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2014(平成 26)年度 飛騨慈光会事業計画

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2014(平成 26)年度 飛騨慈光会事業計画
2014(平成 26)年度 飛騨慈光会事業計画
目
次
《理念・使命》・・・1
Ⅰ.第 5 期 3 年目を意義あるものに(事業継続の年度として)
1、施設整備事業に関して継続して取り組みます・・・・1
2、計画相談支援事業等、地域支援の充実を図ります・・2
3、障害者を取り巻く諸制度の考え方を学び、
浸透を図ります・・・2
4、法人の機能強化を図り組織図を見直します・・・・・2
《2014(H26)年度の主要な取り組み》・・・・・・・2
Ⅱ.法人運営
1、自己資金の確保と安定的で透明な財政運営・・・・・3
2、人材の確保育成と法人組織運営・・・・・・・・・・3
3、暮らしと安全保障・・・・・・・・・・・・・・・・4
4、地域との連携・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
Ⅲ.施設事業部会
1、施設事業部会・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2、山ゆり学園・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
3、高山山ゆり園・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
4、益田山ゆり園・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
5、吉城山ゆり園・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
6、大野山ゆり園・・・・・・・・・・・・・・・・・10
7、飛騨うりす苑・・・・・・・・・・・・・・・・・11
Ⅳ.児童・母子支援部会
1、児童・母子支援部会・・・・・・・・・・・・・・12
2、夕陽ヶ丘・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
3、清和寮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
Ⅴ.地域支援事業部会
1、地域支援事業部会・・・・・・・・・・・・・・・15
2、ひだ障がい者総合支援センターぷりずむ・・・・・15
Ⅵ.法人事務局
1、人事課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
2、会計課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
3、総務課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
4、安全課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
5、栄養課・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
Ⅶ.苦情解決第三者委員会
1、2014年度の活動方針・・・・・・・・・・・・21
2、第三者委員活動予定・・・・・・・・・・・・・・21
3、研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
4、法人としての苦情解決責任者設置の
必要性と提案・・・21
2014(平成 26)年度
飛騨慈光会事業計画(案)
《理念・使命》
『ひたむきに「児童福祉」「障がい福祉」の充実を追い求め、彼らの暮らしと生命、
そして権利を守ることを私たちの使命として、地域福祉に貢献します』
・子どもたちの限りない幸せを願い、育てます
・一人ひとりの暮らし方を共に考え、応援します
・就労や活動を支援しその人らしさを見つけるお手伝いをします
・入所機能のノウハウを生かし利用される方の暮らしを支えます
