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平成16年度 包括外部監査の結果に関する報告書 (市税の課税及び収納

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平成16年度 包括外部監査の結果に関する報告書 (市税の課税及び収納
平成16年度 包括外部監査の結果に関する報告書
(市税の課税及び収納事務の執行について)
Ⅰ
1
監査の結果
結果
指摘事項の概要
1
個人市民税
① 給与支払報告書未提出者の把握及び督促
・ 督促後も給与支払報告書の提出がない事業
所については,まずは電話による督促をするこ
とが必要であり,また,法人市民税申告書提出
の有無の照合が必要である。
また,法人市民税申告書の提出があり,申告
書上に従業員数が記載されている法人につい
ては,給与支払報告書が未提出となっている理
由を直接事業主に確認すべきである。
さらに,法人市民税申告書の提出がない法人
で営業実態がある未申告法人は,当該未申告
法人調査結果と給与支払報告書未提出事業所
リストとの照合を行うべきである。その結果,営
業実態があるにもかかわらず,給与支払報告
書が未提出である事業所については,電話によ
る督促又は実地調査をすべきである。
② 課税資料未提出者の把握及び督促
・ 3年ぶりに,課税資料未提出者に対する個人
市民税・道民税申告書提出の督促が行われ
た。こうした未申告者に対する申告の督促は一
定の効果が期待できるため,今後も継続するこ
とが必要である。
また,未申告者に対する申告の督促は,一度
の督促ではなく再度の督促,更にそれにも応じ
ない者に対しての実地調査も必要である。
措置等の内容
【市民部市民税課】
給与支払報告書未提出者に対する対応につい
ては,給与支払報告書未提出者一覧表に基づき
法人市民税申告書及び同未申告調査結果と照
合を行い,本年8月中に電話による督促を実施
済みである。
本年11月末に電話による督促後の未提出状
況等を集約し,その結果を踏まえ実地調査を実
施する。
課税資料未提出者の把握及び督促について
は,今後も継続して毎年実施する。
また,再度の督促については,今後の検討課
題とする。実地調査については,次年度以降不
動産所得など所得の種類ごとに年度別に重点目
標を設定し実施する。
③ 調定額の妥当性
(ア) 課税誤りの状況
・ 市民税課及び担当係では,課税誤りゼロを目
指した過年度課税誤りの原因分析,対策の策
定,職員への周知徹底等の組織的な取り組み
を常に行うことが必要である。
2
課税誤りの防止策については,当初課税の際
にも課内会議を開催し,また新たな課税誤りの
ケースに対する原因分析のための会議も行っ
て,次年度以降の改善策を検討したところであ
る。今後ともこれらの会議を開催していくととも
に,各担当業務別に作成している業務マニュア
ルを充実し,研修会等を実施し職員への周知徹
底を図る。
法人市民税
① 納税義務者の把握
・ 未届法人の把握については,法務局調査の
結果が十分に活用されておらず適切ではない。
未届法人に設立届出書を送付して,届出の提
出を促すべきである。それでも届出書の提出の
ない法人に対しては,電話帳掲載確認等の追
加調査を行うことが必要である。
また,年2回実施する未申告法人現地調査に
際して,未届法人の現地調査を併せて行うこと
も必要であり,その結果,事業活動の実態が確
認された場合は,設立届け並びに申告書の提
出をさせることが必要である。
新設法人等については,法務局の法人登記簿
調査により本店又は支店を新設した法人を把握
している。この調査結果に基づき,本年9月中旬
に未届法人に対し設立届出書を送付済みであ
る。
届出書が提出されない法人については,今後,
電話帳掲載の確認や実地調査を実施した結果,
事業活動の実態が確認された場合には,設立届
及び申告書の提出を改めて促していく。
1
平成16年度 包括外部監査の結果に関する報告書
(市税の課税及び収納事務の執行について)
指摘事項の概要
② 未申告法人の把握
・ 平成14年度以前の未申告法人にかかわる現
