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こちらでは,よく聞かれる質問のうち, 鳥類に関する研究内容について

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こちらでは,よく聞かれる質問のうち, 鳥類に関する研究内容について
☆こちらでは,よく聞かれる質問のうち,⿃鳥類に関する研究内容についてまとめました。 Q.⽐比較⽣生化学研究室ではどんな研究をしていますか? A. 動物,とくに⿃鳥類の糖代謝と,それを制御するホルモンの研究をしています。従属栄養⽣生物
である動物は,⾷食事からエネルギーを取り出して⽣生命活動に⽤用いています。⾷食事中のいろいろ
な栄養素からエネルギー(ATP)を作り出すためのいろいろな代謝経路路が知られています。
細胞のエネルギー源の代表はブドウ糖(グルコース)です。とくに,脳や⾚赤⾎血球はエネルギー
源としてグルコースしか利利⽤用できないため,⾎血糖値の維持は動物が⽣生きていくのに不不可⽋欠です。
ところで,⿃鳥類は他の脊椎動物と⽐比べて,⾎血糖値が⾮非常に⾼高い⽣生きものです。ニワトリは⿃鳥類
の中では⾎血糖値が低い⽅方ですが,ヒトなどの哺乳類の2倍以上あります。このことから3つの
疑問が湧いてきます。 ①⾎血糖値を⾼高く維持するためのメカニズムは? ②⾎血糖値が⾼高いことは⿃鳥類にとってどんな良良いことがあるのか? ③⾎血糖値が⾼高いことで,ヒトのような糖尿尿病に関連した病態は起こらないのか? いろいろな研究を通じて,これらの疑問に答えたいと思っています。 また,こうした糖代謝を調節しているホルモンとして,インスリンやグルカゴンが有名です
が,私たちの研究室では,甲状腺ホルモンの研究をしています。あまり知られていないことで
すが,甲状腺ホルモンは甲状腺から分泌泌されたときにはあまり活性がなく,末梢組織などで活
性化されてはじめて活性型になるので,⾎血中濃度度にかかわらず,末梢組織の都合?に合わせて,
実際に働くホルモン量量を調節することができます。どの臓器で,どんな時期に活性化されるか
を調べて,それはその臓器にとってどんな意味があるか,また,いろいろな臓器が協調してど
のように体の恒常性が維持されているか,明らかにしようとしています。 このほか,卵卵⻩黄中のホルモンの研究も⾏行行っています。⺟母鶏は卵卵⻩黄にいろいろな栄養素ととも
にホルモンを詰め込んでから産卵卵することが知られており,これは⽣生まれてくる我が⼦子がすく
すく育つための⺟母鶏からの⼀一種の「投資」と考えられています。これらのホルモンは,⼦子供⾃自
⾝身が⾃自分の需要に応じて作っているのではないので,どのようにうまく調節されて⼦子供に働く
のか,主に甲状腺ホルモンを中⼼心に調べています。 というわけで,動物のエネルギー源である糖の代謝と,それに影響を及ぼすホルモンについ
ての基礎的な研究を主に⾏行行っています。動物コースの中ではもっとも基礎的な研究をしている
研究室のひとつですが,未知の現象を解明していく楽しみがあるのと,基礎研究であるほど応
⽤用範囲は広いと思っています。 
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