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環境報告書 - オルガノ株式会社
オルガノグループ 環境報告書 5 ごあいさつ 環境基本方針 地球環境は様々な社会活動の基盤をなすものであり、私たちはその恩恵を受けながら暮らして います。 しかしながら、産業活動の拡大・多様化にともなって、水質・大気・土壌などの環境汚染の進行や 資源の枯渇、深刻な水不足、温暖化・気候変動やそれによる砂漠化の進行など、環境に関わる 環境理念 オルガノは、地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであることを認識し、 企業活動のあらゆる面で、美しい地球環境との共存と共生に貢献していく。 様々な問題が地球規模で顕在化しています。 そしてそれらの問題が日々の暮らしや経済活動に負 の影響を与えています。 私たちが豊かで持続可能な社会を実現するためには、 環境保全と経済発展の両立・調和という 大きな課題の解決に向けて継続して取り組んでいくことが必要不可欠であります。 企業にとっても、事業発展の追求のみならず、環境を意識した経営の重要性がますます大きく 代表取締役社長 鯉江 泰行 なっているといえます。 オルガノグループは、 「Ecologically Clean」 という企業コンセプトが示すように、 環境をキーワード として事業を展開しています。 そして「地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであるこ とを認識し、 企業活動のあらゆる面で、 美しい地球環境との共存と共生に貢献していく」 という環境 理念を掲げ、 持続可能な社会の実現にいささかでも貢献すべく、 経営を進めてまいりました。 従来からの主力事業である各種産業向け用水処理設備への省エネ・省資源技術の採用や安 全で効率的な下排水の処理設備はもちろん、 排水からの有価物回収技術、 水回収・再利用システ ム、 薬品の使用量低減に貢献する水処理装置、 エネルギーの有効利用が可能となる水熱利用シス テム、排水処理によるバイオガス生成技術、 エネルギー効率の改善につながる水処理薬品、 さらに 環境基本方針 ◆ 継続的改善 企業活動が環境に与える影響を捉え、技術的・経済的に可能な範 囲で、環境目的・目標を定めて、環境保全活動の継続的な改善を 図る。 ◆ 法令遵守・自主基準 環境関連の法律、規制、協定などを遵守し、さらに自主基準を制定し て環境保全に取り組む。 ◆ 製造環境 ◆ 製品環境 環境負荷低減型の商品づくり及び技術開発を行う。 ◆ 環境監査 内部環境監査を実施し、環境保全活動の維持・向上に努める。 ◆ 全員参加 環境教育、社内広報活動を実施し、全社員の環境基本方針の理解と 環境に対する意識の向上を図る。 省資源、省エネルギー、 リサイクル、廃棄物の削減に企業活動のすべ ての領域で取り組む。 環境マネジメント体制 環境教育 は地下水・土壌浄化技術など、 環境保全・環境負荷低減型の技術やサービスをお客様に提供して おります。 また、 オルガノグループ自身の事業活動においても環境負荷の低減のため、 各事業所で省エネ、 二酸化炭素・廃棄物排出量削減などに努めています。 産業分野で必要とされる高度な水処理技術のみならず、 私たちを取り巻く地球環境の保全や豊 かな生活に必要な水の創造など、 「水」 と 「環境」に深く関わっている当社グループの果たすべき役 割はますます大きくなっていると認識しています。 それとともに、 海外においても、 これまで主に国内で培ってきた技術やサービスをそれぞれの状況 に応じた適切な形で提供し、 環境保全と経済発展の両立・調和に役立たせることも大きな使命であ ると考えます。 