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清掃事業に関する課題検討について

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清掃事業に関する課題検討について
平成17年(2005年)1月12日
区
民
委
員
会
資
料
区民生活部ごみ減量・清掃事業担当
清掃事業に関する課題
検討報告
No.5
家庭ごみ有料化の検討
平成15年11月14日付けで区長会から助役会に検討
下命のあった清掃事業に関する課題(23課題)のうち標
記課題について、検討の結果をとりまとめ報告する。
平成16年12月
特別区助役 会
34
下命事項報告までの経緯
○平成15年11月14日
<区長会総会>
清掃事業に関する課題(23課題)について助役会に検討下命
○平成15年12月8日
<助役会総会>
区長会下命事項の検討組織として助役会清掃事業検討部会を設置
○平成15年12月8日
<助役会清掃事業検討部会>
23課題のうち「家庭ごみ有料化の検討」について清掃協議会での
検討課題として整理
○平成16年1月8日
<清掃協議会幹事会課題検討会>
清掃協議会部長会へ検討下命
○平成16年4月6日
<清掃協議会幹事会課題検討会>
清掃協議会部長会から中間報告
○平成16年10月12日
<清掃協議会幹事会課題検討会>
清掃協議会部長会から最終報告
○平成16年11月8日
<助役会清掃事業検討部会>
報告書の検討・了承
○平成16年11月8日
<助役会総会>
助役会清掃事業検討部会からの報告を了承
○平成16年11月16日・12月16日
助役会から報告
35
<区長会自治研究会第2分科会>
清掃協議会部長会報告
【家庭ごみ有料化の検討】
目
Ⅰ
家庭ごみ有料化
Ⅱ
他都市の導入の具体的状況
1
次
検討の背景
多摩地域、政令指定都市、中核市
・・・・P
1
・・・・P
3
・・・・P
3
(1)多摩地域の状況
(2)政令指定都市、中核市の状況
2
3
全国的な状況
有料化実施後の状況
・・・・P 3
・・・・P 4
・・・・P 4
(1)ごみ量
(2)ごみ処理原価
4
有料化実施済、計画中の主な自治体の例
日野市 東村山市 長野市
Ⅲ
1
・・・・P 5
・・・・P 5
調布市 八王子市
特別区で実施する場合の形態とその課題の整理
有料化実施の方向性と体制整備
・・・・P
8
・・・・P
9
(1)有料化実施の方向性
(2)具体的検討開始に向けた体制整備
2
有料化の目的及び住民との合意形成
・・・・P 9
・・・・P10
(1)有料化の目的
(2)住民との合意形成
(3)徴収した手数料の使途
3
有料化の手法
・・・・P10
・・・・P12
・・・・P12
(1)料金体系
(2)手数料徴収方法[課金媒体]
・・・・P12
(3)手数料収納方法
及び課金媒体の流通方法
4
手数料額の設定等
・・・・P13
・・・・P14
(1)手数料算出方法
(2)減免措置
5
有料化に伴う併用策及びその他の課題
・・・・P14
・・・・P14
(1)資源ごみの扱い
(2)適正排出の確保の方法
(3)不法投棄対策
(4)都区財政調整制度
6
Ⅳ
その他
まとめ
・・・・P15
・・・・P16
・・・・P16
・・・・P17
・・・・P17
巻末資料
資料1
「家庭ごみの有料化
調査票集計結果」
(アンケート結果)
P19∼P26
【1−1】 家庭ごみを、全部もしくは一部有料化している自治体・・・・P
【1−2】 有料化の予定がある自治体(検討中を含む)
・・・・P
【1−3】 有料化の目的として重視した点
・・・・P
【1−4】 手数料算出方法
・・・・P
【1−5】 減免制度など
・・・・P
有料化に伴う影響
(収集方法などの変更、収集作業への影響)
【1−7】 有料化後の対策など
【1−8】 有料化後のごみ量などの推移
20
21
22
22
22
【1−6】
資料2
その他資料
【2−1】
【2−2】
【2−3】
【2−4】
【2−5】
【2−6】
【2−7】
・・・・P
・・・・P
・・・・P
23
24
25
・・・・P
・・・・P
・・・・P
・・・・P
・・・・P
・・・・P
・・・・P
27
28
29
29
30
31
32
P27∼33
各区審議会の状況(平成16年3月時点)
料金体系の比較
課金媒体の比較
手数料の収納方法・課金媒体流通方法の例
23区が連携した基本的な手法(参考)
他自治体の手数料額例
多摩地域 家庭ごみ・事業系ごみ 比較一覧
他都市の導入の具体的状況及び特別区で実施する場合の形態とその課題の整理
Ⅰ
家庭ごみ有料化
検討の背景
ごみ問題をめぐっては、廃掃法の改正や循環型社会形成推進基本法等、各種リサイクルに関する新法
が整備され、近年における大量生産、大量消費、大量廃棄という社会構造から、循環型社会の構築へ向け
て大きく動きつつある。こうした中、各自治体に対しては、単にごみを処理するだけでなく、ごみ減量の
ために更に一層効果的な対策が求められている。
特別区においては、事業系ごみの有料化や資源回収の充実等の減量化施策が一定の効果をあげてきた
ところである。しかしながら、ごみの排出量をみると、減少傾向にあった資源ごみを含めた総排出量は、
平成11年度以降ほぼ横ばい傾向にある。(図1,2)
この先の経済状況によっては、ごみ量増加も懸念され、最終処分場の延命という課題に対処していく
ためにも、今後より一層ごみ減量のための施策を検討していく必要がある。
このような状況の中、ごみ減量施策の一つとして「家庭ごみ有料化」が全国的に多くの自治体で実施
または検討されている。排出者(住民)に対し、適正な費用負担を求めるこの制度は、排出者の当事者意識
を高め、また減量努力を経済的利益として享受できるため、費用負担の公平化にもつながると考えられ
ている。
しかしながら、その実施過程においては、住民との合意形成をはじめ、多くの課題が伴う。
そのため本報告では、他都市の具体的状況を参考とした上で、特別区で家庭ごみ有料化を実施する場
合の形態とその課題について整理を行った。
〈有料化の定義〉
本報告では有料化を「自治体が収集、運搬、処分する家庭ごみのうち、日常的に排出されるごみに
対し、その手数料を排出者から徴収する制度」と定義する。(粗大ごみ、一時多量排出されたごみ(臨
時ごみ)の有料化は除く)
検討の条件として、袋を指定するだけの有料指定袋制(価格にごみ処理手数料を含まず、製造費の
みが反映)については、ごみの排出量に応じて費用がかかる仕組のため有料化に含めることとする。
また、ごみの排出量に関係なく月額料金を支払う定額制については、ごみ減量、費用負担の公平化と
いう目的に対し、直接的な効果がないと考えられるため、有料化の一般的な定義からは除かれること
が多い。本報告でもこの考え方を用いることとする。
1
図1
特別区のごみ・資源回収量年度比較
ごみ・資源回収量年度比較
集団回収資源量
行政回収資源量
ごみ量
4,370,877
4,260,593
t
4,203,391
4,026,974
4,013,015
5,000,000
4,000,000
179,940
179,841
181,754
56,459
76,505
96,685
3,924,952
4,072,728 4,036,124
4,001,607
181,344
185,225
181,000 .
185,035
230,184
344,577
363,746
354,385
328,855
3,601,385
3,501,053
3,523,757
3,500,739
181,446
3,000,000
4,134,478
2,000,000
4,004,247
3,487,717
1,000,000
0
図2
8年度
9年度
10年度
11年度
12年度
13年度
14年度
15年度
1人1日当たりのごみ量の推移
1人1日当たりのごみ量の推移
g
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
特別区
全国
多摩地域
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
年度
全国:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成13年度実績)
」より(自家処理量を含む)
特別区、多摩地域:(財)東京市町村自治調査会「多摩地域ごみ実態調査(平成14年度版)
」
*ごみ量には行政回収資源を含む。
〈主な参考資料〉
「家庭ごみ有料化についてのアンケート調査」
調査対象は東京都多摩地域26市1町、政令指定都市13市、中核市12市の計52市町である。
集計後、各自治体へのヒアリング、諸資料により内容を補完した。
(調布市、あきる野市については、
調査以降に有料化が実施されたため、別途諸資料により内容を補完した)
巻末に、資料1−1から1−8として集計結果を添付している。(以下「アンケート結果」と表記)
「家庭系ごみの有料化に関する市町村アンケート調査」
平成11年度に、(財)東京市町村自治調査会が全国60の自治体を対象に行った調査。
(以下「自治調査会の調査結果」と表記)
「ごみ処理有料化に関する全国調査」
平成14年度に環境省からの委託調査事業として、
(社)全国都市清掃会議が全国3,241の自治
体を対象に行った調査。(以下「全都清の調査結果」と表記)
2
Ⅱ
1
他都市の導入の具体的状況
多摩地域、政令指定都市、中核市(アンケート結果より)
現時点で有料化を実施している自治体は、52自治体のうち12市であり、そのうち可燃・不燃ごみ
を有料化しているのが青梅市外10市、可燃・不燃・資源ごみ全てを有料化しているのは長崎市(袋を
指定するだけの有料指定袋制を採用)のみである。(巻末資料1−1参照)
また有料化の予定がある、もしくは検討中であるとした自治体は、八王子市外10市であった。(巻
末資料1−2参照)
(1)多摩地域の状況
有料化を実施済みの自治体
自治体名
有料化実施年月日
青梅市
平成10年10月1日
日野市
平成12年10月1日
清瀬市
平成13年
6月1日
福生市・昭島市
平成14年
4月1日
東村山市・羽村市
平成14年10月1日
調布市・あきる野市
平成16年
4月1日
16年度に有料化を実施予定の自治体
自治体名
有料化実施予定年月
八王子市・武蔵野市・稲城市
平成16年10月
町田市・国立市
平成16年度中
(町田市の状況としては、有料化実施に関する審議会での答申が16
年3月に示されている)
(2)政令指定都市、中核市の状況
全ての政令指定都市(13 市)と、中核市の一部(12 市)へ有料化の状況を照会した。
有料化を実施している自治体は、以下のとおりである。
有料化を実施済みの自治体
自治体名
有料化実施年月日
北九州市(政令指定都市)
平成10年
7月1日
長崎市(中核市)
平成14年
2月1日
長野市(中核市)
平成
8年11月1日
有料化を検討中としているのは千葉市、福岡市、横浜市であるが、実施時期や内容については未定で
ある。また、さいたま市については現在全て無料で有料化の具体的な予定はないが、今後有料化につい
て検討すると回答している。
中核市については、有料化を検討中とした自治体はなかった。
3
2
全国的な状況(国、全都清の調査結果より)
1990年代初めになって多くの自治体で有料化が実施され始めたが、当初は人口の少ない地方の自
治体を中心とするものであった。しかし現在では、人口が多く住民との合意形成が難しいとされる都市
部においても検討がされ始めている。
全都清の調査結果によると、有効回答数1,270件のうち、533自治体(42%)が家庭系一般
ごみを有料化(注1)しており、無料と回答した自治体でも、223自治体が家庭系一般ごみの有料化を
検討ないし、予定している。当面有料化しないとしたのは428自治体であったが、主な理由は「住民
の理解を得難いこと」「不法投棄の増加が懸念されること」である。
また、参考までに、環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等」(平成13年度実績)によると、全
国の3,246市区町村のうち、粗大ごみを除く生活系ごみ(一時多量排出されたごみを含む)を有料
化している自治体は2,375(73.2%)となっている。
注1)
家庭系一般ごみ 家庭から排出される可燃(燃やす)ごみ、不燃(燃やさない)ごみで、資源、
粗大及び事業系を含まないもの。
(一時多量排出されたごみ等の有料化は除く)
【
参
考
】全都清の調査結果「家庭系一般ごみの有料化の状況」(自治体人口規模別)
有料化している
3
検討ないし予定
内部的に検討
行動開始
条例案上程
政令指定都市
1
5
5
30万人以上
7
16
14
2
10万人以上
33
38
29
7
2
5万人以上
40
32
19
9
4
3万人以上
52
28
19
5
4
1万人以上
166
33
23
3
7
1万人未満
234
67
45
15
7
特別区
0
4
4
計
533
223
41
24
158
有料化実施後の状況
(1)ごみ量
有料化実施後のごみ減量効果については、自治体ごとの既存のごみ収集体制や他のごみ減量施策の有
無、地域特性等に大きく左右される。
アンケート結果で、有料化を実施している自治体のごみ量の推移をみると、おおむね減量効果が見
受けられるが、その程度は様々である。
(巻末資料1−8参照)
全都清の調査結果では、人口10万人以上の市から、1人1日あたり総排出量(資源を含む)の多い
順に有料化実施済20市、未実施20市、少ない順に有料化実施済20市、未実施20市を選び、比較
を試みているが、それによると総排出量の多い自治体では有料化がごみの減量化に効果があることを示
している。
4
(2)ごみ処理原価
ごみ処理原価については人件費、し尿処理費、資源の売却収入等をどう扱うかによって大きく変わっ
てくるので、単純に比較するのは難しい面がある。そもそもトン当たりの原価は計算していない自治体
もある。
アンケート結果で、有料化前後におけるごみ処理原価の推移をみると、回答数が少ないこともあ
り、日野市を除いては大幅に変動している例は見受けられず、法則性を見出すことはできない。
(巻末資料1−8参照)
日野市の場合はダストボックスから戸別収集に切り替えたことによる車両及び人員の増加や資源回
収の大幅な拡充等により原価が上がったものである。(巻末資料1−6参照)
4
有料化実施済、計画中の主な自治体の例
(1)日野市
平成12年10月1日
有料化
平成10年度には、1人1日あたりごみ量が1キログラムを超え、日の出町二ツ塚広域処分場への搬
入配分量を大きくオーバーする状況であった。有料化実施後は図3及び4のとおり大幅なごみ減量を達
成しているが、これは危機的状況下における全庁的な取り組みと、住民への徹底した広報活動等により
実現されている。また有料化にあわせ、安易なごみ排出を助長すると考えられるダストボックスを廃止
し、戸別収集に移行したことも大きな要因である。
アンケート結果では、有料化後の減量効果維持の対策として、以下をあげている。
・市民参画による「ごみゼロプラン」の作成、実行
・広報紙等による住民への減量成果の報告
・事業所からの排出指導の強化
日野市の有料化実施までの経緯
平成11年
6月
10月
12年 2月
3月
廃棄物減量等推進審議会
答申
ごみ減量実施対策本部(職員によるボランティア)の設置
条例案可決前に、市長を先頭にした全庁体制のごみ説明会
条例案可決
・一年半をかけ、延べ630回の住民説明会を開催し、3万人を動員。
・自治会単位等、小さな説明会を曜日、時間に関係なく開催(全自治会への説明会を徹底)
有料化に関する広報活動
・市長による駅頭演説
・ごみ情報誌「エコー」を発刊し全戸配布、広報ひの・広報ひの特集号掲載
・ダストボックスへの周知シール貼付、横断幕及びのぼり旗設置、周知ポスター貼付
・京王バス(ミニバス)側面に周知シール貼付、庁用車による市内広報
・「ごみ・資源分別カレンダー」全戸配付
5
等
図4 日野市 有料化実施前後のごみ量増減 (%)
図3 日野市 有料化実施前後のごみ量推移
有料化前後のごみ量推移
資源物
t 70,000
不燃ごみ
60,000
可燃ごみ
有料化
実施後
実施後
実施後
実施前1年
1年
2年
3年
50,000
可燃ごみ
100
▲ 47.3 ▲ 44.5 ▲ 44.6
40,000
不燃ごみ
100
▲ 63.5 ▲ 59.0 ▲ 57.0
資源物
100
30,000
20,000
276.0
289.8
289.9
10,000
0
H11.10∼H12.9
H12.10∼H13.9
H13.10∼H14.9
H14.10∼H15.9
(巻末資料表8については、有料化実施月日が年度途中であっても、年度ごとの数字を記載しているため、上記の数字
とは一致しない。)
(2)東村山市
平成14年10月1日
有料化
東村山市には「秋水園」というごみ焼却施設(日量75t2基)があるが、1981年稼動で老朽化
が激しく、平成12年度から延命化工事も実施したが、搬入するごみ量を維持しても使用限度は10年
という状況であった。また日の出町二ツ塚広域処分場への搬入量も規定量を大幅に超え、最終処分場の
延命化のためにもごみの減量が急務となっていた。
このような状況の中、平成13年12月に東村山市廃棄物減量等推進審議会からの答申を受け、14
年1月から52回にわたる対話型の説明会を開催した後、同年6月の議会で有料化が可決された。
有料化にあたっては、集積所収集から戸別収集に移行している。
(可燃・不燃ごみ。資源ごみは集積所
