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中国ビジネスニュース第32号

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中国ビジネスニュース第32号
2015 年 2 月(第 32 号)
中国ビジネスニュース
編集:香川県上海ビジネスサポーター
川田真理子
今月の注目トピックス
■ 変化する中国人観光客の買い物需要
年末年始から、来る春節(旧正月)の大型連休(今年は2月 18 日~24 日)に向けて「円安の影響で外国人旅行
客による日本での買い物が増えている」というニュースで賑わっています。全国百貨店の 2014 年売上高のうち、訪
日外国人向けの免税売り上げが前年比 1.9 倍に増加したそうです。その代表的存在が中国人観光客といえるでし
ょう。2014 年 11 月の訪日中国人観光客数は、前年同期比 103.6%の増加で、他国観光客を圧倒しています。また、
2014 年7月~9月期で見ると、中国人観光客1人当たりの平均消費額が 23 万 6353 円と、前年同期比 18.7%の伸
びを見せ、2013 年 10 月以降増え続けています。そして、2月には春節連休を控え、訪日中国人観光客の更なる増
加が見込まれています。
日本を訪れる中国人観光客の最大の目的は買い物です。炊飯器などの家電製品、デジタルカメラ、腕時計やブ
ランドバックなどが長年の人気商品でした。しかし、その傾向に変化が見られてきています。2014 年 10 月に免税
制度が改正され、食品や化粧品、酒類も免税対象となったことに後押しされて、最近はドラッグストアなどで大量に
生活用品を購入する観光客が増加しており、それぞれの店舗が対応に追われています。
買い物傾向の変化としては、まず『消費トレンドの現地化』が挙げられます。新年の初売りでは各デパートなどで
「福袋」が並びますが、これが中国人観光客の中でも知られるようになり、ネット上でも攻略法が紹介されるように
なりました。今年は「中国人が福袋を買占め!!」というニュースが流れたことをご存知の方も多いでしょう。このように
日本独自のイベント・習慣を中国人観光客が受け入れて「現地化」しているといえます。
次に挙げられるのは『消費理念の個別化』です。例えば「日本土産の定番といえば炊飯器」いうような固定観念
が薄まり、高級ブランドを求める人、日本の独特な雑貨を求める人、おやつや調味料をまとめて購入する人など、
それぞれが個性を求めて自分の好きなものを手に入れようとしているようです。
最後に挙げられるのは『購入方法の多様化・分散化』です。これまで免税店や大型デパートが主な購入先でした
が、それがドラッグストアや地元の商店街にまで広がってきています。スマートフォンが普及などにより日本と中国
との間に情報ギャップがさらに少なくなった現在では、日本観光のゴールデンルートと呼ばれる東京や大阪といっ
た大都市よりも、地方への旅行を好む個人旅行客も増えてきており、多様化と分散化の傾向は今後も続くとみら
れています。
このように購買力の高い中国人観光客が、これまで以上に日本全国津々浦々を訪れて、その土地で消費しても
らえるようにするには、受け入れる側もそれに応じた対応が必要です。中国語の看板を作る、中国語人材を置く、
世界一の発行枚数を誇る中国版デビットカード『銀聯カード』対応のカードリーダーを設置する、免税対応ができる
店舗を増やす、というような対応が早急に求められるでしょう
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2015 年 2 月(第 32 号)
政策・経済トピックス
【新政策動向】
■レアアース 輸出枠撤廃
2015 年の輸出分からレアアース(希土類)の輸出枠が撤廃される。2014 年 12 月 31 日に商務部、税関総署が公
布した「2015 年輸出許可証管理貨物目録」により明らかになった。中国のレアアースの輸出制限を巡る世界貿易
機関(WTO)の紛争裁定で、14 年8月に中国側の「敗訴」が確定したことを受けた措置。
■加工貿易禁止リスト 公布
商務部と税関総署は新規の「加工貿易禁止類商品リスト」を公布した。1月1日より施行が始まっている。調整後
の加工貿易禁止類商品は 1871 品目。
■新産業育成 基金創設