地調査について,調査の開始から結果報告に
至るまでの資料が一切残されていない。このた
め調査結果が検証できず,調査時点では結論
のでなかった法人に対する前年の調査結果に
基づく継続調査が不可能な状態になっている。
未申告法人の把握のための調査及び調査に基
づく賦課決定等が,系統立てて行われておらず
不十分であり不適切である。今後の改善を要す
る。
③ 調定額の妥当性
・ 均等割額については,給与支払報告書の提
出枚数と法人市民税申告書上の従業員数との
照合によって,申告書記載人員の妥当性に疑
義がある法人を抽出し,大きな差異がある場合
には調査を行うことが必要である。
④ 中間申告
・ 予定申告書又は中間申告書の提出がない法
人から予定納税がない場合に,みなす申告の
規定を適用していないため,予定納税に係わる
収入調定が行われず,納付すべき税額の督促
もない。この結果,予定納税額の納付をしない
まま確定申告を迎えてもなんら延滞金は課せら
れない。
法人市民税申告書上からは,中間申告義務
がありながら申告をしていない法人を完全に捕
捉することは困難であることから,予定申告書
又は中間申告書の提出がない法人のうち,前
年度実績から提出を要すと推定される法人に
対しては,税務署への照会等の手続きを実施
するべきである。
3
固定資産税
① 実地調査の報告書について
・ 住宅用地については,認定誤りによる更正が
年々増加傾向にある。
認定誤りを未然に防ぐためにも,今後は調査
判断のマニュアルを早急に整備し,また,現場
の写真を添付するなど現場確認の報告書の作
成方法を取り決めることが必要である。
② 実地調査について
(ア) 土地及び家屋の用途変更の調査はかなりの
時間と人員を要する調査であるものの,平成15
年の未登記物件の車庫等の調査時に,外見上
明らかに用途変更があるケースの調査を同時
に行うことが不可能であったとは思われない。
今後,最小の時間・人数・コストで最大の効果
をあげられるよう調査をより効率的に行う必要
上,住宅地図等の予備調査や航空写真等の利
用も含め検討すべきである。
措置等の内容
【市民部市民税課】
未申告法人の調査については,上川支庁から
送付される「法人道民税処理等一覧表」に基づき
書類審査を行い,また「未申告法人リスト」に基
づき年2回の現地調査により未申告法人の把握
に努める。さらに税務署及び道税事務所との情
報交換を密にし,事業活動の実態がある法人に
対する申告の督促及び決定処分を適切に実施し
ていく。
なお,これらの調査結果については,次年度の
資料として書類を整備し,適正に管理していく。
法人市民税申告書の従業員数に基づく均等割
調定額の妥当性を給与支払報告書提出枚数と
照合し検証する場合,給与支払報告書の提出事
業所及び法人市民税の法人登録件数が膨大で
あるため手作業での処理が不可能である。
また,現行の税オンラインシステムでは照合で
きるシステムになっていないため,新たに両者を
照合できるシステムの構築について,検討を進
めていく。
中間申告又は予定申告に係る申告書の提出
がない法人に対する対応については,その申告
義務の有無を判断しうる情報が市町村へ提出さ
れる申告書には記載されていないことから,国税
関係書類を閲覧するなどの調査により中間申告
義務等を有する法人の把握に努める。
【市民部資産税課】
実地調査に当たっては,各分野における基本
的な事例が掲載されている,研修用のマニュア
ルを基に実施している。
また,現場の適正な評価・報告ができるよう,必
要に応じ図面及び写真等の添付をし,現場確認
報告書を作成し実施する。
家屋に係る実地調査(用途変更を含めた総合
的な調査)は,多大な時間と人員を要するもので
あり,効率的な実地調査を行うためには,基礎と
なる家屋配置図の正確性が重要な課題である。
そのため,現時点において,概ね5年間で市内を
一順し,実地調査を兼ねながら家屋配置図を整
備しているところである。更に,より一層の効率
的実地調査を目指して,必要情報の蓄積と出力
が可能なGIS導入を他部局との連携を図りなが
ら検討する。
2
平成16年度 包括外部監査の結果に関する報告書