のまま)また、手数料収入については、既存のアメニティ基金に積み立て、環境保全のための推進活動
や、廃棄物の発生抑制のための取り組み等の資金として活用する計画である。
ごみ量については、有料化実施後1年間で可燃ごみが 13.6%、不燃ごみが 21.1%減少している。(平
成 13 年 10 月∼14 年 9 月と 14 年 10 月∼15 年 9 月の比較。不燃ごみについては有料化実施の前月に、
例月の 2∼3 倍の排出量があったため、大きな減量となっている)
(3)長野市
平成8年11月1日
有料化
長野市においては、昭和57年度より資源ごみの分別収集を始め、ごみ減量化に積極的に取り組んで
きた。しかしながら有料化後、資源ごみの分別効果は見られるが、可燃・不燃ごみの減量効果が顕著に
は現れていない。これについて長野市は「消費行動の変化」「容器包装の増加」「野焼きの禁止」「家庭
用焼却炉の使用制限」等が原因であると分析し、再度ごみ減量効果を発揮できる有料化の仕組みを検討
中である。(都市清掃 2003.11)
アンケート結果によると、長野市の料金体系は、一定量までは実費で袋を購入し、それを超えた場合
処理費を上乗せした金額で袋を購入する「一定量超過分有料制」を採用している。
そのため、指定袋の使用枚数が一定枚数以下の場合では公平な負担が図られないため、「今後完全有
料化を実施すべく検討中」と回答している。(詳細は巻末資料1−1参照)
6
図5
長野市のごみ量推移
長野市のごみ量推移
t
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
可燃ごみ
不燃ごみ
資源ごみ
7
(4)調布市
平成16年4月1日
8
9
10
11
12
13
14
年度
有料化
老朽化したごみ焼却場、日の出町二ツ塚広域処分場の延命化問題、また新ごみ処理施設の建設計画等
から、ごみの減量が急務となっている。平成14年2月より市民を中心とした「家庭ごみ有料化検討委
員会」をスタートさせ、同年7月に家庭ごみの有料化と戸別収集の具体的導入方法についての答申が示
された。また平成14年1月から、
「ごみ懇談会」
(約280回)やアンケート調査を実施し、市民から
の質問、意見を集めた。廃棄物減量及び再利用促進審議会からの答申の後、平成15年9月の定例議会
にて有料化のための条例案が可決され、平成16年2月より戸別収集、同年4月より家庭ごみの有料化
を実施している。
(5)八王子市
平成16年10月
有料化実施予定
平成16年10月を目途に有料化実施を検討しており、15年9月から条例改正前説明会を行った。
その後、16年3月に条例改正を行い、4月から市民説明会を開催している。
有料化とあわせ可燃・不燃ごみについて戸別収集に移行し、その結果、平成13年度の1人 1 日あた
りのごみ量666g(可燃、不燃)を500g(約25%減)にすることを目標として掲げている。
7
Ⅲ
特別区で実施する場合の形態とその課題の整理
有料化を実施している自治体の状況を参考にすると、有料化に取り組む際の主な課題としては以下の
ような事項が考えられる。また、特別区には特有の事項、都市部としての地域特性等もあり、有料化実
施にあたってはこのような事情に応じた取り組みと仕組みの構築が重要となる。
有料化実施上の主な課題
項
目
内
容
有料化は各区の政策判断により実施されるもので
1 有料化実施の方向 有料化実施の方向性
ある。しかしながら23区相互間の影響、相乗効果を
性と体制整備
考慮すると、特別区として、一定範囲の連携を保つこ
とが、望ましいと考えられる。
具体的な検討にあたっては、その取り組みが長期に
具体的検討開始に向けた
わたること等から、各区内部での体制整備が重要とな
体制整備
る。あわせて、特別区として連携事項、調整事項に対
処できる調整機能を果たす仕組みが必要となる。
各区において、有料化の必要性を十分に検討した上
有料化の目的
2 有料化の目的及び
で、あらゆる機会を捉え、住民に対しごみ問題に関す
住民との合意形成
る現状と、有料化の目的と意義を説明し、理解と協力
住民との合意形成
を得ていくことが重要となる。
また、そのためには、手数料収入の使途についても、
住民にわかり易いかたちで、
ごみ減量施策等の充実に
徴収した手数料の使途
充てることが望ましい。
効果的で、住民にとってわかり易い簡便な仕組みが
料金体系
3 有料化の手法
求められる。
(他の自治体の例では、均一従量制(単
純従量制)が多数を占める)
住民にとって扱いが容易で、公平性が担保される仕
手数料徴収方法(課金媒体) 組みが求められる。有料指定袋制、シール方式が考え
られるが、既存の施策(23区推奨袋制度、事業系ご
みのシール方式等)への影響も考慮する必要がある。
手数料収納方法及び課金媒
手数料収納の確実性が重要となるが、課金媒体の流
体の流通方法
通量が膨大になることから、自治体の事務負担、販売
委託先の負担等も考慮した仕組みが必要となる。
既存の廃棄物処理手数料との関係を意識しつつ、各
4 手数料額の設定等 手数料算出方法
区の収集運搬原価等を考慮した上で設定することに
なると思われるが、区間での調整も想定される。
有料化の目的を損なわないことに留意し、地域事情
減免措置
や既存の減免制度との関係を考慮しつつ、検討する必
要がある。
資源ごみを有料化するか否か、また資源収集の拡充
5 有料化に伴う併用 資源ごみの扱い
策について検討する必要がある。
策及びその他の課題
排出者責任及び、費用負担の公平性を担保しなけれ
適正排出の確保の方法
ばならないが、そのためには、戸別収集や記名排出等、
従来の収集方法を見直すことも考えられる。
住民の意識啓発に努めるとともに、不法投棄をさせ
不法投棄対策
ない環境整備を進めることが必要となる。
有料化による手数料収入を、各種施策の充実に有効
に活用するためには、都区財政調整制度上での取り扱
いについて検討する必要がある。
都区財政調整制度
以下、各項目に沿って、具体的な課題等を説明する。
8
1
有料化実施の方向性と体制整備
(1)有料化実施の方向性
家庭ごみ有料化は、基礎的自治体である各区が、それぞれの実情を踏まえた上での政策判断により実
施するものである。
しかし、特別区の場合には、
①人口密集度や、従来から統一的に扱っている事項(手数料体系、中間処理等)
・制度(23 区推奨袋
制度等)などにより、各区が単独で実施した場合でも他区へ大きな影響を与える
②23 区の連携により実施することで、大きな相乗効果・仕組みの効率化及び円滑な住民との合意形成
が期待できる
ことから、東京都市長会(多摩)のように(注2)、特別区として、有料化について申し合わせを行う等、
一定の連携をしていくことが望ましいと考えられる。
ただし、その場合でも、具体的実施方法や時期が各区ごとの事情(政策判断、区民の意識、議会の動
向、財政状況、事業系と家庭ごみの割合等)により異なってくる可能性を踏まえ、特別区として、最も
効果的な方法を検討する必要がある。
※新聞報道等によると、環境大臣の諮問機関である中央環境審議会でも自治体によるごみ処理手数料
原則有料化についての検討がなされており、今後国の基本方針に盛り込む予定とされている。特別区
としてもその動向を踏まえ、慎重に検討する必要がある。
注2
東京都市長会では、平成 13 年 10 月に「多摩地域におけるごみゼロ社会をめざして
−家庭ごみの有料化について−」という政策提言を行っている。そのなかで、ごみゼロ
社会を目指し、全市が一体となって取り組む施策の一つとして、
「平成 15 年度までを目
途に、全市において家庭ごみの有料化を進める」ことを揚げている。
(2)具体的検討開始に向けた体制整備
有料化実施に向けた具体的な検討に際しては、審議会への諮問を含め、十分な検討が必要となる。
(巻
末資料2−1「各区審議会の状況」参照)
各区において、住民との合意形成、関係各方面との意思統一を図り、区ごとに違う様々な事情に応じ、
各種課題に取り組んで行くこととなるが、その取り組みは長期にわたるため、各区における検討体制の
整備が重要となる。
また、有料化を円滑に実施するためには、特別区として調整が必要な事項や、効果的な実施のため連
携できる事項について、事前に抽出し、対応方法を検討しておく必要がある。また各区が具体的検討に
着手した後も、各区間の調整を円滑に行うことができる仕組みが必要となる。そのため、特別区全体と
しての調整機能を果たす仕組みが必要となる。
9
2
有料化の目的及び住民との合意形成
(1)
有料化の目的
家庭ごみ有料化の主な目的としては、「ごみ減量の促進」「費用負担の公平化」「最終処分場の延命」
等が挙げられる。
その具体的な効果としては、以下のようなものが考えられる。
①排出者の嗜好を、「ごみになり難いもの」「長期使用に耐えられるもの」「リサイクルが容易なも
の」へと誘導し、結果として生活様式の見直しが促される。
②排出者自身がごみ処理費用の一部を負担することにより、ごみ問題に対する当事者意識を高める。
③消費者の消費行動の変化により、事業者の生産・販売活動が、ごみの発生抑制やリサイクルを重
視したものへと誘導される。(間接的効果)
④排出者の減量努力の違いにより費用負担に差が生じ、結果として費用負担の公平化を促す。
(2)
住民との合意形成
ごみ減量への取り組みは、その当事者が広範囲に存在し、特定の対象に対する規制的手法だけでは効
果をあげることが難しい。その点で、経済的手法である家庭ごみ有料化は、施策実施に伴う行政コスト
の観点からも、有効な手法のひとつと考えられている。
しかしながら、有料化は、住民に対し直接的な負担を強いる政策である。実施に先立って、現状の施
策についての見直しを行い、また有料化以外の施策と比較・検討の上、その必要性について十分に検討
しなければならない。その上で有料化を実施する場合には、まず、住民の理解と協力を得ることが大き
な課題となる。
特に、特別区の場合は、地域特性として、昼間の不在率が高く、住民の転出入も多く、コミュニティ
意識も希薄になりがちである。そのため、あらゆる機会を捉え、各区ごとの状況を踏まえた上、ごみ問
題の現状(ごみ量、コスト等)と、有料化の意義について説明を行うことが必要であるが、住民一人ひ
とりに広く浸透させ、より多くの住民に関心をもってもらうための方法が課題となる。
さらに、住民には、区民としての一体感や、共通の最終処分場を使用している等の意識があることか
ら、有料化実施の有無・実施時期が各区で異なる場合には、住民との合意形成が、一層難しくなること
が考えられる。その場合には、区ごとの事情の違いを明確にし、よりきめ細かな説明を行うことが求め
られる。
アンケート結果によると、
「有料化の目的として重視した点」という設問に対し、
「ごみの減量化」と
回答した自治体が圧倒的に多く、
「ごみの排出量に応じた、負担の公平性の向上」がそれに続いている。
(巻末資料1−3参照)
10
【
参
考
】全都清の調査結果
「家庭系一般ごみ有料化の目的」(複数回答)
有料化している自治体
有料化を検討中の自治体
1
家庭系一般ごみの減量化促進
69%
95%
2
ごみ問題への住民意識の向上
55%
77%
3
ごみ処理財政負担の軽減
46%
69%
4
ごみ減量負担の公平化
37%
66%
5
資源ごみの回収促進
24%
47%
「有料化の効果」(有料化を導入した自治体
1
ごみ総排出量が減少
35%
2
分別収集の促進
31%
3
分別の徹底
28%
4
財政面への寄与
28%
5
資源ごみ収集量の増加
25%
複数回答)
(対象:家庭系・事業系一般ごみ、資源ごみ、粗大ごみのいずれかを有料化している自治体1,046うち有効
回答933)
【
参 考 】多摩地域の各自治体における住民説明会の概要
自治体名
開催回数
延べ参加人数
青梅市
34回
6,208人
日野市
630回
30,000人
考
別途、事業所説明会、個別団体説明会も実施
清瀬市
60回程度
3,000人
自治会を中心に説明会を実施
福生市
72回
3,534人
町会主催、市主催、実施依頼に対応して実施
昭島市
138回
5,996人
自治会、事業者、個人の希望に基づいて実施
東村山市
136回
5,729人
別途、条例改正前に対話型の説明会を 52 回実施
40回
3,370人
別途、依頼により出前講座を実施
羽村市
【
備
参 考 】東京都における事業系ごみ有料化時の説明会概要
・事業者説明会の開催(平成7年5月から8月)
11,000人を対象に、約400回開催
・事業系ごみ全面有料化に関する都民アンケート実施(平成7年7月から8月)
都民15,000人(一般都民10,000人、事業者5,000人)
62.8%が賛成(導入すべき22.3%
やむを得ない40.5%)
(「記名」については60.1%が理解を示す)
・東京ごみ白書の発行(平成7年3月)
東京のごみ問題の現状を都民に率直に伝え、考えてもらうため
・事業系ごみ有料化モデル実験(平成7年1月30日から2月11日)
具体的実施手法の検討のため、6商店街389事業所を対象に実施
11
(3)
徴収した手数料の使途
家庭ごみ有料化は、その手数料収入の使途についても、住民の理解を得られるものでなければならな
い。その意味でも、住民にわかり易いかたちで、ごみ減量・リサイクル施策の拡充、環境対策等に充て
ることが望ましいと考えられる。
3
有料化の手法
(1)料金体系(巻末資料2−2「料金体系の比較」参照)
有料化の主要な目的である、ごみ減量の効果が発揮でき、費用負担の公平性が確保されるものである
必要がある。また住民にとって、単純でわかり易い仕組みであることを考慮しなければならない。
主な料金体系については、以下のとおりである。
「均一従量制」は、単純に排出量に比例して手数料を徴収するため、住民にとって分かり易く、また、
自治体にとっても事務的・経費的負担が少ない。ただし、手数料額が低すぎる場合は、制度への慣れに
より、減量意識が薄れていくことが懸念される。
「一定量以下無料制(還付制)」は、一定枚数の課金媒体を無料配付し、それを超えた段階で初めて
手数料を徴収する方式である。還付制の場合には、一定期間満了時に、残った無料部分の量に応じて報
奨金等を支払う。どちらも仕組みが複雑になり管理・実施コストが課題となる。
「累進従量制」は、課金媒体の使用枚数が一定枚数を超えた段階で、手数料の単価を引き上げる方式
である。排出量が多くなるほど費用負担が大きくなり、抑制効果は大きいと思われるが、住民にとって
わかり難く、また仕組みの管理も課題となる。
特別区の場合は特に世帯数が多く、その転出入も激しい。また住民登録をしていない住民も多いため、
複雑な方法を選択した場合の区の負担は、非常に大きい。いずれの料金体系を選択する場合でも、長期
的に安定して継続できる施策とするため、有料化によるごみ減量効果や手数料収入、それに伴う事務量、
事務費用の増を慎重に比較検討する必要がある。
アンケート結果では、有料化を実施している12市中11市が「均一従量制」を採用している。
長野市のみが、「一定量超過分有料制」を採用しているが、今後指定袋の使用枚数に関係なく、
ごみ処理手数料の負担を求める方法を検討中である。また有料化の予定があると回答した自治体
のうち、現時点で判明しているものについては全て「均一従量制」となっている。
(巻末資料1−1、1−2参照)
(2)手数料徴収方法[課金媒体](巻末資料2−3「課金媒体の比較」参照)
住民の利便性を考慮し、扱いが容易で購入のし易いものでなければならない。また媒体の容量は、減
量努力を反映し易くするため、適正な大きさのものを複数用意する必要がある。あわせて公平性の担保
のため、偽造できず、料金不足を招き難いものであることが重要である。
12
現在、特別区の事業系ごみ及び粗大ごみについては、「有料シール方式」が採用されている。そのた
め家庭ごみの有料化に際して、有料シール方式を採用する場合には、そのノウハウや仕組みを有効に活
用できると考えられる。しかしながら、料金不足が発生する可能性があることや、収集時の確認作業の
困難さが大きな課題となる。
「有料指定袋制」を採用する場合には、事業系ごみとの間で混乱を生じないようにするため、既存の
有料シール方式との関係を整理する必要がある。また、現在250社近い認定業者が存在する「23 区推
奨袋制度」への影響が大きな課題となる。有料指定袋制を採用する場合には、その前提として推奨袋制
度からの移行の方法について、認定業者との調整を含めて、特別区全体で検討する必要がある。
アンケート結果では、有料化を実施している12市の全てが「有料指定袋」を採用しており、有料
化の予定があるとした自治体についても、現時点で判明しているものについては全て同様である。ま
た均一従量制を採用する自治体では、最小5リットルから最大45リットルの範囲で、3から4種類
の有料指定袋を設定している。(巻末資料1−1、1−2参照)
(3)手数料収納方法及び課金媒体の流通方法
(巻末資料2−4「手数料収納方法・課金媒体流通方法」参照)
手数料の収納方法をどのような仕組みにするかにより、手数料収納の確実性、自治体の事務量等に大
きく影響を及ぼすこととなる。また課金媒体の流通方法にも大きく係わるため、これらを併せて検討す
る必要がある。
具体的には、自治体が直接課金媒体を住民に交付し、手数料を徴収する方法と、民間の取扱店(販売
店)を募り、住民への交付・手数料収納を委託する方法がある。
特別区の場合には、課金媒体の流通量が膨大になることから、区が直接、課金媒体の交付・手数料徴
収を行うことは困難であり、住民の利便性を考慮すると、取扱店の協力を得た上で課金媒体製造メー
