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ごみ処理の有料化について(案)

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ごみ処理の有料化について(案)
ごみ処理の有料化について(案)
1 はじめに
私たちの豊かな暮らしは、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済活動から成り立
っており、このことが生活環境の汚染や破壊を進展させ、同時に資源の採取から廃棄にい
たる各段階で、地球環境への負荷が増しています。
このような状況を見直し、市民、事業者、行政のすべての主体が、環境問題を自らのこ
ととして捉え、循環型社会の構築に向けて、取り組んでいくことが求められています。
循環型社会構築の必要性
循環型社会とは、以下の①∼③を推進することによって、天然資源の消費を抑え、
環境への負荷をできるだけ少なくした社会のことを言います。
① 製品が廃棄されることを抑制する
② 循環資源はできるだけ循環的な利用をする
③ 循環的な利用ができない場合は、適正な処分をする
「環境への負荷」
・・・人が環境に与える影響
「循環資源」
・・・廃棄物のうち何らかの用途にまだ使えるもの
循環型社会を作っていくために、私たちは次のような3Rの推進に取り組んでいくこ
とが必要です。
発 生 抑 制
Reduse (リデュース)
廃棄物そのものを減らすこと
再 使 用
3R
Reuse (リユース)
再 生 利 用
Recycle (リサイクル)
再度原材料として
使うこと
繰り返し使うこと
-1-
2 周南市の現状
1)なかなか減らない家庭ごみ
1日1人当たりのごみ別排出量の推移
(g/人・日)
600.0
525.3
515.0
500.0
509.2
499.9
491.4
525.3
400.0
355.5
300.0
280.9
200.0
145.9
135.7
169.5
160.5
140.7
168.8
100.0
154.7
141.5
145.7
164.9
160.8
157.4
H13
H14
H15
H16
H17
H18
燃やせないごみ
資源物
47.9
0.0
燃やせるごみ
図1
H26(目標)
「燃やせるごみ」
「燃やせないごみ」の1人 1 日平均の排出量は横ばい状況ですが、ごみの排
出を抑え、環境への負荷を低減させるには、ごみの発生量自体を抑制することが重要です。
そこで「周南市一般廃棄物処理基本計画」では、
「燃やせるごみ」
「燃やせないごみ」の1人1
日平均排出量を、平成 26 年度には合わせて 110g・たまご2個分減量(対平成 15 年度比)
することを計画しています。
2)再資源化の推移
(t)
20,000
1,057
1,302
15,000
8,767
869
9,134
9,183
2,289
2,155
6,976
7,317
H16
H17
763
976
1,217
8,840
10,000
888
8,948
9,205
8,255
2,174
2,178
2,173
5,000
5,054
5,224
H12
H13
6,208
5,816
H14
H15
8,106
0
図2
分別収集によるもの
セメント原料化
固形燃料化
H18
団体回収
※ セメント原料化:恋路クリーンセンター・周陽環境整備センターで「燃やせるごみ」を焼却し
た際に発生した焼却灰を、セメントの原料として活用しています。
※ 固形燃料化:ごみ燃料化施設(フェニックス)で「燃やせるごみ」を固形燃料にしています。
-2-
3)周南市の「燃やせるごみ」組成割合(重量)
ごみをキチンと分別
して、再資源化しま
しょう!
不燃物
「生ごみ」の減量
には、生ごみ処理
機購入補助制度が
あります。
プラスチック類
9.0%
(ビン・ガラス)
1.8%
布類
4.1%
紙製容器包装
5.6%
段ボール
1 .3%
不適物
10.8%
生ごみ
35 .1%
資源物
19.4%
新聞紙・広告紙
・雑誌 8.4%
草木
3 .0%
燃やせるごみ
69 .8%
おむつ
7.3%
その他紙類
24.4%
図3
※ 新聞紙・雑誌、紙製容器などの資源物が含まれています。これらを分別することで、
再資源化が図れます。
4)周南市の「燃やせないごみ」組成割合(重量)
ごみをキチンと分別
して、再資源化しま
しょう!