国務院は「中央財政科技計画(特定項目、基金等)管理改革の深化に関する方案」を公布した。新産業やベンチャ
ー企業の育成のため 400 億元(約 7600 億円)の基金を創設する。政府が資金を拠出する以外に、金融機関や民
間企業からも出資を募る。
■外資関連3法を統合 パブリックコメント募集
商務部は「外国投資法(意見募集案)」を発表した。「中外合弁経営企業法」、「外資企業法」、「中外合作経営企業
法」の3法を一本化する。内国民待遇とネガティブリストによる管理モデルを実施し、「限定的許可+全面報告」に基
づく外資参入管理制度にする。ネガティブリスト内の外資の投資は、外資系企業参入許可証の申請が必要。ネガ
ティブリスト内外にかかわらず、報告義務を履行する必要がある。パブリックコメント募集は 2015 年2月 17 日まで。
■上海自由貿易試験区 オンラインデータ処理等の外資持分比率自由化
工業情報化部は「中国(上海)自由貿易試験区でのオンラインデータ処理及び取引処理業務(経営類電子商取
引)の外資持分比率規制自由化に関する通告」を発表した。同区におけるオンラインデータ処理と取引処理業務
の外資持分比率を 100%まで引き上げる事が可能になった。
■サービスアウトソーシング産業 発展へ
国務院は「サービスアウトソーシング産業発展加速化の促進に関する意見」を公布した。ソフトウエア、設計、医
療、エネルギー、教育、交通物流、ヘルスケア等の分野におけるサービスアウトソーシングの発展に力を入れる。
国際的なサービスアウトソーシングの増値税ゼロ税率及び免税政策を実施し、同業務に従事する外国籍の一部
管理者及び技術者に出入国の利便性をはかる。
【経済・産業】
■家電の美的 通販と提携強化
中国家電大手の美的集団は、中国インターネット通販2位の京東集団との提携を強化する。2015 年に 100 億元
(約 1900 億円)の提携効果を見込み、省エネに貢献するスマートハウス分野や販路の拡大で連携を強める。
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2015 年 2 月(第 32 号)
■吉利 英に工場建設
中国の民営自動車大手「浙江吉利控股集団」は英国に工場を建設する。「ロンドンタクシー」の新型モデルを生産
する。吉利は 2013 年2月にロンドンタクシーの製造会社を持つ英マンガニーズ・ブロンズ・ホールディングス(MB
H)を 1104 万ポンド(約 20 億円)で買収し、14 年2月には英電気自動車(EV)ベンチャーのエメラルド・オートモー
ティブも傘下に収めている。
■中国製造業景況感 3カ月連続低下
中国国家統計局と中国物流購入連合会によると、2014 年 12 月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比
0.2 ポイント低下の 50.1 となった。3カ月連続で前月の水準を下回った。
■新車販売 世界首位
中国汽車工業協会によると、2014 年の新車販売台数は 13 年比 6.9%増の 2349 万台だった。6年連続で世界首
位。メーカー別では独フォルクスワーゲンが2年連続の首位となった。トヨタ自動車は2桁の増加率を示したが、日
産自動車やホンダは伸び悩んだ。
■貿易額 3.4%増
中国税関総署によると、2014 年の貿易統計は、輸出と輸入を合わせた貿易総額が4兆 3030 億ドル(約 507 兆円)
で、前年比 3.4%増となった。中国政府の 14 年通年の目標である 7.5%増には届かなかった。中国と日本の貿易
額は 3124 億ドルで、2013 年からほぼ横ばい。
■アリババ 違法製品の輸出防止措置で米国と合意
中国の電子商取引大手「阿里巴巴集団」(アリババ)は、違法な製品やリコール対象製品の米国への輸出を防ぐ
措置について、米消費者製品安全委員会(CPSC:Consumer Product Safety Commission)と合意した。アリババ
は CPSC の要請に応じて速やかに対策を講じ、米国のバイヤーがアリババの電子商取引プラットフォーム上で対
象製品にアクセスできないようにする。違法性や危険性のある製品が、無防備な消費者の手元に届くことがない
ようにする。
■映画興行収入 36%増
中国の 2014 年の映画興行収入は前年比 36%増の 296 億 3900 万元(約 5720 億円)となった。中国国家新聞出