今後も社会の信頼と期待に応えるべく、環境保全活動を推進し、企業活動の様々な面で美しい 環境保全推進体制 社内教育の推進 オルガノの環境保全に関する方針、目標、施策は、 「全社 新 入 社 員 教 育やエンジ ニアリング 技 術 教 育 のカリ 環境保全委員会」で審議、決定されます。国内各事業所で キュラムの一つとして、公害防止法令について講習を実 は、会社の目標、施策を受け、さらに固有の課題も組み入 施しているほか、国家資格である公害防止管理者資格 れて環境保全委員会で事業所の方針、目標、施策を定 の取得を推奨しており、通信教育や受験料の負担など め、活動を行っています。 のバックアップをしています。 社 長 取締役会 2014年度には、公害防止管理者(水質、大気、騒音・ 振 動 、ダイオキシンなど)の 資 格 取 得 者は累 計での べ 166名となりました。 地球環境との共存と共生に貢献してまいります。 オルガノグループ企業理念 全社環境保全委員会 ※事務局:環境安全品質保証部 事業所 環境保全委員会 オルガノグループはかけがえのない地球の未来を見つめ “心” と “技”で水の価値を創造する。 オルガノグループ経営理念 地球を大切にする経営 お客様を大切にする経営 人を大切にする経営 環境マネジメントシステム オルガノ(株)の環境マネジメントシステムは国際規 格であるISO14001に基づいており、イオン交換樹脂の エンジニアリング技術講習風景 精製を行っているつくば工場で認証を取得しています。 技術を大切にする経営 株主を大切にする経営 1 オルガノグループ 環境報告書2015 ORGANO Group Environmental Report 2015 2 事業活動と環境 事業活動と環境 各事業所での環境保全活動 水環境保全に関わる支援活動 当社グループの主要な開発、製造拠点である開発センター、いわき工場、つくば工場 当社グループでは、水処理事業を通じて環境保全に貢献するとともに、 及びオルガノフードテック本社工場では、以下のような環境保全活動を推進しています。 水環境分野の技術発展を担う若手研究者の研究活動の奨励や、 健全な水循環の維持・回復の推進活動への参加など、 水環境保全に関わる支援を積極的に行っています。 水環境保全技術の発展に関わる支援活動 健全な水循環の維持・回復の推進 開発センター いわき工場 開発センターでは、省資源や省薬品化など環境負荷低 いわき工場では、各種水処理装置の製造・組立を行っ 減につながる 「水を創る」 「水を浄化する」 技術の研究・開発 ています。廃棄物の削減、 リサイクル及びエネルギーの を行っています。開発製品は水回収や資源回収、省エネな 削減に努め、あわせて購入資材の有効利用の促進を図っ 中国では近年、 産業の発展に伴って環境に対する意識が 当社は、環境省が進める健全な水環境の維持又は回復 どでお客様の工場での環境改善に貢献しています。また地 ています。装置の製造では、3次元CADなどの設計ツー 高まり、 環境保全関連の研究が活発に行われています。 の推進等を目的とした官民連携啓発プロジェクト 「ウォー 下水や冷却還水の熱を回収し敷地内で使用する温水を製 ルを用いて環境にやさしいユニット製品の開発・設計を 当社は2007年度より、中国科学院生態環境研究セン タープロジェクト」 の趣旨に賛同し、参加しています。 造する 「水熱回収システム」 を導入し、 エネルギーの有効利 行い、環境配慮型製品の納入によってお客様工場の環境 ター及び蘇州工業園区とともに、中国において水環境分 ウォータープロジェクトは2014年7月に施行された 「水 用を図っています。 負荷低減に貢献しています。 野の研究に携わっている若手研究者を支援する奨学金制 循環基本法」 の趣旨に則り、環境省が同年8月1日に発足し 度 (通称:オルガノ賞) を行っています。 た活動で、健全な水循環の維持・回復について広く国民の 2014年度も中国に在住している大学院生を対象に研 理解と関心を深めるとともに、具体的な取組みの推進や取 究テーマを募集し、7月に黒竜江省哈爾濱 (ハルピン) にお 組み相互の連携協力の機会をつくり、全国的な幅広い取 いて優秀研究者の選考と表彰を行いました。 