プラスチック類に
ついては、今後、
新たな分別区分を
設け、再資源化を
図る予定です。
調理くず 古紙類 布類
2.0% 2.8% 0.5%
缶類
びん類 2.9%
7.0%
ペットボトル
3.1%
プラスチック
製容器
18.9%
不適物
資源物 5.3%
13.0%
その他不燃物
15.3%
燃やせないごみ
81.7%
その他
プラスチック
29.6%
トレイ
11.6%
プラボトル
6.3%
図4
※ ペットボトルやびん類・缶類などの資源物が含まれています。
これらを分別することで、再資源化が図れます。
-3-
5)現在の周南市のごみ減量化・再資源化への取り組み
○ 生ごみ処理機(電気式、その他)購入補助
補助金額は購入費の2分の1以内
※上限額は1基 3,000 円(電気式は 15,000 円)
(平成 18 年度実績:電気式 104 基、その他 20 基、補助金額 1,616 千円)
○ 資源物団体回収に対する報奨金の交付
市に事前に登録された団体に対し、資源物の回収量に応じ報奨金を交付
※平成 19 年度の報奨金額:回収重量1kg 当たり4円
(平成 18 年度実績:実施団体 111 団体、実施回数 322 回、報償金額 3,052 千円)
○ 環境衛生団体等との連携による環境問題への取り組み
○ 市の広報、ホームページ、ケーブルテレビ、しゅうなん出前トークでの啓発
○ 「ごみ収集カレンダー」及び「ごみの分け方・出し方」の製作・配布
○ ごみ処理施設見学バスツアーの実施
○ ごみ処理施設への見学受け入れ(小学校・自治会等)
○ 不適正排出に対する指導
○ 新たな資源物収集の開始
(新南陽の雑誌、鹿野のペットボトル・紙類・布類、熊毛の雑紙類・布類)
○ 空缶プレスカーによる資源化支援
○ 「燃やせるごみ」の固形燃料化(新南陽・鹿野地域)
○ 「燃やせるごみ」の焼却灰をセメント原料に再資源化(徳山・熊毛地域)
○ 事業所への指導
(事業用大規模建築物の所有者等に事業系廃棄物の減量義務等を規定)
○ (仮称)周南市リサイクルプラザの整備
子供たちへ、元気な地球を・・・
-4-
3 ごみ処理の有料化について
1)
「ごみ処理の有料化」とは・・・
家庭から発生するごみについて、その処理に要する経費の全部又は一部を、ごみの排
出者に負担していただく制度で、
「ごみ処理手数料」として徴収することです。
2)これまでの検討状況
① 周南市一般廃棄物処理基本計画策定(平成 17 年 3 月)
「ごみの発生抑制、再資源化の促進、廃棄物の適正処理の計画を策定。
その中で、ごみの発生抑制や費用負担の公平化からごみ処理の有料化のあり方を検討」
② 国の指針(環境省告示第 43 号 平成 17 年 5 月)
「地方自治体は、経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の排出抑制や再生利用の推進、
排出量に応じた負担の公平化及び住民の意識改革を進めるため、一般廃棄物の有料化の推進
を図るべきである。
」
③ 周南市ごみ対策推進審議会(平成 17 年 7 月∼18 年 6 月)
○ ごみ処理の有料化の検討を諮問
○ パブリックコメントの実施
○ 答申 ・多額の費用を要するごみ処理の実態を市民に明確に説明すること。
・ごみの減量化と公平性の観点から、市民に家庭系ごみ処理費用の排出量に応じ
た相応の負担を求めること。
本市ではこの答申を受け、ごみの減量化と再資源化の促進及び負担の公平化を図る
ひとつの方策として、
「ごみ処理の有料化」の導入を進めることにしました。
【参考】 全国市町村の有料化状況(平成 18 年 10 月現在)
市町村
総数
有料化数
有料化率
1,840
973
52.9%
出典:
「月刊廃棄物」平成 19 年6月号
山口県内市町の有料化状況(平成 19 年 10 月現在)
市 町
総数
有料化数
有料化率
22
14
63.6%
-5-
3)目 的
① より一層のごみの減量化と再資源化の促進
ごみを排出する時に、ごみの量に応じて費用負担することにより、ごみへの関心
が高まり、できるだけごみを減らそうとする意識が働き、ごみの減量化を図ること
ができると考えられます。
また、資源物については有料化しないことにより、更なる分別徹底を促し、再資
源化を図ることができます。
② 排出量に応じたごみ処理費用の負担
現在、ごみを減らす努力をしている人にも、そうでない人にも、排出するごみの
量に関係なく、税金からごみ処理費用が支出されています。