カー、配送業者等を活用した流通・在庫管理の仕組みを構築する必要がある。
家庭ごみを有料化した場合には、取扱店側のシステム開発を含めた、現在の有料シールのシステムの
大幅な見直し、もしくは新たな構築が必要となる。特に、有料指定袋制を採用した場合には、販売の際
に金庫等への保管が難しいため、手数料徴収の仕組みに配慮する必要がある。取扱店への納品枚数に応
じて手数料を徴収する方法等について、慎重に検討しなければならない。
また、各区ごとに有料化実施時期が異なり、手数料収納方法や課金媒体の流通方法が異なった場合、
各区にまたがるチェーン店等の協力が得られるかが大きな課題となる。
23区が連携した基本的な手法
有料化実施にあたっては、各自治体において料金体系、課金媒体を定め、その流通システム等を構築・運
営していくこととなる。しかし特別区の場合は、膨大な課金媒体流通量等から、その内容が各区ごとに全く
異なる場合には、課金媒体の取扱店の負担が大きくなる等、デメリットも大きいと考えられる。そのため、
より円滑な実施のため、23区として連携できる事項について、事前に整理しておく必要がある。(巻末資
料2−5「23区が連携した基本的な手法」(参考))
13
4
手数料額の設定等
(1)手数料算出方法
住民の理解と適切な負担感のバランス、近隣自治体の手数料額等を考慮した上で、どの程度の負担を
求めるのかを検討することになる。
あわせて、自治体財政への影響、既存の廃棄物処理手数料(事業系ごみ、粗大ごみ、一時多量排出の
家庭ごみ等)との関係を意識しつつ、廃棄物処理原価等を考慮した上で設定することになると思われる
が、手数料額の水準について、区間での調整が必要となることも想定される。
なお、手数料額が各区で大きく異なる場合には、越境排出への対策についても検討しなければならな
い。(巻末資料2−6「他自治体の手数料額例」
、2−7「多摩地域 家庭ごみ・事業系ごみ比較一覧」
参照)
アンケート結果(手数料算出方法)
・収集運搬経費の1/3(青梅市)
・中間処理、最終処分費の1/3(清瀬市)
・収集運搬、中間処理、最終処分費の一定割合(昭島市1/4 東村山市1/5 羽村市1/3)
・事業系一般廃棄物処理手数料の1/3(福生市)
・ごみ減量の動機付けのため、標準世帯(4人)の負担を500円/月と設定し、そこから
手数料を算出(日野市)
・指定袋の製造費、配送費、販売手数料、消費税を含めた実費に近い価格(北九州市)
・袋の製造費のみ(長崎市)
・可燃ごみ持込手数料の1/2(長野市)
(2)
(巻末資料1−4参照)
減免措置
現状では、条例および規則によって定められている廃棄物処理手数料の減免制度の対象は、ほぼ各区
同一であると思われる。家庭ごみの有料化に際して減免制度を設ける場合は、各区ごとに既存の減免制
度との整合性を図り、地域の実情を勘案しつつ、費用負担の公平化という有料化の効果を損なわないよ
う留意した上で、具体的な制度の構築を行う必要がある。
(巻末資料1−5参照)
アンケート結果等で有料化を実施している多摩地域各市の状況をみると、生活保護、児童扶
養手当、特別児童扶養手当の受給世帯については、全市が減免対象としている。
5
有料化に伴う併用策及びその他の課題
(1)資源ごみの扱い
資源ごみについては、有料化実施にあわせて資源収集を拡充するのか、また、資源ごみを有料化する
のかが大きな検討課題となる。有料化を実施した自治体では、同時に併用策として資源収集を開始ある
いは拡充し、資源ごみを無料としていることが多い。今まで分別に積極的に取り組んでこなかった住民
にも分別の意識が働き、その結果可燃・不燃ごみに混入していた資源物の分別が進み、大きな減量効果
が得られている。
住民の理解を得、また有料化の効果を十分に発揮するためには、具体的にごみ減量を実現できる方法
14
を準備する必要がある。そのためには、資源収集をより一層拡充し、利用のし易い資源回収ルートの整
備を進め、分別及びリサイクルの徹底を促すことが重要となる。
また、事業系については資源ごみも有料化されており、「発生抑制」を促進する意味では、家庭から
排出される資源ごみについても有料化することが考えられる。しかし、その場合は住民の分別意識が薄
れ、混合排出等のルール違反や不法投棄が発生する可能性が考えられる。リサイクル可能な資源がごみ
として排出されてしまうのを防ぐ意味でも、無料で行政回収を行う意義は大きく、資源ごみを有料化す
る場合には、慎重に検討する必要がある。
資源ごみについては、既に区により回収品目が一部異なっていることも考慮する必要があり、各区ご
との実情・施策の方向性により、拡充策・有料化の有無について判断する必要がある。
アンケート結果では、袋を指定するだけの有料指定袋制度を採用している長崎市が、資源ごみにつ
いても有料化している。また昭島市については、プラスチック食品包装容器等のプラスチック類を、
有料で分別収集している。調布市では、有料化に先立ち平成16年2月から、容器包装プラスチック
類等について、資源物として分別収集している。
青梅市、日野市、福生市、長野市では可燃・不燃ごみの有料化に伴い、資源ごみの回収品目を拡大
しており(巻末資料1−6参照)
、その結果特に青梅市、日野市では、有料化実施後に資源ごみが激増
して
いる。
平成16年10月に有料化を実施する予定の八王子市では、容器包装プラスチック類の一部を全域
で分別収集し、またペットボトルの集積所収集追加(現在拠点回収)、古紙等の収集回数を増加するな
ど、資源収集を拡充する予定である。
【
参
考
】全都清の調査結果
有料化と併せて資源ごみの分別収集を始めた自治体
49%
拡充した自治体
32%
(対象:家庭系一般ごみを有料化している自治体533
うち有効回答410)
資源ごみの処理を無料と回答した自治体のうち、「当面有料化しない」と回答した自治体
(対象:資源ごみの処理を無料と回答した自治体984
86%
うち有効回答866)
(2)適正排出の確保の方法
有料化実施のためには、「排出者責任」および「費用負担の公平性」を担保し、適正排出を確保する
ことが必要となり、その方法としては、記名排出、戸別収集への移行等が考えられる。
記名排出については、プライバシーの面から、住民の理解を得られるかが大きな課題となる。
また、戸別収集への移行については、住民の利便性の向上、分別の徹底の上でも効果的であると考え
られるが、定着している集積所収集の形態を変更することによる作業効率の低下(人員・コストの大幅
な増加)が課題となる。
具体的な対応方法は各区の判断となるが、いずれにしても有料化を実施する上での大きな課題となる。
15
アンケート結果でみると、戸別収集に移行している例が多い。
有料化の実施にあわせ、戸別収集に移行した市は青梅市、日野市、東村山市(可燃・不燃ごみのみで、
資源は従来どおり集積所収集)、羽村市、調布市、あきる野市である。
福生市は、有料化前から戸別収集を実施しており、また昭島市はモデル地区での戸別収集を経た後、
今後全域に拡大する予定である。
(巻末資料1−6「収集方法」参照)
平成16年度に有料化実施を予定している市のうち、現時点で判明しているものとしては、国立市、
八王子市、武蔵野市が戸別収集へ移行予定(もしくは検討中)である。(巻末資料1−2参照)
有料化実施と同時に戸別収集に移行した場合は、概ね収集作業の時間延長や人員、機材を増強
するといった対応がとられている。(巻末資料1−6「有料化による収集作業への影響」参照)
(3)不法投棄対策
ルール違反の排出は、仕組みの大きな変化に住民が対応できずに発生するものと、有料化による費用
負担を回避するために、故意に行われるものが考えられる。有料化実施当初の不慣れによるものは、排
出指導と仕組みの浸透により次第に解消されるものであるが、費用負担を回避するための不法投棄に対
しては、対応策が大きな課題となる。
全都清の調査結果でも、当面有料化をしないとした428自治体のうち、61%が「不法投棄の増加
を懸念する」を大きな理由の一つとしている。
不法投棄を防ぐには、排出者一人ひとりの環境意識・公正な排出意識、不法投棄をさせない地域の目
が重要であるが、特別区についてはコミュニティ意識が希薄になりがちであるという大都市の地域特性
がある。匿名性が高く相互監視の機能が働かず、排出のルールが守られ難いといったことが考えられる。
そのため、あらゆる機会を捉えて住民の意識啓発に努め、あわせて「住民・自治会・その他関係機関
との連絡体制の整備」、
「排出指導の充実」、
「夜間パトロールの実施」等の対応策を強化し、不法投棄さ
れない環境を作っていくことが必要である。あわせて、仮に不法投棄が多発した場合に備え、道路・敷
地管理者と区(清掃事務所)との調整にも、あらかじめ留意する必要がある。
また、各区ごとに有料化実施の有無、実施時期が異なる場合には、区間の越境排出への対策も大きな
課題となることに留意しなければならない。
アンケート結果では、東村山市及び羽村市が、集合住宅の集積所へのルール違反の排出(指定袋
以外、ポイ捨て)に対する苦情が目立ったと回答している。また福生市でも、不法投棄については
変化がないとしながらも、一部の集合住宅について、ごみ出しのルールが守られておらず、収集に
支障をきたしていると回答している。
対策として、例えば東村山市では「不法投棄マップを作成するため、シルバー人材センターへ業
務委託し、不法投棄の監視をしている」と回答している。
(4)都区財政調整制度
現行の都区財政調整制度では、廃棄物処理手数料のうち事業系ごみは各区の手数料、持込ごみは清掃
一部事務組合の手数料として算定されている。
家庭ごみを有料化した場合の都区財政調整制度での取り扱いについては、別途検討する必要がある。
16
6
その他
有料化実施後一定期間を経過すると、料金体系等により程度の差はあるが、制度への慣れ等からごみ
減量効果が薄れ、いわゆるゆり戻し(リバウンド)が生じる事例もある。
有料化の目的や効果は、経済的動機付けだけではなく、排出者の当事者意識の向上を促すことにもあ
る。ゆり戻しを最小限に抑え、減量傾向を継続的に維持するためには、合意形成過程での住民の理解が
重要となる。また有料化実施後も、ごみ問題への関心や当事者意識を低下させないため、意識啓発を継
続して行い、あわせて、住民と共に事業の見直しや、新たな施策の追加等を行う、柔軟な姿勢が必要と
なる。
【
参
考
】全都清の調査結果
「有料化に付随して生じた問題」(複数回答)
1
一時的に減量したが元に戻りつつある
49%
2
有料化ルールに反する排出がみられる
42%
3
2以外の不法投棄が増加している
26%
4
ごみ減量がみられない
13%
(対象:家庭系一般ごみを有料化している自治体533
うち有効回答362)
「有料化導入後の課題」(複数回答)
1
不法投棄・不適正排出対策
33%
2
事業系一般ごみの明確な区分
18%
3
住民理解のための情報開示
12%
4
ごみ処理事業経費の低減
11%
5
一層の減量化のための手数料改定
10%
6
有料化の対象種別の拡大
5%
7
有料化に伴う管理コストの低減
3%
(対象:家庭系・事業系一般ごみ、粗大ごみのいずれかを有料化している自治体1,046
うち有効
回答1,717)
Ⅳ
まとめ
「家庭ごみ有料化」は、ごみ減量施策として有効な経済的手法であり、全国的に多くの自治体で実施
または検討されている。また、環境大臣の諮問機関である中央環境審議会においても、国のごみ処理の
考え方を示す「基本方針」に盛り込むことが検討されている。
一方で、「家庭ごみ有料化」は、住民に直接的な負担を強いる施策であり、実施にあたっては住民の
理解と協力が何よりも必要である。
しかしながら、特別区では、最終処分場の残余年数について全国的な平均よりも余裕があるため、住
民の危機意識が乏しい。また、住民の転出入が多く、地域コミュニティも希薄になりがちなこともあり、
実施から運営までの各段階において解決すべき課題が山積している。
したがって、「家庭ごみ有料化」にあたっては、まずは各区において、ごみ減量・経費削減のための
あらゆる施策を十分に比較・検討し、あわせて住民に対し、ごみ問題の現状に対する理解を求めること
が重要となる。その上で、必要に応じて特別区全体での検討・調整を行う余地があるものの、基本的に
は、各区がそれぞれの課題に取り組み、効果的な有料化の施策の実現を目指すことが必要である。
17
18
資料1
家庭ごみの有料化 調査票集計結果(アンケート結果)
集計の条件
有料化の定義 : 自治体が収集、運搬、処分する家庭ごみのうち、可燃ごみ・不燃ごみ
資源ごみなど、家庭から日常的に排出されるごみに対し、その手数料を
排出者(住民)から徴収する制度とする。
ただし、集計にあたっては、粗大ごみ、一時多量排出されたごみ等の
有料化は除いている。また、袋を指定するだけの有料指定袋制は有料
化に含め、定額制による有料化は除いている。
全部有料化 : 可燃・不燃・資源ごみについて有料化している場合。
一部有料化 : 可燃・不燃・資源ごみのいずれかを有料化している場合。
各自治体の有料化の状況
送付先
全て有料化 一部有料化
ア)東京都多摩地域 27(26市1町)
0
9
イ)政令指定都市
13
0
1
ウ)中核市
12
1
1
計
52
1
11
予定有り
8
3
0
11
予定無しなど
10
9
10
29
全て有料化
ウ) 長崎市
一部有料化
ア) 青梅市、日野市、福生市、昭島、東村山市、羽村市、清瀬市
調布市、あきる野市
イ) 北九州市
ウ) 長野市
予定有り
ア) 町田市、国立市、八王子市、武蔵野市
稲城市、多摩市、小平市、小金井市
イ) 千葉市、福岡市、横浜市
・検討段階の自治体を含む
予定無しなど
ア)狛江市、東大和市、西東京市、武蔵村山市、府中市、東久留米市
立川市、国分寺市、三鷹市、奥多摩町
イ)札幌市、仙台市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市
広島市、さいたま市
ウ)松山市、静岡市、浜松市、新潟市、岡山市、宇都宮市、岐阜市
大分市、堺市、金沢市
・予定なし、または粗大ごみなどについてのみ、有料化している自治体など
・奥多摩町は、定額制による有料化を実施済み
*平成15年5月9日及び5月13日に調査票を各自治体へ送付(回答期限は6月10日)
*調査票中の未記入箇所、及び回答のなかった自治体については、別途諸資料より作成
【 1-1 】 家庭ごみを、全部もしくは一部有料化している自治体
No
自治体名
有料化年月日 可燃 不燃 資源 その他 料金体系
指定袋の種類(円/枚)
徴収方法
手数料改定
備 考
5L 10L 15L 20L 30L 40L 45L
12
24
48
なし
10
20
40
80
H13.4に5Lの袋
を追加設定
●
7
10
20
40
H16.4に5Lの
袋を追加設定
●
●
7
15
30
60
なし
H14.4.1
●
●
7
15
30
60
なし
H14.10.1
●
●
9
18
36
72
なし
15
30
60
なし
1
青梅市
H10.10.1
●
●
2
日野市
H12.10.1
●
●
3
清瀬市
H13.6.1
●
4
福生市
H14.4.1
5
昭島市
6
東村山市
●
プラスチックを分別し、有料収集。
均一従量制 有料指定袋
7
羽村市
H14.10.1
●
●
7
8
調布市
H16.4.1
●
●
8
9
あきる野市
H16.4.1
●
●
7
10
北九州市
H10.7.1
11
長崎市
H14.2.1
12
長野市
H8.11.1
●
●
●
26
15
53
30
8
●
●
80
60
12
20,30,45Lで価格は販売店が設定
●
一定量超過
分有料制
30
H12.4.1に20L 一般ごみ(生ごみ、紙くず、木くず、ガラスなど)を有料
化。
15 の袋を追加
なし
袋を指定するだけの有料指定袋制度。
毎年3月中にチケットを無料配布。160袋まではチケット
と引き換えに許可販売店にて購入。(ごみ処理費の上
乗せの無い、袋の実費負担。許可販売店の自由販売。
12.11.1処理費
30L 13円/枚、20L 8円/枚程度。)
の増加による
足りない場合、40袋までは、チケットと引き換えに、ごみ
処理手数料(30円/枚)を払って市の窓口で購入。それ
以上は直接清掃センターへ持ち込み(有料)。
【1−2】 有料化の予定がある自治体(検討中を含む)
東京都多摩地域
No
自治体名
(有料化実施
予定年月日)
有料化実施予定
事業系ごみについて
手数料の料金体系・徴収方法
可燃ごみ
不燃ごみ
資源ごみ
有料化実施
年月日
手数料の料金体系
徴収方法
1
八王子市
H16.10
●
●
×
従量制(有料指定袋) 5∼40L( 9∼75円/枚)
2
武蔵野市
H16.10
●
●
×
従量制(有料指定袋) 5∼40L(10∼80円/枚)
H9.10.1
従量制
有料指定袋方式
3
稲城市
H16.10
●
●
×
従量制(有料指定袋) 5∼40L( 8∼60円/枚)
H6.10.1
従量制
シール方式
4
町田市
H16年度
5
国立市
H16年度
6
多摩市
未定
7
小平市
未定
8
小金井市
未定
行政収集は行っていない
備 考
可燃、不燃を戸別収集予定(集合住宅などは集積所)
戸別収集・家庭ごみ有料化を検討
H16.2より、モデル地区において戸別収集実施。全域に拡大予定
16年度実施予定(アンケート結果より)
未定(資源の一部を有料化予定。プラス
チック類を不燃ごみと同じ日に別袋で有料
収集予定)
●
●
従量制(有料指定袋)
5∼40Lを検討中
×
従量制
H10.7.1
従量制
有料指定袋方式
H11.10.1