(市税の課税及び収納事務の執行について)
指摘事項の概要
非課税申告については,減免申請と同じく,1
(イ)
年に1度の申告が望ましく,少なくとも数年に1度
は申告ないし利用状況の届出を義務づけるべ
きである。また,本来は同時に実地調査を実施
すべきである。
非課税申告書の保存年限については,非課
税不適用届出書(非課税処置の終了)の提出に
よる最終非課税年度の市税徴収権の時効成立
の5年経過まで,又は同届出書の保存期限まで
同様に保存することが必要である。
(ウ) 償却資産申告書を未提出の事業所について,
法人市民税の申告書などから免税点以上の償
却資産を所有していると想定される事業所を
ピックアップするなど,効率的なアプローチが必
要である。
高額納税法人の未申告事業所の調査結果か
ら,課税対象事業所である可能性のある法人
及び支店等を旭川市に設けている法人の支
店,営業所等も精査する必要がある。
過去において,免税点以下の申告あるいは
「該当資産なし」の申告を受けた場合,その後
は償却資産申告書用紙の発送を省略し,申告
書の提出を促すハガキを発送している。今後に
ついては,費用対効果を勘案して,ハガキを申
告書用紙の発送に変更できないか,あるいは基
準を設けて部分的に実施するかを検討するべ
きである。
(エ) 限られた時間の中で,償却資産の実地調査を
効率的に行うためには,法人市民税申告所得
の情報などから選定基準を設け,税務署におい
て税務申告書を閲覧し,これと償却資産申告書
と突合するなどの事前準備が必要であり,また
実施しなければならない。
4
軽自動車税
・ 市役所窓口及び各支所では,標識(ナンバー
プレート)の受払簿が作成されていない。また,
保管庫分については標識交付簿(払出記録)が
作成されているのみで,受払簿が作成されてい
ない。
今後は,窓口及び支所の手持ち分と保管庫分
について受払簿を作成することが必要である。
5
入湯税
① 調査の実施
・ 旭川市は今まで一度も特別徴収義務者であ
る鉱泉浴場の経営者の帳簿の記載を確認した
ことがない。定期的に申告内容の適正性を確認
するべきである。
② 不申告者
・ 平成16年11月現在,不申告の特別徴収義務
者が存在する。納入申告すべき課税標準及び
税額を決定すべきところ,これをしないまま経過
していることは不適切である。
措置等の内容
【市民部資産税課】
非課税適用後の申告義務は法的にはなく,適
用後の調査については,5年を1サイクルとして
全市内を調査し,適用除外がないか実地調査を
行っている。
また,指摘を受け,市税条例第63条の規定に
基づき,非課税適用の除外となった場合に申告
する,固定資産税非課税適用事由消滅申告書を
作成した。
なお,非課税申告書の保存年限を従来の10年
から,当該団体が非課税の適用を受けている期
間とした。
法人市民税等から申告書を送付していない未
申告の事業所を調査し,未申告事業所の解消に
一層努める。
「該当資産なし」と申告している事業所について
は,会社の規模,資産状況等の把握に努め,そ
れに応じて葉書ではなく申告書等を送付する。
税務官署の申告内容等を活用して未申告者を
調査し,効率的に実地調査を実施する。
【市民部税制課】
本庁窓口及び各支所において,平成17年度か
ら標識受払簿を作成し,月単位で在庫を管理し
ている。
定期的に申告内容の調査を実施する。
不申告の特別徴収義務者については,地方税
法の規定に基づき調査を実施し,未申告等に係
る税額等について本年10月に決定を行い,徴収
した。
3
平成16年度 包括外部監査の結果に関する報告書
(市税の課税及び収納事務の執行について)
指摘事項の概要
6
事業所税
① 課税事業者の調査
・ 法人市民税申告と給与支払報告書の市税関
係のデータ照合後,当事者に対してより詳細な
事情聴取等を実施するべきであり,これを実施
しなかったことは不適切である。
② 過少申告加算金及び不申告加算金
・ 旭川市では,修正申告及び期限後申告につ
いて,正当な理由の有無を検討することなく加
算金の決定を一切していない。申告納付制度
の実効性を確保するために懲罰的に設けられ
ている加算金を,申告優先の立場をとらざるを