・相談支援、居宅介護事業など、多様なサービスで地域生活を支えます
Ⅰ、第 5 期 3 年目を意義あるものに(事業継続の年度として)
はじめに
政権が代わって 1 年が経ち、社会・経済的に上向きの兆しが生まれています。福祉関連
においては 2012 年度に報酬改定が行われているため、今年度は単価の改定は行われない
ものの、消費増税に伴う若干の改定と社会保障費における障害福祉サービス関係は前年度
を 9%余り超える増額が示されました。それが私たちの事業に実感として伝わるかどうか
は分かりませんが、消費税アップを含め様々な影響が懸念される中で、経済重視政策によ
る景気の波が福祉事業に及んでくるのは、良し悪しは別にしてタイムラグが付きものです。
2014 年度においては下記に掲げる 4 つを柱とした取り組みを進めます。第 5 期半ばの
継続年度としての位置づけですが、前年度までの取り組みを踏まえつつ「地域の声・当事
者の立場」に寄り添う事業として確実に進めていきたいと思います。
1、施設整備事業に関して継続して取り組みます
昨年度まで高山山ゆり園と清和寮に関する 2 つの専門検討委員会を通じて検討を重ね、
それを基に具体的行動として積極的に行政や土地所有者と交渉して候補地の情報収集を行
い、合わせて地元説明会の開催など、これまでにない取り組みをしてきました。何分にも
今後を左右する大きな事業の端緒であり慎重を期して進めました。その中では地域説明会
の難しさも感じましたが、現在2か所の候補地に関して協議、交渉を継続中です。土地所
有者はもちろん地域住民の理解を得ながら進めることは重要であり、今後も粘り強くまた
施設整備の在り方を常に時代とニーズに照らし合わせて検討を重ね、事業構想をさらに具
体化します。
1
2、計画相談支援事業等、地域支援の充実を図ります
昨年度は法人の歴史と歩みを振り返ることで今後の道筋を見定める作業から出発しま
した。特に第 5 期計画 2 年目の目標として掲げていた「地域の中核的・基幹的事業者」と
しての自覚と責務の一つとして、障害者総合支援法に規定されている計画相談支援事業
(サ
ービス等利用計画作成)に必要な相談支援員の配置及びサービス管理責任者育成に努めま
した。しかし福祉職に携わる職員不足の慢性的な傾向は当法人も例外ではなく、十分な配
置が叶わず、その結果相談担当職員に負荷をかけてしまった感は否めません。今年度は計
画相談完了年度であり事業所指定を受けている立場上、適正な職員配置に努め相談支援の
任に応えたいと思います。
3、障害者を取り巻く諸制度の考え方を学び、浸透を図ります
障害者権利条約が 2013 年 12 月に参院を通過し批准されました。関連する国内法が整備
されたことでようやく批准に至ったことになります。そうした法的な支えを当事者の暮ら
しに活かすことも重要です。例えば障害者基本法に規定されている『地域社会における共
生(第 3 条関係)
』に記されている「すべて障がい者はどこで誰と生活するかについての
選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと」
となっており、そのような意識を広める役割を私たちも担っていく必要があります。そし
て今年度は「権利侵害・虐待防止会議」の位置づけを機構上で明確にして取り組むととも
に関連する法律や制度の仕組みも合わせて学びます。<障害者差別解消法、障害者虐待防
止法(施行 3 年目)、合理的配慮の提供、成年後見制度など>
4、法人の機能強化を図り組織図を見直します
2013 年度は各課においてはその役割を十分踏まえながら連携を図ってすすめることが
できたものと評価しています。また各施設、各事業についても事業計画に基づき堅実に取
り組み、ほぼ予定通りに進めることができましたが、地域支援関連ではグループホームや
ホームヘルプに関する法施行年度が違うなどの制度的な課題や、地域の福祉サービス事業
者の動向や事業所数の増加、利用選択状況の変化など、見通しが持ちにくい状況が出てい
ます。広範な福祉事業に対応するためにも組織図並びに課の業務分掌についても洗い直し
て機能する体制をつくります。
