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上京区塔之段
陳 情 文 書 表 (都市計画局) 受理番号 16 受理年月日 平成 27 年 10 月 26 日 件 名 マンション建設の指導(上京区塔之段) 要 旨 私たちは,京都市上京区塔之段の「ヴィラ塔之段」跡地の近隣住民である。当該 地には地上5階地下1階の学生専用賃貸マンション(82戸)の建設が計画されてい る。当該地は狭い4メートル道路に囲まれており,近隣にはこのような突出した建 造物がない中での,高さ15メートルを超える計画は,歴史的建造物,文化財に囲ま れた閑静な住宅環境を著しく破壊する非常識なものであり,地域住民は,計画の撤 回・修正と話合いの継続を訴えた。しかし,建築主は一度の説明会以降,話合いに 応じることがない。 ついては,京都市中高層建築物等の建築等に係る住環境の保全及び形成に関する 条例の趣旨に基づき,以下のとおり建設計画の撤回・修正を指導するよう願う。 1 地上5階建て建築計画を撤回すること。 上京区の当該地区は,相国寺と寺町の間に位置する歴史的建造物,文化遺産に ほど近い風致豊かな閑静な住宅地であり,暗黙の了解の下,住民は相互に配慮し, マンションといえども3階以下とする町並みが形成保持されてきた。周囲が4メ ートル道路に囲まれたこの地区に,地上5階地下1階のマンションという突出し た建造物を建築することは,これまで住民努力によって保全してきた地域の景観 を著しく破壊するものである。この建築を既成事実化した場合は,地上5階地下 1階が常態となって,この地区の景観,環境の悪化に歯止めが掛からなくなり, かけがえのない京都の景観と平穏な暮らしが将来にわたって失われてしまう。近 隣住民への圧迫感,プライバシーの侵害は必至である。私たちは,京都の町並み の景観を未来へと引き継いでいかなければならないと考えている。解体前に建っ ていた建物の高さを超えない,地上3階建てへの計画変更を要求する。 2 地下1階を造る計画を破棄すること。 地下1階に住居,厨房,食堂を設けたマンションは近隣には存在しない。4メ ートル幅の道路に面して3メートル以上セットバックすることなく地下7メー トルまでを掘削するのは,土木学上,周囲への影響が予想される。説明会におい ても,既存住宅への影響が1ミリもないとは言えない,という施工会社の担当者 の発言があった。工事終了後にも影響は起きるという専門家の意見もある。平成 27年9月13日の説明会時に,土留めの工法の提出を業者側へ願い出たが,現時点 でまだ提出されていない。また,地下に学生を住まわせることは,学生の健康被 害への懸念に加え,万一水害が発生した場合,大変危険である。京都市ハザード マップによれば,当該地は水害により80センチの浸水が想定される地域であり, 学生の街を標傍する京都市がこのような計画を認めてはならないと思う。地下1 階計画の破棄を要望する。 3 周囲が4メートル道路であることを考慮し,容積率を160%以下にすること。 建築業者が算出している容積率は,西面道路に丁字の形で接している5メート ル幅の道路(袋小路の私道)を算出根拠に用い,道路幅員制限による容積率の上 限を200%としている。この道路を前面道路と見なすことには無理があると言わ ざるを得ない。本計画は当該地域のスケールにそぐわない大きなボリュームであ り,これまで保たれてきた町並みと環境を維持するためにも,容積率を160%以 下にするよう,計画の見直しを強く求める。 4 住民との合意・工事協定の締結なしに着工しないこと。 当該地に面した道路は大型車・特大車いずれも通行が困難な幅4メートルの道 路である。また,現計画では,工期の最後まで敷地内に作業車を駐車させるスペ ースの確保が困難であると考える。したがって,長期にわたる大規模な工事期間 中,周辺道路の車両の通行が阻害され,人の通行にも危険が伴うことが続くと予 想される。近隣には高齢者,幼児も居住しており,近くには京極幼稚園がある。 前面道路は京極小学校の通学路にもなっている。また,隣接する住宅はほとんど が木造住宅であり,工事による振動・騒音などの被害も大きいと考えられる。近 隣住民の生活と安全を確保するため,住民の合意を得,かつ工事協定を結ばない 限り決して着工しないことを強く要求する。 陳 情 者 回付委員会 まちづくり委員会