得ないことを理由に賦課決定しないのは,不適
切である。
7
市税の収納
口座振替利用の促進等
・ 市税を徴収する口座振替の制度の利用率は
30%未満であり,まだ,改善の余地が大きい。
一層の周知徹底を行い,口座振替の利用促進
を図ることが,収納率の確保に不可欠である。
「コンビニ」での納付受付についても,今後の検
討すべき課題である。
8
措置等の内容
【市民部税制課】
法人市民税の申告資料との照合を行うことなど
により,適正に処理する。
過少申告及び不申告加算金については,適正
に徴収する。
【市民部納税課】
口座振替の利用促進は,PRグッズを7月以降
に配布するとともに,「課税のあらまし」に口座振
替申込はがきを印刷し,家屋調査時に配布す
る。
コンビニでの納付受付については,平成16年度
において導入に向けた検討を進めてきたが,本
市が平成17年度からHARP構想に参画すること
になり,状況が変化したことから,電子納税との
二重投資とならないよう検討する。
市税の収納手続き
① 収納状況の定期的な確認
・ 当日受入れた全ての現金が,当日中に必要
な収納手続を完了したかどうかを確認していな
い。日々決められたとおり処理されているかを
定期的に点検する必要がある。
現金を会計課に引渡し,「収納金収入原符引
継書」に出納印を受け内部での承認決裁を実
施した際,その実施を証するいわゆる「消込み」
を実施するべきである。また,受入した現金の
収納完了が適時行われているかどうかについ
て,検証することが内部統制上必要である。
② 「整理票」の受払管理
・ 現在の「現金領収書受払簿」に未使用のもの
を記載する欄を追加し,全件番号順に記載し,
番号順に使用することで未使用分を管理するこ
とが可能となる。また,定期的に未使用の残数
と「現金領収書受払簿」の記載とを確認すること
も必要である。
③ 手形受入の管理
・ 手形を管理するための資料と手許に保管する
手形との定期的な照合は実施していない。ある
べき手形が保管されているかどうかは,定期的
に確認する必要がある。また,平成16年4月より
整備された「手形の取扱要領」にその取扱いを
追加することが必要である。
平成16年12月から,収納作業が完了した 「整
理票」については,課長が収納金収入原符引継
表にある金額や取扱い金融機関の領収印等との
照合を直接行い,適正な処理が行われている場
合は,右下に処理済の押印をする取扱いとして
いる。
平成16年12月から「現金領収書受払簿」を改
定し,番号順での記載及び使用にするとともに,
定期的な在庫確認を行っている。
平成17年4月から,「手形の取扱要領」を改定
し,定期的な確認を義務づけるとともに,「課長立
会いのもと」,毎月1回,月末に金庫に保管する
証券と証券受払簿との照合を行っている。
4
平成16年度 包括外部監査の結果に関する報告書
(市税の課税及び収納事務の執行について)
指摘事項の概要
9
延滞金
納付通知等の発送の網羅性
・ 延滞金の納付通知及び納付書を送付する業
務の網羅性の確保のためには,「延滞金チェッ
クリスト」に記載されたものは原則的に全てを送
付するものとし,例外的に送付を要しない減免
申請者等を,各担当者からその理由を明らかに
して報告させ除外する仕組みが必要である。更
に,内部統制上,送付する納付通知及び納付
書は,担当者以外の職員の手により,一括発送
業務を実施することが必要である。
10
措置等の内容
【市民部納税課】
現在の取扱でも原則的にすべて送付することと
しており,減免については課長決裁により行って
いるが,これらを総括的に管理する仕組みがな
い。
今後,延滞金のチェックリストの活用方法,ある
いはチェックリストのパソコンデータへの変換な
ど,総括的管理を行うためのデータ管理手法を
検討する必要がある。
総括管理が可能となれば,データに基づく一括
送付も機械的に行うことが可能となるものと考え
られるため,現在,新たなシステムの導入につい
て検討中である。
市税の滞納繰越額
① 手続の停滞
・ 滞納者の保有する財産の差押えを行った場
合は,その後の相手の納付義務履行に向けた
対応を判断し,納付に向けた意思が確認できな
