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自己倍力作用型の電気油圧式ブレーキ(SEHB)
自己倍力作用型の電気油圧式ブレーキ(SEHB)の開発 原題:Self-energising electro-hydraulic brake (SEHB) ●著者・所属:Michael Kühnlein , Julian Ewald ; アーヘン工科大学流体駆動制御研究所 , 研究員 , ドイツ , Hubertus Murrenhoff ; アーヘン工科大学流 体駆動制御研究所 , 研究所長 , ドイツ , Matthias Liermann ; ベイルート・アメリカン大学 , 教授 , レバノン ●誌名:RTR: Railway Technical Review Vol.50 No.4(2010-12)p31-34 ●言語:英語 ●原文中図:4 ●表:0 アーヘン工科大学の流体駆動制御研究所が自己倍力作用型電気 油圧式ブレーキを開発した。SEHB を鉄道に応用すればブレーキ作 用に必要なパワーを大幅に低減化できるが、調整機能がないと摩 擦の変動によって不安定化する。この SEHB では弁を制御して連続 的に流体力学的調整を行う。減速トルクの自動的調整によって制動 距離も短縮される。搭載方式はディスクブレーキ型で、制動トルク がサポートシリンダを介して台車に伝達され、摩擦力はアクチュエー 車 両 タ、キャリパー、シリンダと伝達され、シリンダは弁制御を介して アクチュエータにつながり自己倍力のループが形成される。今後は、 コストも考慮して外付けのガイドによる取り付け方式とオープン油 圧方式を採用する。停留ブレーキを行う場合はアクチュエータのバ ネと一時的な用途のポンプを用いて 2 段階で行う。詳細設計が現 在実施されているが、特に油の流量を制動の有効レベルにまで調 整できる弁の開発が中心となる。 図 1 自己倍力作用型の電気油圧式ブレーキの原理 (図は全て著者 作成) 出典:RTR 図 2 ブレーキ・キャリパーの軸への連結によるブレーキ・キャリパーの 円形ガイダンス 出典:RTR ブレーキ技術の歴史 原題:Zur Geschichte der Bremstechnik ●著者・所属:Dieter Jaenichen ; ドレスデン工科大学鉄道車両・鉄道技術研究所 , 研究員 , ドイツ ●誌名:Eisenbahningenieur Vol.61 No.11(2010-11)p47-53 ●言語:独語 ●原文中図:7 ●表:0 数多くの革新的な解決策を含む、現在の鉄道車両で使用 は、ブレーキ技術に重要な貢献がもたらされた。20 世紀後 されているブレーキシステムの礎を築いたのは、ブレーキ業 半、UIC がブレーキシステムの広範な研究を実施し、その結 界の専門家と国際鉄道連合 (UIC)の取り組みである。新しい 果が ERRI の広報で報告された。現在も改良が進められてい ブレーキ技術の導入に欠かせない条件は、信頼性が高い耐 る、ブレーキに関する UIC データシートは、近代のブレーキ 故障性ブレーキシステムを実現するのに必要な新しいブレー システムに欠かせないものだった。UIC の鉄道のブレーキが キ部品設計を長年にわたって広範に試験することにより、理 問題なく機能するのを保証したのはこれらのデータシートで 論的研究を実証することである。 ある。欧州委員会の現在の技術仕様は、大部分がこの規制 UIC のブレーキ分科委員会とその後継チームの取り組みで に基づいている。 World Railway Technology 2011.1 28