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「データモニタリング委員会に関するガイドライン」の
日本製薬工業協会主催公開シンポジウム 「データモニタリング委員会に関するガイドライン」の理解を深める 日 時: 平成 25 年 4 月 19 日(金) 13:00~16:00 場 所: 有楽町朝日ホール 司会:データサイエンス部会 監事 三沢 秀敏 医薬品評価委員会 委員長 稲垣 13:00~13:05 開会挨拶 13:05~13:40 経緯及びガイドラインの概略について 医薬品医療機器総合機構 生物統計担当スペシャリスト 13:40~14:45 治 安藤 友紀 先生 パブリックコメントの取りまとめ作業を踏まえたガイドラインの補足説明 データサイエンス部会長 小宮山 データサイエンス部会推進委員 菅波 秀規 14:45~15:00 休憩 15:00~15:55 パネルディスカッション(事前に寄せられた質問に対する回答を含む) 座 長 :データサイエンス部会長 小宮山 靖 靖 パネリスト:厚生労働省医薬食品局審査管理課課長補佐 宮田 俊男 先生 (独)医薬品医療機器総合機構生物統計担当スペシャリスト 安藤 友紀 先生 臨床評価部会副部会長 今井 康彦 データサイエンス部会推進委員 菅波 秀規 データサイエンス部会推進委員 越水 孝 データサイエンス部会継続T3委員 栗林 和彦 15:55~16:00 閉会挨拶 データサイエンス部会長 《お願い》 ◆再入場の際は本プログラムを受付・係員にご提示下さい ○ 館内にクローク、コインロッカーはありませんので、手荷物等の保管は各自でお願いします。 ○ ホール内は飲食禁止です(ロビーは可) 。 ○ 館内は全館禁煙です。※有楽町マリオン内は全館禁煙です。喫煙は館外でお願いします。 小宮山 靖 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会主催 公開シンポジウム 「データモニタリング委員会に関するガイドライン 「デ タモニタリング委員会に関するガイドライン の理解を深める」 補足説明(1) 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 デ タサイエンス部会 データサイエンス部会 小宮山○,菅波○ ,越水,栗林 2013年4月19日@有楽町朝日ホール DMCの歴史 1948 1960s 初期 1967 最初のRCT(結核患者,ストレプトマイシン vs. プラセボ) 1960年代初期から, NIH( h N National i l Institutes I i off H Health),復員軍人支援局(the l h) 復員軍人支援局( h ―NIH(the Veterans Administration),NHLBI(the National Heart, Lung and Blood Institute)などの政府関連機関がスポンサーした臨床試験で DMCが設置された “ガイドライン・ラグ” 1990 1990s 2001 2004 2006 2013 Greenberg Report: 蓄積されたデータを試験の進行中にレビューすることを委託された 正式な委員会という考え方は,Bernard Greenbergを長とする外部の 諮問グル プがNIHに対して1967年に行 た勧告にすでに含まれていた 諮問グループがNIHに対して1967年に行った勧告にすでに含まれていた 製薬企業がスポンサーする臨床試験でDMCが盛んに設置されるように なったのは,この頃。 ICHガイドライン(E9 E6 E3)でもDMCに関する記載が見られた ICHガイドライン(E9,E6,E3)でもDMCに関する記載が見られた。 FDAがDMCのガイダンス(案)公表 EMAがDMCのガイドライン(案)公表 (1月)EMAがDMCのガイドラインを最終化 (3月)FDAがDMCのガイダンスを最終化 【Adaptive Design の利用が欧米中心に広がってきたのは,この後!】 祝!厚労省がDMCガイドライン発出 Adaptive Designのガイドライン等,Regulatory Science 推進に質するガイドラインも,拡充してほしい! 2 薬事法施行規則・GCP省令・運用ガイダンス 改正などの関連する通知 薬事法施行規則等の一部を改正する省令の施行について (平成24年12月28日付薬食発1228第1号厚生労働省医薬食品局長通知) 「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」のガイダンスについて (平成24年12月28日付薬食発1228第7号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知) 薬事法施行規則等の一部を改正する省令の施行に関する留意事項ついて (平成24年12月28日付薬食発1228第11号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知) 治験の依頼をしようとする者による薬物に係る治験の計画の届出等に関する取り扱いに ついて(平成24年12月28日付薬食発1228第15号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知) 自ら治験を実施しようとする者による薬物に係る治験 計画 届出等に関する取り扱 に 自ら治験を実施しようとする者による薬物に係る治験の計画の届出等に関する取り扱いに ついて(平成24年12月28日付薬食発1228第15号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知) データモニタリング委員会のガイドラインについて (平成25年4月4日付薬食審査発0404第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知) 「「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」のガイダンスについて」の一部改正等に ついて(平成25年4月4日付薬食発0404第4号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知) 「効果安全性評価委員会」は、(中略)を目的 「効果安全性評価委員会」は (中略)を目的 として、治験依頼者が設置することができる 治験依頼者、治験責任医師及び治験調整 医師から独立した委員会であり、「独立データ 医師 ら独 委員会 あり 独 デ タ モニタリング委員会」とも呼ばれる。 変更 委員会であり、「データモニタリング委員会」とも 呼ばれる。有効性の検証を目的とした臨床試験 等においては、治験依頼者、治験責任医師及び 治験調整医師から独立した委員会として設置した 場合には、とくに「独立データモニタリング委員会」 とも呼ばれる。 3 製薬企業がスポンサーする臨床試験でDMC の設置が増えてきた背景 • 1990年代 – 製薬企業がスポンサーする臨床試験でも,Mortalityや Important Morbidityを扱う試験が増えてきた – 臨床試験の大規模化 • 2000年以降 – EDCの普及に伴い EDCの普及に伴い,データクリーニングが迅速に行われる データクリーニングが迅速に行われる ようになったことで,中間解析の利用機会が,より短期間・ 小規模の試験に広がった – 被験者の安全性に対する一層の配慮 – 臨床開発の効率化の観点から,Adaptive Designの利用が 疾患領域を問わず広がりつつある 4 DMCに関するガイドラインは、 Adaptive Designの利用も想定している デザインの変更 (適用 Adaptation) Adaptive Designとは? 中間解析 Adaptive Design は,中間解析の結果に基づいて進行中の試験のデザ インを変更することを意図した( 計画した )多段階デザインの総称. インを変更することを意図した(“計画した”)多段階デザインの総称 変更するのは,たとえば, 割り付け比 割り付け比=0 はそのアームを中止することを意味する. はそのアームを中止することを意味する 新たなアームを追加することも. 目標症例数 中止基準 意思決定に用いるモデル 試験の対象集団(組み入れ基準), etc. 結果的に試験デザインを“変更した”試験ではない! 群逐次デザイン Group Sequential Design Group Sequential Design 中止 or 継続 中止 or 継続 I.A. I.A. 