い場合は,淡々と換価手続きに進むことも必要
である。
② 督促状の発送管理
・ 督促状の発送管理上は,配布され受取った件
数がどのように処理されたのかを明らかにし,
恣意的な処理がされていないことを明らかにす
ることが必要である。このためには,現在使用し
ている「督促状発付簿」に(a)受取枚数(b)入金済
数(c)差留依頼票数を記入する欄を設定し管理
することが必要である。
また,「督促引き抜きリスト」は,平成15年度分
が保管されていない。保管を義務付ける必要が
ある。
③ 年齢調べの実施
・ 今までに各年度における差押中の件数の集
計を実施していなかった。年度末において,差
押中の案件が何時から差押したものなのかを
確認する,いわゆる「年齢調べ」を行っておくこと
が,収納管理上必要である。
④ 適時処理
・ 安易に差押えを継続すると,滞納処分で徴収
事務を行わなければならない案件を増加させる
ことになる。差押えを継続するかどうかについて
は,不断に検討を行い,迅速な意思決定を行う
ことが必要である。
差押には,納税の担保のほか時効中断のため
の効果を期待する場合があり,また不動産につ
いては,換価手続きへ移行することが困難な場
合もあるため,併行して換価が比較的容易な,給
与や預貯金等の積極的な差押えを進めていると
ころである。
また,不動産についても,指摘のあった点を踏
まえるとともに,換価価値等を見極めながら適切
な対応に努めていく。
平成17年4月から督促状発布簿を改定し,出
力(受取数),引抜リスト(入金済数),差留依頼,
その他引抜,発送のそれぞれの件数を記入する
欄を設定し,管理している。
また,督促状引抜リストは,平成16年11月分
から当該年度終了後1年間保存することとした。
電話加入権については,平成17年1月中に差
押一覧表を全課員に配布し,年齢調べを実施
し,長期案件を中心に換価,解除,新たな差押へ
の移行等を処理した。今後,他の債権についても
順次整理し,迅速な処理に心掛けていく。
平成16年11月に「特別額滞納整理班(課長補
佐4人)」を新設,財産調査・処分等の徹底化を
進めるなど,相手への接触を強めている。合わ
せて,年に数回,課長とのヒアリングにより,差押
継続の有無や処分の方向性を検討している。
また,平成17年度において課内に設置した不
動産公売プロジェクトにおいて,長期に渡り差押
が継続されている案件についての洗い出しと,今
後の整理の方向性を検討することとした。
5
平成16年度 包括外部監査の結果に関する報告書
(市税の課税及び収納事務の執行について)
指摘事項の概要
⑤ 執行停止の適時性
・ 滞納金の徴収の実を上げるためには,過年度
に発生した長期滞納者から徴収を図ることと合
わせて,長期滞納者を生じさせないことも重要
である。
徴収の望みのない案件を抱え込むのではな
く,徴収努力を続ける必要のある案件を絞り込
むことが,限られた人的資源の有効活用に繋が
るものである。
⑥ 連帯納税義務者及び第二次納税義務者
・ 連帯納税義務者及び第二次納税義務者の存
在を検討した結果を,「滞納処分執行停止伺
書」に記載する欄が設定されていない。当該項
目を検討した結果を明らかにしておく必要があ
る。
11
市税の不納欠損
不納欠損処理の適時性
・ 調査したいずれの案件も,以前の時点で,何
故に「徴収できないことが明らか」という判断が
出来なかったのかが不明である。
適宜,必要な起案及び決裁を実施し,今後,
徴収努力を続ける必要のある案件を絞込むこと
は,限られた人的資源の有効活用になるもので
ある。
12
データ入力の外部委託
① 入力票の取り扱い
・ 償却資産の増加資産・減少資産明細と個人市
民税の給与支払報告書のデータ入力につい
て,入力票として市税関係書類の原本が送られ
ているにもかかわらず,他の業務委託で採られ
ている秘密保持の対策がなされていないのは
不適切である。
② 常駐者
・ 2名の常駐者は赴任当初に履歴書及び誓約
書の提出があったとの説明を受けたが,現在は
その書類が見当たらない。
システム関係の委託先よりの常駐者について
は毎年業務従事者名簿・誓約書・要員経歴書
