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RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION
で実現するデスクトップの仮想化
サイオステクノロジー株式会社
RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION で実現するデスクトップの仮想化
1
デスクトップ仮想化のメリット
x86 プラットフォームでの仮想化技術の到来は、根本的に新しく、デスクトップ提供を費用対効果が高
く実現できるモデルと言えます。このモデルでは IT 管理者に、個別物理 PC で動かしている個々の OS
やアプリケーション、OS やアプリケーションを共有し運用するターミナルサービスソリューションとい
った従来のデスクトップ管理から離れ、デスクトップの⼀元管理、保守、ポリシーの適用をより効率的
に統合的に⾏う方法を提供します。この方法により、より効果的なコンプライアンス実現と TCO 削減が
もたらされます。加えて、仮想デスクトップはエンドユーザに対しても新しい機能を提供する事ができ
ます。
以下は企業が展開できる仮想デスクトップのモデルです。
・サーバホステット型デスクトップ:
ユーザのデスクトップは、データセンターのサーバ上の仮
想マシン(仮想デスクトップ)である。ユーザはこの環境にブラウザやリモート接続プロトコル
よりクライアントから接続する。クライアントは、シンクライアント、または再利用を⽬的とし
た古い PC である場合も。
・クライアント型仮想デスクトップ:
このモデルでは、仮想デスクトップはクライアント(物理
デスクトップ)自身で稼働する。
このホワイトペーパーでは、RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION が提供するホステッド型仮想
デスクトップの導入メリットについて取り上げ、製品を紹介します。また、既存のホステッド型仮想デ
スクトップソリューションと RED HAT 社製品との違いについてもご紹介いたします。
IT 部門にとってのメリット
IT 部⾨から⾒ると、今までのデスクトップデリバリモデル(物理デスクトップとターミナルサービス)
よりも仮想デスクトップは多くのメリットを提供するものです。

セキュリティとコンプライアンス: データは物理的に安全なデータセンタに存在し、セキュリテ
ィ的な懸念のあるクライアントデバイスには存在しない

迅速なプロビジョニング: デスクトップは⼀か所から、要求に基づいてプロビジョニング、保守、
そしてデプロビジョニングを⾏うことができる

集中化されたストレージとバックアップ: 全体のデスクトップイメージは、エンタープライズス
トレージ基盤を使って⼀元的にバックアップされる

ディスク関連作業負荷の削減:
ユーザの PC は仮想マシンあるいはファイルであるため、バック
アップやリストアがを簡単に⾏うことができる。また、仮想デスクトップのスナップショット取得
やイメージの作り直しに対するコストも大幅に低減される。
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
冗⻑性: ⼀般的なデスクトップモデルは、ハードディスクが破損した場合、エンドユーザに多大
なダウンタイムを与えることになる。仮想デスクトップでは、ハードディスクの不良はダウンタイ
ムをあまり生じることはなく、IT 部⾨のサポート負荷も大してかけることはない。

複数種類のマシンではなく基準のハードウェア: 仮想化は、ハードウェアの視点から、OS やア
プリケーションといった視点にものの⾒方が変わります。そのため IT 部⾨は、今まで実施していた
複数のハードウェア、複数のドライバーを考慮して OS やアプリケーションの稼働確認をする時間
を取る必要がなくなります。これは徹底的に簡素化されたデスクトップイメージ管理といえます。

省エネ:シンクライアントは物理デスクトップが必要とする 1/4 の消費電⼒で動かせるといわれて
います。仮想デスクトップモデルでは、省エネを実現することもできます。
上記に挙げた従来型のデスクトップに対するメリットだけではなく、ホステッド型仮想デスクトップは
従来のターミナルサービスモデルと比べてもメリットを提供します。

ユーザにフル機能デスクトップを提供

アプリケーションの変更にコストがあまりかからない

完全隔離

新規アプリケーションの迅速な展開が可能
利⽤者にとってのメリット
デスクトップ仮想化は、ユーザ部⾨にとってもメリットがあります。
2

どこからでもフル機能のデスクトップにアクセスできることで生産性を向上

ダウンタイムが低く抑えられることで生産性を向上

オンデマンドで複数デスクトップ利用
現在存在するデスクトップ仮想化ソリューションの抱える課題
ホステッド型仮想デスクトップは、既存のデスクトップデリバリモデルやソリューション(物理 PC、タ
ーミナルサービス)に比べて多大なメリットを提供しますが、利用者、そして IT 管理者両方の側からい
くつかの課題も挙がっています。
2.1
利⽤時に利⽤者が抱える課題
⼀番の問題はユーザが経験するレスポンス、ユーザ体験に関するものです。