従量制
有料指定袋方式
可燃・不燃・資源(新聞)について、収集方法を集積所収集から戸別収集
にすることを検討
H12.10.1 従量制
全面有料化 有料指定袋方式
不明
従量制
シール方式
政令指定都市
1
千葉市
未定
2
福岡市
未定
3
横浜市
未定
●
●
許可業者収集
×
従量制(有料指定袋方式)
家庭ごみ(資源となるもの以外)、資源となる
もの(缶、びん、ペット、小さな金属類)を有
料化予定
内容は、検討段階のもの。(調査票回答内容および新聞報道等による)
(手数料額の設定)周辺市町村との均衡や、一袋あたりの収集・運搬処理
市の処理施設へ自分で直接持っていく
コストを基に算定し、資源の循環利用が促進されるように、ごみと資源物
か、市が許可した収集業者に依頼
に料金の差を設ける予定
許可業者収集(一定の要件にあてはま
る小規模事業所は、届け出制で、市が
無料収集)
【1-3】 有料化の目的として重視した点 (数字は優先順位) 【1-4】 手数料算出方法
自治体名
ごみの排出量に ごみ問題に
ごみ処理経
ごみの減量
リサイク
応じた、負担の公 対する住民
費の削減、
化
ルの促進
平性の向上
意識の向上
財源の確保
その他
【1-5】 減免制度など
手数料算出方法
主な減免などの要件
青梅市
3
1
2
4
平成10年度収集運搬経費 経費節減(10%) 市民負担分
29円50銭/㎏
× 0.9 × 1/3
=8円85銭/㎏ ⇒8円/㎏
1L=0.15㎏相当として、10Lの袋の手数料は12円
A、 B、 C、 G、 H
その他
・60才以上の方のみの世帯
日野市
1
4
3
2
ごみを減らそうとする動機づけのため、1世帯月額500円の負担という設定。
4人家族を標準世帯とし、そこから排出されるごみ袋の大きさを中袋(20L)と仮
定。
40円×週3回×4週=480円 ≒ 500円
A、 B、 C、 F、 G、 H
その他
・母子、準母子福祉年金受給世帯
1ヶ月1世帯から排出されるごみの量(40㎏)×収集運搬費用を除く中間処理費
用及び最終処分費(26円/㎏)/3≒346円。
袋の単価は中型20Lを基準として考え、346円を可・不燃の1ヶ月の収集回数で
ある16で割ると21.62円となることから20円と設定。
A 、 B 、 C 、D 、H
その他
剪定枝、落ち葉(11,12月無料回収)
など
事業系一般廃棄物処理手数料1kg当たり30円の1/3
1kg当たり10円 5L袋(0.7㎏相当)
10L袋(1.5㎏相当) 20L袋(3.0㎏相当) 40L袋(6.0㎏相当)
A、 B、 C、 E(条件あり)、 F(条件あり)、 G、 H
その他
・おむつ専用袋
収集運搬・中間処理・最終処分費の1/4
46円/㎏×1/4≒10円 1L=0.16㎏相当 40Lの袋の手数料は60円
A、 B、 C、 G など
1人1日当りのごみ排出量727g(搬入量/人口/12ヶ月/30日)
1世帯当りの1月の排出量約50㎏(標準世帯2.4人×0.7㎏×30日)
負担額430円(50㎏×43円(可燃・不燃ごみ処理費(収集運搬・中間処理・最終
処分費))×0.2(一定の負担の2割相当分)
1回の負担額36円(430円/12回(可燃・不燃の1ヵ月の収集回数))
よって標準サイズ20Lを36円と設定。
A、 B、 C、 F、 H
その他
母子、準母子福祉年金世帯
など
収集・運搬・処分に関するごみ処理原価30円×排出者負担割合1/3
1kgあたり10円
A、 B、 C、 E、 F、 G 、H
その他
紙おむつ使用世帯
草、葉、枝
など
指定袋の製造費や配送、販売手数料、消費税を含めた実費に近い価格を設
定。
G など
家庭用ごみ袋については、ごみ処理原価は算入しておらず、袋の製造費のみ。
G など
1袋当たり(30L)30円で長野市清掃センターへの可燃ごみの持込手数料の半
額。
長野市清掃センター持込分について、公共性のあるものについては減免
清瀬市
福生市
2
1
3
2
4
昭島市
1
3
5
2
6
東村山市
1
2
3
4
4
最終処分
場の延命化
5
羽村市
1
○
○
○
○
○
最終処分
場の延命
北九州市
○
○
○
○
○
○*
長崎市
1
長野市
1
2
2
*ごみ出しマナーの向上及びステーション周辺の美観確保、収集作業の安全
性、効率性の確保
A 生活保護受給世帯(もしくは受給者) F 老齢福祉年金受給者 B 児童扶養手当受給世帯(もしくは受給者) G 天災および火災の被害を
C 特別児童扶養手当受給世帯(又は受給者) うけた場合など
D 児童育成手当受給世帯 H ボランティア活動などに E 遺族基礎年金受給者 よるごみ、ボランティア袋など
【 1-6 】 有料化に伴う影響(収集方法などの変更、収集作業への影響)
自治体名
種別
週3 ⇒ 週2
ダストボックス ⇒ 戸別
不燃
変更なし(週1回)
ダストボックス ⇒ 戸別
週1回⇒週1回(ビン・カン交互に)
ステーション ⇒ 戸別
資源
清瀬市
福生市
収集方法
可燃
青梅市
日野市
収集回数
新聞紙、雑誌・雑紙、ダンボール・紙 (ペットボトル、トレイは拠点回
パック、繊維類は各月1回
収)
その他
【時間】延びた。
品目 2種 ⇒ 6種
(古紙類、繊維を追加)
可燃
週3 ⇒ 週2
ダストボックス ⇒ 戸別
不燃
週2 ⇒ 週1
ダストボックス ⇒ 戸別
資源
月2 ⇒ 2週に1回
ステーション ⇒ 戸別
可燃
変更なし(週3)
不燃
変更なし(週1)
資源
変更なし(週1)
牛乳パックは拠点回収
可燃
変更なし(週3)
変更なし(戸別)
不燃
変更なし(隔週)
変更なし(戸別)
資源
月1回∼隔週⇒隔週
品目数 9品目 ⇒ 10品目
変更なし(戸別)
食品トレイ、紙パック、ペットボト
その他
ル、発泡スチロールは拠点回
拠点回収品目に発泡スチ
収
ロールを追加
可燃
変更なし(週2回)
不燃
変更なし(3週に1回)
昭島市
【人員・機材など】 有料化と同時
にダストボックス収集から戸別収
集に切りかえた為、増やした。
【時間】ダストボックスから戸別収
集に伴う煩雑化により延びた
品目数 9 ⇒ 9
※その他プラ一部拡大
【人員・機材など】収集員の人員
増、収集車両の追加及び小型化
変更なし(ステーション)
なし
実施時点では、ステーション収
集から変更なし。14.10よりモ プラスチック(有料)は、3週
デル地区において戸別収集。 間に2回収集(15.4変更)
今後全域に拡大予定
変更なし(週1回)
資源
有料化による収集作業への影響
なし
古紙類は品目毎に週1回から月1回
(15.4から変更)
可燃
変更なし(週2回)
集積所 ⇒ 戸別
不燃
変更なし(週1回)
集積所 ⇒ 戸別
資源
変更なし(週1回)
変更なし(ステーション)
可燃
変更なし(週2回)
集積所 ⇒ 戸別
不燃
変更なし(隔週)
集積所 ⇒ 戸別
週2回(品目ごと)
ステーション収集⇒拠点回収
(3品目ペットボトル、白色トレ
イ、牛乳パック)
【時間】特に影響なし
東村山市
羽村市
資源
ペットボトル、白色トレーについて、
週1回 ⇒ 拠点回収へ移行
【人員・機材など】収集車を5台増
車、収集委託料の増額
【時間】地区によっては収集時間
に変化が出た。(戸別収集のた
め)
【人員・機材など】収集時間短縮
のため増やした。
その他は戸別回収
(新聞紙・折込チラシ・雑紙・雑誌・
段ボール・古着・古繊維・ビン・カン・
容器包装プラスチック)
有料化に伴った変更はなし。有料化後、資源ごみについて、ステーション収集に、拠点回収を追
加。また品目数3(びん、かん、ペットボトル)⇒6
ステーション収集: びん、かん、ペットボトル
拠点回収: 紙パック・白トレイ(H12年7月∼)、蛍光管・色トレイ(H14年7月∼)
北九州市
長崎市
【時間】ごみの大きさ・形が均一化
し作業効率があがったため、短く
なった。
【人員・機材】特に影響無し。
なし
可燃
長野市
不燃
資源
有料化に伴った変更はなし(集積所収集)
なし
集積所収集
同時にペットボトルの分別収集
を開始
【 1-7 】 有料化後の対策など
自治体名
有料化後のごみ減量効果維持のための対策
排出量が減った。
分別状態が向上した。
資源ごみが増加した。
青梅市
日野市
その他、有料化による影響と思われる変化
・市民参画による「ごみゼロプラン」を作成し、その中のプログラムを実行し
ている。
住民のごみ減量及び分別意識の向上。
・広報紙等による減量成果の報告、事業所からの排出指導の強化等。
住民からの要望・苦情などで、目立ったもの
今後の検討課題となっている事柄
引越の際に多量に排出される可燃・不燃、両ごみの一時排
出に関して、収集予定日以外の日における臨時収集。
有料化によって減少した排出量だが、徐々に増加の傾向にあること
から、再度抑制のための施策をこうじる必要がある。
指定袋代金(処理手数料)の値下げ、分別の問い合わせ。
可燃ごみの半分を占める生ごみの減量化、資源物回収枠の拡大、
マイバック運動の展開等による減量啓発。
清瀬市
福生市
有料化前・・・指定収集袋の単価が高い レジ袋は使用でき
・買い物袋(マイバック)の無料交付(1世帯1個 12,000個限定)
有料化実施により少しでも指定収集袋の購入費 ないのか? 不燃ごみの収集回数を増やして欲しい。プラ
・家庭用生ごみ処理機器の購入補助金の増額(購入価格の2/3で上限額
の負担を減らそうと、分別が徹底されるように
スチック製品を資源として回収できないのか等。
3⇒4万円)
なった。不法投棄については変化なし。
有料化後・・・指定収集袋外の袋で排出されたごみの処理に
・生ごみ堆肥化容器の無償貸与。
ついて。不法投棄等。
昭島市
16年度中に、全市戸別収集する予定。
・ごみ量が減少した。
・分別が徹底した。
・街の美化。
福生市では平成11年10月から戸別収集を実施しているが、共同
住宅については集積所方式となっている。1戸建て住宅について
は大きな問題も無く収集における理解、協力を得られている。しか
し一部の共同住宅については、ごみ出しのルールが守られておら
ず、収集に支障をきたしている状況にある。また外国人住民に対す
るごみ出しの徹底。
・指定収集袋を使用していないごみについての対応。
・市民だけでなく、製造者や販売店にも減量を要請して欲し せん定枝の資源化。
い。
不法投棄マップを作成するため、シルバー人材センターへ業務委託し、不 戸別収集により、集積所が無くなったため、町が アパート・マンション等の集積所に指定袋以外でごみを出す
分別の徹底とリバウンドが無いよう指導、PRを行う。
東村山市 法投棄の監視をしている。
きれいになった。
住民があり、苦情が多かった。
羽村市
・資源ごみへの分別が増えた。
・生ごみ堆肥化容器貸与、家庭用生ごみ処理機
・広報での呼びかけ記事(減量したごみ量の報告、ごみの出し方や分別方
の助成金を受ける人が増えた。
集合住宅の集積所へのポイ捨てごみ被害。
法、生ごみ堆肥化容器、家庭用生ごみ処理機助成制度の紹介など)
・ごみの講習会開催の希望者が有料化直前に
増加した。
・集団資源回収への助成強化。
・資源化物の拠点回収場所を増やす。
北九州市 ・生ごみ処理機(コンポスト容器)等の購入助成強化。
・資源化物の分別品目を増やす。
※全て有料化以前から行っているが、有料化後強化するもの。
制度導入前は、ポリ袋の無料配布を町内会を通じて行って
いたため、指定袋有料化に伴い、市民の町内会離れが加速
するとの意見があった。
・家庭ごみといっしょに収集している事業系ごみについて。
そこで町内会でステーション推進員や、代表者の選定(導入 ・資源化物の分別・排出マナーについて。
時)、ステーション管理支援(防鳥ネット)、指定袋販売を行う
など、ごみ出しを通じた新たなコミュニティを創出した。
住民のごみ分別が、より徹底されるようになって
分別がわかりにくい。なぜごみ袋を有料化するのか。
ごみ排出量が少しだけ減った。
長崎市
長野市
制度導入一年間のごみ量を比較すると、一般ご
みについては12.4%減量し、資源化物につい
ては12.5%増加している。
H9.7∼H10.6
一般ごみ333.781t 資源化物16,873t
H10.7∼H11.6
一般ごみ292,242t 資源化物18,985t
・不法投棄の防止
・拠点回収品目の見直し。
・ごみのより一層の減量。
市民参加の、ごみの減量・資源化を検討する委員会で、ごみ収集袋購入
チケットの配付枚数を検討し、当初より枚数を減らしている。
長野市の場合、チケット制度を導入し、一定枚数以上の使用者に
ごみ処理費用の一部を負担してもらっているため、一定枚数以下
でも使用枚数に応じた公平な負担が図られていないので、今後完
全有料化を実施すべく検討中。
【1−8】 有料化後のごみ量などの推移
年度
可燃ごみ(t)
推移
青梅市
1人/日(g)
有料化実施年月日 不燃ごみ(t)
推移
H10.10.1
1人/日(g)
資源ごみ(t)
推移
人口(15.7.1)
1人/日(g)
140,420人
ごみ処理原価
(万円/t)
7
年度
可燃ごみ(t)
推移
日野市
1人/日(g)
有料化実施年月日 不燃ごみ(t)
推移
H12.10.1
1人/日(g)
資源ごみ(t)
推移
人口(15.7.1)
1人/日(g)
168,597人
ごみ処理原価
(万円/t)
7
年度
可燃ごみ(t)
8
9
36,277
100
719
6,402
100
127
1,039
100
21
10
31,592
87.1
622
8,039
125.6
158
3,267
314.4
64
6
8
9
11
26,604
73.3
521
5,487
85.7
108
6,500
625.6
127
7
10
12
28,189
77.7
552
5,790
90.4
113
6,984
672.2
137
8
11
45,714
100
761
11,641
100
194
3,810
100
63
13
29,459
81.2
576
5,987
93.5
117
7,579
729.5
148
8
12
39,330
86.0
653
10,086
86.6
168
8,286
217.5
138
3.5
5.2
14
30,384
83.8
593
6,150
96.1
120
7,610
732.4
148
9
13
30,060
65.8
496
5,622
48.3
93
12,605
330.8
208
未
14
30,305
66.3
497
5,841
50.2
96
12,818
336.4
210
7.1
7
8
9
10
11
12
14,511
100
588
2,288
100
93
3,691
100
150
13
13,669
94.2
549
2,382
104.1
96
3,952
107.1
159
14
13,573
93.5
539
2,348
102.6
93
3,743
101.4
149
年度
可燃ごみ(t)
推移
福生市
1人/日(g)
有料化実施年月日 不燃ごみ(t)
推移
H14.4.1
1人/日(g)
資源ごみ(t)
推移
人口(15.1.1)
1人/日(g)
62,316人
ごみ処理原価
(万円/t)
7
8
9
10
11
12
13
14,482
100
636
1,995
100
88
4,124
100
181
14
12,970
89.6
570
1,635
82.0
72
4,610
111.8
203
年度
可燃ごみ(t)
推移
1人/日(g)
昭島市
不燃ごみ(t)
推移
有料化実施年月日 1人/日(g)
H14.4.1 資源ごみ(t)
推移
1人/日(g)
人口(15.7.1)
別途プラスチック
110,843人
推移
1人/日(g)
ごみ処理原価
(万円/t)
7
8
9
10
11
12
13
31,077
100
789
2,828
100
72
5,960
100
151
1,403
100
36
14
28,051
90.3
699
1,869
66.1
47
6,232
104.6
155
1,504
107.2
38
清瀬市
1人/日(g)
有料化実施年月日 不燃ごみ(t)
H13.6.1
1人/日(g)
資源ごみ(t)
人口(15.7.1)
69,763人
1人/日(g)
ごみ処理原価
(万円/t)
4.3
未
年度
可燃ごみ(t)
推移
東村山市
1人/日(g)
有料化実施年月日 不燃ごみ(t)
推移
H14.10.1
1人/日(g)
資源ごみ(t)
推移
人口(15.1.1)
1人/日(g)
143,689人
ごみ処理原価
(万円/t)
7
年度
可燃ごみ(t)
推移
羽村市
1人/日(g)
有料化実施年月日 不燃ごみ(t)
推移
H14.10.1
1人/日(g)
資源ごみ(t)
推移
人口(15.5.1)
1人/日(g)
56,779人
ごみ処理原価
(万円/t)
7
9
10
11
12
13
32,072
100
224
4,780
100
33
2,365
100
17
14
30,426
94.9
212
4,897
102.4
34
2,384
100.8
17
4.8
8
9
10
11
12
13
10,296
100
498
1,574
100
76
4,840
100
234
未
14
9,617
93.4
466
1,480
94.0
71
5,288
109.3
256
6
年度
7
一般ごみ(t) 314,191
北九州市
推移
96.8
1人/日(g)
842
有料化実施年月日 資源ごみ(t)
16,692
H10.7.1
推移
100.6
1人/日(g)
45
人口(15.4.末)
1,010,879人
8
6.7
8
324,741
100.1
874
16,331
98.4
44
9
324,545
100
