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Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎め研究 一特に交叉感作

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Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎め研究 一特に交叉感作
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Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎め研究
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一特に交叉感作についてー
日 野 治 子
I● 要 旨
Streptomycin, Dihydrostreptomycinが種々の剤型の外皮
Neomycin
用剤に含まれて主に皮膚科領域,外科領域で用いられて
23例,
Gentatnicin 4例Kanamycin 1
例Kanendomycin 1例,計29例のArninoglycoside系
おり, Neomycin, Kanamycin,
Kanendomycinは点眼液,
抗生物質による接触皮膚炎と,
眼軟膏に含まれて眼科領域で,
Neomycin,
Streptomycinによる湿疹
型薬疹2例を経験した.これらの患者で,パッチテスト
点耳薬に含まれて耳鼻科領域で,
および皮内テストを行ない,
に含まれて外科領域で用いられている.
Aminoglycoside系抗生物
質間の交叉感作について検討した結果,各々Deoxystreptaraineを持つNeoraycin,
Kanendomycin,
Lividomycin,
Gentamicin,
Vistamycin
Dibekacin,
(Ribostamycin),
Aminoglycoside
系抗生物質のうちStreptomycinは経皮感作能が強い
Kanatnycin,
Paromomycin(Aminosidme),
Kanamycinは
Neomycinは痔疾用剤
Tobramycin,
ため局所的な使用は避けるべきとされているが,その他
のAminoglycoside系抗生物質の経皮感作能は弱いとさ
れ,外用剤として広く用いられて来た.しかし,
1952年
およびDeoxystreptamineの2つの-NH2のうち1つの
Baer and Ludwig"がNeomycinによる接触皮膚炎を報
-NH,が゛NH・CO.
告して以来,皮膚科領域ではAminoglycoside系抗生物
OH・CH2・CH2・CH2・NH2で置き
換っているAmikacinの間では交叉反応が認められた.
質による接触皮膚炎が注目されている.本邦では,
しかし,これらのAminoglycoside系抗生物質と,
streptaraineの2つの-NH,が-NH
Deoxy-
. CNH・NH2で置き
換っているStreptidineを持つStreptomycin,
Dihydro-
streptomycinとの間には交叉反応は認められず,
Strepto-
年眼科の市原2),緒方・西山3)の報告があるが,
1957
1966年
本田4)がNeomycinによる接触皮膚炎を報告して以来,
Aminoglycoside系抗生物質,特にNeomycinによる接
触皮膚炎の報告は多く,しかも増加傾向を示し,
mycinはDihydrostreptomvcinとのみ交叉反応が認めら
tomycin以外のArainoglycoside系抗生物質の経皮感作
れた.
能も必ずしも弱くないことが認識されるに至った.
また,ヒトで得られたこれらの成績を検討するため,
あるAminoglycoside系抗生物質によって経皮感作さ
NeomycinおよびStreptomycinでモルモットの感作実
験を行ないFreund's
complete
adjuvant
れた場合,そのprimary
を用いて強力
sensitizerとしての原因薬剤と
交叉感作を示すAminoglycoside系抗生物質を皮膚局所
な感作処置を施したが,感作は不成立に終った.さらに
に使用すれば接触皮膚炎を起しprimary
maximization
たはそれと交叉感作を示すAminoglycoside系抗生物質
testを行なったが,同様に感作は成立し
Strep-
sensitizerま
を注射剤として全身的に投与すると,全身に湿疹型の薬
なかった.
疹を生じ得る.しかし,
II● 緒 言
本邦では現在,
Neomycin,
Aminoglycoside系抗生物質のうち,
Gentamicin,
Kanamycin,
Aminoglycoside系抗生物質間
の交叉感作に関しては,その成績が報告者によって異な
Kanendomycin,
り,一定していない.特にStreptomycin,
Dihydrostrep-
tomycinと,他のAminoglycoside系抗生物質との間の
交叉感作に関してはいくつかの相反する成績が報告され
-
ている5)-9)し, StreptomycinとDihydrostreptomycinと
東京大学皮膚科学教室(主任 久木田 淳教授)
Haruko
Hino: Contact
coside
various
group
dermatitis
from
Aminogly-
of antibiotics. 一一Cross-sensitivity to
Aminoglycosides.一一
昭和53年8月9日受理
の間の交叉感作の有無に関しても明らかにされていな
いトさらにAminoglycoside系抗生物質間の交叉感作を
動物感作実験により検討した成績では,ヒトの場合に得
〒113東京都文京区本郷7−3−1 東京大学皮膚
られる成績と全く異なった結果が得られており,これが
科学教室
Aminoglycoside系抗生物質間の交叉感作に関する問題
日野 治子
994
表1 基礎疾患と原因薬剤
を一層複雑に.している.
一方,近年,新しいAminoglycoside系抗生物質が次
々に開発されており,現在本邦ではStreptomycin,
drostreptomycin,
mycin
Kanamycin,
(Aminosidine),
myciiij Vistamycin
Dihy-
Kanendomycin,
Gentamicin,
(Ribostamycin),
薯 年性
令
37 女 過錯
2
26 安 モ嚢性ムチン沈着症
Neontvcin
3
28 男 熱傷潰瘍
Neomycin ク0マィーP9
4
26 女 熱傷潰瘍
Neomycin
鴛コl
5
15 女 熱傷潰瘍
Neo印画
混濁
6
69 女 熱傷潰瘍
Neomvcin ク四有P軟膏
7
54 男 徳性潰瘍(有剱細胞癌)
Neomycin
溺犯ンH
8
41 女
Neomvcin
フル]-トF
9
64 女 下腿淆痛く欝血性皮膚炎)
NeO阿山
クロマィ-P軟膏
肖ロタィシン軟膏
Livido-
Tobramycirij
Ami-
最近開発されたTobramycinはアメリカでは眼科用に用
Neomycinとの交叉感作が検討され
ており,両薬剤間には交叉感作が成立するとの成績が報
告されているlo)が,
Dibekacin,
Lividomycin,
Vistamycin,
Amikacinと既存のAminoglycoside系抗生物質との交
10
酒纏
同時感性薬剤
原因製剤
1
Paromo-
Dibekacin,
次‰
リンデロyvA口
Neomycin
うョン
kacinが注射剤として臨床に供されている.このうち,
いられているため,
基磋疾患
リンデロンーVA□
うョン
OilnrofjrAeKol
服Z
・∩
Ctitamphenicol
Merzon n
撒布疹
傑
池Ot
あリ
¥ln
47 安
慢性放射線皮膚炎(乳癌手術後)
Neofnycin ク[]マドP穀膏
そこで著者は,一方ではNeomycinをはじめとする
35 女
慢性哉射線皮膚炎(乳癌手術後)
Neomycin
Aminoglycoside系抗生物質による経皮感作が増加して
12
59 女 て腿潰瘍(C吊.fibrinoge鍛冶NeO阿山 クロマ脊?H
13
46 女 脂漏性皮膚炎
Neomvcin ベトネやト賭膏
14
20
Neoりcin
ツロマィーP軟膏
Merzon n
ChlomtiDが c o l
15
42 男 熱傷潰瘍
Neomycin
クロマ脊pm
Merzonin
16
47 男 下腿遠隔(タト傷)
Neomycin 沢]フィーP喊
おり,他方では次々と新しく開発されるAminoglycoside
系抗生物質の注射剤が広く臨床に用いられる今日,本邦
で用いられているAminoglycoside系抗生物質間の交叉
感作の有無を明らかにすることは,臨床上役に立つと考
えNeomycinによる23例,
Kanatnycinによる1例,
女
潰瘍(陥入爪)
よる2例の湿疹型薬疹患者で,パッチテストおよび皮内
Merzon
n
・d
Clilorarap
Merzo両
説o「画面必L
Merzonin
Merairochrome
17 44 男
男
クロマィ-Pfes
慢性欲前線皮膚炎(乳癌手術後)
Neomycin ク回召セり漬21
熱傷潰瘍
Neomycin ハうマずシンM
Merzonin
Neornycln
クロマ介P騨
Olio聊か心oL
Neon印画
クロマィーP軟膏
Chlorm卵白t
19 43 男 無傷漕賜
Chbrorfiphenicot
20
63 女
慢性放射線皮膚炎(子宮癌手術後)
割
47 女
悟性放射絵皮膚炎(乳癌手術後)
ワロマ介P軟膏
Neomycin ?返タケa
Merzonin
々
慢性放射線皮膚炎(乳癌手術後)
Neomycln クロマィ-P軟膏
CMoronphenb
23 28 女
加性放射線皮膚炎(有辣細胞座)
Neoりcin
ソフラテユリし Merzonin
24 65 々
慢性放射線皮膚炎(子宮癌手術後)
GerHomicin
ゲンタシン軟膏
に関する問題を曖味にしていた今までの動物感作実験に
25 65 男
タト陰部Paget痛手術後の処置
GentQ/?)icin
おける誤りを指摘し得たので,モの成績もあわせて述べ
26
テストによりAminoglycoside系抗生物質間の交叉感作
撒布疹
あり
C喩四面1d
18 28
計29例の接触皮膚炎患者,およびStreptomycin注射に
池聞所謐
クロマィーP軟膏
Acrinol
Gentatnicinによる4例,
Kanendomycinによる1例,
袴布疹
あリ
CMoramptoiは
11
叉感作に関しては検討が加えられていない.
備考
撒奇談
あリ
持布疹
あり
を検討し,一定の結論を得たので,その成績を報告す
る.さらに,
Neomycin,
Streptomycinによる動物感作実
験を行ない,
Aminoglycoside系抗生物質間の交叉感作
22 52
20
女
邑素性母斑切除後の処置 S e n t a n i i c i n ゲンタシン軟膏
27 58 々 下腿潰瘍(笥血性皮膚炎)Gentamidn
たい.
言温
in. j`:jnlnoelycoslde系抗生物質による接触皮膚
28 42 男 中耳炎・タト耳道央,擦過傷
恥勣ナ召シ)濠
Kanamycin 明治
肘石シン較騨治
炎の臨床的観察とパッチテストおよび皮内テストの成績
29 52 男 眼咳縁炎・結膜炎
kmii阿山
1 . PI‘Imary
sensitlzer
および原因外用製剤(表1)
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎29例の
うち,
primary
sensitizer がNeomycinと証明されたも
附加n
言温
群ンド召シン点
眼浪
注〕クロマイーP軟膏,19中;クロラムフIニコー几20mq(力価}
硫酸つうジλマイシン5mo(力価)
クロ[]マイセチン軟膏2%,1g中;ク[]ラムフェニコづし20mq(力価)
/弥マイシン軟膏,19中;バシトうシ)250単位 :
.・一心Whttp://www.皿・
のは23例と最も多く,次いでGentamicinによるものが
4例,その他にKanamycin,
Kanendomycinによるもの
が各々1例あった.
Neomycinに感作された23例では,クロマイーP軟膏に
よるものが16例と最も多く,そのうち2例ではバラマイ
シソ軟膏を,1例では強カレスタミソコーチソソコーワ
軟膏を併用している.その他に,バラマイシソ軟膏のみ
5mg(力価)
995
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
表2
を使用していたものが2例,リソデロソーVAローショソ
によるものが2例,フルコートFによるもの,ベトネベ
基 礎 疾
ートN軟膏によるもの,ソフラチュールによるものが各
基礎疾患
一
愚者例数
一
13例
消瘍
熱傷潰瘍 7
々1例あった.
穆血性皮膚炎に伴う下腿潰瘍 2
Gentamicinに感作された4例はいずれもゲソタシン
Cryofibrinogenemiaによる下腿潰瘍1
軟膏を使用しており,そのりち2例でリソデロソーVG軟
陥入爪による潰殤 1
11
膏を併用していた.
癌性潰瘍
外傷性潰瘍
Kanamycinに感作された1例は,慢性中耳炎・外耳
7
慢性放射線皮膚炎
道炎として耳鼻科で2年以上も処置にカナマイシソ点耳
急性放射線皮膚炎
術後処置
ソ軟膏を1回外用しただけで高度の接触皮膚炎を起した
酒頗
患者である.初診時,カナマイシソ軟膏外用部位のみな
毛嚢性ムチン沈着症
CSl
液を用いていたところ,偶々前腕の擦過傷にカナマイシ
CNJ
111
脂漏性皮膚炎
らず耳孔部,およびその周辺にも湿疹性変化がみとめら
中耳炎・外耳道炎
れており,元来カナマイシソ点耳液で感作されていたた
眼険緑炎・結膜炎
計29例
め,初回のカナマイシン軟膏外用にもかかわらず,皮膚
炎を生じたと考えられる症例である.
Kanendomycinにより感作された1例は,眼険縁炎・
は,全例原因薬剤の使用部位を中心に強い癈蝉,発赤,
結膜炎にカネソドマイシン点眼液を用いて感作された症
腫脹を伴う急性の皮膚炎像を呈したが,苔癖化を伴う慢
例である.
性湿疹性の病像を呈した症例は1例もみられなかった.
なお,
また,29例中5例で,直接に原因薬剤が接触しない遠隔
Aminoglycoside系抗生物質に感作された29
例のうち,19例はAminoglycoside系抗生物質以外に
部位に自家感作性皮膚炎様の二次的な撒布疹がみられ
Chloramphenicol, Merzoninなどの他の薬剤にも同時に
た.これらの症例は,原因薬剤使用部位に皮膚炎が生
感作されており,症例16のようにNeomycin,
じた後も,原因に気づかず,繰返し原因薬剤を用いてい
phenicol, Acrinol, Mercurochrome,
Chloram-
Merzoninの5種類
た.なお,これら5例は全例Neomycin感作例であり,
に同時に感作されていた症例もあった.特に,クロマ
Gentamicin感作例,
イーP軟膏の使用によってNeomycinに感作された16例
感作例では撒布疹はみられなかった.
のうち,同時にChloramphenicolに感作された症例が13
3.
例もあったことは注目される.