版ラジオ映画テレビ総局によると、14 年に中国で映画館に足を運んだ人は延べ8億 3000 万人。14 年に 1015 の
映画館、5397 のスクリーンが新設された。
■ネット中古車取引 160 万台に
中国の市場調査会社「易観智庫」の「中国中古車電子商取引発展研究報告 2015」によると、2014 年に中国でイン
ターネット取引された中古車は 60 万 5200 台、取引金額は 340 億 3000 万元(約 6465 億円)に達した。新車市場
の伸びが縮小する一方で、今後は中古車市場が拡大すると予想している。
■GDP 7.4%成長
国家統計局によると、2014 年の実質国内総生産(GDP)成長率は 7.4%と、24 年ぶりの低水準に減速した。習近
平指導部は成長ペースを徐々に緩め、構造改革を通じて7%前後の安定成長の維持をめざす。中国の 14 年のG
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2015 年 2 月(第 32 号)
DPは名目で 63 兆元(約 1200 兆円)を超え、世界2位。
■CITICにインサイダー疑惑
中国最大の証券会社「中信証券」の株主が、中信証券の親会社「中国中信集団」(CITIC)のインサイダー取引疑
惑を立証するための証拠を中国証券監督管理委員会(証監会)に求めている。証監会が一部証券会社に対する
処分を決定したことをきっかけに株価が急落したが、その数日前にCITICが処分の対象となった中信証券の株式
を売却していたため。
■大連万達集団 スペイン名門サッカークラブに出資
中国の商業不動産大手「大連万達集団」(ワンダ・グループ)は、スペインの名門サッカークラブ「アトレチコ・マドリ
ード」に 4500 万ユーロ(約 61 億円)を出資、株式の 20%を取得した。世界的に知名度を上げると共に、中国のサッ
カー好き青少年を同クラブに送り込み、中国サッカーのレベルアップを目指す。中国企業が欧州のトップクラブの
大株主になるのは初めて。
■ブランド品購入 海外から取り寄せ消費額1兆円
米コンサルティング大手「ベイン・アンド・カンパニー」によると、中国で海外の知人や業者からインターネット経由な
どで取り寄せるの「代購」によるブランド品消費額が、2014 年で 550 億~750 億元(約1兆 450 億~約1兆 4250 億
円)に達した見込み。中国国内の店舗での消費額は昨年、13 年比1%減の 1150 億元(約2兆 2000 億円)と初め
て減少した。海外旅行先での購入を加えるとブランド品消費額は9%増の 3800 億元だった。
■中国藍星集団 ノルウエー・REC社の太陽光パネル事業を買収
中国の化学メーカーで「中国藍星集団」は3月初旬にノルウェー「リニューアブルエナジーコーポレーション」(RE
C)の太陽光パネル事業を買収する。傘下のシリコンメーカー「エルケム」にRECの太陽光パネル事業を合併し、
太陽光パネルの生産・販売を強化する。
■春秋航空 上海に上場
中国の民営航空会社「春秋航空」は、上海証券取引所で新規株式公開(IPO)した。発行価格より2割高い初値を
つけ、制限値幅上限の 44%高で取引を終えた。資金調達額は約 18 億元(約 350 億円)。調達資金で欧エアバス
の中型旅客機「A320」を最大9機購入するほか、パイロット養成のためのシミュレーション設備の導入などにあて
る。
■人民元 決済通貨で5位
金融機関間の通信網を運営するスイフト(国際銀行間通信協会)によると、2014 年 12 月の世界の資金決済に占
める人民元建てのシェアが 2.17%となり、カナダドル、オーストラリアドルを抜いて5位に浮上した。米ドル
(44.64%)やユーロ(28.3%)、英ポンド(7.92%)との差は大きいが、4位の日本円(2.69%)に迫っている。
■中国人観光客向けテンセントの決済サービス ウィ・ジャパン
中国のIT大手騰訊控股(テンセント)のサービスを日本で提供するウィ・ジャパンは、日本の小売りと提携して中国
人観光客向け決済サービスの提供を始める。スマートフォン(スマホ)のアプリを使った決済方法で、中国からの
観光客が日本でも気軽に買い物ができるようにする。3月以降、東京都内から導入していく。