しかし、排出するごみの量に応じて、費用を負担していただくことにより、費用
負担の公平化を図ることができます。
4)ごみ処理手数料の徴収対象
「燃やせるごみ」及び「燃やせないごみ」とします。
「燃やせるごみ」の焼却処理、「燃やせないごみ」の埋立処分は「ごみの終着点」といえます。
これらのごみを減らすことで環境への負荷を低減し、資源として利用できるものは再資源化す
るためのきっかけとします。
※ 資源物については対象にしません。これにより、更なる分別徹底を促し、再資源
化を図ることができると考えています。
5)ごみ処理手数料の徴収方法
現在の「指定ごみ袋」の額は、ごみ袋の製作費や保管配送料などの経費分のみで設定
していますが、これにごみ処理経費の一部を加算して「ごみ処理手数料」とします。
市民の方には、
「指定ごみ袋」を購入いただくことで、ごみ処理費用の一部を負担して
いただくことになります。
周南市では、手数料の徴収方法として、以下の2つの方法を考えています。
① 単純従量制
ごみの排出量に応じて手数料を負担していただく方法です。
この方法では、
ごみ袋1枚目から手数料がかかるため、
高い減量化効果が期待でき、
また、制度自体が単純で分かりやすいというメリットがあります。
-6-
② 二段階従量制
各世帯に一定枚数のごみ袋を無料または安価で配布し、ごみ袋の使用枚数がその配
布枚数を超えた場合、手数料を負担していただく方法です。
この方法では、一定の排出量を超えるまで手数料が無料または安価であるため、そ
の量までの排出抑制が期待できませんが、その量を超えるところから減量効果が得ら
れます。
6)効 果
① ごみの減量による、処理・処分施設の延命
「燃やせるごみ」の焼却量を減らすことが、炉の損傷を防ぎ、焼却処理施設の延
命化につながります。
また、
「燃やせないごみ」の埋立量を減らすことにより、埋立てできる残余容量が
ひっ迫する中、最終処分場の延命化を図ることができます。
最終処分場 残余容量のひっ迫状況
埋立率
75.0%
76.2%
77.5%
78.7%
372,846
353,732
334,469
316,973
1,116,075
1,135,189
1,154,452
1,168,122
H13
H14
H15
H16
84.7%
87.8%
78,862
62,887
435,533
451,508
H17
H18
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
図5
埋立済量
残余容量
表内数字(㎥)
② ごみの減量による、環境への負荷の低減
「燃やせるごみ」の焼却量を減らすことで、二酸化炭素の発生を抑制することが
でき、地球温暖化防止に寄与します。
また、
「燃やせないごみ」の埋立量を減らすことで、環境への負荷の低減を図るこ
とが出来ます。
③ 手数料収入のごみ処理施策への活用
市民の方にごみ処理費用の一部を負担していただいた収入は、ごみ処理に関する
施策に活用します。
-7-
7)ごみ処理手数料の額
周南市のごみ処理全体に係る経費は年間約 32 億円にものぼり、この内、家庭ごみに
ついては約 26 億円で、市民 1 人当たりに換算すると年間 16,500 円に達します。
また、家庭ごみの内、
「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」の処理経費について考え
ると次のようになります。
家庭ごみの内、「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」
処理経費
21億 7,500万円
排出量
38,296 t
ごみ処理原価
56.8 円/kg
1袋(45ℓ)当たりの重量
4.45 kg/袋
1袋(45ℓ)当たりの処理経費
252 円/袋
このように、家庭ごみの内、
「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」45ℓ 袋1枚を処
理するためにかかる経費は 252 円になります。
手数料の額は、市民にとって過重な負担とならないようにする一方、ごみの発生・排
出抑制が期待できる金額とします。
このため、45ℓ 袋1枚当たり50円、処理経費の約20%を市民に負担していただ
くことが適当と考え、次の表のとおり設定しました。
45ℓ 袋
30ℓ 袋
15ℓ 袋
1枚 当たり
50円
30円
15円
1ℓ 当たり
1.1円
1.0円
1.0円
☆ 1ℓ 当たりの単価を45ℓ 袋に比べて30ℓ・15ℓ 袋を割安にすることにより、