び皮内テスト
Primary
Kanamycin感作例Kanendomycin
sensltlzer
によるパッチテストおよ
2.臨床像と基礎疾患(表2)
1)パッチテストおよび皮内テストの方法と判定基準
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎患者29例
Atninoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎29例の
がいずれも,薬剤を使用すべき理由,即ち基礎疾患を持
っていたのは当然のことであるが,最も多くみられたも
のは潰瘍であった.そのうちわけとしては,熱傷潰瘍か
7例,曇血性皮膚炎に伴う潰瘍2例,
cryofibrinogenemia
感作薬剤は,パッチテストおよび皮内テストによって確
認した, Neomycin皮膚炎患者ではNeomycinに感作
されているにもかかわらず,しばしばパッチテストが
陰性で,皮内テストのみ陽性を呈することか知られて
による下腿潰瘍,陥入爪による潰瘍,癌性潰瘍,外傷性
いるil)lz)即ち,
潰瘍が各々1例あった.次に多かったものは悪性腫瘍手
false negative reaction を呈することがあり,モのため
術後の放射線照射による慢性放射線皮膚炎で7例みられ
Neomycinによる感作の有無の検査には皮内テストの方
た.急性放射線皮膚炎は1例あった.手術後の処置に用
がsensitiveとされている.従って,
いていた外用薬に感作されたもの2例,酒以の治療に用
抗生物質による感作の有無のみを検討するには皮内テス
Neomycinによるパッチテストでは,
Aminoglycoside系
いた抗生物質含有ステロイド軟膏によるもの2例,その
トのみで充分であるが,今回はAminoglycoside系抗
他に毛嚢性ムチソ沈着症,脂漏性皮膚炎,中耳炎・外耳
生物質皮膚炎におけるパッチテストと皮内テストの成績
道炎,眼険縁炎・結膜炎が1例ずつあった,自験例29例
の相関関係および反応の強さの時間的変動を観察する目
日野 治子
996
的で,接触皮膚炎の消琵した後に,患者の背部の正常皮
合5∼15mm程度であるが,2∼3mm程度の弱い反応の
膚部位に,各々原因薬剤と推測されるAminoglycoside
場合もある.浸潤性紅斑の大きさは感作の程度を表わす
系抗生物質によるパッチテストおよび皮内テストを並行
と考えられるので,判定時にはその長径および短径を記
して実施した.
載した.なお,単位はmmである.
2)パッチテストおよび皮内テストの成績(表4)
パッチテスト用抗原として各々10%(力価)のNeoraycin
sulfate, Gentamicin
Aminodeoxykanamycin
sulfate, Kanaraycin
sulfate,
sulfate を用い,基剤として白色
Neomycin感作の23例では,パッチテスト48時間後の
判定で,(朴)は2例,(升)は10例,(十)は5例,
ワセリソを使用した.判定は原則として48時間後と,72
(土)は2例,(−)は4例であった.即ち,23例中4
時間後に行ない,一部の症例ではさらに96時間後にも観
例でfalse negative reactionが認められた.48時間判定
察した.判定基準には歴史的に多くのものがあるが,現
在ではAl-testを用いるICDRG
Dermatitis
Research
で(−)の4例は,72時間後の判定においても(−)で
(International
Contact
Group)の判定基準を採用する研究者
あったが,96時間後も観察し得た2例のうち,1例は
(十)となり,1例は(−)のままであった.48時間で
も多い13)しかし,今回は,パッチテスト用絆創膏とし
て鳥居薬品製のものを用いたこと,
10%
Aminoglycoside
系抗生物質によるパッチテストでは,一次刺激反応,即
ちfalse
positive reaction
i Prfmary
reaction
パッチテスト(10%)
sensitizer 48時間 72時間 96時間
が認められないだけでなく,
臨床的に有意な感作が成立していても,しばしばfalse
negative
表4 Primary
sensitizerによるパッチテストおよ
び皮内テスト成績
皮内テスト(1,000倍)
48時間 72時間 %時間
1
Neomycin
升
升
6×6
7〉く8
2
Neomycin
-
-
3×3
5×5
を呈することがあり,従って特に弱
3
Neomycin
升
4
Neomycin
十
升
9×9
察に便利であることなどの理由から川村ら14)の判定基準
5
Neomycin
冊
佃-
9×10 10×10
(表3)に従った.
6
Neomycin
十
十ト
い反応の観察が大切であること,反応の強さの変動の観
表3 パッチテスト判定基準
皮 膚 の 反 応
判定
8×9
8×8
Neomycin
升
併
10×14
8
Neomycin
升
冊
8×9
9×9
9
Neomycin
十
升
5×6
8×8
10
く5×7
Neomycin
-
-
5×5
−
11
Neomycin
升
升
6×6
軽い紅斑
12
Neomycin
-
-
紅斑
+
−
+
13 Neomycin
舟
併
紅斑十浮腫
升
14 Neomycin
、±
十
佃一
大水抱
十H十
皮内テスト用抗原としては,
tamicin sulfate, Kanamvcin
Neomycin
sulfate,Gen-
sulfate. Aminodeoxykana-
mycin ?ulfateを生理的食塩水に1,000倍(力価)に稀釈し
た液を用いた.ツベルクリン用注射器で正確に0.1mlを
15
6×6
7×7
10×11
4×4
5×5
舟
13×14 17×18
16 Neomycin
升
舟
10×12
14×16
17 Neomycin
十
升
8×8
8×8
18 Neomycin
士
十
4×4
5×5
15〉く15
17×17
10×11
12×13
19 Neomycin
併
舟
Neomycin
升
併
21 Neomycin
升
20
10×10
18×18 20×20
冊
12×`12
22 Neomycin
-
-
23 Neomycin
十
十
レルギーにおける遅延型皮内反応の一般的な判定基準
24 Gentamicin ト
25 GentamicTnド
Aminoglycoside系抗生物質の
-
15×14
Neomycin
皮内注射し,パッチテストと並行して観察した.接触ア
は確立されていないが,
10×8
7
反心なし
紅斑十浮腫十丘疹・漿液性丘疹・小水抱
9×9
+
8×8
8×8
4×3
4×4
-
10×10
15×15
-
2×2
-
2×2
4×5
6×7
8×8
4×4
1,000倍生食液の皮内注射はヒトでは全く非特異的な一
26 Qentamicinト
次刺激反応を呈さないことが経験的に知られているの
27 Gentamicin
-
-
で,48時間後に浸潤性紅斑が認められた場合を陽性と判
28 Kanamycin
升
舟
14×14 14×14
定した.陽性反応としての浸潤性紅斑の直径は多くの場
29
Kanendornycin
升
升
10×10
11×11
9×8
997
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
(士)を示した2例は,72時間後にはいずれも(十)と
domycinのパッチテストは,48時間,72時間のいずれも
なっている.48時間で(十)を示した5例のうち,4例
(朴)であり,皮内テストは,48時間で10×10mm,
が72時間後に(朴)となり,1例は(十)のままであっ
時間で11×Ummの浸潤性紅斑を示した.
た.48時間で(升)の10例中72時間後も観察した8例で
4.小考按
は,5例が(併)となり,3例が(朴)のままであっ
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎に関し
た.
ては,経皮感作能が強いとされているStreptomycinに
一方,皮内テストは,48時間後の判定時に,23例全例
よるものは多数15)
が陽性反応を呈しており,48時間後に陰性で,72時間後
弱いといわれていたNeomycinに関してもBaer
に陽性となった症例は1例もなかった.即ち,パッチテ
Ludwig"以来非常に多数の報告がみられる.他のAmino-
ストで,48時間,72時間ともに(−)だった症例2,
glycoside系抗生物質による接触皮膚炎はLynfield"'
10,および96時間後も(−)だった症例12,
のGentamicinによるものがみられるのみである.自験
96時間後に
21)報告されているが,経皮感作能が
漸く(十)となった症例22のいずれも,皮内テストで
例のAminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎患者
は,48時間後に明瞭な浸潤性紅斑を示した.また,皮内
29例に関してもNeomycinによるものが23例と最も多
テストにおける浸潤性紅斑は,48時間判定時に比べ,72
かった, Neomycin感作例が多い理由として,これが種
時間判定時の方が反応が増強する傾向を示した.即ち,
々の剤型で広く用いられ,使用頻度が高いことが第1に
23例中72時間後も観察し得た21例では,18例で48時間時
挙げられるが,その他にNeomycin以外の強い感作能
よりもモの浸潤性紅斑が多少大きくなる傾向が認めら
を持つ薬剤と併用され,まずそれで感作されたために,
れ,48時間時の紅斑の径の平均は7.9×8.6mmである
Neomycinに感作されやすい条件が生じた場合も考えら
**s 72時間時の径の平均は9.9×10.4mmであった.
れる.自験例でもNeomycin感作23例中,他の併用薬
Neomycin感作の23例のパッチテストおよび皮内テス
剤に同時に感作されていた症例が18例もあり,その中
トの反応の強さの関係を検討すると,48時間時にパッ
で,感作能が比較的強いと考えられるMerzoninに同時
チテスト(−),(土),および(十)の症例では,皮内
に感作された症例が10例あった.また,ク1=・マイーP軟
テストの紅斑の径の平均値は5.9×6.1tnmであるが,
膏使用によりNeomycinに感作された16例の中で,同時
(升)および(併)を示した症例の平均値は11.0×11.7
に, Chloramphenicolに感作された症例が13例あったこ
mmであった.パッチテストの反応が強度になればなる
とは注目される.
ほど,皮内テストも強い反応を示す傾向があった.
ずれがより感作能が強いかは明らかではないが,クロマ
Gentamicinに感作されたと考えられる4例では,
イーP軟膏は2%のChloramphetiicolと0.5%のNeomycinを含有しており, Chloramphenicolの濃度がNeomy-
症例24は,48時間後の判定で10×10mm,
72時間後には
cinの濃度の4倍であることNeomycinとChloram-
72時間後4×
phenicol とのパッチテストと皮内テストで,しばしば
4mm,症例26は,48時間後2×2mm,
症例27は,48時間後6×7mm,
72時間後4×5mm
72時間後8×8ram,
and
NeomycinとChlorampbenicolの,い
Gentamicinの皮内テストは全例で陽性である.即ち,
15×15inm,症例25は,48時間後2×2min,
72
4例
j
Chloramphenicolの方が強い反応を呈したことを考慮す
ると,かなりの数の症例で,先にChloramphenicolに感
とも48時間後の判定時に明瞭な浸潤性紅斑を示してお
作されたことが推測される.
り,その陽性反応は72時間後に増強傾向を呈した.一
症例24,
方,パッチテストでは,4例ともに48時間後に(−)で
はゲソタシソ軟膏とリソデ1=・ソーVG軟膏の使用により
あり,72時間後も(−)のままであった,即ち,全例が
感作された症例であるが,各々その薬剤使用歴で他の
パッチテストではfalse
Arainoglycoside系抗生物質を使用していないため,
negative reactionを呈したこと
25,
26, 27の4例は,ゲソタシソ軟膏また
になる.
Gentamicinがprimary
Kanamycinに感作された症例28におけるKanamycin
例は4例ともパッチテストでfalse
sensitizerと考えられる.自験
のパッチテストは,48時間後に(朴)であり,72時間後
呈し,皮内テストのみ陽性反応を呈した.この成績から
には(併)となった皮内テストも48時間で14×14mm,
Gentamicinによる感作の証明には,パッチテストのみ
72時間も14×14minと強い陽性反応を呈した.
では充分でなく,皮内テストを行なう必要がある.本邦
Kanendomycinに感作された症例29におけるKanen-
でGentamicinによる接触皮膚炎の報告がみられない理
negative reactionを
日野 治子
998
由には, GentamicinとNeomycinの使用頻度の差,感
化を伴う慢性湿疹型の症例を示し,その病変部および
作能の差,一般に使われている外用剤でNeomycinの濃
パッチテストと皮内テスト部の組織所見で表皮の変化が
度は0.35∼1.0%であるのに対して,
軽度で,むしろ真皮の変化が強いこと,パッチテスト陰
Gentamicinは0.1
%であることなども考えられるが,一般にGentamicin
性で皮内テスト陽性例があることなどを,
の感作の有無の検索にはパッチテストか用いられてお
膚炎がdermal
り,そのfalse
し,苔癖化局面を生じやすいことをNeomycin皮膚炎の
negative reactionのために見落されてい
る可能性も考えられる.現在,
Gentamicin含有外用剤
Neomycin皮
sensitivityに基づく現象と考える根拠と
特徴の1つとしている.しかし,著者は,自験例29例中
の使用量は増加する傾向にあり,注意すべきことと思わ
臨床的に苔癖化を呈する慢性湿疹型の接触皮膚炎像を1
れる.