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2015 年 2 月(第 32 号)
■上海市 昨年成長率7%
上海市統計局によると、同市の 2014 年の実質域内総生産(GDP)が、前年比7%増の2兆 3560 億元(約 44 兆7
千億円)だった。前年比の伸びは全国(7.4%)を下回った。13 年は 7.7%増。
【日系・外資企業動向】
■藤倉ゴム工業 第2工場増設
藤倉ゴム工業は、浙江省安吉経済開発区にある子会社の「安吉藤倉橡膠」に第2工場を増設する。産業用資材
の増加が見込まれることから、第2工場を増設し、設備を配備する。
■日本電気硝子 板ガラスの加工会社設立
日本電気硝子は 100%出資の「電気硝子(南京)」を設立する。南京経済技術開発区と薄型パネルディスプレイ
(FPD)用板ガラスの加工と販売事業に関する投資建設協議書を締結した。中国での FPD 用板ガラスの需要拡大
に対応するために、2015 年後半には厦門市で溶融・成形事業で電気硝子(厦門)を立ち上げ、溶融からの一貫
生産体制を構築する。
■山九 自動車部品物流・国際物流業務を強化
山九の中国現地法人「大連山九国際物流」は、吉林省長春市に長春支店を開設した。長春地区と吉林省全域の
客先営業や集荷活動を行う。また、大連港への良好なアクセスを利用し、他拠点とのネットワークを活かした国際
物流業務を強化していく。支店事務所は自動車部品と化成品の物流業務を行う大連山九長春倉庫内に構え、同
倉庫の運営業務も行う。
■山九 合肥物流センター開設
山九の中国の現地法人「江蘇山九物流」が、合肥市に物流センターを開設した。倉庫面積は 6500 ㎡で、他社倉
庫の一部を賃借して営業する。既存客先取扱貨物量が増加傾向にあり、倉庫スペースの拡張性確保のため開
設した。
■TDK 中国生産の車載部品の一部を国内移管
TDKは中国で生産している部品の一部を国内生産に移す。人件費の高騰といった中国リスクを低減するとともに
自動化を進めて品質の安定と効率化を図り、部品の競争力向上につなげる。
■ホンダ 新車販売過去最高
ホンダは 2014 年の中国での新車販売台数が 13 年比 4.1%増の 78 万 8276 台と過去最高になった。14 年 11 月
まで5カ月連続で前年割れしていたが、12 月に通常月の2倍以上を販売し、前年比プラスを確保した。ホンダの
14 年 12 月の販売は前年同月比 40.1%増の 14 万 2157 台。
■日産の新車販売 伸び率が大幅縮小
日産自動車の 2014 年の中国における新車販売台数が 13 年実績比 0.5%増の 122 万 1600 台だった。2年連続
でプラスを確保したものの、前年比 17%増の 13 年に比較すると伸び率が大幅に縮小した。2014 年 12 月の実績
は前年同月比 9.1%減の 12 万 1900 台、6カ月連続で前年割れした。
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2015 年 2 月(第 32 号)
■トヨタの中国新車販売台数 5カ月連続増加
トヨタの 12 月の中国新車販売台数は前年同月比 15.3%増の 12 万 5000 台と5カ月連続で増加。14 年累計は 13
年比 12.5%増の 103 万 2400 台となった。
■ホンダ 合弁2社から“兄弟車”拡大
ホンダが中国の合弁会社2社からほぼ同時に同一車種をベースにした“兄弟車”2車を発売する新車戦略をスタ
ートした。人気車の偏りをなくすとともに、共通部品の利用でコストを引き下げるのが狙い。
■武田 新薬販売拡大
武田薬品工業は中国などで新薬ビジネスへシフトを進める。中国では悪性リンパ腫治療薬や逆流性食道炎治療
剤などを 2016 年から 18 年にかけて順次投入する。更に中国現地法人の医薬情報担当者(MR)を 17 年度末に
2000 人と、13 年度末比7割近く増やす。
■NTTデータ 中国の営業・開発要員を集約
NTTデータは中国での現地企業向けシステム構築事業を強化する。複数の現地子会社に分散していた営業・開
発要員を段階的に集約する。日本企業からのソフト開発受託が中心だった事業モデルからの転換を目指す。
■明治HD アイス新工場稼働
明治ホールディングス(HD)は広東省でアイスクリームの新工場を稼働した。100%子会社が約 36 億円を投じ