組みを推進するものです。 中国の若手研究者を支援する「オルガノ賞」 環境省による官民連携啓発プロジェクト 「ウォータープロジェクト」への参加 当社は総合水処理エンジニアリング企業として、従来よ り節水型水処理装置や排水回収・再利用技術など、製品・ サービスを通じた水資源の保全に努めてきましたが、今後 さらに水循環の維持・回復に向け積極的に貢献してまいり つくば工場 オルガノフードテック株式会社本社工場 つくば工場は水処理の基幹材であるイオン交換樹脂 オルガノフードテック (株) 本社工場は、 ハムや即席めんに の精製などを行っており、資源の有効活用と省エネル 欠かせない食品加工剤を製造しています。食品加工に使用 ギーを考慮した活動を通じて環境保護に努めています。 される製品を取り扱うことから、安全・安心はもとより環境 特に、分別の徹底による廃棄物削減を推進するとともに、 保全にも特に注意を払っています。省資源、省エネルギー、 当社が得意とする技術を活かし、工場内での水のリサイ 廃棄物削減、試薬管理など、環境汚染防止、環境負荷低減 クルに取り組んでいます。 に努めており、 最近では、 廃棄汚泥の肥料化、 各種梱包材の 分別徹底等により、 リサイクル率向上を進めています。 ます。 2014年度 「オルガノ賞」 表彰式(中国黒竜江省哈爾濱) 水環境分野の若手研究者の研究を支援 ~水環境学会 博士研究奨励賞~ 本賞は、博士後期課程の大学院生などの若手研究者に よる水環境分野の優れた研究成果を広く紹介し、更なる研 究発展を支援する目的で設立されたものです。当社は本 賞の主旨に賛同し、 出捐という形で協力しています。 8回目を迎えた2014年度も、9月に開催された同学会 シンポジウムにおいて研究論文の発表、選考ならびに表彰 式が行われ、 2名が受賞されました。 3 オルガノグループ 環境報告書2015 ORGANO Group Environmental Report 2015 4 2014年度オルガノグループの環境負荷量のインプット・アウトプット ◆エネルギー使用量(原油換算) 2007~2014年度の主要事業所の 当社グループの事業活動に伴う環境負荷の主なものには、 エネルギーの使用、廃棄物の排出などがあります。 今後も低減に努めてまいります。 ●エネルギー使用量 エネルギー使用量は右のとおりでした。 2014 862 1,877 当社は「エネルギーの使用の合理化に 2013 900 1,895 1,323 関する法律」 における特定事業者に該当し、 2012 815 1,938 1,350 開発センターについては、第二種エネル 2011 819 1,927 1,424 2010 995 ギー管理指定工場等に該当いたします。 今後も全事業所において、省エネル ギー活動に努めてまいります。 2,062 2009 819 2008 1,053 2007 1,051 コピー用紙等 33 t 一般廃棄物 産業廃棄物 エネルギー 電力量 ガソリン 軽油 灯油 A重油 LPガス 都市ガス 12,350 MWh 1 kℓ 1 kℓ 28 kℓ 168 kℓ 424 m 559,448 m 3 3 水 上水 工業用水 地下水 33,227 m 257,489 m 164,091 m 3 3 3 オルガノの 事業活動 特別産業廃棄物 リサイクル量* ◆廃棄物排出量 40 t 368 t 9t 389 t 2007~2014年度の主要事業所の 廃棄物排出量は右のとおりでした。 リサイクル率については、本社におい て比較的高い水準を維持している一方 で、工場では2014年度に低下しました。 CO2排出量 水処理 エンジニアリング 事業 機能商品事業 ※資材、 エネルギー、 水、 廃棄物、 CO2排出量、 排水量について、 以下の事業所データを集 計しました。 