ユーザ体験:RDP といったリモート接続プロトコルは良好なユーザ体験を提供する事が
できない。RDP はマルチメディアがエンタープライズコンピューティングであまり利用
されていないターミナルサービス主流の時代にデザインされたものである。

グラフィック:企業におけるグラフィックがメインのウェブサイト、ビデオ、オーディ
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オ再生、例えばトレーニングビデオ、ウェブキャスト、経営層からのメッセージビデオ
などの再生に問題がある。

双方向の音声/映像:IP フォンやビデオカンファレンスなどが既存の仮想デスクトップ
と接続プロトコルでは動かない。

2.2
周辺サポート:USB デバイスの接続が限定サポート。
IT 部門が抱える課題
エンドユーザに加えて、IT 部⾨も展開や管理の問題を抱えています。これは、現状流通している
仮想デスクトップソリューションが単にサーバ仮想化ソリューションを改良したもので、仮想デ
スクトップ管理に必須機能が⽋如しているからです。

ユーザ体験とシステムコスト: ユーザ体験はエンドユーザだけの問題ではなく、IT 部
⾨の問題でもある。物理 PC と同様の使い勝手ではないとエンドユーザに仮想デスクト
ップを受け入れてもらう事はできない。また RDP ベースのシステムはマルチメディアと
処理する際にホスト CPU に対して負荷。これは最終的にはサーバで管理する仮想デスク
トップの数を減らし、サーバ数を増やすなどの対応を余儀なくされることにもつながり、
システムにかけるコストが増加することになる。

システムのスケーラビリティ

エンドユーザサポート:
サーバ仮想化の場合、管理システムはアプリケーション管理
者かサーバ管理者が使うものとしてデザインされている。しかし仮想デスクトップには
もっと洗練された違うタイプのサポートが必要である。仮想サーバでは、ネットワーク、
処理性能、メモリを仮想サーバに与えるための方法を必要とするが、デスクトップ管理
者は、エンドユーザの問題をどう解決するかの方法を求めている。ユーザが抱えるトラ
ブルを迅速に解決するため、数千に渡るデスクトップからユーザのデスクトップを瞬時
に特定し、対処する管理システムを必要としている。

システム連携: デスクトップは例えば Microsoft Active Directory とシームレスに連
携する必要がある。またアプリケーションストリーミング技術や管理システムとインタ
ーフェースをとる必要がある場合も存在する。
上記の問題は IT 部⾨が仮想デスクトップソリューションを大規模に展開するするのを難しく、そ
してシステムを高価にしています。
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RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION で実現する VDI とは
3.1
概要
RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION(RHEV)は、サーバとデスクトップ仮想化のための完全な
仮想化ソリューションであり、初めてのエンタープライズ向けの、完全オープンソース仮想化プラット
フォームです。仮想デスクトップソリューションもひとつの製品で提供しています。これは
Kernel-based Virtual Machine(KVM)ハイパーバイザと、oVirt オープン仮想化管理プラットフォー
ムをベースとしており、両プロジェクトは RED HAT によって始められたものであり、オープンソース
コミュニティにリリースされたものです。RHEV は真に戦略的な仮想化製品として、より良い TCO、投
資対効果、特定仮想化ベンダーへのロックインの排除を求める組織の代替ソリューションとして採用さ
れています。
仮想サーバを管理する際、RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION は、RHEV Manager 管理システ
ム、RHEV Hypervisor から成り、サーバオペレーティングシステムを仮想ゲストとしてサポートします。
仮想デスクトップを管理する際は、RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION は、RHEV Manager
および RHEV Hypervisor をベースに、デスクトップオペレーティングシステムを仮想ゲストとしてサ
ポートし、更にデスクトップ管理機能を提供します。 これで既存ソリューションが抱える課題をも解
決する、集中管理、保守、ポリシー適用といった仮想デスクトップの構築運用に必要な機能が提供され
ます。RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION のコンポーネントは完全に統合されており、統合的
でスケーラビリティをもったプラットフォームを仮想サーバ、仮想デスクトップの両方に対して提供し
ます。RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION によって、エンドユーザは物理デスクトップを使用
していた時と同じ操作性、ユーザ体験でデスクトップを利用できます。
現在では、物理デスクトップ上で、グラフィックに特化したアプリケーション、ソフトフォン(IP フォ
ンクライアント)の様なマルチメディアアプリケーションが利用され、ビデオカンファレンスも普通に
⾏われています。これらを利用していたとしても、RHEV で実現した仮想デスクトップ環境はは IT 部⾨
にとってセットアップしやすく、管理しやすい、スケールしやすいものになっています。
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3.2

RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION で実現する VDI 主な利点
データ・セキュリティの向上
RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION はデータをデスクトップ環境から、企業ファイアウォ
ールに守られたセキュアなデータセンタに移すことで、データ漏えいのリスクを低減し、データプ
ライバシなどの法規制への遵守を実現します。

低インフラコスト
データセンタにデスクトップ環境を統合することで、新規デスクトップ環境のプロビジョニング、
既存システムの保守、デスクトップアクティビティのモニタリングといった管理がシンプルに、そ
してマウスを数クリックするだけで⾏えるようになります。

管理性の向上
デスクトップ環境は⼀元化された場所に作成され、モニタされ、管理されるので、物理 PC につき
もののオンサイトサポートといった管理作業がなくなります。

事業継続
OS とハードウェアの依存がなくなるため、デスクトップ環境はデータセンタを介した持ち運べる
仮想マシンとなります。加えてデスクトップもデータセンターのバックアッププランの中に含まれ
るので、より良いレベルで事業継続が⾏われることになります。

アプリケーションとクライアント柔軟性の向上
ユーザは、複数のデバイスから複数のタイプの操作環境にアクセスできます。Windows そして
Linux、どのクライアントを利用していようともアプリケーションにアクセスできるというの柔軟
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性がもたらされます。
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3.3
主要機能
セキュリティと
・SSL 暗号化 ― クライアントからのセキュアなデータ送受信
スケーラビリティ
・SELinux と sVirt ― データ保護のためのカーネルレベルのセキュリティポリシー
・メモリオーバーコミット - ホスト上の物理メモリをより与えることができる
・VM を効率的に利⽤ - 100 もの仮想デスクトップを1つのホストでサポート可能。
ハードウェアの利用率を向上
・CPU と Core - 64 仮想 CPU まで利用
デスクトップ管理
・迅速なプロビジョニング - 数日、数週間あるいはもっとかかっていた新しいデス
クトップ環境作成を数分で実現
・軽量なプロビジョニング - マスターイメージからの仮想デスクトップのプロビジ
ョニングを、それぞれの新仮想ハードドライブのコピーを⾏うことなく実施する事で、
90%近いストレージ領域を節約。
・デスクトップ・プール - オンデマンドでアクセスされる仮想デスクトップのグル
ープを作成し、プロビジョニングプロセスをより効率的に、そして仮想デスクトップ管
理をシンプルにする
・サーチ・ベースの管理 - 特定の項⽬などを指定し、簡単に仮想デスクトップをサ
ーチできる。 これによって更新やパッチ適用が必要な仮想デスクトップも簡単に特定
できる。
フェイルオーバと
リカバリ
・ライブ・マイグレーション - エンドユーザの作業を止めずに仮想デスクトップを
⼀つのホストサーバから別のサーバに移⾏できる。
・ロードバランシング - 仮想デスクトップアクセスを自動的にロードバランスする
ためのポリシーを作成
・スナップショット - 仮想デスクトップのスナップショットをどのタイミングでも
取得。迅速な復旧も実現。
・柔軟なストレージ - iSCSI あるいはファイバーチャネル(FCP)で共有されたスト
レージを使って仮想デスクトップイメージやデータを格納。
エンドユーザ体験
・双方向の音声/ビデオ -
VoIP やビデオカンファレンスコールを仮想デスクトップ
から実施可能
・ビデオ再生 - クライアントローカルになにも導入せず、あらゆるオーディオ/ビデ
オフォーマットを再生、マルチメディアを視聴しているときにも自然な再生を実現
・USB リダイレクト - USB1.0、2.0 デバイスを仮想デスクトップに接続可能
・コピー/ペースト - 仮想ゲストとクライアントコンピュータ間でのコピペを実現
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3.4
コンポーネント
RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION で実現する VDI は、コモディティハードウェアで稼働し、
主に3つのコンポーネントから構成されます。