875
16,600
100
45
10
307,271
94.7
830
18,841
113.5
51
11
305,570
94.2
827
17,632
106.2
48
12
303,438
93.5
822
17,709
106.7
48
13
307,659
94.8
836
17,244
103.9
47
14
306,543
94.5
834
16,411
98.9
45
8
9
10
11
12
112,371
100
734
18,980
100
115
6,988
100
46
13
106,097
94.4
695
18,996
100.1
124
6,975
99.8
46
14
92,158
82.0
605
16,308
85.9
107
6,993
100.1
46
ごみ処理原価
(万円/t)
※市収集・運搬量
年度
可燃ごみ(t)
推移
長崎市
1人/日(g)
有料化実施年月日 不燃ごみ(t)
推移
H14.2.1
1人/日(g)
資源ごみ(t)
推移
人口(15.6.1)
1人/日(g)
418,736人
ごみ処理原価
(万円/t)
7
7.21
7.85
8.29
※14年度 別途プラスチック製容器包装類(6.99t)あり。モデル事業実施後、平成16年度に全域で分別収集予定。
年度
可燃ごみ(t)
長野市
推移
1人/日(g)
有料化実施年月日 不燃ごみ(t)
H8.11.1
推移
1人/日(g)
資源ごみ(t)
人口(15.4.1)
推移
362,540人
1人/日(g)
ごみ処理原価
(万円/t)
7
54,405
100
417
8,980
100
69
13,077
100
176
8
54,773
100.7
419
9,750
108.6
75
13,496
103.2
182
9
56,105
103.1
428
8,754
97.5
67
15,071
115.2
185
10
60,565
111.3
461
9,538
106.2
73
16,024
122.5
184
11
60,903
111.9
463
9,244
102.9
70
16,434
125.7
189
有料化実施年度
※有料化導入月日が年度の途中でも、年度ごとの比較となっている。
※清瀬市のごみ量は「多摩地域ごみ実態調査」((財)東京市町村自治調査会)より抜粋。
12
63,654
117.0
482
11,174
124.4
85
17,250
131.9
200
13
66,305
121.9
501
8,647
96.3
65
17,782
136.0
207
14
65,185
119.8
493
8,368
93.2
63
16,710
127.8
203
資料2
【2−1】 各区審議会の状況(平成16年3月時点)
諮問・答申状況
内容
区数
答申日
今後の清掃事業のあり方について
「∼こうした排出者責任を明確にし、家庭での減量努力が費用負担に反映されるとい
う点(費用負担の公平性)からも有料化は評価することができます。しかし、有料化
の問題は、事業系ごみに対する費用負担の問題と併せて、総合的な減量施策を前提に
して、検討されねばなりません。」
14/3
循環型社会に向けた清掃及びリサイクル事業のあり方について
15/11
(家庭ごみ有料化について)「実現に向けた検討に着手する必要がある。」
一般廃棄物の発生抑制とリサイクルの促進および適正な処理を図るための区民・事業者・
行政の役割について
15/6
「家庭ごみの有料化など、経済的インセンティブを与える手法をごみ減量対策の一つ
として検討する。」
ごみの早朝・夜間収集のあり方について
13/5
「家庭ごみについても適正な費用負担について検討を行う必要がある。」
諮問・答申あり
7区
資源回収に関し、A区が今後おおむね10年間に取り組むべき施策のあり方について
(ごみの有料化について)「一般的にごみの有料化は発生抑制効果を高め、排出者責
任の自覚を促す効果的な方策と言われています。A区としても、大きな課題として今後
検討が必要です」
※H16.1.28より第2期を立ち上げ、「家庭ごみ有料化」も議題としている。
14/11
B区一般廃棄物処理基本計画の見直しについて
①ごみの排出量に応じた料金徴収の仕組み:環境目的税を含め、家庭ごみ全面有料化
など
②区民発意のごみ減量活動を支援する仕組み:やる気のある区民(やれる区民)の発
意と創意・工夫によるごみ減量化事業に補助金を支出する。補助金については、家庭
ごみ全面有料化等の収入を原資とする。
14/7
C区の地域特性にあった清掃事業のあり方について
家庭ごみの有料化についての検討:他自治体での事例等を参考にしながら、有料化に
よる減量効果、負担の公平性、有料化の方式及び効果的な料金設定の手法、減量を図
るためのリサイクルルートの構築など、家庭ごみの有料化について調査、検討してい
く。
13/4
ごみ減量のための清掃事業のあり方と費用負担について
・家庭ごみの有料化 (1)意義(2)有料化の手法(3)ルール違反排出への対策
・答申のまとめ
「区においては、家庭ごみの有料化の実施についての検討を積極的にすべきである」
「家庭ごみの有料化を実施する場合には、区単独で実施するほか、23区総体として
実施することで、より一層の効果が期待できる」
16/3
H14.2からH16.2の審議会では特段の審議はなし。ただし次回の審議会で取り上げる旨の項目あり。
審議会独自の検討として、H14.2「浪費型社会に決別し、循環型社会を実現するためのごみ減量施策
について」(中間のまとめ)で経済的手法に触れている。来年度は、基本計画改定に向け、ごみ減量
についての諮問も予定しており、有料化についての検討も入る可能性あり。
5区
その他
審議会を設置していないが、区民参加の「D区清掃・リサイクル協議会」を設置しており、第二期の報
告書の中で「各戸収集とごみ収集の有料化などを検討していく必要がある」と報告されている。
策定中の「E区の資源循環型社会を目指す計画」(リサイクル推進計画)の中で「ごみ有料化の是非の
検討」という項目で意見を交換している。
家庭ごみ限定ではないが、「ごみ処理手数料について」の諮問あり。
11区 諮問・答申なし、審議会未設置 など
【2−2】 料金体系の比較
手数料総額
課金媒体の一枚目から、手数料を徴収
メリット
デメリット
・排出抑制効果の徹底。
・住民にとって仕組みが解りやすい。
・自治体の事務、経費負担が少ない。
・手数料額が低すぎる場合、制度への慣れにより減量意識が薄
れる。
ごみ排出量
【均一従量制】
特定の期間に使える一定枚数の課金媒体を無料配布し、無
料分を使い切った後、手数料を徴収する
手数料総額
メリット
ごみ排出量
デメリット
・住民の理解が得やすい。
・有料部分は均一従量制より高く設定されることが多く、多量排出
を抑制する。
・無料配付枚数を調整し、政策的・持続的にごみ減量へ誘導す
る
ことができる。
・無料部分に抑制効果が働かない。
・無料部分の管理などに、自治体の負担が生じる。
【一定量以下無料制】
特定の期間に使える一定枚数の課金媒体を無料配布し、期
間終了時に、余った無料分に応じて報奨金を支払う
手数料総額
メリット
・減量努力が報奨に結びつくため、住民の理解は得やすい。
・無料部分にも抑制効果が働く。
0
デメリット ・仕組みが複雑で実施コストも含め、自治体の負担が大きい。
ごみ排出量
【一定量以下無料・還付制】
課金媒体の一枚目から手数料を徴収し、一定枚数を超えた
段階で手数料の単価を引き上げる
手数料総額
メリット
・排出量が多くなるほど費用負担の単価が高くなる
ため、排出抑制効果が大きく、効果も持続する。
デメリット
・仕組みが複雑で住民にわかり難い。
・制度を管理する上での自治体の負担が大きい。
ごみ排出量
【累進従量制】
【 参 考 】全都清の調査結果「ごみ処理手数料の料金体系」
単純従量制
53%
定額制
25%
超過量従量制
12%
その他
10%
(対象:家庭系一般ごみを有料化している自治体533 うち有効回答521)
【2−3】 課金媒体の比較
基本的な課金媒体(有料指定袋と有料シール)の比較
有料指定袋制
有料シール方式
・排出者にとっては一般的であり、取り扱いが容
易。
・料金不足が発生しない。
・有料シール導入時のノウハウや、既存のシ
ステムを活用することができる
メリット
・今現在排出に用いられているごみ袋を使用
できる。
・収集時の確認作業が比較的容易。
・保管がし易い。
・既存の袋業者への影響が非常に大きい。(少数 ・料金不足が発生する可能性がある。
の業者による独占状態となる)
・正しいシールが貼付されているかの確認作
業の仕組みが必要。
デメリット ・販売の際、金庫等に保管することが難しい。
・排出者は別途、袋を購入する必要があり、
負担感が大きい。
・既存の事業系ごみの有料シールとの関係を整理 ・シールの台紙がそのままごみとなる。
する必要がある。
【 参 考 】全都清の調査結果「手数料の徴収方法と料金体系」
有料指定袋方式 82%
シールまたは収入証紙方式 16%
(対象:家庭系一般ごみを有料化している自治体533 うち有効回答522)
【2−4】 手数料の収納方法・課金媒体流通方法の例
手数料収納方法例
メーカー
取扱店
【メーカー前納】
メーカーが納入実績により
支払う
【販売店前納】
取扱店が仕入実績により
支払う
【販売店後納】
取扱店が販売実績により
支払う
自治体
多摩地域の手数料収納・媒体流通方法の概要(全て有料指定袋制で、取扱店への委託方式)
生産・配送・在庫管理
袋納品
メーカー
取扱店
袋の発注
納品実
績報告
手数料払込
(販売実績の場合
は、販売実績報告)
販売
納付書送付
委託料支払
自治体
住民
媒体の流れ
連絡の流れ
手数料・委託料の流れ
※他に、配送業務を別途配送業者に委託しているケース、発注や手数料収納などの管理事務を商
工会へ委託しているケース、メーカーと市の間に代理店をおいているケースなどがある。
【2−5】
23区が連携した基本的な手法(参考)
有料化の手法に関しては、各区が各々の事情に応じて、各項目ごとにメリット・デメリッ
トを比較・検討した上で、最も適した方法を選択することになる。
ただし、23 区が一定の範囲で連携した場合には、効率的な仕組みの構築と、取扱店の負担
軽減等が期待できる。
連携範囲については各区の主体性を損なわないよう、別途慎重な調整を要するが、その検
討時の基本的な手法としては、以下があげられる。
料金体系:均一従量制
特別区の膨大な世帯数、住民の転出入の激しさ等を考慮すると、制度管理の容易性で
優る「均一従量制」が基本となると考えられる。
手数料徴収方法(課金媒体):有料指定袋制
住民にとって分かりやすく、料金不足が発生せず、収集時の確認作業が容易であるこ
と等から多くの自治体で採用されている。特別区においては 23 区推奨袋制度との関係等、
課題も多いが、有料化を検討するにあたっては基本的な手法として位置づけられると考
えられる。
手数料収納方法及び課金媒体の流通方法:取扱店を用いた委託方式
特別区においては、区が直接課金媒体を交付し、手数料を徴収することは困難である
と考えられる。そのため取扱店への委託が基本形となると考えられる。
【2-6】 他自治体の手数料額例
有料化 人口
年月 (万人)
茨城県
H7.10
ひたちなか市
島根県
出雲市
H4.4
料金体系
課金媒体
手数料額(円/枚)
10L
15L
20L
25L
30L
15
(23)
15.3
備考
40L 45L
20 可燃ごみ・不燃ごみを有料化
(13) 資源は自治会の資源回収
当初は可燃ごみのみを有料化(「一定量
以下無料・還付制」を採用)
40 13年度に可燃ごみ・破砕ごみ・埋立ご
(27) みを「均一従量制」に変更
20
(24)
8.8
※空缶・空瓶用は45L 10円/枚
栃木県
矢板市
H7.10
3.6
富山県
高岡市
H10.10
17
佐賀県
鳥栖市
H6.8
6.2
北海道
伊達市
H1.7
3.6
15
(45)
30
(45)
長野県
上田市
H8.7
12.5
25
(75)
35
(53)
埼玉県
秩父市
H8.7
5.9
愛媛県
西条市
30
40
(30) (30)
均一従量制
有料指定袋
H6.4
5.9
10
(30)
20
(30)
40 可燃ごみを有料化
(27)
25
(30)
40
(30)
可燃ごみ・不燃ごみを有料化
60
(45)
可燃・不燃・ビニールプラスチックごみ、生ごみ
を有料化
50
(50)
24L
50
(62)
16L
35
(66)
一定量以下
無料制
100
(100)
H7.4
12.1
一定量以下
無料・還付制
85
(128)
125 170
(125) (128)
有料指定袋
可燃ごみ・不燃ごみ・プラを有料化
(プラは10L 5円/枚、
30L 10円/枚)
可燃ごみ・不燃ごみを有料化
有料指定袋
千葉県
野田市
可燃ごみを有料化
無料袋を世帯に配付
可燃 世帯人数に応じて
45L 50∼130枚
100 及び
(67) 30L 0∼ 60枚
不燃 一律
30L 20枚
無料引換券を世帯に配付(可燃・不燃を
あわせて130袋分)
・配付する袋の容量
1人世帯 20L
2∼4人世帯 30L
5人∼ 40L
※引換券の余りは、トイレットペーパー等の再
生品と交換
※手数料額の欄の( )は、30Lに換算した場合の金額
【参 考】全都清の調査結果(有料指定袋を使用する428自治体を対象に調査し、容量ベースで集計可能な672の袋について整理)
30Lの袋、
1枚の金額
自治体規模別
30万人以上
(政令指定都
市を含む)
10万人以上
∼30円 30%(200) ∼20円 22%(145)
∼40円 19%(128)
4
2
0
17
14
3
∼50円 8%( 57)
0
0
∼60円 7%( 50)
0
12
∼70円 3%( 22)
∼10円 3%( 22)
0
1
2
1
多摩地域等
清瀬①30円(10L、20L、40L袋) 長野30円
北九州①12円(20L、30L袋)
青梅36円
福生・昭島・羽村・あきる野42円∼45円
清瀬②42円(5L袋) 調布①48円(5L袋)
日野60円 東村山・八王子54円∼56.2円
調布②51.9円∼53.3円(15L、30L、45L袋)
北九州②9.9円(45L袋)
【2-7】 多摩地域 家庭ごみ・事業系ごみ 比較一覧
有料化実施済
No
自治体名
1
青梅市
2
3
区分
有料化年月日 可燃
家庭ごみ
H10.10.1
事業系ごみ
H10.10.1
家庭ごみ
H12.10.1
事業系ごみ
H12.10.1
家庭ごみ
H13.6.1
●
●
不燃 資源 その他
●
●
日野市
5
6
7
袋
均一従量制
袋
均一従量制
袋
均一従量制
袋
均一従量制
袋
均一従量制
袋
均一従量制
袋
7
15
30
60
均一従量制
袋
7
15
30
60
均一従量制
袋
7
15
30
60
均一従量制
袋
7
15
30
60
均一従量制
袋
9
18
36
72
均一従量制
袋
均一従量制
袋
均一従量制
袋
均一従量制
袋
10L
15L
12
20L 22.5L 30L 40L
24
20
備 考
48
80.5
10
45L
40
161
45L/日以下の少量排出事業所のみ。
(家庭ごみ有料化にあわせ200㎏/月控除規定を削除)
300
1回の排出量が90L以下(2袋まで)の事業所のみ。
粗大ごみ
利用券・納付書
現場徴収
80
●
●
100
7
10
20
40
家庭ごみ
H14.4.1
事業系ごみ
H14.4.1
家庭ごみ
H14.4.1
事業系ごみ
H14.4.1
家庭ごみ
H14.10.1
事業系ごみ
H14.10.1
家庭ごみ
H14.10.1
●
●
1回の排出量が40L、2袋以下の事業所のみ。
(家庭ごみ有料化にあわせ一部有料・納付書方式(400円/1
0㎏)から変更)
300
福生市
●
●
●
1回の排出量が40L相当で、2袋以下の事業所のみ。
(家庭ごみ有料化にあわせ一部有料・納付書方式(30円/㎏)
から変更)
昭島市
シール方式
シール方式
シール方式
●
●
1回の収集で大袋(40L相当)2袋まで(月に200㎏未満)。
H9.4より有料化を実施(例 45L280円/枚)したが、家庭ご
み有料化にあわせ、袋の種類、金額を家庭ごみと統一。
東村山市
●
●
420
7
15
30
H16.4.1
●
●
1回2袋までは戸別収集(有料)。登録制とし、これ以上は民々
契約で許可業者処理。(家庭ごみ有料化にあわせ納付書・口
座振替方式(28円/㎏)から変更)
基本的に自己処理。1回の排出量が80L・12㎏以下であれば
行政収集(家庭ごみと同じ手数料)する場合あり。
(家庭ごみ有料化にあわせ、30円/㎏(200㎏/月を超える場
合)から変更)
8
現場徴収
60
羽村市
家庭ごみ
9
均一従量制
5L
清瀬市
事業系ごみ
8
徴収方法
シール方式
事業系ごみ
4
指定袋の種類(円/枚)
料金体系
26
53
80
シール方式
5Lは、 可燃ごみのみ。
調布市
シール方式
事業系ごみ
H6.4
家庭ごみ
H16.4.1
事業系ごみ
16.4.1
●
●
均一従量制
袋
均一従量制
袋
均一従量制
袋
23L
120
7
15
30
240
一日平均10㎏、臨時に100㎏以下
家庭ごみの戸別収集にあわせ、事業系も戸別収集に。
180
可燃 15L 45L 70L(280円/枚) 不燃 15L 30L
(家庭ごみの有料化にあわせ、納付書方式(300円/月)から
変更)
60
あきる野市
※「有料」には、一部有料(1日平均10㎏以上有料など)は含まない。 「有料化年月日」は現行の有料制度実施日。
60
120
シール方式
