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世界のニーズを調査せよ - 全国商業高等学校長協会 / 公益財団法人
第23回 平成27年度 全国高等学校生徒商業研究発表大会 世界のニーズを調査せよ ~ムスリム観光客向け商品開発~ Regardless study the needs of the world ~Product development for Muslim tourists~ 沖縄県立浦添商業高等学校 生徒名: 金城幸音 慶田盛拓真 桑江夏海 照屋果園 佐久本稀里 仲宗根あんり 指導者名:仲田博道 小原満春 森田睦 国際観光科 玉城里菜 玉城瑞樹 與那覇幸音 照屋瑞稀 目 次 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・1 2.研究背景 ・・・・・・・・・・・・・1 3.研究目的 ・・・・・・・・・・・・・3 4.問題提起・仮説 ・・・・・・・・・・・・・5 5.市場調査 ・・・・・・・・・・・・・8 ①流通業者(小売店) ②購買者(外国人観光客) ③受贈者(マレーシアにて現地調査) 6.検証 ・・・・・・・・・・・・12 7.実践活動 ・・・・・・・・・・・・13 ①商品企画 ⑤商品化 ②業務提携 ③試作品 ④テストマーケティング ⑥販売活動 8.課題とまとめ・・・・・・・・・・・・・・・22 ①引用参考文献 ②Souvenir Survey ③Singapura Malaysia Penyiasatan Souvenir ④Red Potatos Chocolate rusk survey 1 世界のニーズを調査せよ ~ムスリム観光客向け商品開発~ Regardless study the needs of the world ~Product development for Muslim tourists~ 1.はじめに 私たちが生活する沖縄県は、青く澄んだ海があり豊かな自然に囲まれた島です。ま た他国にも近い位置にあり世界中の観光客が多く訪れていて、年々観光客数は増加し ています。その中で外国人観光客の消費額が国内観光客よりもはるかに大きいことが わかりました。そこで、今年は外国人観光客とお土産の購買というテーマで研究しま した。 現在、沖縄に訪れる外国人観光客のほとんどは中国人観光客です。しかし、東南ア ジアの訪日ビザ免除と緩和の流れから、今後観光で日本に訪れる人が増えると言われ ているのは、東南アジアの方々とも言われています。その中で私たちは世界で16億 人いると言われるイスラム圏の方々、いわゆる「ムスリム観光客」に焦点をあて、日 本にとって大きな市場になるであろう「ムスリム観光客」を意識したお土産品の開発 を行いました。 2.研究背景 平成26年度の沖縄県に来訪した外国人観光客は、沖縄県による入域観光客数統計 概況によると(図1)約98万6千人で過去最高を記録しました。 図1:平成 26 年度外国人観光客の状況 引用:沖縄県入域観光客数統計概況 2 沖縄県への外国人観光客の来訪は過去6年分の資料みても(表1)、平成21年度は 24万6千人だったのに対して、平成26年度は94万6千人だったことから急激に 増加していることがわかります。 表1:入域観光客数の変化 区 分 年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 入域観光客数(総数) 国内客 5 ,6 9 0 ,0 0 0 5 ,7 0 5 ,3 0 0 5 ,5 2 8 ,0 0 0 5 ,9 2 4 ,7 0 0 6 ,5 8 0 ,3 0 0 5,443,800 5,422,500 5,226,600 5,542,200 5,953,100 外国客 246,200 282,800 301,400 382,500 627,200 引用:平成 25 年度版沖縄県観光要覧 (図1)からもわかるように、現在沖縄県に訪れる訪日観光客(以下インバウンド) の大部分は台湾、韓国、香港、中国でそのほとんどを占めています。しかし視点を沖 縄から日本へのインバウンドに移すと、これからの主流になるのは東南アジアの様相 を呈しています。なぜならば、日本は2013年にタイとマレーシアはビザ取得を免 除、ベトナムとフィリピンは期限内であれば何度でも訪日できる数次ビザを発給する という規制緩和を行いました。その結果、インドネシア、シンガポール、マレーシア、 ベトナムからのインバウンドが増加しており、2013年には過去最高を記録したそ うです。また日本政府観光局によると、2013年のインバウンド数はインドネシア が約13万6800人でこれは前年比34%の増加、マレーシアも約17万6500 人と35%の増加で高い伸びを示しています。(図3) 今後は、東南アジア各国と日本の経済的つながりはさらに深まっていくことは間違 いなく、東南アジアからの観光客は右肩上がりで増加する勢いだと言われています。 図2:マレーシア・インドネシアインバンドの推移 引用:日本政府観光局 3 3.研究目的 沖縄へのインバンドのほとんどは台湾、韓国、中国で占められていましたが、日本 へのインバンドをみると東南アジアからが伸びています。そこで、日本本土へ旅慣れ た東南アジアの観光リピーターが、次の目的地として日本のリゾート地沖縄へやって くる可能性は十分考えられます。