飛び回っている。原子では、正の電荷と負の電 荷が打ち消しあい電気的に中性となっている。 (イ)誤:原子核の周りには電子が飛び回っている。したがって原子の大きさは、最外殻電子が飛び回る電子殻の大き さに等しい。 (ウ)誤:陽子の質量を 1 とすると中性子の質量もほぼ 1 である。この場合、電子の質量は、約 1840 分の 1 である。 したがって、原子の質量は中性子と陽子の質量の和にほぼ等しい。(電子の質量は無視できるほど小さい) ちなみに、中性子の数+陽子の数 を 質量数 という。原子の質量は、 「陽子の数+中性子の数=質量数」 で 相対的に表すことができる。 (エ)誤:最も外側の電子殻に存在する電子の数が同じ原子どうしでは、化学的性質が似ている。 1 族:Li、Na、K ・・・価電子 1(アルカリ金属) 2 族:Ca、Sr、Ba・・・価電子 2(アルカリ土類金属) 14 族:C、Si 価電子 4 15 族:N、P 価電子 5 16 族:O、S 価電子 6 17 族:F、Cl、Br、I・・価電子 7(ハロゲン) 18 族:He、Ne、Ar・・価電子 0(希ガス) (オ)正: 「原子番号が同じ=陽子の数が同じ=同じ元素」で「質量数=陽子の数+中性子の数」が異なる ということは ⇒ 中性子の数が異なる P45 演習問題 2 (1) 銅(Ⅱ)イオン Cu2+ の 電子の数 27 ⇔ Cu 原子 の 電子の数 29 = 陽子の数 = 原子番号 P45 演習問題 3 (1)(2) 1族 2族 13 族 14 族 15 族 16 族 17 族 18 族 Li Be B C N O F N K(2)L(1) K(2)L(2) K(2)L(3) K(2)L(4) K(2)L(5) K(2)L(6) K(2)L(7) K(2)L(8) Na Mg Al Si P S Cl Ar K(2)L(8) M(6) K(2)L(8) M(7) K(2)L(8) M(8) 15+ K(2)L(8) M(1) K(2)L(8) M(2) K(2)L(8) M(3) K(2)L(8) M(4) 3 K(2)L(8) M(5) (3) Mg 原子:K(2)L(8)M(2) → マグネシウムイオン Mg2+:K(2)L(8)M(0) (4) 元素の周期表で左下ほど陽性が強い = 原子は電子を放出して陽イオンになりやすい = イオン化エネルギーが小さい (5) F、Cl (ハロゲンは電子 1 個を受け取り 1 価の陰イオンになりやすい。 18 族元素を除いて、元素の周期表の右上の元素ほど陰性が強い = 原子は電子を受け取り陰イオンになりやすい = 電子親和力が大きい = イオン化エネルギーが大きい P45 演習問題 4、P49 問 11、問 12 省略 P53 問 13 (1)Cl2 ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ :Cl・ + ・Cl: → :Cl:Cl: 共有電子対 1 組、非共有電子対 6 組 (2)HCl H・ + ・・ ・Cl: → ・・ ・・ H:Cl: ・・ 共有電子対 1 組、非共有電子対 3 組 (3)HCN ・・ ・ H・ + ・C・ + ・N・ → H:C ・ ・ N: 共有電子対 4 組、非共有電子対 1 組 (4)H2O2 + + + → ・・ ・・ H:O:O:H 共有電子対 3 組、非共有電子対 4 組 ・・ ・・ P53 問 14 (1)I2 ・・ ・・ ・・・・ ・・ ・・ ・・・・ :I・ + ・I: → :I:I: I- I (2)HF H・ + ・・ ・F: → ・・ ・・ H:F: ・・ H- F (3)H2S ・・ H・ + ・S・ + ・H ・・ → ・・ H:S:H ・・ H- S- H → ・・ H:N:H ・・ H H- N-H (4)NH3 ・・ H・ + ・N・ + ・H ・ ・ H (5)CCl4 + + + → + 4 | H