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相 談 内 容 アドバイス
1 相 談 内 容 ある日の昼下がり、出産を控えたAさんは、用意した オムツや肌着を整理していたところ、ふと以前育児雑誌 を読んでいて、目にとまった記事を思い出した。 最近テレビなどで良く耳にする「ホルムアルデヒド」 は赤ちゃんの衣類には使われてはいないものの、他のも のに移り(吸収され)やすいので「赤ちゃんの衣類は、 区別して保管する」という記事であった。 具体的にどのようにすれば良いか急に不安になり保健 赤ちゃんの衣類 所に相談があった。 アドバイス Y家庭用品衛生監視員がお答えします。 お尋ねのとおり、法律により赤ちゃんの衣類には、ホルムアルデヒドを用いてはなら ないことになっています。ただし、ホルムアルデヒドは空気や水蒸気を通じて、他のも のに吸収されやすい性質をもっていますので、赤ちゃんの衣類を他のホルムアルデヒド を含む衣類と一緒に保管したり、接着剤にホルムアルデヒドが使用されている新しい家 具に入れておくと、その衣類や家具から赤ちゃんの衣類へホルムアルデヒドが移ってし まいます。 このことを「移染」といいます。 このような移染を防ぐためには、ホルムアルデヒドを使用していない収納家具等に他 の衣類とは分けて保管をしたり、一緒に保管する場合はポリ袋に入れて区別するとよい でしょう。 万一、移染してしまった場合は・・・・・・・ ホルムアルデヒドは水に溶けやすいので、ホルムアルデヒドの移染を受けた赤ちゃん の肌着も、洗濯をすればほぼ取り除くことができます。そこで、新品の衣類も使用する 前に一度洗濯することをお勧めします。 2 S T U D Y 衣料品には防縮・防しわ・形状安定加工などの目的で色々な樹脂加工が行われていま す。特に尿素樹脂が温度や湿度、酸の影響により、最もホルムアルデヒドを遊離すると いわれています。この物質は皮膚刺激性が強いため、法律*1で含有許容量の基準値*2 が設けられています。 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律 *1 健康被害を起すことが明らかになった家庭用品の中の化学物質を「有害物質」に指 定し、家庭用品の種類に応じて、その含有量、溶出量などの基準を設けています。 ホルムアルデヒドの規制対象家庭用品と基準値 *2 乳幼児用繊維製品・・・・検出しないこと 生後 24 か月以内の乳幼児用おむつ、おむつカバー、下着(シャツ、パンツ等)、よ だれ掛け、寝衣(ねまき、ベビードール等)、手袋、くつ下、中衣(Tシャツ、ブラウ ス、ポロシャツ、等)外衣(おくるみ、セーター、ワンピース、スカート、ズボン等) 、 帽子、寝具(ふとん、おねしょマット等) 。 大人、子供用繊維製品・・75ppm以下 下着(シャツ、パンツ)、寝衣(ねまき、パジャマ等) 、手袋、くつ下(ソックス、ス トッキング等) 、たび(足袋) 。 ☆ 形状安定加工されたワイシャツ、ブラウスには、ホルムアルデヒド の含有許容量の基準がありませんので、移染に注意が必要です。 家庭用品衛生監視員 私たちは、身近で使われている様々な 家庭用品が安心して取り扱えるよう安 全性のチェックを行っています。 今回はホルムアルデヒドについての ご相談でしたが、その他、マスコミ等で 話題になった防水スプレーなど、日常生 活の中で気にかかることがありました らお気軽にご相談下さい。 赤ちゃんの衣類と収納用のポリ袋