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市内の企業等に勤務する若い社員との意見交換会(2)

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市内の企業等に勤務する若い社員との意見交換会(2)
第51回 市長と語る!ふれあいトーキング(意見交換概要)
1.日 時
2.場 所
3.参加者
平成25年10月3日(木)18:00~19:15
とす市民活動センター
市内の企業等に勤務する若い社員の皆さん(6名)
←若い社員の皆さんとのトーキング風景
今回の市長と語る!ふれあいトーキングは、前回に引き続き、市内の企業等に勤務されて
いる若い社員の皆さんと、鳥栖について感じたことや、働くことや生活することなどにつ
いて、自由な意見交換を行いました。
議事については、主な内容を抜粋して掲載しております。
≪今回の質問内容及び議事録掲載にあたり、個人のプライバシーに関する部分などについ
ては一部内容を割愛しておりますことを、あらかじめご了承ください≫
参加者 A
鳥栖市が、他の市や町に負けない魅力はなんでしょうか?
市
鳥栖市を知らない人は、あまり気づいていないのかもしれませんが、結構羨ま
長
しがられていることがあって、7 万 1 千人しかいないまちなのですけれども、サガン鳥栖
と久光製薬スプリングスという2つのプロチームの本拠地です。そして、昭和 29 年に 2
つの町と 3 つの村が合併して鳥栖市になったわけですが、今年までに 186 社ぐらい企業
進出していただいています。そして、私は市長になって 6 年半経ちますが、約 40 社来て
いただいています。実は、佐賀県に進出しようとしている企業があった場合、だいたい三
分の二が鳥栖市で、残りの三分の一を 9 市 10 町で分け合っているというのが実情です。
皆さんもそうでしょうけど、働く場がたくさんあるから、人が集まります。たとえばです
けれども、初任給でいうと、佐賀市内の企業の平均と、鳥栖市内の企業の平均は、約一万
円の差があって、鳥栖市の方が高いのです。鳥栖市に進出している企業は、本社が都会の
会社なので、給与ベースが高いのですね。地場企業にとってみると、そのような給与ベー
スを持って来られると、いつも一定の給与を出さないと、いい人材が来てくれない。たと
えば、パートタイムの人を探そうとして時給を出しますと、鳥栖市内の企業の場合は、福
岡市の天神と同じぐらいの時給を出さないと来てくれない。それくらい競争が激しいので
す。ある意味、人材の奪い合いなのです。そして、鳥栖市から他の市や町へ働きに行く方
が、約 1 万 2 千人、逆に、他の市や町から鳥栖市へ働きに来られる方が、約 2 万 1 千人
いらっしゃいます。現在、鳥栖市は 7 万 1 千人の人口なのですが、昼間は約 8 万人いる
のです。そういうまちなのです。佐賀県で見た場合、まず面積は 2.9%しかありません。
また、人口は 8%ぐらいで、工業出荷額というのは、約 25%ぐらいです。だから、小さ
なまちで元気に動いているというのが鳥栖の特徴ですね。そして、15 歳から 64 歳まで
の生産年齢人口は、毎年 5%増えているのです。これはあり得ないぐらい凄いことで、一
時期は全国 2 位でした。これは働く場所がたくさんあるという証明でもありますし、得難
いことだと思います。現在、鳥栖市は毎年 650 人ぐらいの人が亡くなられていて、子ど
もが、だいたい 700 人から 750 人生まれています。ということは、自然増に加えて働く
場所があるから、鳥栖に移り住んでくれる人も増えているという循環が起きているのだと
思います。
参加者 B
…
鳥栖市は、近隣の久留米市とかに比べて、バスの便数が少ないと思うのですが
市 長
鳥栖市も、毎年、バスの運行に約 5 千万円のお金を入れています。ただ、残念
ながら、大半は空気を運んでいます。アンケートを取って、バスが必要ですか?と聞くと、
大半は必要だと回答されます。必要だという方の理由もいろいろあって、家の前のバス停
に出て、すぐにバスが来れば乗りますとか、逆に 20 分待つなら乗りませんよとか言われ
ます。よほど人口密度が高くて、乗る人がたくさんいれば、頻繁に便数を増やした方がい
いと思うのですが、なかなか需要と供給のバランスが難しいところですね。そして、鳥栖
市は、農業をされている方が結構いらっしゃって、地区によっては、平均すると一人 1 台
以上の車を持っています。通勤用の車と農作業用の車とそれぞれ持っていらっしゃいます。
そのような実態なので、皆さんはそれに慣れていらっしゃるのですね。ただ、最近はお年
を召された方で、運転をしないという方も増えていらっしゃいます。買い物も行けなくな
るということで、今、4 路線ありますが、3路線はフレスポを起点に、1 時間に一本運行
しているミニバスというのがあります。結構狭い道路も走っていたり、手を挙げると、そ
こで止まってくれたりして、どこでも乗ったり降りたりすることが出来ます。この需要が
高くなってくると、その路線を増やしていくことも可能ではないかと思います。
参加者 C
私は消防で仕事をしているのですが、救急車で搬送される方が、特に高齢者
が多いと感じるので、もっと高齢者の方が元気になってもらうように、たとえばスポーツ
施設を増やしてもらったりすると、救急の搬送も減ったりするのかなと思いますね。
市
長
皆さんは自己紹介の中で、結構、運動されているようにお聞きましたが、や
っぱり、そのような施設がないと、運動したくないですか?