例も観察し得なかったこと,パッチテストが陰性で皮内
Aminoglycoside系抗生物質皮膚炎の臨床像を検討し
テストが陽性の症例も通常の急性皮膚炎の臨床像を呈し
てみると,症例5,
たこと,接触皮膚炎では,一般に接触アレルゲンの種類
9, 16, 17, 19の5例で,全身性の
撒布疹がみられたが,他の症例はすべて外用剤を使用し
とは無関係に皮内テストで陽性反応が得られることなど
た局所に急性の皮膚炎を呈した.服部8)はNeomycinに
から,苔癖化型病変をdermal
よる接触皮膚炎の臨床像を急性皮膚炎型,苔癖化型,自
とみなしたりNeomycin皮膚炎の特徴とする必要はな
家感作性皮膚炎型の3型に分けている.5例でみられた
いと考える.即ち,
撒布疹は,服部のいう自家感作性皮膚炎型に相当するも
に特殊な病型を考える必要はないと思われる.むしろ,
のであろうが,原因薬剤の接触部のほかに,直接接触し
パッチテストが陰性で皮内テストのみが陽性の症例にお
ない遠隔部位に播種状に二次的な皮疹が認められた,こ
ける皮膚炎像は軽症の傾向があり,パッチテストの反応
れらの撒布疹は,いわゆる自家感作性皮膚炎に類似の皮
と皮内テストの反応の程度は相関関係にあることから,
疹ではあるが,多くの場合,その個疹は径数mmまで
パッチテストが陰性で皮内テストのみ陽性の場合は感作
の浸潤性紅斑であり,撒布疹の多数認められる部位では
の程度が弱いことの表現と考えるべきである.その意味
涌漫性の潮紅,浮腫がみられる,即ち,真皮性の反応が
で,皮内テストは感作の程度の弱い場合も陽性反応を得
顕著であり,いわゆる自家感作性皮膚炎における初発疹
ることが可能な方法である.即ち,
としての漿液性丘疹と臨床像を異にする.これら5例で
抗生物質にーよる感作の有無の検索では,パッチテストに
は,接触皮膚炎の発症が外皮用剤によることに気づか
比べ,皮内テストの方がよりsensitiveな方法とみなして
ず,皮膚炎発症後も繰返し原因薬剤を使用している,し
よかろう.
sensitiviyに基づく現象
Aminoglycoside系抗生物質皮膚炎
Aminoglycoside系
かも,4例では潰瘍,1例では慢性放射線皮膚炎が基礎
IV. Amlnoglycoslde系抗生物質間の交叉感作に
疾患としてあったため,大量の原因薬剤が吸収されたと
ついて
考えられる.従って,貨幣状湿疹患者にみられる自家感
1.交叉感作の検査方法
作性皮膚炎の場合のような湿潤局面における二次的アレ
Primary
ルゲン生成に基づく現象ではなく,経皮吸収された原因
テストおよび皮内テストの成績から,
薬剤が血行性に撒布されて生じる現象と理解したい,む
系抗生物質による感作の確認された患者を対象として
sensitizerを決定するために行なったパッチ
Aminoglycoside
しろ,経皮的に感作された個体に,その薬剤を全身的に
Aminoglycoside系抗生物質間の交叉感作について検討
投与した時にみられる湿疹型の薬疹に類似の現象といっ
した.即ち,
てよいであろう.しかし,これら5例は全例,
る4例,
Neomycin
Neomycinによる23例Gentamicinによ
Kanamycinによる1例,
Kanendomycinによ
以外にChloramphenicolにも感作されており,さらにそ
る1例の計29例のAminoglycoside系抗生物質による接
のうち2例はそれ以外の薬剤にも同時に感作されている
触皮膚炎患者,およびStreptomycinの注射により感作
ので,二次的な撒布疹にはNeomycin以外の薬剤の関与
されて湿疹型薬疹を呈した2例の患者で,現在本邦で臨
も考えられる.
床に供されているNeomycin,
自験例には,服部8)のいう苔癖化型に相当する皮疹は
Kanendomycin,
1例も認められなかった.
Lividomycin, Vistamycin, Tobramycin,
Epste
mycinにょる接触皮膚炎をtuberculin
「)1馬‥服部8)はNeotype のdermal
delayed contact dermatitis と考えている.即ち,苔齢
Paromomycin,
Gentamicin, Kanamycin,
Aminosidine, Dibekacin,
Amikacin, Stre-
ptomycin, Dihydrostreptoraycinの計13種のAminMflycoside系抗生物質によるパ,チテ不トと皮内テストを並
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
999
Dihydrostreptomycin sulfateを用いた.
パッチテスト用抗原には,これら13種類のAminoglycoside系抗生物質の20%(力価)白色ワセリソを,皮内
テスト用抗原には500倍(力価)生理的食塩水希釈液を
用い,ともに48時間後(写真n,
に判定した.
∧ふ=Mt:リト
72時間後(写真2)
primary sensitizer 検査時にパッチテスト
は10%白色ワセリン,皮内テストは1,000倍生食液を用
4画∧\=抄心……1°1肴や
……………ふ 回……順一・
いたのに対し,交叉感作検査時に各々20%と500倍のも
.j
のを用いた理由は,交叉感作によるパッチテストおよ
び皮内テストの反応が,
primary sensitizer による反応
に比べ,弱く出る傾向かおるためである.即ち,
false
negative reactionを出来るだけ避けるため,高濃度のも
のを用いた.ただし,20%白色ワセリンによるパッチテ
ストおよび500倍生食液による皮内テストでは,非特異
的な刺激反応を呈さないことを事前に確認してある.な
お,パッチテストと皮内テストの方法および判定基準は
万真1 症例19.
primary sensitizerの検索時と同様である.
Neomycin感作例,48時間後判定.
2.パッチテストおよび皮内テストの成績(大5)
1)
Neomycin感作例(表6一〇
Neomycin感作例23例におけるKanamycinによるパ
ッチテスト成績は,48時間後の判定で,(−)が10例.
(土)が2例,(十)が7例,(朴)が4例であった.
症例3を除く22例では72時間後七観察したが,48時間後
に(−)だった9例中1例は(十)となり,他の8例は
(−)のままであった.48時間後の判定で(土)の2例
は72時間後には(十)となり,(十)だった7例中5例
は(廿)となり,2例は(十)のままであった.48時間
後に(升)の4例では72時間後に1例だけ(併)となっ
た. Kanamycinの皮内テス1ヽは23例中21例に施行した
が,陰性のものが3例あり,これらの症例でのパッチテ
ストの成績は,48時間後,72時間後とも(−)であっ
た.他の18例はいずれも浸潤性紅斑を呈し,陽性と判定
した.48時間後のパッチテスト成績が(−)で,皮内テ
スト陽性は4例であった.なお,皮内テストで48時間に
写真2 症例15.
陰性で,72時間に陽性になった症例は認められなかっ
Neomycin感作例,72時同後判定.
た.
23例のNeomycin感作例におけるKanendomycinの
行して行ない,これらの抗生物質間の交叉感作について
パッチテスト成績は,48時間後の判定で(−)が10例.
検討した.パッチテストと皮内テストの抗原としては各
々の硫酸塩,即ちNeomycin
Kanamycin
omomycin
sulfate. Aminodeoxykanamycin
sulfate, Aminosidine
fate, Lividomycin
mycin
(土)が2例,(十)が7例,(朴)が4例であった.
sulfate, Par-
48時間後に(−)の10例中,72時間後も観察した9例の
sulfate, Dibekacin
sulfate, Ribostamycin
sulfate, Amikacin
sulfate,
sulfate. Gentamicin
sul-
sulfate, Tobra-
sulfate, Streptomycin
sulfate,
中1例が(+)となったが,8例は(−)のままであっ
た.48時間で(士)の2例は72時間後には(十)となり,
(十)であった7例中4例は(朴)となり,3例は(十)
日野 治子
1000
表5 Aminoglycoside系
鸚
Neomycin
バッチテスト皮内テスト
48 72 48
1
2
3
Neomycin 紆
4
Neomycin + 升
5
冷チテスト 皮内テ訃 研テスト
72
48 72 48
Neomycin 絣 針
6×7 8×8 -
-
Neomycin
5×5 7×7 -
-
-
-
Kanamycin Kanendomycin
Gentamicin
9×9
72
3×3 3×3
48 72
++
-
皮内テスト パッチテスト皮内テスト
48
72
5×5 5×5 + +
-
-
-
-
48 72 48
72
4×5 5×5
-
知4
Neomycin 升 柵
8x8
6
Neomycin
什 升
10×8
10×10
柵什
5×5 7×7
餅升
7
Neomvcin 什 舟
11x11
11x12
+ +
3×4 5x5
+ 柵 7×8 8×8 + +
8
Neomvcin 冊
9
Neomycin 冊 併
10
Neoりcin
11
Neomycin 冊
升
12
Neomyci∩
-
13
Neomycin 升 併
14
Neomycin 士 + 徊
15
Neomycin 升 併
16
Neomycin 冊 併
□
Neomycin +
升 8稲
祀
Neomycin +
+
19
Neomycin 併 枡 1詞8
20×30
20
Neomycin 升 檜
1伺5 + 升 8×8 8×8 冊 升 8×8 9×8 升 升 7×8 8×8 升 併 9×8
21
Neomycin
22
23
-
-
冊
-
+ +
9〉(9
8×8 1 0 × 1 0
-
-
2×2 2×3 -
7×7 8×8 -
-
-
7×7 9×9 + +
10×10
20×23
IMl
22×26
-
-
十+
6×6 -
-
-
10×10
-
-
5×5 5×6 -
-
-
Neomycin
3×3 5痛
27 Gentamicin Kanamycin
1M1
-
-
10×10
11×12
-
十+
-
-
+ 升
-
-
-
-
-
5×4 5×5 -
-
4×4 5×5 -
十 升
10×10
10×12
-
+ +
8×8 8×8
N
9×7
娃 併 狛刈0
- + 3×3
9×10
12×11
-
10×10
14×13
-
-
15×17
18×20
-
-
-
-
呼く15
柵併
4×4 4×4 -
4×5 4×5 -
-
4×5 5×5
5〉く6
7×7
-
2×2 2×2 -
-
4×4
-
-
+ 冊
2×2 3×2 -
似
11x11
什 併 12x12
3×3 -
7×5 8×6 6×6 7×7
12x11
22×23
16×18
10×10
12x12
25×26
-
十 2×2 3×3
-
升 什
-
-
十升
-
-
2詞8 + 冊
10×10
+ 升
6×6 6×7 -
13×13
-
7×7 98
6×8 8×8
10×10
21×24
-
12×12
22×26
-
18x18
20×20
10×10
10×11
8×8 9×8
12×14
1刺5 絣 柵
10×10
升併
5×6 7×7 -
-
22×23
8×8
25×27
10×10
5×4 6×6
2×2 3×3
-
2×2 2×3 -
-
5〉(5
柵
2×2 3×2
13×13
-
-
-
十升
-
刎
-
+ 冊
2×2 2×2 -
4×4
-
+ 升
2×2 2×4 -
+ +
+ +
5×5
-
-
4×4 4×5
14×15
十+
-
-
- +
10×11
4×4 4×4
+ 升
冊 升 9×8 9×9 冊 奸
-
8×9 9×9
7×6 8×7
6×6 6×7
土 十
6×6 7×6 -
舟併
34
10×10
沁
+ + 3×3 4×4 十 +
一
5×5 5×5 -
5×5 7×7
16×15
11×10
2×2 3×3
-
-
+ 冊
-
8×8 9×8 -
-
+ 升
3×3 3×3 12×14
Neomycin 土 +
26 Gentomicin
-
-
N
16×16 16×18
-
5×5 5×5 -
1伺0
25 Gentamicin -
14×15
冊升
2×2 2×3 升 升
-
12×13
9×9 9刈0
-
5×6
十 +
升升
-
-
-
11×12
4×4 4×5
-
9×9 9×9 10×10
8×8 8×8 什
2×2 2×3
-
8×8 8×10
升併
10×10
+
+
+ 冊 8×8 1 0 × 1 0
12×13
-
4×5 5×5
10×10
2×2 2×2 -
2×2 2×2 土
+ 升
升併
+
+
12×16
恥10
升 升
2×2 2×2 土
-
十 +
-
20×25
18×20
4×4
升卜
寺 冊 7×8 恥8 十 冊 8×8 8×8 + 冊
8×8 12×12 -
24 Gentamicin + 升
2B
9×9
捌
+ 冊
升
72
5×5
-
柵-
8×9
什併
5×5 5×5
++
柵
5×5 5x5
48 72 48
+ + %
++
1岡0
4×5
11×11 13×13
肘テスト 皮内テ又ト
72
-
-
+ 冊
パ涯テスト皮内テスト
48 72 48
10x10
9×1〔) 10×10
Aminosidine
Paromomycin
12×11
1伺3 + 冊
12×12
13×12
-
2×2 2×2 -
-
2×2 2×2
-
2×2 2×2 -
-
2×2 2×3 -
-
2×2 3×3
-
3×3 3×4 -
-
4×4 4×4 -
-
5×5 6×5
冊升
9y9
1詞0
12x11
舟併
18>^Z0
枡 併
14×巧
15'<16
升升
12x12
-
士
脂10
12×12
+ +
10×10
1凶2 冊 冊
12×12
14×14
土 + 7×7 7×7 土 +
6×7 6×7
9×12 14刈6
10x10
1M2
柵併
20×22
10×10
29 Kanendomycin -
十 切剔
30
Streptoりcin -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
割 streptomycin -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
1001
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
抗生物質間の交叉感作成績
Lividomycin
Dibekacin
Vistamycin
ノ肺スト
皮内テスト
/研テスト 炭内テスト 鳥沼ト
48 72
48
48 72 48
72
72
48 72
Streptomycin
] ̄obr(1町cin
Amikacin
炭内テスト /研ダスト 皮内テスト
ノ研アスト 皮内テスト
ノ研アスト 皮内テスト 冷テアスト 皮内テスト
48 72
48 72 48
72 48 72 48
72
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
48
72
48 72 48
72
48
72
-
+ 十
7×7 7×8
+ +
10×10
10×10
+ +
lO^lO
12×12
+ 十
6×6 6×6
+ +
10×10
10×10
+ +
10×10
10×10
++
4×6 6×6
+ +
+ +
3×3
士 十
-
-
-
-
-
+ +
-
-
土 +
-
-
+ +
10×10
12×10
1M1 + 升
10×10
10×10
-
-
+ 杵
-
4×4 5×4 -
+ 丹
-
-
7×6
12×12 12×12
-
+ 什
-
升舟
3×4 4×4 -
-
17×17 18×18
18×18
2祁
20×20
-
14×16 15×18
4×4 4×5
-
十十
3×3 14×14
8×8 8×8
-
-
-
十 紆
-
-
冊併
+ +
2×2 3×3
+ +
2×2 2×3
-
-
-
-
-
3×3 3×3 -
-
-
2×2 3×3 -
-
2×2 3×2 -
-
-
-
10×8
-
-
-
-
-
-
2×2 3×3 -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2×2 3×3 -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
18×23
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
2×2 3×3
19×20
20×22
+ +
-
23×26
祠
25×28
+ 柵
9×9 -
-
-
N
-
-
2×2 3×3
-
-
-
-
-
-
-
7×6 7×7
-
-
-
10×11
-
-
-
-
2y2
4×4 -
-
-
-
-
-
-
-
+
-
-
-
-
5×5 5×5 +
-
-
-
-
3×2 3×3 -
士+
- -
+
-
-
13×13
+ 冊 8×8 9×8 + 升 2×2 3×3 -
士+
8×8
-
-
17×20
- +
+ +
-
6×5 -
5)く5
12×12
-
-
-
-
7×7 8×8
+ + 勁13
砂6
-
-
10×10
-
3〉く3
Dihydrostreptomycin
11×12
-
+ 柵
-
3×3 -
2×2 3×3 -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
+
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5×5 6×6 -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
3×3 3×3 -
-
-
-
-
M
+ 柵
-
-
-
-
-
3×3 4×4
-
13×17
-
-
2×3 -
+ 柵
-
10×15
-
-
-
-
-
+ +
-
十+
15x16
+ +
12x12 14x16
++
15〉く15
10×1〔)
豺4
lO^lO
6×6
日野 治子
1002
表6 − I Neomycin
感作例
表6 − 2 Gentamicin 感作例
辿‰
iべり于テスト
判定 48時間
72時間
一
3− ダり≒、
士
0 O、、
Neomycin
十
升
惟
一
土
Gentamicin +
Kanamy画
Kanendoが∩
Paromomycin
軽
舟
一
士
+
斜
掛
一
土
十
升
併
一
土
十
斜
掛
一
士
Am7∩osidine 十
封
冊
一
士
DibekQcin
Lividomycin
十
冊
併
−
土
十
斜
掛
VistQuiycin
Tobncimycin
一
土
+
冊
彬
一
土
十
升
併
Amikacin
−
+
−
+
紆
併
Strepto汀!lycin
一
土
十
什
併
−
+
−
+
streptomycin 升
併
Dihydro-
1
0
0
皮内テスト
48時間
72時間
一一-一一-0(陰性)
→0(陰性)
"-3
}
::)i<
大汗
大戸
一一一一-o(陰性)
■-2 J
→0(陰性)
4(陽性)
→4(陽性)
、
五指2
-一一…o(陰性) →o(陰性)
``31
4(陽性) →4(陽性)
、
`)1
--一一一一0(陰性)
3−
0
0、、
1∼、
oぐ
ヘト。
0
0
oダ
3−
→o(陰'陛)
``ヽ3 }
4(陽性)
ヽ、
ジ11
--一一一一0(陰性)
勺
0
→4(陽性)
(ド゛
ぺ
0
1ヽヽ
0
0
3−
0
o、
1− →已こ
0 0…
0 0-'
0
匹
0
4(陽性)
、
- oヽこ
ベド.
