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横浜ゴムの概要

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横浜ゴムの概要
アニュアルレポート 2016
横浜ゴム株式会社 2015年12月期
GEAR UP TO GO
目次
プロフィール
横浜ゴムは1917年に設立された世界有数のタイヤ
1
メーカーです。また、得意のゴム高分子技術をベースに
ステークホルダーの皆様へ
ホース、
シーリング材・接着剤、
工業資材、
航空部品、
ゴルフ
2
決算ハイライト
4
用品など多彩なビジネスを展開しています。継続的な
成長を目指し、タイヤ、その他の事業ともに国内および
海外において確固たる地位を築くため、高機能商品の
開発と生産・販売力の増強を積極的に進めています。
中期経営計画「グランドデザイン100」
6
基本理念
社長メッセージ
心と技術をこめたモノづくりにより、幸せと豊かさに
12
特集:生産財タイヤ事業の拡大に向けて、
農機・建機用タイヤ会社「ATG」の買収を発表
14
Yokohama at a Glance
15
事業の概況 − タイヤ事業
事業の概況 ー MB事業
貢献します
経営方針
技術の先端に挑戦し、新しい価値を創り出す
独自の領域を切り拓き、事業の広がりを追求する
人を大切にし、人を磨き、人が活躍する場をつくる
社会に対する公正さと、環境との調和を大切にする
行動指針
自らを鍛え、
自己ベストに挑戦する
20
たがいに信頼し合い、
ぶ つかり合 い 、高 め合う
企業理念とCSRへの考え方
外に向 けて 開 かれた 心を育てる
26
コーポレート・ガバナンス
企業スローガン
すごいをさりげなく
28
取締役・監査役・執行役員
30
海外の主な子会社・関連会社
32
日本の主な事業拠点
33
財務セクション
50
投資家向け情報
51
株式情報
見通しに関する注意事項
このアニュアルレポートに含まれている将来に関する見通しや予測は、
現在入手可能な
情報を基に当社の経営者が判断したものです。実際の成果や業績は、様々なリスク
や不確定な要素により、記載されている内容と異なる可能性があります。
ステークホルダーの皆様へ
2015年度の世界経済は、米国は所得改善などにより
横浜ゴムグループは2006年度から中期経営計画
堅調に推移し、欧州も緩やかな回復基調にありました
「GD100
(グランドデザイン100)
」
に取り組んでいます。
が、中国では景気減速が続きました。日本は消費活動で
3カ年を1フェーズとして区切っており、
2015年度は最終
一部弱い動きが見られたものの、
総じて緩やかな回復基調
フェーズであるフェーズⅣがスタートした年でした。
となりました。
タイヤ業界では原材料安、
為替相場の円安
フェーズⅣは
「GD100」
の集大成のフェーズであり、
次の
の進展などの好材料もありましたが、自動車生産台数の
100年における飛躍に向けた布石を打つフェーズとなり
減少、価格競争の激化など厳しい環境が続きました。
ます。そこで基本的な考え方に「次の100年も、お客様に
こうした中、当期の連結売上高は前年同期比0.7%増の
必要とされるタイヤ・ゴム製品メーカーで在り続ける
6,299億円と過去最高を達成しました。利益面では営業
ために、顧客価値を高め、グローバルに規模を拡大する」
利益が同7.7%減の545億円、
経常利益が同11.6%減の
を据え、財務目標として2017年度に売上高7,700億円、
493億円、当期純利益が同10.4%減の363億円となり
営業利益800億円、営業利益率10.4%を掲げています。
ました。配当は中間を1株当たり13円とし、期末は1株
当たり26円といたしました。
当社は2015年7月1日に効力
2016年は、
政府・日銀の経済対策が下支えする中、
景気
発生の株式併合(普通株式2株を1株に併合)を行ってお
が緩やかに回復することが期待されますが、
新興国の景気
りますが、
年間配当は実質的に前回予想どおりとなります。
減速、また為替や原油価格の急激な変動による海外景気
の下振れが影響する可能性もあり、不透明な経営環境が
続くと予想されます。こうした中、2016年度は売上高
が 前年同期比3.5%増の6,520億円、営業利益が同
0.9%増の550億円、
経常利益が同3.4%増の510億円、
親会社株主に帰属する当期純利益が同6.4%減の340
億円を計画しています。
当社グループは「GD100」の目標達成に向け、様々な
事業戦略や施策に取り組みながらグローバル企業
と し て 成 長 を 続 け ま す 。ス テ ー ク ホ ル ダ ー の 皆 様 に
おかれましてはこうした姿勢をご理解いただき、さら
なるご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役会長(右) 代表取締役社長
1
決算ハイライト
12月31日に終了した会計年度
※2011年に決算期を変更したため、経過期間である2011年度は2011年4月1日∼2011年12月31日までの9カ月決算となっています。
営業利益と売上高営業利益率
売上高
7,000
(億円)
6,016
6,000
5,000
700
6,299
6,252
(億円)
(%)
566
600
5,597
400
4,000
10
9.4
8.9
14
12
545
497
500
4,651
591
9.4
8.7
8
263
6
3,000
300
2,000
200
4
1,000
100
2
0
2011
(4/11–12/11)
2012
2013
2014
5.7
0
2015
2011
2012
(4/11–12/11)
営業利益
(%)
(億円)
405
400
326
350
116
100
280
8
240
6
6.5
5.8
5.8
200
150
9
7
300
250
363
350
5.8
160
4
120
2
1
2011
(4/11–12/11)
2012
当期純利益
2013
0
2015
売上高営業利益率
2014
2015
0
(円)
226.07
200
5
3
2.5
50
0
2014
1株当たり当期純利益
当期純利益と売上高当期純利益率
450
2013
108.32
125.34
97.87
80
34.68
40
0
2011
2012
(4/11–12/11)
2013
2015*
2014
売上高当期純利益率
※2015年7月1日付で普通株式2株を1株とする併合を行っています。
自己資本利益率(ROE)
と総資産利益率(ROA)
20
(%)
(億円)
7,345
7,000
14.7
15
13.6
6,536
6,000
11.0
5,000
7.1
6.2
5.8
5.8
5
5.0
2.4
2011
(4/11–12/11)
ROE
5,438
5,018
7,107
40
37.5
30
3,000
20
2,000
1,000
2012
ROA
2013
2014
2015
50
47.7
44.1
41.4
32.3
4,000
10
2
(%)
8,000
17.8
0
総資産と自己資本比率
0
2011
(12/31/11)
総資産
2012
自己資本比率
2013
2014
2015
有利子負債とD/Eレシオ※
2,500
設備投資額と減価償却費
(億円)
(倍)
2,000
1,843
1,753
1,620
1,909
1,463
1,500
1.8
600
1.5
500
1.2
1.0
553
224
200
0.7
2011
(12/31/11)
2012
有利子負債
2013
2014
250
314
274
240
199
0.6
0.6
0.6
335
281
0.9
500
510
400
300
1,000
0
(億円)
0.6
2015
0.3
100
0
2011
(4/11–12/11)
2012
設備投資額
D/E レシオ
2013
2014
2015
減価償却費
※有利子負債 ÷ 純資産(少数株主持分を除く)
研究開発費
200
営業活動によるキャッシュ・フローと
フリーキャッシュ・フロー※
(億円)
800
142
150
128
100
126
(億円)
592
600
134
400
93
286
200
53
81
–200
2011
(4/11–12/11)
2012
2013
2014
25
21
0
50
0
575
590
467
– 185
2015
2011
(4/11–12/11)
2012
2013
営業活動によるキャッシュ・フロー
2014
2015
フリーキャッシュ・フロー
※(営業活動によるキャッシュ・フロー)−(投資活動によるキャッシュ・フロー)
従業員数
1株当たり配当金
50
(円)
25,000
20,000 19,272
40
30
26
20
20
12
10
0
(人)
7
4
3
8
2011
2012
(4/11–12/11)
中間配当金
22
12
19,412
19,770
2012
2013
21,441
22,187
15,000
26
10,000
14
10
12
13
2013
2014
2015*
5,000
0
2011
(12/31/11)
2014
2015
期末配当金
※2015年7月1日付で普通株式2株を1株とする併合を行っています。年間配当については、
2015年2月に公表した予定金額から実質的な変更はありません。
3
中期経営計画「GD100」
横 浜ゴムは2 017年に創業100年を迎えます。
2 0 0 6年に、中期経営計画「G D100」
( グラン ド デ ザ イ ン100 )を ス タ ー ト さ せ ま し た 。
2017年 までの12 年間を3年ごとに4 つのフ ェ ー ズ に 分 け て お り 、
2015 年から2017年にかけ、
「 GD100」の仕上 げ と な る フ ェ ー ズ Ⅳ に 取 り 組 ん で い ま す 。
GD100 のビジョンと基本方針
基本方針
創業100周年にあたる
2017年度に
良いモノを、安く、タイムリーに
トップレベルの環境貢献企業になります
企業価値・市場地位において、
高い倫理観を持ち、
独自の存在感を持つ
顧客最優先の企業風土を
グローバルカンパニーを
作り上げます
長期財務目標
(2017年度)
目指します
売上高 1兆円
営業利益1,000億円
営業利益率 10%
(長期財務目標は2006年に策定。営業利益率を
除く目標達成は2018年以降になる見込みです)
GD100 フェーズ Ⅳ
テーマ
2015年度∼2017 年度
「成長力 の 結集」
成長力の結集
単位:億円
IV
ase
∼YOKOHAMAの可能性を結集して、次の100年を切り拓く∼
フェーズⅣ(2015年度−2017年度)はGD100の集大成であり、次の100年に
おける飛躍に向けた布石を打つと共に、これまで積み残されてきた課題を払拭する
フェーズと位置づけ、テーマを「成長力の結集∼YOKOHAMAの可能性を結集
して、
次の100年を切り拓く∼」
としました。
これまでの各フェーズで取り組んできた
「成長」、グループ全体の成長、個々の成長など、あらゆる成長力を結集して事業活動
に取り組みます。また定量目標として、2017年度に売上高7,700億円、営業利益
800億円、営業利益率10.4%の達成を掲げました。
4
D10
G
)
へシフト
(成長
4,004
eI
Phas
se
Pha
5,173
se
Pha
II
Ph
III
7,700 売上高
6,252
5,578
4,519
800
591
232
219
128
2002
2005
2008
268
2011
2014
10.4%
2017
営業利益
フェーズ IV の考え方
次の100年も、お客様に必要とされるタイヤ・ゴム製品メーカーで
在り続けるために、顧客価値を高め、グローバルに規模を拡大する
横浜ゴムらしい
存在感のある商品
全社一丸で、あらゆる行動を
お客様満足度向上に繋げる
タイヤ事業戦略
健全な財務体質を
生かした積極投資
MB事業戦略
グローバルOE(新車装着)市場への注力
自動車部品ビジネスのグローバル展開
当社が持つ最高レベルの低燃費技術で、お客様の様々なニーズに応え、世界の
自動車メーカーからの技術承認取得に努めます。これにより、2020年度に
OEタイヤの海外納入本数を2014年度に比べ約4倍に増やす計画です。
自動車用配管および接着剤について、全世界の
自動車メーカーのニーズに対応できるよう
生産・供給体制を拡充するとともに、顧客ニーズ
にあった高付加価値技術の展開に努めます。
海外OE納入本数のイメージ
海外
日本
約
得意の海洋商品でNo.1 カテゴリーの拡大
4倍
納入タイヤの一例
ADVAN Sport V105
2014
2017
2020
大需要地域・得意市場でのプレゼンス向上
年間生産能力推移
単位:百万本
大需要地域である中国、欧州、北米市場、当社の
得意市場である日本、ロシアを中心に地産地消
を 進 め ま す 。同 時 に フ ェ ー ズ Ⅳ 期 間 に 総 額
1,200億円を投じてタイヤ年間生産能力の増強
も進め、
2014年度末の6,800万本から2017年
度末に7,400万本、2020年度末に8,900万本
まで引き上げる計画です。
89
68
74
グローバルでの建機・鉱山ビジネス強化
マリンホース
建設機械向け油圧用高圧ホースをグローバルに
拡販します。2015年には中国で新ホース工場
が稼動しました。
また、
耐久性、
環境性能に優れた
コンベヤベルトを拡販します。
独自技術を応用した新規事業の拡大
2014
2017
2020
生産財タイヤ事業の拡大に向けた戦略
2015年下期に操業開始した米国のトラック・
バス用タイヤ新工場の稼動により地産地消を
促 進 す る ほ か 、4 9 イ ン チ 以 上 の 鉱 山・建 設
車両用大型ラジアルタイヤの開発・拡販に取り
組みます。
自動車用配管ホース
現在、世界で高いシェアを誇る空気式防舷材、
マリンホースの事業強化を図ります。2016年