オルガノ株式会社 本社、開発センター、 つくば工場、いわき工場、オルガノフード テック株式会社本社工場 また開発センターでは2007年度以降 8,208 t で初めてリサイクル量が廃棄処分量を 上回りました。 今後もグループ各事業所において、一 排水量 379,820 m 979 1,000 1,159 1,119 2,000 3,000 開発センター 4,000 (kℓ) 5,000 工場 ※工場の数値は、つくば工場、いわき工場、 オルガノフードテック株式会社本社工場の合計 廃棄物 資材 1,032 1,879 本社 OUTPUT 1,421 1,884 0 INPUT 1,302 3 層の廃棄物排出量の抑制とリサイクル 率の向上に継続して努めてまいります。 *リサイクル量には、 熱リサイクル分を含みます。 ●廃棄処分量とリサイクル量 2 0 リサイクル 50 54 1 廃棄処分 41 46 4 271 230 2 0 リサイクル 2143 1 廃棄処分 37 130 2 2 0 リサイクル 1 廃棄処分 1 2 0 リサイクル 1 廃棄処分 0 58 82 56 100 397 257 249 424 57 43 55 24 2 0 リサイクル 49 0 廃棄処分 41 71 8 2 0 リサイクル 54 0 廃棄処分 51 7 307 58 4 開発センター内の廃棄物分別 331 2 0 リサイクル 47 39 1 廃棄処分 39 54 3 2 0 リサイクル 53 0 廃棄処分 40 58 9 ※ 水 の 収 支については蒸 発 、散 水 等 及び 製品による持ち出し、持ち込みは含んで おりません。 285 3 385 135 208 282 229 237 72 0 287 200 本社 開発センター 400 600(t) 工場 ※工場の数値は、つくば工場、いわき工場、 オルガノフードテック株式会社本社工場の合計 ※廃棄処分量は、再生利用されない一般廃棄物、産業廃棄物、特別産業廃棄物の合計 5 オルガノグループ 環境報告書2015 ORGANO Group Environmental Report 2015 6 事業活動と環境 水処理装置、水処理薬品による環境負荷低減 当社は、大型水処理装置の製造販売やメンテナンス等を行う 「水処理エンジニアリング事業」 と 標準型水処理装置や水処理薬品等の製造販売を行う 「機能商品事業」を展開しており、 環境に配慮したものづくりや技術開発を行っています。 製品、技術を通じた社会への貢献 当社と東芝セミコンダクタ―&ストレージ社四日市工場、旭 硝子株式会社千葉工場の3社で実施している 「フッ酸廃液から 排水中からのフッ素回収技術 の人工蛍石の回収・リサイクル事業」 が、 (一社) 産業環境管理協 ~晶析技術により廃棄物ゼロを実現~ フッ酸 (フッ化水素酸) は主に半導体製造工場の洗浄工 程において用いられ、使用後はフッ素含有排水として排出 されます。従来の排水処理では、処理後に発生する汚泥は 産業廃棄物として処分されていました。当社のエコクリス タ は、晶析技術を応用し、排水中のフッ素をフッ化カルシ ® ウム (純度95%以上) のペレットとして固形化した後、回収 会主催の平成26年度資源循環技術・システム表彰において、経 済産業大臣賞を受賞しました。 廃棄物削減と資源の有効利用に貢献しています。 ◆フッ素含有排水処理・回収概念図 ペレット回収 蛍石 (CaF2) フッ酸製造工場 エコクリスタ®により、 CaF2の回収再利用実現 エコクリスタ 高純度フッ酸 シード材 フッ素含有排水 工場 脱脂液 循環保温 り、 フッ酸の原料としてリサイクルしています。 今回の受賞は、当事業が再生資源の有効利用の観点から高 コンプレッサ室 塗装工程 脱脂液 循環保温 50℃ 塗装工程 水熱利用装置 エネルギーコスト 約7,200千円 / 年(53%) 削減 コンプレッサ室 コンプレッサ 冷却水 CO2 排出量 約139t / 年(45%) 削減 水熱利用システム ~「水の熱」を高効率に回収利用し、エネルギーと CO 2排出量を削減~ 従来の55%から80%にまで向上させ、大幅な節水を実 現しました。 