有料化実施予定
No
自治体名
10
八王子市
区分
家庭ごみ
有料化年月日 可燃
H16.10.1
(予定)
●
不燃 資源 その他
●
料金体系
徴収方法
均一従量制
袋
指定袋の種類(円/枚)
5L
10L
9
18
12
13
14
武蔵野市
20L 22.5L 30L 40L
37
備 考
45L
75
5Lは、可燃ごみのみ。
収集しない
事業系ごみ
11
15L
家庭ごみ
H16.10.1
(予定)
事業系ごみ
H9.10.1
家庭ごみ
H16.10.1
(予定)
事業系ごみ
均一従量制
袋
均一従量制
袋
均一従量制
袋
H6.10.1
均一従量制
袋
家庭ごみ
16年度中
(予定)
均一従量制
袋
事業系ごみ
H10.7.1
均一従量制
袋
家庭ごみ
16年度中
(予定)
均一従量制
袋
●
●
●
●
10
20
40
80
110
8
15
(30)
30
粗大ごみ
納付書
現場徴収
シール方式
250
1日平均10㎏以下 30Lは資源物用。
60
稲城市
シール方式
国立市
町田市
15.10にシール方式から変更。
16.10から280円/枚に改定予定。
可燃115円/枚 不燃200円/枚
シール方式
●
●
事業系ごみ
※「有料」には、一部有料(1日平均10㎏以上有料など)は含まない。 「有料化年月日」は現行の有料制度実施日。
140
280
資源 不燃系 22.5L 45円/枚 45L90円/枚
可燃系 45円/紙袋
審議会答申
現場徴収
収集しない
特別区長会下命事項
清掃事業諸課題
課題名
№1
1
清掃一組の抜本的な改革のあり方
№3
2
清掃一組が責任ある事業運営を行う人事上の体制整備
3
区技術系職員の人材確保と育成
4
清掃一組分担金の算出方法の検討
№2
5
操業協定等の見直し
№1
6
施設整備計画の策定のあり方
7
工場のある区、ない区の負担の公平、役割分担のあり方
8
清掃協議会のあり方
9
清掃事業の全体的な調整のあり方
10
清掃業務に従事する区職員に適用する勤務条件
11
清掃都派遣職員の身分切替に伴う勤務条件
12
再任用・再雇用職員の取扱い
13
身分切替後の都区人事交流基準
14
清掃関連経費等の配分割合への反映(都区間配分)
15
18年度以降の財調算定のあり方(区間配分等)
16
23区の清掃事業の統一ルールの検討
№4
17
最終処分場の延命及び確保
№6
18
一般廃棄物処理業の許可等のあり方
№8
19
覚書の見直し(雇上会社)
20
長期的なごみ量推計の手法の検討
21
各区別持込ごみ量の把握
22
廃棄物処理手数料の改定
23
家庭ごみ有料化の検討
№7
今回
34
平成17年(2005年)1月12日
区
民
委
員
会
資
料
区民生活部ごみ減量・清掃事業担当
清掃事業に関する課題
検討報告
No.6
一般廃棄物処理業の許可等のあり方
平成15年11月14日付けで区長会から助役会に検
討下命のあった清掃事業に関する課題(23課題)のう
ち標記課題について、検討の結果をとりまとめ報告する。
平成16年12月
特別区助役 会
下命事項報告までの経緯
○平成15年11月14日
<区長会総会>
清掃事業に関する課題(23課題)について助役会に検討下命
○平成15年12月8日
<助役会総会>
区長会下命事項の検討組織として助役会清掃事業検討部会を設置
○平成15年12月8日
<助役会清掃事業検討部会>
23課題のうち「一般廃棄物処理業の許可等のあり方」について清掃協議会での
検討課題として整理
○平成16年1月8日
<清掃協議会幹事会課題検討会>
清掃協議会部長会へ検討下命
○平成16年3月22日
<清掃協議会幹事会課題検討会>
清掃協議会部長会から中間報告
○平成16年10月29日
<清掃協議会幹事会課題検討会>
清掃協議会部長会から最終報告
○平成16年11月8日・12月2日
<助役会清掃事業検討部会>
報告書の検討・了承
○平成16年11月8日・12月6日
<助役会総会>
助役会清掃事業検討部会からの報告を了承
○平成16年11月16日・12月16日
助役会から報告
<区長会自治研究会第2分科会>
目
次
1
検討の背景
・・・・・1
2
検討の方向性
・・・・・1
3 一般廃棄物処理業の許可事務について
(1)期待される効果
(2)主な課題と対応策
・・・・・2
4
浄化槽清掃業の許可事務について
・・・・・3
5
浄化槽保守点検業者の登録について
・・・・・3
6
一般廃棄物処理業の許可手数料について
・・・・・4
7
今後の課題及び対応策
・・・・・4
資
料
1
各区許可とするにあたり検討が必要な課題
2
許可基準等検討シート
3
許可対象廃棄物検討シート
一般廃棄物処理業・浄化槽清掃業・浄化槽保守点検業の各業者の負担軽減
措置が終了する平成 18 年度以降の許可手数料等の取扱い及び各区が許可等の
事務を行うことの検討
1
検討の背景
一般廃棄物処理業・浄化槽清掃業の許可及び浄化槽保守点検業者の登録制
度については、清掃事業移管により、各区の権限として条例に規定された。
しかし、移管にあたり、東京都時代に 23 区を一区域として扱ってきた経緯
や、業者や区側の負担、事務の効率性等の理由から、許可事務は清掃協議会
の管理執行事務として行い、許可・登録手数料は、許可業者が1区分納付し、
他区分は免除されるという負担軽減措置を行っている。
これら許可業者に対する負担軽減措置は、平成6年の「都区制度改革に関
するまとめ(協議案)」を受けたものであるが、移管後一定期間を経過してい
ることから、見直しの必要が生じており、特に許可手数料に係る規定は、6 年
間の経過的措置であることが各区条例付則に明記されている。
このため、清掃事業移管の本旨に則り、各区で許可権限と一体となった許
可事務等を実施するための検討を行った。
2
検討の方向性
本年 1 月、標記の下命を受けて検討を開始し、現状等を踏まえ、検討の方
向性を次のとおりとした。
平成 18 年度以降の減免措置及び許可等のあり方の方向性としては、移管の
原則及び廃棄物処理法の趣旨に則り、①減免措置については、平成 17 年度末
をもって終了すること、②許可等の事務については、原則として各区で行う
ことがそれぞれ適当であると考える。
しかし、中間処理施設における共同処理が当分の間存続するといった状況の
変化や、効率性の観点から、現行の許可事務の運営形態を存続させてもいいの
ではないかという意見もあり、引き続き検討していくことになった。
また、平成16年8月6日の特別区長会方針を踏まえ、さらに整理・検討
を行った。
1
【特別区長会検討方針】
清掃協議会で経過的に処理している事務については、本来的には基礎的自
治体の業務であるとの認識を持ち、各区が直接処理する方向で検討をすすめ
ること。
3
一般廃棄物処理業の許可事務について
一般廃棄物処理業の許可事務は、平成 18 年 4 月から清掃協議会の管理執行
事務を改め、各区事務として実施する。
その際各区は、新たな体制に円滑に移行するため、各区で又は必要に応じ
て他区と連携して対応策を図るとともに、関係業者に十分な説明を行い、理
解を求める必要がある。
(1)期待される効果
① 許可権限と許可事務を一体的に行うことにより、申請や相談を通じた
許可業者との日常的な接触が増え、指導の徹底がしやすくなる。また、
許可業者と排出事業者に対する指導を一体的かつ効果的に行うことがで
きる。
② 各区の事業系一般廃棄物に対する方針等に基づき、必要かつ適正な業
者数を踏まえながら許可を与えることにより、一般廃棄物の適正な処理
を確保することができる。
(2)主な課題と対応策(詳細は「資料1」参照)
① 許可の考え方
許可対象廃棄物(ごみ種)によって、汚でいや動物死体などは許可業
者数が少ないため、各区において必要な許可業者を確保する方策を検討
するなど、ごみ種毎の対応が必要となる(
「資料 3」参照)。また、新たに
積卸しの許可(※1)についての扱いを検討する必要がある。
※1「積卸しの許可」:廃棄物処理法第7条に規定する、一般廃棄物の「運搬のみを業として行
う場合」に必要な、
「積卸し(=処理施設への搬入)」を行うための許可。現在23区において
は、一括して23区分の収集運搬許可を行っているため、「積卸し」の許可は行っていない。
②
許可基準等
各区許可とした場合でも、許可基準等の取扱いについては、統一的対
応が必要となる事項がある(「資料2」参照)。また、能力認定試験や更
新講習会を実施するにあたり、連絡調整機能の必要性を検討する。
2
③
許可事務
原則として各区事項であるが、手引きの作成や立入検査、業者情報の
管理方法など、一部、統一的対応とすべき課題及び連絡調整機能が必要
となる。
④
行政指導・処分
無許可営業の対応、行政処分について、迅速・適正に対応するため、
区間での情報交換体制を構築するなど、その実効性を担保する手法の検
討が必要となる。
⑤
その他
現行の持込承認制度(※2)は、事務所所在区が承認することから、
各区許可となると、許可をしていない区が他区から発生する持込ごみの
承認事務を行うことも想定されるため、持込承認区選定のルールについ
ての検討が必要となる。
※2「持込承認」:事業者及び許可業者が、廃棄物を実際に処理施設に持ち込む場合に必要な
承認。23区では、許可業者については「主たる事務所」の所在地を管轄する清掃事務所が
申請先となっており、当該区長名又は所長名で承認書を発行している。
4
浄化槽清掃業の許可事務について
浄化槽清掃業の許可事務は、一般廃棄物処理業同様、各区事務として実施
する。
浄化槽は下水道の普及により、設置基数が減少傾向にあることから、昭和
61 年以降新たな許可を行っていない。また、現行では許可期限が定められて
いないことから、許可更新の事務はなく、日常業務は変更届の受理等、限ら
れたものとなっている。
このため、一般廃棄物処理業の許可同様各区事項として支障はない。
5
浄化槽保守点検業者の登録について
浄化槽保守点検業者の登録については、平成 17 年度末をもって廃止する。
浄化槽保守点検業者の登録は、浄化槽法により、保健所設置市の事務であ
り、23 区は清掃事業移管時に東京都の実施内容を継承した。一般廃棄物処理
業同様に登録手数料には減免の経過期間があり、各区事務とすると各区が手
数料を徴収することとなる。
3
一方、浄化槽の保守点検は、本来浄化槽管理者(※3)の責務であり、保
守点検を委託する場合、浄化槽管理士(国家資格、※3)を擁する業者が行
えば足りる。区の指導等も浄化槽法の諸規定により可能である。
これらを踏まえ、23 区においては、浄化槽の設置基数が減少傾向であるこ
と、各区事務とした場合の登録業者の負担増に見合う効果が期待できないこ
となどから、概ねその役割を終えたものと考え、平成 17 年度末をもって廃止
するものとする。
※3「浄化槽管理者、浄化槽管理士」:浄化槽管理者は、当該浄化槽の設置者や使用者等で、浄化槽
法第10条により、保守点検や清掃の義務を負う者をいう。浄化槽管理士は、同法第45条により、
浄化槽の保守点検業務に従事する者として、環境大臣の免状の交付を受けている者をいう。
6
一般廃棄物処理業の許可手数料について
許可手数料の減免措置は平成 17 年度末をもって終了し、平成 18 年度以降
は、許可申請を受けた区が手数料を徴収することとする。
許可手数料に係る経過期間終了後は、各区の条例における負担軽減措置が
終了することから、各区が許可事務を行うことに伴い、区毎に手数料額の見
直しを行う必要がある。
このためには、許可事務の内容を精査し、書類審査や立入検査等に要する
実費を算出し、各区の許可事務に見合った手数料額の算出が必要である。
また、各区で必要な許可業者数を確保する必要のある「ごみ種」に対する
許可手数料のあり方や、積卸しの許可に係る手数料の設定方法等については、
23 区の共通課題として検討する必要がある。
7
今後の課題及び対応策
平成18年4月の各区事務の実現に向け、必要不可欠な事項に伴う課題を
優先しながら、各区又は他区と連携して解決するものとする。
一般廃棄物処理業の許可等を平成 18 年 4 月から各区事務として行うために
は、それぞれの事務について挙げられた課題を解決し、条例、規則、要綱を
整備する必要がある。
しかし、残された期間が短いことや、各区における事業系一般廃棄物の減
量施策の違い、許可業者等に与える影響、周知期間などから、業者との調整
には相応の期間を要することが予想される。このため、各区事務とするため
に、平成 18 年度までの解決が必要不可欠な課題と各区事務とした後でも対応
可能な課題等、課題間に優先順位をつけ、早急に取り組んでいくことが重要
である。
4
資料1
各区許可とするにあたり検討が必要な課題
項目
1 許可の考
え方
検討の方向性
問題点
(1)許可の与え方
(原則)
・「普通ごみ」については、作業場所のある区のみが ある区の許可業者が、許可のない区で作業場所を確
保した場合、新規許可扱いとなる。
許可を与える。
・平成18年4月1日時点で作業場所のない区は、許可
を与えない
(2)ごみ種による
許可の与え方
「普通ごみ」以外のごみ種(「道路公園ごみ」「動
物死体」等は各区が必要に応じ許可を与える必要が
ある。
(これらのごみ種は、申請があれば「20日・20t」
のような基準がなく許可を与えている)
5
【許可業者数】
(16.7.1)
全許可業者 670
普通ごみ 494
道路公園ごみ 226
しさ・ふさ 10
汚でい 55
動物死体 5
医療廃棄物 10
(3)積卸しの許可
「収集」のみならず「運搬」(積卸し)の許可を与
える必要がある。
〔共通項目〕
①普通ごみの許可基準のような何らかの基準を設定
することは困難である(新規参入を無制限とする
か)。
②各区の事務、各区が手数料を徴収することになる
ので、全ての区においてそれぞれのごみ種の許可業
者が確保できないおそれがある。
(詳細は資料3「許可対象廃棄物検討シート」)
考えられる対応策
①原則通り新規許可の扱いとする。
②なんらかの経過措置を設ける。
〔共通項目〕
①特定のごみ種につき、「汚でい」と同じく新規参
入を認めないと方針変更することは可能(各区事項
とするか統一的に行うのか検討を要する。)。
②現行と同じく許可基準を設けない(新規参入は無
制限)。
③できるものから「普通ごみ」の許可に統合してい
く。
④できるものから産業廃棄物として扱うよう見解変
更を行う。
⑤何らかの基準を設定する。
(詳細は資料3「許可対象廃棄物検討シート」)
・清掃一組における搬入調整の都合上、許可業者に
は、指定処理施設が存在する全ての区の積卸しに関
する収集運搬業の許可を与える必要がある。
・しかし、それら全ての区が現状と同等の収集運搬業
の許可(つまり収集も含めた許可)を出すことは、
移管本来の趣旨から逸脱することになる。
・したがって必然的に、「収集運搬業」の許可を「収
集」と「運搬(積卸し)」に分けて検討する必要が
ある。
・積卸しについても、施設所在区が許可を出す。こ
の場合、例えば許可区分として「収集運搬業(積卸
しに限る)」のようなものになり、「積卸し先」と
して「区長の指定する施設の存する区域内」「名称
㈱○○ 住所 ◇◇区△△1-1-1」などとする。
<デメリット>
①各区における事務量の増加。特に施設所在区。
②「収集」と「運搬(積卸し)」を分けて許可する
という実態が、一廃・産廃をあわせても、おそらく
ないこと
項目
検討の方向性
問題点
考えられる対応策
・指定処理施設への積卸許可について共同処理の検
討
【案1】
○積卸しに関する許可を清掃一組の事務とする
<デメリット>
区と一組の調整事項が増加する
(相当な増加が見込まれる)
【案2】
○23区及び清掃一組で覚書を締結するなどし、区に
おける収集運搬業の許可があれば、指定処理施設へ
の積卸しの許可はあるものと見なす手法を検討す
る。
・一般廃棄物処分業者の施設への搬入については、
施設の存する区において主体的に(積卸しの)許可
をすべきである。基準としては、許可上の基準を設
けるべきではなく、許可をすべきか否かは、各区の
処理計画及び他自治体との処理計画上の調和を考慮
して決すべきである。
6
2 許可基準
等
(1)許可基準
資料2「許可基準等検討シート」
(2)許可対象廃棄物
資料3「許可対象廃棄物検討シート」
(3)新規許可の判断
各区において処理計画との整合から判断する。
【新規許可(新規参入)の弊害】
・不適正業者の駆逐が不可能(許可を取り消されて
も、別業者として新規許可申請が可能=行政処分の
実効性の問題)
・業界再編(整理淘汰)が進まない
・現行の許可方法だと、各区処理計画と許可の出し方
との間に整合が図れない
(4)新規許可基準
【法における許可基準】
①当該市町村による一般廃棄物の処理が困難
であること
②その申請の内容が一般廃棄物処理計画に適
合するものであること
以上であると認めるときでなければ、区長は
許可をしてはならない。
・現状は、この規定により「汚でい」の許可を与えて 道路清掃ごみのように、統一的措置が必要なものに
ついて、対応を検討する。
いない。
・何をもって「困難」「処理計画に適合する」とする
かは各区において判断すべき事項である。
・各区の足並みが揃わない場合、都道清掃のように各
区間を渡る業務が許可業者に円滑に委託されなくな
るおそれがある。
・競争原理の働く「普通ごみ」については、新規許可
の可否を各区において判断することとする。
・区側(及び都などの発注者)の事情により、各区に
おいて許可業者を確保しなければならない特定のご
み種(「道路公園ごみ」等)については、統一的措
置を検討する必要がある。
項目
3 許可事務