中止 or 継続 I.A. (Trt A better) 中止 ! 中間解析の結果,結果が圧倒的で 十分な情報が得られたと考えられる 場合,試験を途中中止 H0 棄却 実際の結果 継続 境界線 6 中間解析の結果, 結果が圧倒的でないならば, 試験を継続する 5 決して簡単でない早期中止の判断 • DMCを設置した多くの臨床試験で、試験中止の決定(あるいは 注意喚起)の指針となるような、統計的な判断基準を用意して いる • しかし、その判断基準に合致したことを確認して、試験中止の 決定をすればよいというものではない – – – – 安全性のデータは十分と言えるか? 安全性 デ タは十分 言 るか? 副次的な評価項目は、主要評価項目の結果を支持するか? 個々の施設の結果はどうか? 特定の部分集団が結果を左右していないか? • 圧倒的にポジティブな結果は将来処方する医師に強いメッ セージを伝える – これから使われるだろう全ての患者への責任 7 DMC委員の専門性 2.3 DMC 委員の役割と責務 DMC 委員は、臨床試験の方法論及び DMC の役割に関する知識と、 その責務を負うに十分な能力を有していなければならない。... (略)... (略) DMC は異なる専門性を持つ複数の DMC 委員から構成され る。 ...(略) 3.1 DMC の構成 (略) ...DMC は多くの場合、当該疾患領域及び被験治療に関 して想定される安全性上の特徴を踏まえて適切な専門性を持つ臨床 医並びに臨床試験のデザイン、データ及び統計解析に精通している 少なくとも 1 名の統計家等、3 名の統計家等 3 名以上から構成される。委員の選定 名以上から構成される 委員の選定 に際しては、実施予定の試験の目的やデザインに基づき必要とされ る専門性を判断する必要がある。...(略) 8 DMC委員の専門性 試験対象の疾患領域の臨床専門家 験 – 安全性 (悪化か有害反応か?),Benefit‐risk,外部データの影響な どを評価できること 統計専門家 – 当該疾患領域の薬効評価,臨床試験のデザインからデータ解析, 試験データの逐次解析 試験デ タの逐次解析 (中間解析) の方法論に精通していること (中間解析) の方法論に精通していること – 複雑なアダプティブデザインの場合には,その方法論に精通した 専門家を追加することもある (Antonijevic et al., 2013) 疾患領域 試験 的 デザ 疾患領域や試験目的,デザインなどに応じて など 応 – 被験者に対する危険性の高い試験の場合には,臨床試験の計画,実施, 解釈についての知識を有する臨床倫理の専門家 – 患者団体代表 – 疫学,臨床試験,薬理学,毒性などの専門家 など Ellenberg et al. (2002), FDA (2006) et al (2002) FDA (2006) Antonijevic et al. (2013): Therapeutic Innovation & Regulatory Science. In press. Ellenberg S et al. (2002): Data Monitoring Committees in Clinical Trials. John Wiley & Sons. FDA (2006): Guidance for Clinical Trial Sponsors on the Establishment and Operation of Clinical Trial Data Monitoring Committees. 9 DMC委員としての経験 • FDAもEMAも,それぞれのDMCのガイダンスの中で,DMC委員 の専門性だけでなく,DMC委員としての経験を重要視している – 特にChair(委員長)は,DMCの経験者がふさわしいと • 一方,日本のガイドラインでは,「経験」には触れていない – 日本全体としてDMCの経験をもつ専門家が十分多い状況にはないこと を配慮してのこと 慮 しかし,いつまでも甘えるべきではない! DMC委員の経験を持つ専門家を増やしていこうという 意識をもっていくべき 新たな委員の発掘(?)を心がけたい 意識をもっていくべき。新たな委員の発掘(?)を心がけたい。 たとえば,委員の少なくとも一人をDMC未経験の専門家にする, その後続けてDMC委員になっていただくなど 10 DMCの構成 (3名以上) • 責務を遂行するために必要な知識を有する必要最小限の 専門家 構成される き 専門家で構成されるべき – 委員数が多すぎると,合意形成,情報管理,会議日程の調整など, 運営面で困難をともなう とがある 運営面で困難をともなうことがある • いくつかの経験 – the smallest board included only three people while the largest had a membership of more than 15 (Wittes, 1993) membership of more than 15 (Wittes, 1993) – The median number of DMC members among the 20 studies sponsored by the National Eye Institute was 10, with a range of 7 to 15 (Hawkins, 1991) – DMCs sponsored by the British Medical Research Council consist of three p y independent experts, two clinicians and one statistician (Parmar and Machin, 1993) – The size of the DMC should be limited, and it is unlikely that more than 10 people would be required to constitute a DMC (Smith et al 1997) people would be required to constitute a DMC (Smith et al., 1997) – Our own experience suggests that a DMC should be as small (with a minimum size of 3) as can provide the necessary expertise for competent g y( g et al., 2002) , ) monitoring of the study (Ellenberg Wittes (1993). Statistics in Medicine 12, 419‐424. Hawkins (1991). Controlled Clinical Trials 12, 424‐437. Parmar and Machin (1993). Statistics in Medicine 12, 497‐504. Smith et al. (1997). Journal of Clinical Oncology 15, 2736‐2743. 11 どんな場合にDMCは必要か? Safety First !!! 被験者の安全性 安全性評価のみの ためのDMC設置も ありうる 試験を続けることの 試験を続 妥当性、科学的な利点 「2.1 DMC設置の必要性の判断」より引用: 死亡又は重篤な転帰を評価変数とした比較対照試験、 変 比 試験 大規模かつ長期にわたる臨床試験、 安全性に関する事前情報の比較的少ない開発初期の臨床試験、 医薬品等及び被験者の特徴からリスクが高いと想定される試験等 「短期間の試験だから」 「追加 リ 「追加でリソースが必要だから」 が必要だから 「治験の実施手順が複雑になるから」 DMCを設置しない理由として 安全性よりも優先させるべき ではない 12 FDAのガイダンス案にも記載あり 2.1. 2 1 被験者のリスクとは? DMCを設置することの最も基本的な理由は、安全性に対する危惧が著しく大きく、そのために 集積データを定期的に中間解析を行なうような状況下で、被験者の安全性を高めるためである。 我々は、以下のような場合にスポンサーがDMCの利用を検討することを推奨する。 ・試験のエンドポイントが、中間解析の時点で、著しくよい結果や悪い結果がえられた場合、 無益性が判明した場合に試験を予定よりも早期に中止することが倫理的に要求されるような ものである場合。 ・特定の安全性の危惧に対して自明な理由がある。