また、当社独自の自動流 量制御システムやインバー タ搭 載 純 水ポンプ 等を採 用することで無駄なエネル ギーを削減するなど、省エ ネにも貢献いたします。 排水からの水回収技術 オルトリア®UC2600 ~MBR方式を採用した標準型排水処理装置~ 電気再生式脱塩装置EDI 工場や各種施設では、排水や冷却水、地下水などが持つ 微生物と浸漬型精密ろ過膜を組み合わせたMBR(膜 熱エネルギーが回収されず系外に捨てられていました。 分離活性汚泥)法は、生物処理と膜による固液分離を同 水熱利用システムは、 ヒートポンプ技術を利用し、 従来の 時に行うため、良好な水質 (BOD<5㎎/L、濁度<0.2度) 水の純度を高める純水製造では、濁質や有機物のほか 熱交換器ではできなかった「低温側から高温側への熱移 の処理水を安定して得ることができます。 水中のイオン類も除去する必要があります。電気再生式 動」 を可能にしました。 これにより水が持つ熱エネルギーを オーファス® OFAS-S1シリーズは、MBR方式を採用し 脱塩装置 (EDI) は、薬品を使わず電気でイオンを除去する 高効率に回収することができます。 た標準型排水処理装置です。処理水はそのまま水洗トイ 装置で、酸・アルカリ排水の排出がなく、環境にやさしい処 さらに本システムでは、冷水の冷却排熱を回収利用して レ用水などに利用できるほ 理方法です。2010年度は新型EDIスタック開発によって 温水加熱を行うため、 温水・冷水の同時供給が可能です。 温 か、R O( 逆 浸 透 )膜 等と組 入口水質の許容条件を緩和し、地域による水質の違いに 水・冷水の供給にそれぞれ独立した熱源機が必要だった従 み合わせて純水の原水とし も対応できるよう適用範囲を広げました。また、処理能力 来システムに比べ、 エネルギー消費量とCO2排出量の大幅 ても再利用でき、工場や事 の効率化によって従来比最大30%の消費電力削減を実現 な削減が実現できます。 業 所 の 水 使 用 量 削 減に貢 しています。 15℃ 60℃ 吸熱 放熱 オルガノグループ 環境報告書2015 循環タンク く評価されたことによるものです。 ◆水熱利用システムによる冷水・温水供給のイメージ 7 37℃ 32℃ 献します。 撹拌式エコクリスタ®F-HC コンプレッサ冷却水を熱源に利用し、 塗装工程の脱脂液をヒータに替わって加温 55℃ 置です。RO膜の閉塞を防止する分散剤の自動添加シス テムを標準搭載することで、RO処理における水回収率を コンプレッサ 冷却水 温水ヒータ 加温用 熱交換器 使用されたフッ酸廃液から当社のエコクリスタ®により回収した 高純度な人工蛍石を、旭硝子千葉工場が有価物として引き取 純水製造の各工程をユニット化した最新の超純水製造装 加温用 熱交換器 本事業では、東芝四日市工場で半導体のエッチング剤として します。回収されたフッ化カルシウムのペレットは、薬品原 料としてフッ酸メーカーでリサイクルされ、半導体工場の オルトリア® UCシリーズは、前処理、一次純水製造、超 ◆導入試算例 (機械部品工場) TOPIC 20℃ 20℃ OFAS-S1-050型 ~薬品を使用しない純水製造技術~ EDIは、キャビネット型か らプラント型までいろいろ な大きさの純水製造装置や 節水型超純水製造装置 超純水製造装置に組み込ま ~水回収率の向上により原水使用量を削減~ れ、電子産業の工場をはじ 超純水は電子部品や精密機器製造の洗浄用水、薬品 め様々な工場で活用されて 製造などのプロセス用水、飲料・食品製造用水など幅広 います。 い分野で用いられており、当社も各種の標準型超純水製 造装置を取り扱ってきました。 