その際に東南アジアの観光客が増加し始めてから、 そのニーズを調査し、対応するのではせっかくのビジネスチャンスを逃してしまう可 能性があります。そこで私たちはこれからのインバウンドの主流になりつつある東南 アジアの観光客向けにいち早く商品開発ができないかを考えました。その中でもイン ドネシア、マレーシアが市場規模も大きく(マレーシア 2,823 万人、インドネシア 2 億 3,456 万人) (図3)また、東南アジアの人口の 7~8 割は「イスラム教」を信仰す る「ムスリム」が多いことから(図4)、その観光を受け入れる側としてその対応を 今から考えなければならないと思いました。 図3:東南アジアの人口 出所:IMF World Economic Outlook Database, April 2010 イスラム教の信者のことを「ムスリム」といいます。イスラム教には戒律があり、 ①口にできない食べ物がある。 ②一日5回礼拝を行う。 ③食事では左手は使わない。 です。特に①の口にできない食べ物については、禁じられたものとして、 「ハラーム」 と言います。ハラームの主なものは豚肉とアルコールを指します。ムスリムはこの豚 肉とアルコールを食べてはいけないのです。また、豚肉とアルコールを使った料理を 4 のせた食器や調理器具も使えませんし、少量でも入っているような調味料もハラーム です。逆にムスリムが食べても良いもののことを「ハラール」と言います。ハラール はムスリムの人が食べても良いものとして、販売している物には、ハラールマークと いう認証マークがついており、ムスリムの方はこのハラールマークがついているかど うか確認して食品を購入を判断しています。 図4:東南アジアの宗教分布 引用:宗教見聞録 http://homepage3.nifty.com/asia-kenbunroku/SyukyoBunpu.html 以上、イスラム教の信者ムスリムは、一般の外国人観光客とは異なる宗教的な戒律 を守った対応をしないといけない現状があることから、その対応方法も知る必要があ ります。そこで研究目的を次のように設定しました。 研究目的 ムスリム観光客向けの商品開発 5 4.問題提起・仮説 研究目的が定まったのでさっそく調査を開始しました。まずは、現状把握のため二 次資料を使い沖縄県に訪れる外国人観光客の購買行動について実態を調査しました。 すると、 (表2)にある通り、外国人観光客の土産買物消費額は全体で 33,150 円 表2:1人あたり観光消費額費目別内訳(国籍・地域別) 引用:平成25年度外国人観光客実態調査報告書 となっていて、沖縄に訪れる日本人観光客の平均 11,614 円(平成 25 年度観光要覧よ り)の 3 倍近く消費していることがわかりました。ニュースなどで中国人観光客など が「爆買い」と称してたくさん買い物をすることは聞いていましたが、沖縄でも外国 人観光客は土産買物などの購買意欲がとても旺盛だということがわかりました。 次に土産買物の内容について調べてみました。(図5)すると、最も購入されてい る商品が菓子類で約72%と群を抜いて購入されていることがわかりました。そこで、 外国人観光客の市場規模が大きい菓子を開発することにしました。 図5:沖縄で購入した商品(複数回答) 引用:平成25年度外国人観光客実態調査報告書 6 しかし、ここで一つ気になる資料がありました。約72%もの外国人観光客が購入し ている菓子類ですが、その菓子類に最も満足と回答している人はなんと、23.8% しかいないことがわかりました。(図6)購入している人の3分の2はあまり満足し ていないということです。 図6:外国人観光客が最も満足した商品 引用:平成25年度外国人観光客実態調査報告書 この状況は、ほとんどの外国人観光客は土産に菓子類を買うのだけれども、実際に は満足していないというイメージが浮かびました。そこで、ここに隠れたニーズがあ るのではないかと推測しました。 問題提起 外国人観光客は沖縄の土産品、特に菓子に満足していない。 以上の問題提起から、なぜ満足していないか。そのヒントを探すために土産品はど のようなものが販売されているかを観察するため、外国人観光客の 81.8%が買い物を する国際通りの土産品店の調査および国際通りに工場もある菓子メーカーへの聞き 取り調査をしました。 調査日時:平成26年11月調査場所: 国際通りの土産物品店及び製菓メーカーへの聞き取り 国際通りにある土産品店の店内に陳列されている商品を見て回ると、おもに沖縄の 特産物である紅イモや黒糖、パインなどを使った商品が多いことに気が付きました。 (写真 1、2)土産品というと、地域の特産品を使った商品を開発することで、その 土地ならではの商品ができます。そのため、土産品を開発する菓子メーカーや土産品 企画会社はどうしても特産品の利用にこだわる傾向があるのではないかと感じまし 7 た。しかし、外国人観光客にとって沖縄はあくまで日本の中の沖縄なので、特に沖縄 というこだわりがある商品に魅力を感じていないのではないかという考えが浮かび ました。 一般的な商品の流通過程は(図7)のようになります。しかし、土産品は購買者が 必ず消費するとは限らず、贈与されることが多いと考えられます。土産品の流通過程 の仮説として(図8)のようになると考えられます。 