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全国異業種グループネットワークフォーラム 第 7 回大会 in KOBE 第 4
全国異業種グループネットワークフォーラム 第 4 分科会 第 7 回大会 in KOBE 港町ネットワーク モデレータ: 萱場和彰 株式会社カヤバ パネラー: 大桃泰行 株式会社竹葉新葉亭 代表取締役 函館 パネラー: 佐藤健之 株式会社鈴木コーヒー代表取締役 新潟 パネラー: 山田義人 横浜元町SS会 横浜 パネラー: 奥井秀樹 奥井電気株式会社 パネラー: 陳 株式会社四海楼 優継 代表取締役 事務局長 代表取締役 代表取締役 新潟 神戸 長崎 日本の物流は古来陸上輸送と比べるとはるかに海上輸送のほうが効率的なため、古代から発達をし、江戸 時代においては北前船が北海道―新潟―石川―九州福岡―四国―大阪、菱垣廻船は大阪-江戸間を日本国 内の物資の流通を担っておりました。 それは、商品の流通だけではなく各地の文化の交流であり、人間の交流でもありました。 しかし、現代社会においては陸上高速交通体系の発達と中央集権体制の基、首都圏一極集中に伴い、首都 圏をいったん経由して加工された情報を地方都市は甘んじて受けてきたわけであります。今後、地方分権 に伴いこれから導入される道州制を踏まえ、地方が固有に持っている特長を生かし、お互い地方同士の連 携を模索しながら産業を発展させることは、ひとつの考え方であると思います。この分科会では本テーマ でどのような具体策があるか議論してみたいと思います。但し、今回のワークショップで何かを決議する と言うことは行わず、次回札幌で行われるであろう第 8 回大会へのつなぎとして自由に発言していただき たいと思います。 大西:苫小牧港は他の開港 5 港と異なり入り江がない、人工的に海岸を掘ってできた港。 国内の貿易では最も取扱量の多い港であるが、 コンテナの取扱量は下位に甘んじている。地域 柄北米(特にカナダ)への輸出が多い。国土交 通省の企画で全国の港の女性ネットワークを 構築する委員になっている。 大桃:私自身は湯の川温泉で新葉亭という旅 館を経営している。函館港は前項でもまれに 見る好漁場を背景に漁業を中心にした港のあ り方を模索している。以前は完工を中心に成 り立っていた都市であったが、バブルの崩壊 と共に観光客はどんどん減って、抜本的な対 策構築を余儀なくされていた。ひとつの可能 性として新幹線の延長がある。現状八戸まで 開通している新幹線が、函館まで延長されてきた時の函館の位置づけは重要になると考え ている。そのためにも函館の役割を十分認識しておかなければならない。函館には北海道 大学の水産学科がある。現在ここで大きなテーマとして掲げられているのが、世界人口の 増加に伴って、食糧が不足していく打あろうと予測されていること。タンパク質源として 水産物がとても重要なものになるであろうこと。地理学的に函館を取り巻く海域は、海流 が集まっている影響で、他の海域と比べると 40 倍の含有物があること。このような自然資 源の有意差及び、将来の課題に貢献する内容であることを、夜景の美しさとともに推進し ていきたい。 佐藤:新潟港は、開港 5 港としては唯一日本海に面した港でした。現在は液化天然ガスの 輸入が全国で 1 位になっております。 さて情報化と国際化の推進によって、国家間の物流は大きく伸びてきました。 しか し中小企業にとっては、商品はあるがなかなか輸出するにはロットがあわずにそのチャン スをうまく利用できないでいました。昨年から今年に掛けてロシア極東に 2 度経済ミッシ ョンを派遣しましたが、そのとき日本商品に対する評価が高くとても任期があるというこ とを実感しました。例えばカップヌードル一つとっても韓国製が 300 円ぐらいだとすると、 日本製は 800 円でもどんどん売れていきます。しかしこれくらい人気があるのにこれらの 商品は日本から船便で欧州或いは黒海を経てモスクワに入り、そこから陸路極東まで輸送 されてくるのです。現在日本海を通ってロシア(ザルビノ)に行く便は韓国のフェリーが 運航されています。近い将来このフェリーが新潟経由でロシアまで行くことが計画されて います。そうなると日本からロシアまでの物流が大幅に短縮されることになるのです。 ただしここで一つ障壁があります。ロシアは 1 コンテナ単位で無ければ品物を受け入れな いと言うこと。そこで全国から集まる商品を一つのコンテナに収めてロシアに送り込む。 