に予定しているインドネシア海洋商品工場稼動
により、マリンホースは世界で3拠点、空気式
防舷材は2拠点の生産体制を確立します。
水素ステーション用ホースなどの燃料電池
自 動 車 向 け ビ ジ ネ ス 、世 界 的 に 急 増 す る
スマートフォン向けハード
コート材など、新規分野に積極的
に進出します。
ブルーライトカット
ハードコート材
51インチラジアルタイヤ
装着のダンプトラック
技術戦略
水素ステーションの
イメージ
全社共通戦略
YOKOHAMA 技術は新たなステージへ
M&Aや提携を通じ外部リソースを積極的に活用します。また2006年から
スタートした「ムダ取り活動」をベースにフェーズⅣの3年間で300億円
規模の総コスト低減を目指します。このほかグローバルに活躍できる人材の
育成強化、国際財務報告基準(IFRS)の導入検討を行います。
マテリアルリサイクル技術を生かした資源の有効
利用、分子レベルの構造に迫った環境にやさしい
新素材・新技術の開発を進めます。
お客様に満足いただくYOKOHAMA品質
鉱山で活躍するコンベヤ
ベルト
分子構造
(イメージ図)
タイヤのプラットフォーム共通化を進め、世界中の
工場で最高レベルのタイヤを生産できる体制を整え
るほか、世界4ヵ国でのタイヤ開発体制を整え、現地
ニーズに対応した商品開発を進めます。
CSRへの取り組み
2008年に策定したCSR経営ビジョン、2010年にISO26000に基づいて
定めた「7つの重点課題」を指針として、引き続きCSRに取り組みます。
次世代技術基盤の構築
7つの重点課題
先端的研究機関との連携など外部技術力も活用し、
次世代基盤技術開発のスピードアップを図ります。
組織統治
タイヤ周りの流体音響
シミュレーション
消費者課題
人権
労働慣行
環境
公正な事業慣行
コミュニティへの参画及びコミュニティの発展
5
社長メッセージ
代表取締役社長 野地彦旬
6
YOKOHAMAの特色を鮮明に打ち出し成長を目指す
特色はトップレベルの品質、YOKOHAMAならではの高性能
YOKOHAMAの特色は世界トップレベルの高品質タイヤを作ることができ、
同時にYOKOHAMAならでは
の高性能を誇るタイヤを開発できることです。世界トップレベルの高品質なタイヤは日本、欧州、米国、中国
のカーメーカーの数多くのプレミアムカーに新車装着されていることで証明されています。一方、
YOKOHAMAならではの高性能を誇るタイヤとは、モータースポーツシーンなどでも活躍する乗用車用
タイヤのグローバル・フラッグシップブランド
「ADVAN」
など他社商品とは一線を画す独特な魅力を備えた
商品です。高品質・高性能を追求する姿勢はタイヤ事業だけでなく、MB(マルチプル・ビジネス)事業にも
根付いており、マリンホースや空気式防舷材、高圧ホースなど世界で高い評価を得ている商品を数多く開発
しています。
YOKOHAMAはトップレベルの品質、
YOKOHAMAならではの高性能といった特色を鮮明に
打ち出すことで、熱烈なファンに支持される個性あるメーカーとして成長を目指します。次頁からご紹介
する成長戦略はこうした考え方を基本に置いたものです。
優れた走行性能と快適性を両立した「ADVAN Sport V105」は
YOKOHAMAの高性能を象徴する商品であり、世界有数のスポーツカーや
プレミアムカーに選ばれている
7
中期経営計画「グランドデザイン100(GD100)」のフェーズⅣに取り組む
当社グループは現在、
2006年に策定した中期経営計画
得 意 市 場 でのプレゼンス向上」
「 生産財タイヤ事業の
「グランドデザイン100(GD100)」の最終フェーズで
拡大」、MB事業戦 略 と し て「 自 動 車 部 品 ビ ジ ネ ス の
あ る フ ェ ー ズ Ⅳ( 2 0 1 5 年 度 − 2 0 1 7 年 度 )に 取 り
グローバル展開」
「得意の海洋商品でNo.1カテゴリーを
組んでいます。フェーズⅣではタイヤ事業戦略として
拡大」
「グローバルでの建機・鉱山ビジネス強化」
「独自技術
「グローバルOE(新車装着)市場への注力」
「大需要地域・
を応用した新規事業の拡大」を掲げています。
好調なOE(新車装着)事業をさらに強化
タイヤ事業戦略の第1の柱である「グローバルOE
市販用タイヤの増販など多くのメリットを生みます。
(新車装着)市場への注力」は好調に推移しています。OE
このため、
これまで取引のなかったカーメーカーも含めて
はカーメーカーの厳しい要求水準をクリアしなければ
アプローチを強力に推し進め、2020年度に海外OE
ならないため、納入できるタイヤメーカーは限られてい
納入本数を2014年度比で約4倍、将来的には世界のOE
ます。2015年度も日本はもちろん欧州の最新プレミア
市場でシェア10%を目指しています。
ムカーに相次いで装着されたほか、中国ではカーメー
OEタイヤの傾向から3年、4年後に必要となる市販用
カーに対する燃費規制強化を背景に当社グループの
タイヤが予測できることもOE事業のメリットです。
低燃費タイヤへの引き合いが強まり、OE納入比率が
近年、
OEタイヤは大口径化が主流でOE用、
市販用ともに
大きく伸びました。
多くのユーザーはタイヤ交換時にOE
ハイインチタイヤの需要がさらに高まると予想される
タイヤと同じメーカーのブランドを選ぶ傾向がある
ことから2016年2月、
新城工場で18インチ以上のタイヤ
ため、OE事業を強化することは安定的な販売量の確保
増産を決定し、2018年までにフル生産可能な状態に
に加え、技術の研鑽、認知度や信頼性の向上、ひいては
する計画です。
独コンチネンタルとのOEM合弁会社を発展的に解消
さらにOE事業強化の一環として2016年3月、独・
以 来 1 4 年 、当 社 と コ ン チ ネ ン タ ル A G は そ れ ぞ れ の
コンチネンタルAGとのOEM合弁会社であるヨコハマ
グローバル生産ネットワーク網を構築してきたこと
コンチネンタルタイヤ株式会社(YCC)を発展的に解消
から、
合弁会社のメリットが両社ともに薄れてきました。
しました。YCCは日本および韓国のカーメーカーの
今後、
当社は独自のグローバル生産ネットワークを活用し、
グローバル調達に応えるため2002年に設立しました。
海外OE事業での拡大を図る計画です。
海外OE納入本数のイメージ
海外
約
4倍
日本
目標
グローバル OE10
世界のOE市場で10%シェア獲得
2014
8
2017
2020
YOKOHAMA×チェルシーFCの広告デザイン
チェルシーFCのスポンサーシップで知名度を飛躍的に高める
タイヤ事業戦略の2つ目の柱である「大需要地域・得意
「高い技術力のYOKOHAMA」、
「走りのYOKOHAMA」
市 場 で の プ レ ゼ ン ス 向 上 」で 強 力 な 手 段 と な る の が
のイメージを浸透させて販売強化を図っていきます。
2015年2月、バークレイズ・プレミアリーグのチェル
またポスト
「GD100」
を見据えて、
フェーズⅣの期間に
シーFCと結んだ5年間に渡るパートナーシップ契約で
タイヤ生産能力の増強を進めます。総額1,200億円を
す。世界中に5億人を超えるファンを持つと言われる
投じ、2014年末の6,800万本から2017年末までに
チェルシーFCをスポンサーすることでYOKOHAMA
7,400万本、
2020年末には8,900万本まで引き上げる
ブランドの知名度を飛躍的に高めていきます。こうした
計画です。
現在、
フィリピン、
中国の蘇州、
日本の新城工場
知 名 度 向 上 を 背 景 に 、大 需 要 地 域 で あ る 北 米 、欧 州 、
で生産能力の拡大を進めています。
中国、当社グループが得意とする日本、ロシアにおいて
大需要地域・得意市場で販売を強化
年間生産能力の推移 (百万本)
89
68
2014
74
2017
2020
9
北米で年間生産能力100万本の新トラック・バス用タイヤ工場が稼働
3つ目の「生産財タイヤ事業の拡大」ではトラック・
トップクラスの評価を獲得しており、北米はトラック・
バス用タイヤ、
建設車両用タイヤの強化を図っています。
バス用タイヤの販売数で日本に次ぐ重要市場となって
2015年10月には約2年をかけて建設を進めてきた
います。今後はこれまでメインだった市販用に加えて、
米国ミシシッピ州のトラック・バス用タイヤの新工場が
OEでも攻勢をかけていきます。なお、同工場は約200
生産を開始しました。
同工場は自動化が進んだ最新鋭工場
ヘクタールという広大な敷地の一画に建設されており、
で年間生産能力は100万本を計画しています。北米の
将来的な工場新設・拡張に対し十分な余地を残しています。
トラック・バス用タイヤユーザーはリトレッド(更生)
今後の需要動向を見極めながら、機動的に事業展開を
できるタイヤを選択する傾向が強いですが、
当社グループ
図る計画です。
のトラック・バス用タイヤはリトレッダビリティ性で
北米の新トラック・バス用タイヤ工場の全景
開所式での「鏡開き」の様子
農機・建機用タイヤ会社の買収を発表
さらに生産財タイヤ事業の拡大に向けて、農業機械・
機械用タイヤ、
林業機械用タイヤが新たに加わりますが、
建設機械用タイヤメーカーであるアライアンス・タイヤ・
特に農業機械用タイヤは今後需要の拡大が見込まれて
グループ(ATG)の買収を発表しました。ATGを買収
います。詳細は本冊子の12−13ページに記載しており
することで当社の生産財タイヤのラインナップに農業
ますのでご覧ください。
MB事業では自動車部品と海洋商品に注力
2015年度のMB事業の売上高に占める海外比率は
生産拠点を設置して事業を展開してきましたが、
およそ41%ですが、2020年以降に50%まで引き上げ
2015年1月から新たにメキシコでも自動車用ホース
る計画です。計画達成を牽引する大きな力となる戦略は
アッセンブリー工場が生産を開始しました。商品開発で
「自動車部品ビジネスのグローバル展開」と「得意の海洋
は次世代冷 媒 に 対 応 し た カ ー エ ア コ ン ホ ー ス を 世 界
商品でNo.1カテゴリーの拡大」です。
で初めて開発し、日系カーメーカーの欧州向け車両に採
自動車部品ビジネスに関し、これまで当社グループは
用されているほか、欧州カーメーカーからも注目されて
ホース・配管で5カ国、自動車窓枠用接着材で4カ国に
います。ディーゼルターボ用オイル配管ホースも開発が
自動車部品と海洋商品のグローバルな生産・供給体制
自動車部品
10
海洋商品
終わり、タイの現地カーメーカーへ納入を始めました。
当社グループの空気式防舷材とマリンホースは現在、
世界シェア1、2位を競う有力商品です。さらなる海洋
商品事業の拡大に向け、
2014年9月にイタリアのマリン
ホース生産販売会社を買収しました。さらに、2016年
下期にはインドネシア・バタム島で防舷材とマリンホース
を生産する海洋商品の新工場を稼動させる計画です。
これにより、空気式防舷材2拠点、マリンホース3拠点の
グローバルな生産・供給体制が確立します。
グローバルでの人材最適配置を目指す
グローバル人材の育成も大きなテーマです。将来的
には世界の拠点間で上級幹部同士の異動を行うグロー
バルでの人材最適配置を実現したいと思っています。
そのために研修や教育プログラムの充実、共通のマネ
ジメントシステムの導入などを進めていきます。本社
の新卒社員に対しては7年前から入社後すぐに海外
子会社に勤務させるグローバル研修を実施しています。
グ ロ ー バ ル な 考 え 方 や 感 性 、外 国 人 と 心 を 通 わ せ る
ためのコミュニケーションスキルを身に付けるうえで
「次の100年も、お客様に
非常に効果の大きい研修となっています。
コーポレート・ガバナンスの徹底を図る
当社グループはコーポレート・ガバナンスとコンプライ
ア ン ス の 遵 守 を 最 重 要 課 題 と 認 識 し て い ま す 。その
ため世界の全拠点、全社員が同質の活動を行えるよう、
全拠点の責任者を集めたグローバル・コンプライアンス・
ミーティング、
グローバル生産会議、
グローバル環境会議
などを定期的に開催しています。また、業務をシステム
必要とされるタイヤ・ゴム製品
メーカーで在り続けるために、
顧客価値を高め、グローバルに
規模を拡大する」
的に管理することで不正のできない仕組みづく り を
進 め て お り 、技 術 本 部 や 営 業 本 部 を 皮 切 り に 導入を
進めています。さらに、第3者の立場から経営を厳しく
チェックするため、
2016年3月の株主総会において社外
取締役を1名増やし、計3名とすることを決定しました。
当社グループは全社一丸となって
「GD100」
フェーズⅣ
の基本的な考え方に掲げた「次の100年も、お客様に
必要とされるタイヤ・ゴム製品メーカーで在り続ける
ために、顧客価値を高め、グローバルに規模を拡大する」
に取り組んでいきます。こうした姿勢をご理解いただき、
変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
11
特集
生産財タイヤ事業の拡大に向けて、
農機・建機用タイヤ会社
「ATG」
の買収を発表
横浜ゴムは2016年3月25日、農業機械・建設機械用
その他必要な各国の競争法に基づく手続きを経たうえで
タイヤメーカーであるアライアンス・タイヤ・グループ
2016年7月1日の買収完了を予定しています。
(ATG)の買収を発表しました。ATGの株式を保有する
ATGは農業機械用タイヤ、
産業機械用タイヤ、
建設機械用
投資ファンドのKKRとその他の株主から総額1,179百万
タイヤ、林業機械用タイヤの製造・販売に特化した事業
USドル(株式取得後に株式譲渡契約所定の方法で調整
を展開しており、
各々のラジアルタイヤ、
バイアスタイヤ
される予定)でATGの全株式を取得します。今後、米国、
を欧州、
北米を中心に世界120カ国以上に販売しています。
ATGの概要
社名:
Alliance Tire Group B.V.