ヽ、
ョ副
‥----0渫性)
■ -3
}
4(髄)
、
五涵
3−
0
0、、
1∼ ベレー
o<
→0(陰性)
}
4(陽性)
トl
ヘレ
→4(陽性)
→4(陽性)
→O(陰性)
→4(陽性)
0
0
o゛‘
2−
----一司(陰性) →1(陰性)
1
0
o、、
へにこ
0
0
卜 o'゛
`岡 }
2(陽性) →2(陽性)
、、
卯
0(陰性)→o{陰性)
/Cゝ、
0、、 `2
→3(陽性)
-一一→1<
、、3(K1?)
o一一 争1
0-'
……-1(陰性) →1(陰性)
2−
1∼ ヘトこ
0、 J j2(髄)
→2(陽性)
0
0
卜0
ド″
2−
0
1−
0
0
2−
0
0
0
0
2−
0
0
0
0
4−
0
0
0
0
4−
0
0
0
0
→2(陰性)
-2(陰性)
ノ£
レ
玉聊0(馳) →o(陽性)
ド
--一一一一2(≪fi)
→2(陰性)
E三)o(鸚)
→o(陽性)
い
い
……4(陰性) →4(陰性)
玉やO(陽性) →0(嗜慾)
江
戸
レ
レ
…-―4雌性)
→4(陰性)
五言聊o(陽性)
一司)(陽性)
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
表6 − 3 Kanamycin
白
一
士
Neom^cin 十
丹
州
Gentamicin
Kanamycin
一
土
十
升
舟
Paromo阿山
Dihydrostreptomycin
0
0
1
0
0
0
大仁
1−
0
0
升
併
0
0
一
士
1−
0
0
一
上
十
十
什
舟
48時間
72時間
O准性)
/|
Neomycln
0
0
一
士
十
o(陰性)
→0(陪性)
-一一一一1(陽性)
→1(陽性)
→0(陰性)
0(陰性)
一一一一1(陽性)
O(陰性)
→1(聊生)
→o(陰性〕
---一一-1(陽性)
0(陰性)
→1(陽性)
→O(陰性)
PGrχjmomycin
`゛``・1(陽性)
0(陰性)
Aminosldine
````ヽ1(陽性)
→1(陽性)
→0(?&性)
→1(陰性)
iividomycin
0(陽性)
内テストは21例に行なったが,19例が陽性反応を呈し,
一
陰性は2例のみであった.皮内テスト陰性の2例で,パ
ッチテストは,48時間後,72時間後ともに(−)であっ
土
十
分
畢
一
土
十
冊
併
一
土
Streptomycin 十
升
併
AmikQcin
た.また,パッチテスト48時間後の判定時に(−)で,
皮内テストのみ陽性を示した症例は5例であった.な
お,症例17ではKanamycinおよびKanendomycinに
よるパッチテストはともに(−)であったが,皮内テ
ストではKanamycinには陰性,
Kanendomycinには
弱い陽性反応を呈した.しかし,この症例を除いて,
Neomycinに感作された各症例におけるKanatnycinと
Kanendomycinのパッチテストおよび皮内テストの成績
は一致していた.
Neomycin感作23例におけるGentamicinによるパッ
チテスト成績は,48時間後の判定で,(べ)が11例,
x--Q
"-1(陽性)
一一レ
O(陰性)
0
0
分
冊
Tobramycin
(に
0
升
舟
一
土
Vistamycin 十
1例が(舟)となり,3例は(升)のままであった.皮
0
ペド
0
0
0
1−
0
0
一
士
十
餅
米
→0(陽性)
のままであった.48時間で(朴)の4例は72時間後には
に
0
一
土
十
升
舟
一
士
十
升
舟
一
士
→1(陰性)
Dibekacin
0(陽性)
士
+
→1(陽性)
→0ぐ陰性)
皮内テスト
48時間
72時間
(〕(陰性)
→o(陰性)
十
十F
舟
一
士
Gentamicin 十
什
舟
一
土
KoDDBiycin 十
冊
舟
−
Kanendomycin
感作例
→1(陽性)
1ヽ-べ?、
肘陰性) →侃陰性)
0
0 O``
0 0
0 0
→1(陽性)
`1(陽性)
0 0
O(陰性) →O(陰性)
0
1− 0
→1、、
0 o`
0 0
`≒(陽性) →1(陽性)
0(陰性)
0 0
→o(陰性)
0
0 0
1− 0
→ト、
```ヽ1(陽性)
0 0
→1(陽性)
o(陰性)
0 0
→o(陰性)
1-- ペド
0
0 cに
```リ(陽性)→1(陽性)
0 0
O(陰性)
0 0
→o(陰性)
卜、 ペド
0
0
O ` `````1(陽性)
0
0
→1(陽性)
0(陰性)
0
→O(陰性)
0
0
1− 0
←仁、
0
O`
````1(陽性)
0
0
→1(陽性)
−⇒│(陽性)
-一一一一1(陰性)
0
0
0
0
バッチテスト
判定 48時間
72時間
什
併
--一一一一1(限外)
−一一-1(陰性)
0
0
0
0
ぜ糾
→o(陰性)
8
´S
一
土
十
土
+
升
舟
一
土
Streptomjicin
0
0
1−
0
十
冊
子
一
土
十
分
伴
子
Aminosidine
8
に
0
0
0
D
0
O
0
O
0
1−
1
0
● 0
0
0
0
0
0 0
1−
0
0
0 0
0 0
1− →に、
0 0
0
0
0 0
0 0
1− →糾、
0 0
併
−
Kanendomjcin
72時間
0
0
表6 − 4 Kanendomycin
皮内テスト
パッチテスト
判定 48時間
感作例
1003
一
Dihydro士
十
streptomycin
升
併
0
0
1−
0
0
0
0
1∼
0
0
0
0
1∼
0
0
1−
0
0
0
0
1−
0
0
0
0
0
0
0
ひ
0
→≒
(に
0
0
0
ヘド
0
0
0
ペド
0
−→□陽性)
`1(陽性)
0ぐ陰性タ
≒ゝへ ``1(陽性)
O(陰唇)
````判(陽性}
O(陰性)
""""-1 (陽性)
1 (陰性)
0
0
0
0
o(陽性)
---…-1(陰性)
0
0
0
0
→O(陪忖)
o(陽性)
→0ぐ諮惣
→1(陽性)
→O(陰性)
→1(陽性)
→O(嗜慾)
→1(陽性)
→□陰性)
→O(陽性)
→1(陰性)
→O(陽性)
日野 治子
1004
表6 − 5 Streptomycin
辿糾
パツチテ又ト
48時間
72時間
ヂ│』定
一
土
Neomycin +
丹
州
一
Gentamlcin
士
+
升
平
Kanamycin
Kanendomycin
Dibekacin
・
0
0
0
0
2−
0
な
0
0
0
0
0
0
0
一
生
十
2−
0
0
分
舟
一
土
0
0
Z−
0
0
十
冊
冊
−
+
Paroinomycin −
十
十ト
冊
Aminosidine
2−
0
0
0
0
−
土
十
升
舟
一
士
+
冊
舟
升
冊
0
0
2−
Amikacin
−
+
−
+
升
舟
一
士
streptomycin
十
冊
柵
一
士
Dihydro十
streptomycin
升
冊ト
こ
(〕
0
0
0
乙
0
0
0
0
2−
0
0
〔) 0
0
0
0
0
2−
0
0
一
士
十
升
冊
ゝn
0
0
0
一
土
Vistamycin 十
Tobr-Qりcin
C
0
0
0
0
2−
0
0
0
0
2−
0
2−
0
0
0
0
Lividomycin
こ
0
0
0
0
/L
O(陽性)
→0(陽性)
--一一-2億性)
→2渫性)
0同性)
O(陽性)
一…2(陰性)
一一一−2(陰性)
→O(鴎性〕
→2(陰性)
→0(陽性)
→2(陰性)
→C(陽性)
→2(陰性)
皮内テスト陰性の2例はパッチテストも(−)であった
が,パッチテストが(−)で皮内テストのみ陽性は7例
Neomycin感作23例中18例に行なったParomomycin
のパッチテストの成績は,48時間後の判定時に(−)が
に(−)だった7例中6例では72時間後も観察し得た
が,1例のみ(十)となり,5例は(−)のままだっ
た.48時間後に(+)の5例中3例は72時間後に(朴)
O(陽性)
→0(陽性)
---一一2(陰性) →2(陰性)
となり,2例は(十)のままであった.48時間後に(廿)
の6例中4例は72時間後に(併)となった.皮内テスト
を行なった17例の中16例が陽性であり,陰性は1例のみ
O(陽性)
--…2浦性)
→0(陽性)
>2(陰性)
であった.パッチテストが(−)の5例中4例が皮内テ
ストで陽性反応を呈した.
→0(陽性)
→2(陰性)
Neomycin感作18例におけるAminosidineによるバッ
チテスト成績は,48時間後の判定で(−)は7例,(十)
は5例,(朴)は6例であった.48時間で(−)の7例
O(陽性)
→(〕(陽性)
→2(陰性)
中72時間後も観察した6例では,1例が(十)となり,
5例は(−)のままであった.48時間で(十)の5例は
72時間後に3例が(朴)となり,2例は(十)のままで
o(陽性)
→0(陽性)
→2(陰性)
あった.48時間で(升)の6例では,72時間後に4例が
(掛)となり,2例が(升)のままであった,皮内テス
トを行なった17例の中16例が陽性で,陰性は1例のみで
0(陽性)
→0澗性)
2(陰性) →2(陰性)
2−
0
0
0
0
|
0
g
0
0
2−
0
0
0
0
→2、
0`
0
0(陰性)
0
0
0(陰性)
あった.なお,パッチテストが(−)で,皮内テストの
み陽性の症例は4例あった.
Neomycin感作例におけるParomomycinとAmino-
0(陽性)
0
0
2− 一一・一一42、
o`
0
0
0
が(併)となった,皮内テストは21例で実施したが,モ
7例,(十)が5例,(朴)が6例であった.48時間後
0(陽性)
--−-2(陰性)
£
0
0
0
0
あった.48時間後に(朴)の3例では,72時間後に2例
あった.
-一一2(陰性)
0
0
0
0
例(−)のままであった.48時間後に(十)の9例は,
の中19例が陽性反応を呈し,陰性は2例のみであっ紅
一一一一-2(陰性)
L
0
0
0
0
であった11例中10例では,72時間後も観察し得たが,全
72時間後に4例が(什)となり,5例は(十)のままで
0(陽性)
こ
0
0
0
0
(十)が9例,(升)が3例であった.48時間後に(−)
皮内テスト
48時間
72時間
−-…2雌性)
→2(陰性)
--一一2(陰忖)
0
0
一
土
+
升
舟
感作例
→旧陽性)
→O(PSK)
sidineによるパヅチテストおよび皮内テストの成績は全
く同様である.即ち,各症例においてパッチテストと皮
`ヽ2浦性)
→2(陽性)
→o(陰性)
内テストの陽性反応が一致して出現するばかりでなく,
両テストにおける陽性反応の強さ,反応の程度の時間的
変動が(表5)から明らかなように驚異的な一致を示し
・へゝ `ヽ2(陪性)
−→2(陽性)
ている.
Neomycin感作11例におけるDibekacinによるパッチ
テストの成績は,48時間後の判定で(−)は5例あり,
この5例は72時間後も(−)のままであった.48時間後
に(士)の1例は,72時間後に(十)となり,48時間後
Aminoがycoside系抗生物質による接触皮膚炎
に(十)の5例は,72時間後に2例が(廿)となり,3
表7−1 パッチテストの陽性頻度
(
陽性例数(人)
)
盲涵図象例数(人)
例は(十)のままであった.皮内テストを行なった11例
の中9例が陽性を示し,2例は陰性であった.なお,パ
ッチテストが(−)で,皮内テストのみ陽性の症例か3
例あった.