《2014(H26)年度の主要な取り組み》
1、高山山ゆり園改築に向けての作業の推進
1、清和寮建て替えに向けての準備
工程表の作成
行政への働きかけ
1、相談支援体制の強化、充実(計画相談への対応)
1、人材育成と確保(第五期以降を担う幹部職員の育成に主眼)
1、安全対策の強化(災害発生時の初期対応の向上)
1、地域とのつながり
2
1、山ゆり学園加齢利用者に対する福祉サービス
1、障害者虐待防止法の取り組み
1、日中活動全体の見直し
Ⅱ、法人運営
1、自己資金の確保と安定的で透明な財政運営
①整備資金を積み立てます
第五期中長期計画に盛り込まれた整備事業のための資金を確保するため、利用者サービ
スの低下を来さないように留意しながら、事業活動収入の 4%程度を目途として、施設整
備積立金の積み増しを行います。また、整備資金の調達についても研究を開始します。
②安定的で透明性の確保された財政運営
新会計基準に移行し 3 年目を迎えますが、今年度も事業計画・報告、予算・決算のホーム
ページによる公開を継続し、透明性の確保された安定的な財務運用を図ります。
2、人材の確保育成と法人組織運営
①職員採用
・2013 年度は、三次にわたり募集を行い、13 名の職員を採用しましたが、各施設に必要
な職員を充足するに足る人員を確保できていません。各種就職説明会に参加しましたが、
福祉職を志す学生の減少傾向はますます顕著になっており、同時に質の高い職員の確保も
困難な状況です。今後は新卒学生や福祉関係学部卒だけでなく、他事業所からの転職希望
者・U ターン求職者・他学部卒学生・法人内実習生など広い視野で求人活動を行います。
・法人内での障がい者雇用率を高めます。
②人材育成
・日本再生人材育成支援事業によりエイデル研究所より講師を招き 5 回に渡って将来の指
導職を担う中堅職員層(総合職 1 級)を対象とした研修を行いました。その効果や今後のフ
ォローアップについても検討が必要です。
・計画相談の導入や相談支援、就労支援の支援量の拡大により相談支援事業に携る職員の
育成が急務です。担当職員の増員とともに、サービス管理責任者養成以外に相談支援事業
従事者研修への派遣をより積極的に行います。
・考課者のフォローアップ研修を行います。
③継続雇用制度とパート職員雇用
・継続雇用制度の導入に伴い、定年退職後の再雇用について制度の運用に関わる仕組みを
策定し、2014 年度より実施します。
・非常勤職員の募集採用について、各施設に任せていたものを法人に一元化し管理するよ
うにしました。
④日本福祉大学との提携
3
・日本福祉大学より「提携法人総合支援型実習」の実習生 4 名を三施設で受け入れました。
2014 年度も 4 名の受け入れが内定しており、ソーシャルワークの視点を持った人材育成
の一環として協力するとともに、職員採用にも繋げていきたいと考えます。
⑤法人組織運営
・各課の業務内容の検証と見直しを行います。
3、暮らしと安全保障
(1)はじめに
気象をはじめとする自然現象の激しさ、また人の営み(人間関係)にも一昔前とは少し
違う感じのする昨今です。法人及び各事業所では健康・安全管理やリスク管理のシステム
をつくり、それに対応するマニュアルなどを整備して手立てを講じてはいるものの、想定
を超える事象や、予期せぬヒューマンエラーがどうしてもついて回ります。福祉事業の運
営には多くの人が関係し、当然そのリスクも高くなるわけですが、利用される方々が毎日
を自分らしくそして当たり前の暮らしをしていただくために、医療と防災係が一丸となり、
ネットワークを生かして安全への取り組みに力を注ぎます。
(2)主な取り組み
①法人各施設におけるヒヤリハット事例を共有し、安全対策に生かして職員への浸透を図
ります。特に交通安全に対する職員の意識を高めて日常の支援・送迎サービスに生かしま
す。
②連携強化をします
・安全課として係の協働(医療・防災)を進め、研修会等の共同企画を通して各施設にお
ける健康と安全に対する職員の意識高揚に努めます。また各施設の取り組み状況や現況に
ついて定例会議において情報交換します。
③リスク管理に努めます