所在地:
オランダ王国アムステルダム市
主要事業:
農業機械用タイヤ、産業機械用タイヤ、建設機械用タイヤ、林業機械用タイヤ等の製造・
販売事業を行う子会社の株式保有
生産拠点:
子会社が操業するインド2工場、イスラエル1工場
設立年:
2006年11月17日
連結売上高:
529百万ドル(2015年12月期)
連結営業利益: 95百万ドル(2015年12月期)
2016年3月25日の記者会見で挨拶する
南雲忠信会長
12
今回、
ATGを買収することで当社の生産財タイヤのライン
現 在 、当 社 グ ル ー プ は 中 期 経 営 計 画「 G D 1 0 0 」の
ナップに農業機械用タイヤ、林業機械用タイヤが新たに
フェーズⅣ(2015年度ー2017年度)に取り組んでお
加わります。
特に農業機械用タイヤは、
世界的な人口増加
り、タイヤ事業戦略の柱のひとつとして「生産財タイヤ
による食料需要増や農業効率向上に向けて農業機械の
事業の拡大に向けた戦略」を掲げ、鉱山・建設車両用超大
需要増加が予測されることから、これに伴い需要の増加
型ラジアルタイヤの開発や拡販に取り組んでいます。今
が見込まれています。
回のATG買収により生産財タイヤ事業をさらに強化し
ていきます。
ATGの地域別売上高構成比
ATGの商品別売上高構成比
(2015年12月時点)
(2015年12月時点)
13%
9%
トラック・バス用
その他
7%
林業機械用
40%
51%
51%
欧州
北米
農業機械用
29%
産業機械用
ATGが 展開するブランド
ブランド名
•
特長
用途
1950年にイスラエルで設立した老舗
•
の農業車両用タイヤブランド
•
•
1,000を超える商品サイズ数を有する
1970年代より建設車両向けタイヤを
メインに展開
•
•
•
主に林業用、鉱山用タイヤを展開
北米に強み
北米に強み
欧州に強み
農業機械用
建設機械用
林業機械用
林業機械用
農業機械用
建設機械用
産業機械用
産業機械用
産業機械用
建設機械用
13
Yokohama at a Glance
タイヤ
MB
その他
¥75
¥10
¥1,217
¥105
売上高
営業利益
(億円)
(億円)
¥5,006
¥430
タイヤ事業
MB事業
ヨコハマブランドの乗用車用タイヤ、
トラック・バス
ホース配管事業、
工業資材事業、
ハマタイト・電材事業、
用タイヤ、
建設車両用
(OR)
タイヤ、
モータースポーツ
航空部品事業から構成されており、
各種高圧ホース、
用タイヤのほか、タイヤチューブ、アルミホイール、
コンベヤベルト・防舷材・マリンホース、橋梁用ゴム
その他自動車関連部品を生産販売しています。
支承・道路ジョイント、
接着剤・シーリング材、
航空機
用ラバトリーモジュール・ウォータータンクなどを
生産販売しています。
14
事業の概況
タイヤ事業
売上高
営業利益
¥5,006
0.6
億円
¥430
11.4
%増
売上高
営業利益
(億円)
(億円)
4,795
2013
4,976
%減
5,006
460
2014
2015
億円
2013
486
2014
430
2015
2015年12月期の概況
売上高は前年同期比0.6%増の5,006億円、
営業利益は
同11.4%減の430億円となりました。売上高に占める
割合は79.5%、
営業利益に占める割合は78.9%です。
国内新車用
自動車生産台数の減少を受け、販売量、売上高ともに
前年同期を下回りました。こうした環境の中、低燃費
タイヤの新車装着活動を強化した結果、プレミアムカー
やエコカー向けタイヤの新車装着を数多くの車種で
獲得することができました。
多くのエコカーに新車装着された
「BluEarth E70」
15
SUV用タイヤ「GEOLANDAR H/T G056」のイメージ写真
国内市販用
2016年12月期の見通し
価格競争の激化や暖冬による冬用タイヤの販売が低調
売上高は前年同期比4.1%増の5,210億円、
営業利益は
に推移したことなどから販売量、
売上高ともに前年同期を
同3.2%増の444億円を見込んでいます。
海外向けタイヤ
下回りました。
こうした状況の中、
新商品投入による販売
の販売増、原材料価格の低下、工場の操業度良化により
拡大を狙い、
夏用タイヤでは、
ミニバン専用低燃費タイヤ
増益を計画しています。
「BluEarth RV-02」、SUV 用タイヤ「GEOLANDAR
H/T G056」を発売しました。また、冬用タイヤでは、
乗用車用スタッドレスタイヤブランド「iceGUARD」
史上最高の氷上性能を実現した「iceGUARD 5 PLUS」
を発売しました。
海外市販用
価格競争が激化する厳しい環境の中、
北米が2014年に
続き堅調に推移し、
中国も販売が好調で売上高は前年同期
を上回りました。
また、
2015年10月から米国ミシシッピ州
のトラック・バス用タイヤ工場の操業を開始しました。
16
事業の概況
MB事業
売上高
営業利益
¥1,217
億円
1.2
%増
¥105
2.9
売上高
営業利益
(億円)
(億円)
1,202
1,217
2014
2015
(注)当期より従来の「工業品事業」と「その他の事業」に含まれていた航空部品事業を
併せて「MB事業」に名称を変更しました。2014年度の数値は新区分にて計算
し直した数値を記載しています。
%
億円
増
102
105
2014
2015
2015年12月期の概況
売上高は前年同期比1.2%増の1,217億円、
営業利益は
同2.9%増の105億円となりました。売上高に占める
割合は19.3%、営業利益に占める割合は19.3%です。
17
ホース配管事業
航空部品事業
世界的な資源開発の鈍化や中国における景気減速を
民間航空機向けの需要が増加したことから好調に
受け、
売上高は前年同期を下回りました。
建設機械関連は
推移し、売上高は前年同期を上回りました。
国内市場が排ガス規制の反動により低調に推移したほか、
海外でも中国、東南アジアでの低迷が続きました。自動
車関連もメーカーの減産や東南アジアでのパワー
ステアリングの電動化などの影響を受けました。
2016年12月期の見通し
売上高は前年同期比1.1%増の1,230億円、営業利益
は同7.0%減の98億円を見込んでいます。
工業資材事業
海外向けマリンホースに加え、
国内のゴム支承など土木
関連商品も好調に推移し売上高は前年同期を上回り
ました。
マリンホース
ハマタイト・電材事業
国内向け建築用シーリング材は低調に推移しましたが、
海外向けの自動車用接着剤が好調で売上高は前年同期を
上回りました。
旅客機向け化粧室ユニット
18
スポーツ事業
横浜ゴムグループは
「PRGR」
ブランドの各種ゴルフ
用品を販売しており、国内をはじめ、韓国、中国、
台湾、東南アジアでの展開を強化しています。
<2015年のトピックス>
2つのシニア向けゴルフクラブシリーズを発売
「egg」シリーズからシニアゴルファー向け商品
として、2015年9月に「赤egg」、10 月に「金
egg」を発売しました。
「赤egg」はSLEルール適合
ながら飛びを最優先に考えた商品で、
「 金egg」は
SLEルール適合外の高反発ヘッドを採用したのが
特徴で す 。両 商 品 と も に 飛 び を 追 求 す る シ ニ ア
ゴ ル フ ァ ー を 中 心 に 販 売 を 伸 ば し ています。
契約プロ2選手が優勝
2015年8月、
当社契約プロの原江里菜選手が大東
建託・いい部屋ネットレディスで優勝し、さらに
10月には小平智選手が日本オープンゴルフ選手権
で優勝を果たしました。
「赤egg」
ドライバー(上)
と
「金egg」
ドライバー
第8回ヨコハマタイヤ ゴルフトーナメント PRGR
レディスカップを開催
2015年3月、当社が主催する女子プロゴルフ
もらうとともに、
「 ヨコハマタイヤ」と「PRGR」
トーナメント
「ヨコハマタイヤ ゴルフトーナメント
ブランドの知名度をさらに高めることを目的に
PRGR レディスカップ」を開催しました。同トーナ
2008年から主催しており、2015年で8回目と
メントは幅広い層にゴルフを身近なものに感じて
なります。
原江里菜選手
小平智選手
PRGRレディスカップでプレーする当社契約プロの辻梨恵選手
19
企業理念とCSRへの考え方
横浜ゴムは1990年に企業理念を制定しました。
企業理念
環境貢献企業になる」
「高い倫理観を持ち、顧客最優先の
は
「基本理念」
「 経営方針」
「 行動指針」
「 企業スローガン」
企 業 風 土 を 作 り 上 げ る 」を 掲 げ 、C S R 重 視 の 姿勢を
からなり、
「基本理念」
は将来に向けて横浜ゴムが一貫して
打ち出しました。2008年には社内の組織にCSR本部を
こだわり続ける目指すべき姿、
「 経営方針」は経営陣が
設置し、
CSR経営ビジョンを社内外に公表しました。
「社会
自らに約束する経営の基本姿勢、
「 行動指針」は従業員
からゆるぎない信頼を得ている地球貢献企業になる」と
一人ひとりが自らに課す行動規範です。2006年には、
いうビジョンには、
「Corporate Social Responsibility
中期経営計画
「グランドデザイン100
(GD100)
」
を策定、
の R を『 責 任 ( R e s p o n s i b i l i t y ) 』で は な く『 信 頼
2017年に売上高1兆円のグローバルカンパニ ー に
(ReIiability)』
と言い換えよう」
「
、なじみある言葉で理解し
なることを明言しました。そして基本方針には国際社会
日々の行動につなげよう」
という意思がこめられています。
からの期待と要請を強く認識し、
「 ト ッ プ レベルの
企業理念(1990年制定)
基本理念
心と技術をこめたモノづくりにより、
幸せと豊かさに貢献します。
経営方針
・技術の先端に挑戦し、
新しい価値を創り出す
・人を大切にし、
人を磨き、
人が活躍する場をつくる
・独自の領域を切り拓き、
事業の広がりを追求する
・社会に対する公正さと、
環境との調和を大切にする
行動指針
・自らを鍛え、
自己ベストに挑戦する
・外に向けて開かれた心を育てる
・たがいに信頼し合い、
ぶつかり合い、
高め合う
企業スローガン
「すごいをさりげなく」
CSR経営ビジョン(2008年制定)
社会からゆるぎない信頼を得ている地球貢献企業になる
CSR行動指針
・変化し続ける社会動向をつかむ
・迅速に行動しゆるぎない信頼を得る
・貢献できる課題を見極める
・一人ひとりがCSR当事者として行動する
中期経営計画「グランドデザイン100(GD100)」
(2006年制定)
環境GD100(2006年制定)
GD100のビジョンと基本方針
基本方針
創業100周年にあたる2017年度に企業価値・市場地位において、
独自の存在感を
経営方針に示された「社会に対する公正さと、環境との調和を大切にする」を規範
持つグローバルカンパニーを目指します
として、
トップレベルの環境貢献企業になる
長期財務目標(2017年度)
・環境経営を持続的に改善します
売上高:1兆円 営業利益:1,000億円 営業利益率:10%
・地球温暖化防止に取り組みます
・持続可能な循環型社会実現に貢献します
基本方針
・良いモノを、
安く、
タイムリーに
・トップレベルの環境貢献企業になります
・高い倫理観を持ち、
顧客最優先の企業風土を作り上げます
20
グローバル・コンパクトと7つの重点課題
国内外の子会社を含む全横浜ゴムグループは、国連
ISO 26000 の7つの中核主題に沿って、PDCA(Plan-
グ ロ ー バ ル・コ ン パ ク ト の 1 0 原 則 を 行 動 指 針 と し 、
Do-Check-Act)を回しています。
国連グローバル・コンパクトの10原則
人権