た。生産品目を増やすほか、上海市や北京市など大都市圏への販売も始める。
■スキャンウェルロジスティクス 貿易支援サービス
国際物流会社のスキャンウェルロジスティクスは、中国販売へ向けた貿易支援サービス「MADE IN JAPAN を中
国市場へ」を提供開始した。中国向けの貿易を包括的にサポートする。現地法人の設立を予定していない企業で
も中国での販売が可能。
■小林製薬 芳香消臭剤を国内生産に
小林製薬は中国で生産する芳香消臭剤の一部を国内生産に切り替える。円安が加速する中、原材料調達や輸
送のコストを考慮した結果、日本で生産した方がメリットが大きいと判断した。今春に発売する新製品はすべて日
本で生産する。
■明治 広州でアイスクリーム生産開始
明治のアイスクリーム事業子会社の広州市工場が完成し、生産が始まった。今月下旬から華南地域を中心にア
イス商品を販売する。中国ではアイス市場が年2ケタ近い伸びを示しており、現地工場で対応する。2020 年に年
間売上高約 100 億円を目指す。
■パナソニック デジカメ生産再編
パナソニックは5月末までに福島工場のデジタルカメラ組み立て生産を廈門工場と山形工場に移管する。生産拠
点を国内外の各1拠点に集約し、効率化を図る。福島工場の従業員 320 人の大半は配置転換し、新規事業の野
菜栽培を継続しながら活用方法を検討する。
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2015 年 2 月(第 32 号)
■ソフトバンク タクシー配車会社に出資
ソフトバンクは中国でスマートフォン(スマホ)を使ったタクシー配車サービスを手掛ける「トラヴィス社」に出資し
た。トラヴィスは中国の電子商取引最大手「アリババ集団」が筆頭株主で、アリババにはソフトバンクが約3割出
資している。ソフトバンクはアリババや既存株主の投資会社とともに総額 700 億円程度の増資を引き受けた。
■日本郵便 中国人宿泊先に宅配サービス
日本郵便の子会社「郵便局物販サービス」(TS)は、ウィ・ジャパン(WJ)と連携して、上海携程国際旅行社(Ctri
p)が提供する全世界の旅行者向けプラットフォーム「全球購」に Made in Japan 商品を提供する。訪日中国人に
日本土産を宅配する。中国人旅行者がインターネットであらかじめ購入した日本の土産物を日本郵便が宿泊先
ホテルまで届ける。土産物購入の手間を省きたいとの声に対応したサービス。
■Jマテ 水道部品生産を中国から国内移管
金属加工やリサイクル事業を手がけるJマテホールディングスは一部部品の中国生産をやめる。2015 年夏を目
途に、現地法人「上海上越高級銅合金」で生産していた日本市場向け水道関連部品の生産を日本国内に戻す。
円相場の下落や人件費上昇でコストが膨らんだため、中国で生産する利点は薄れたと判断。中国の工場は中国
や東南アジア向けの製品供給に集中する。
■富士通 米ディッキーズ中国拠点に販売管理・在庫管理システム納入
富士通と富士通(中国)信息系統は、アメリカ・テキサス州発のカジュアル・ワークウェアブランド「ディッキーズ」の
中国国内の販売拠点向けに、物販小売業向け販売管理・在庫管理システム「Pastel Plus(パステル プラス)」を
納入した。
■日本郵便 上海宛て船便郵便物、送達遅延
日本郵便は1月 19 日、上海宛ての船便郵便物に大幅な遅延が発生し、通常どおりの送達ができない状況にある
と発表した。上海港で、輸入郵便物の急増等により中国の郵便事業体の処理業務に遅延が発生しているため。
送達遅延のおそれがある対象地域は、上海市、江蘇省、安徽省、浙江省、福建省、江西省、広東省、広西省、雲
南省、海南省。
■住友倉庫 上海に新倉庫完成
住友倉庫の合弁会社「上海錦江住倉国際物流」が、上海で建設を進めていた倉庫が竣工した。上海外高橋物流
園区で建設していたもので、2月から稼働する。新倉庫では日本基準の仕様を実現し、清潔な庫内環境を提供す
るとともに、万全のセキュリティ体制で貨物の安全を確保し、顧客のあらゆる要望に応える。
■菊水化学 中国で道路補修の仕様確立へ
菊水化学工業は、中国国営企業で交通インフラの研究機関の役割を担う北京交通運輸部公路院(RIOH)と、道
路補修の仕様確立に向けた共同試験施工を始めた。広東省高速公路が管轄する橋で、同社の補修工法「ソルト
ストップ工法」を採用し、実施する。