7
検討の方向性
問題点
考えられる対応策
(5)能力認定試験
新規許可申請にあたり、申請者の能力に係る基準を
判断するため活用するものであり、要否は各区にお
いて判断する。
【申請者の能力に係る基準】
一般廃棄物の収集又は運搬を的確に行うに足りる
知識及び技能を有すること。
各区が個別に能力認定試験を実施する場合
・日程調整が煩雑になる(現状:協議会が年4回実施→
各区が同程度の試験を実施する場合、日程の重複等
の問題が発生する)
①まったくの各区事項とする。(理由:新規許可の
是非は各区が判断することから)
②何らかの連絡調整組織を設置する。(能力認定試
験の実施委員会など)
③担当区において持ち回りで実施する。(何らかの
調整機能は必要である。)
※調整組織が大きくなるほど、情報の管理が複雑に
なる可能性がある
(6)更新講習会
更新許可申請にあたり、申請者の能力に係る基準を
判断するため活用するものであり、要否は各区にお
いて判断する。
【申請者の能力に係る基準】
一般廃棄物の収集又は運搬を的確に行うに足りる
知識及び技能を有すること。
各区が個別に講習会を実施する場合
・日程調整が煩雑になる(現状:協議会が年1回実施→
各区が同程度の講習会を実施する場合、日程の重複
等の問題が発生する)
①まったくの各区事項とする。
②何らかの連絡調整組織を設置する。(更新講習会
の実施委員会など)
③担当区において持ち回りで実施する。(何らかの
調整機能は必要である。)
(1)新規・更新・
変更許可申請、
変更届等に係
る事前相談
各区において対応する。
(2)許可申請、変
更届等の受付
等の事務
(3)許可手数料の
徴収
各区において対応する。
業者側の利益が増加することなく、負担のみが増加
・申請者は、申請先の各区に手数料を納入する。
・積卸しの許可を与える場合には、その分の許可申請 する。
手数料の徴収方法も検討する必要がある。
経過措置期間が終了するので本則適用となる。
(4)許可手数料額
の設定
・各区が許可事務にかかる経費を勘案して設定する。 本則適用となることにより、業者側の負担増は避け
・積卸しの許可を与える場合には、その分の許可申請 られないが、区側としても特定のごみ種について
は、許可業者を確保する必要が生じる。
手数料も設定することになる。
①特定のごみ種については、一定期間許可手数料を
減免する経過措置を検討する。
②①では公平性が保てないので、「普通ごみ」を含
め、すべてのごみ種について、一定期間手数料を減
免する激変緩和措置を検討する。
③指定処理施設への積卸しの許可主体を清掃一組と
した場合、許可手数料の減免を検討する。
(5)立入検査
各区が各々実施した場合、現在の許可期限が引き継
各区が必要に応じて行う。
(現在は、2年ごとの許可更新時に収集量最大区等が がれるので
①業者側の対応等の負担が増加する。
実施)
②日程の調整が困難になる
立入検査を必要とするかは各区が判断することを前
提とし
①まったくの各区事項とする。(業者側:過大な負
担のおそれ)
②希望区における合同検査を行う(行政側の都合⇔
業者側は多少の負担)
③担当1区制にする(行政側不都合⇔業者側は軽負
担)
―
―
―
―
項目
(6)実績報告書
の受理・集計
4 行政指導
・行政処分
8
5 その他
検討の方向性
各区において処理する。
現状:1枚の用紙に区別処理量を記入
問題点
考えられる対応策
業者側:区別に提出することになるが、現状でも区別
ごみ量を算出しており、(手続面を除き)事務的負
担が過大に増加するものではない。
―
(7)業の手引き
各区の判断において作成する。
指定処理施設の搬入に係る部分については、区と清
掃一組との調整が必要になる。
連絡調整の方法を検討する。
(8)業者名簿
各区の判断において作成する。
なし
(9)一廃業者管理
システム(仮)
・清掃事業総合情報システムへの統合を検討する。ま
たは、各区において適宜情報を管理する。
現状:協議会において許可事務に使用(許可業者・作
業場所情報の管理、許可証印刷など)
車体への許可番号表示義務等を検討するにあたり、
許可番号等の一元管理が必要になる場合や、許可事
務の適正化、行政処分の実効性を確保するために業
者情報を一元管理する必要性が生じる可能性があ
る。
・業者情報を一元管理する場合には、連絡調整の方法
を検討する。
・業者情報の一元管理を検討するにあたっては、各区
個人情報保護条例との関連を精査する必要がある。
(1)行政指導
行政処分に繋がるものでもあり、許可業者の違法行
為等については、各区は情報を得る必要がある。
各区許可となることにより無許可営業発生の可能性
が高くなるため、各区間の連絡の場が必要になる。
・現行の業者指導検討会、指導担当者連絡会のような
会議体の設置を検討する。
・業者情報の取扱いにつき、各区個人情報保護条例と
の関連を精査する必要がある。
(2)行政処分
各区が主体的に判断することが原則である。ただ
し、許可車両の併用を認める場合においては、処分
の実効性を確保するため各主体が協調して行う必要
がある。
平成15年の法改正に伴い、欠格要件に該当した業者 ・現行の業者指導検討会、指導担当者連絡会のような
等に対しては、各区は許可を取り消さなければなら 会議体の設置を検討する。
・業者情報の取扱いにつき、各区個人情報保護条例と
ないので、各区間で情報を共有する必要がある。
の関連を精査する必要がある。
(1)処理料金
・許可業者が排出事業者から徴収する処理料金は、法
により、各区の定める廃棄物処理手数料が上限とな
る。
・各区は、各区の判断で廃棄物処理手数料を設定す
る。
各区の定める廃棄物処理手数料が処理料金の上限と
なることから次の課題が生じている。
①各区においては、一般廃棄物処理業者の安定的な
経営を保証するために、処理原価に基づいた適正な
廃棄物処理手数料を設定する必要がある。
②現行の各区廃棄物処理手数料は、東京都が平成6年
7月に改訂して以降約10年に渡り改定しておらず、現
状では処理原価と約7円の乖離が生じている。
・廃棄物処理手数料の早急な見直しを検討する必要が
ある。
・処理原価から導かれる廃棄物処理手数料の改訂を適
切な頻度(例えば4年に1度など)に行う手法を検討
する。
・廃棄物処理手数料の改訂に伴う排出事業者と許可業
者間における混乱発生を防ぐ手法を検討する。
(2)持込制度
【現行の持込承認制度】
事業者の指定処理施設への搬入の承認は、当該事
業者の事務所所在区等が行っている。
・各区許可になり、現行の持込制度を踏襲すると、許
可していない区が持込承認をする等の不整合が生じ
る。
・したがって、現行の持込制度を踏襲することはでき
ない。
・区ごとのごみが混載されるので、持込を承認する主
体は一つとなる手法を検討する。
①代表1区が承認する方法(収集量最大区等。この場
合、連絡調整(収集量最大区の算出など)を検討す
る。)
②清掃一組が承認する方法(ただし、各区清掃事務
所における承認機能を一旦でも失わせることの適否
を検討する必要がある。)
―
許可基準等検討シート
資料2
◆法令に規定されている事項(施設に係る基準、申請者の能力に係る基準など) 省略
◆一般廃棄物処理業許可取扱要綱(協議会版)に規定する事項
項目
︵
①
許
可
基
準
9
︶
一
般
廃
棄
物
処
理
業
許
可
取
扱
要
綱
第
3
関
係
根拠
各区許可となったときの課題
運搬先は、一般廃棄物を適正に処分することができる中間処理施設・最終処分施設であるこ
要綱第3(1)
と
なし(各区において規定すべき事項)
継続的な作業場所は、建物を単位とすること
(道路・公園等作業場所を特定できない場合は、区域を単位とすること)
要綱第3(2)
なし(各区において規定すべき事項)
継続的な作業場所が建物を単位とする場合は、他の一般廃棄物収集運搬業者が当該建物を継
要綱第3(3)
続的な作業場所としていないこと
なし(各区において規定すべき事項)
継続的な作業場所で排出事業者と委託契約を締結し、または締結する予定であること
要綱第3(4)
なし(各区において規定すべき事項)
普通ごみの場合、稼動運搬車1台当たり月平均稼動日数20日・運搬量20t見込まれること
(収集方法が指定され専用の運搬車が必要な場合はこの限りでない)
要綱第3(5)
基本的には各区において規定すべき事項
ただし、区ごとのごみが混載され、23区内での車両の併用を認める場
合、何らかの調整が必要となるか検討を要する
(A区は10t、B区は5tとした場合、問題が生じるか?)
運搬車は原則として自ら所有していること
要綱第3(6)
統一的対応が必要
車両は、東京陸運支局又は練馬、足立の各自動車検査登録事務所の登録車両であること
(運搬先が23区外の場合はこの限りでない)
要綱第3(7)
統一的対応が必要
車両は、23区の一般廃棄物収集運搬業の専用車両とすること
(23区内から発生する自己物である一般廃棄物又は専ら再生利用の目的となる古紙・古繊維 要綱第3(8)
を収集運搬する場合は、この限りでない)
統一的対応が必要
車両は、最大積載量が8t以下であること
要綱第3(9)
統一的対応が必要
指定処理施設に搬入する車両は、自動排出機能を有すること
要綱第3(10) 統一的対応が必要
項目
根拠
各区許可となったときの課題
運搬車は、運搬する一般廃棄物が汚水を含み、悪臭が発生するおそれがある場合は、荷箱が
要綱第3(11) 統一的対応が必要
密閉できる構造であること
要綱第3(12) 統一的対応が必要
運搬車の洗車設備を確保すること
要綱第3(13) なし(各区において規定すべき事項)
保管積替・積置施設の基準
(屋根を有し部外者が立ち入れない、悪臭・汚水・騒音が漏れない、洗浄設備、脱臭設備な
ど)
基本的には各区において規定すべき事項
・保管積替・積置施設は、日曜日の
み使用できる
・清掃一組が指定する日曜搬入枠と
の関係
要綱第3(14)
・今後とも必要な許可なのか検討を
要する
→仮に清掃一組が日曜搬入枠を
拡大した場合には当該許可は
不要になる(家電を除く)
専ら再生利用の目的となる一般廃棄物である古紙又は古繊維を運搬車で収集運搬する場合
は、他の一般廃棄物と混載しないこと。
要綱第4(1)
統一的対応が必要
専ら再生利用の目的となる一般廃棄物である古紙又は古繊維を運搬車で収集運搬する場合
は、運搬先が23区の区域内であること。
要綱第4(2)
統一的対応が必要
一般廃棄物の積替え又は積置きを行う場合は、許可又は承認を受けた施設で行うこと。
要綱第4(3)
なし(各区において規定すべき事項)
10
予備車保有可能台数の基準
汚でい以外の場合 汚でい以外に使用する稼動運搬
車の台数を15で除した台数
汚でいの場合 汚でいに使用する稼動運搬車の
台数を15で除した台数
※1未満の少数は切り上げて1とする
︵
︶
②
生要
活綱
環第
境4
保関
全係
上
必
要
な
条
件
23区の区域外で積替え又は積置きを行った一般廃棄物は、23区の区域内の運搬先に運搬しな
要綱第4(4)
いこと。
統一的対応が必要
一般廃棄物処分業者の取り扱う一般廃棄物は、23区の区域内から発生したものであること。 要綱第4(5)
許可区の区域内から発生したもののみとするか、23区の区域内とするか
区間を越境する場合は、相互の処理計画上調和を保つ必要がある
その他許可証に記載する条件
(関係法令遵守など)
なし(各区において規定すべき事項)
要綱第4(6)
項目
各区許可となったときの課題
根拠
︵
︶
③
遵 要 運搬車の外部塗装はブルー1色とすること。(ただし、取り扱う一般廃棄物の種類及び作業
要綱第9(1)
守 綱 場所の性格上、特に配慮が必要な場合は、この限りではない。)
事第
項9
関
運搬車の両側面のドア、荷箱・荷台の両側面・後方面には、業者名及び許可番号を表示する
要綱第9(2)
係
こと((1)で例外が認められるケースでは、この限りではない)
11
④
特
例
規
定
統一的対応が必要
統一的対応が必要
(各区許可となれば許可番号は統一でなくなる)
運搬車には、一般廃棄物収集運搬業に関わりのない事項を表示しないこと
要綱第9(3)
統一的対応が必要
運搬車は、作業終了後、確実に洗浄し悪臭発散の防止、清潔の保持に努めること
要綱第9(4)
なし(各区において規定すべき事項)
運搬車でなくなった車両は、(2)に定める事項の表示を抹消すること(解体する場合は、こ
の限りではない)
要綱第9(5)
統一的対応が必要
運搬車以外の車両に(2)の表示をしないこと
要綱第9(6)
統一的対応が必要
積替え又は積置きを行う場合は、処理施設の受入れが可能になり次第、施設から速やかに搬
要綱第9(7)
出すること
なし(各区において規定すべき事項)
保管積替は、ねずみ・害虫等が発生しないようにすること
要綱第9(8)
なし(各区において規定すべき事項)
従業員は、収集運搬を行う場合に雇用関係を証明する書類を携帯していること
要綱第9(9)
なし(各区において規定すべき事項)
特定家庭用機器再商品化法対象物を収集運搬する場合の特例 (搬入先は23区内に限らな
要綱第14
い、保管積替・積置施設は第3(14)の規定にかかわらず緩やかな基準を設定しているなど)
なし(各区において規定すべき事項)
転居廃棄物を収集運搬する場合の特例
(転居廃棄物を運搬する場合は、廃棄物の種類・数量の確認が容易な形状の車両を使用する
ものとする)
統一的対応が必要 (ただし、転居廃棄物の扱い自体が、清掃一組との
調整が必要な部分はあるものの原則として各区事項である)
要綱第15
資料3
許可対象廃棄物検討シート
ごみ種
普通ごみ
業者数
7/1時点
494
内容
備考
下記ごみ種以外の厨芥、紙くず、木く
ず、繊維くず、野菜くず、生理汚物等
の事業系一般廃棄物及びその焼却残灰 *転居廃棄物は、粗大
並びに特定家庭用機器再商品化法対象 ごみの形状をしたもの
物及び転居廃棄物
に限る
*弁当がら等を含む
「普通ごみ」の許可基準
現状
特定家庭用機器廃棄物及び
転居廃棄物以外は、事業系
一般廃棄物を対象としてお
り家庭廃棄物は対象外
稼動運搬車1台につき、月平均の
稼動日数20日・運搬量20t
道路・公園ごみ
12
しさ・ふさ
汚でい
動物死体
医療廃棄物
226
各区許可となった
ときの課題
区により対象廃棄物の拡大
(例:民間市場への開放)を
考えた場合、指定処理施設へ
の受入れの問題を検討する必
要がある
・一廃・産廃の区分を明確化す
る(不燃ごみを産業廃棄物と
*事実上、可燃・不燃
道路、公園及び河川の清掃により発生
・廃プラ、金属くず、ガラス 区分し直す)ことにより「普
ごみの分別が困難な道
する一般廃棄物
くず等でも一般廃棄物とし 通ごみ」に統合もできる
路清掃ごみは、中防ご
て扱っている
・ただし、適正処理確保の視点
み選別機に搬入を認め
(「道路公園ごみ」専業が123者)
・国道清掃ごみの扱いが不明 から分別不可能で土の混入が
ている
多い道路清掃ごみの扱いを検
討する必要がある
10
*しさ:スクリーンによ
り除去された夾雑物、
浄水場及び下水処理場から発生するし
市場規模が小さい(許可業
固形物の総称
さ及びふさ
者及び作業場所が限定的)
*ふさ:貯溜槽等の水面
に浮かぶかす
浄水場及び下水処理場・ポン
プ所の存する区においては、
許可業者を確保する必要があ
る
55
・浄化槽清掃業は、期限のな
浄化槽から発生する汚でい、建築物の
*ディスポーザから発 い永久許可
排水槽から発生するし尿を含む汚で
生する汚でいも浄化槽 ・各区による処理が困難とは
い、事業系の仮設便所から発生するし
汚でいと見做して扱う いえないことから、新規の
尿及びその他一般廃棄物汚でい
許可を認めていない
・浄化槽清掃業とセットで考え
るべきであり、各区において
は、許可業者を確保する必要
がある
5
10
動物の死体及びふん尿
各区においては、許可業者を
*焼却施設等の民間処
各区においては、25kg以上 確保するか、または、25kg以
理ルートを持った処理
の動物死体は収集しない
上の動物死体も収集する必要
業者に限る
が生じる
感染性廃棄物は特別管理一
感染性一般廃棄物及びこれに準じて処 *焼却施設等の民間処
般廃棄物となり、特別管理
理することが適当と認められる事業系 理ルートを持った処理
産業廃棄物処理業の許可が
一般廃棄物
業者に限る
あれば取扱うことができる
これに準じて処理すること
が適当と認められる事業系一
般廃棄物 の範囲が不明瞭だ
が、「医療廃棄物」のごみ種
をなくし「普通ごみ」に統合
することもできる可能性があ
る(感染性廃棄物は持込禁止
物)
ただし、道路・公園
ごみを総体として一
般廃棄物として取り
扱ってきた経緯があ
り、調整は必要であ
る。
全ての区に浄化槽は存
在している。許可業者
が存在しなくなった区
は、その区の責任によ
り適正な清掃を実施す
べきこととなる。
「普通ごみ以外のごみ種」についての各区における許可業者確保のための手法検討
業者数はH16.7.1現在
【基本的スタンス】
◆H18.4.1に向けた対応を検討する
◆「普通ごみ」以外のごみ種は、H18.4.1時点で23区すべてにおいて許可業者が存在していなければならない
(「医療廃棄物」については特別管理産業廃棄物処理業者が取り扱うことができるので例外)
◆その後の許可業者数の推移・新規許可等は、各区が判断する
汚でい
道路・公園ごみ
〔業者数〕226
入札参加のため、各区において業者が確保できるものと思われる
・道路・公園ごみ専業の者が123者おり、受注機会確保のため複数区に許可
更新申請をする場合、許可手数料負担の問題が残る
例:23区に許可申請をしながら全く落札できない etc.