ISO26000「7つの中核主題」
環境
原則1:
人権擁護の支持と尊重
原則7:
環境問題の予防的アプローチ
原則2:
人権侵害への非加担
原則8:
環境に対する責任のイニシアティブ
原則9:
環境にやさしい技術の開発と普及
労働
原則3:
組合結成と団体交渉権の実効化
腐敗防止
原則4:
強制労働の排除
原則10: 強要・賄賂等の腐敗防止の取組み
原則5:
児童労働の実効的な排除
原則6:
雇用と職業の差別撤廃
CSR・環境経営推進体制
会議
課題について立案・検討する体制を整えています。CSR
議長 社長
C
S
R
ぞれ年に2回開催し、グループが取り組むべきCSRの
環境
公正な事業慣行
消費者課題
コミュニティへの参画及び
コミュニティの発展
CSR 情報委員会
委員長:CSR 本部長
事業別会議体
MB 生産環境部会
部会長:MB生産・技術担当
ていきます。また、世界の全拠点で、高質で同質の環境
議長 社長
環境推進会議
代表取締役
の推進を図り、
2014年には中国とタイで、
2015年には
労働慣行
部会長:タイヤ生産本部長
活動のパフォーマンスを評価し、
次年度の改善に結び付け
また、海外では地域の事情を反映するため、エリア管理
人権
タイヤ生産環境部会
会議、環境推進会議では、7つの重点課題に沿ったCSR
によるグローバル環境推進会議を年1回開催しています。
組織統治
機能別会議体
社長が議長を務めるCSR会議と環境推進会議をそれ
経営を行うことを目指し、海外全生産拠点の経営責任者
1
2
3
4
5
6
7
本社販売 CSR 環境推進部会
部会長:CSR 本部長
関連会社生産環境会議
議長:環境保護推進室長
グローバル環境会議
議長:CSR 本部長
北米で環境会議を開催しました。
機能別会議体
化学物質管理委員会
環境保護推進室
本部
C
S
R
委員長:MB 生産・技術担当
3R 推進委員会
委員長:研究本部長
地球温暖化対策委員会
委員長:タイヤ生産本部長
環境貢献商品委員会
委員長:タイヤ生産財事業本部長
YOKOHAMA 千年の杜推進委員会
委員長:CSR 本部長
21
CSR特集
豊かな生態系を守り続けるために
生物多様性保全活動を推進
考え方
当社グループは天然ゴムをはじめとする自然資本
(自然
横浜ゴムの生物多様性保全活動 全体像
の恵み)
に依存して事業を営んでいます。
また、
多くの生産
工場では、装置を冷却するために大量の水を利用し、熱・
「青い地球と人を守る」
原料調達段階
二酸化炭素を放出しています。
このような事業活動によって
生物多様性の喪失と決して無関係ではないと認識して
います。この自然の恵みを与えてくれる多様な生命のつな
周辺地域
生産事業所周辺生物
多様性保全活動
地球環境
生じる自然環境への負荷が現在地球規模で進んでいる
天然ゴム
持続可能な利用
がり
(=生物多様性)の保全と持続可能な自然資本の利用
「YOKOHAMA千年の杜」
プロジェクト
モニタリング
(水質、個体数)
苗木の提供
事業所内
に取り組み、未来の世代に伝えていくことが我々の責務
熱帯雨林保護
海岸、河川清掃
絶滅危惧種保全
緑の防潮堤づくり
大槌町植樹
社会貢献
であると考え、2010年7月に生物多様性ガイドライン
を策定し本格的な活動を開始しました。
目指す姿(達成像)/目標
していきます。2007年に開始した「YOKOHAMA千年
「生物多様性の保全」については、自然と共生し、環境
の杜」プロジェクトでは2017年までに国内外の生産
マインドを持った従業員の育成を目指していま す 。そ の
拠点および関連部門の敷地内に50万本の苗木を植え
た め に 事 業 活 動 お よ び 社 会 活 動 を 通 じ て 活動を推進
ることを目標にしています。
目指す姿に向けた施策
生物を決定して保全活動を行います。また、結果を公表
当社グループの生物多様性保全活動はステップ展開
します。
「YOKOHAMA千年の杜」
は2015年末での植樹
を行っています。
ステップ1で事業所を取り巻く水域・緑地・
本数が累計466,390本に達しました(達成率93%)。
自然保護区や住居・工場など周辺環境を大まかに把握
森の成長と環境の変化を評価するため、苗木の成長量
した後に、ステップ2で周辺河川などの水質調査や出現
(樹高、胸高直径の測定)を調査し二酸化炭素の固定量を
生物のモニタリングを行い、ステップ3で評価対象生物
算出しています。また、本来の森として機能しているか
を設定します。
ステップ4では年間を通じてモニタリング
を知るために野鳥観察を実施しています。
を継続することで事業活動の影響を評価し、保全すべき
生物多様性活動プロセス
STEP 0
層別
航空写真
層別
22
STEP 1
予備調査
周辺調査
STEP 2
本調査
季節の変化
STEP 3
総括
活動内容決定
STEP 4
生物多様性保全活動
モニタリング
保全本活動
情報公開
国内の全生産拠点でステップ4を継続。
海外でも順次展開
のヨコハマタイヤ・マニュファクチャリング・タイランド
国内では2010年11月の三重工場を皮切りに活動を
とヨコハマゴム・タイがステップ4に取り組んでいます。
スタートし、現在は全7生産拠点でステップ4(保全活動
さらに2015年4月から活動を開始したヨコハマタイヤ・
とモニタリングの実施/情報公開)を継続しています。
フィリピンと中国の杭州優科豪馬輪胎有限公司は2015
また、2013年9月からは海外拠点にも活動を広げ、タイ
年中にステップ2(本調査)が終了しています。
長野工場の大島川と天竜川合流地点での生物モニタリング
(2015年7月)
杭州優科豪馬輪胎の近くにある川沿いの湿地での調査(2015年10月)
●サプライチェーンへの生物多様性保全活動の拡大
原料調達段階での生物多様性保全調査として、インド
ネシアおよびタイの天然ゴム農園で生物多様性調査を
行いました。
タイの天然ゴム農園での調査の様子
●地域コミュニケーションを活発化
報告と意見交換を行っています。
海外ではヨコハマタイヤ・
生物多様性保全を地域と共に推進していく活動の
マ ニ ュ フ ァ ク チ ャ リ ン グ・タ イ ラ ン ド が 2 0 1 5 年
一環として、
各事業所では地域の皆さまへの説明会を実施
10月、近隣の地域リーダーや町役場の方々、小学校の先
しています。平塚製造所では製造所内で開催している
生などを集めて生物多様性保全活動に関する情報公開
地域交流イベント
「Think Ecoひらつか」
の中で2014年
と現地見学会を開催しました。
から生物多様性パネルディスカッションを開催し活動
平塚製造所で開催した第2回生物多様性パネルディスカッション
(2015年11月)
ヨコハマタイヤ・マニュファクチャリング・タイランドの情報公開イベント
(2015年10月)
23
CSRトピックス
環境貢献商品の取り組み
新規開発商品を「地球温暖化防止」
「 資源再生・循環」
「省資源」
「安全・快適性」
の4つの環境機能で評価し、
従来品
に比べ平均5%以上上回ることを義務付けるとともに、
います。2015年度の全取り扱い商品に占める環境貢献
商 品 の 比 率 は 9 8 . 3 % と な り 、2 0 1 7 年 度 末 ま で に
100%達成を目指しています。
1機能でも下回った場合は商品化できない仕組みとして
全取り扱い商品に占める環境貢献商品の比率
47.0%
98.3%
2007 年度
2015 年度
(2006年4月∼2007年3月)
(2015年1月∼2015年12月)
温室効果ガス削減の取り組み
国内生産拠点では中期目標として
「温室効果ガス排出量
を2020年までに基準年(1990年)比25%削減」を
掲げ、2015年度は基準年比20%削減を達成しまし
た。また、横浜ゴムグループのバリューチェーン全体の
長期目標として「2050年までにCO2総排出量を基準年
(2005年)比50%以上削減」を設定し活動しています。
そのため、企業が間接的に排出するサプライチェーン
での排出量であるScope3を算定しています。Scope3
の中で製品の使用が85%を占めており、環境貢献商品
国内外グループの温室効果ガス排出量の推移
(千t-CO2)
800
700
600
500
363
375
320
317
303
2013
2014
2015
321
306
328
327
321
2011
(4/11–12/11)
2012
400
300
200
100
0
や低燃費タイヤの普及に努めるとともに、取引先とも
国内グループ
海外グループ
協働してバリューチェーンにおける温室効果ガス
排出量の削減を推進します。
国内外グループの Scope3 排出量
(千t-CO2)
2%
13%
Scope3のカテゴリ11
Scope3のその他のカテゴリ
Scope1+2
24
85%
Scope3の区分
2014 年度
2015 年度
1
物品購入・サービス
2,342
2,364
2
資本財
475
302
3
燃料・エネルギー
103
108
4
上流の輸送・流通
148
148
5
廃棄物
2
2
6
出張
3
14
7
従業員の通勤
18
18
8
上流のリース資産
—
—
9
下流の輸送・流通
58
50
10
販売した製品の加工
5
4
11
製品の使用
26,155
20,273
12
製品の廃棄
1,467
464
13
下流のリース資産
14
フランチャイズ
15
投資
計
0
0
—
—
67
84
30,844
23,832
廃棄物削減の取り組み
国内外生産拠点では「廃棄物の原単位を毎年1%以上
削減」
を目標に取り組んでおり、
国内、
海外ともに4年連続
国内外グループの廃棄物発生量の推移
(千t)
35
で目標を達成しました。また、埋立廃棄物を完全にゼロ
30
にする完全ゼロエミッションを推進しており、国内では
25
2006年3月末に全生産拠点で達成しています。
海外では
20
全16生産拠点の内12拠点で達成しており、
残りの4拠点
15
で達成を目指しています。
11
10
11
12
21
20
19
19
2011
(4/11–12/11)
2012
2013
2014
10
13
19
5
0
国内グループ
2015
海外グループ
国内生産拠点・海外グループ会社の社会貢献活動
2015年度に実施した活動の一部をご紹介します。
国内生産拠点
茨城工場
小美玉市のふれあい祭りに出
展し、
工場で育てた苗木1,380
本を一般市民に無償配布しまし
た。その他、各 地 の 植 樹 会 に も
海外グループ会社
Yokohama Tire Manufacturing Virginia, LLC
(米国)
周辺道路や川の清掃活動を行った
ほか、不要な電化製品の収集とリサ
イクル活動を地域と協業して実施
苗木を提供しています。
しています。
三重工場
協機工業股份有限公司(台湾)
大湊海岸(伊勢市)
の保全活動
として大湊小学校4年生を対象
に出前授業を行い、大湊河岸の
固有生物の保全や外来植物
苗栗県が主催する地域美化活動
である海岸の清掃活動に参加しま
した。
また、
近隣の小学校の環境教育
基金への寄付や山道の清掃を実施
の 抜根活動を共同で行いました。
しました。
三島工場
Yokohama Tyre Vietnam, Inc.(ベトナム)
近隣小学校での植樹活動と教育
近隣にある向山小学校3年生
を対象に環境教 育 の 紙 芝 居 と
植樹体 験 学 習 などを実施した
ほか、工場周辺の 自 治 会 開 催
の納涼祭に工場で育てた苗木を
提供しました。
活 動 に 加 え 、貧 困 層 支 援 と し て
孤児院を訪問し物資や金銭面での
支援を実施しました。またドンナ
イ省の学生に710冊のノートを寄贈したほか、ホーチ
ミン市の障害児支援センターでチャリティ活動を行い
ました。
LLC Yokohama R.P.Z.