たとえば、投与方法の侵襲性が特に高いなど。 ・治験薬に関連する重篤な毒性の可能性を示唆する事前情報がある場合。 ・小児、妊婦、高齢者、終末期の患者、意思能力が低下した患者などの脆弱な集団に対して 行われる試験 ある場合 行われる試験である場合。 ・試験が死亡や重篤な転帰に至るリスクが高まった集団で行われる場合。たとえ試験の目的が 症状の改善など「軽い」エンドポイントであっても。 ・試験が大規模で、長期、多施設である場合。 試験が大規模で、長期、多施設である場合。 これらの性質のどれかに当てはまる試験では、DMCによる追加の監視により被験者のより良い 保護が可能になる。上で述べたように、症状の緩和を検討する短期間の試験など他の試験では、 そのような委員会は 般に必ずしも必要ではない そのような委員会は一般に必ずしも必要ではない。 13 安全性モニタリングは常に必要 緊急報告 CRA On‐site Monitoring CDM etc. Centralized Monitoring Centralized Monitoring 治験の実施に関わる人々 非盲検試験はもとより、 盲検下でも個別症例についての安全性評価は いつでも行うことができる(実際,そうしている) 14 対照(群)との比較でしか因果関係が 特定できないタイプの副作用(タイプCの副作用) 薬の治療対象となる集団で元々ある程度の頻度で発現する 事象であり 薬がそのリスクを高めるタイプの副作用 事象であり,薬がそのリスクを高めるタイプの副作用 薬の関与が大きくない場合も多く、個別症例の因果関係判定 は およそ不可能 は,およそ不可能 薬がリスクを 高める ある有害事象 の発現割合 【リスク】 薬なし 薬あり 薬の治療対象となる患者集団 ポイント 割付情報を明らかにして評価するDMCは、 割付情報を明らかにして評価するDMCは このタイプの因果関係を明らかにできる 15 関連する話題:SUSARの緊急報告 未知重篤な副作用 緊急報告 あり 「因果関係がある 合理的な可能性」 不明 集団のデータを用い 群間比較に基づき 因果関係があるかを評価 「因果関係を 因果関係を 否定できない」 「ノイズが多い」との認識 イズが多い」との認識 (FDA, EMA, CIOMS VI) 治験薬との因果関係を否定できる 他の原因が明確(or 可能性大) 併用治療 合併症,原疾患 合併症,原疾患 etc. 緊急報告 個別症例の 因果関係の判定 なし 因果関係あり 因果関係あり 因果関係なし(ありとは言えない) 治験実施中に判断するために DMCのような機能が必要 16 GCPガイダンスとDMCガイドラインの関係 「医薬品の臨床試験の実施の基準に関 する省令 のガイダ する省令」のガイダンスについて に 第2条(定義)の 補足説明15(10)には, 因果関係の「合理的な 係 「合 的な 可能性」に基づき因果 関係を判断することが 追記されている。 その判断の基準として CIOMS VIの基準も例示 されている。 これらにより,個別症例での因果関係判定の考え方は,欧米との齟齬が 解消されたと言ってよい。これに加えて,DMC等による集積データに基づく 因果関係評価を行うことにより 治験実施中にもType C副作用を見逃さない 因果関係評価を行うことにより,治験実施中にもType 仕組みができ上がる。つまり,DMCガイドラインは改正GCPを補完する(さらに 良くする)ものである。 17 合理的な可能性の基準:CIOMS 合理的な可能性の基準: CIOMS VI リチャレンジ陽性は強いエビデンスを与えるが,倫理的に 得ることが難しい場合が多い.しかし,一時中断→ 再投与と 場 長 製 した場合,投与間隔が長い生物製剤などではありうる リチャレンジ陽性(投与再開での再発) 因果関係が確立されており明らか 発現までの時間に説得力がある デチャレンジ陽性(投与中止で消失) 交絡するリスク因子がない 曝露量や曝露期間との整合性がある 正確な既往歴による裏付けによりほぼ間違いなく 説明可能 併用治療が原因である可能性が低い 他に説明できる原因がない その他の治験責任(分担)医師による判断 被験薬や同種薬の副作用であることが わかっている(一貫した複数試験の結果, 作用機序,薬物相互作用,クラスエフェクトなど) → IB IBに記載があるはず に記載があるはず 載 投与開始後短期間で発見された新たな がんなどは,被験薬の関与は説明困難. 急性反応であれば,投与後から発現までの 時間が短いほど因果関係を強く支持する その有害事象のリスク因子が他にもあり, 原因が特定できないということがない このような既往歴をもつ患者に, も 患 被験薬の関与なしに,この反応は起きえない 【注意】上にリストされている基準に,はっきりとは合致しないが, 因果関係を強く支持するエビデンスがある場合のみが該当する. Appendix 7, CIOMS VI Working Group Report; Management of Safety Information from Clinical Trials (2005) (2005) 「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」のガイダンス(薬食審査発1228第7号, 2012年12月28日) 「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」のガイダンス( ) 18 SUSARの緊急報告:より合理的な仕組み ① まずは個別症例の因果関係判定で「不明」を減らすこと ② 個別症例の因果関係 判定は合理的な可能 性の基準に基いて 行うこと(ノイズ↓) う ( ズ↓) ③ 個別症例では明確に「因果関係あり」と判断できない事象 について,集積されたデータから判断すること について,集積されたデ タから判断すること (見逃しを防ぐ) 19 治験実施中に集積データを用いる手順の例 * Safety Review Committeeなど 別の名称もありうるが,DMCと 同様に,盲検解除された情報に アクセスする会議体 規制当局への緊急報告 DMC* たとえば その治験の 責任者 2課長通知:改定してほしいポイント 市販後副作用等報告及び治験副作用等報告について (平成18年3月31日付薬食安発第0331009号薬食発1228第1号 厚生労働省 医薬食品局長通知) 7.その他の治験副作用等報告に際しての注意事項 (3)その他、治験副作用等報告に関する事項 イ.特殊な報告対象の取扱い ①致死的又はその他何らかの重篤な転帰を有効性の ①致死的又はそ 他何らか 重篤な転帰を有効性 主要評価指標とする治験においては、重篤な有害事象 のうち、疾患に関連する事象として取扱い、通常の緊急 報告の対象とはしない事象としてあらかじめ治験の依頼 をした者と機構審査管理部審査企画課との間で取り決 めたも に限り、緊急報告対象外とする。 めたものに限り、緊急報告対象外とする。 有効性のEndpointとなっている重篤なイベントの扱いは, 事前の「取り決め」事項 DMCが評価を行う仕組みは 事前の「取り決め」事項。DMCが評価を行う仕組みは, この手続きについても客観的で妥当なものにできる。 21 どんな場合にDMCは必要か? Safety First !!! 被験者の安全性 試験を続けることの 試験を続 妥当性、科学的な利点 試験の中間時点で結果が圧倒的にポジティブorネガティブ (無益性) であり,最終的な結論が直ちに予測可能な場合に, であり 最終的な結論が直ちに予測可能な場合に 早期中止が検討される 同様に,試験の命題に明確な回答を与える可能性が低いことが 明らかになった場合には,試験の中止が検討される たとえば,イベント発生率が予想をはるかに下回り,イベントを捕らえるほどに 症例数を増加させることが非現実的な場合 22 中間解析に用いるデータの質 • 「100%クリーン」は目指すべき目標ではない 「100%クリ ン」は目指すべき目標ではない – 治験実施の現場にDMC開催の時期を知らせることに、 つながりかねない • 知的な当て推量(intellectual guesswork)の機会を与え、 バイアスを混入させる可能性がある。 