・感染症対策としてインフルエンザ予防接種ワクチンの確保と予防体制をこれまでの経験
を生かして備えます。
・ノロウィルスへの備えとして感染拡大の防止法と嘔吐物等の処理法の学習会を継続しま
す。
・服薬、配薬時のエラーを再度点検して支援に生かします。
・救命救急講習を取りまとめ、受講を計画するとともに状況を継続管理します。
・年齢、利用実態に応じた健康に関する取り組みをします。
④火災、自然災害、その他利用状況や各施設の立地に合わせて避難訓練・防災訓練を実施
します。またマニュアルを再点検し施設に求められる安全対策と訓練方法を再確認します。
非常時における食事の初期対応についても検討します。
4、地域との連携
①相談支援事業、就労支援等
4
計画相談の順調な進行に協力します。ぷりずむの機能を最大限に発揮し、地域の障がい
者雇用推進に貢献します。
②地域貢献
2013 年度は高山市と下呂市で市民講座を開催しました。2014 年度は高山市での開催と
します。
また、国の「社会福祉法人のあり方に関する提言」を受け、社会福祉法人の地域貢献に
ついて議論を深めます。
③法人関係団体(後援会・保護者会)
第五期中長期計画の実現に向けて協力関係を強めます。
④第五期中長期計画に向けての働きかけ(県・高山市・町内会
等)
用地の取得、グループホームの開設に向けて関係機関と協力するとともに、地域住民の
理解を求めます。
Ⅲ、施設事業部会
1、施設事業部会
(1)はじめに
昨年度は「障害者自立支援法」に代わり「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支
援するための法律(障害者総合支援法)」が施行されたため、適切に対応できるよう取り組
んできました。
2012 年 10 月に施行された「障害者虐待防止法」についての対応は、施設事業部会が中
心となり児童母子支援部会、地域支援事業部会で組織し、
「社会福祉法人飛騨慈光会
権利
侵害・虐待防止会議」を 2013 年 10 月に設置し「施設・事業所における虐待・身体拘束の
防止について」学習会を開催しました。次年度については法人機構図に協議機関として位
置づけます。
(2)2014 年度の取り組み
今年度施行される障害者施策等については、円滑な対応が出来るように取り組みます。
また、利用者支援にあたっては、障がい者の「尊厳と人権・暮らしを守る」ことを使命と
し全職員に対し人権擁護の意識啓発に努めていきます。
①障害程度区分から障害支援区分へ(平成 26 年 4 月 1 日施行)
知的障がい者の多様な特性やその他心身の状態に応じ、必要とされる支援区分が提示さ
れるように、各施設で課題点を整理して各市町村の認定調査に対応します。
②意思決定支援の在り方
利用者の「意思」や「意向」、あるいは「考え」や「気持ち」を大前提として捉え、ど
うすれば本人の「意思の決定」につながるのか、部会の中で情報を共有し職員育成に努め
ます。
③高齢障がい者の支援について
5
知的障がい者はその障がい特性から老性自覚が乏しい傾向ですが、それらの人達が老い
をどのように受け入れ、そのライフステージに応じた豊かな暮らしを実感出来るような支
援が求められています。高齢者のグループホームも含め検討していきます。
④高山山ゆり園等建設委員会との協力
建設委員会から情報を提供してもらい、部会として土地の活用や建設等について積極的
にかかわり、整備事業の中で各利用者にふさわしい生活の場を検討していきます。
⑤日中活動事業に向けての検討
現在法人内には就労継続B型事業所は設けていませんが、飛騨圏域では近年B型事業所
が増えてきています。しかし、施設利用状況から見みると、重度の障がいを持つ人のため
の生活介護の需要が高まっている傾向もあり、これらの状況を踏まえ法人として利用者が
求めている事業所について検討していきます。
⑥入所調整会議
山ゆり学園年齢超過者を含む成人施設への入所希望者に対し、各施設に空きが出来た場
合、待機者リストに基づき入所調整会議を実施します。
2、山ゆり学園
児童福祉法の改正により、山ゆり学園は「福祉型障害児入所施設」として、ゆりのこは
「児童発達支援事業」として位置付けられました。施設を利用する子どもたちの安全で安