図7:最寄品の一般的な流通過程 製造業者 流通業者 (メーカー) (小売店) 消費者 図8:土産品の流通過程仮説 製造業者 流通業者 購買者 受贈者 (メーカー) (小売店) (観光客) (土産を受け取る人) 土産品の流通過程の仮説(図8)を基に考えると、購買者(観光客)が土産品を購 入する動機は、受贈者(土産を受け取る人)に旅の思い出として、または日頃の感謝 などを込めて土産品を送ることと考えられるので、観光客の土産品購入の動機から考 えると「土産品が必ずしもその土地の特産品でなくてはならない」というわけではな いと考えられます。 しかし、実際に国際通りの土産品店を観察し、地元製菓メーカーへインタビューし てみると、「特産品を使うことが土産品として販売するためには重要なこと」と製造 業者は考えているようです。しかし現実には外国人観光客は土産品には満足していな いという統計から、次のような仮説が浮上しました。 仮説 地元メーカーが企画製造する土産品と外国人 観光客の土産品に対するニーズには相違がある。 8 5.市場調査 仮説を検証するために、土産品流通過程仮説で提示した①製造業者②流通業者③購 買者④受贈者の4者へインタビュー調査をすることにより、ニーズに相違がないか検 証することにしました。①の製造業者では前項の仮説構築の際にインタビュー済みな ので②の流通業者から調査することにしました。 ①流通業(小売店)調査 調査日時:平成27年1月 調査場所:那覇市国際通り 北谷美浜 仮説を検証するために早速市場調査を開始しました。事前の実態調査では沖縄を意 識した土産が多いことが分かりましたが、次に外国人観光客に直接販売する、売る側 である、販売員の方に面接法による聞き取り調査を行いました。調査は国際通りの土 産品店にて行い、主に外国人観光客の土産品の購買動向について聞き取りをした。す ると次のような返答が得られました。 土産品店の聞き取り調査の結果(抜粋) Q.外国人観光客と国内観光客の違いは? Q.外国人観光客に人気のお土産は? ・お菓子を大量に買う人が多い ・日本という記載がある商品 ・外国人観光客は日用品をまとめて購入する ・お菓子、化粧品、薬 ・一番購入されるのは台湾の方 ・フルーツ系のカステラ ・国内の方はお酒(泡盛)や沖縄を意識した ・海鮮物 海老系 土産を買う ・和雑貨 ・以前に比べると国内の方はお土産をあまり ・抹茶、無添加が好き 買わないけど、最近では外国の方は多く買う ・黒糖、ちんすこう Q.ハラール認証を知っていますか。 ・紅イモタルト シーサー ・(大部分)知らない 面接法にてインタビューをしたところ、外国人観光客はお菓子を大量に購入すると いう回答が多数得られました。また、特に日本製品ということにこだわっている点や、 抹茶や和雑貨など日本を意識したものが売れているとのことでした。このインタビュ ーの結果は、事前の沖縄県による外国人観光客実態調査の内容とほぼ同じとなってい ます。また、お菓子についてですが、外国人は大量に購入するという意見が多く、沖 縄を意識した商品を買い求める外国人はほとんどいないとのことでした。逆に日本人 は、お酒(泡盛)や沖縄県に来訪した記念としての土産購入が多く、一般的に売られて いる商品はあまり購入しないということです。この結果から、土産品購買に関して外 国人観光客は日本ということに意識はするものの、沖縄県や沖縄県の特産品を意識し た商品というのは土産品購入の購買動機にあまりなっていないことがわかりました。 9 ②購買者調査 調査日時:平成27年1月 調査場所:那覇市国際通り 北谷美浜 次に土産を実際に購入する観光客(購買者)へのインタビュー調査を行いました。 こちらも販売店調査同様に国際通りにて通行中の外国人へ声を掛け、インタビューの 質問事項を英語と中国語で記入された質問用紙を示しながら英語および中国語にて 質問しました。国別には中国、韓国、台湾、アメリカ、マカオ、タイなどで、年齢は 20歳~56歳、男女比は5:5です。結果は次のようになりました。購入品で最も 多いのはやはりお菓子で 65.8%その他、雑貨や酒、そしてその他ではおもちゃや化粧 品などでした。次にお菓子の購入内容ですが圧倒的に多かったのが、「キットカット 抹茶味」(写真1:)で次に「紅イモタルト」で「黒糖」などの回答もありました。 また、贈与する対象はほとんどが家族や友人でした。旅行の土産品を親戚や職場に贈 与するという文化が他国ではあまり無いようです。また、土産として贈与するものは、 特産品というより、見てすぐに味がわかる、分かりやすいもの、すなわちチョコレー トなどが最も好まれるということが分かりました。 図9:外国人観光客の購入土産品 写真4:外国人に人気のキットカット抹茶味 外国人観光客の購入土産品分類 その他 10.5% 酒 13.2% 雑貨 10.5% お菓子 65.8% N=38 ③受贈者調査 調査日時:平成27年3月 調査場所:マレーシア国ベナン州プライ村 マレーシア国ジョホールバル州 国立メガリアハイスクール 最後は土産品をもらう立場の人すなわち受贈者についてです。これは実際にもらう 立場になる人に聞いてみることがいいため、今回の研究目的であるイスラム教徒が多 10 く住む国、マレーシアに直接行きマレーシアの一般家庭のマレーシア人及びマレーシ アの高校で中華系、マレー系、インド系の高校生にインタビュー調査をしました。