EMA, 米国Institute of Medicine, Society for Data Management等での共通認識 – そもそも「高品質なデ そもそも「高品質なデータ」とは、意思決定の結果が,生成 タ」とは 意思決定の結果が 生成 されたデータや情報が「100%クリーン」であったとしても 違ったものにならなかったはずであると言えるデ タ 違ったものにならなかったはずであると言えるデータ • DMCの判断にとって重要なデータと,そうでないデータで 目指すべき「クリーンさ」は異なってよい • DMCの判断にとって重要なデータとは何か? デ 23 DMCの判断にとって重要なデータ • 有効性のプライマリ・エンドポイント (重要なセカンダリ・エンドポイントを含めることも) • 有効性の主要な解析に用いることが規定されている 有効性の主要な解析に用 る とが規定され る 共変量(Demog、Baseline valueなど) • 重要な安全性情報 – SAE – 中止(用量変更)に至ったAE – 他の臨床的に重要なAE 24 重要な安全性データとは? 【注意】安全性データは、「何でもかんでも」になりがち 用量変更に至ったAE これらが 臨床的に 重要なAE 一過性ではなく持続性であった 薬物作用の転帰が永続的あるいは後遺症を残した 薬物作用が大きかった 薬物作 が大き た 薬物作用を予防もしくは最小化できなかった 参考:「くすりの安全性を科学する」第8章 FDA CDER/CBER, DRAFT Guidance for Industry: Determining the Extent of Safety Data Collection Needed in Late Stage Premarket and Postapproval Clinical Investigations, Feb 2012 25 データのクリーニングのタイミング ○月○日 データ・カットオフ デ タ カットオフ 第1回DMC 第2回DMC 次回のDMCのために、○月○日にデー タをカットオフしますよ!これに合わ せて全てのSDVを完了しましょう! 治験実施の現場への バイアスを最小化する 立場に立てば これは 立場に立てば,これは 本来良くない データ・カットオフからDMCまで データ修正しないでください! 新たな被験者を登録しないで下さい! 26 「重要なデータ」のクリーニングのタイミング 有効性 安全性 プライマリーエンドポイント SAE、中止に至ったAE、 他の臨床的に重要なAE 主要な解析の共変量に 事前規定されている 患者背景データ いつDMCが開催されても良いように、日頃から速攻でクリーン にすることを心がけるべき 早期有効中止->すぐ申請の場合でも,「有効中止」を知ってからの固定 はバイアスの混入が危惧される いつDMCが開催されたかによらず、治験が淡々と進行すること, デ タクリ ニングがContemporaneouslyに完了することが データクリーニングがContemporaneouslyに完了することが 理想的(ALCOAのC) 27 国際共同治験 おける 国際共同治験におけるDMC 「3.1 DMCの構成」より引用: 大規模な国際共同治験においてDMCを設置する場合は 可能な限り 参加 大規模な国際共同治験においてDMCを設置する場合は、可能な限り、参加 する各地域又は一部地域から代表となる委員を選択することが、本来適切 であると考えられる。このような国際共同治験に日本人被験者が参加する 際には、本邦における医療環境及び既存の安全性情報を踏まえて、本邦の 専門家がDMC委員として参加することが望ましいが、それが困難な場合に も日本人被験者の安全性に関する検討方法等をあらかじめ考慮しておくべ 本 被験者 性 関す 検討方法等 考慮 く きである。なお、他地域と比較して被験治療の経験及び安全性情報が乏し い場合等、日本人被験者に対する特別な安全性モニタリングが必要とされ る場合には、日本人被験者の安全性を注意深く観察するために、本邦の専 門家がDMCに参加する意義はさらに高くなる。 • 国際共同治験に日本が参加する場面 – 通常、世界同時開発を想定 – 日本に限らず多くの国で安全性情報が十分でない場合が多い (日本を含む)すべての地域・参加国の被験者の安全性を 確保する必要あり 28 未知の SAEが発現! SAEが発現! clue clue clue clue clue clue clue clue 我が国民のデータで見つけようとするのではなく, 国境を取り払って世界で見つけようとすることが本来の姿 29 地域・国で発現頻度が偏るこんな状況になると 頻 日本で(アジアで?) 特に 注意喚起が必要になる データを集積して初めてわかること デ タを集積して初めてわかること 30 FDAのガイダンス案にも記載あり 4.1 DMC委員の構成 Committee Composition (略) 通常,国際共同試験のDMCには,試験に参加している国や地域の少なくとも一部からの代表が 参加する。しかし,参加しているすべての国の代表をDMCに参加させること現実的でない場合が 多い。我々は,4.1節の冒頭に述べた理由により,DMC委員を選ぶ際の基準として,個々の委員の 多い。我々は,4.1節の冒頭に述 た理由により,DMC委員を選ぶ際の基準として,個々の委員の 専門性や経験を優先させるべきと考える。 試験に参加している患者集団 試験に参加している患者集団,特定のリスクに対する特殊な 特定のリスクに対する特殊な 環境要因に対する深い理解は重要 そのような理解をしている日本人にDMCの委員として参画して いただくことも,1つの方法 わ ,専 経験 長 委員 選 , それが叶わなくても,専門性と経験に長けた委員を選び, 事前にまたは公開審議で留意点をインプットすることはできる 31 国際共同治験におけるDMC どのような場合に,日本人被験者に対する 場合 , 本 被験者 す 特別な安全性モニタリングが必要か? 日本人の安全性が懸念されるデータ・情報が事前に得られて いる場合 例:カルバマゼピン,フェニトインにおけるSJSなど,日本 やアジアにおける発現割合が高いことが既知の場合 例:間質性肺炎など,日本での報告が多い有害事象の発 例 質性肺炎など 本 報告が多 有害事象 発 現が危惧される場合 例:PK(あるいはPK PD)が大きく異なることが示唆されて 例:PK(あるいはPK-PD)が大きく異なることが示唆されて いる場合 32 参考資料 • DMCの手順書(Charter)は DMCの手順書(Charter)は「3.3.1 3.3.1 手順書の整備」を参照 – DMC Charterとは,どこまで詳細に書かれるものかイメージしたい方は, 以下の文献等を参照: • D Data t M Monitoring it i C Committees itt iin Cli Clinical i lT Trials, i l A Appendix di A: Th The D Data t M Monitoring it i Committee Charter, Susan S Ellenberg, Thomas R Fleming, David L DeMets, 2002 John Wiley & Sons, Ltd • A proposed charter for clinical trial data monitoring committees: helping them to do their job well, DAMOCLES Study Group, Lancet 2005; 365: 711–22 • Adaptive Design Scientific Working Groupが,Adaptive D i に関わるDMCの論文を公表予定 Designに関わるDMCの論文を公表予定 • Views on Emerging Issues Pertaining to Data Monitoring Committees for Adaptive Trials, Z. Antonijevic et.al., Therapeutic Innovation and Regulatory Science 2013 (in ( press)) • 製薬協・日本CRO協会「中間解析実施とデータ・モニタリング 委員会運営のためのガイダンス」 http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/monitoring.html 33 補足説明(2) 完全性/integrity • 統計学的仮説検定による仮説検証の枠組み – 妥当性/validity • 方法論として第一種の過誤を名義の有意水準以内に保つ 方法論として第 種の過誤を名義の有意水準以内に保つ – 完全性/integrity • 妥当な方法が妥当でいられる(現場保全, (解析結果の)再構築性) • (Make every effort to) Keep it as it is. 妥当性 計画は大丈夫か? 完全性 計画通りに行ったか? 