心な暮らしを確保し、子どもたちの成長を支援していきます。
(1)年齢超過者の成人サービスへの移行
障害児施設である山ゆり学園では、2018(平成 30)年 4 月から 18 歳を超えた利用者の
入所利用ができなくなるため、現に 18 歳を超えている利用者の成人サービスへの移行は
重要な課題となっています。スムーズに地域生活や成人サービスへ移行するため、法人の
施設改築を待つのではなく、移行支援を具体的に進めていきます。
(2)個別支援計画の充実
児童発達支援管理責任者を中心に栄養マネジメント、医療的ケアをあわせて一人ひとり
の発達課題や支援ニーズに基づいた個別支援計画を作成し支援していきます。また、退所
を考えた計画的な支援を行なうため、これまで以上に関係機関と密接に連携を取っていき
ます。
(3)職員の資質の向上
虐待防止と身体拘束廃止の取り組み、二次的な行動障害への対応、障がいの一元化への
対応、性的問題への対応など施設職員としての資質の向上が求められています。そのため
の専門的知識の理解や実践は必要ですが、社会人、職業人としての常識や知識という面か
らの積み上げが前提となります。社会人、職業人としての資質の向上が、利用児童・者の
安全で安心な生活を確保するための基本であると考え、資質向上に向けて具体的に取り組
んでいきます。
(4)生活環境の整備
6
全面改築から 10 年余りが経過し、修繕の必要な箇所が増えてきています。また、更新
が必要な設備もあります。事故を防止し利用児童・者が安全で安心できる生活環境を維持
するために、日常のメンテナンスや清潔な生活環境の維持に心がけ、設備や建物全般を大
切に使うという意識を徹底させていきます。
(5)児童発達支援事業
ゆりのこ
2013 年度は、利用者の就学や他の事業所との併用といった理由から定期利用者は前年度
に比べ減少しましたが、休日や学校の長期休暇中の利用希望者が多いのも現状です。利用
ニーズに少しでも応えられるよう、放課後等デイサービスに力を入れていきます。
飛騨地域で唯一の重症児療育の場として、利用児童・者一人ひとりが安全で安心して通
うことができ、日中活動ができる場所として、支援内容をさらに充実していきます。
3、高山山ゆり園
高山山ゆり園では、入所利用者の平均年齢が約 55 歳となり、高齢化が進む中で生活習
慣病への対応、
認知症罹患者への対応が増えています。
高齢利用者の支援の課題を確認し、
その支援はどうあるべきかを深めていく必要があります。これまでの高山山ゆり園の取り
組んできたことを整理し、目指すべき支援のあり方を職員が確認し、一貫するものとして
取り組みをしていきます。
高山山ゆり園等建設委員会の構想の実現に向けて、高齢利用者支援や重い障がいがある
利用者支援のノウハウをさらに前進させて、「暮らし方」「環境整備」を課題として取り組
み、提案していきます。
また、現在ある設備を維持しながら、より安全、快適で衛生的な生活環境の整備を行い
ます。
(1) 一人ひとりの暮らし方を考えていきます。
①「豊か」で「生きがい」のある暮らし方に取り組みます。
・計画相談によるサービス利用計画をもとに、個別支援計画・栄養マネジメントの充実を
図ります。
・制度の改正に伴って見直される「障害者支援区分」への対応に取り組みます。
・生活介護事業では、利用者の「楽しみのある暮らし」「活動」を提案し取り組みます。
②暮らしと安全保障
・高齢の知的障がい者に対する専門性の高い支援を考えていきます。
・理学療法士による個別の介護動作の研修をおこない、安全な介護、転倒予防と支援者の
腰痛予防に取り組みます。
・口腔ケア、安全な食事支援について取り組みます。
・避難訓練等の防災管理、感染症予防対策のマニュアルを見直します。
③虐待防止・身体拘束廃止と人材育成
・障害者虐待防止法等に基づき、支援のあり方を振り返り、より良い支援ができる事をめ
ざし、人材育成に取り組みます。
7
・一人ひとりを大切に、意思決定を尊重した支援ができるように取り組みます。
・身体拘束廃止に向けての検証を継続していきます。
(2)快適な生活に向けての環境整備に取り組みます。
①快適で安全な居住環境の充実
