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「国への緊急提言」(第 102 回中部圏知事会議) 1 危険ドラッグ乱用根絶
「国への緊急提言」(第 102 回中部圏知事会議) 1 危険ドラッグ乱用根絶のための規制強化についての緊急提言 ······· 1 2 鳥獣保護管理法についての緊急提言····························· 2 1 危険ドラッグ乱用根絶のための規制強化についての緊急提言 危険ドラッグについては、東京池袋における痛ましい事故や乱用者の死亡 事件が発生するなど、全国的に大きな社会問題となっており、大変憂慮すべ き状況である。 このような状況に対応するため、都道府県においては、危険ドラッグ販売 店の立入検査や製品検査などの監視、啓発活動に力を注ぐなどの対策を強化 し展開しているところである。 国は、 「特例指定」 を初適用し指定薬物の緊急指定を行うなどの新たな対策 を打ち出している。 しかし、新たな指定薬物を国が指定したとしても、すぐに別の構造に変え るなど、いわゆる「いたちごっこ」の状態が継続しているのが現状で、危険ド ラッグを完全に排除していくことは、現状の規制・制度の中では大変困難が 予想される。 そこで、次の事項について、特段の措置を講じられるよう提言する。 1 危険ドラッグ対策が後手に回らないよう、全ての危険ドラッグを規制 するための法整備を図ること。 2 危険ドラッグの指定薬物への指定を迅速かつ効果的に行うこと。 3 指定薬物の規制強化のため、早期に簡易検査キットを開発すること。 4 都道府県における指定薬物の検査体制の強化のため、検査機器等の財 政支援を行うこと。 5 危険ドラッグに関する乱用実態を把握できるよう、医療機関からの報 告制度を確立すること。 6 危険ドラッグに関連する施策の情報交換の場を国が主導して設けるこ と。 7 危険ドラッグ販売店を排除するため、貸店舗の賃貸借契約書の禁止条 項を活用するなど、全国的な不動産関係団体と連携した新たな取組を推 進すること。 1 2 鳥獣保護管理法についての緊急提言 「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」 (以下「鳥獣保護 管理法」という。 )が平成 26 年 5 月に公布され、新たに国が定める「指定管理 鳥獣」を捕獲する「指定管理鳥獣捕獲等事業」が創設された。 この事業は、新たに国が「指定管理鳥獣」を定め、その指定鳥獣の生息状況 調査を行った上で管理目標を設定することとされ、全国的に深刻な課題とな っている野生鳥獣被害への諸対策が、国の主導の下に進むものと大きな期待 を寄せているが、その事業の実施主体については、都道府県又は国とされて おり、その財源の確保が喫緊の課題となっている。 一方、 先に制定された「鳥獣による農林水産業等に係る被害防止のための特 別措置に関する法律」(平成 19 年法律第 134 号)に基づき、市町村が被害防止 計画を策定し捕獲等の対策を行う上で必要となる経費については、市町村負 担の8割が特別交付税措置されている。 鳥獣保護管理法において、 「指定管理鳥獣」 による様々な被害を我が国全体 の「災害」と捉え、国が主導して行う対策を都道府県が着実に実施できるよ う、次の事項について提言する。 鳥獣保護管理法に基づき都道府県が実施する「指定管理鳥獣捕獲等事業」 の実施において、都道府県に新たに発生する事務・事業に要する経費につい て、交付金の創設や特別交付税措置など確実に財源措置を講じること。 2