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植物薬品化学 [講義]

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植物薬品化学 [講義]
[講義] 第3学年 後期 選択 1単位
植物薬品化学
《担当者名》准教授/堀田 清
【概 要】
癌の末期治療に今でも使われているモルヒネ、歯医者さんに行くと必ず使われる局所麻酔薬…。西洋薬の多くは地球上の植物
にその源流がある。本講義では、人類に有効利用されている植物由来の成分が植物の体内でどのようにして合成されているのか
を紐解く。
医薬品、そのリード化合物、フラボノイドなどの抗酸化物質、ハーブなどの香り成分、人間が口から摂取すると生命にかかわ
るような毒、劇物に至るまで、現在まで見つかっている植物由来の天然有機生理活性物質(テルペノイド、ポリケチド、アルカ
ロイドなど)は多岐にわたる。1、2、3年前期までに学んだ薬用植物学、有機化学、生化学、生薬学の知識を基礎として、植
物体内でどのように(出発物質は何か?そのプロセス)作られているのかを学ぶ。また、復習にはなるが、薬剤師国家試験問題
程度の何度も出てくるアルカロイド、その骨格についても1、2年生復習を行う。なお、色々な有機化合物の名称は全て英語で
学んでもらう。また、ドリル式のプリントも使用して、学生各自に復習予習もしてもらう。
1. 一次代謝産物と二次代謝産物
2. 糖質と脂質
3. メバロン酸経路とテルペン類、コレステロール
4. 酢酸―マロン酸経路とポリケチド類(解糖系、TCA-cycle、脂肪酸の生合成経路も含めて)
5. シキミ酸経路とフェニルプロパノイド類(芳香族アミノ酸の生合成経路も含めて)
6. アラキドン酸カスケードについて
7. アルカロイドの生合成経路及び国家試験レベルのアルカロイド類の復習
【学習目標】
☆植物由来の生理活性物質について理解する。
☆テルペノイド類、フェニルプロパノイド類、フラボノイド類、アルカロイド類、ポリケチド類について理解する。
☆それぞれの生合成経路について理解する。
【学習内容】
回
テーマ
授業内容および学習課題
担当者
1
総論
1. 植物とは
2. 病気予防のための薬用植物
3. 薬用植物の成分と西洋薬
●植物とは?薬用植物とは?病気予防の薬用植物と
は何か?医食同源とは?色々な植物たちに含まれる
成分の化学構造式を上げ、今後の講義の概略につい
てパワーポイントを使って説明できる。
●モデルコアカリキュラム全般について大局的な講
義を行う。
堀田 清
≪関連するモデルコアカリキュラムの到達目標≫
SBO:C7-(1)-4-1∼7
2
生合成
一次代謝産物と二次代謝産物
教科書p39∼p50
●生化学、有機化学を復習し、一次代謝産物とは、
糖、アミノ酸、脂質はあらゆる生物に共通した必須
生体成分であることをについて概説できる。また、
国家試験問題程度の簡単なアミノ酸、糖の構造や二
次代謝産物について説明できる。
≪関連するモデルコアカリキュラムの到達目標≫
SBO:C7-(1)-4-1∼3
堀田 清
回
テーマ
授業内容および学習課題
担当者
3
メバロン酸経路と
テルペノイド(terpenoids)1
教科書p39∼p50とp85∼123
●メバロン酸経路は高脂血症の原因、その新薬開発
に関して最低限知らなければならない必須知識であ
り、当然薬理学とも直結している以下の項目につい
て説明できる。
・解糖系、TCA-cycle、脂質の生合成と関連
・生化学の糖代謝、脂質代謝、ビタミン類
・有機化学の知識を応用して生体中に起こる重要な
反応
堀田 清
≪関連するモデルコアカリキュラムの到達目標≫
SBO:C7-(1)-4-1∼3
4
メバロン酸経路と
テルペノイド(terpenoids)2
教科書p39∼p50とp85∼123
堀田 清
●メバロン酸経路の出発物質を理解した上で、薬剤
師国家試験問題程度の生合成中間体、最終二次代謝
産物について説明できる。具体的にHMGCoA、メバロ
ン酸及びモノテルペン、ジテルペン、トリテルペン、
テトラテルペンの代表的化合物の構造と薬効を説明
できる。
●メバロン酸経路で生合成される強心配糖体(アグ
リコン部)の化学構造的特徴と薬理作用について学
ぶ。
≪関連するモデルコアカリキュラムの到達目標≫
SBO:C7-(1)-4-1∼3
5
酢酸―マロン酸経路と
フェニルプロパノイド類
(phenyl propanoids)
教科書p39∼p50とp132∼147
●酢酸―マロン酸経路の出発物質を理解した上で、
薬剤師国家試験問題程度の生合成中間体、最終二次
代謝産物について説明できる。
●植物由来の生理活性芳香族化合物について説明で
きる。
堀田 清
≪関連するモデルコアカリキュラムの到達目標≫
SBO:C7-(1)-4-1,7
6
シキミ酸経路と
フェニルプロパノイド類
(phenyl propanoids)