(ロシア)
ロシアで唯一グリーンウェーブ
活動に参加しており、
近隣小中学生
を招いて植樹会を開催しました。
併せて、横浜ゴムグループの環境
活動の紹介や環境勉強会、また工場見学でECOタイヤ
の紹介を行いました。
25
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
横浜ゴムグループは、企業理念の下に健全で透明性と
これにより、企業価値の継続的な向上が図れる経営体質
公平性のある経営を実現するコーポレート・ガバナンス
とし、すべてのステークホルダーから「ゆるぎない信頼」
体制を築き、
さらにこの体制の充実と強化に努めています。
を得られる経営を目指します。
コーポレート・ガバナンス体制の概要
横浜ゴムは会社法上の機関(株主総会、代表取締役、
内部監査および監査役監査
取締役会、監査役会、会計監査人)に加え、経営の監督と
横浜ゴムは監査役制度を採用しており、経営監査機能
業務の執行を明確化し経営の意思決定および業務執行
強化の観点から監査役5名のうち3名を社外監査役とし、
の迅速化を徹底するため、
執行役員制度を採用しています。
現在の経営体制は代表権のある会長と社長を含む社内
取締役9名(執行役員兼務者含む)と社外取締役3名の
合 計 1 2 名 お よ び 執 行 役 員 1 6 名 で す 。ま た 、ト ッ プ
マネジメントの戦略機能を強化するため、取締役を主要
メンバーとする経営会議を設け、事業計画の達成状況の
把握と事業戦略に関する協議を行っています。なお、
取締役の経営責任を明確にすべく、取締役の任期は1年
としています。
併せて、
役員の人事、
処遇の透明性と公平性
を確保すべく「役員人事・報酬委員会」を設置し、審議の
うえ取締役会にて決定する体制を採用しています。
独立して公正な監査を行うことが可能な体制をとって
います。監査役は経営会議など重要な会議や委員会に
出席し、業務執行状況を知ることができる体制となって
います。監査体制については、取締役の職務執行を監査
する監査役による監査、
外部監査となる会計監査人による
会計監査、監査室(10名)による各執行部門とグループ
会社の業務監査および会計監査を行う体制としています。
これらは互いに独立性を保った活動を行い、
三様監査体制
を確立するとともに、監査役は会計監査人および監査室
から適宜情報を得て監査役機能の強化を図っています。
さらに、監査の実効性を高め、かつ監査業務を円滑に
遂行できるようにするため、
監査役を補助する要員として
監査役付を配置しています。
コーポレート・ガバナンス体制図
株主総会
選任・解任・監督
会計監査人
選任・解任・監督
会計監査
監査
監査役会
会計監査
選任・解任・監督
取締役会
監査
提案
役員人事・報酬委員会
経営・監督
経営会議
CSR会議
コンプライアンス委員会
中央防災会議
会計監査
環境推進会議
リスクマネジメント委員会等
経営管理本部長
監査室
26
内部監査
執行役員/各業務執行部門
企 業 理 念・行 動 規 範
代表取締役
社外監査役は上記の報告を同様に受けるほか、効率的
社外取締役および社外監査役
横浜ゴムは経営の監督および監視のために社外取締役
3名、社外監査役3名を選任しています。社外取締役は
監査室からの内部監査の報告、内部統制の整備・運用状
況などに関する報告、監査役からの監査報告を定期的に
受けることにより、横浜ゴムグループの現状と課題を
把握し、
必要に応じて取締役会において意見を表明します。
かつ効果的に監査役監査を行うために会計監査人と
内部監査部門である監査室および子会社の監査役との
情報交換など協力関係を維持しています。なお、社外
取締役および社外監査役の選任にあたっては東京証券
取引所における独立役員の独立性に関する判断基準を
参考にしています。
内部統制システムの概要
横浜ゴムは2006年5月11日開催の取締役会において、
コンプライアンス委員長と監査役に報告することが
業務の適正を確保するための「会社法に基づく内部統制
徹底されています。
コンプライアンス委員会は、
その実行
システムの基本方針」
を制定しました。
また、
2009年4月
部門としてコンプライアンス推進室を設置して横浜ゴム
28日開催の取締役会では、反社会的勢力排除に関する
グループの行動規範を制定し、
役員および従業員が法令・
方針を明記するなどの見直しを行い、内部統制システム
定款を遵守するための啓発活動を行います。
の強化を図っています。
グループ会社におけるコンプライアンス体制
リスクマネジメント体制
コンプライアンス委員会が制定した行動規範を横浜
CSR本部長を議長とするリスクマネジメント委員会
ゴムグループの全てに適用し、
これを基礎としてグループ
を設置し、経営に重大な影響を及ぼすリスクを横断的に
各社における諸規定を定め行動しています。横浜ゴムの
管理し、適切に評価対応しています。また、具体的な事例
コンプライアンス推進室は国内グループ会社における
となるコンプライアンス、安全衛生、災害、環境、情報
法令遵守体制に関する権限を有し、各グループ会社に
セキュリティ、
輸出管理などにかかわるそれぞれのリスク
おいても推進責任者を任命しています。
コンプライアンス
に関しては、コンプライアンス委員会、中央安全衛生
推進室はグループ各社のコンプライアンス推進責任者
委員会、中央防災会議、環境推進会議、情報セキュリティ
との情報の共有化や問題点の把握を図り、
適時、
経営会議
委員会、個人情報保護管理委員会、輸出管理委員会など
にて報告します。
監査室においても計画的に子会社および
を設置し、損失およびリスクの管理を行う目的で規則・
関連会社における会計監査、業務監査に加えコンプライ
ガイドライン・マニュアルの作成、研修、啓蒙活動などを
アンス監査を実施しており、
監査状況を取締役、
担当部署
実施しています。それぞれの管理状況は経営会議、CSR
および監査役に報告する体制を構築しています。
会議などにて適時、経営陣に報告されます。
内部通報窓口の設置
コンプライアンス体制
内部通報窓口としてコンプライアンス・ホットラインを
社長を議長とするコンプライアンス委員会を設置して
設置し、
必要な情報が届けられる体制を構築しています。
おり、取締役は重大な法令違反、そのほかコンプライ
2015年度は50件の質問・相談がありました。
アンスにかかわる重大な事実を発見した場合には、
直ちに
27
取締役・監査役・執行役員
2016年3月30日現在
前列左から 三上 修、小松 滋夫、大石 貴夫、南雲 忠信、野地 彦旬、桂川 秀人、菊地 也寸志
後列左から 竹中 宣雄、岡田 秀一、山石 昌孝、中野 茂、古河 直純
< 取締役 >
南雲 忠信
代表取締役会長
野地 彦旬
代表取締役社長
タイヤ管掌
大石 貴夫
取締役専務執行役員
MB 管掌
桂川 秀人
取締役常務執行役員
タイヤ国内REP営業本部長兼ヨコハマタイヤジャパン取締役社長
山石 昌孝
取締役執行役員
経営企画本部長兼タイヤ企画本部長兼IT企画本部担当
兼ヨコハマモータースポーツインターナショナル取締役社長
中野 茂
取締役執行役員
タイヤ生産統括兼タイヤ生産技術本部長兼タイヤ北米工場臨時建設本部長
取締役専務執行役員
ヨコハマコーポレーションオブノースアメリカ取締役社長
兼ヨコハマタイヤカナダ取締役会長
古河 直純
小松 滋夫
岡田 秀一
取締役常務執行役員
経営管理本部長兼CSR本部担当兼ヨコハマゴム・ファイナンス取締役社長
兼ヨコハマラバーシンガポール取締役社長
菊地 也寸志
取締役常務執行役員
タイヤ技術統括兼グローバル調達本部長兼研究本部担当
28
三上 修
社外取締役
社外取締役
竹中 宣雄
社外取締役
前列左から 高岡 洋彦、大尾 雅義
後列左から 山田 昭雄、佐藤 美樹、亀井 淳
< 監査役 >
高岡 洋彦
常任監査役
大尾 雅義
常勤監査役
近藤 成俊
執行役員
優科豪馬橡
有限公司董事長兼総経理兼上海優科豪馬輪胎銷售有限公司董事長
黒川 泰弘
佐藤 美樹
執行役員
ヨコハマタイヤフィリピン取締役社長
山田 昭雄
野呂 政樹
社外監査役
社外監査役
亀井 淳
執行役員
タイヤ消費財開発本部長兼タイヤ研究開発部長
社外監査役
< 執行役員 >
小林 達
副社長執行役員
社長補佐 特命担当
伏見 隆晴
常務執行役員
タイヤ海外営業本部長
中澤 和也
執行役員
横浜ゴムMBジャパン取締役社長
瀧本 真一
執行役員
ヨコハマタイヤコーポレーション取締役社長兼ヨコハマタイヤメキシコ取締役社長
塚田 修一
執行役員
CSR本部長兼コンプライアンス推進室長
久世 哲也
常務執行役員
ヨコハマコーポレーションオブノースアメリカ取締役副社長
兼ヨコハマタイヤマニュファクチャリング・ミシシッピ取締役社長
小林 一司
執行役員
タイヤ生産本部長兼平塚製造所長
労働慣行
鈴木 忠
常務執行役員
IT企画本部長兼タイヤ物流本部長
挾間 浩久
常務執行役員
タイヤ直需営業本部長
岸 温雄
常務執行役員
タイヤ生産財事業本部長兼TB事業部長
島田 淳
執行役員
MB管掌補佐兼MB生産・技術担当
城川 隆
執行役員
タイヤ材料開発本部長兼タイヤ第二材料部長
山本 忠治
執行役員
タイヤ企画本部長代理兼タイヤ企画部長
29
海外の主な子会社・関連会社
7
13
11
3
5
8
9
2
14
6
12
10
3
17
5
15 3
5
22
16
9
23
4
1
4
6
6 18
19 20
7
4
7
1
8
4
2
3
21
タイヤ事業
生産販売
5
Yokohama H.P.T. Ltd.(イギリス)
1
Yokohama Tire Manufacturing Virginia LLC.(米国)
6
Yokohama Suisse SA(スイス))
2
Yokohama Tire Manufacturing Mississippi, LLC.(米国)
7
Yokohama Scandinavia AB(スウェーデン)
欧州
8
Yokohama Europe GmbH(ドイツ)
LLC Yokohama R.P.Z.(ロシア)
9
Yokohama Reifen GmbH(ドイツ)
3
アジア
10
Yokohama Austria GmbH(オーストリア)
4
Hangzhou Yokohama Tire Co., Ltd.(中国)
11
Yokohama Danmark A/S(デンマーク)
5
Suzhou Yokohama Tire Co., Ltd.(中国)
12
Yokohama Iberia, S.A.(スペイン)
6
Yokohama Tire Philippines, Inc.(フィリピン)
13
Yokohama Russia L.L.C.(ロシア)
7
Yokohama Tire Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.(タイ)
14
N.V. Yokohama Belgium S.A.(ベルギー)
8
Yokohama Tyre Vietnam Inc.(ベトナム)
9
Yokohama India Pvt. Ltd.(インド)
15
Yokohama Tire Sales (Shanghai) Co., Ltd.(中国)
16
Yokohama Tire Taiwan Co., Ltd.(台湾)
17
Yokohama Tire Korea Co., Ltd.(韓国))
米州
18
Yokohama Tire Sales Philippines, Inc.(フィリピン)
1
Yokohama Tire Corporation(米国)
19
Yokohama Tire Sales (Thailand) Co., Ltd.(タイ)
2
Yokohama Tire (Canada) Inc.(カナダ)
20
Yokohama Asia Co., Ltd.(タイ)
3
Yokohama Tire Mexico S. de R.L. de C.V.(メキシコ)
4
Yokohama Rubber Latin America Indústria e Comércio Ltda.(ブラジル)
販売およびマーケティングサポート
30
欧州
米州
アジア
2
1
2
1
2
1
1
3
4
21
オセアニア
5
Shandong Yokohama Rubber Industrial Products Co., Ltd.(中国)
Yokohama Tyre Australia Pty., Ltd.(オーストラリア)
6
SC Kingflex Corporation(台湾)
中東
7
Yokohama Rubber (Thailand) Co., Ltd.(タイ)
22
Dubai Head Office(ドバイ/出張所)
23
Jeddah Office(サウジアラビア/出張所)
販売およびマーケティングサポート
米州
総合タイヤテストコース
1
1
Yokohama Aerospace America, Inc.(米国)
2
Yokohama Industrial Products Europe, GmbH(ドイツ))
欧州
Tire Test Center of Asia(タイ)
MB(マルチプル・ビジネス)事業
アジア
生産販売
3
Yokohama Industrial Products Sales-Shanghai Co., Ltd.(中国)
米州
4
Yokohama Industrial Products Asia-Pacific Pte. Ltd.(シンガポール)
1
Yokohama Industries Americas Inc.(米国)
2
Yokohama Industries Americas Ohio Inc.(米国)
3
4
その他
欧州
1
Yokohama Rubber (China) Co., Ltd.(中国/中国におけるタイヤ・MB事業の統括会社)
Yokohama Industrial Products Italy S.r.l.(イタリア)
2
Yokohama Rubber Singapore Pte. Ltd.(シンガポール/出張所)
アジア
3
Singapore Branch(シンガポール/出張所)
Yokohama Industrial Products-Hangzhou Co., Ltd.(中国)
4
Y.T. Rubber Co., Ltd.(タイ/天然ゴム加工工場)
31
日本の主な事業拠点 2
1
3
本社
3
2
1
1
4
4
1
1
2
5
5
タイヤ事業
MB(マルチプル・ビジネス)事業
生産拠点
生産拠点
1 三重工場
1 平塚製造所
2
三島工場
2 ハマタイト工場
3
尾道工場
3 茨城工場
4 新城工場
5
新城南工場
販売子会社・関連会社
1 株式会社ヨコハマタイヤジャパン
2
株式会社ヨコハマタイヤリトレッド
3
亀山ビード株式会社
総合タイヤテストコース
1
D-PARC
2 北海道タイヤテストセンター
32
1
2
3
4 長野工場(高森)
5 長野工場(豊丘)
販売子会社
1 横浜ゴムMBジャパン株式会社
その他
1 株式会社プロギア
財務セクション
34
財務の概況
38
事業などのリスク
40
11年間のサマリー
42
連結貸借対照表
44
連結損益計算書
45
連結包括利益計算書
46
連結株主資本等変動計算書
47
連結キャッシュ・フロー計算書
48
セグメント情報
33
財務の概況
経営環境
利 益 は 原 材 料 価 格 が 低 位 で 推 移 し た こ と に よ り 、同
当期における世界経済は、
米国では所得改善などにより
3.4%増の2,247億円となりました。しかしながら、販
堅調に推移し、欧州も緩やかな回復基調にありましたが、
売費および一般管理費は、為替円安の影響や海外市場向
中国では景気減速が続きました。日本経済は消費活動で
けのタイヤ販売数量の増加に伴う流通コストの増加な
一部弱い動きが見られたものの、
総じて緩やかな回復基調
どに加え、
新規連結子会社の経費追加により同7.6%増の
となりました。タイヤ業界においては原材料安、為替相場
1 , 7 0 2 億 円 と な り ま し た 。こ の 結 果 、営 業 利 益 は 同