Enterprise Virtualization Hypervisor
ユーザの仮想デスクトップが実際に稼働するサーバ(あるいはクラスタサーバ)

Enterprise Virtualization Manager for Desktops
システムすべてのコンポーネントを管理するシステム

SPICE
仮想デスクトップを表示する、インタラクティブに操作することを可能にするアダプティブ・リモ
ート・レンダリング(Adaptive remote rendering)技術
3.4.1 RHEV Hypervisor
RED HAT の Hypervisor は、ベアメタルハイパーバイザであ
り、仮想マシンのをホストする⽬的でデザインされています。
大幅に軽量化されたソフトウェアの集合であり 100MB 以下
のフットプリントです。簡単にインストールする事ができ、
PXE、フラッシュ、ローカルディスク、ネットワークストレ
ージからの起動が可能です。 KVM 技術と RED HAT
ENTERPRISE LINUX カーネルから構築された RHEV
Hypervisor は、96 コア、1TB のメモリまで使用し、16 仮
想 CPU と 64GB メモリまでスケールアップする事ができます。
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デスクトップ最適化(Desktop Optimization)
RHEV Hypervisor はリソース最適化レイヤーとして、サーバ上の仮想デスクトップの性能向上の
役割ももっています。仮想デスクトップのリモート・レンダリングをアシストします。
デスクトップ最適化レイヤーは、メモリーページ共有(ホストレベルで実施)やメモリーバルーニ
ング(ホストレベルのインタラクションとゲストレベルで実施)といったいくつかの業界最新アル
ゴリズムやメカニズムを用いています。これにより RHEV Hypervisor サーバ上の仮想デスクトッ
プの密度が高まります。
RHEV Hypervisor:VIRTUAL DESKTOPS
RHEV Hypervisor は Linux と KVM、リソース最適化レイヤー、そして仮想デスクトップを稼働さ
せます。Windows、RED HAT ENTERPRISE LINUX DESKTOPS どちらも仮想デスクトップとな
ります。
3.4.2 RHEV Manager
RHEV Manager は RHEV Hypervisor のフロントエンドであり、仮想
デスクトップソリューションに必要なすべてのコントロール機能を持
ちます。プロビジョニングプロセス、接続プロトコル、ユーザセッシ
ョンのログオン/ログオフ、仮想デスクトッププール、仮想デスクトッ
プイメージ、そして冗⻑性/クラスタリングシステムを管理します。
IT 管理者はユーザ、デスクトップ、サーバ、特定イベントなどのサー
チをシンプルなインターフェースから実施でき、そこから管理作業も
⾏うことができます。サーチのメカニズムは複雑な紹介やデータの相
関関係などを使って、すぐにトラブル対応を実施すべき対象を特定す
る事が可能です。どのようなオブジェクト(デスクトップ、ユーザ、
テンプレートなど)についての情報も瞬時に検索できる様デザインさ
れたシステムとなっています。
RHEV Manager: コネクションブローカー
IT 管理者は簡単に新しいデスクトップをユーザのためにプロビジョニングする事ができます。これ
はプロビジョニングマネージャからベースとなるイメージ(通常イメージマネージャによって作成
されたテンプレート)を指定、CPU の数とメモリやディスクスペースの量を指定し、ユーザ(ある
いは共有デスクトップであれば複数ユーザ)に特定の仮想デスクトップを与えます。
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プロビジョニングマネージャはエンタープライズ Active Directory(AD)に接続され、新規に作成
された仮想デスクトップに適用されるべき権限やポリシーを読み込みます。
RHEV Manager は2つのデスクトップモデルをサポートします。 特定ユーザに帰属するデスクト
ップと通常デスクトッププールと呼ばれるグループ内でユーザが共有するデスクトップです。
RHEV Manager の中では、自動、手動、時間ベースの3つのプールがあります。
コネクションブローカーはユーザが個別の仮想デスクトップを持っているかデスクトッププールを
利用するようにするかを決定します。個別なら、コネクションブローカーはユーザ自身の仮想デス
クトップとの接続を確⽴します。仮想デスクトッププールなら、特定プールに属する利用可能な共
有デスクトップにユーザを接続します。