キャビネット型純水製造装置 スーパーデサリナー® SD-2000HF-000型 ORGANO Group Environmental Report 2015 8 は、油分の吸着性に優れるループ状のベルトを使って地 冷却水処理剤オルブレイド®Jシリーズ ~高い殺菌・殺藻能力で省エネ運転を実現~ 下水に混入した油を吸着・回収する装置です。一般的な 工場やビル等の開放系冷却塔では、連続運転の間に 観測井戸(内径5cm) に適用でき、油の種類に応じたベル 熱交換器に微生物や藻類由来の汚れ(スライム)が付着 トを選 択できるなど、効 率 的な油 回 収を可 能とするユ します。スライムは冷却効率の低下、さらには消費電力 ニークなメカニズムを備えており、工場や市街地などで の増大につながることから、その発生防止と除去が求め の地下水浄化に活躍しています。 られています。 オルブレイド®Jシリーズは当社独自の製造技術により ※ペトロエクストラクター®は米国ABANAKI社の登録商標です。 開発した非塩素系無機殺菌成分により強力な殺菌・殺 藻効果を有し、スライムの付着による冷却効率の低下を ヘッドプーリー イムコントロール剤です。 ができること、さらに、補給水を節約した高濃縮運転へ 電力量、CO2排出量を 約 1 1%削 減 2,100 2,000 ペトロエクストラクター® 800 1,800 1,700 1,600 LTD = 4℃ (薬剤切替前) LTD = 1℃ (薬剤切替後) 業 1946年5月1日 資 本 金 8,225,499,312円 代 表 者 代表取締役社長 鯉江 泰行 従 業 員 数 連結1,944名 (単体1,000名) (2015年3月31日現在) 事 業 内 容 当社は総合水処理エンジニアリング会社として、イオン交換樹脂、分離膜、活性炭等を使用する各 種用排水処理装置の製造、販売、 メンテナンス及び水処理アウトソーシング受託並びに各種薬品、 食品加工材の販売を主な事業としております。 主 要 事 業 所 井戸 1,000 1,900 1,500 重り CO2 排出量[t/年] 電力量[MWh/年] 2,200 創 地下水面 テールプーリー ◆オルブレイド®Jシリーズへの切替えによる電力量・ CO2排出量削減の試算例 CO2排出量 オルガノ株式会社 (英文 ORGANO CORPORATION) ベルト回転方向 負荷の低減にもつながります。 2,300 号 油分 の対応に伴い薬剤の添加量を抑制できることから、環境 電力量 油受け 吊り下げケーブル ロール剤に比べ処理水のTOCやCODを低く保つこと 2,400 掻き取り部 回収ベルト また、従来広く用いられている有機系スライムコント 2,500 商 ◆システム概要図 防ぐことで冷却塔の省エネ運転に貢献する新しいスラ 【試算条件】 冷凍能力:500 USRt 冷媒:R-134a 冷却水出口温度:32℃ 電気料金:10円/kWh 会社概要 600 ※ LTD(Leave Temperature Difference):熱交換器の汚れ状態を表す指 標。数値が大きいほど冷却効率が低下している状態を示す。 油回収装置ペトロエクストラクター® ~地下水の油汚染の浄化に貢献~ 地下水は工業用水のほか、飲料・生活用水などに用い られる貴重な水源ですが、近年化学物質や油などによる 汚染が数多く報告されており、大きな社会問題となって います。 オルガノグループは、油による地下水汚染の浄化のた め、米国ABANAKI社と提携し、同社製のペトロエクスト 用語解説 本 社 〒136-8631 東京都江東区新砂1丁目2番8号 開発センター 〒252-0332 神奈川県相模原市南区西大沼4丁目4番1号 つくば工場 〒300-2646 茨城県つくば市緑ヶ原2丁目3番 (つくばテクノパーク豊里) いわき工場 〒970-1144 福島県いわき市好間工業団地1番66 長崎事業所 〒854-0065 長崎県諌早市津久葉町6番64号 北海道支店 〒060-0907 北海道札幌市東区北7条東5丁目8番37号 (北オルビル) 東北支店 〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町1丁目11番1号 (HF仙台本町ビルディング) 関東支店 〒136-8631 東京都江東区新砂1丁目2番8号 中部支店 〒460-0006 愛知県名古屋市中区葵1丁目27番29号 (キリックスビル) 純水:濁質成分、塩分、有機物など不純物を除いた水で、分析用、飲 料原料、洗浄用などに用いられる。