ごみの減量意識が更に高まると考えています。
-8-
8)負担軽減措置
経済的弱者や、日常的に多量の紙おむつを排出せざるを得ない世帯については、負担
を軽減(指定ごみ袋を支給)することを検討します。
<対象(案)>
○ 生活保護法に基づく保護を受けている世帯
○ 周南市ねたきり高齢者紙おむつ給付事業の対象世帯
○ 日常生活用具給付事業により紙おむつの給付を受けている身体障害者(児)がい
る世帯
○ 3歳未満の紙おむつを常用している乳幼児のいる世帯
※ なお、
自治会清掃やボランティア清掃には、
従来どおり指定ごみ袋を支給します。
9)ごみ処理手数料の使途
ごみ処理手数料による収入は、ごみの収集運搬及び処理、処分費用の一部に充てるほ
か、ごみの減量化・再資源化に係る施策、環境に関する活動支援施策等の財源とします。
<施策(案)>
○ 収集運搬サービスの充実(祝日収集等の実施)
○ ごみ減量活動への助成制度の拡充
・ 生ごみ処理機購入補助上限額の増額:
1基3,000円→5,000円(電気式15,000円→25,000円)
・ 資源団体回収報奨金の増額:4円/㎏→8円/㎏
○ マイバッグ運動の推進(小売店との協働、市独自のポイント制の導入等)
○ エコショップ制度の導入(過剰包装の自粛、量り売りの推進、リサイクル商品の
販売等への協力店舗を公募し、紹介する。
)
○ クリーンリーダー活動の充実
○ ごみ収集場所整備費補助の拡充(設置基数の増枠)
○ 不法投棄対策・処分費用
○ 環境に関する活動を継続的に行っているNPO法人等への活動支援
○ (仮称)周南市環境市民基金の創設
(使途:ごみの減量化・再資源化の促進、環境保全のための施策等)
-9-
10)ごみ処理手数料の徴収開始時期
目的を早期に達成するために、平成20年10月からの開始を検討しています。
しかし、
「燃やせないごみ」については、市内各地域において分別区分や排出方法が統
一されていないため、まず分別の見直しを行い、これらが統一された後、開始する予定
です。
このため、今回は、
「燃やせるごみ」のみを有料化の対象として検討します。
4 その他
1)今後の取り組みについて
① ごみの減量化・再資源化に係る施策の充実
現在実施している施策を継続していくとともに、ごみ処理手数料を財源として、更
なる施策の充実を図ることを検討していきます。
② 不法投棄・不適正排出への対策
ごみ処理の有料化が実施された場合に、不法投棄や排出ルールを守らない不適正な
ごみの排出が増加することが懸念されます。
そこで、不法投棄に対する啓発と取り締まりを、県・警察等と連携し強化していく
とともに、廃棄物不法投棄監視連絡員による市内巡回パトロールや24時間通報シス
テムを活用し、地域の方々と連携を図りながら対応していきます。
また、不適正排出ごみについては、自治会の方々にご協力いただきながら、状況に
応じて対応していきます。自治会へ加入されていないアパート等には、戸別訪問や住
宅管理会社等へ協力を求めながら周知していきます。
③ (仮称)周南市リサイクルプラザの整備
現在、プラスチック類を新たに分別に加えるとともに、全市の資源物を処理できる
リサイクル施設の建設を進めています。この施設が整備されると、
「燃やせないごみ」
の分別区分や排出方法が統一され、プラスチック類の再資源化が図れます。
また、啓発施設を併設し、ごみの減量やリサイクル体験、修理・再使用の促進、フ
リーマーケット等のイベント開催など様々な情報を発信していく計画です。
- 10 -
2)指定ごみ袋の変更について
ごみ処理の有料化が実施されると、
「燃やせるごみ」の指定ごみ袋は平成20年10月
から、新たなごみ袋に変更する予定です。
このため、有料化前のごみ袋は使用できなくなりますが、余ったごみ袋については、
等価での交換等を検討します。また、資源物の排出にもご利用いただけます。
※ ごみ袋の買い置きは避けていただくようにお願いします。
お問い合わせ先 周南市役所廃棄物リサイクル課 745-8655 周南市岐山通1丁目1番地
電話 (0834)22−8303
E-mail:[email protected]
新南陽総合支所 市民生活課 (0834)61−4106
熊 毛 総 合 支 所 市民生活課 (0833)92−0036
鹿 野 総 合 支 所 市民生活課 (0834)68−0033
- 11 -
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