を
Neomycin
Neomycin感作11例におけるLividomycinによるパ
ッチテストの成績は,48時間後の判定で(−)は4例あ
り,この4例は72時間後も(−)のままであった.48時
間後に(十)の6例の中,72時間後に2例が(朴)とな
1005
Neo-
Gento- K即a・
miCin mycin
りCin
・mt)
Ryー昏
町'cin myctn
A≪r≫-
Oibe-
Llvido・
sidfne
kactn
mycin
%%%%%%
ダ1
Vista- Tobrcりcin
χ
1
mycin
Amikocin
物外
隣霖
‰X X ‰ ‰
Gentamicin
μ 刄X X X X X XX % X
X 刄
Kom町■cin
X X X X /X
Konendom^cin
り,4例は(十)のままであった.48時間後に(升)の
Streploりcin
1例は,72時間後に(併)となった.皮内テストを行な
X ダ XX X X X 欠X X X X X
% %X X % % % % % % % % ぢ
った10例では,9例が陽性を示し,陰性は1例のみであ
表7−2 皮内テストの陽性頻度
(
陽性例数(人) )
った. なお,パッチテストが(−)で,皮内テストのみ
陽性を示したものは2例あった.
Neomycin感作9例におけるTobramycinによるパヅ
チテストの成績は,48時間後の判定で(−)は4例あ
り,この中3例は72時間後も(−)のままで,1例のみ
(十)となった.48時間後に(十)の5例中,72時間後
検査対象例数(人)
を
Neo町cin
Gentwnicin
に2例が(升)となり,3例は(十)のままであった.
K四町'cin
皮内テストは9例に行ない,7例が陽性,2例が陰性
であった.皮内テストか陰性の2例はパッチテストも
(一)であった.48時間後にパッチテストが(−)で,
Kanendomycin
Slreptornycin
N㈹・
町an
Gento-
K四-
micin りCI椚
6四1
ー四
mycin
阿tin
緬帥・
sidimi
Dibe・
LM面
Ⅵista TobPO・
細i-
Iwcin
mycin
mycin
kacin
myan
隣
降索
燐
% % % % % 1殆 % % ‰ X X ‰ ‰
九 が 刄 欠 欠X % 河 刄 % 刄 % %
X X X X X X
zf X X X X 回 X X X X X X X
% % % %X % % % % % % % %
皮内テストのみ陽性の症例は2例あったが,その中1例
は72時間後にパッチテストが(十)となっている.
Gentamicin感作4例におけるNeomycinによるパッ
Neomycin感作9例におけるAmikacinによるパッチ
チテストの成績は,3例が48時間後,72時間後ともに
テストの成績は,48時間後の判定で(−)は6例あっ
(−)であったが,1例は48時間後に(十)で,72時間
たが,72時間後に2例は(十)となった.48時間後に
後に(丑)となった.皮内テストは4例とも陽性であっ
(土)のl例は,72時間後に(十)となった.48時間後
た.
に(十)は2例あり,その中1例は72時間後に(升)と
KanamycinのパッチテストはGentamicin感作4例
なり,他の1例は(十)のままであった,皮内テストは
中3例が48時間後,72時間後ともに(−)であったが,
9例に施行し,6例が陽性で,3例が陰性であった.48
1例は48時間後,72時間後ともに(十)を呈した.皮内
時間後にパッチテストが(−)で皮内テストのみ陽性の
テストは4例とも陽性であった.
症例は3例あったが,その中2例は72時間後にパッチテ
Kanendomy
ストか(十)となっている.
後,72時間後ともに(−)であり,1例のみ48時間後,
Neomycin感作20例におけるStreptomycinおよび
72時間後に(十)を呈した.皮内テテトは4例すべて陽
Dihydrostreptomycinによるパッチテストと皮内テストの
性であった.
成績は,48時間後,72時間後ともに全例陰性であった.
Gentamicin感作4例におけるParomomycinとAmi-
以上の成績を要約すると,
nosidineによるパッチテストの成績は,3例が48時間
Neomyciti感作例における
cinもパッチテストで4例中3例が48時間
交叉感作に基づく他のAminoglycoside系抗生物質によ
後,72時間後ともに(−)を示し,1例は48時間後に
るパッチテストの陽性頻度は,72時間後の判定成績では
(十)であり,72時間後に(丑)となった.皮内テスト
(表7−1)の如くであった.また,皮内テストの陽性
は,両薬剤に対し4例とも陽性であった.各症例におけ
頻度は(表7−2)の如くであった.
るParomomycinとAminosidineによるパッチテストお
2)
よび皮内テストの反応態度は全く同一であつ衣.
Gentamicin感作例(表6−幻
日野 治子
1006
3例のGentamicin感作例におけるDibekacinによる
では48時間後に(十)で,72時間後には(丑)となっ
パッチテストの成績は,2例が48時間後,72時間後とも
た.
に(<)であり,1例では48時間後に(士)で,72時間
(升)となった.しかし,
後に(十)となった.皮内テストは3例中2例が陽性で
streptomycinに対しては,パッチテスト,皮内テストと
あり,I例が陰性であった.
もに陰性であった.
Lividomycinのパッチテストは3例中2例が48時間
5)
後,72時間後とも(−)で,1例は48時間後,72時間後
Streptomycinに感作された湿疹型薬疹の2例,即ち症
ともに(十)であった.皮内テストは3例とも弱い陽性
例30および31では,
反応を呈した.
Kanendomycin,
Vistamycinのパッチテストは3例中2例が48時間後,
Lividomycin,
72時間後とも(<)で,1例は48時間後に(土)で,72
するパッチテストと皮内テス1ヽの成績はすべて陰性であ
時間後に(十)とたった.皮内テストは3例中2例が陽
った.
性を示したが,1例は陰性であった.
時間後,72時間後いずれも(十)であり,皮内テストで
Gentamicin感作2例におけるTobramycinおよび
も陽性であった.
Amikacinのパッチテストと皮内テストは,48時間後,
は2例とも48時間後,72時間後ともに(十)であり,
72時間後ともに陰性であった.
皮内テストも陽性であったStreptomycin感作例は2
4例のGentamicin感作例におけるStreptomycinお
例とis
よびDihydrostreptomycinによるパッチテストと皮内テ
Dihydrostreptomycinに対してのみ,パッチテストと皮
ストは,すべて陰性であった.
内テストで陽性反応を呈した(写真3).
3)
Amikacinでは48時間後に(十)で,72時間後には
StreptomycinおよびDihydro-
Streptomycin感作例(表6−5)
Neomycin,
Paiomomycin,
Vistamycinj
Gentamicin,
Kanamycin,
Aminosidine,
Tobramycirij
Amikacinに〕吋
Streptomycinのパッチテストは症例30,
primary
Dibekacin,
31とも48
Dihydrostreptomycinのパッチテスト
sensitizer のStreptomycinの他には,
Kanamycln感作例(表6−3)
Kanamycinに感作された症例28ではNeomycin,
Gentamicin, Kanendomycin,
Paromomycin,
Aminosidine
の皮内テストでは,各々強い陽性反応を呈した.パッチ
テストの詔時間後の判定では,
Gentamicin, Paromomy-
cin, Aminosidineには(斗)の反応,
Neomycin, Kanen-
domycinには(柑)の反応を示した.しかし,
Strepto-
mycinおよびDihydrostreptomycinによるパッチテスト
と皮内テストは48時間後,72時間後ともに陰性であっ
た.
4)
Kanendomycin感作例(表6−4)
Kanendomycinに感作された症例29では,皮内テスト
で*Neomycin,
Gentamicin, Kanamycin,
Paromomycin,
Aminosidine, Dibekacin, Lividomycin, Vistamycin, Tobramycin, Amikacinに対して各々陽性反応を呈した.
パッチテス1ヽの成績は,
Neomycinでは48時間後に(−)
で,72時間後には(十)となり。Gentamicinでは48時
間後に(−)で,72時間後には(士)となった.
Kana-
写真3 症例30.
Streptomycinによる湿疹型薬疹例
72時問後判定.
mycinでは48時間後,72時間後ともに(十)であり,
Paromomycinと Aminosidineでは48時間後に(土)
3.小考按
で,72時間後には(十)となった.
以上のNeomycin感作例Gentamicin感作例Kana-
Dibekacinでは48時
間後,72時間後ともに(十)でありLividomycinでは
mycin感作例,
48時間後,72時間後ともに(−)であり,
テスlヽおよび皮内テストの成績から,
は48時間後,72時間後ともに(十)であり,
Vistamycinで
Tobramycin
Kanendomycin感作例におけるパッチ
micin, Kanamycin,
Kanendomycin,
Neomycin,
Paromomycin,
GentaAmi-
1007
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
nosidine,
mycin,
Dibekacin,
Lividomycin,
Vistamycin,
Tobra-
Amikacinの11種類のAminoglycoside系抗生物
表8 Neomycin感作例におけるGentaraicin
びKanamycinの陽性頻度
質の間には,互に交叉感作が成立すると結論してよい
かぐし
が,これらll種類のAminoglycoside系抗生物質と,
Streptomycin,
Dihydrostreptomyciti
が証明出来なかった.そして,
との間には交叉感作
StreptomycinはDihydro-
24)
Pirilaetaし.
fcよ
Kanamycin Kanamycin
陽性
陰性
計
2
Gentcmicin陽性
38
40
Qentamicin陰性
25
35
60
63
37
100
streptomycinとの間にのみ交叉感作か認められた.
Pirila
計
et al."'は50例のNeomycin感作例中28例が
Kanamycinに陽性反応を呈したといい,
Epstein
et al .≪>
はNeomycin感作18例中Kanamycin陽性例は12例であ
8)
服部
Gentcmicin陽性
□
3
14
Gentomicin陰性
24
13
37
35
16
51
ったといい,服部6)は51例のNeomycin感作例中35例が
計
Kanamycinに陽性反応を呈したと報告している.自験
例では,23例のNeomycin感作例中18例でKanamycin
に陽性反応を得た.一方,症例28の如くKanamycinで
自敏男
Gentomicin陽性
18
1
19
Qentmicin陰性
0
4
4
計
18
5
23
感作された症例も,逆にNeomycinに陽性反応を呈し
た.
NeomycinとKanendomycinとの問の交叉感作に関す
る記載は少ないようであり,著者の渉猟した限りでは,
Neomycin感作17例中』7例でAminosidineに陽性であ
服部8)のNeomycin感作9例中7例でKanendomycinの
ったという.自験例では,
陽性がみられたという報告がみられる限りであるが,自
ParomomycinおよびAminosidineの両者に陽性を示し
験例ではNeomycin感作23例中19例がKanendomycin
た.一方Gentatnicin感作例4例,
Neomycin感作18例中16例が
Kanamycin感作例
に陽性反応を呈した.一方Kanendomycinに感作され
1例Kanendomycin感作例1例もParomomycinおよ
た症例29もNeomycinに陽性反応を呈した.
びAminosidineに陽性反応を示している.なお,
Pirila
mycin感作例におけるParomomycin陽性例とAmino-
et a1.24)の報告では,
Neomycin感作100例中40
例がGentamicinに陽性反応を呈しているが,
Kanamy-
cinにも陽性を示した症例におけるGentamicinに対す
る陽性率は,
Neo-
sidine陽性例はいずれも同一症例であり,しかも各症例
における陽性反応の強さは,パッチテスト,皮内テスト
Kanamycin陰性例に.おけるそれより高い
ともほぼ同様であった.
ParomomycinとAminosidine
という.一方,服部e)はNeomycin感作例におけるGen-
は別々に開発された薬剤であるが,現在ではほぼ同一構
tamicin陽性率はKanamycin陽性例とKanamycin
造式を有するとされている27)各症例におけるParomo-
陰性例との間に差が認められなかったと報告している
mycinとAminosidineの皮膚反応の態度は両者か同一
(表8).自験例ではNeomycin感作23例中19例がGen-
物質であることの傍証にもなろう.
tamicin陽性を示したが,19例中18例はKanamycinに
Dibekacin, Lividomycin, Vistamycin, Amikacin と,
も陽性でありGentamicin陽性Kanamycin陰性は1例
他のAminoglycoside系抗生物質との交叉感作に関して
のみであった.
は,未だ報告をみない.自験例Neomycin感作例におい
Gentamicin陰性Kanamycin陽性は1例
もなく,4例のGentamicin陰性例はKanamycinにも陰
て, Dibekacinは11例中9例,
性を示していた.即ちNeomycin感作例はKanamycin
例,
にもGentamicinにも陽性を示し易い結果を得た.一
例で陽性反応が得られた.
方,
Gentamicinに感作された症例24,
25,
26,
27は
Lividomycinは11例中10
Vistamycinは10例中9例,
はDibekacinは3例中2例,
Amikacinは9例中6
Gentamicin感作例において
Lividomycinは3例中3
NeomycinおよびKanamycinに対し陽性を示し,
例, Vistamycinは3例中2例が陽性を示し,
Kanamycinに感作された症例28もGentamicinに陽性を
mycin感作例はDibekacin,
Amikacinのすべてに陽性を示した.
示した.
Pirila
Kanendo-
Lividomycin, Vistamycin,
et at 2<)-s≪りtl28例のNeomycin感作例の中
97%がParomomycinに陽性を示したといい,服部8)も
Schorr et al.≫°>はNeomycinとTobramycin との間
に交叉感作が成立すると報告している.即ち,
Neomycin
日野 治子
1008
感作20例中13例がTobramycinに対し陽性を示したとい
るパッチテストと皮内テストで,先に述べた如くStrep-
う.自験例でも,
tomycinおよびDihydrostreptomycinの両薬剤にのみ陽
Neomycin感作9例中7例でTobra-
mycin陽性反応を得た.さらに,
Kanendomycin感作例
性反応を得ている.2症例におけるDihydrostreptomycin
もTobramycinに陽性を示した.