・園舎の建て替えを控えており、大掛かりな改修工事は行えませんが、障がい特性やプラ
イバシーに配慮した簡易的な個室を整備します。
②積雪時の避難経路の確保
・重機の扱える職員の勤務に関係なく迅速に対応するために、免許や資格の要らない除雪
機を導入し、避難経路の確保に努めます。
(3) 建て替えに向けて施設の役割と機能を検討していきます。
①新しい高山山ゆり園の役割、機能の検討と提案
・高山山ゆり園等建設委員会と連携をとりながら進めていきます。重い障がいがある利用
者や高齢利用者のニーズに応えられるような暮らしの場について探求していきます。快適
でゆとりのある清潔で安全な生活環境、日中活動の場について、また、支援や介護がしや
すい環境についてなど、継続して検討し取組み、具体的に提案していきます。
4、益田山ゆり園
当園が障がいのある方の在宅支援の要望に応え、居宅介護事業を始めて 10 年が経ちま
した。また相談支援事業においては、福祉施策に沿う形でサービス利用計画作成にも力を
入れて自治体の要請に応えるなど幅の広い事業を進め、まだまだ力不足ではありますが地
域生活のサポート体制が定着してきた感があります。そして利用者支援においては私たち
支援者が虐待防止の担い手であることを意識して、学ぶ機会を増やす等の取り組みを進め
ています。
事業開始 28 年が経過し、入所利用者の高年齢化、建物の老朽化が進む中で、本体施設
の課題解決には、地域へ支援の場を移していく事も一つの方法と考えられます。
今
年度はそうした方向性を検討しながら、引き続き多様な事業を円滑にまた有機的に作用さ
せて南飛騨のニーズに応えたいと思います。
(1)引き続き本体施設事業(
「生活介護」
・「施設入所支援」
)の充実を図ります。
・利用者一人ひとりの“暮らし方”に着目した支援を目指し、個別支援計画の策定とそれ
に基づく支援の充実を図ります。
(2)快適な生活に向けて、ハード面の充実を図ります。
・利用実態に応じた施設ハード面の改善や、老朽化部分の修繕に取り組みます。
(車いす対応の洗面台の設置、ゆうあいホール水回り凍結防止対策等)
・安全面からみた生活環境の早急な見直しが必要になってきています。職員全体で検証し、
次年度以降の整備に向けて取り組みます。
・相談支援への職員増員や地域支援強化をするために車両を整備します。
・28年が経過する本体施設の外壁等の状況を調査し、次年度以降の整備や修繕の必要性
8
を探ります。
(3)地域支援体制の強化と充実に取り組みます。
・相談支援体制の充実には職員の育成が不可欠です。地域支援の業務を意識した育成と職
員配置をします。計画相談についても国が定めた期限内に完了するよう相談専門員の配置
を継続します。
・サポートセンターのヘルパー育成については研修の機会を増やし、専門性を高めていき
ます。同時に、今後の職員育成と職員配置について検討を行います。
・新たなグループホームの利用を開始します。将来を見据えて、夜間支援体制の検討を行
います。
(4)権利侵害のない職員集団をつくります。
・委員会を設置し、日々の支援を振り返り、権利侵害のない支援を目指します。
・普段から利用者の声に耳を傾け、意見や要望、苦情への対応は迅速に丁寧に行います。
・権利意識を持つための学習会を定期的に開催します。
(5)中長期計画を策定し、より具体的なものを検討します。
・南飛騨における益田山ゆり園の果たす役割を中・長期毎に考え、ニーズを捉えながらど
のような特徴を持たせていくかを検討します。
・多様な暮らしの場や日中活動拠点の拡大等、実現に向けて検討します。また、保護者の
みなさんとも一緒に考えていきます。
5、吉城山ゆり園
“吉城山ゆり園は、働くことを目的とした施設”という開園以来のコンセプトを大事に
しながら、利用者が楽しく充実した生活を送れるように生活面での支援にもウエイトを置
いてきました。
今後も、利用者に、「吉城山ゆり園を利用して良かった」と感じてもらえるような支援
を目指します。
(1) 余暇支援
ともすれば単調になりやすい生活にアクセントと潤いを加えるために余暇支援は欠か
せません。園の外へ出かける機会を増やし、園の行事も充実させます。