の円安の進展などの好材料もありましたが、自動車生産
7.7%減の545億円、営業利益率は前年の9.4%から
台数の減少、
価格競争の激化など厳しい環境が続きました。
8.7%となりました。その他の収益(営業外収益と特別
こうした経営環境の中、
横浜ゴムグループは販売力の強化、
利益の合計)からその他の支出(営業外支出と特別損失)
業務の効率化、コスト削減などに取り組みました。
を差し引いた純額は3億円のマイナスとなりました。
ルーブルが円に対して安く推移したことに加え、
対ユーロ
営業の状況
が大幅な円高となったことによる為替差損が主因です。
2015年度の売上高は前年同期比0.7%増の6,299億円
これにより、当期純利益は同10.4%減の363億円と
で過去最高となりました。主力のタイヤ事業は北米や
なりました。なお、期中の平均為替レートはUSドルが
その他の地域が堅調に推移したほか、中国が好調に推移
121円(前年106円)、ユーロは134円(同140円)、
するなど海外販売が伸びました。
MB事業は工業資材事業、
ルーブルが2.0円(同2.8円)でした。
ハマタイト・電材事業、航空部品事業が好調でした。売総
売上高
営業利益・当期純利益・ROE
(億円)
(億円、%)
6,016
6,252
17.8
6,299
14.7
5,597
566
7.1
4,651
13.6
11.0
591
545
497
405
326
363
350
263
116
2011
(4/11–12/11)
2012
2013
2014
2015
2011
(4/11–12/11)
営業利益
ROE
34
2012
2013
2014
当期純利益
2015
事業別情報
ホースなどの工業資材事業、
建築用シーリング材/自動車
タイヤ事業の売上高は前年同期比0.6%増の5,006
用接着剤などのハマタイト・電材事業、航空部品事業)の
億円、営業利益は同11.4%減の430億円となりました。
売上高は前年同期比 1.2%増の1,217億円、
営業利益は
国内新車用は自動車生産台数の減少を受け、販売量、
同2.9%増の105億円となりました。ホース配管事業は
売上高ともに前年同期を下回りました。こうした中、
世界的な資源開発の鈍化や中国における景気減速を
低燃費タイヤの新車装着活動を強化した結果、
プレミアム
受け、売上高は前年同期を下回りました。工業資材事業
カーやエコカーの新車装着を数多くの車種で獲得する
は海外向けマリンホースに加え、国内向けゴム支承など
ことができました。国内市販用は、価格競争の激化や
土木関連製品が好調だったことで売上高は前年同期を
暖冬で冬用タイヤの販売が低調に推移したことにより
上回りました。ハマタイト・電材事業は国内向け建築用
販 売 量 、売 上 高 と も に 前 年 同 期 を 下 回 り ま し た が 、
シーリング材が低調に推移しましたが、
海外向け自動車用
ミニバン専用低燃費タイヤやSUV用タイヤ、
スタッドレス
接着剤が好調で売上高は前年同期を上回りました。航空
タイヤの新商品を発売するなど販売強化を図りました。
部品事業は民間航空機向けの需要が増加したことから
海 外 は 価 格 競 争 が 激 化 す る 厳 し い 環 境 の 中 、北 米 が
好調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。
2014年に続き堅調に推移し、
中国も販売が好調で売上高
は前年同期を上回りました。 MB事業(ホース配管事業、コンベヤベルト/マリン
事業別営業利益
(億円)
486
460
434
430
234
106
102
105
63
29
2011
(4/11–12/11)
2012
2013
2014
※当期より従来の
「工業品事業」
と
「その他の事業」
に含まれていた航空部品事業を併せて
「MB事業」に名称を変更。2014年度の数字は新区分にて計算しなおした数値、
2011年度から2013年度は変更前の
「工業品事業」
と
「その他事業
(航空部品、
ゴルフ
用品など)」を足した数字となっています。
2015
タイヤ
MB
35
財政状態
キャッシュ・フロー
2015年12月31日現在の総資産は7,107億円で前期
営業活動による資金の増加は、
税金等調整前当期純利益
末比238億円減少しました。流動資産は売上債権、棚卸
543億円の計上などにより575億円となりました。
資産、現預金を中心に同279億円減少し3,245億円と
一方、
投資活動による資金の減少は国内、
海外の生産設備
なりました。固定資産は減価償却費を上回る設備投資に
増強に伴う有形固定資産の取得による支出485億円など
よる有形固定資産の増加により同41億円増加し、
に よ り 5 5 1 億 円 と な り ま し た 。こ の 結 果 、フ リ ー
3,862億円となりました。負債は3,660億円で同377
キャッシュ・フローは25億円のプラスとなりました。
億円の減少です。有利子負債は同66億円増加の1,909
財務活動による資金の減少は、短期借入金の純増減額
億円となりました。D/Eレシオは前期末並みの0.6倍と
181億円などにより64億円となりました。その結果、
なり目標の0.8倍以下を維持しています。純資産合計は
現金および現金同等物の期末残高は前期末比34億円
3,447億円で同139億円増加しました。当期純利益
減少して411億円となりました。
363億円の計上に対して配当金の支払い、為替調整勘定
の減少、自己株式の取得が発生したことによるものです。
有利子負債・純資産※1・D/Eレシオ※2
(億円、回)
3,390
3,236
営業活動によるキャッシュ・フローと
フリーキャッシュ・フロー※
(億円)
590
592
0.7
0.6
0.6
2,042
1,622
1,620
1,753
1,843
0.6
467
1,909
286
1,463
81
21
–185
2011
(12/31/11)
2012
有利子負債
2013
2014
純資産
D/Eレシオ
※1:少数株主持分を除く
※2:有利子負債÷純資産(少数株主持分を除く)
36
575
2,708
1.0
2015
2011
(4/11–12/11)
2012
2013
53
2014
25
2015
営業活動によるキャッシュ・フロー
フリーキャッシュ・フロー
※(営業活動によるキャッシュ・フロー)
−
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
設備投資の状況
2016年の見通し
2015年度は減価償却費314億円に対し設備投資は
2016年度は日本においては政府・日本銀行の経済対策
510億円でした。
当初計画の658億円から150億円ほど
が下支えする中、景気が緩やかに回復することが期待
下回りましたが、
フィリピン、
中国でのタイヤ工場の拡充
されますが、
新興国の景気減速、
為替や原油価格の急激な
を需要動向に合わせて一部遅らせたことによるものです。
変動による海外景気の下振れが影響する可能性もあり、
不透明な経営環境が続くと予想されます。こうした経営
研究開発費
環境の中、2016年度の売上高は前年同期比3.5%増の
当社グループでは基盤技術に関する研究開発活動を
6,520億円、営業利益は同0.9%増の550億円、親会社
研究本部が、
商品に直接かかわる研究開発活動をタイヤ・
株主に帰属する当利純利益は同6.4%減の340億円を
MB事業の技術部門が担当しています。当期の研究開発
見込んでいます。期中の平均為替レートはUSドルが
費総額は142億円となりました。
120 円、ユーロが130 円、ルーブルが1.5円を想定
しています。
配当
中間配当を1株当たり13円(前年同期12円)とし、
2016年度の配当予想
期末配当は1株当たり26円(同14円)としました。なお、
2016年度は中間配当を1株当たり26円、期末配当を
期末配当は2015年7月1日に効力発生の株式併合
1株当たり26円とし、年間で1株当たり52円を予定
(普通株式2株を1株に併合)後の株式を対象としてい
しています。
ます。年間配当は2015年2月に公表した予定金額から
実質的な変更はありません。
設備投資額・減価償却費
1株当たり配当金
(億円)
(円)
553
510
26
22
335
314
281
250
224
26
20
14
274
12
240
12
199
7
4
8
10
12
13
2014
2015*
3
2011
(4/11–12/11)
2012
設備投資額
2013
2014
減価償却費
2015
2011
(4/11–12/11)
2012
中間配当金
2013
期末配当金
※2015年7月1日付で普通株式2株を1株とする併合を行っています。
年間配当については、2015年2月に公表した予定金額から実質的な
変更はありません。
37
事業などのリスク
横浜ゴムグループの経営成績、株価および財務状況な
事項は当連結会計年度末(2015年12月31日)現在に
どに影響を及ぼす可能性のあるリスクは下記のような
おいて判断したものです。
ものがあります。なお、文中における将来などに関する
経済状況
当社グループの全世界における営業収入のうち、
重要な
グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性が
部分を占める自動車用タイヤの需要は当社グループが
あります。
商品を販売している国または地域の経済状況の影響を
受けます。従って日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場
における景気後退およびそれに伴う需要の減少は、当社
グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性が
あります。また、競業他社との販売競争激化による市場
シェアダウンおよび価格競争の熾烈化による販売価格の
下落も当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす
可能性があります。
為替レートの影響
当社グループは主として円建で一般商取引、
投融資活動
などを行っていますが、米ドルその他の外国通貨建でも
これらの活動を行っています。今後一層の事業のグロー
バル化の進行に伴い、
海外事業のウエイトが高まることが
予想されます。
従って、
従来以上に外国通貨建の一般商取引、
投融資活動などが増加し、外国為替の変動により当社
グループの業績および財務状況が影響を受ける度合いが
大きくなります。為替予約の実施など為替レートの変動
によるリスクを最小限に留める努力を行っていますが、
当該リスクを完全に回避することはきわめて困難です。
季節変動の影響
当社グループの業績は上半期と下半期を比較した場合、
下半期の業績が良くなる傾向にあります。特に寒冷地域
で冬場の降雪時に使用する自動車用タイヤ
(スタッドレス
タイヤ)の販売が下半期に集中することが主な理由です。
38
従 っ て 、降 雪 時 期 の 遅 れ や 降 雪 量 の 減 少 な ど が 当 社
原材料価格の影響
当社グループの商品の主要な原材料は天然ゴムおよび
石油化学製品です。従って、天然ゴム相場の大幅な上昇
および国際的な原油価格の高騰があった場合、当社商品
の製造コストが影響を受ける可能性があります。これら
の影響を最小限に留めるべく各種対策を実施していますが、
吸収できる範囲を超えた場合は当社グループの業 績
および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
資金調達力およびコストの影響
当社グループは資金調達の安定性および流動性の保持
を重視した財務運営を行っていますが、日本を含めた
世界の主要な金融市場で混乱が発生した場合、
計画通りに
資金調達を行うことができない危険性があります。また、
格付会社より当社グループの信用格付けが大幅に下げ
られた場合、資金調達が制約されるとともに調達コスト
が増加し、当社グループの業績および財務状況に影響を
及ぼす可能性があります。
有利子負債の影響
当社グループの総資産に占める有利子負債の割合は約
26.9%(2015年12 月31日現在)です。グループ
ファイナンスの実施によりグループ資金の効率化を行う
ことで財務体質の改善に取り組んでいますが、今後の
金利動向によっては当社グループの業績および財務状況
に影響を及ぼす可能性があります。
保有有価証券の影響
知的財産権の影響
当社グループが保有する市場性のある有価証券のうち
当社グループは技術ノウハウの蓄積と知的財産権の
日本株式への投資が大きな割合を占めています。従って、
保護に努めていますが、第三者の知的財産権の侵害を
日本の株式市場の変動および低迷などによる有価証券
効 果 的 に 防 止 で き な い こ と が あ り ま す 。ま た 、当 社
評価損の計上などで当社グループの業績および財務状況
グループの商品または技術が、第三者から知的財産権を
に影響を及ぼす可能性があります。
侵害したとして訴訟を受け、それが認められた場合には、
グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性が
投資などにかかわる影響
あります。
当社グループは世界的な自動車用タイヤの需要に対応
すべく、アジアを中心に生産拠点の拡大および生産能力
商品の品質による影響
の増強のための投資を行っています。この投資により
当社グループは品質管理を経営の最重要課題とし、
商品の品質向上を図るとともに需要増にも対応でき、
品質管理体制の万全を期していますが、商品の欠陥や
当社グループの信頼を高め、
シェアアップが期待できます。
不良を皆無にすることは困難です。大規模なリコールや
しかしながら、現地の法的規制や慣習などに起因する
欠陥に起因する多額の損害賠償が起きた場合には、当社
予測不能な事態が生じた場合、
期待した成果を得ることが
グループの業績および財務状況に影響をおよぼす可能性
できなくなるため、当社グループの業績および財務状況
があります。
に影響を及ぼす可能性があります。
法律・規制・訴訟の影響
退職給付債務
当社グループは事業活動を行っている各国において、
当社グループの退職給付債務および退職給付費用は
投 資 、貿 易 、為 替 管 理 、独 占 禁 止 、環 境 保 護 な ど 、当 社
割引率、年金資産の期待運用収益率などの一定の前提
グループが展開している様々な事業に関連する法律や
条件に基づいて数理計算を行っています。実際の割引率、
規制の適用を受けています。将来において、新たな法律や
運用収益率などが前提条件と異なる場合、その差額は
規制により、事業活動の制約やコストの上昇など当社
将来にわたって規則的に認識されます。
従って、
金利低下、
グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性が
年金資産の時価の下落、運用利回りの低下などがあった
あります。また、国内外における予期せぬ法律や規制の
場合や退職金制度、年金制度を変更した場合、将来の退職
変更などにより、当社グループの事業活動に制約を受け、
給付債務の増加により、当社グループの業績および財務
当 社 グループの業績および財務状況に影響を及ぼす
状況に影響を及ぼす可能性があります。
可能性があります。
これらのほか、
当社グループは国内外
の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査
災害などの影響
の対象となる可能性があります。
重要な訴訟が提起された
当社グループは地震などの自然災害に備え、
各種対応策
場合や各国当局による捜査・調査が開始された場合、当社
を検討し、計画的に実施していますが、生産拠点および
グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性が
原材料の主要な仕入先などに予想外の災害が発生した
あります。
場 合 、当社グ ル ー プ の 業 績 お よ び 財 務 状 況 に 影響を
