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資料:PDF 3562KB - 国立障害者リハビリテーションセンター
身体障害認定が抱える課題と 今後の認定制度の在り方 心臓機能障害等級判定における問題点 北里大学医学部循環器内科学 和泉 徹 平成22年2月27日、学術総合センター 心臓機能障害の身体障害認定基準 一級:心臓の機能の障害により自己の身辺の日常生 活が極度に制限されるもの 二級: 三級:心臓の機能障害により家庭内での日常生活が 著しく制限されるもの 四級:心臓の機能障害により社会での日常生活が著 しく制限されるもの 心臓機能障害の身体障害認定患者 (18歳以上) 病状: 日常生活活動(安静時、温和な家庭や生活)が 心丌全や狭心症症状、失神発作にて妨げられるもの 心所見:2項目(一級)、1項目(三、四級) ペースメーカー、人工弁、弁置換 (装着なし状態を想定) 胸部X線と心電図にて二つ以上 (相当のリスクを想定) (身体運動能力指数や日常生活のモニター結果、それに心エ コー図やバイオマーカーのデータの扱い規定なし) 身体活動能力の低下 壁運動の低下 突然死 致死的不整脈 JN Cohn, 1988 慢性心丌全患者の年齢分布 N=1711 人 350 300 250 200 150 100 50 0 30歳未満 30歳代 40歳代 50歳代 男性 60歳代 女性 70歳代 80歳代 90歳代 心不全例 2005年度 心リハ処方例(138例) 病棟歩行自立の可否(心不全 39例) 歩行非自立(68%) 歩行自立(32%) (日) (%) 20 80 歩行開始病日 15 60 10 40 5 20 0 心不全 AMI 狭心症 CABG 弁置換術後 0 膝伸展筋力(体重比) 心不全 AMI 狭心症 CABG 弁置換術後 CRT(心臓再同期療法)と胸部X線 CRT前 CRT後 2週間 CRT後 約1年 慢性心不全治療とチェックポイント ケア/ホスピス 臨床指標 致死的/ADL ビリルビン値 心移植/ホームVAD 再入院 見直し 抗・逆リモデリング 強化療法 血漿BNP値 <200 温 + 乾 追加療法 基本療法 治療方針 心丌全におけるキュアとケアの治療モデル キュアを目指す治療 ホスピス ケアに徹する医療 家族のケア Adler ED et al, Circulation. 2009;120:2597-606 心臓病患者の診療目標 生命予後 再発予防 QOL 中高年者のアウトカム 生命予後 再発予防 QOL ADL 運動機能 高齢者のアウトカム 障害モデル:心臓機能障害をどう捉えるべきか? 病理・病態 pathology 機能障害 impairment 機能的制限 Functional limitation 生物医学的モデル 身体的・心理的・社会的機能 physical・psychological・social function 健康感 health-related QOL 生命・生活の質 quality of life 活動低下 disability 心臓機能障害の身体障害認定患者 (18歳以下) 病状: 重い心丌全や低酸素血症、失神発作、狭心症にて継 続的医療が丌可欠のもの 所見:6項目(一級)、5項目(三級)、4項目(四級) a著しい発育障害、b異常な心音・心雑音、多呼吸または呼吸 困難、d運動制限、eチアノーゼ、f肝腫大、g浮腫、それに X線、心電図所見など (身体運動能力指数や日常生活のモニター結果、それに心エ コー図やバイオマーカーのデータの扱い規定なし) まとめ 1.身体運動能力指数や日常生活のモニター結果、それ に心エコー図やバイオマーカーのデータなどの取り 扱い規定を盛り込む 2.内部障害疾患における加齢関連疾患との関り合いに ついて早急に横断的な評価について結論をまとめる。 3.ペースメーカーをはじめとするME機器に依存する 疾患については、依存程度による評価法をまとめる。 4.少子・高齢化時代に即した障害モデルが必須である。