(2)高齢者への支援
入所利用者の平均年齢が 60 歳に近くなっています。体調の変化や不調のサインを見逃
さないように努め、必要に応じて適切な医療支援を行います。
作業面では、“生きがい・やりがい”を実感できる無理のない作業を提供して、本人の
ペースで行なっていただきます。
また、ハード面では、スロープや手すりの設置、トイレの改修について検討していきま
す。
(3)環境の整備
開園 23 年目を迎え、あちこちに傷みが出てきています。利用者が、安全で快適に生活
9
できるように以下の整備を行います。
・園の周りのフェンスを取替えます。
・女性棟の 3 つの居室、男性棟「けやき」居間の床をはり替えます。
・男性棟居室のカーテンを新調します。
・駐車場のアスファルト舗装の一部をはり替えます。
また、居室や作業室等の清掃を行い清潔な環境を提供します。
(4)安全の確保
利用者の「安全と健康」を守ることを基本として、ヒヤリ・ハットの情報を職員が共有
し危機意識を持って支援にあたります。
高齢化に伴い、利用者の転倒事故が増えています。段差の解消や移動時の見守りを行い
ます。また、生活習慣病や加齢による疾病を持った利用者も多くなってきているので、よ
り積極的な医療支援を行います。
インフルエンザやノロウィルス等の感染症については、予防法や流行した際の対処法に
ついての研修を行ない、職員の業務前のうがい・手洗いを継続します。
(5)職員の資質向上
良い支援のためには職員の資質の向上が不可欠です。専門的な知識や技術の習得はもち
ろん大切ですが、その前提となる社会人としての常識や礼儀・挨拶等についても指導して
いきます。また、各種研修会へ職員を派遣すると共に、各種資格の取得を促します。
6、大野山ゆり園
障害者総合支援法が施行され、2 年目となります。施行 3 年後には見直しが予定されて
います。そうした障害者施策の動きを見据えながら、大野山ゆり園は引き続き利用者の安
全で安心できる暮らしを守り、生きがいのある豊かな暮らしを送ることができるように取
り組みます。
(1)生きがいのある豊かな暮らしのために
・プレハブ棟の老朽化により今年度新活動棟を建設することになりました。
新たな活動棟を利用した日中活動の充実のための検討を進め、取り組みを始めます。
建設中の利用者の日中活動や安全にも配慮します。
・余暇、行事、個別活動、個別外出など一人ひとりのニーズに応じた支援を継続し、内容
についても検討をすすめ、利用者のニーズに応えていきます。
(2)安心できる暮らしのための環境整備
・老朽化した施設設備を改修し、利用者が安心した生活をおくれるよう環境を整えます。
南館ボイラーの更新
園周フェンスの取替え
屋根雪止めの設置(食堂・北館二階)
・昨年度より取り組んできた大規模災害を想定した「事業継続プラン(BCP)」を「大野
山ゆり園事業継続計画」としてまとめ、そのために必要な備蓄、備品の確保をしていきま
10
す。
(3)支援の質の向上のために
・建物や設備といったハード面とともに総合支援法に述べられた「意思決定支援」や虐待
に陥らない支援のあり方など職員の専門性やスキルの向上が求められています。
特に「意思決定支援」については大野山ゆり園の支援の中にいかに具体的に取り込んで
いくかということが求められています。そのための内部研修や外部の研修参加など積極的
に参加し、個別支援計画の中に反映させるようにしていきます。
・日中活動の見直しとそれにともなう職員配置、勤務時間帯の変更も考えていきます。
(4)大野山ゆり園施設機能の再確認
・法人の事業計画として近い将来高山山ゆり園の改築が計画されています。大野山ゆり園
としても求められている機能の再確認・再検討をしていきます。その中で利用者の適正な
施設利用の検討も始めます。
7、飛騨うりす苑
(1)はじめに
2013 年度は日中活動支援での施設内各ユニット間の連携を強め、効率的な職員配置を行
うことを目指しましたが、充分とはいえず 2014 年度もその取り組みを継続して進めてい
きます。
障がい者権利条約の批准、障がい者虐待防止法の施行、差別解消法の成立など、障がい
者の人権を守る法体系の整備に合わせ、飛騨うりす苑においても支援する上での基本的な