の反応は,既往にDihydrostreptomyc
Neotnycin とStreptoraycin, Dihydrostreptomycinと
めStreptomycinとDihydrostreptomycinの両薬剤に同
の交叉感作に関する成績は,報告者により一定しない.
時感作されたのではなく,交叉感作による陽性反応と考
Sidl et al.5>はNeomycin感作7例にStreptomycinの
えた.
パッチテストを行ない,全例陽性反応を呈したとの成績
V. Neomycin,
を報告しておりLivingood"'はNeomycin感作15例
験
中4例が,皮内テストでStreptomycinに陽性反応を呈
1.動物感作実験の目的
しているが,
ヒトでパッチテストと皮内テストにより検討した
Streptomycinに陽性反応を呈した症例も
inの使用がないた
Streptomycinによる動物感作実
Dihydrostreptomycinには陰性であったといっている.
Aminoglycoside系抗生物質間の交叉感作成績を,動物に
また, Pirila et al.23)はNeomycin感作50例中3例,
おいて確認することを目的として,モルモットを用い,
Epstein et al.6)は14例中2例でStreptomycin陽性がみ
NeomycinとStreptomycinによる感作実験を試みた・
られたという.一方Calnati
なお,感作方法としてEpstein
et al,29)の報告では, Neo-
et ,1.6)8)に準じた皮
mycitiに感作された場合は,皮内テストでStreptomycin
下注射による方法と,Kligman31)゛35)に基づく maxim-
に陽性反応を呈したが,
ization test を行なった.
Streptomycinに感作された場合
にはNeomycinの皮内テストか陰性であったという.
2.感作実験方法
自験例のNeomycin感作20例,
1)皮下注射による感作実験
Katiamycin感作1例,
Gentamicin感作4例,
Kanendomycin感作1例におけ
る Streptomycin, Dihydrostreptomycinのパッチテスト
と皮内テストの成績は,すべて陰性であった.一方,
Streptomycinの注射による湿疹型薬疹の症例30,
けるNeomycin,
Gentamicin, Kanamycin,
cin, Paromomycin,
体重350∼400gのHartley系白色モルモットをNeomycin感作群Streptomycin感作群の2群に分け,(表
9-1,
31にお
Kanendomy-
Aminosidine, Dibekacin, Lividomy-
2)の如き方法で感作を試みた.
Neomycin感作群では(表9
― 1 ), Neomycin
5mgをO.lmlの生理的食塩水に溶解し,
sulfate
0.1mlのFr-
eund's complete adjuvant とよく混和して,これをモル
cin, Vistamycin, Tobramycin, Amikacin, Streptomycin,
モットの項部の皮下に注射した(I群).対照群は,生
Dihydrost。ptomycinによるパッチテストと皮内テスト
理的食塩水0.1mlとFreund゛s
の成績では,
mtをよく混和して,項部に皮下注射した群(U群)
StreptomycinとDihydrostreptomycinのみ
に陽性反応を示し,他はすべて陰性であった(写真3).
complete adjuvant 0.1
と,全く無処置の群(m群)である.注射回数は週2回
Streptomycin, Dihydrostreptomycinによるパッチテス
とし,第1回目の感作実験では,4匹のモルモットを用
ト,皮内テストの成績が陰性であって乱体内での代謝
い,感作期間は4週間,第2回目は8匹のモルモットで
産物との間に交叉感作が成立する可能性も考えられるた
感作期間は8週間,第3回目は8匹のモルモットで感作
めNeotnycinに強く感作された症例7,
12, 19に対
期間は12週間とした.
しStreptomycin常用量lg/dayを3日間連続筋注した
Streptomycin感作群では(表9
が,反応は全く認められなかったことから,
sulfate5mg
Streptomycin
の代謝産物とNeomycitiとは,交叉感作は成立しないこ
とが明らかとなった.
一方,
― 2 ), Streptomycin
をO.linlの生理的食塩水に溶解し,
0.1ml
のFreund's complete adjuvant とよく混和して,これを
モルモットの皮下に注射した(I群).対照群は,
StreptomycinとDihydrostreptomycinとの交叉
raycin感作群の場合と同様に2群(II
感作に関しても,未だ結論が出されていないが,加藤
した.第1回目の感作実験では,4匹のモルモットを用
ら3o)はStreptomycinとDihydrostreptomycinとの間に免
い,感作期間は4週間,第2回目は5匹のモルモットを
疫学的交父性は確立されていないといい,
Livingood'"
Neo-
, Ⅲ群)を用意
用い,感作期間は8週間とした.
も両薬剤間に交叉感作は成立しないといっている.しか
いずれも感作終了後1週間目に,電気バリカンで除毛
し,著者は, Streptomycinによる湿疹型薬疹2例におけ
したモルモットの背部に,
Neomycin
sulfate,Gentamicin
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
表9−1
Neom^cin
I
sutfate
5『を0,1
六万
ml
の生理的良塩水に溶解したものと
0.1 mLのFreund's
yont
群
complete
注射目聡/遠
I
Qく3 j u -
群
生理的貪塩水0.1
complete
使用モJしそツト数(死じ教)
ml とF reund's
adjuvant[)ifco
をよく混和し,モルモットの項都1:皮
群
戻
下注射した.
Ⅲ
Ⅲ
対照(黙処置)
群
注射回数/週
H
0.1 mし
群
1%
2践/遇
1%
0.1%
2回/遺
2B/a
mycin白色ワセリソを用い,
challengeとして25%
12
4(2)
8(5)
8(6)
液による皮内テストを行ない,48時間後に判定した.無
2回/遇 2昨週
処置の対照群モルモットにも,同様にパッチテストおよ
2回/遇
4
使用そルモット数(死亡数)
2(0)
2(0)
ッチテストと0.1%
Streptomycin
sulfate 5 m9 S0.1
mLの生理的食塩水に漕解したものと
0.1mlのFreund゛s
群
adjuvant
生理的食塩水0.1
comμete
注射回数/週
I
complete
4(1)
3(1)
また,
2(0)
全く同様の実験方法で行なった.但し,
び皮内テストを行なった,
Streptomycin感作群についてもNeomycinと
ml と、Freund's
群 便用モノ汗ツト数(死亡数)
注射iHi≫/a
n
群
泰
下建射した.
Ⅲ
群
芦2回
感作実験
0.1%
2既/週 2@/a
4
8
刳2)
6(3)
sulfate 生理的食塩水希釈
には10%
Streptomycin白色ワ
トに0.5%と10%のStreptomycin白色ワセリン,皮内テ
ストには0.1%
Streptomycin
sulfate
同様にパッチテストと皮内テストを行なった.
1)皮下注射による感作実験の実験成績
2回/遇 2回/週
(1)
4
8
使用モルモツト数(死亡数)
2(0)
3出
2㈲
2(0)
Neomycin感作群
(表10−1,
2,
3)に示す如く,第1回,第2回,
第3回の感作実験における感作薬剤Neomycinによる
皮内テスト成績は,いずれもI群,II群,Ⅲ群の間に有
意の差か認められなかった.また,
sultate,Kanamycin
sulfate,Aminodeoxykanamycin
fate, Paromomycin
sulfate,Aminosidine sulfate,Strep-
tomycin
生理的食塩水希釈
液を用いた.さらに,無処置の対照群モルモットにも,
3.実験成績
述射期間(週間)
Ⅲ 使用モ几モット数(死亡数)
群
対照(鸚処置)
Streptomycin
application
inductionの皮
セリソを用い,2週間後のchallengeには,パッチテス
adjuvont Difco 0.1 ml
をよく混和し,モ几tジトの項部に皮
%
液topical
1%
感作期間(週間)
DIfcoをよく混和し,モ
ルモットの項部に皮下注射した.
n
群験方法抗原濃度
sulfate生理的食塩水希釈
12
乖1回
修作実験
六万
Neomycin
8
3(1)
とし
Neomycin白色ワセリソによるパ
8
表9−2 動物感作実験:Streptomycin感作モ
ルモット
I
application
て48時間の閉鎖密封法を行なった.さらに2週間後,
内注射には5
丈 験 力 法
topical
4
4射期間(週間)
使用モルモット数(死亡教)
詔。
ぶ儡, 第2回
惑作実験
愚作期間(週間}
Difcoをよく混和し、モルモット
の頌鴎に度1遠鮒した.
n
lauryl sulfate白色ワセリソを24時間貼布後,25%Neo-
動物感作実験:Neomycin感作モルモット
実 駿 方 法
1009
sul-
sulfate, Dihydrostreptomycin sulfate の8種の
mycin,
Kanendotnyciti,
reptomycin,
Gentamicin,
Paromomycin,
St-
Dihydrostreptoroycinによる皮内テストの成
績もI群,II群,Ⅲ群の間に有意の差が認められなかっ
抗原液を各々0.1mlずつ皮内注射し,48時間後に生じ
た.即ち,いずれも浸潤ある紅斑を示した(写真4),
た紅斑の長径と短径を測定し,mm単位で記載した.
(2)
なお,抗原液の濃度は,
(表10− 4 ,5)に示す如く,第1回,第2回の実
Neomycin感作群の第1回,
Kana-
Aminosidine,
Streptomycin感作群
第2回およびStreptomycin感作群の第1回の感作実験
では1%生理的食塩水希釈液を用いNeomycin感作群
表10− 1 Neomycin
の第3回およびStreptomycin
第1回:Neomycin
4 週間感作 抗原濃度1%
(単位:mm)
感作群の第2回感作実験
感作実験成績
では0.1%生理的食塩水希釈液を用いた.
2)
Maximization
脱
test
350∼400gのHartley系白色モルモットをNeomycin
感作群, Streptomycin感作群および対照群に分け,
Neo-
mycin感作群として14匹,無処置の対照群として6匹,
Streptomycin感作群として8匹,無処置の対照群として
6匹を用いた.
Neomycin
sulfate 生理的食塩水希釈液を用い,
complete adjuvantを併用した,1週間後,
Freund's
10% Sodium
Ⅲ 群
皿 群
2匹
2匹
⑤ l ⑤
⑦ | ⑧
3×4
4×4
6×6
4×4
3×3
4×3
4×4
5×4
3×3
3〉く3
4×4
4×4
4×4
3×3
4×4
4×4
4×4
4×4
2×2
2×3
Kanendomvcln
4×4
4×3
2×2
2×2
Paromomycin
10×10
It X 10
8×8
7×7
7×7
10×12
8×8
7×7
7×8
8×8
5×5
2×2
2×3
3×3
2×2
2×2
2×2
Neofnvcin
Genta
「cin
Kanamycin
Aminosidine
Neomycin感作群ではinductionの皮内注射に5%
I 群
4匹(2匹死亡)
① 1 ④
Streptomycin
01 hydro stfepUitnvcin
10
×10
3×4
3×2
0x0
0×0
2×2
2×2
日野 治子
1010
表10一5 Streptomycin感作実験成績
第2回:Streptomycin 8 週間感作抗原濃度0A%
(単位:mm)
表10− 2 Neomycin 感作実験成績
第2回:Neoraycin 8週間感作 抗原濃度1%
(単位こmm)
脱
n 群
I 群
8匹(5匹死亡〉 4匹口匹死亡}
③ 1 @ I O R
I ⑩ | 忿
m 魯
朧
3匹(1匹死亡)
@ | ⑤
NeO町Cin
4×4
4×5
6×6
5×5
6×6
6×5
3×3
5×6
GSt㎝.icin
4×4
4×4
5×5
5×5
5×5
5×5
3×3
5×5
I 群
II群
Ⅲ群
2匹
3匹
(2匹死亡) (1匹死亡)
⑩
⑦
5 匹
言行
4×4
3×3
5×5
3×3
4×4 3×3
2×2
3×3
Neomycin
2×2
3×3
3×3
3×3
Kone旭町Gin
4×3
3×3
4×4
3×3
4×4 2×3
2×2
3×3
Gentamicin
2×2
3×2
3×3
3×3
Paromoraycin
6×6
7×7
8×8
7×7
6×6
6×6
ワ×7
2〉く2
Kcnomycin
5×6
Aninosiditw
6〉く6
7×6
8×8
6×7
6×5
6×6
6×6
7×6
Kanamycin
3×3
2×2
2×2
Streptomycin
4×3
3×3
3×4
0X0
6×6
5×5
4×4
6×6
Kanendomycin 2×2
3×3
2×2
2×2
ozに、ふ 3×3
3×3
3×3
0X0
6×6
5×5
4〉く3
6×6
Paromomycin
3×3
4×3
3×3
3×3
AfTiinosidine
2×2
4〉く4
3×3
3×3
2×2
2×2
2×2
2×2
2×2
2×2
表10―3 Neomycin感作実験成績
streptomycin 2×2
第3回ご Neomycin 12週間感作 抗原濃度0.1%
(単位:mm)
齢
I 群
8匹(6匹死亡)
② | ⑤
皿 群
3×3
2×2
2×2
Gentamicin
3〉く3
2×2
2×2
Kanamycin
2×2
0X0
2×2
2×2
0 X
2×3
Ⅲ 群
3匹(1匹死亡) 2 匹
⑨ 1 0
0 1 ⑩
Neomycin
Dihydro streptomycin
0
2×2
3×3
2×2
3×3
2×2
2×2
2×2
2)
Mazlmlzatloii
(1)
test の実験成績
Neomycin感作群
Neomycin感作群モルモット14匹におけるchallenge
のパッチテスト成績は,すべて陰性であった.対照群6
Kanendomycin
2×2
2×2
2×2
3×3
2×2
匹でも同様に,パッチテストはすべて陰性であった.一
Paromomycin
3×3
3×3
3×3
2)く2
3×4
3×3
方,皮内テストではNeomycin感作群14匹中12匹で,
Aminosidine
4×4
3〉く3
3×3
2×2
4×4
3×3
2∼4×2∼4mm程度の浸潤性紅斑が得られたが,対照群
Streptomycin
2×2
0 xn
2×2
0×0
2×2
2×3
2×2
0〉く0
2×2
0×0
2×2
2×3
DTtadro street㎝lysin
0x0
6匹すべてにも,2∼4×2∼4mm程度の浸潤性紅斑が得
られた.即ち,パッチテストおよび皮内テストの成績は,
Neomycin感作群と対照群の間に差が認められなかった.