一般的に電解質濃度の指標とさ れる電気伝導率1μS/cm以下を純水と呼ぶことが多い。 関西支店 〒564-0053 大阪府吹田市江の木町1番6号 (関西オルガノビル) 中国支店 〒732-0827 広島県広島市南区稲荷町2番14号 (和光稲荷町ビル) 九州支店 〒810-0012 福岡県福岡市中央区白金1丁目4番2号 (オルガノ九州ビル) 晶析:溶液からその中に含まれている成分を結晶として析出させる 操作。化学品の精製や造粒で用いられることが多い。 台湾支店 10F,No.158,Sec.2,Gongdao 5th Rd.,Hsinchu City 300,TAIWAN 生物処理:水中の有機物を微生物の浄化作用を利用して処理する 方法。一般的に必要エネルギーが少なく、環境にやさしい処理法と される。溶存酸素が必要な好気処理と溶存酸素が不要な嫌気処理 とに分けられる。 主要グループ会社 (食品加工剤製造、販売) (国内) オルガノフードテック株式会社 オルガノエコテクノ株式会社 (中小型排水処理装置製造、販売) オルガノアクティ株式会社 (印刷、保険代理、管理業務受託) 株式会社ホステック (水処理装置製造) 脱塩:水中に含まれる無機塩 (NaClなどの塩分) を除去すること。 ヒートポンプ:空気や液体などから効率的に熱を集めることで、少な い投入エネルギーで大きな熱エネルギーを取り出し利用する技術。 省エネ技術として注目されており、近年では給湯器やエアコン、冷 蔵庫など身近な製品で活用されている。 蛍石:フッ化カルシウム (CaF2) を主成分とする天然鉱物で、 フッ酸 (フッ化水素酸) の原料等として用いられる。フッ酸廃液からリサイク ルされるフッ化カルシウムは人工蛍石(あるいは回収蛍石等) と称 する。 ろ過:砂、 繊維、 膜などを用いて目的物をこし分ける方法の総称。水処理 では濁質成分を除去する目的で多く用いられる。 オルガノプラントサービス株式会社 (水処理装置メンテナンス、維持管理) 環境テクノ株式会社 (土壌・地下水調査、浄化) 東北電機鉄工株式会社 (化学プラント工事) 主要グループ会社 Organo (Asia) Sdn.Bhd.、Organo (Suzhou) Water Treatment Co.,Ltd.、 (Thailand) Co.,Ltd.、 (海外) Organo Technology Co.,Ltd.、Organo Organo (Singapore) Pte Ltd.、Organo (Vietnam) Co.,Ltd.、PT Lautan Organo Water、 Murugappa Organo Water Solutions Limited 報告対象期間:2014年4月1日~2015年3月31日。ただし、一部の報告では複数年にわたる報告を行っております。 報告対象範囲:オルガノ株式会社及びオルガノフードテック株式会社 発 行 日:2015年9月30日 ラクター ® を販売しています。ペトロエクストラクター ® 9 オルガノグループ 環境報告書2015 ORGANO Group Environmental Report 2015 10 〒136-8631 東京都江東区新砂1-2-8 ホームページアドレス www.organo.co.jp/ CAT-NO.: G-7-2015 0.3TP15年09月印刷P14新SQQW