コネクションブローカーはユーザに対して適切な接続プロトコルを決定します。
RHEV Manager: イメージ管理
物理デスクトップイメージとして Ghost の様なものを採用していました。このパラダイムを RHEV
Manager に適用し、パワフルな仮想デスクトップイメージの管理を実現しています。RHEV
Manager はベースイメージ(あるいはテンプレート)の格納と、ユーザカスタマイズ(プロファイ
ル、ユーザ特定アプリケーション等)を追加イメージレイヤとして格納します。この方法によって
必要ストレージの量を格段に減らすことができます。
IT 管理者はイメージ管理システムによって新しい仮想デスクトップイメージを作成したり、既存イ
メージのスナップショットを取得したり、テンプレートを作成したりすることができます。仮想デ
スクトップイメージはエンタープライズストレージ基盤にアーカイブ、バックアップすることもで
きます。
RHEV Manager: ハイ・アベイラビリティ(HA)マネージャ
HA Manager は、RHEV Hypervisor と RHEV Manager の可用性に貢献します。
特定の RHEV Hypervisor が異常終了したとき、HA マネージャはその Hypervisor で稼働している
デスクトップをを知ることができ、直ちにそれらのデスクトップを残りの RHEV Hypervisor に置
き換えます。エンドユーザは OS がリスタートする間ダウンタイムを経験します。しかしこのプロ
セスの間、IT 部⾨の介在は必要ありません。同時に HA マネージャは、RHEV Hypervisor がダウ
ンしたこと、デスクトップが正常にリスタートしたことを管理システム経由で IT 管理者にアラート
を上げます。
⼀方、RHEV Manager が異常終了した場合、HA マネージャが稼働するスタンバイ RHEV Manager
が異常終了イベントを受け取り、元の RHEV Manager の代わりにスタンバイの RHEV Manager
に代わります。 RHEV Manager の異常終了は、すでにシステムにログインしているユーザに影響
を与えないように設計されています。稼働中の仮想デスクトップには影響はありません。RHEV
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Manager が切り替わる時間(2 分未満)の間は、新しいユーザはログインできません、新しいデス
クトップは起動できません。
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SPICE テクノロジ
⼀般的に仮想デスクトップシステムのユーザ体験が物理デスクトップより劣る主な理由は、現在の接続プロ
トコルのデザインがよろしくなく、仮想デスクトップ環境用に構築されたものではない事が挙げられます。
たとえば、RDP はターミナルサービス時代にデザインされたものであり、マルチメディアはエンタープライ
ズコンピューティングの主たる要求には含まれていませんでした。
加えて、RDP は仮想デスクトップアーキテクチャの CPU 消費の観点からは効率的なものではありません。
RDP はグラフィックスをそれぞれのデスクトップで処理するように要求します。グラフィックスを各仮想マ
シンで処理するためには各仮想マシンに何度ものメモリーコピー作業を要求されるので、CPU の観点から効
率的ではなく、大変高価な処理となってしまします。これではサーバに対する稼働仮想マシンの集約性を制
限してしまい、VDI ソリューション全体での経済性にネガティブなインパクトを与えてしまいます。
RDP は双方向での音声/映像のやり取りに関わるユーザ体験に重要なコンポーネントをサポートしません。
マルチメディアは教育ビデオ、CEO や経営層からのメッセージビデオ、製品教育の e ラーニングなどで利用
され、企業内でも重要なワークロードの⼀つとなっています。今までの接続プロトコルでこれらが開始され
ると、ユーザが満⾜する利用体験を得られないのです。RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION による
VDI は、リモート・レンダリング・プロトコル SPICE(Simple Protocol for Independent Computing
Environment)によってこの課題を解決します。これは仮想環境用に構築され、エンドユーザに物理 PC を
利用しているときと同様の利用体験を提供するようデザインされたリモート・レンダリング技術です。
SPICE の3つのコンポーネント
1つめ、
『ドライバ』はゲスト(仮想デスクトップ)の中に位置します。
次に『仮想グラフィックデバイス』がホストに位置します。3つめの『ク