及ぼす可能性があります。
39
11 年間のサマリー
横浜ゴム株式会社及び連結子会社
表内の年表記は英語版アニュアルレポートに揃えています。2011 年度に決算期を毎年 12 月 31 日に変更したため、
「2011/12」は 2011 年度、
「2011/3」は 2010 年度を表しています。
なお、決算期変更の経過期間である 2011 年度(2011/12)は 9 カ月決算となっています。
2015
2014
2013
2012
¥ 629,856
¥ 625,246
¥ 601,630
¥ 559,700
営業利益
54,536
59,067
56,647
49,696
税金等調整前当期純利益(純損失)
54,255
62,594
55,819
51,768
当期純利益(純損失)
36,308
40,503
35,008
32,611
減価償却費
31,359
27,439
23,982
25,007
設備投資額
50,997
55,325
33,505
28,070
研究開発費
14,221
13,438
12,633
12,825
有利子負債
190,915
184,336
175,251
146,285
純資産
344,689
330,782
279,021
211,350
総資産
710,717
734,512
653,584
543,829
当期純利益(純損失)
¥ 266.07
¥ 125.34
¥ 108.32
¥ 97.87
純資産
2,114.11
1,001.29
837.84
631.64
配当金
ー※
26.00
22.00
20.00
売上高営業利益率(%)
8.7
9.4
9.4
8.9
自己資本利益率(%)
11
13.6
14.7
17.8
総資産回転率(回)
0.87
0.9
1.0
1.1
D / E レシオ(倍)
0.6
0.6
0.6
0.7
20.0
18.4
20.6
20.7
22,187
21,441
19,770
19,412
売上高
1 株当たり(円):
主要経営指標:
インタレスト/カバレッジ(倍)
従業員数
※2015 年 7 月 1 日付にて普通株式 2 株を 1 株の割合で併合しました。年間配当については 2015 年2月に公表した予定金額から実質的な変更はありません。
40
(百万円)
2011/12
2011/3
2010
2009
2008
2007
2006
¥ 465,134
¥ 519,742
¥ 466,358
¥517,263
¥ 551,431
¥ 497,396
¥ 451,911
26,291
29,491
21,455
12,808
33,119
21,070
21,947
16,604
21,880
18,969
(3,166)
20,478
26,038
22,673
11,619
13,924
11,487
(5,654)
21,060
16,363
21,447
19,871
25,885
28,184
28,684
27,238
22,166
20,491
22,433
24,944
17,471
43,341
27,292
40,638
29,067
9,307
12,748
13,280
15,277
15,289
14,649
14,557
161,998
146,773
154,675
179,379
165,614
167,474
163,022
168,286
170,872
163,382
144,159
181,538
186,528
174,609
501,786
478,916
466,973
473,376
526,192
536,322
502,014
¥ 34.68
¥ 41.55
¥ 34.27
¥ (16.87)
¥ 62.81
¥ 48.79
¥ 62.75
484.04
489.27
475.26
417.45
525.96
542.10
508.64
7.00
10.00
10.00
10.00
13.00
12.00
10.00
5.7
5.7
4.6
2.5
6.0
4.2
4.9
7.1
8.6
7.7
(3.6)
11.8
9.3
14.0
0.9
1.1
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
1.0
0.9
1.0
1.3
0.9
0.9
1.0
14.3
13.4
8.0
4.3
9.0
7.0
10.1
19,272
18,465
17,566
16,772
16,099
15,423
14,617
41
連結貸借対照表
横浜ゴム株式会社及び連結子会社
2015 年及び 2014 年 12 月 31 日現在
百万円
資産の部
流動資産:
現金及び預金
売上債権:
受取手形及び売掛金
電子記録債権
棚卸資産
繰延税金資産
その他
貸倒引当金
流動資産合計
有形固定資産:
土地
建物及び構築物
機械装置、運搬具、工具、器具及び備品
リース資産
建設仮勘定
減価償却費累計
有形固定資産合計(純額)
投資その他の資産:
投資有価証券
繰延税金資産
その他
貸倒引当金
投資その他の資産合計
資産合計
42
千米ドル
2014
2015
(2015/12/31) (2014/12/31)
2015
(2015/12/31)
45,967
$ 350,469
155,171
7,264
99,892
8,842
11,869
(763)
324,545
164,848
6,178
108,355
11,954
15,846
(722)
352,426
1,286,549
60,230
828,220
73,315
98,406
(6,326)
2,690,863
39,244
184,904
530,054
3,130
23,336
780,669
(519,007)
261,662
36,177
171,752
501,604
2,956
41,702
754,191
(504,756)
249,435
325,379
1,533,076
4,394,779
25,954
193,484
6,472,673
(4,303,187)
2,169,486
97,956
2,858
24,208
(512)
124,510
104,150
5,182
23,868
(551)
132,650
812,170
23,697
200,711
(4,243)
1,032,336
¥ 710,717
¥ 734,512
$ 5,892,684
¥ 42,270
¥
百万円
千米ドル
負債・純資産の部
2015
2014
(2015/12/31) (2014/12/31)
流動負債:
短期借入債務
一年以内に返済予定の長期借入金
コマーシャル・ペーパー
支払手形及び買掛金
電子記録債務
未払法人税等
未払費用
返品調整引当金
その他
¥ 67,092
15,814
13,000
65,542
7,267
2,537
36,814
678
16,047
¥ 87,368
23,014
22,000
80,641
8,450
10,869
38,613
716
20,915
$ 556,269
131,119
107,785
543,422
60,256
21,035
305,235
5,623
133,049
流動負債合計
224,792
292,585
1,863,794
固定負債:
長期借入債務
繰延税金負債
退職給付に係る負債
その他
95,011
20,189
12,823
13,213
51,955
22,441
24,684
12,064
787,750
167,392
106,316
109,551
固定負債合計
141,236
111,144
1,171,010
負債合計
366,028
403,729
3,034,804
純資産
株主資本:
資本金:
授権株式数 : 400,000,000 株(2014 年及び 2015 年 12 月 31 日現在)
発行済株式数 : 169,549,081 株(2014 年及び 2015 年 12 月 31 日現在)
資本剰余金
利益剰余金
自己株式ー取得価額
9,207,255 株(2015 年 12 月 31 日現在)
9,728,576 株(2014 年 12 月 31 日現在)
株主資本合計
その他の包括利益累計額:
その他有価証券評価差額金
為替換算調整勘定
繰延ヘッジ損益
退職給付に係る調整累計額
その他の包括利益累計額合計
少数株主持分
純資産合計
負債純資産合計
2015
(2015/12/31)
38,909
31,222
232,164
38,909
31,954
206,462
322,603
258,868
1,924,913
(12,111)
(11,378)
(100,415)
290,184
265,948
2,405,970
39,473
14,984
(156)
(5,505)
42,559
19,855
—
(4,805)
327,277
124,238
(1,295)
(45,645)
48,796
57,609
404,576
5,709
7,225
47,335
344,689
330,782
2,857,880
¥ 710,717
¥ 734,512
$ 5,892,684
43
連結損益計算書
横浜ゴム株式会社及び連結子会社
2015 年及び 2014 年 12 月 31 日に終了した 1 年間
百万円
売上高
売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
その他の収益(費用)
受取利息及び配当金
支払利息
為替差益(差損)
固定資産売却益
投資有価証券売却益
退職給付信託設定益
固定資産除売却損
減損損失
その他(純額)
税金等調整前当期純利益
法人税等:
法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
少数株主損益調整前当期純利益
少数株主利益
当期純利益
44
千米ドル
2015
(2015/1/1–
2015/12/31)
2015
(2015/1/1–
2015/12/31)
2014
(2014/1/1–
2014/12/31)
¥ 629,856
405,150
224,706
¥ 625,246
407,968
217,278
$5,222,255
3,359,173
1,863,082
170,170
54,536
158,212
59,067
1,410,913
452,168
2,766
(2,858)
(3,781)
—
—
7,926
(1,060)
(1,946)
(1,328)
(281)
54,255
2,850
(3,371)
(891)
5,028
2,615
—
(851)
—
(1,851)
3,527
62,594
22,932
(23,697)
(31,352)
—
—
65,718
(8,790)
(16,136)
(11,009)
(2,334)
449,836
12,135
5,604
17,739
36,516
(208)
20,800
1,258
22,058
40,536
(34)
100,616
46,461
147,077
302,760
(1,725)
¥ 36,308
¥ 40,503
$ 301,034
連結包括利益計算書
横浜ゴム株式会社及び連結子会社
2015 年及び 2014 年 12 月 31 日に終了した 1 年間
百万円
千米ドル
2015
(2015/1/1–
2015/12/31)
2014
(2014/1/1–
2014/12/31)
2015
(2015/1/1–
2015/12/31)
少数株主損益調整前当期純利益
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益
為替換算調整勘定
退職給付に係る調整額
在外子会社の年金債務調整額
持分法適用会社に対する持分相当額
その他の包括利益合計
¥ 36,516
¥ 40,536
$ 302,760
(3,080)
(156)
(5,329)
(701)
—
—
(9,266)
3,984
—
15,411
—
(959)
7
¥ 18,443
$
(25,541)
(1,295)
(44,180)
(5,810)
—
—
(76,825)
包括利益
親会社株主に係る包括利益
少数株主に係る包括利益
¥ 27,250
¥ 27,494
(244)
¥ 58,979
¥ 59,073
(93)
$ 225,935
$ 227,959
(2,024)
¥
45
連結株主資本等変動計算書
横浜ゴム株式会社及び連結子会社
2015 年及び 2014 年 12 月 31 日に終了した 1 年間
百万円
資本金
2014 年 1 月 1 日現在残高
当期純利益
剰余金の配当
連結範囲の変動
自己株式の取得
自己株式の処分
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金
為替換算調整勘定
在外子会社の年金債務調整額
退職給付に係る調整累計額
少数株主持分
2015 年 1 月 1 日現在残高
会計方針の変更による累積的影響額
会計方針の変更を反映した当期首残高
当期純利益
剰余金の配当
連結範囲の変動
自己株式の取得
自己株式の処分
自己株式の消却
連結子会社株式の取得による持分の増減
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益
為替換算調整勘定
在外子会社の年金債務調整額
退職給付に係る調整累計額
少数株主持分
2015 年 12 月 31 日現在残高
資本剰余金
利益剰余金
自己株式
株主資本合計
その他の
包括利益
累計額合計 少数株主持分
純資産合計
¥ 38,909
¥ 31,953
¥ 173,761
¥ (11,358)
¥ 233,265
¥ 37,491
¥ 8,265
¥ 279,021
—
—
—
40,503
(7,756)
—
—
40,503
(7,756)
—
—
—
—
40,503
(7,756)
—
—
(45)
—
—
(20)
(45)
(20)
—
—
—
—
(45)
(20)
0
—
1
1
—
—
1
—
—
—
—
—
—
—
—
3,973
15,556
—
—
3,973
15,556
—
—
—
—
—
—
—
—
5,394
(4,805)
—
—
5,394
(4,805)
—
38,909
—
38,909
—
—
—
—
—
—
—
—
31,954
—
206,462
—
(11,378)
—
265,948
—
57,609
(1,040)
7,225
(1,040)
330,782
—
31,954
338
206,801
—
(11,378)
338
266,286
57,609
7,225
338
331,120
—
—
36,308
(8,693)
—
—
36,308
(8,693)
—
—
—
—
36,308
(8,693)
—
—
47
—
—
(3,033)
47
(3,033)
—
—
—
—
47
(3,033)
0
(1)
—
(2,299)
0
2,300
1
—
—
—
—
—
1
—
(731)
—
—
(731)
—
—
(731)
—
—
—
—
—
—
¥ 38,909
—
—
—
—
—
—
¥ 31,222
—
—
—
—
—
—
¥ 232,164
—
—
—
—
—
—
¥ (12,111)
—
—
—
—
—
—
¥ 290,184
(3,086)
(156)
(4,871)
—
(701)
—
¥ 48,796
—
—
—
—
—
(1,516)
¥ 5,709
(3,086)
(156)
(4,871)
—
(701)
(1,516)
¥ 344,689
—
—
—
—
—
—
—
—
千米ドル
資本金
2015 年 1 月 1 日現在残高
会計方針の変更による累積的影響額
会計方針の変更を反映した当期首残高
当期純利益
剰余金の配当
連結範囲の変動
自己株式の取得
自己株式の処分
自己株式の消却
連結子会社株式の取得による持分の増減
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益
為替換算調整勘定
在外子会社の年金債務調整額