2 完全性/integrity • 盲検解除後のデータ漏洩 盲検解除後のデ タ漏洩 – 知ってしまった人の行動が問題 • 証明の困難性 – 知ってしまった人の行動. – 事前に知りえる人は特定され,その人たちは試験計画に影 事前に知りえる人は特定され その人たちは試験計画に影 響を及ぼしません. 独立さ る方法が合 的 独立させる方法が合理的 3 完全性/integrity Adaptive Designとは? デザインの変更 (適用 Adaptation) 中間解析 結果を比較することによって 中間解析を実施したことの影響を評価 • 海外 海外の統計家によって提案されている 統計家 よ 提案され る • 試験を実施している間に組み入れられる被験者が一 定の状態であるか? • 偶然による違いをどのように判断するか 独立させる方法が合理的 4 独立性 • 完全性を保つには独立性が重要 – データに基づいて,特定の結果を欲するように試験へ変更 を加えてはいけない • 「独立性」は一般に, – 特定の結果を欲する個人的な理由を持たないこと – メンバーとしての役割以外のいかなる役割においても試験 の実施に影響を及ぼす力がないこと を意味する Ellenberg.(2001) Independent data monitoring committees: rationale operations and controversies. rationale, controversies Stat Med. Med 20: 2573 - 2583 5 DMCの独立性 • DMC の価値は、DMC構成メンバ の価値は、DMC構成メンバーが治験依頼者や が治験依頼者や 実施組織から独立しているとき,一層高くなる. S.Ellenberg(2002) g( ) 準備段階 実施段階 ひどい「利益相反」 のある人を含めない 情報開示 「どのような資料に基づき、 どのような議論を行ない どのような議論を行ない、 結論に至ったか」を 他の専門家が追跡できる 記録(議事録)の残し方 両方で独立性を説明すべき 6 依頼者から独立したDMC 盲検下 規制当局 治験依頼者 プ ジ ク プロジェクト・マネジメント,モニタリング ネジ タ グ データマネジメント・センター 試験統計家 治験参加施設 治験運営委員会 独立 た統計解析 独立した統計解析センター タ 報告 治験データ 問い合わせ,追加資料要求 盲検解除されたデ タにアクセス可能な統計家 盲検解除されたデータにアクセス可能な統計家 報告 問い合わせ,追加資料要求 データモニタリング委員会 デ タモ タリング委員会 非盲検 勧告 Antonijevic et al. (2013): Therapeutic Innovation & Regulatory Science. In press. の図を改変 7 探索的な試験での依頼者内部での運用 盲検下 規制当局 治験依頼者 プ ジ ク プロジェクト・マネジメント,モニタリング ネジ タ グ データマネジメント・センター 試験統計家 治験参加施設 Internal Review Committee 盲検解除されたデ タにアクセス可能な統計家 盲検解除されたデータにアクセス可能な統計家 勧告 非盲検 Antonijevic et al. (2013): Therapeutic Innovation & Regulatory Science. In press. の図を改変 8 盲検解除されたデータへのアクセス DMC 統計家 個別症例のデータは見ない 有効性・安全性に関する解析結果 + SAE,中止症例一覧など DMC側の データ解析担当者 デ タ解析担当者 盲検解除されたデータへアクセスし データ解析を実施 個別症例の情報を見る 仮定の確認のために必須 ※何に基づいて意思決定したか明確 9 記録の保管 • 治験実施計画書への記載,総括報告書への記載, DMCの手順書(charter), etc. – 記録を残すことは重要 • DMCの議事録:以下のことがわかる記録を残すこと – どの資料に基づいて – どのような解釈・議論がなされ – どのように勧告することとしたか 会議の録音から事後的に会議録を起こすことは困難 議長が適切に当日の議論を整理する必要がある 10 統計的問題 「5. 中間解析に伴う統計的留意事項 中間データにおいては、治療効果が過大推定される可能性があり、その 程度は中間解析で対象とする被験者数やイベント数等、試験全体の情報 量に対する中間解析時点での情報量の大きさ(情報時間)に影響される。 DMCの統計家は、これら中間解析特有の統計的問題点を踏まえて、臨床 試験の計画時に統計解析計画(中間解析の実施時期、実施回数、統計解 析手法等)の妥当性について吟味し 治験依頼者に必要な勧告をすべき 析手法等)の妥当性について吟味し、治験依頼者に必要な勧告をすべき であり、また、DMCがより適切な意思決定ができるように、DMCに報告 される中間データの有効性及び安全性の解析結果やその提示方法を適切 に規定しておく必要がある に規定しておく必要がある。 • 中間データでは,試験が完了した時点で十分な精度で推測を 行うことができるように計画されているので 途中段階では計 行うことができるように計画されているので,途中段階では計 画よりも精度が低くばらつきが大きい可能性がある. – 情報時間 情報時間=元の計画に対する現時点での情報量 元の計画に対する現時点での情報量 11 統計的問題 • 中間データは計画よりも情報が少ないことに注意すべき – Ellenberg SS, Fleming TR, DeMets DL. (2003). Data Monitoring Committees in clinical trials. John Wiley & Sons. • 中間解析で中止した場合には,治療効果を過大推定すること がある – Jennison C, Turnbull BW. (1999). Group sequential Methods with Applications to clinical trials. CHAPMAM & HALL/CRC. • 森川敏彦 森川敏彦, 山中竹春. 山中竹春 (2012) 臨床試験における群逐次法理論と応用の 訳者補遺に詳しい解説があるので原著よりもこちらの方が分かりやすい – Lancet 2009;373:1607-14に対するコメント 2009;373:1607 14に対するコメント • Additionally, early stopping of randomised trials for no overt efficacy can be problematic and can lead to an overestimation of the difference between the treatment arms. arms 12 複数試験のデータモニタリング (外部情報の利用を含む) 「2.4 DMCの業務 試験の中間データの情報を持つDMCが外部情報を考慮して試験計画の変 更を勧告した場合に、第一種の過誤が増加する可能性や、当該試験と他 の試験との独立性が確保されないこと等により、試験結果の信頼性が損 なわれる可能性について、常に留意する必要がある。 • 外部デ 外部データによる変更は,第一種の過誤への影響は タによる変更は 第 種の過誤への影響は 無い. • 中間データの情報を持ち,計画されていない変更を 中間デ タ 情報を持ち 計 され な 変更を 行った場合には,外部データだけからの変更であると いうことを示す手段がない. う とを す手段がな 13 複数試験のデータモニタリング (外部情報の利用を含む) あるDMC ある • 事例 稀なSAE情報など 共有した方が良い 同一化合物の別試験のDMC 同 化合物 別試験 盲検を解除した後の 試験計画の変更は慎重に – HIV感染治療に対して HIV感染治療に対して、米国と英国で試験が行われていた 米国と英国で試験が行われていた – プラセボ群の不可解な変化について米国DMCが英国DMC 相談した へ相談した – 米国試験は継続され,不可解な変化は解消された Armitage P. Data and safety monitoring in the Delta trial. Controlled Clinical Trials 1999; 20:229 - 241. Saravolatz LD, Winslow DL, Collins G et al. Zidovudine alone or in combination with didanosine or zalcitabine in HIV-infected patients with the acquired immunodeAciency syndrome or fewer than 200 CD4 cells per cubic millimeter. New England Journal of Medicine 14 1996; 335:1099 - 1106. DMCと他の組織との関係 - 治験運営委員会 (Steering Committee) 「2.5 臨床試験に関連する他の組織との関係」より引用: 治験依頼者は必要に応じて、治験運営委員会(Steering Committee又は Clinical Trial Steering Committee)を設置することができる。