受け入れ先では、長くロシアとの貿易経験があるセンコン物流が倉庫を貸し出す。そして 販売ベースでの料金の精算を行うなどの手順を計画しております。ロシアはGATTに加 盟していないので関税体系が決まっておらず、その都度確認することは必要ですがここで も、そのノウハウを提供できるようなサービスを考えております。中小企業がローリスク で展開しやすいような LLP(有限責任事業協同組合)を設立して事業を推進していく。 山田:横浜元町商店街では、ショッピングストリートに入ってくる配送車を 1 台にして共 同配送することで、待ちをすっきりさせ、排出ガスの低減と安全の推進を 2 年以上前から 企画して地元の警察と協議しながらやって参りました。ところが本年 6 月に施工された新 道路交通法の改正で、駐車に対する対応が全国一律になってしまい、元町商店街で配送車 を 1 台だけ許可していたのが、不可能になってしまいました。そこで警察と交渉を繰り返 してできたのが、道路に配送車駐車スペースを設けること。しかしこれが 1 台分しか用意 されなかったことと、商店街の車両だけの特例ではなくなったため、他の宅配業者とのス ペースの取り合いになってしまった。 横浜のように首都圏をバックに抱 えている大きな港はマーケットが 大きく、取扱量も多いが逆に失うも のも大きい。 また港湾に係わる規制も多く、これ らの改正に行政はとても動きが襲 い。本日集まった 5 港の方々とも情 報を共有しあって、改善に努めてい きたい。 奥井:神戸は過去において横浜とその取扱量を 2 分する大きな港であった。また、コンテ ナの取扱量も過去には世界第 3 位という地位にいたこともあったが、現在は 30 位台をさま よっている。何年か前にシンガポールに行ったことがあったが、神戸とは比較にならない ぐらい活気があり、ガントリークレーンなども活気を要していた。 船には物流と観光の需要がある。観光(ク ルーズ)需要は世界的に大きな伸びを示し ておいる。世界のクルーズ需要は北米(カ リブ海)で 1000 万、ヨーロッパ(地中海) で 200 万強、アジア(シンガポールを起点) が 75 万と役 1300 万の需要がある。これに 対して日本はどうかというと逆にクルーズ人口は 12 万人と落ちてきている。何故かという と国内でクルーズを提供できる船がわずか 4 隻しかいないこと。海外では需要を掘り起こ すために新造船を増やすことによって対応している。今神戸では新造船を建造すること、 新たな航路(例えば瀬戸内海クルーズ)などを企画してクルーズ人口を増やして、活性化 することを考えている。 陳:私は華僑の 4 世です。祖祖父がチャンポンを初めて世に送り出して四海楼という中国 料理の店を経営している。長崎港は出島に象徴されるように西暦 1500 年代から海外の窓口 として成り立ってきて外国の文化が取り入れられてきている。特に中国上海との関係は古 く且つ深いものがある。もう一つは三菱重工などに象徴される造船と軍港としての歴史が 特筆される。目隠し倉庫と呼ばれるとおり外部との接触をシャットダウンして孤立してい たことが観光地としての可能性を下げていた。 長崎ではアーバンルネッ サンスと称して、国際航 路の充実を打ち出してき た。クルーズに関しては 現在年間 80 隻が寄港し ており、日本の港では最 も多い。これには理由が あって、日本の船舶法で海外から来た船は、日本の港に立ち寄るのは 1 港に限るという規 制があるため。それで長崎という土地柄、長崎に立ち寄って再度出航して、中国や韓国に 行きその後、日本の他港に再入国するとため。また三菱重工長崎造船所で建造されて船は、 長崎に立ち寄ることが多いようです。中国からは 1 万人の観光客が毎年訪れる。 またアーバンルネッサンスの一環として、日本で最長の斜張橋(女神大橋)をかけて港を 外から見ることができるようにした。 このようにして、ネームバリューを上げるよう努力 してきている。また夜景などのデザイン、港に隣接 した商業施設などの構築も併せて進めている。 開港の 5 港に関しての連携は、現在各 5 港のミスに よる相互訪問だけになっている。本日 5 港関係者が 集まっての話はとても有意義であり、来年の札幌に つながって、ネットワーク構築による連携ができる ことを期待している。 各パネリストから出てきた言葉 港は近いようで遠い→規制が多い 入荷する品物は多いが(或いはコンテナはどんどん入ってくる)が、出荷す るものが少ない。名古屋などの大きな港からの輸出が多い。