調 査場所は、マレーシアベナン州プライ村の住人およびマレーシア国立メガリアハイス クールの生徒達です。外国人観光客にインタビュー調査した時と同様、マレーシア語 にて質問項目を作成し(図10)、質問等は簡単なマレー語と主に英語で行いました。 (写真5・6) 写真5:マレーシアプライ村の家庭 写真6:メガリアハイスクール 図10:マレー語による質問紙 その結果、最近もらった旅行お土産は圧倒的に「チョコレート」が多く、次に「装 11 飾品」でした。次にもらってうれしい土産という質問に対しては、「スウィーツ」や 「装飾品」になりました。すなわち、旅行土産としてよく貰うものも、貰ってうれし いものも「お菓子」と「装飾品」ということです。沖縄については知らない人がほと んどでしたが、日本と言う国に対してはとても興味があるとの回答でした。日本の商 品と言う興味から食べてみたいという回答が多数でした。そして、ムスリムの人とっ て食べることが許されたものとされる「ハラール」については、ついていると安心す るという回答が全員で、「ハラール」が付いている沖縄の土産は食べてみたいという 回答は全員でした。「ハラール」が付いていなくても、3割は食べてみたい、との回 答でした。なぜならば沖縄は知らないが、日本と言うことで食べてみたいとの回答で した。「ハラール」についてはやはり必要だと認識しましたが、必ずしもついていな ければ、100%食べないというわけではないので、ハラールは必要条件ではあるも のの絶対条件ではないのかと考えました。特にマレーシアに住む中華系の人にとって ハラールはほとんど必要ではないということでした。 写真7:マレーシアの商品のハラールマーク 12 6.検証 土産品の製造業者から流通業者、購買者そして土産を受け取る受贈者と土産品の流 通過程仮説にかかわる全てにインタビュー調査を行った結果をまとめると次のよう になります。 表3:土産品の流通過程仮説のインタビュー調査の検証 流通過程 調査結果 主な商品 製造業者 (メーカー) 沖縄県として特産品を意識した土産品 紅イモタルト 作り 黒糖 パイン 流通業者 売れ筋は日本のお菓子主にチョコレー お菓子(駄菓子など) (小売店) ト。購買スタイルは大量。 紅イモタルト 購買者 日本製と分かる商品。特にお菓子、チョ 日 本 製 のチ ョコ レ ー (外国人観光客) コレートをよく購買する。主に家族にあ ト、お菓子など げる。 受贈者 貰ってうれしいのはお菓子。沖縄は知ら 日本に興味がある。 ( マ レ ー シ ア の ない。日本製でハラールなら食べてみた お菓子 住人) い。 装飾品 以上のような結果から、メーカーは沖縄を意識した特産品を使った土産品を開発す ることに力を置いていることが分かりましたが、外国人観光客は特に沖縄という意識 はほとんどなく、日本製ということにこだわりを持ち、なおかつ食べるものはチョコ レートなどの味の想像がすぐにわかるものが好まれているということでした。そして、 土産品をもらう側、受贈者もお菓子がもらえるとうれしく、特に日本製には興味があ るとの回答でした。 検証すると、仮説「地元メーカーが製造する土産品と外国人観光客の土産品に対す るニーズには相違がある」という仮説は正しいことが分かりました。そこで、外国人 観光客のニーズに合いつつ、しかし、やはり沖縄県の高校生として、沖縄県の地域活 性化にも寄与する土産品の企画をしたいと考えました。 写真8:インタビュー調査の様子 写真9:マレーシアの小売店調査 13 7.実践活動 ①企画 今回マレーシアでの現地調査の結果、ムスリムの方は「ハラール」認証が無いと商 品を購入しにくい状況があるとわかった私達は帰国後、早速ハラールについてもっと 詳しく知るために調査しました。沖縄でハラールついて一番詳しく、県産品全般を取 り扱っているのは、沖縄ハラール協会事務局がある沖縄県物産公社だということが分 かり、沖縄物産公社に聞き取り調査へ向かいました。また同時にムスリム観光客の対 応方法については沖縄観光コンベンションビューローの担当者へ同時に聞き取り調 査を行いました。 写真10:沖縄物産公社およびコンベンションビュー担当者への聞き取り調査 その結果、ハラールについて以下のことが分かりました。 沖縄物産公社(沖縄ハラール協会)への聞き取り調査結果 ・県内でハラール認証している土産品は1つ(紅イモタルト・ただし国際通り店 で製造のみハラール認証している) ・ハラール認証取得のためには最低300万円以上の費用がかかる。 ・ハラール認証は手続が煩雑なうえ、チェックが厳しい。 ・ムスリム観光客がまだ沖縄には少ないため県内の製造業者は積極的な投資を行 っていない。 上記の調査結果から、私達が商品開発を行っても、現実的にハラール認証を取得す るのは大変厳しい状況だということが分かりました。しかも、必ずしもハラールを取 ったから商品が売れるということではないということです。逆にハラール認証を取得 しなくても、アルコールと豚を使用していないと表示することで、イスラム圏でヒッ トしているヨックモックという商品があるということでした。大事なことは、原材料 の「見える化」が重要で、ピクトグラムを用いて万国共通で理解できるようにアルコ 14 ールと豚は使っていませんよと表示するだけでも十分ムスリムには効果的だという 説明をしていただきました。