表1〔〕−4 Strept。mycin感作実験成績
第1回:Streptomycin
4週間感作 抗原濃度1%
(単位:mm)
齢
4匹(2匹死亡)
③ | ④
2 匹
⑤ l ⑥
Streptomycin感作群
Streptomycin感作群モルモットでは,0.5%と10%の
パッチテストで,8匹すべて陰性であった.また,皮内
n 群
I 群
(2)
Ⅲ 群
2 匹
、⑦ | ⑧
テストは8匹すべてで浸潤性紅斑を呈した.対照群の6
匹においても,パッチテヌヽトはすべて陰性,皮内テスト
Neomycin
5×5
7×7
6×6
5×5
4×4
3×3
Gentamicin
5×4
7×7
5×5
4×4
5×5
5×5
Kanamycin
6×6
6〉く6
4×4
4×4
3×3
3×3
Kanendomycin
6×6
4×4
4×4
2×2
3×2
3×2
Paromomycln
6×6
7×7
6×6
5》く5
6×6
6×6
4. 小考按
Amlnosidine
6×6
7×8
6×6
5×6
5×5
6×6
皮下注射によるNeomycinの第1回感作実験(注射回
StreplofTi^cIn
5×5
4×4
3×3
3×3
3×3
3×2
Dihydro streptomycin
数計8回,4週間)で得られたI%抗原液による皮内テ
5×5
4×3
3×3
2×2
3×3
2×2
では6匹すべてに浸潤性紅斑を呈した,皮内テストの浸
潤性紅斑の大きさは,処置群,無処置群いずれも平均
3×3mmで,差は認められなかった.
ストでは,感作群(I群),対照群(II群,Ⅲ群)ともに
浸潤性紅斑を呈したが,その程度はI群と,II群,Ⅲ群
験成績は,
Neomycin感作群と同様に,I群,II群,皿
の間で差が認められなかった.この成績は,第1回Neo-
群の間に,感作薬剤StreptomycinおよびNeomycin,
mycin感作実験で得られた浸潤性紅斑が1
Kanatnycin, Kanendomycin,
抗原液による非特異的反応であることを意味する.即
Paromomycin,
Aminosidi-
%Neomycin
ne. Dihydrostreptomycinに対する皮内テストの反応は有
ち,モルモットでは>
意の差が認められなかった.
ストで刺激反応を惹起することが明らかとなった.しか
1%
Neonjycin抗原液は皮内テ
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
1011
写真4 第1回Neomycin感作実験モルモット
右・第1群:Neoraycin
sulfate十Freund's complete adjuvant. 4週間感作,抗原濃度1%皮内テスト
・侶時問判定
左・第Ⅲ群:無処置,抗原濃度1%皮内テスト
・=18時間判定
し,感作が成立した場合は,感作群ではアレルギー反応
Neomycin感作実験で,
が加わるから,
服部8)は10%抗原液を用い,感作が成立したと報告して
1%
Neomycin抗原液を用いて乱対照
challengeの皮内テストに1%,
群との間に反応の強さの差が認められると考えたので,
いるが,著者の実験成績からは,この反応は高濃度抗原
Neomycinによる第2回感作実験は,感作期間を8週間
液による非特異的刺激反応であって,感作成立による特
に延長して(注射回数計旧回)行なった.しかし,第2
異的なアレルギー反応とは言い難い.この点に関して
回Neomycin感作実験でも,皮内テスト成績は第1[同感
は,
作実験成績と全く同様であり,感作群(I群),対照群
ヒトにおいてNeomycinと交叉感作を示さなかった
臼I群,Ⅲ群)の間に有意の差が認められなかった.そ
Chung
Streptomycin,
et al.36)も著者と同様な見解を述べている.
Dihydrostreptomycin
による皮内テストに
こで,第3回Neomycin感作実験には,感作期間をさら
さえ,浸潤性紅斑を呈したことは,感作成立によるもの
に延長し12週間(注射回数計24回)とし,皮内テストに
ではなく,非特異的反応であることを示している.な
は,非特異的反応を極力避けるため,
お,念のため0.01%Neomycin抗原液で皮内テストを行
O.l/o Neoraycin
抗原液を用いた.この濃度では,感作されているヒトで
なったところ,感作群(I群),対照群OI群,
は特異的陽性反応が得られ,同時に刺激反応を惹起しな
ともに全く反応を示さなかった.
いことが知られている.しかし,第3回Neomycin感作
Streptomycin感作実験でも,
Neomycin感作実験と同
実験においても,
様の結果を得た.即ち,第1[n]
Streptomycin感作実験4
1%
Neomycin抗原液を用いた第1
群)
回,第2回感作実験の場合に比べてやや弱いが,感作群
週間(注射回数計8回)感作後の皮内テストに1%抗原
(I群)と対照群(II群,Ⅲ群)の間で差のない浸潤性
液を用いたが,感作群(I群),対照群OI群,Ⅲ群)と
紅斑が得られた.即ち,
Neoraycin抗原液は0.1%で乱
もに同程度の浸潤性紅斑を生じた.第2回Streptomycin
モルモットに非特異的反応を惹起させることが判明する
感作実験では感作期間を8週間(注射回数計16回)に延
とともに,12週間の長期にわたり感作処置を行なって
長し,0.1%抗原液で皮内テストを行なったが,1%抗
も,この方法ではNeomycinによる感作が成立しないこ
原液に比較し,0.1%では紅斑反応はやや弱かったが,
とが明らかとなったEpstein
8種類の抗原すべてに紅斑を生じ,その紅斑の大きさは
et al."はモルモットの
日野 治子
1012
感作群(I群)と対照群(I群,Ⅲ群)との間に差がみ
トのchallengeに用い,それらに感作された個体で充
られなかった.第1回および第2回感作実験ともに,
分な反応を得ることかできるが,
ヒトにおいてStreptomycinと交叉感作を示さなかった
た個体でも,パッチテストに20%を用いてもしばしば
Neomycinなどに対しても同様の紅斑を呈したことは,
falsenegative を呈することがあることから,
いずれも感作成立によって起きた交叉反応ではなく,
およびStreptomycin程度の感作能力の物質では,今回
非特異的刺激反応と考えてよい.なお,
0.01%
Strepto-
Neomycinは感作され
Neomycin
の感作実験で行なった感作の程度では感作は成立し難い
mycin抗原液では紅斑は生じなかった.
のではないかと考える.
皮下注射による感作実験でNeomycinのみならず,
VI● 考 按
Neomycinより感作能が強いとされるStreptomycinに
Neomycin,
Kanamycin,
Paromomycin
(Aminosidine), DibekaciiijLividomycin,
対しても感作が成立しなかったためmaximization
を行なった.
Magnusson
test
et al.34)によれば,
Kanendomycin,
Gentamicin,
Vistamycin, TobramycinおよびAmikacin間で交叉感作
Neomycin
は25匹のモルモットの中18匹,即ち72%で感作が成立
が成立することが判明したが,これらの交叉感作に共通
し,
の抗原決定群の検討を試みた,各々の構造式を見ると,
maximization
grade
はⅣであるという.自験例で
は,14匹のモルモットがパッチテストですべて陰性を示
まずNeomycin
し,皮内テストでは14匹中12匹で紅斑か生じた.しか
のisomerであるNeomycin
し,対照群6匹にも同様の紅斑か生じ,しかもその紅斑
(図1)は,
A)の混合物である.
Neomycin B,Neomycin B
C とNeamine
Neamine
(Neomycin
(表11)は,
とDeoxystreptamineからなり,
れらの反応は非特異的刺激反応であり,感作が成立した
NeosamineとNeobiosamine
ための特異的アレルギー反応ではないと考えた.一方,
Paromomycin
Streptomycinは,
B,Cの中のNeosamineをD-Glucosamineに置換した
Magnusson
18匹,72%で感作が成立し,
et a1.34)によると,25匹中
maximization
grade
はⅣ
ものであり,
Neomycin
Neosamine
の大きさには,感作群,対照群の間に差がないため,こ
B とからなる,
(Aminosidine)
Paromamine
であるとしているが,自験例8匹中8匹すべてでパッチ
ptamine)とNeobiosamine
テストは陰性,皮内テストで浸潤性紅斑を示した.しか
とがらなる(表11).
B,Cは,
(図1)は,
Neomycin
(D-Glucosamine-│-Deoxystre(D-Ribose十Neosamine
し,対照群のモルモット6匹においても,パッチテスト
Kanamycin
は陰性で,皮内テストですべて浸潤性紅斑を示し,紅
なった3-HydroχyneosamineとParomamineがglycoside
斑の大きさは,感作群,対照群の間に差がみられず,
結合している.
Streptomycinによる感作が成立したとはいえない.な
Kanendomycin
おStreptomycinのパッチテストでは,0.5%ではfalse
amineからなるParomamineの要素と,
negativeとなる可能性もあると考え,前もって10%で
とNeosamineからなるNeamineの要素をあわせ持つ.
(図2)は,
B)
Neosamineの-NH2が-OHと
(図2)は, DeoxystreptamineとGlucos-
toxicな反応が起きないことを確かめた後,0.5%と10%
Dibekacin
でchallengeした.
amineからなるParomamineを持っている.
(図2)は,
Deoxystreptamine
Glucosamine とDeoxystrept-
モルモットのNeomycinおよびStreptomycinによる
Lividotnycin (図3)は, DeoxystreptamineとNeobios-
感作が成立しなかったため,
amine の他にDeoxyglucosamine と3-Hydroχyglucos-
Aminoglycoside系抗生物質
間の交叉感作に関し,動物実験で検討することはできな
amineも持つ.
かった.皮下注射による感作実験およびmaximization
Vistamycin
testによる感作実験で,モルモットにおいて,
cin, Streptomycin
Neomy-
の感作が成立しなかったことは,著
(図3)は,
合している.
者の用いたモルモットのstrainに基づく可能性も否定
Tobratnycin (図3)は,
できない.しかし,パッチテストの至適濃度と感作能力
glycoside結合している.
Dinitrochlorobenzeneは0.1?^,
Gentamicin
Merzoninは0.05∼0.1%,
Urushiolは0.01∼0.02
Potassium
dichromate
0.5%というように,非常に低濃度のものをパッチテス
DeoxystreptamineとGlucos-
‘amineからなる Paromamine とDeoxyneosamineが
は必ずしも平行しないであろうが,例えば感作能の強い
%,
Neosamine と Deoxystrept-
amineからなるNeamineにD-Riboseがglycoside結
は
(図4)は,CI,C2,Claの混合物であ
り, GlucosamineとDeoxystreptamineからなるParomamineを持っている.
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
表11 構造式中の共通部分とそれを有する抗生物質
¨eo幽昇賢呪
E…
共通部分
○
づ谷
1013
二
こ
抗生物質
Deoxystreptamine
Neomycin A,B,C.
共通部分
Neamine
KQnamycin
ぶ壮
Vistamycin
Paromomycin
(=Aminosidine)
こ○ご
図NHz 0H
P(㈹mamine
Gentomicin
Dibekacin
Neomycin B,C.
Lividomycin
一一一一
Vistamycin
づジヅ2
Tobramycin
A
HOべ
〉一一フベ
卜丿/
HO NHs L____
「kacin
20 eoxystreptamine
Neosamine
D-Ribose Neobiosamine
B
Dose -x Neごごyamine
≒器丿o
o\。
NeomycinA,B.C.
NeobiosQPnine
Paromomycin
=ParomobiosQinine
(こAminosidine)
CHgNH?
◇
HO
OH
OH
KHz
ド
Kanendomycin
Vistomycin
江端●,,
Kanendomycin
ツコo¨
で二万〉
HOべ
■-OH
Poromomycin
(=Aminosldine)
Dibekacin
Neomycin
B,C.
Paromomycin
゛で戸
Konamycin
HO
NeomycinB.C.
OH CHzNHi
(こAminosidine)
CKaOH
pQromomycin
(=Aminosidine)
KanQmyoin
Kanendomycin
DibekQcin
Gentamicin
Tobramyc'n
Lividomycin
しtvidomyoin
Paromomycin
QLucosamlne
Poromomycin
=A 「nosぽne
A,B,C.
Kanendomycin
Kanendomjcin
NeosG囃ヰぎ臨癩ぷJ」
抗生物質
Neo町cin
(=Aminosicline)
Lividomycin
Vistamycin
Tobra町c7∩
OH
NH!
Hydroxjneosamine
Gentamicin
Paromomycin
Ri =H
R2 = CH2NH2
D
Glucosamine /
Amikacin
Kanamycin
Amikacin
HO⑤OH
pQromamlne
OH卯
Paromomycin n
Ri =CH2lMH2
R2 = H
Jにこクこ二乙
Neobioツi
Parヽomobiosamine
e
Kanamvcin
図 1
ご二lomine
Amikacin
(図4)はKanamycinと構造式が類似し
ているがDeoxystreptamineの2つの-NH,の中,1つ
か-NH-CO・CH
.OH-CH^-CH,
・ NHj となっている.
mycin, Kanamycin,
Paromomycin
﹁111111111
Pirila et al.">はNeomycin感作例において,
首ば雪片しannvcin)
Dibekacin
Neo-
の間の交叉感作を検
HO
討し, Deoxystreptamineがいずれにも共通していること
ご
を認めながらも,このDeoxystreptamineのパッチテス
トが陰性または弱陽性であること,一方,陽性を呈した
NeamineとNeobiosamineがともにNeosamineを持っ
図 2
ていることから,これら3種のAminoglycoside系抗生
物質ではNeosamineが主要な抗原決定群であり,その
としては,これらのAminoglycoside系抗生物質との交
ため交叉感作が成立するとしている.しかし,自験例に
叉感作を説明できない.しかも,
おいて, Neosamineを持だないKanamycin,
mycin,
Tobramycin,
Dibekacin,
Gentamicin, Amikacinとの間にも交叉感
作が認められたため,共通の抗原決定群をNeosamine
Kanamycin,
Pirila et al,26)はNeo-
Paromomycinの交叉感作では,共
通するNeosamineが抗原決定群としているが,
mycinはNeosamineを持たずNeosamineの-NHjが
Kana-
日野 治子
1014
-OHで置換されたHydroxyneosamineを持っている・
NeosamineでKanamycinとNeomycin,
Paromomycin
との交叉感作を説明するためにはNeosamineとHydroxyneosamineか,抗原決定群として同じ役割を持つ
Deoりgtucosdmlne
Neosamine
D-RIbose
→
Neoblosamtne
3-HydroxygtucosQnilne
ことの証明が必要である.なお,
xyneosamineの他に,
KanamycinはHydro-
Glucosamine も持っているが,
Pirila et al.26)のパッチテスト成績ではGlucosamineは
Viatamycin
(Ribostamycin)
P〃∼∼〃〃−ミミ
陰性であったという.
