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お茶の水女子大学附属高等学校 グローバル総合・環境・服チーム
学 校 名:お茶の水女子大学附属高等学校 活動団体名:グローバル総合・環境・服チーム 活 動 ファッションと環境問題 名: ~〈服〉で地球に幸〈福〉を~ 活動の目的 私たちは総合的な学習の授業の一環として、環境問題を研究しています。私 たちの学校はスーパーグローバルハイスクールに指定され、海外との交流も盛 んです。その中で、日本はもちろん海外の高校生とも連携し環境問題を解決し ていきたいと考えています。従来の環境活動というと節電や節水など、我慢し て解決していくものと思われがちです。しかし、私たちは身近な服を通じてな ら、関心を持ちやすく、楽しみながら問題解決に繋げていけると思い、 「ファッ ションと環境問題」というテーマを設定しました。私たちの活動を通して、消 費者である多くの人たちにこの問題を知ってもらい、一人ひとりが環境に配慮した行動をすることで、この問題を 解決していくことを目的として活動しています。一人でも多くの人が自分の選ぶ服に責任を持ち、行動することで 社会を変えることができると、私たちは考えています。 【 服】 【 環境】 活動内容 Ⅰ 服が生産され、消費される過程で起こっている様々な問題(服が引き起こす環境問題)を調査 ①服の原料が引き起こす問題:世界で生産されている 60%以上の衣服は綿を原料とし、それは綿花という植物か ら作られます。その綿花を畑で生産するときには、大量の化学肥料や、殺虫剤が使われます。世界の農地の 2.5% でしかない綿花畑で世界の殺虫剤の 15.7%、農薬の 6.8%が使われていることからもその量の多さが伺えます。 これらの農薬は土壌や空気を汚染するだけでなく農場で働く人々の健康被害の原因にもなっています。 ②製造段階での工場排水の問題:布を染色する時には、まず染めやすくするために、漂白剤を使って布を完全に白 くし、その後に、化学染料や大量の水を使って布に色を入れます。この時に使われた水が処理されずに流される ことで、川や海を汚染してしまいます。最近では、少しずつ改善されつつありますが、このように依然として問 題の残されている地域もたくさんあります。 ③服の輸送時にも環境問題:日本で販売されている服の多くは海外から輸入されていますが、これらの服を運ぶと きには、飛行機や船、トラックなどが使われ多くの CO2 を排出しています。 ④消費段階での問題:私たちが住んでいる東京は、一年間のゴミ排出量が日本で一位であり、平成23年度のデー タによると一年間で約 460 万 t ものゴミを排出しています。これは東京スカイツリー約 128 個分に相当する 量です。また、日本で供給された服のうち約 70%がゴミとして処分されています。また、服のリサイクル率に 関しては 26%と他の物品に比べて低いということが現状です。 Ⅱ 問題を解決していくために、 「知る・体験する」、「広める」という二つの観点に基づき活動しました。 1. 「知る・体験する」 ①アパレル会社へ企業訪問をし、染色するときに使われた水による汚染問題 や服のリサイクル率の低さなどを知りました。 ②日本人を含めた世界の高校生 129 名に服と環境問題についての意識調査 を行い、 「服を買うときに環境問題を気にしているか」という質問では9 9%の人が「気にしていない」という結果を得ました。そこで改めてこの 問題が知られていないということを実感しました。 ③藍染体験 服を染めるために使われる化学染料は深刻な水質汚染を引き起こしてし まいます。そこで、日本の伝統技術である藍染は天然の染色法であるという ことを知り、汚染問題の解決策になるのではないかと考えました。そして、 藍を育てている職人の方から藍を分けていただくことができ、藍染を体験し ました。手で作業を行えたのも、染色液をそのまま流せたのも、藍が天然の 藍染体験 楽し い‼ 安全なものだからであり、それを実際に身をもって感じることができたのはとても貴重な体験でした。また、そ の藍染した布を使って服の製作も行いました。たった一着の服を作るにもたくさんの手間がかかる、ということ を知り、 「自分の持っている市販の服も、もっと大切にしていきたい」と思いました。