そこで、商品開発の企画はアルコールと豚を使用しない のはもちろんのこと、包装紙やPOPを用いてピクトグラムにて豚とアルコールを使 用していないことをわかりやすく表示することにしました。 また、外国人観光客へのアンケートを行った結果、外国人観光客の購入した主な土 産品はチョコレートなどのわかりやすいもので、土産を受け取る側もチョコレートな どの菓子やスウィーツを好んでいることから、チョコを利用した商品を開発すること にしました。また、紅イモタルトが唯一ハラール認証されている土産品ということも あり、また外国人観光客にも比較的人気があったため、紅イモを使ったお菓子という ことにしました。そして、海外旅行となれば荷物も多く土産を沢山購入いていく観光 客がみられます。そんな中、 「買いたいけど重くて買えない」 「かばんに入らない」 「潰 れてしまう」こういった状況がうまれます。そういう購買状況も勘案し全員で企画会 議を開いた結果、沖縄の新しい土産品の企画として「紅イモチョコラスク」という案 にまとまりました。チョコレートとラスクという外国人でもわかりやすい素材をつか いつつ、紅イモをほんのり混ぜ込み沖縄らしさを少しだけ意識してだしました。また、 ラスクなら潰れる心配もなく、軽くコンパクトで持ち運びもかんたんです。これなら、 安心してたくさん購入することができます。 商品名「紅イモチョコラスク」 商品コンセプト ラスクの形は沖縄をイメージし、代表的なハイビスカスをモチーフにラスクの 形にします。そして、ラスクのコーティングには「チョコレート」と「紅イモパ ウダー」を使います。チョコレートは世界共通で食べられているもの、そこに紅 イモを加えて、色をだし少しだけ沖縄らしいラスクに仕上げます。 写真11:試作品作成 写真12:試作品完成 15 パッケージコンセプト 紅イモの色でもある紫色を取り入れカラーで可愛さのある、思わず手に取って しまいたくなるようなパッケージにします。箱の形はハイビスカスの形にして食 べ終わった後でも残したくなるような可愛らしい形にします。それと同時にパッ ケージを見て、いつでも沖縄での楽しかった思い出を思い出してしまうような箱 にします。表にはピクトグラムもつけます。またふたの裏に沖縄の紹介文も加え て楽しみながら食べてもらうようにと考えています。 図11:パッケージ案(表) ムスリム対応を示すピクトグラム マーケティングコンセプト Sセグメンテーション 東南アジア、ムスリム、観光客 Tターゲティング ムスリム観光客で家族友人へ贈与する土産 Pポジショニング 日本製のチョコレート菓子 Pプライス 1,000円前後 Pプレイス 国際通りおよび空港の土産品店 Pプロダクト ハラール認証目標だが、まずは見える化 Pプロモーション 店頭プロモーション POP等 以上のようなコンセプトの元、企画書を作成し提携できる企業を探しました。 図12:企画書 16 ②提携 提携企業を探すために、県内の菓子を企画製造している企業をリストアップし、リ ストアップした企業へ電話かけ新商品開発の提携について説明をしました。電話で話 を聞いていただける企業、実際にあって話を聞いていただける企業がありましたが、 全てよい返事はいただけませんでした。近隣の製造業者すべてに断られ、途方に暮れ ていた時に、ラスク専門店で「琉球ドルチェテラス」(写真13)という企業が豊見 城市にあるということが分かりました。早速電話でアポイントメントを取り、会って 話を聞いていただけるチャンスを頂きました。そして企画書を持って琉球ドルチェテ ラスへ訪問しました。企画について店長さんにプレゼンテーションを行ったところ (写真14)、非常に興味を持っていただき、またとても良いタイミングで、琉球ド ルチェテラスとしても、インバウンド向けの商品開発に取り掛かる所だったというこ とです。そこで、企画書にある商品も共同で開発することになりました。 写真13:琉球ドルチェテラス 写真14:交渉の様子 提携の具体的な役割分担も話し合いました。市場調査についてはノウハウとデータ の蓄積がある私達が行うことにし、具体的な商品製造については、市場調査の結果を もとに琉球ドルチェテラスが試作する。それを再びテストマーケティングにて消費者 官能テストを行い、琉球ドルチェテラスへフィードバックするという流れで、商品を よりブラッシュアップして、市場に投入しようということになりました。(図13) 17 図13:提携の具体的な役割分担 浦添商業高校 琉球ドルチェテラス 浦添商業高校 ①市場調査 ②試作品作成 ③消費者官能テスト 琉球ドルチェテラス 琉球ドルチェテラス 浦添商業高校 ④製品修正 ⑤完成品 ⑥流通・販売促進 ③試作品 提携の具体的な役割分担が決まり、私たちは事前に行っていた市場調査である①メ ーカー②流通業者③購買者④受贈者のデータをまとめ琉球ドルチェテラスへ提示し ました。そして私たちの新商品の企画コンセプトを踏まえ、琉球ドルチェテラスより 試作品が上がりました。 写真15:紅イモコーティングラスク 1.紅イモコーティングラスク カステラに香り豊かな紅イモ加え、 片面にホワイトチョコと 紅イモパウダーをコーティングしました。 写真16:紅イモコーティングバウム 2.紅イモコーティングバウム 紅イモバウムクーヘンを少し乾燥させ 片面にホワイトチョコと紅イモパウダ ーを合わせたものもコーティングしま した。少し、しっとり感を残し ています。 18 写真17:紅イモシューラスク 3.