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防府税務署長
国税局
税務署
精 精鋭集団の「現場力」を
どう高めるか
神谷 信
国際情報第一課には、50 名を超える
Makoto Kamiya
職員が働いている。多種多様な経験を有
〔平成 13 年入庁〕
した国際課税の精鋭が集まる人材の宝
庫だ。移転価格課税の専門家は当然であ
るが、そのほかにも、ニューヨーク・パ
国税庁の業務
リ・北京・シンガポールなどの海外駐在
経験者、元マルサ職員、二国間での相互
協議のエキスパート、OECD で国際ルー
不安な気持ち
ル作りに取り組んできた者などに囲ま
れて仕事をしている。また、自分のデス
就職して 13 回目の夏、国税庁長官か
クから見えるところには、弁護士のほか、
ら1枚の辞令を受け取った。
外資系金融機関や投資ファンドでの勤
「防府税務署長に転任させる」
務経験を持つ職員も働いている。
税務署での勤務は過去に1年だけ。
法律、条約、会計、国際経済などを自
profile
認識していたが、いざわが身に訪れて
………………………………………
みると、不安な気持ちが先に立った。
H14.4 国税庁 調査査察部 調査課
署長の下には日々、色々な報告・相談
H15.5 国税庁 長官官房 国際業務課
が持ち込まれる。着任当初から、署員た
H16.7 松戸税務署 個人課税部門
ちの話に丁寧に耳を傾けることを心が
国税調査官
profile
けたが、実際、彼らの話を聞くだけで
H17.7 東京国税局 課税第二部
………………………………………
H13.4 国税庁 長官官房 人事課
だが、聞き役に徹しただけでもなかっ
H15.7 奈良税務署 個人課税部門 国税調査官
た。国の内外を問わず多様な人々と仕事
H17.7 在中国日本国大使館 二等書記官
を共にしてきた経験から、コミュニケー
H20.7 内閣府 政策統括官付 参事官補佐
ション力では私に一日の長があるとい
H21.7 国税庁 長官官房 企画課 課長補佐
う自負はあった。
「どうすれば我々の立
H23.7 国税庁 長官官房 参事官補佐
場を正しく、スムーズに理解してもらえ
H25.7 現職
H18.7 財務省 主税局 参事官室 係長
H20.7 国税庁 長官官房 人事課 係長
職として、組織のパフォーマンスを高
めていくことも重要な課題。専門家集
団の「現場力」を高めるために何をすべ
きか、そういうことを考える日々でも
ある。結論を出すのが悩ましい問題点
東京国税局
調査第一部
国際情報第一課長
萩原 成
H21.7 米・カリフォルニア大学
サンディエゴ校留学
H23.7 国税庁 課税部 酒税課 課長補佐
H25.7 現職
Naru Hagiwara
〔平成 14 年入庁〕
見えてきたもの
しかし…、と私は思う。現場の士気に
分の立ち位置をつかめるようになると、
心が落ち着くことで見えるものもあ
不安な気持ちはいつしか消えていた。
る。私が目にしたのは、増大し続ける行
危うい。国税庁は、最適な税務行政を志
えながらも懸命に自らの任務を遂行し
ようとする現場職員の姿だった。
いながら議論が行われるように努めて
いる。
自分は、国際的な分野で働きたいと
考え、国税庁に就職した。今の仕事は、
自分の判断が我が国の課税権に直結す
るため責任は重大であるが、仕事を通
改正国税通則法の円滑な施行、社会保
障・税番号制度の導入など、税務行政が
当面する課題は枚挙にいとまがない。だ
が、厳しい行財政事情ゆえに、我々が投
下できる資源(ヒト、カネ)の増加はそ
れほど見込めない。無力感に苛まれて
も不思議ではないが、現場職員はあく
まで士気高く、実によく働いている。
過度に依存するようなマネジメントは
向する自己変革に取り組んできている
が、社会・経済が急速に変容していく現
代にあっては、誰も答えを持ち合わせて
いない未踏の領域に立ち入っているとも
感じる。
私はそう遠くない将来、東京へ戻り、
自己変革のエンジンとなることが求め
東京国税局にて
税務調査担当者が数名で班を構成し、
現在、東京国税局で国際情報第一課
べ、あるいは、企業からのヒアリングを
長の職にある。通称「一課長(イチカチョ
ウ)」と呼ばれ、国際課税分野である移
転価格調査の責任者だ。約 1,200 名が
働く東京国税局調査部において、
「課
長」と呼ばれるのは 11 名しかいないこ
とを見れば、なかなか責任の重いポス
トに配置されていることを理解しても
らえるだろうか。
られる。最適な税務行政とは何か、私が
国税局の調査部といっても、具体的
果たすべき貢献とは何か、自分なりの答
なイメージが湧かない方も多いと思う。
えを見出すために私に与えられた時間
東京国税局調査部は、首都圏に所在す
は決して多くない。
る大企業の税務調査を担当しており、
企業や金融機関などを訪れ、帳簿を調
行って、企業の取引の実態を把握し、税
務に関するコンプライアンスがきちん
と守られているのかを調べている(正
理解を深める機会ともなっている。な
かなかハードな仕事ではあるが、国際
的な仕事も経験しながら、日本のため
になる仕事をしていきたいと考える方
にとって、国税庁は魅力ある職場だと
思う。国税庁の扉を叩いてみてほしい。
確ではないだろうが、刑事ドラマのコ
ンビの集団のようなイメージを持って
採用情報
消費税率の引上げに伴う様々な対応、
National Tax Agency
られるように、みんなが知恵を出し合
また、グローバルな企業活動に対する
政需要を前にして、大きな資源制約を抱
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自分の役割ではあるが、良い結論が得
じて国際租税分野の知識を向上させ、
るか」、私が年輩の署員を指導すること
署の現状や署員の人柄がわかり、自
について最終的な方針を決めることも
特集 対談
1日が終わるという日も珍しくなかった。
法人課税課 国税実査官
分で学ぶことも必要ではあるが、管理
メッセージ
若手署長というキャリアパスの存在は
も結構あったのである。
はじめに
〔国税局〕
〔税務署〕
もらえれば、当たらずとも遠からずと
いったところではないだろうか)。
毎日、多くの調査官が管内の企業を
調べに行っているというわけで、国税
局の中でも中々存在感のある部局であ
る。
Recruit 2014
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