■伊藤忠商事 タイ財閥と共同でCITICに出資
伊藤忠商事がタイの財閥最大手チャロン・ポカパン(CP)グループと共同で、中国最大の複合企業「CITIC」に約
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2015 年 2 月(第 32 号)
1兆 2040 億円を出資する。伊藤忠の出資額は 6000 億円以上で、日系企業の対中投資としては最大。中国や新
興国の市場開拓で業務提携する。国有企業が持つ中国全土の人的ネットワークを活用し、食料や物流など幅広
い分野で協業する。
■スイス国立銀 人民元決済で合意
スイス国立銀行は、中国人民銀行と「人民元適格外国人機関投資家(RQFII)制度」を適用する覚書に署名した。
スイスで中国本土の株式などへの投資を認めるもの。投資枠は 500 億元(約 9500 億円)。
■NTTデータ 渋滞予測を中国で実証
NTTデータは、吉林市で 2014 年 11 月 10 日~12 月 12 日まで行った渋滞予測・信号制御シミュレーションの実証
実験で、渋滞緩和効果を確認した。対象となったバス路線の渋滞時間が平均で7%、最大で 27%改善された。
■三菱化学 LED用蛍光体の特許侵害を中国で提起
三菱化学は、物質・材料研究開発機構と共有する赤色蛍光体の基本特許を侵害しているとして、発光ダイオード
(LED)用蛍光体メーカーである中国の煙台希爾徳新材料と、米国のインテマティックスに対し、中国での販売・
生産の差し止めと損害賠償を求める請求を深セン市中級人民法院に提起した。
■バンダイナムコ 上海に現法
バンダイナムコホールディングスは 2015 年春、上海に現地法人「万代南夢宮(上海)商貿有限公司」を設立する。
中国でのスマートフォン向けゲームやオンラインゲームなどのネットワークコンテンツの企画・運営を主要事業と
して展開する。
■アップル 中国で売り上げ7割増
米アップルの 2014 年 10~12 月期決算は、売上高が前年同期比 30%増の 745 億 9900 万ドル(約8兆8千億円)、
純利益は 38%増の 180 億 2400 万ドルとなり、ともに四半期としては過去最高を更新した。スマートフォン「iPhon
e(アイフォーン)」を中心に中国での売上高が7割増え、好業績をけん引した。
■米ヤフー アリババ株を分離・新会社設立
米ネット大手ヤフーは、同社が保有する中国の電子商取引最大手「アリババ集団」の株式を本体から切り離し、
株式保有を目的とした新会社をつくる。ヤフーはアリババ上場時に株の一部を売却し、現在は3億 8400 万株
(15.4%)を持つ。この持ち株を新会社に移す。
【人民元情報】
人民元市場レート(2015 年 1 月 30 日)
外貨名 100 日本円
中間値 5.21 人民元
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2015 年 2 月(第 32 号)
【中国ビジネスワンポイントアドバイス】

中国公共サービス事業における民間への開放と外資参入チャンス
国務院が発表した「重点分野の投融資制度を刷新し、社会投資を奨励することに関する指導意見」(国発
[2014]60 号※)によると、公共サービス・資源環境・生態建設・インフラなどの重点分野において、PPP(Public
Private Partnerships の略称で、公共サービスの民間開放を指す)方式を推進していく方針が示されました。
公共投資などの財政支出への依存度が高い中国経済において、近年の成長率低迷や財政悪化を背景に、民
間への委託運営により行政の効率化を図ろうとしています。
PPP 方式の導入は、中国の民間企業だけでなく、外資企業にとっても新たな投資チャンスです。具体的な事業
分野としては、生態環境保護・農業水利建設・インフラ・交通施設・エネルギー関連施設・情報インフラ・医療・観
光・教育などの分野が挙げられます。地方政府や投資ファンドでは、上述の公共サービス関連分野で事業をでき
る投資先を中小企業も含めて探し始めているようです。具体的な計画案について、近く発表されるとみられており、
引き続き注目が必要です。
※ 国務院 HP 掲載の原文はこちら
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