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【「地域猫活動」の紙芝居】 あなたは、あなたのすぐ近くにいる猫のことを
【 「地域猫活動」の紙芝居】 あなたは、あなたのすぐ近くにいる猫のことを、どのくらい知っていますか? 猫は、学校もなければ仕事も無い、自由気ままでマイペース。 「そんな一生 良いよな」なんて思っていませんか? あなたは、猫を好きですか?嫌いですか? これは、ある街の猫達と そこに住む人達のお話です。 ある日、ある所に、一人暮らしをしているお婆さんがいました。 お婆さんは、夕方の買い物の帰りに、公園を歩いて帰るのが、好きでした。 今日も、いつものように、公園を歩いていると・・・、 ミャー ミャー お婆さんは、小さく弱々しい鳴き声に足を止めました。 ミャー ミャー お婆さん: 「あら、近くに子猫がいるのかな?」 お婆さんは、気になって鳴き声のする方へ歩いて行きました。 すると、ブランコのすみで、フラフラしながら 一生懸命に鳴いている子猫を見つけました。 お婆さん: 「マア、マア、可愛そうに。お腹が空いているのだね。 」 お婆さんは、あまりにも弱々しい子猫の姿を見て、買い物袋の中から、 ミルクと魚の缶詰を取り出し、元気になるように、と食べさせました。 ミャー・ ミャー・ ミャー・ ミャー あの時の小さくて弱々しかった子猫は、お婆さんに、 毎日のようにご飯をもらい、すくすくと育ちました。 そして、元気で可愛い子猫を五匹も産み、 さらに同じ年、二回目の出産をしました。 この猫の家族は皆、お婆さんからご飯をもらい どんどん 大きくなりました。 ところで、外にいる猫達は、どんな生活をしているのでしょうか? 生きていくためには、色んな目に遭っているようです。 例えば・・・、 ワァ~ォン・ フーッ・ シャー・ ウギャー 恋の時期をむかえた 猫達は、メス猫をめぐって 大きな声で、派手な決闘をするのです。 夜中に繰り広げられる、猫の不気味な鳴き声と派手な決闘は、 寝ている人にはとてもたまりません。 猫: 「お腹すいた ニャー」 猫: 「クンクン、この中から食べ物の臭いがするぞ」 ゴソゴソ ガサガサ 猫: 「アッ、魚の骨だ!」 猫達は、お腹が空いたら、食べ物を探して街を歩き回ります。 そして、猫は散らかしたゴミを片付けたりもしません。 これでは、街の人に嫌われてしまいます。 ブッ ブッー・ ギ ギーッ ニギャー こういう事は、猫にとっても、車にとっても大変な事に成りかねません。 街に猫が、増えるとこんな事が、あちらこちらで、起こってきます。 そして・・・、 外で暮らしている 猫達は、交通事故にあったり、他の猫に病気を移されたりして 多くが、死んでいくのです。 さて、その後、お婆さんと猫達は、どうなったのでしょうか? オジさん: 「どうしてくれるんだ。あんたが、餌を与えてる猫が、 買ったばかりの車に、汚い足跡と引っかき傷を付けたんだぞ。」 オジさんは、カンカンです。 オバさん: 「どうしてくれるのよ。私が、一生懸命育ててきた大事なお花を あんたの猫が、踏みつけてウンコをしていったのよ」 オバさんも、カンカンです。 お婆さんは、体を震わせながら、 お婆さん: 「ゴメンナサイ。でも、猫達が、可愛そうだから・・・」 今、この町内では、猫にとっても人にとっても不幸なことが 起こっていたのです。 それでも、お婆さんは、猫達が、お腹を空かせたら可哀想だと、 ご飯をやり続けました。 お婆さん: 「ヨイショ ヨイショ、フーッ。ご飯だよ~」 お婆さんは、大きな器に沢山の餌を抱えてきました。 ニャー ニャー ニャー ニャーー ニャーアー 出て来る、出て来る。街中の猫達が、お婆さんの元に集まって来ました。 お婆さん: 「ヒャー、こんな沢山の猫達、もう 面倒見れないよ~。」 お婆さんが、拾って世話をしていた一匹の子猫が、 子猫を産んで、 そして、その子猫達が、子猫を産んで、さらには、その猫達の友達までもが、お婆さんか らご飯をもらって食べようと、集まって来るのでした。 さすがに、お婆さんも集まってきた大勢の猫達に 悲鳴をあげてしまいました。 猫にいたずらをされて怒っているオジさんとオバさん。 毎日、沢山の猫に、ご飯をやることが、近頃、大変になってきたお婆さん・・・。 困り果てた三人は、この街の、お世話をしている会長さんに、相談することにしました。 会長さんは、何か、いい方法は無いものかと、市役所に相談をしました。 市役所の人は、こんな提案をしました。 まず、猫が増えないよう手術をする事、猫のトイレや餌を管理して 迷惑をかけないようにする事。 『地域猫活動』と呼ばれるものです。 そして 猫に車を汚されて怒っていたオジサンは、 猫を捕まえる為のワナを作っています。 お婆さん: 「ご苦労様です。お茶どうぞ。 」 可愛そうだと猫にご飯をあげていたお婆さんは、 感謝の気持ちから、オジさんにお茶をもってきました。 オバさん: 「ヨイショ、ヨイショ。猫、捕まりましたよ~。」 大切なお花を猫に荒らされて怒っていたオバさんは、 オジさんが作ったワナで猫を捕まえました。 会長: 「よし、子猫が増えないように、手術に連れて行くか。 」 会長さんは、車で猫を運んでくれました。 それからは、この町内では, お婆さん: 「今日も、お腹の調子イイみたいだね。 」 ニャ~ お婆さんは、猫のトイレの掃除をしています。 オバさん: 「お婆さん、良かったらこれ、使って。 」 オバさんは、花を育てていたプランターを猫のトイレにと 持ってきました。 オジさん: 「オハヨー、このいたずらっ子め。今日も元気か。 」 ニャ~ オジさんは、お婆さんと、オバさん、そして、猫に、挨拶をしています。 会長: 「オーイ、皆さん、頑張ってますね。」 町内の会長さんも、道の向こうから、皆に挨拶をしています。 以前は、猫の事で、仲が悪かったご近所の人達が、 人と猫の事を真剣に考え、話し合い、 少しでも良くしたい、という想いで それぞれが出来るお手伝いをし、協力したので、 ご近所に、明るい笑顔と会話が生まれました。 今、私たちの住む福岡市でも、こんな町が少しずつ増えてきています。 (おしまい) <お問い合わせ先>保健福祉局生活衛生部生活衛生課 TEL:092-711-4273