ライアント』はクライアントに位置します。
ユーザ体験を最大化し、
システム負荷を最低限に抑えるためにグラフィ
ックを処理する最適な場所を決定するためにこれら3つのコンポーネ
ントが連携します。もしクライアントの能⼒が⼗分であれば、SPICE
はグラフィックスのコマンドをクライアントに送ります、そしてそれら
をクライアントで処理させることで、サーバの負荷を減らします。また
⼀方、クライアントに⼗分な処理能⼒が無ければ、仮想デスクトップレ
ベルではなく、ホストレベル(グラフィックス処理が CPU の観点から
それほど高価とならなければ)で処理を⾏います。
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SPICE は複数モニターもサポートします。シンクライアントは4つまでモニターを接続できますが、ユーザ
は 1 つの物理 PC からすべてのモニタを利用できます。SPICE は KVM と⼀緒に連携してユーザが 1 台の物
理 PC と⾒分けがつかないようなユーザ体験を提供します。
SPICE には特別なハードウェアは必要ありません。クライアントは、クライアントマシンのブラウザ経由で
自動的にインストールされます。
SPICE と RDP の比較
機能
RDP と一般的な仮想化
RED HAT ENTERPRISE
ソリューション
VIRTUALIZATION
双方向オーディオ(キャプチャ)
No
Yes
双方向ビデオ(キャプチャ)
No
Yes
オーディオ再生
Yes
Yes
品質が良くない
品質が良い
No. ほかのツールが必要
Yes. 完全に統合されている
良くない
グラフィックスの処理をクライア
ビデオ再生
USB サポート
サーバのマルチメディア密度
ントかホストに移⾏することでサ
ーバ上の仮想デスクトップの密度
を最大化できる
5
ユーザ導⼊例
RED HAT 社では、RED HAT ENTERPRISE VIRTUALIZATION の複数の日本国内ユーザ事例を以下のサイト
にて提供しています。
https://www.redhat.com/en/files/resources/jp-rh-open-eye-volume-8.pdf
中には RHEV を利用して VDI を実現した事例も含まれていますので、ぜひご確認ください。
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価格の考え方
RED HAT 社の製品はサブスクリプションモデルで提供され、製品へのアクセスと、すべてのアップデートお
よび製品サポートが含まれます。高額な初期ライセンス料ではなく、年間サブスクリプション料⾦を設定し
ています。この料⾦は毎年変わることが無く、必要なサポートレベルに基づいて決定されます。RED HAT
ENTERPRISE VIRTUALIZATION は、ソケット単位(各ハイパーバイザ)の料⾦で、すべてのコンポーネン
トが含まれます。
⼀般的な仮想化ソリューションには、ハイパーバイザ、管理サーバ、および管理エージェントという要素が
含まれ、それぞれに初期ライセンス費用と保守やサポートにかかる費用を考慮しなければならない場合があ
ります。
先に示した通り、RHEV はサーバ仮想化、デスクトップ仮想化どちらの場合も、ソケット単位(各ハイパー
バイザ)の料⾦で、すべてのコンポーネントが含まれます。これは、⼀般的な仮想デスクトップソリューシ
ョンの様なクライアント数による課⾦とは違い、ハイパーバイザが稼働するサーバに対する課⾦です。クラ
イアント数に依存してライセンスが変動することはありませんので、今後のクライアント数増加を⾒越した
ライセンス数まで購入しプールしたりする必要はありません。
1ライセンスは 2 ソケットに対して設定されていますので、4 ソケットのサーバであれば2ライセンス必要
となります。
例1)クライアント数が 300 台、サーバ 2 台(それぞれ 2 ソケット)で VDI のシステムを構築する場合、
必要となるサブスクリプションは 2 つです。

Red Hat Enterprise Virtualization (2-sockets), Premium 1Year 2 サブスクリプション
14
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2015 年 2 月 16 日更新
サイオステクノロジー株式会社
〒106-0047 東京都港区南麻布 2-12-3
Tel: 03-6401-5222
email: [email protected]
営業所:関⻄:中部・九州
www.sios.com
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