〔業者数〕55(うち54者は浄化槽清掃業者)
(仮設便所汲取り等のための)入札参加のため、各区において業者が確保できるものと思
われる
左と同じく、手数料負担の
問題が残る
浄化槽清掃業者確保のためには、浄化槽業界と交渉する必要
がある(ブロック分け等により、どの区にも許可業者が存在す
るように…)
13
ただし……
許可業者数が減少していく可能
性
総体として産業廃棄物とすれば都の許
可のみで足りる
清掃業は永久許可なので、それほど負担は過大とならない
弊害も……
例:道路管理者→委託料増加
動物死体
しさ・ふさ
〔業者数〕10
許可業者及び作業場所が限定的であり、許可業者は、必要に応じて許可を更新
するものと思われる
(特に25kg以上のもの)
〔業者数〕5
①5業者に対し、全ての区において許可を更新していくよう23区として依頼する
②5業者に限らず、各区において許可業者を(新規・変更許可等を含め)確保するか、
全量区収集で対応するかの検討をしていく
※業者が率先して許可を申請する可能性があるごみ種においても、手数料負担が激増してもなお、許可需要があるのか
を検証する必要がある。そのためには、各区において、委託者である道路・公園等の管理者である土木の主管課等に
実態を確認する必要がある。
◆必要な業者数 ◆例えば道路公園ごみを産業廃棄物と扱う場合の影響度
◆業者の入札参加状況 など
特別区長会下命事項
清掃事業諸課題
課題名
№1
1
清掃一組の抜本的な改革のあり方
№3
2
清掃一組が責任ある事業運営を行う人事上の体制整備
3
区技術系職員の人材確保と育成
4
清掃一組分担金の算出方法の検討
№2
5
操業協定等の見直し
№1
6
施設整備計画の策定のあり方
7
工場のある区、ない区の負担の公平、役割分担のあり方
8
清掃協議会のあり方
9
清掃事業の全体的な調整のあり方
10
清掃業務に従事する区職員に適用する勤務条件
11
清掃都派遣職員の身分切替に伴う勤務条件
12
再任用・再雇用職員の取扱い
13
身分切替後の都区人事交流基準
14
清掃関連経費等の配分割合への反映(都区間配分)
15
18年度以降の財調算定のあり方(区間配分等)
16
23区の清掃事業の統一ルールの検討
№4
17
最終処分場の延命及び確保
今回
18
一般廃棄物処理業の許可等のあり方
№8
19
覚書の見直し(雇上会社)
20
長期的なごみ量推計の手法の検討
21
各区別持込ごみ量の把握
22
廃棄物処理手数料の改定
23
家庭ごみ有料化の検討
№7
№5
14
平成17年(2005年)1月12日
区
民
委
員
会
資
料
区民生活部ごみ減量・清掃事業担当
清掃事業に関する課題
検討報告
No.7
各区別持込ごみ量の把握
平成15年11月14日付けで区長会から助
役会に検討下命のあった清掃事業に関する課題
(23課題)のうち標記課題について、検討の結
果をとりまとめ報告する。
平成16年12月
特別区助役会
下命事項報告までの経緯
○平成15年11月14日
<区長会総会>
清掃事業に関する課題(23課題)について助役会に検討下命
○平成15年12月8日
<助役会総会>
区長会下命事項の検討組織として助役会清掃事業検討部会を設置
○平成15年12月8日
<助役会清掃事業検討部会>
23課題のうち「各区別持込ごみ量の把握」について清掃協議会での
検討課題として整理
○平成16年1月8日
<清掃協議会幹事会課題検討会>
清掃協議会部長会へ検討下命
○平成16年3月22日
<清掃協議会幹事会課題検討会>
清掃協議会部長会から中間報告
○平成16年10月29日
<清掃協議会幹事会課題検討会>
清掃協議会部長会から最終報告
○平成16年11月8日・12月
日
<助役会清掃事業検討部会>
報告書の検討・了承
○平成16年11月8日・12月6日
<助役会総会>
助役会清掃事業検討部会からの報告を了承
○平成16年11月16日・12月16日
助役会から報告
<区長会自治研究会第2分科会>
目
次
1
検討の背景
・・・・・1
2
検討の方向性
・・・・・1
3
検討結果
・・・・・2
(1)第1案
混載禁止により区別持込ごみ量
を把握する方法について
(2)第2案
現行制度の手法を向上させ区別
ごみ量を把握する方法について
4
結論
・・・・・3
5
今後の課題
・・・・・4
資
料
1
許可業者のごみ混載の実態について
2
ごみの混載禁止を実施するための課題
複数区の持込ごみ量の混載により算定が困難となっている区別持込ごみ量の
正確な把握方法の検討
1
検討の背景
23区のごみ量は、行政収集量及び一般廃棄物収集運搬業者(以下「許可業
者」という。)、並びに排出事業者自らが指定処理施設(以下「工場等」という。)
に搬入する持込ごみ量から構成されている。
区毎のごみ量を把握するうえで、持込ごみについては、複数区を一つの営業
区域とする収集形態が認められていることにより、複数区のごみが混載された
状況で工場に搬入されるため、ごみ量を正確に把握することができない状況で
ある。
各区にとって一般廃棄物適正処理の基本的事項ともいえるごみ量の把握は、
ごみの減量化施策の推進及びごみの適正処理、並びに排出者へ適正指導を行う
うえでも、喫緊の課題であり、清掃行政の主体である区の責務である。
財政調整制度を始め、清掃一組分担金等の公平な負担という観点からも重要
な課題である。
廃棄物行政をより一層充実・発展させていくために、各区は自区内で排出さ
れるごみ量を正確に把握することが求められている。
2
検討の方向性
上記背景や、ごみ量把握の現状を踏まえ、下記の2つの把握方法について検
討を行った。
第1案:混載禁止により区別持込ごみ量を把握する方法
第2案:現行制度の手法を向上させ区別ごみ量を把握する方法
①一般廃棄物管理票(マニフェスト、※1)の適用事業者の範囲の
拡大
②実績報告書(※2)の精度の向上
※1「一般廃棄物管理票(マニフェスト)」:一般廃棄物の種類・量・排出場所などを記載する複写式
伝票で、事業系一般廃棄物を1日平均100㎏以上排出する事業者等に使用が義務付けられている。
※2「実績報告書」:各区の廃棄物条例等で許可業者に年1回、清掃協議会への報告が義務付けられて
いるもので、ごみ種別、月別、区別の取扱い実績量などが記載されている。
1
3
検討結果
(1)第1案
混載禁止により区別持込ごみ量を把握する方法について
各区毎にごみ収集を行い工場等へ搬入することにより、工場等での搬入時
の計量値が区別ごみ量となることから、ほぼ正確な実量値を得ることが可能
である。
現在、許可業者の大多数は複数区の作業場所からごみを収集し、工場へ搬入
する収集形態がとられており、特に、車両保有台数の少ない中小零細企業ほど
混載の実態が多いことが確認された(資料1参照)。
混載を禁止する方法を進めることは、23区を一つの区域として長年営業し
てきた業者に、現行の収集方法の見直しを求めることになり、作業効率や経費
面で大きな負担となることが想定される。
また、各区においても、立入検査の強化、事務の見直しに伴う人員増や経費
負担の増加など混載禁止に向けて様々な課題を解決することが必要である。
さらに、許可業者の収集ルートに変更が生じた場合、清掃一組で指定してい
る搬入先の見直しが必要になり、搬入調整制度(※3)への影響が考えられる。
混載禁止を実施するためには、業者指導や許可事務のあり方を関連させ、導
入を検討していく必要がある。
これら課題の解決を図ることにより、各区は自区内で排出される「持込ごみ
量」を正確に把握し、ごみ減量化施策の効果を数値で確認することが可能とな
り、事業系一般廃棄物の適正処理の徹底ができる。
※3「搬入調整」:清掃一組が、安定的な中間処理を確保するうえで、清掃工場等の保守点検や故障
等に対応し、各区の収集作業への影響が最小限になるよう施設別の搬入計画量の調整を行うこと。
この結果を受け、各区が収集したごみの搬入先及び量が変動する。
(2)第2案
①
現行制度の手法を向上させ区別ごみ量を把握する方法について
一般廃棄物管理票(マニフェスト)の適用事業者の範囲を日量100㎏
から、50㎏以上の排出事業者に拡大する。
マニフェスト適用対象事業者の拡大では、50kg 未満の事業者の排出分が
捕捉できないため、集計作業の大幅な増加に見合うだけの効果は得られない。
マニフェスト適用対象事業者を50kg 以上の事業者へ拡大することは、飛
躍的な対象事業者の増大により集計作業の大幅な増加をもたらす。それにもか
かわらず、集計結果には小規模事業者の持込分は反映されないため、事務量の
増加に見合うだけの効果は得られないと思われる。
また、マニフェストに記載された排出量は、排出事業者が申告した数値であ
2
るため、排出事業者による計量が適切に実施されない限り、区別ごみ量はあく
までも推計値となる。
②
許可業者に一般廃棄物の処理に関して、協議会に年1回の提出を義務づ
けている実績報告書の精度を向上させる。
実績報告書の提出頻度の変更、運転日報の作成の義務付けや、各帳票類との
照合作業の徹底など、実績報告書の正確性を向上させることにより、一定程度、
区別ごみ量の推計値の精度を高めることが可能である。
現行の実績報告書に記載されている区別ごみ量の数値の正確性が十分では
ないため、現在は年1回しか提出を義務付けていない実績報告書の提出頻度
を増やす必要がある。また、運転日報・作業状況と実績報告書の照合作業を
徹底するために、現在は作成を義務付けていない運転日報の作成の義務付け
や、各区における許可業者の作業状況を把握するための検索システムの整備
等を行う必要がある。
これらの施策を実施することにより、一定程度の精度の向上を図ることが
できる。しかし、実績報告書に記載されている数値は許可業者が申告した数
値であるため、許可業者による計量が適切に実施されない限り、区別ごみ量
はあくまでも推計値となる。
4
結論
現行制度による実績報告書の精度を向上させることで、一定程度、区別ごみ
量推計値の精度を高めることは可能である。しかし、事業者による計量の正確
性が担保されない限り、あくまでも区別ごみ量は推計値であることから、次の
ような結論に至った。
区別持込ごみ量を正確に把握するためには第1案により混載を禁止すること
が望ましい。しかし、現行では検討すべき課題が多岐にわたり、特に許可業者
に与える負担は大きく混乱を招くおそれがある。混載禁止を実施していくため
には、まず、現行の許可事務を各区事務へ移行し、その後、一定の準備期間を
設けて段階的に業者と調整を図っていく必要がある。
なお、それまでの間は実績報告書の正確性を向上させるなど、区別持込ごみ
量の推計値の精度を高めていく。
3
現行の許可事務を各区事務へ移行することは、基礎的自治体である特別区自
らが清掃事業の担い手であることを明らかにするものである。ごみ減量施策な
どの総合施策を講じていくためには、本来ならば全国の他自治体同様、正確な
ごみ量の把握をめざすことが原則である。
しかし、今直ちにごみの混載を禁じることは、許可業者に与える影響が大き
く混乱を招くおそれがある(資料2参照)。それゆえ、基礎的自治体としては
区域内から発生ごみ量の正確な把握は原則であるとの認識を持ちつつ、業者へ
の理解と協力を求めながら段階的に区別ごみ量の正確な把握のための条件整
備を行い、各区許可をより実効あるものとすることが望ましく、それまでの間
は、実績報告書などにより、より実量に近いごみ量の把握のための施策を講じ
ていくことが現実的な選択であると考えられる。
5
今後の課題
各区別持込ごみ量の把握は、許可業者専用車両基準などの許可要件の見直し、
「道路公園ごみ」や「汚でい」などの特殊なごみ種の取り扱い等、一般廃棄物
処理業の許可事務のあり方と密接に関連する。
このため、これらの課題の解決を図りながら、ごみ量把握の方法を実施して
いくことが不可欠である。
4
資料 1
許可業者のごみ混載の実態について
ごみの混載の実態を把握するため、許可業者の運搬車両ごとの収集形態について確認を行
った。
1
車両保有台数別の許可業者数
許可業者(普通ごみ)のうち、塵芥車を保有している業者(418者)の車両保有台数は
以下のとおりである。
1台の塵芥車で収集業務を行っている業者は41%を占め、全体の70%は3台以下の中
小零細規模の業者である。
・塵芥車保有台数別許可業者数及び構成比(平成16年4月現在)
保有台数
2
業者数
1台
172
2台
76
3台
48
4台
29
5台
21
6∼ 9台
44
10∼ 19台
17
20台 以 上
11
計
418
塵芥車保有台数別の業者構成比
10∼19台
4%
20台以上
3%
6∼9台
11%
1台
41%
5台
5%
4台
7%
3台
11%
2台
18%
ごみの混載状況
業者が運搬車ごとに作成管理している運転日報を基に混載の実態を調査した。
(※調査対象:許可業者の保有車両約1,600台のうち、約10%に相当する車両
無作為抽出)
ほとんどの車両が複数区の作業場所からごみを収集し、工場等に搬入している。特に、車
両保有台数が3台以下の許可業者は、排出量の少ない小規模事業者との契約が多い。
・車両保有台数別で分類した業者の混載状況
車両保有台数
1台∼3台
業者数
296者(70%)
車両あたりの作業場所数・平均収集区
1∼15箇所
4台∼19 台 111者(27%) 11∼47箇所
20 台以上
11者
(3%) 12∼85箇所
5
混載状況
4区
ほとんどの車両が
混載している
3.7 区
ほとんどの車両が
混載している
3.5 区
ほとんどの車両が
混載している
資料 2
「ごみの混載禁止を実施するための課題」
項目
1
許可事務との関係
内容
・許可事務のあり方
ごみの適正処理やごみ量把握を効果的に実施するには、許可業者と排出
事業者への指導を一体的に行うことが必要であり、各区で許可事務を行う
ことが前提条件である。
・許可要件との整合性
混載禁止規定の設置、各区ごとの専用車両のあり方など、混載禁止に向
けた許可要件の見直しが必要となる。
「道路公園ごみ」などの特殊ごみの取り扱いについて、許可要件との整
合性を図る必要がある。
混載禁止は業者に収集ルートの見直し、作業場所の再編を求めることに
なり、作業効率、経費面で大きな負担を強いることが想定される。中小零
細業者の占める割合が高い現状から、新たな経営基盤の強化策を検討する
必要がある。
(支援策)
・導入時期の明示
急激な業者負担増をできる限り軽減するために、導入時期を明確に示
し、業者側の準備期間を設け理解と協力を得ることが重要である。
2
業者支援策の検討
・営業範囲の拡大
混載禁止移行後も安定的な営業が確立できるように、例えば事業系一般
廃棄物の行政収集を業者収集へ移行させるなどの方策を別途検討し、許可
業者の商圏の拡大を図る。
・廃棄物処理手数料の見直し
清掃工場の偏在により、指定処理施設までの収集運搬経費に格差が生じ
るおそれがある。適正処理が確保できるよう、許可業者の契約単価の上限
としての処理手数料見直しの検討が求められる。
3
4
5
区の組織体制の強化
搬入調整制度への影響
持込み承認事務の見直し
混載禁止を徹底するために、立入検査、業者指導を強化する体制を確立
する必要がある。(人員増、経費負担が見込まれる)
業者指導は各区が許可事務と一体的に行うことで、実効性が担保され
る。
許可業者の営業区及び収集ルートの見直しに伴い、搬入先指定工場の変
更が生じる。現行の搬入調整制度での対応が困難になる場合は、業者負担
を考慮した新たな搬入調整のしくみを検討する必要がある。
混載を禁止し、自区内で発生したごみの適正処理を確保するためには、
従来の業者の事務所所在地での持込み承認を、作業場所である区毎に行う
ことが望ましい。
また、事務量の増加に伴う受付体制の整備、工場への搬入時に必要なプ
リパンチカードのあり方(仕様・経費)の変更に伴う、清掃事業総合情報
システムの変更についての検討が必要である。
6
特別区長会下命事項
清掃事業諸課題
課題名
№1
1
清掃一組の抜本的な改革のあり方
№3
2
清掃一組が責任ある事業運営を行う人事上の体制整備
3
区技術系職員の人材確保と育成
4
清掃一組分担金の算出方法の検討
№2
5
操業協定等の見直し
№1
6
施設整備計画の策定のあり方
7
工場のある区、ない区の負担の公平、役割分担のあり方
8
清掃協議会のあり方
9
清掃事業の全体的な調整のあり方
10
清掃業務に従事する区職員に適用する勤務条件
11
清掃都派遣職員の身分切替に伴う勤務条件
12
再任用・再雇用職員の取扱い
13
身分切替後の都区人事交流基準
14
清掃関連経費等の配分割合への反映(都区間配分)
15
18年度以降の財調算定のあり方(区間配分等)
16
23区の清掃事業の統一ルールの検討
№4
17
最終処分場の延命及び確保
№6
18
一般廃棄物処理業の許可等のあり方
№8
19
覚書の見直し(雇上会社)
20
長期的なごみ量推計の手法の検討
21
各区別持込ごみ量の把握
22
廃棄物処理手数料の改定
23
家庭ごみ有料化の検討
今回
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