この場合、 治験依頼者は、治験運営委員会を通じて 治験依頼者は、治験運営委員会を通じてDMCの勧告連絡を受け取ることに 勧告連絡を受け取る とに なる。治験運営委員会には、治験依頼者の代表者、治験責任医師、実施す る臨床試験には関与しない専門家等が参加することができる。 • 設置は「必要に応じて」 • 治験依頼者の代表者に加えて、外部 専門家も参加 能 専門家も参加可能 • 治験運営委員会の主な役割 – – – – * DMC及び治験実施チームの間に立つ DMC及び治験実施チ ムの間に立つ DMCから勧告内容を受け取る 勧告内容に基づき最終判断を行う 治験実施チームに最終判断を伝える 15 *[引用] The independent statistician for data monitoring committees, DeMets & Fleming, Statistics in Medicine, 2004 治験運営委員会 (Steering Committee) FDAのガイダンスでの説明: 3.2 治験運営委員会 Clinical Trial Steering Committees 治験運営委員会の設置を依頼者が行う場合がある。この委員会には,治験担当医師,実施する 臨床試験には関与しない専門家 そして通常 依頼者の代表者が参加する 依頼者が治験運営 臨床試験には関与しない専門家,そして通常,依頼者の代表者が参加する。依頼者が治験運営 委員会に,試験の計画,試験実施における質の維持,個々の毒性や有害事象のモニタリング, (多くの場合に)試験結果の公表物の執筆などの依頼者の主要な責任を委任することがある。 治験運営委員会が設置される場合,DMCからの情報伝達は直接依頼者に行われるのではなく, この委員会に対して行われる可能性がある。治験運営委員会とDMCの協議は,DMC会議の公開 審議で行われるのが基本であり,DMCの非公開審議の後にDMCの勧告が治験運営委員会に 伝えられる。早期中止が検討される場合や外部要因(関連する試験の結果公表など)が実施中の 試験に影響を与える場合には 協議の機会は増えるであろう 試験に影響を与える場合には,協議の機会は増えるであろう。 Guidance for Clinical Trial Sponsors, Establishment and Operation of Clinical Trial Data Monitoring Committees, FDA (2006) • 依頼者のかなりの責務を委任する – 依頼者単独で判断するには医療へのインパクトが大きい場合 – 依頼者の経営上の影響が大きすぎる場合 – DMCを用いた経験がない場合?迅速な対応の自信がない場合? 16 医療へのインパクトが大きく Steering Committeeを設置した事例 Nature Review Drug Discovery 10:163‐4 (2011) 悪玉コレステロールを下げるスタチンと, 善玉コレステロールを上げるCETP阻害剤の合剤 誰もが良い結果を期待していた. スタチン単独よりも合剤の方が,死亡率,心血管系イベント発生率ともに 上昇するという中間解析結果を得て,DMCが中止勧告。 これを受け取ったSteering Committeeは,即座に,試験中止のみならず 本合剤の開発の中止を決定し,その日のうちに,FDAへの報告 及び Press Releaseを公表した. 17 DMCと他の組織との関係 - 治験審査委員会(IRB) 「2.5 臨床試験に関連する他の組織との関係」より引用: IRBは主に 臨床試験の各実施施設において 当該施設の被験者の安全性の IRBは主に、臨床試験の各実施施設において、当該施設の被験者の安全性の 確保の適切性、及び臨床試験実施に関する科学的妥当性を審査する。 試験の特徴、DMC設置の理由やその目的によっては、臨床試験の計画や実施 体制の審査の一環として、DMCが設置されているか、設置されている場合は その役割等についてIRBが確認する場合がある。また、IRBは、DMCから治験 依頼者への勧告を踏まえて、臨床試験の実施の適切性について検討すること 依頼者 勧告 踏 臨床試験 実施 適切性 検討す がある。 • DMCを設置することによって倫理性を確保している場合. DMCを設置することによって倫理性を確保している場合 – DMCの機能についてもIRBが確認し,試験の倫理性を判断する. 18 DMCと他の組織との関係 - イベント評価(判定)委員会 「2.5 臨床試験に関連する他の組織との関係」より引用: イベント評価委員会は 治験責任医師から報告される重要なイベントが治験 イベント評価委員会は、治験責任医師から報告される重要なイベントが治験 実施計画書の基準を満たしているかについて、通常、盲検下で評価し、 イベント評価の一貫性と客観性を確保することにより、臨床試験の科学的 妥当性を確保する上での重要な役割を担う。… イベントの判定の妥当性を 検討するために設置されることがあるが、臨床試験のデータのデータモニタ リング業務をDMCと分担することはない。 業務 担す • イベント評価委員会 – 個別症例のイベントを盲検下で評価 個別症例のイベントを盲検下で評価、試験を通じてイベント評価の一貫性と 試験を通じてイベント評価の一貫性と 客観性を確保する • イベント評価委員会とDMCの役割は異なっており、イベント評価委 評 委員会 役割 異 、 評 委 員がデータモニタリング業務を分担することはない – 兼任について • 割付を知ってしまう以上,兼任は困難 割 を知 兼任 19 DMC 会議の開催(1) 会議 開催( ) 「3.3.2 会議の開催」より引用: DMCを非公開で開催することにより中間デ タの機密性を保持することは DMCを非公開で開催することにより中間データの機密性を保持することは、 以後の試験におけるバイアスを最小化するために重要であるが、その一方で 試験の実施体制の適切性の確認や、外部データの共有のためには、治験依頼 者又はその他の治験関係者とDMCが情報交換することが有用な場合もある。 そのため、多くのDMC会議は、以下に示すとおり、公開審議(Open session) と非公開審議(Closed 非公開審議( session)の2部から構成される。一般的に、公開審議、 ) 部 構成 れ 般的 公開審議 非公開審議の順で会議が開催された上で、治験依頼者に対してDMCの勧告が なされる。 • 審議の形態:制限ではない. – 公開審議をやらなくてはならないというものではない. • 非公開審議で共有される機密情報の適切な管理 – 保存方法 – 音声が漏れる – 表情から分かる 事前の準備 20 DMC 会議の開催(2) 会議 開催( ) • 公開審議 – 参加者:DMC委員、治験依頼者の代表者、治験運営委員会(設置さ れている場合)、治験関係者等 – 検討・共有される内容: 検討 共有される内容 試験の進捗状況、試験実施上の問題(例:プロトコールの遵守状 況) 安全性上の問題(割付情報を含まない安全性データ 況)、安全性上の問題(割付情報を含まない安全性デ タ、個別症 個別症 例の経過等)、外部情報… • 非公開審議 – 参加者 参加者:DMC委員、中間解析を担当する統計家、DMC事務局 委員、中間解析を担当する統計家、 事務局 – 検討・共有される内容: 盲検解除されたデータ、中間解析結果及び勧告内容 21 DMC 会議の開催(3) DM C 委員 治験依頼者 統計解析センター DM C 事務局 Open session開始 会議開催要件 の確認 公開 審議 審議資料の提供 DMC会議の流れ(例) Open session議事録 Closed session審議項目の確認 非公開 審議 Closed session開始 Closed session開始 Closed session審議 Closed session審議 