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日本の食文化をメインテーマにした内容重視型上級日本語の教科書の
日本の食文化をメインテーマにした内容重視型上級日本語の教科書の開発 Development of a Content-Based Japanese Textbook Focusing on Japanese Culinary Culture 畑佐一味 (パデュー大学) KAZUMI HATASA (PURDUE UNIVERSITY) 本発表では現在執筆中の日本の食と食文化を中心に据えた内容重視型中上級用日本語教材について報告します。魅力的な内容の 執筆のために、多くの文献や資料、写真やビデオの撮影、そして、プロの料理人や学校の栄養士など食の専門家とのインタビュ ーなどを行いました。 執筆の動機は(1)日本語の教科書で食文化をテーマの中心に据えたものがないこと、そして(2)昨年日本食がユネスコ無形 文化遺産に指定されたことです。日本の食文化について正しい知識を得ながら、自分達の食文化、そして自分たちが持っている 文化的なバイアスについても考えていけるような内容的な魅力を持ったものに仕上げる予定です。語彙学習には食にまつわる語 彙や表現を各課のテーマと文脈に沿って取り上げます。各課は、知識、文学・メディア、エッセイ、レシピと調理の実践、言語 (語彙、文法、表現)の五つの要素から構成され、紙媒体に収まらない映像やネット上の情報はオンラインの補助教材として提 供されます。 本教材は食文化の理解には食物だけについての知識だけでなく、「食行動」に関する様々な事象(歴史、伝統、行事、習慣、日 常、家庭など)の理解が不可欠であるという立場をとり、そして、その中から特に外国人学習者にとって興味深いと思われるも のを選択しています。日本の食文化に関する知識を身につけることで、一般の、特に同世代の日本人を感心させることが出来る ような学習者を育てる、つまり「言語弱者によるパワーの逆転」を実現させ、学習動機の向上に繋げたいと考えています。