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ab+1≦abc≦ab+bc+ca+1(c<b<a、a,b,cは自然数)
整数問題は甘くて切ないことで有名ですが、今回は整数問題を取り扱いたいと 思います。 質問された問題なので出題は不明です。 [問題] a, b, c は c < b < a を満たす自然数とする。 ab + 1 ≤ abc ≤ ab + bc + ca + 1 が成り立つ時 a, b, c を求めよ。 [解答・解説] この問題は整数問題でよく使うパターンを上手く使えば意外に結構簡単に解けま す。 まずは ab + 1 ≤ abc について考えてみましょう。 ab + 1 ≤ abc 1 ⇔ ab < abc ⇔ 1<c ⇔ 2≤c これは整数ならではの変形です。 整数でよく使うのが m、n を自然数とすると n+1≤m⇔n<m です。 具体的に言うとエンピツが 3 本以上ってことは 2 本より多くて、 エンピツが 2 本より多いってことは 3 本以上ってことです。 当たり前のようですが、これを上手く使うと ab + 1 ≤ abc が ab ≤ abc になって余計な 1 が消えて ab で両辺割れます。 こうやって不等式が不明な文字で割れるように持っていくと 1<c が出ます。 1 より大きいってことは 2 以上つまり 2 ≤ c です。 もっかい言おか? m、n を自然数とすると n+1≤m⇔n<m をよく使います。 今の場合必要十分な変形でしたが、整数特有の変形をして必要条件な範囲を出し ていって答えの候補を絞っていくのがコツです。 次は右側の不等式 abc ≤ ab + bc + ca + 1 を変形してみます。 2 ab と bc と ca では ab が一番大きいです。 と言うことは右側は 3ab で抑えられるかもしれません。 そうなれば abc < 3ab になって ab で割れます。 まず ca + 1 < ab です。 これは c < b < a だから当たり前かもしれませんがちゃんと計算するには ca + 1 よりは ca + a の方が大きくて ca + a = (c + 1)a また b は c + 1 以上なので ca + 1 < ab とやればやれます。 ちょっと複雑なことやってますが ca + 1 < ab のはずとわかるところが大切です。 また bc < ab は当たり前です。 と言うことは、 ab + bc + ca + 1 < 3ab 3 になるから abc < 3ab で ab で割れて c<3 となって 2 ≤ c < 3 だから c = 3 と決まります。 こうやって一番大きな文字の項 ab で抑えていくと ab で割っていくのがコツです。 整数特有の変形で必要条件から出た範囲で答えを絞るどころか、答えが出ました。 c = 2 を代入しましょう。 左の不等式に代入しても何も出ないので、右の不等式を考えます。 すると ab ≤ 2b + 2a + 1 になります。 またここで同じように一番大きな文字の項 2a で抑えていって a で割ったら何か範 囲が出ると思われます。 だから 2b + 1 < 2a 4 にならないか考えます。 これは b < a だから当たり前ですが一応さっきのように 2b + 1 < 2b + 2 = 2(b + 1) ≤ 2a とやれば計算で出来ます。 よって ab < 2a + 2a = 4a になって a で割れて b < 4 つまり b ≤ 3 とわかります。 c < b つまり b は 2 より大きいので、b = 3 と決まります。 さて、 m、n を自然数とすると n+1≤m⇔n<m をよく使うことを頭の片隅に入れてください。 c = 2、b = 3 と決まりました。 もう後は簡単です。 5 代入すると 3a + 1 ≤ 6a ≤ 5a + 7 でこれを解いて a ≤ 7 だから 3 = b < a とあわせて a = 4, 5, 6, 7 とわかりました。 この問題は答えが決まりましたが、だいたい範囲を出すと整数だから候補は絞ら れて後は実際に代入して調べてみるって感じになります。 実は m、n を自然数とすると n+1≤m⇔n<m をよく使います。 もうええわ! 他の解き方には 2 ≤ c < b < a のところから 2≤c<b<a⇔0≤c−2≤b−3≤a−4 1 1 1 9 + + ≥ a+b−c b+c−a c+a−b a+b+c を示せ。(a, b, c の三角形の辺の長さ) みたいに x = a − 4、y = b − 3、z = c − 2 と 置くと 0 ≤ z ≤ y ≤ x と条件が簡単になって abc ≤ ab + bc + ca + 1 に代入して xyz で表すとそこそこ解けます。 と全部 ≤ の形にしてこの前の問題 こっちの方がどっちかと言うと機械的に解けるから、解けない時はこれもためし てみましょう。 もうひとつの解き方はまた 2 ≤ c < b < a のところから f (c) = ab + bc + ca + 1 − abc = (b + a − ab)c + ab + 1 (2 ≤ c < b) と c の一次関数と考えて b + a − ab = −(a − 1)(b − 1) + 1 < 0 だから減少関数だか ら f (c) ≥ 0(←示すべき不等式) であるには f (2) ≥ 0 であることが必要で f (2) = 2b + 2a − ab + 1 また f (2) を g(b) = 2b + 2a − ab + 1 = (2 − a)b + 2a + 1 (3 ≤ b < a) 6 と b の関数と考えてこれは 2 − a < 0 だから減少関数だから f (2) ≤ 0 であるには g(3) ≤ 0 が必要であるとわかります。 g(3) = −a + 7 より a ≤ 7 で a の考えられる候補は 4 ≤ a ≤ 7 より a = 4, 5, 6, 7 とわかります。 まあこういう感じで、しんどいですが機械的にいつかは解けます。 孤独との戦いです。 これは解析的な解き方ですね。 7