藍染体験・服作りは私た ちだけでなく学年全体で行い、これらの体験を通して、「これからは服を買うときに環境問題について気にして いきたい」 「服づくりの大変さを学んだ」 「服を大切にしていきたいと思った」などの感想を得ることができ、意 識の変化を感じました。 ④古着を利用したバックづくり 服の多くは廃棄され、リサイクルされている割合もとても低いことが現状で す。私たちは古着を再利用する方法として、いらなくなった服と、コーヒー豆 を輸入する際に使われ、普段は捨てられてしまう麻袋を使ってバックを作りま した。その結果、世界に一つだけの、オシャレなバックを作ることができまし た。要らなくなったものを作り替えることは難しいように思われがちですが、 実際は誰でも簡単に、楽しみながら行うことができることがわかりました。 2. 「広める」 ①ファッションと環境」をテーマにプレゼンテーション、ファッションショーの開催 私たちは「服と環境問題」との関係や私たちの活動を世界に広めたいと考え ました。そして活動の第一歩として、協定校である台湾の高校で「ファッショ ンと環境」をテーマにプレゼンテーションをしました。それと同時に、古着を 利用したバックや藍染の布で作った服を使ったファッションショーも開催し ました。この活動によって、現地の学生たちに私たちの活動について関心を持 ってもらうことができました。 ②生徒たちとディスカッション 「服と環境問題」を解決するために私たちができることについて話し合いま した。学校でワークショップを開催し、この問題に興味を持ってもらうなどの 案が出ました。そこで私たちは今後、台湾の生徒と考えた計画を実行しようと しています。 ③「服と環境問題との関わり」について学べる WEB サイトを制作 私たちが実際に海外へ行きこの問題を広めていくことには限界があります。 そこでインターネットを通して世界に発信していくことを考え、「服と環境問 題との関わり」について学べる WEB サイトを制作しました。 『ふくのはなし』 というタイトルで、キャラクターを使い、服と環境問題について楽しく学べる ように工夫をしています。日本だけでなく、東京オリンピックで海外からくる 人々のことを意識し、日本語版だけでなく、英語版の WEB ページも制作しま した。そして、SNS を通じてより多くの人たちに広めており、国内だけでな く世界の人たちからもアクセスがあって多くの人にこの問題について知って もらうことができています。 古着を 利用し たバッ グづく り かわいい!楽し い!エ コ 革命! 台湾研修 ① プ レ ゼン テ ーシ ョ ン ② フ ァ ッ ショ ン ショ ー ③ ディ スカ ッ シ ョ ン 台湾の生徒と 考えた計画 ワーク シ ョ ッ プ ・ 環境に配慮し た も のづく り ・ リ サイ ク ル ・ 古着回収 W eb サイ ト 作成 http://fashion-story.jp ふく のはなし 日本語ページ ※Goog le, Ya h ooであれば すぐ にヒ ッ ト し ま す 英語ページ 活動成果 「消費者として、自分の選ぶ服に責任を持つ」ということが、一番重要だと感 じました。消費者である私たちの「環境問題」への関心が高まり環境に配慮した 製品へのニーズが高まれば、生産する企業もそのニーズに応えようとします。消 費者である私たちから意識を変え、行動することで、社会全体を変えていくこと ができるはずです。一人でも多くの人が服を買うとき「値段」や「デザイン」だ けでなく、 「環境への配慮」という視点を持つこと。買ったものに責任を持ち大 切にすること。その服を着なくなったら、誰かに譲ったり、作り替えたりするこ と。このような一つ一つの小さな行動をすることで、社会を変える大きな変化を 生み出すことに繋がります。そしてこれからも「服と環境問題」との関わりを、 高校生として、私たちの住んでいる東京から発信していきたいと思います。 【その他の実績】 ・第 15 回高校生地球環境論文賞〈中央大学主催)学校賞受賞、優秀賞・佳作受賞 ・第4回エコワングランプリ 普及・啓発部門 2次審査会進出 ・第5回高校生環境活動発表会 全国大会 優秀賞 消費者と し ての 自覚 責任 を 持つ