紅イモシューラスク シュークリームの皮に紅イモと砂糖を まぶしカリッとラスクにしあげています。 写真18:焼き紅イモラスク 4.焼き紅イモラスク シュークリームに皮にペースト状の紅イ モをつけ、カリッとしたラスクに仕上げて います。 試作品の4種類から、当初の企画案近い①紅イモコーティングラスクに決定しまし た。 ④テストマーケティング 試作品のテストマーケティングを行うために、外国人が多く在籍するJICA沖縄 国際センターへ協力を依頼し、試食会を実施することになりました。 日時:7月1日(水)17:00~ 場所:JICA沖縄国際センター食堂 方法:試食後、部員による聞き取り(英語) 調査内容:①味②価格③見た目④購買意向⑤意見 写真19:研修員への試食と聞き取り 19 試食会後にも商品とアンケートをJICA内に2週間設置してもらいました。 テストマーケティングの結果 N=30 ①味 ②価格 Q1:味はどうですか? おいしく ない 0.0% 普通 13.0% 500円 以下 3.9% 200円 以下 15.7% おいしい 87.0% 50円以 下 29.4% 100円 以下 51.0% ③見た目 悪い 0.0% Q2:いくらで買いますか? ④購買意向 Q3:見た目はどうですか? 普通 26.5% よい 38.8% いいえ 8.0% とても悪 い 0.0% Q4:購入したいですか? とてもよ い 34.7% はい 92.0% ⑤意見 ・少し固い。柔らかいのが好き・とても固い。やわらかくして ・おいしいけど、固い ・もっと甘くしてほしい ・ブラジルではもっと砂糖を使って甘くします。 ・パッケージをもっとカラフルに テストマーケティングの結果、味についてはおいしいという意見が約9割で、特に 紅イモ(Red potatoes)にチョコレートをのせるという発想がおもしろくて、おいし いという意見を多数いただきました。価格については、100円前後が妥当で、見た 目は良いという意見が80%近くあったのですが、もう少し明るい色を使った方がよ いとの意見多くありました。特に意見が多かったのは、食感が固すぎるというと、外 国人の方は日本人より甘味が好きだということもわかりました。もう少し柔らかくす ることにしました。 テストマーケティングの結果をまとめると①かなり甘い味で②柔らかい食感そし て③見た目はカラフルな色使いが好きということが分かりました。 ⑤商品化 テストマーケティングの結果、外個人は日本人との好みの違いがわかりましたので、 20 商品化の際に改善できる点は改善しました。 テストマーケティングの結果と商品化へのフィードバック ①味について→おいしいという評価も多かったため試作品通り ②柔らかい食感について→メーカーと協議し柔らかくする。 ③カラフルな色使いについて→ッケージを試作品よりも刷新しカラフルな色使いの デザインに変更する。 以上の①~③に改善を加えました。 また、外装については持ち運びに配慮し、中が見えるような箱を採用し、商品として 完成しました。 【新商品概要】 ・商品名:紅イモコーティングラスク ・原材料:小麦粉、砂糖、マーガリン、紅イモ、チョコレート、なたね油 ・販売価格:6 個入り 1,000 円 ・商品重量:151g(個装紙込み) ・内容量:1 個当たり 21g ・ケース重量:25g ・袋サイズ:90×80×10mm ・ケースサイズ:125×160×40mm ・賞味期限:1 か月 ・保存方法:高温多湿、直射日光をさける 【アレルギー】 ・小麦 ・乳 【製造者】 ・琉球ドルチェテラス 【企画販売】 ・沖縄県立浦添商業高等学校 写真20:パッケージ外観・内観 21 ⑥販売促進 販売促進と販売を同時に行うために、観光客が多く集まる場所を考えました。特定 のお土産品店での販売キャンペーンでは、販売促進としての効果は限定的だと考え、 多くの観光客の集まる場所は無いかと考えた結果、沖縄唯一の鉄道である沖縄都市モ ノレール、通称ゆいレールの駅にて行うことにしました。早速、沖縄都市モノレール 本社にアポを取り、企画書を作成して交渉しました。その結果、沖縄都市モノレール として駅構内での販売活動は特定の売店を除いて一切認めてこなかったそうです。し かし、今回は英語と中国語による外国人観光客を案内する業務を同時に行うことであ れば特別に許可するという返事を頂き、販売活動が許可されました。 写真21:沖縄都市モノレールでの交渉 写真22:おもろまち駅 日程は、最も観光客が訪れると考えられる、本土のお盆休みに日程を合わせ、駅構 内全面を使って新商品販売キャンペーンを行うことにしました。 新商品販売キャンペーン実施概要 日時:8月12日(水)~13日(木)10:00~15:00 場所:沖縄都市モノレール(ゆいレール)おもろまち駅、首里駅の2か所同時 内容:商品販売、看板・のぼりによる広報活動、チラシ配布など 写真23:販売の様子 22 販売活動の結果、6個入りを千円で販売した紅イモコーティングラスクは外国人に とても人気が高く、地元の高校生が開発した商品ということで、地元の方々や国内観 光客の方にも評判がよく、試食をする方も多数いました。そして、私たちの売上目標 である50個を両駅共に完売しました。 7.課題とまとめ 今回の研究で外国人観光客への実態調査や訪日観光客数を調べるにあたり、今ある 日本の現状や沖縄が観光地として今後どう盛り上げていくべきか深く考えるきっか けになりました。