の提出を受けていることから,同様な対応が必
要である。
13
外部監査人への税務関係書類の開示の制限
・ 包括外部監査人が外部監査を遂行する過程
において,選定された監査テーマのもとで監査
対象部局がその監査実施範囲及び手法に制限
を加えることは,極めて不適切である。
措置等の内容
平成17年度の市税徴収事務運営方針に,「現
年度課税分の年度内納付」と「滞納繰越分の早
期滞納処分」を基本姿勢とし,長期滞納者を増や
さないための滞納整理に取り組んでいる。また,
全担当者が差押,換価,滞納処分等の統一的な
取扱が行えるよう,平成17年4月に,財産調査
の範囲や,処分選択の判断基準を明確にし,適
時,適正な滞納処分の執行に努めている。
滞納処分執行停止伺書における,連帯納税義
務者及び第二次納税義務者の有無の表示につ
いては,納税通知のあり方及び第二次納税義務
者の把握の方法等について,引き続き検討を要
するが,判明・該当する分については,特記事項
に記載することとした。
【市民部納税課】
平成17年4月に,全担当者が差押,換価,滞
納処分等の統一的な取扱が行えるよう,財産調
査の範囲や,処分選択の判断基準を明確にし,
適正な滞納処分の執行に努めている。合わせ
て,不納欠損処理についても,業務効率化プロ
ジェクト(課内スタッフ)において,検討中である。
【企画財政部情報政策課】
汎用機に入力するデータのパンチ業務に係る
従事者は80名近くもおり,その時々の業務量に
応じて担当業務を分担していることから,すべて
の従事者の名簿・経歴書・誓約書を求めること
は,現実的でない。
なお,当該業務の委託先である事業者に対し,
業務上知り得た情報について守秘義務を課して
おり,合わせて,そうした義務が達成できる事業
者であることを選定の要件ともしている。
平成17年度の契約に当たり,常駐者の履歴
書・誓約書の徴収を行った。
【市民部,企画財政部】
包括外部監査の趣旨を確認しながら,地方公
務員法第34条において守秘義務が課されてい
ることに加え,税務職員には地方税法第22条に
おいて加重された守秘義務が課されていること
等を踏まえ,個人情報の保護に関する規定を遵
守しつつ,個別具体的な事例について適切に対
応していきたい。
6
平成16年度 包括外部監査の結果に関する報告書
(市税の課税及び収納事務の執行について)
2
意見
意見の概要
意見に対する考え方等の内容
1
固定資産評価員について
・ 固定資産の実際の評価及び評価調書作成に
ついては固定資産評価補助員が行っているの
であり,固定資産評価員という制度が形骸化し
ているとの疑問を持たざるを得ない。
固定資産評価員の職務内容を再検討し,実際
の評価及び評価調書作成過程においてその職
責を果たすための関与の方法等の見直しをす
る必要がある。
【市民部資産税課】
固定資産の評価については,その業務内容が
高度に専門化していることから,固定資産評価員
の職務内容も含めた制度自体を見直すべき時期
に来ていると考える。
2
徴税費について
・ 旭川市の税収入額に対する徴税員の割合は
中核市において下位に位置しているが,道内主
要都市との比較では中位である。この原因とし
て当然考えられるものがあるものの,状況につ
いて他の市に対するアンケートなどの実証的な
調整をしたことがない。
税総合オンラインシステムを導入し,効率的な
市税の課税及び徴収業務の執行の土台が用
意された今日において,実証的な調査を通じ
て,より効率的な組織及び業務の運営を作り上
げることが必要であると考える。
【市民部】
市税収入に対する徴税費の割合は,大企業の
納税額が税収全体に占めるウエイトによって,大
きく左右される。大企業等の集積が進んでいる中
核市との比較では下位にランクされているが,大
企業の進出が少ない道内では札幌,苫小牧に次
いで3位となっていることからも明らかである。従
来から税務職員の削減や税オンラインシステム
の導入により,経費の節減や事務の効率化を推
進してきたが,今後もこうした取組みを継続して
いく必要があると考えている。
7
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