参加者 D
そうですね。やはり家にいると、なかなか運動しようとは思わないのですが、
体育館などに行って、みんなが運動をしているところを見ると、やってみようかなと思い
ますね。
参加者 E
自分は基里地区出身なのですが、家の周りをよく走っています。最近はグリ
ーン・ロジスティクス・パーク鳥栖が出来て、緑が少なくなり、走る時に寂しく感じる時
もありますが、代わりに公園施設が出来たことで、小さな子どもたちが遊んでいることも
見かけるようになりましたから、流通センターが出来てよかったのかなと思いながら、走
ったりしています。
市 長
やっぱり、そのような施設があったほうが、皆さん、スポーツやりやすいみ
たいですね。話しは変わりますが、皆さんは結婚しようと思いますか?また、子どもが欲
しいと思いますか?最近、皆さん、結婚しないですよね。私は、早く結婚して子どもを持
ってほしいなあと思うのですが、皆さんの結婚観はどんな感じですか。たとえば、アイス
クリームを売ろうとしても、子どもがいないと売れません。ましてや、家を売りたければ、
もう私は 57 歳になりますけれども、これから新しい家を建てようとか、なかなか思いま
せん。建てて何年住めるか分かりませんよね。将来が何十年もあると思うから、売れるも
のであって、子どもがいないと、商品というのは生まれないのです。皆さんが私みたいな
年齢になった時に、老後をどうしようかと思うわけです。私たちの親の世代は、15 人ぐ
らいで一人の親、いわゆる年金を背負っていたのですね。今は多分、4 人で一人、皆さん
の時代は、2 人弱で一人の年配者を見なくてはならない。だから、その意味で皆さんが年
をとった時に、楽をしたいなと思うと、子どもがたくさんいて、人口が再生産できないと、
日本は成り立たなくなってしまいます。その意味で、是非、結婚をしてほしいし、出来れ
ば 3 人以上は、作ってほしいなあと思うわけです。
参加者 F
鳥栖市は住みやすいので、ベッドタウンとして利用している人が多いのでは
ないかと思うのですが、高速に乗れば、30 分から 40 分程度で福岡の天神まで行けます
し、また熊本も新幹線を使えば、すぐに行けます。そのような中で、鳥栖市民の人が、文
化的なものは天神や熊本などで満たして、生活拠点だけは鳥栖、というスタイルの方も、
もしかしたら、結構いらっしゃるのではないかと思うのです。そこで、ラ・フォル・ジュ
ルネが現在実施されていますが、市長は、どのような視点で、クラシック音楽を選ばれた
のか、また、何かねらいとかあったのであれば、お尋ねしたいのですが…
市 長
フランスにナントという町があって、ロアール川が大西洋に注ぎこむ河口近
くのところにあります。そこは昔、造船業が盛んだった町で、クイーンエリザベス 2 世号
というのがあり、皆さんご存知だと思いますが、このナントで造られたのですね。それを
最後に造船業はその後、中国や韓国などに押されてきて、町は疲弊し始めたのです。仕事
が無くなってきて、税金も少なくなり、船のメンテナンスも追いつかなくなり、ものすご
い悪循環になってきたのです。それで、町をなんとか再興させたいということで、当時の
エロー市長と言われる方が、文化で町を作り直すということを始められたのですね。その
中のひとつが、ラ・フォル・ジュルネなのです。実は、最初に手掛けたのは、路上演劇集
団をベルギーから誘致したのですね。その人たちに毎年 1 億円ぐらいのお金を出して、2
年に 1 回新作を作り、海外公演までを行うという条件を付けて誘致をしたのです。そして、
その人たちが使う大道具は、造船業の技術者たちが作り、そして供給するということで始
めたのです。たとえば、ビルの4、5 階ぐらいまである巨大な人形を作ってみたり、ある
いは 20 人ぐらい乗れる象の乗り物を作ってみたりして、すごく面白い路上演劇が出来た