Closed session議事録の Closed session 議事録 Closed session議事録の 固定及び封印 DMC勧告書の作成 DMC勧告書 審議資料の封印 Open p session開始 開始 DMC 勧告 “製薬協・日本CRO協会共同のガイダンス 「中間解析実施とデータ・モニタリング委員会 運営のためのガイダンス」 (2012年6月) (2012年6月)”より http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/monitoring.html DMC勧告書の提示 DMC会議の終了 22 まとめ Part 2での主張 • • DMCは治験運営者とは異なる観点から試験の状態をチェックする組織であり,独立する必要 は無い 検証試験では“integrityを確保できている”というために独立させた方が良い • 独立性とは • 独立性は以下方法で確認する – – – – • • • 方法として:酷いCOIを持たない外部の専門家を任命する 結果として:議論の論理を記録し,確認する 計画された有効性・安全性の解析 SAE,中止に至った有害事象などの一覧 治験は計画された全ての情報を用いることが前提で計画されている,試験途中では,計画さ れた精度は無いかもしれないことに注意せよ 精度 無 な 意 外部情報に基づく試験計画の変更はバイアスを生じさせない – • • • ある 定の方向の結果を欲せず DMC委員以外の役割を持たないこと ある一定の方向の結果を欲せず, DMC は全症例 覧を DMCでは全症例一覧を用いた議論を行わない→解析担当者とDMC統計家を分ける根拠 た議論を行わな 解析担当者とDMC統計家を分ける根拠 – – • 盲検解除前後の結果を比較するなど別の方法も提案されているが,現実には上手く機能しないだろう 中間解析が実行された後で,DMCが変更を勧告することは極めて困難 Steering committee committee:試験の運営を任された組織.依頼者とは独立でない 試験の運営を任された組織.依頼者とは独立でない イベント判定委員会:盲検下で応答変数を評価する組織. IRB:DMCを設置することによって倫理性を確保しているなら,その機能について確認するこ とがある. DMCの開催方法 – 公開審議は依頼者とともに,非公開審議は依頼者は別に 24 事前にお送りいただいた質問に対する回答 1 “独立な”DMCが必要なのは,どんな場合? 事前にいただいた質問 DMCの厳格さに関して、委員の独立性が求められるシチュエーショ ンをご教示ください。一般的なDMCについて、必ず独立性が求めら れる試験、独立性が必ずしも求められない試験を明確にしたく、質 問させていただきました。 2 独立性はなぜ重要か? • DMCが客観的な判断を行えるため が客観的な判断を行えるため – 不適切な影響力に曝されていないことを保証するため (それを第三者にわかりやすい形で示すため) – 「独立なDMC は臨床試験を守ってくれるが、それは結果や結論 は臨床試験を守 てくれるが それは結果や結論 に手を加えようとする(悪意のある)企てから守ってくれるのでは なく、人間の本性から守ってくれるのである」 (Ellenberg, 2001) →無意識的な影響も排除 無意識 な 響 排除 • 試験実施の現場へのバイアス混入の可能性を最小化す るため – 中間データで明らかになった傾向を知ってしまったら,被験者の 選択,被験者 組 入 ,治療を続け 選択,被験者の組み入れ,治療を続けることの被験者への励ま 被験者 励 し,医師の評価(個別症例),安全性報告etc. – DMC前後で反応性が異なる,患者集団が異なるなどの形で顕在 化すると中間解析の信頼性 試験全体の信頼性が損なわれる 化すると中間解析の信頼性,試験全体の信頼性が損なわれる 可能性がある 3 委員の独立性 • 検証試験では独立させておいた方が,integrityの観 点から良い • 有効性の存在の証明以外の試験ではintegrityを保た ないモチベーションが製薬企業には無い – 模擬試験でカンニング→実力不足で本番不合格 • そうはいってもバイアスの入り得る状態の試験結果に 基づいた判断によって検証試験を行って失敗すると いうことは製薬企業だけでなく,いろいろな人が迷惑 する – “馬鹿な真似はやめなさい”→親心 – “大丈夫です.お父さん”→子供の心 どのような試験で,独立性が高いDMCが必要か? • 二重盲検比較試験 重盲検比較試験 – 特に,審査において有効性評価や安全性評価の重要な拠り所となる 検証的試験にDMCを設置する場合 – 探索的な試験では,独立性を緩めることはありうる 探索的な試験 は 独立性を緩める とはありうる • 中間解析結果に基づき,試験の中止やデザイン変更を行うこ とが計画されている検証的試験(群逐次デザイン 症例数再 とが計画されている検証的試験(群逐次デザイン,症例数再 推定等) – 中間で群間比較を行うことについて統計的な配慮がなされている試験 と言い換えることもできる。この観点は,安全性のみを検討対象とした DMCには,通常あてはまらない。 これら以外の試験では,独立性を緩めることが試験結果の 信頼性にどのようなリスクをもたらすかをCase-by-caseで 考えるしかない ポジティブ リストやネガティブ リストを 考えるしかない。ポジティブ・リストやネガティブ・リストを 期待すべきでない。よく考えましょう。 5 独立したDMCを置いた場合のジレンマ 事前にいただいた質問 ガイドラインの「3.3.3 勧告」に「…原則として詳細な試験結果に ついては伝達しない。」「なお、DMC勧告を受けて試験の中止、計 画の変更等を決定する責任は治験依頼者にあるが、…」とありま すが、治験依頼者は、詳細な試験結果について伝達されないまま、 試験の中止等の判断をしなければならないのでし うか 試験の中止等の判断をしなければならないのでしょうか。 DMCの勧告は,決定的に重要な意味をもつ情報に基づいた客 DMCの勧告は 決定的に重要な意味をもつ情報に基づいた客 観的なものである(通常は決定的な証拠を突きつけての勧告と なる)ので,詳細を知ったところであまり意味はないかもしれま せん。 しかし,万一の中止が経営上の大きな損失であるような場合に, 経営層を含めたSteering Committeeを設置するのです。 6 中間解析結果の伝達 • DMCの選択 – 信頼できるDMCメンバーを選択することが重要 • 伝達内容 – 中止以外の情報の伝達 • デ データ固定前に有効中止か無効中止を伝達することによって生じ タ固定前に有効中止か無効中止を伝達することによって生じ る影響を考慮する必要がある • 判断に影響を与える場合は,困難 1つのCROはどこまで受託できる? 事前にいただいた質問 盲検解除を含む中間解析と最終解析を同じCROでの受託はど のような条件が満たされれば可能なのでしょう?同じCROへの 丸投げ案件と,DMC運営を併せて受託するような場合を想定し ています。 8 独立性や機密性と絡んで興味深い話題です • CROはスポンサーからは独立している CROはスポンサ からは独立している • 試験から得るメリットがスポンサーとCROでは異なる – 試験結果を「良い結果」に導くような“手心”を加えるメリットがない(ア ライアンス・パートナーモデルのように,CROが特定のスポンサーから の受託業務に経営上強く依存している場合は別かも知れないが)。 それよりは,不適切な行為が発覚したときの企業としての信頼の失墜 の方が怖い。 【シンポジウム後の追記】 • 「試験の途中中止によって受託業務の費用が少なくなる」こと が“悪い企て”の動機(「中止してほしくない」)になるという危惧 →DMC委員が独立していることが,防止策の要か。おかしな行動を取って DMC委員が独立していることが 防止策の要か おかしな行動を取 て いないことを,事後的にいかに説明できるかを念頭に,手順などを設計し, 記録を整備することが重要 9 CROの受託について • CROで試験の実務(モニタリング,データマネジメント)と解析センター, DMCの事務局まで一手に引き受けることが可能かは,情報の“ファイアー ウォール”が適切に機能するかにかかっている – システム的なファイア システム的なファイアーウォール(アクセス制限 ウォ ル(アクセス制限,アクセスの履歴など) アクセスの履歴など) – 隔離された場所や遠隔地などの物理的・地理的なファイアーウォール (東京事業所vs.