教科書p39∼p50、p124∼132、p135∼142
●シキミ酸経路の出発物質を理解した上で、薬剤師
国家試験問題程度の生合成中間体、最終二次代謝産
物について説明できる。
●植物由来の生理フェニルプロパノイド類について
説明できる。
●シキミ酸経路と酢酸マロン酸経路の複合経路で生
合成されるフラボノイド類について説明できる。
堀田 清
≪関連するモデルコアカリキュラムの到達目標≫
SBO:C7-(1)-4-1,5∼7
7
アラキドン酸カスケードと脂質
教科書p69∼p84
●血液の粘性をコントロールするプロスタグランジ
ン類とトロンボキサンや炎症、アスピリン喘息の原
因であるロイコトリエン類などは薬理学とも直結し
ているため、国家試験問題程度の最低限の化合物は
英語名と化学構造式を学び、1、2年までに学んだ
有機化学の知識をフル活用してその概略を説明でき
る。
≪関連するモデルコアカリキュラムの到達目標≫
SBO:C7-(1)-4-3
堀田 清
回
テーマ
授業内容および学習課題
担当者
8
アラキドン酸カスケードと脂質
糖について
教科書p51∼p68、p69∼p84
堀田 清
●以下の項目について概説できる。
・6単糖のグルコース、マンノース、ガラクトース、
フルクトースの構造
・α-D-glucopyranoseの命名の意味、Haworth投影式、
Mill式、イス型立体配座
・オリゴ糖、多糖類
≪関連するモデルコアカリキュラムの到達目標≫
SBO:C7-(1)-4-3
9
アルカロイド
教科書p156∼189
●薬理学に直結する植物由来のアルカロイド類につ
いて説明できる。
・薬効、基本骨格(キノリン骨格、イソキノリン骨
格、インドール骨格、プリン骨格など・・)
堀田 清
≪関連するモデルコアカリキュラムの到達目標≫
SBO:C7-(1)-4-1,4
10
まとめ
●全体のまとめ及び私たちの身近な植物たちのこと
について説明できる。
例えば、イチゴの赤い色(フラボノイド類)とトマト
の赤い色のリコペン(テトラテルペン)の違い。ブ
ドウの紫色(フラボノイド)鮭のピンク色のアスタ
キサンチン(テトラテルペン)・・・など
堀田 清
≪関連するモデルコアカリキュラムの到達目標≫
SBO:C7-(1)-4-2,5∼6
【評価方法】
期末定期試験(100%)
【備 考】
教科書 : 「資源、天然物化学」 共立出版株式会社
【学習の準備】
「指定した教科書の資源天然物化学(共立出版株式会社)を事前に読んでおくこと」
この講義は、植物内で起こる生合成経路について学びます。特にコレステロールの生合成経路でもあるメバロン酸経路やアラキ
ドン酸カスケードは、薬理学にまで繋がる重要な項目です。したがって有機化学と生化学の正確な知識が要求されます。有機化
学においては、カルボニルの化学(主にClaisen縮合反応、アルドール縮合反応)の知識が重要になるので、この知識をもう一度
学び直して下さい。さらに、生化学においては、解糖系、TCAサイクル、電子伝達系、及びそこに関与する補酵素群(ビタミン類)
の知識が要求されます。
また、本講義では、化学構造式がふんだん出てくるので、インドール、イソキノリン・・・などの基本骨格の知識も再認識して
講義にのぞんで欲しい。さらに、グルコース、マンノース、ガラクトースなどの糖類については、その立体化学的知識も要求さ
れるので、分子モデルを使った三次元的な学習もしてください。
なお、講義に出てくる化合物群は全て英語名で講義するので、復習、予習は当然のこととして理解してください。
【関連するモデルコアカリキュラムの到達目標】
化学系薬学を学ぶ C7 【自然が生み出す薬物】
SBO:C7-(1)-4-1)
SBO:C7-(1)-4-2)
SBO:C7-(1)-4-3)
SBO:C7-(1)-4-4)
SBO:C7-(1)-4-5)
SBO:C7-(1)-4-6)
SBO:C7-(1)-4-7)
・代表的な生薬成分を化学構造式から分類し、それらの生合成経路を概説できる。
・代表的なテルペノイドの構造式を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。
・代表的な強心配糖体の構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。
・代表的な強心アルカロイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。
・代表的なフラボノイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。
・代表的なフェニルプロパノイドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。
・代表的なポリケチドの構造を生合成経路に基づいて説明し、その基原植物を挙げることができる。
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