退職給付に係る調整累計額
少数株主持分
46
2015 年 12 月 31 日現在残高
資本剰余金
利益剰余金
自己株式
株主資本合計
その他の
包括利益
累計額合計 少数株主持分
純資産合計
$ 322,603 $ 264,936 $1,711,819 $ (94,336) $2,205,022 $ 477,651 $ 59,904 $ 2,742,577
2,803
—
—
2,803
—
2,803
322,603
264,936 1,714,622
(94,336) 2,207,825
477,651
59,904
2,745,380
301,034
—
—
301,034
—
—
—
301,034
(72,075)
—
—
(72,075)
—
—
—
(72,075)
390
—
—
390
—
—
—
390
(25,147)
—
—
—
(25,147)
—
—
(25,147)
5
—
2
—
3
—
—
5
—
—
(8)
(19,057)
19,066
—
—
—
(6,062)
—
(6,062)
—
—
—
—
(6,062)
—
—
—
—
—
(25,584)
—
(25,584)
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
(1,295)
(40,387)
—
(5,810)
—
—
—
—
(1,295)
(40,387)
—
(5,810)
—
—
—
—
—
—
(12,570)
(12,570)
$ 322,603 $ 258,868 $1,924,913 $( 100,415) $2,405,970 $ 404,576 $ 47,335 $ 2,857,880
連結キャッシュフロー計算書
横浜ゴム株式会社及び連結子会社
2015 年及び 2014 年 12 月 31 日に終了した 1 年間
百万円
2015
(2015/1/1/–
2015/12/31)
千米ドル
2014
(2014/1/1/–
2014/12/31)
2015
(2015/1/1/–
2015/12/31)
¥
$
営業活動によるキャッシュ・フロー:
税金等調整前当期純利益
¥
54,255
62,594
449,836
営業活動により獲得した現金(純額)への調整:
減価償却費
投資有価証券売却損益
固定資産除売却損益
退職給付信託設定損益
減損損失
退職給付に係る負債の増減額
その他(純額)
31,359
27,439
—
(2,615)
—
1,060
(4,176)
8,790
(7,926)
—
(65,718)
1,946
—
16,135
76
116
634
1,089
70
9,025
39,073
260,006
資産及び負債の変動:
売上債権の増減額
4,713
333
棚卸資産の増減額
7,176
(11,561)
59,495
仕入債務の増減
(15,577)
1,953
(129,155)
その他(純額)
(224)
6,288
(1,859)
2,738
2,837
22,698
(2,961)
(3,361)
(24,553)
(20,178)
(20,923)
(167,297)
57,544
58,994
477,110
(48,481)
(52,730)
(401,962)
(3,393)
(4,196)
(28,130)
有形固定資産の売却による収入
898
6,365
7,444
投資有価証券の売却による収入
—
3,246
—
(584)
(5,619)
(4,840)
(3,518)
(807)
(29,172)
(55,078)
(53,741)
(456,659)
(18,144)
10,862
(150,435)
コマーシャル・ペーパーの純増減額
(9,000)
10,000
(74,621)
長期借入れによる収入
48,062
9,166
398,491
(24,846)
(20,968)
(206,003)
社債の発行による収入
12,000
10,000
99,494
社債の償還による支出
—
(10,000)
—
配当金の支払額
(8,690)
(7,748)
(72,048)
連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出
(1,715)
—
(14,221)
その他(純額)
(4,062)
(1,385)
(33,680)
(6,395)
(73)
(53,023)
(759)
1,483
(6,290)
現金及び現金同等物の増減額
(4,687)
6,663
(38,862)
現金及び現金同等物の期首残高
44,454
35,863
368,572
利息及び配当金の受取額
利息の支払額
法人税等の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー:
有形固定資産の取得による支出
投資有価証券取得による支出
貸付けによる支出
その他(純額)
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー:
短期借入金の純増減額
長期借入金の返済による支出
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物に係る換算差額
現金及び現金同等物の期末残高
1,927
1,318
連結範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額
¥
41,084
¥
44,454
10,926
$
340,637
47
セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち、分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会において経営資源の
配分や業績の評価を行うために、定期的に検討を行う対象になっているものです。横浜ゴムは、商品・サービス別の事業部
を置き、各事業部は取り扱う商品・サービスについて国内及び海外の総合的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
したがって、横浜ゴムは、事業部別のセグメントから構成されており、主要な事業である「タイヤ事業」
「MB事業」を報告セ
グメントに分類しています。
<報告セグメントの変更等に関する事項>
当連結会計年度より、従来「工業品」としていた工業品事業と「その他」に含まれていた航空部品事業を併せMB事業
(MB:マルチプル・ビジネスの略)へと変更し、
「MB」として表示する方法に変更しています。この事業区分の変更は中期経
営計画の事業戦略に沿った当社グループの経営管理の実態を適正に表示するためのものです。なお、前連結会計年度のセ
グメント情報については、変更後の区分により作成したものを記載しています。
(2)報告セグメントごとの売上高、利益または損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、有価証券報告書の「連結財務諸表のための基本となる重要な事項」※
における記載と概ね同一です。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。また、セグメント間の内部利益及び
※※込め
振替高は市場実勢価格に基づいています。
(3)報告セグメントごとの売上高、利益または損失、資産、その他の項目に関する情報
以下の報告セグメントごとの売上高、利益または損失、資産、その他の項目に関する情報は、2015及び2014年12月31日
に終了した1年間のものです。
※ http://www.yrc.co.jp/cp/wp-content/themes/yokohama_rubber/pdf/ir/library/YUHO/140.pdf#page=66
百万円
タイヤ
MB
報告セグメント
合計
その他
合計
調整額
連結財務諸表
計上額
2015 (2015/1/1–2015/12/31)
外部顧客への売上高
セグメント間の内部売上高
または振替高
売上高合計
セグメント利益
セグメント資産
その他の項目
減価償却費
減損損失
持分法適用会社への投資額
有形固定資産および無形固
定資産の増加額
¥500,624
¥121,707
¥622,330
¥ 7,526
¥629,856
¥
—
¥ 629,856
1,865
502,488
¥ 43,037
¥564,386
96
121,803
¥ 10,534
¥100,410
1,961
624,291
¥ 53,571
¥664,796
15,120
22,646
¥
977
¥ 47,473
17,081
646,937
¥ 54,549
¥712,269
(17,081)
(17,081)
¥
(13)
¥ (1,553)
—
629,856
¥ 54,536
¥ 710,717
¥ 27,648
¥ 1,946
¥
66
¥ 2,995
¥
—
¥
—
¥ 30,643
¥ 1,946
¥
66
¥
¥
¥
361
—
—
¥ 31,004
¥ 1,946
¥
66
¥
¥
¥
355
—
—
¥ 31,359
¥ 1,946
¥
66
¥ 45,784
¥ 4,247
¥ 50,032
¥
381
¥ 50,412
¥
585
¥ 50,997
2014 (2014/1/1–2014/12/31)
外部顧客への売上高
セグメント間の内部売上高
または振替高
売上高合計
セグメント利益
セグメント資産
その他の項目
減価償却費
持分法適用会社への投資額
有形固定資産および無形固
定資産の増加額
48
¥ 497,573
¥120,208
¥ 617,781
¥
7,464
¥625,246
¥
—
¥625,246
1,997
499,570
¥ 48,578
¥ 575,330
184
120,392
¥ 10,235
¥ 96,070
2,181
619,962
¥ 58,812
¥ 671,400
3,561
11,026
¥
238
¥ 44,612
5,743
630,988
¥ 59,050
¥716,011
(5,743)
(5,743)
¥
17
¥18,500
—
625,246
¥ 59,067
¥734,512
¥ 24,130
¥
67
¥
¥
2,626
—
¥ 26,757
¥
67
¥
¥
200
—
¥ 26,957
¥
67
¥
¥
482
—
¥ 27,439
¥
67
¥ 50,567
¥
3,734
¥ 54,301
¥
109
¥ 54,409
¥
916
¥ 55,325
千米ドル
タイヤ
MB
報告セグメント
合計
その他
合計
調整額
連結財務諸表
計上額
2015 (2015/1/1–2015/12/31)
外部顧客への売上高
セグメント間の内部売上高
または振替高
売上高合計
セグメント利益
セグメント資産
その他の項目
減価償却費
減損損失
持分法適用会社への投資額
有形固定資産および無形固
定資産の増加額
$4,150,763 $1,009,093 $ 5,159,857
$ 62,398
$ 5,222,255 $
15,460
4,166,223
$ 356,830
$4,679,428
799
1,009,892
$ 87,340
$ 832,521
16,259
5,176,115
$ 444,169
$5,511,949
125,360
187,759
$ 8,104
$ 393,609
141,619
5,363,874
$ 452,273
$5,905,558
(141,619)
(141,619)
$
(104)
$ (12,874)
—
5,222,255
$ 452,168
$5,892,684
$ 229,237
$ 16,135
$
543
$ 24,832
$
—
$
—
$ 254,069
$ 16,135
$
543
$
$
$
2,991
—
—
$ 257,061
$ 16,135
$
543
$
$
$
2,945
—
—
$ 260,006
$ 16,135
$
543
$ 379,605
$ 35,217
$ 414,822
$
3,156
$ 417,978
$
4,851
$ 422,829
—
$5,222,255
(注)
1.「その他」の区分はスポーツ用品の販売等です。
2. 調整額は以下のとおりです。
(1)セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去等によるものです。
(2)2015 年 12 月 31 日に終了した 1 年間のセグメント資産の調整額は、セグメント間取引消去等(37,761)百万円と
各セグメントに配分していない全社資産 36,208 百万円が含まれています。全社資産の主なものは、現預金等の余資運用
資産と投資有価証券等です。
3. セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
49
投資家向け情報
2015年12月31日現在
商号
横浜ゴム株式会社 (The Yokohama Rubber Co., Ltd.)
本社
〒105-8685 東京都港区新橋5-36-11
設立
1917年10月13日
資本金
38,909,146,013円
決算期
12月31日(2011年度に3月31日から変更)
定時株主総会
3月開催(2012年度に6月から変更)
株主名簿管理人
三井住友信託銀行株式会社
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-4-1
上場証券取引所
東京、名古屋
IR窓口
〒105-8685 東京都港区新橋5-36-11
広報部広報・IRグループ
TEL:
(03)5400-4531 FAX:
(03)5400-4570
横浜ゴムのIR サイト
http://www.yrc.co.jp/cp/ir/
50
株式情報
2015年12月31日現在
発行可能株式総数
発行済株式の総数
株主数
400,000,000株※
169,549,081株※
15,006名(前期末比1,424名増加)
※株式併合(当社普通株式2株を1株の割合で併合)の効力発生日である2015年7月1日をもって、発行可能株式総数および発行済株式の総数を変更しています。
その他国内法人
個人・その他
金融機関
2015
9.0
45.3
19.1
2014
9.5
43.6
19.2
2013
9.3
(12/31)
(12/31)
(12/31)
自己株式
証券会社
株式の所有者別分布状況
19.2
18.5
20.7
39.1
外国人
21.1
2 5.4
3.5 5.7
4.1 5.7
大株主
株主名
持株数(百株)
持株比率(%)
日本ゼオン株式会社
162,715
9.5
朝日生命保険相互会社
109,055
6.4
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
92,782
5.4
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
90,916
5.3
株式会社みずほ銀行
61,301
3.6
※当社は自己株式を92,073百株保有していますが、上記の大株主からは除外しています。
株価推移
株価推移
2015
2014
2013
2012
2011 (4/11–12/11)
期中高値
¥ 2,640
(¥1,452)
¥ 1,185
¥ 1,312
¥ 624
¥ 489
期中安値
1,837
(1,047)
829
604
421
380
期末株価
1,871
1,105
1,033
620
432
169,549,081
342,598,162
342,598,162
342,598,162
342,598,162
発行済株式数
※当社は2015 年7 月1 日付で普通株式について2 株を1 株に併合しているため、2015 年度の期間高値と期間安値については株式併合後の株価を記載し、
カッコ内に株式併合前
の株価を記載しています。
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