のです。そして、その音楽部門がラ・フォル・ジュルネということで、1995 年からその
後、18 年行われているのです。ナントには、片側 3 車線の道路が走っており、両側で 6
車線あるのですが、真ん中の 2 車線をバスの専用道路にして、次の 2 車線を一般自動車用
に、一番外側を歩道専用にしたのです。そして、車を町中から締め出して、この歩道にい
ろんな彫刻を置き、その作家も誘致して、制作現場を見せながら作ってもらうということ
をやり始めたのですね。また、閉鎖していたビスケット工場を、市が全部買い取って工場
の半分を、木造の階段席を作って劇場にして、また半分をアトリエにして、この前にレス
トランとバーを作り、地下にもサウナを作ったのです。レストランやバーに来た人たちは、
アトリエで芸術家が、制作しているところを見ながら、飲食することが出来ますし、完成
したら、展覧会も行われるのです。また、造船所が閉鎖した時にまるごと買い取り、プレ
ハブを積み上げて貸事務所にして、若い人たちが会社を立ち上げる時に、安い値段で貸し
たのです。その人たちがデザイン会社などを興していったのです。ヨーロッパは秋が芸術
シーズンで仕事が沢山あるのですが、冬には寒くなると、途端に仕事が減るのです。ラ・
フォル・ジュルネは、ヨーロッパでもクラシック音楽が廃れ、お客さんも減り、演奏家た
ちは商売としての食い扶持が無くなっていった中で、寒い 2 月に「ギャラが半分でいいか
らやりましょうか」という演奏家と、
「安いギャラでやります」という、名前が売れない新
人の演奏家たちの発表の場として行なわれたのです。そして、伝統文化であるクラシック
を子どもたちに、きちっと勉強させたいということで、学校に演奏家が訪問して、演奏し
てもらい、事前に勉強してもらって、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭期間中は、子どもたち
については、半額負担の安い値段で聞いてもらいましょうと朝から晩まで、8 つの会場で
5 日間 250 公演行われたのです。演奏家たちは、自分でプログラムを組み立てられます
し、また若い演奏家たちは、そこで自分の腕を披露し、安い値段で聞いてもらって、将来
のお客さんになってくれればいいですよね。また行政側から言うと、伝統文化をそこで学
んでくれるということにもなります。たとえば、ある年のテーマはオペラだったのですが、
事前学習プログラムが作られていて、大道具を作る人、小道具を作る人、あるいは衣装を
準備する人や台本を作る人など、いろんなステージツアーをして、オペラを歌っている人
だけがスターではなくて、いろんな人たちが、いろんな作業を行って、成り立っているの
だということを勉強して、そして、みんなでオペラを見に行くということを行なったので
す。
そして、このナントという町は、現在人口 28 万人ぐらいなのですが、15 年の間に、
なんと人口が 4 万人増えたのです。そして、パリにあるデザインの会社が本拠地をナント
に移して、イメージがよくなった、それで給料が上がってきた、仕事が出来たという、い
い状態になったのです。だから、文化で町を造り変えたというのが、ナントなのです。今、
フランスで一番元気のある町です。そこを、鳥栖市になんとか持ち込めないのかなという
ことです。2011 年、九州新幹線開業ということが、鳥栖に巡ってきたわけです。新しい
鉄道の開業は、100 年に 1 回あるかないかです。その時に何もしなければ、通り過ぎる
だけで、買い物はみんな博多に行ってしまうということで、鳥栖を目的地として来てくれ
る物を作っておかなければならない。マイナス面ばかり出てしまうのではないかというこ
とで、誘致として頑張ったのが、このラ・フォル・ジュルネと重粒子線の施設なのです。
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