大阪事業所,個室が与えられたオフィス,在宅勤務な ど) – 組織のファイアーウォール(別の部署,管理者が別,関連する文書の承 認者 別な ) 認者が別など) • システム以外の,人が運用でカバーする部分,つまり情報の伝達計画 (Dissemination plan, communication plan)の順守には,教育と記録が重要 • 治験依頼者は依頼する前に – どのような業務を委託するのか? – その業務を遂行するにあたり十分な体制が整備されているのかを確認 すべき 10 依頼者のUnblinded Statistician 事前にいただいた質問 中間解析作業を実際に担う統計家は、治験依頼者がなることは 可能でしょうか。 • DMCの独立性や,中間データの機密性を高めた実施モデル では,第三者(CRO, は 第 者(CRO ARO等)に任せるべき • DMCを独立させる意味がなくなる • 独立していないDMCなら依頼者が解析することは可能 ,解析 容を試験実施 知り 夫 • ただし,解析内容を試験実施チームが知りえない工夫は 必要 11 非盲検試験でのDMCの独立性はどう考える? 事前にいただいた質問 オープンラベルの検証を目的とした比較試験では、独立性の担 保が必要でしょうか? 例えば、癌領域でのオープンラベルPIII比較試験において、治験実施者側で 例えば 癌領域 のオ プ ラベルPIII比較試験にお 治験実施者側 中間解析を実施し、独立していないDMCに助言を求めるような体制で実施して 良いかご教示ください。 オープンラベルの比較試験において独立DMCを設置した場合, 独立性の担保のために外部に解析を依頼する必要性があるか? 依頼者がDMCに用いる中間データや中間解析の報告を閲覧でき ない体制であれば、独立性が担保できるとみなして良いか。また、 バイアスが生じないとみなして良いか。 依頼者がDMCに使用される中間データを閲覧できないとしても、CRFあるいは電子化さ れたデータ(CDMS又はEDC)は閲覧できる状態にある。もしバイアスが生じると判断され ( 又 ) 閲覧 状態 。も 判断 た場合に、どのような方法・手段を講じれば良いか。主要評価項目を独立評価機関で 判定すれば、回避する一つの方法と考えて良いか。 12 非盲検試験でのDMCの独立性 • DMCを独立させることの意味 – Integrityの確保 • 非盲検試験の証拠能力 – 非盲検試験でも有効性を検証し得ると判断されているはず • 責任医師を盲検:施設内に割付を知っている人がいるが 責任医師を盲検:施設内に割付を知 ている人がいるが • 判定を盲検:依頼者は割付を知っているが – “非盲検だから何をやっても証拠能力は同じ”ではない 非盲検だから何をやっても証拠能力は同じ ではない – 可能な限りの手を打つ • 独立させる 非盲検試験でのDMCの独立性 • 非 非盲検試験では「割付け情報の機密性」に関する問題はない 験 • しかし,中間データで明らかになった試験全体の傾向を知るこ とによるバイアスの危惧はある – 個別症例のデータではなく,群間比較に基づいて明らかになった傾向 個別症例のデ タ はなく 群間比較に基づ 明らかにな た傾向 – これはDMCを設置しない場合にも配慮されるべきこと • DMCの判断の客観性をどれだけ追求すべきかによる – 検証的試験でDMCを設置するなら独立性に配慮すべき – 客観的な判断が不要なら,そもそもDMCが不要 • 中間解析の実施を外部に委託することは必ずしも必要でない が 情報管理に注意してDissemination Planは持っておくべき が,情報管理に注意してDissemination Planは持っておくべき。 • 評価判定委員会の利用は,非盲検試験の場合は評価バイア ス の対処なので,中間解析に起因するバイアスとは別の話。 スへの対処なので,中間解析に起因するバイアスとは別の話。 14 安全性モニタリングで有効性? 事前にいただいた質問 「2.4 DMC業務」の分類である「安全性モニタリング」において、有 効性が主要評価項目である試験で、ベネフィットリスクの観点から 有効性の成績もDMCの検討に含まれる場合が明記されているが、 中間解析に基づく「バイアスの混入」や「統計的留意事項」の観点 から 主要評価項目の最終解析に影響しないと考えて良いか から、主要評価項目の最終解析に影響しないと考えて良いか。 事前に、DSMBにおいて有効性データの解析を計画していないの に DSMBのメンバーより有効性データの解析を要望された場合 に、DSMBのメンバ より有効性デ タの解析を要望された場合、 実施して問題ないか? 15 計画されていない有効性評価??? 2.4 DMC の業務 ・安全性モニタリング …。ときに安全性の成績に加えて有効性の成績も踏まえて被験治療 のベネフィットリスクバランスが検討され 以後の試験継続の可否 のベネフィットリスクバランスが検討され、以後の試験継続の可否 が判断されることもある。また、有害事象のリスクを軽減するため に、組み入れ基準の変更、追加のスクリーニング手法の導入等、治 験実施計画書の変更を伴う継続を勧告することもある。 験実施計画書の変更を伴う継続を勧告することもある この記載は,有効性の中間解析も事前に規定されている場合 の記載。最後の文章が示しているのは,まさにAdaptive Design。 計画されていない有効性解析(群間の比較)は推奨されない。 治験実施計 書 改定 関連する文書 改定などかな 大掛 治験実施計画書の改定,関連する文書の改定などかなり大掛 かりなことになる。 16 「安全性モニタリング」のためのデータ固定? 事前にいただいた質問 「3.2 中間データの取扱」に明記されていないが、「2.4 DMC業務」 の分類である「安全性モニタリング」において使用されるデータは、 特に固定された(SDV+データクリーニング+コーディング+署名が すべて完了)データに限定されていないと考えて良いか。 本日の製薬協の補足説明(Part 1)で解説済み。 DMCの判断に必要な重要な情報は,常日頃から可能な限り早く 固定させる き。たとえ,デ タに誤りがあったとしてもDMCの 固定させるべき。たとえ,データに誤りがあったとしてもDMCの 判断を変更する必要がないデータが高品質なデータである。 17 中間解析に用いるデータの質 • 情報の影響を検討すべき 情報の影響を検討す き – 影響があるかつ間違えている確率が無視できない • SDV, 責任医師の署名など必要に応じた対策を講じる – 影響がないもしくは間違えている確率が小さい • 見逃しのリスク – 可能なら逐次迅速なクリーニングを実施する – それが不可能なら,カットオフ日を設定しバッチ処理 中間解析の事前規定 事前にいただいた質問 ガイドラインの「2.4 DMCの業務」に「なお、中間解析の実施は、試 験計画において事前に規定されるべきである。」とありますが、実 施する旨の記載のみでよいのでしょうか。中間解析の詳細につい ては規定する必要はありませんでしょうか。 中間解析は事前規定し,計画された枠組みで実施する方法が 世界で受け入れられている。 世界で受け入れられている 一般には,「治験実施計画書」には中間解析の概要を記し,中 間解析の詳細は「中間解析計画書」等を別途用意する。 プロトコールへの記載 • サンプルサイズ設計,中間解析の方法論,中間解析 サンプルサイズ設計 中間解析の方法論 中間解析 の時期など 19 IRB 事前にいただいた質問 ガイドラインの「2.5 臨床試験に関連する他の組織との関係」に 「DMCが設置されているか、設置されている場合はその役割等に ついてIRBが確認する場合がある。」とありますが、初回IRB等で DMCの設置・役割等について審議するということでしょうか。 IRBは、被験者のリスクが最小化されているか、被験者のリスク が ネフィットを考慮して合理的であるかを見極めるために、試 がベネフィットを考慮して合理的であるかを見極めるために、試 験を評価する責任を担っている。 このような視点から,DMCや中間解析によって,被験者のリスク が がいかに最小化されるのかをIRBが「確認」することは重要。 が「確 20 解析プログラムの検証 事前にいただいた質問 依頼者側でプログラムの作成や確認を行い、外部(CRO等)にプ ログラムの実行と結果の報告書の提出、DSMBにおけるClosed Sessionへの参加をお願いする場合、DSMBに提出するtableやlist を作成するためのプログラムの作成や確認を行うために、完全な ものでなければ実デ タを依頼者側でテストデ タとして 用い ものでなければ実データを依頼者側でテストデータとして、用い ても良いか? 本物の割付け情報を使わなければ問題ない。 21