−’““1
Pirila
et al.≪>はパッチテストの成績から,
Deoxystre-
ptamineとNeosamineからなるNeamineが陽性であ
HO
るのに,
Deoxystreptatnineが陰性または弱陽性であるこ
とからNeosamineを主要な抗原決定群と推測してい
Neos㎝line
D-Ribose
るか,前に述べたようにNeosaraineを持つNeomycin,
Neamlne
Paromomycinと,
Tobramycin
Neosamineを持たずHydroxyneosa-
mineとParomamine
(Deoχystreptamine+Glucosamine3
を持つKanamycinとの間に交叉感作が成立しているこ
不二
と,パッチテストの成績でParomamineとKanamycin
万 J二
,−二丿-itこ 言
は9例で陽性,5例で陰性であり,
Glucosamineその
ものは陰性であったと報告されていることから,
Neosa
mineが抗原決定群の重要な役割を持つという結論を出
図 3
すためにはNeosamineそのもののパッチテストない
し皮内テストの検査をする必要がある.自験例でも,
Neosamineを持つNeomycin,
Genta
「cins
dine), Kanendomycin,
Paromomycin
Lividomycin,
(Atninosi-
Vistamycinの間に
交叉感作が認められたが,これらNeosamineを持つ群
rchnhr' 。一一−一一
①
〇 ;
Ci : R,R・= CH3
C2:R
= CH3
Cia : R,R''=H
とNeosamineを持たず,
Neosamineの-CH2NH2が
-CH20Hで置換されたGlucosamineを持つParomomycin
(Aminosidine),
Tobramycin,
Kanamycin,
Gentamicin,
Kanendomycin,
Amikacin
Dibekacin,
との間にも交叉感
作が認められている.従って,交叉感作に.おける抗原決
定群は,第1に,
Paromomycin
Lividomycin,
AmikQcln
Kanamycin,
(Aminosidine),
Vistamycin,
Kanendomycin,
Gentamicin,
Tobramycin,
Dibekacin,
Amikacinに共
通するDeoxystreptamineであるという可能性,第2
にNeosamine,
CH2NH2F゛
◇
O:
Hydroxyneosamine,
Glucosamine,
Hy-
droxyglucosamineなどの単位が,抗原決定群として同等
.
HO
CH-CH2-CH2
1 1
0H. NHz
:
H0
Neoraycin,
0H
の役割を演ずるという可能性,第3に,
と, Neosamjne,
Hydroχyneosamine,
Deoxystreptamine
Glucosamine,
droxyglucosamineなどがglycoside結合したNeamine,
3・ト!^droxyneosamine
Paromamineなどのレベルのものが,抗原決定群とし
Gtucosa
「ne
て同等の役割を演ずる可能性か考えられる.例えば,
AmikacinとNeomycinの間に交叉感作が認められた
図 4
が,もしDeoxystreptamineを抗原決定群とするなら
Hy-
1015
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
ば,その中の・NH2が-NH-CO-CH
・ OH-CHj-CHj
・ NH,
になったものとの間に交叉感作が成立する可能性が考え
Streptomycin
Dihydrostreptomycin
られるし,またGlucosamineと3-Hydroxyneosainine
NH
OH 呻
≪。NH-C-NHz
を持っているため,これらが抗原決定群となる可能性等
が考えられる.
Pirila
et al.")は,パッチテストでDeoxystreptamine
は陰性または弱陽性であり,
Glucosamineは陰性であっ
たなどの成績を述べているが,Aminoglycoside系抗生物
質の接触アレルギーでは,しばしばパッチテスト陰性,
皮内テストでのみ陽性が出ることが知られている.この
交叉感作の抗原決定群の検索にも,パッチテストのみな
R : CHO ゛Streptomycin ・
らず皮内テストなどを用い,さらに検討する必要があ
R : CHzOH
° Dihydrostreptomycin
る.現在までのデータでは,モのうちのどれを抗原決定
群とすべきか結論を出すことは困難である,しかし,交
NH
叉感作を示したもののいずれもがDeoxystreptamineを
NH?
0 0
H H
持っていることから(表11),これが共通の抗原決定群
の可能性が最も大きいと考えたい.
一方,
ては,
→
NeomycinとStreptomycinとの交叉感作に関し
Sidi
いいPirila
Epstein
OH
et al.=''は両薬剤間に交叉感作が成立すると
OH
et al."'はNeomycin感作50例中3例,
Streptldine
Stneptamine
(1,3-diguQnido-
(1,3-diamino-
et al."はNeomycin感作14例中2例,服部6)は
Neomyqin感作51例中8例がStreptomycinに陽性を示
したという成績を報告している.しかし,し自験例では,
Neomycin感作23例Gentamicin感作4例,
2,4,5,6-tetrQhydroχy-
2,4,5・6-tetrQhydroxy-
cycLohexane)
cycloheχone)
Kanamycin
図 5
感作l例,
Kanendomycin感作I例において,パヅチテ
ストと皮内テストでStreptomycinおよびDihydrostrep・
tomycinに対する反応は1例もみられなかった.
いる.これらの陽性反応は,
Neo-
Neomycin,
Streptomycin,
Dihydrostreptomycinの同時感作によるものと考えられ
mycinとStreptomycinの間に交叉感作が成立するとの
る.これらの陽性反応をNeomycin,
考えはStreptomycin中のStreptidineが,体内でStre-
drostreptomycinの同時感作と考えれば,
ptamineとなり(図5),これがNeomyciti中のDeoxy-
におけるStreptomycinの陽性率が各報告者によって大
streptamineと交叉反応を起す可能性があるということ
に基づいているがi加藤ら3o)はStreptomycin,
Streptomycin, Dihy・
Neomycin感作
きく異なるのは当然であろう.
Dihydro-
StreptomycinとDihydrostreptomycinとの間の交叉感
streptomycinは体内で殆んど代謝を受けないと述べてお
作に関しては,先に述べたようにLivingood26)が,
りStreptidineがStreptamineとなる体内代謝過程も証
mycin感作15例中4例が皮内テス=トでStreptomycinに
明されてはいない.著者は,し先に述べたように,
Strep-
Neo・
は陽性, Dihydrostreptomycinにぱ陰性を呈したと述べ
tomycinのパyチテストと皮内テストに陰性を示した,
ている他に確かな報告はみられない.加藤らs°)がStrep・
Neomycinに強く感作された症例にStreptomycinの常用
tomycinとDihydrostreptomycinとの間には免疫学的交
量を筋注したが,反応は全く認められなかった.即ち,
叉性は確立されていないといっているが,これの根拠お
NeomycinとStreptomycinとの間には交叉感作が成立
よび出典が明記ざれていない, しかし,自験例では,
しないと結論できる.服部゛)はNeomycin感作51例中
Streptomycinによる湿疹型薬疹例2例において,
Streptomycinに8例Dihydrostreptomycinに6例の陽
tomycinの他にDihydrostreptomycinによっても,パッ万
性結果を得たが,その中3例は既往にStreptomycin,
チテストおよび皮内テストで明瞭な陽性反応(写真3)
Dihydrostfeptomycinこの使用が証明されていると述べ七
を得た.この場合,両薬剤に同時性に感作された可能性
Strep・
口野で.治子
1016
も否定できないが,2症例ともDihydrc]streptomycinの
質による接触アレルギーでは,感作が成立しているにも
使用歴がないことから,得られた反応は交叉感作による
かかわらず,しばしばパッチテストが陰性,皮内テスト
特異的アレルギー反応であり,
が陽性となることが知られている11)12)その解釈には
StreptomycinとDihydro-
streptomycinの構造式上におけるわずかな違い,即ち
種々あるが,皮内テストの方が,よりsensitiveである
Streptomycin中のStreptoseの-CHOが-CH20Hに還
ことは明らかである.また,交叉感作に基づく反応は
元されたものがDihydrostreptomycinである(図5)こ
primary sensitizerより弱く出る傾向があるため,交叉
とから,両薬剤間に交叉感作が成立すると考える方がむ
感作に基づくパッチテストはfalse
しろ自然である.
示しやすい.従って交叉感作が陽性反応を呈さない場合
Aminoglycoside系抗生物質の交叉感作を検討した際,
にも,必ずしも交叉感作が成立していないとは断定でき
その成績は,症例によって必ずしも一致しない.例え
ない.例えばNeomycin万感作例の症例12(表5)のよ
ば, Neomycin感作例でも,パッヂテストで,症例5,
うに,パッチテストのみの検査ではすべて陰性を示した
6,
が,皮内テストではNeomycin,
19のようにNeomycin,
Kanendomycin,
Gentamicin, Kanamycin,
Paroraomycin(Aminosidine), Dibekacin,
Lividomycin, Vistamycin, Tobramycinj
Atnikacinで陽
性を示した症例があったが,症例21のようにNeomycin
Kanendomycin,
negative reactionを
Gentamicin, Kanamycin,
Paromc?mycin(Aininosidine), Dibekacin,
Lividomycin, Vistamyc叫で陽性反応を呈した例がこれ
に相当する.づ ト 白
とVistamycinのみ陽性を示した例もあった(表5).ま
土一般に,ス薬剤による経皮的感作の成立した個体に,感
た, Neomycin感作例におけるKanamycinとの交叉感作
作薬剤またはそれと交叉感作のある薬剤を内服享たは注
に限ってみても,
射による全身的投与を行なった場合に,
Neotnycin感作例すべてがKanamycin
systemic ecze-
に陽性を示すのではなく,症例により陽性の場合と陰性
matous∧contact-type dermatitis medicamentosa
の場合がある.そのため既報論文のNeomycin感作例
ばれる湿疹型薬疹を惹起し得るし,逆に,全身的投与に
と も呼
におけるKanamycinの陽性率も,服部8)は51例中35例
より感作され,湿疹型薬疹を起した既往のある患者に,
(70%),
感作薬剤,またはそれと交叉感作のある薬剤を局所的に
Pirila et al."'は50例中28例(56%),
Epstein
et al."りま18例中12例(60%)と異っている.自験例に
投与すると,接触皮膚炎を起こすことが知ちれている.
おけるパッチテストのみの成績では23例中14例(60%)
Aminoglyむoside系抗生物質に関七でもレ本田らs7)は
が陽性反応を呈した.
Neomycinによる接触皮膚炎の既往のある患者に,
Ami-
このような,症例による交叉反応の出方の相違かある
nosidine を注射して湿疹型薬疹を生じた症例を報告して
のは,各症例によって,そのprimary
いる.そこで,経口的に腸管からの吸収が悪いとされて
sensitizerにおけ
る主要な抗原決定群が異なる可能性があることを考えれ
いるAminoglycoside系抗生物質を,感作の成立してい
ば説明ができる.
る個体に経口投与を行なった場合はどうであろうか.著
challengeする抗原が,
pri皿ary sensト
tizerの,その症例に特異的な主要抗原決定群を持って
者はNeomycinに強く感作され,撒布疹まで生じ,さ
いるならば陽性反応を呈するが,丿持だない場合は陽性反
らにAminosidineおよびParomomycinのパヅチテスト
応を呈さないと考えることができる. ‥
と皮内テストで陽性反応を得た症例5,1 9にAminosi-
しかし,パッチテストでは陽性反応を呈さなかった
dine常用量lg/dayを5日間連続内服投与したが,反応
が,皮内テストで陽性反応を呈する例がある.例えば,
は全くみられなかった.これはAminoglyeoside系抗生
自験例でNeomycin感作23例中Kanamycinはパヅチテ
物質が腸管からの吸収が悪いことの傍証ともなろう.し
ストで14例(60%)が陽性であったが,皮内テスtヽで雌
かしEkelund
18例(77%)が陽性を示し,パッチテスト陰性例中4例
炎患者に,
は皮内テストで陽性を示した.この4例のように,パヅ
12例中10例で,皮疹の再燃,または手掌の発赤,癈岸を
et al.38)は, Neomycinによる接触皮膚
Neomycin
1.5g/dayを経口投与したところ,
チテスト陰性,皮内テスト陽性を示す症例については,
みたと報告しているが,実際にAminoglycoside系抗
primary sensitizerにおける主要な抗原決定群を,共通
生物質で経口投与される薬剤は,アメーバ赤痢をはじ
に持たないために陽性を呈さなかったとは解釈できな
め,細菌性赤痢,グラム陽性,陰性菌などの腸内細菌感
k≒ \ ‥ 犬
染症に用いられることが多く,主としてParomoraycin
NeomycinをはじめとするAminoglycoside系抗生物
(Aminosidine), Neomycinなどである.著者の経験か
Aminoglycoside系抗生物質による接触皮膚炎
1017
ら,長期に亘って投与する性質の薬剤ではないこともあ
学会東京地方会で報告した.稿を終えるに当り,御校閲
り,常用量を短期間経口投与として用いるならば,さし
戴いた久木田淳教授,並びに終始御懇篤に御指導戴いた
て支障はないと考える。
原田昭太郎講師に深甚の謝意を表します.
本論文の要旨は,第537回および第553回日本皮膚科
文
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