また、直接イスラム教信者の方々と話すことで私たちが知らなかっ たムスリムについて理解することができ、多くのことを学ぶことができたと思います。 ムスリムが安心して食品が食べられる目印であるハラールマークの取得は厳しい審 査・条件、莫大な費用により残念ながら今は取得の見込みが立ちませんが、食品の「見 える化」を目指して頑張りたいと思います。 また、テストマーケティングではたくさんの国々の方に試食していただきました。 「とてもおいしい」という意見も多くいただき、私たちの商品に対する自信にもつな がりました。今後は沖縄県のお土産の流通ルートに乗せ、県内各地で販売されるよう に取り組んでいきます。ご協力していただいている琉球ドルチェテラスの皆様とアド バイスをしてくださった企業の皆様のおかげで今回の研究をすることができていま す。ありがとうございます。以上で研究の報告を終わります。 23 引用・参考文献 沖縄県 平成25年度沖縄県観光要覧 沖縄県 平成25年度外国人観光客実態調査報告書 日本政府観光局 訪日外国人観光客の動向統計報道発表資料 沖縄県 平成26年度沖縄県入域観光客数統計概況発表資料 IMF World Economic Outlook Database, April 2010 宗教見聞録 http://homepage3.nifty.com/asia-kenbunroku/SyukyoBunpu.html 協力していただいた企業・団体・個人 琉球ドルチェテラス JICA沖縄国際センター 沖縄都市モノレール株式会社 沖縄県物産公社 (沖縄ハラール協会) 沖縄観光コンベンションビューロー 株式会社第一パン 株式会社ぐしけん 株式会社ファッションキャンディー 株式会社お菓子御殿 おきなわ屋 JTB沖縄 マレーシア国ベナン州プライム村の村民のみなさん マレーシア国ジョホールバル州国立メガリアハイスクールの生徒のみなさん 国際通りを歩いていた外国人観光客のみなさん 国際通りのお土産品店の販売員さん 24 Age( ) Sex( ) Location (Where you’re from) ( ) These are the questions about the souvenirs of Okinawan food. 这是一个关于冲绳的土特产问卷 ・What souvenir did you buy? 旅行中你买了什么土特产? 1)Snack 2) Convenience goods 糕点 3) Liquor 4) Clothes 酒 杂货 衣服 ) 5)other( 其他 ・How much did you spend ? 没有你在土特产使用多少? 1)3000yen~less than 5000yen 2)5000yen~less than 10,000yen 3)10,000yen~less than 50,000yen 3000 日元~5000 日元 5000 日元~1 万日元 4)50,000yen~less than 100,000yen 万日元~5 万日元 ) 5)other( 50,000 日元~10,0000 日元 其他 ・What souvenir (food) would you buy? 你买,如果有什么土特产? ・What’s the most impression of your souvenir? 什么是最令你印象深刻的土特产? ・Who would you give the souvenir? 1)Family 2)Friends 家庭 朋友 6)other( ) 是送给谁的礼物? 3)Lovers 4)Employees 情人 雇员 其他 25 5)To Myself 自己 Singapura Malaysia Penyiasatan Souvenir *Singapore Malaysian souvenir investigation Pelajar Jepun Okinawa Prefectural Urasoe Sekolah Tinggi Komersial Penyelidikan Jabatan Perdagangan Soal selidik ini adalah penyelidikan komersial pada hadiah Singapura Malaysia. Terima kasih atas kerjasama anda. *This questionnaire is commercial research on gift of Singapore Malaysian. Thank you for your cooperation. Jantina ( )umur ( )negara asal ( ) 1.Adakah terdapat apa-apa yang anda mendapat hadiah dari rakyat? ya tidak 2.Dari siapa saya menerima hadiah baru-baru ini? Ibu Bapa Brother relative Kawan Jiran ) lain-lain( 3.Apa yang anda dapat hadiah bila? Hari Lahir Krismas Valentine Apabila ia tidak apa-apa Tahun Baru perjalanan cenderamata ) lain-lain( 4.Adakah anda mendapat hadiah gembira adalah apa hadiah? ( Sila letak Ya untuk memilih sehingga tiga) peralatan rumah kosmetik gula-gula pakaian makanan makanan kesihatan Pelancong destinasi Keychain peralatan AV dadah konsol permainan elektronik perhiasan Produk anime berkaitan Penghibur Produk Berkaitan 4-2.Sila isi di atas-khusus (coklat konfeksi Apple kaca konsol permainan dan sebagainya) 5.Baru-baru ini, Adakah anda mempunyai bahawa anda telah mendapat cenderamata perjalanan? Ya tiada 6.Adakah menerima cenderamata daripada mana-mana sahaja di negara ini? Asia Eropah Afrika Amerika Utara Amerika 26 Selatan Oceania Jepun 7.Atau mendapat apa-apa cenderamata? peralatan rumah gula-gula makanan peralatan AV elektronik kosmetik pakaian makanan kesihatan Mesin permainan 7-2 dadah Pelancong destinasi Keychain Produk anime berkaitan Sila isi khusus.(Gula-gulacoklat perhiasan Penghibur Produk Berkaitan mesin permainan epal cawan seperti) (sikan bertanya dalam bahasa Inggeris, jika mungkin) 8. Apa pendapat anda jika anda mendapat cenderamata halal makanan ditandai? Dengan yakin Saya bimbang yang Makan Jangan makan Ia tidak terpisah daripada apa-apa seolah-olah buang 9. Apa pendapat anda jika anda mendapat cenderamata tanda halal makanan tidak melekat? Dengan yakin Saya bimbang yang Makan Jangan makan Ia tidak terpisah daripada apa-apa seolah-olah buang 10. Adakah anda tahu di Okinawa? Saya tahu saya tidak tahu 11. Cenderahati, seperti berikut yang anda fikir anda ingin makan apabila anda dikeluarkan dari Okinawa? (Tanda halal tidak mempunyai) Saya mahu makan Saya tidak mahu makan Saya mahu melihat Suka melihat Saya mahu makan Saya tidak mahu makan Saya mahu melihat Suka melihat Berfikir apa-apa (Tanda Halal datang dengan) Berfikir apa-apa Terima kasih kerana bantuan anda. 27 Age( ) Sex( )Location (Where you’re from) ( ) RED POTATOES CHOCOLATE RUSK SURVEY ・How is the taste of the Red potatoes chocolate rusk? ・Delicious ・so-so ・Bad ・How much would you buy it for? ・Less than 50 yen ・Less than 200 yen ・Less than 100 yen ・Less than 500yen ・How was the looks? ・Very bad ・bad ・so-so ・good ・Very good ・Do you think that you want it again? ・ Yes ・No ・Other opinions 28 沖縄県立浦添商業高等学校 〒901-2132 沖縄県立浦添伊祖3丁目11番1号 TEL:098-877-5844 098-878-8530 FAX:098-877-4305 http://www.urasoe-ch.open.ed.jp/