姿勢の見直しと従来の「支援マニュアル」の改訂作業を行い、「利用者主体・利用者本位」
を基本としたマニュアルを 2014 年度内に完成します。
また、職員の腰痛が増加している状況を踏まえ、施設として腰痛対策を強化します。
(2)2014 年度の取り組み
①利用者の生命・安全と人権を守る取り組みの継続
・介護部門、医療部門とも安定した職員配置を行い、利用者の生命安全を守る取り組みを
より強化します。
・誤投薬防止の取り組みを継続します。
・身体拘束廃止委員会の取り組みにより、拘束廃止の成果が着実に上がっています。
「拘束
ゼロ」を目指した取り組みを継続します。また、2013 年度中に低床ベッドを導入し拘束廃
止に役立てましたが、2014 年度も追加の導入を検討します。
・虐待防止を明記するとともに、支援の現場で人権を尊重し利用者主体を基本とした支援
ができるような新しい「支援マニュアル」を策定します。
・重症心身障がい者の生活介護事業利用増加に伴い、医療的依存度の高い利用者の生命健
康を守るため、職員の資質向上を図ります。
・重大事故防止のため、施設構内傾斜部を解消する事業を実施します。
②生活介護事業における職員の機能的配置とユニットの連携を行います。
11
・入浴支援時の B 棟と地域支援の協力、A 棟と B 棟の協力を強化するとともに、職員の腰
痛防止のために、
A 棟利用者の移乗や排泄介助時に B 棟職員が支援できる体制を作ります。
・昨年度に引き続き、日中活動でユニット間の壁を無くす取り組みを継続し、マンパワー
の弾力的な運営を行います。
③利用者の生活環境整備
・昨年度に引き続き、空調設備の更新を行います。
・利用者居室のカーテンの更新を順次行います。
・居室のレイアウトやコンセント使用状況を検証し防災に役立てるとともに、必要があれ
ば軽微な改造を行います。
・老朽化した福祉車両(1 台)を更新します。
④相談支援事業者、医療機関・訪問看護ステーションとの連携の強化
・生活介護利用者、短期入所の新規受け入れに当たっては、関係機関より情報を取得しそ
の支援内容、医療依存度を把握し、安全な支援ができるよう連携を強化します。
・特に、短期入所利用で医療依存度の高い利用者については、そのリスクに留意し利用中
の容態急変など不測の事態に対応します。
・介護保険に移行する生活介護利用者の円滑な移行を支援します。
⑤職場環境の整備と職員の腰痛予防
・迅速な欠員補充と安定した職員配置により職員に過度な負担がかからないようにします。
・腰痛対策として、複数介護の徹底を図りますが、必要に応じてユニット間での協力を行
います。
・適切な介護機器の導入を行います。
・腰痛予防のための研修を行います。
・職員の腰痛対策に当たっては、利用者にも状況を説明し理解と協力を求めます。
Ⅳ、児童、母子支援部会
1、児童母子支援部会
飛騨地域に夕陽ヶ丘や清和寮等の児童福祉施設を設置して以来、飛騨慈光会は常にこの
地域の児童福祉をリードしてきました。これからも、これまで培ってきた知識と経験をも
とに、この地域の児童福祉の中心としてその役割を果たしていかなければなりません。
夕陽ヶ丘は、国が提唱している「施設の小規模化と施設機能の地域分散化による家庭的
養護の推進および里親支援」にもとづいて 2013 年度に「家庭的養護推進計画案」を県に
提出しましたが、2014 年度以降はこの計画の実現に向けて取り組んでいきます。
一方、清和寮は老朽化が進み、耐震的にも危険な状態にあり、早急な建て替えが求めら
れていますが、2014 年度も引き続き建て替えに向かって具体的に取り組んでいきます。
児童福祉施設は 2012 年度から「福祉サービス第三者評価」
(以下「第三者評価」と言う)
が義務づけられ、昨年度は清和寮が、今年度は夕陽ヶ丘が受審しますが、2014 年度は両施
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設ともにこの評価にもとづいて、これまでの取り組みを再点検し、今後のあり方を検討し
ていきます。
2014 年度の児童・母子支援部会は以上の方針のもとに主要なテーマを以下のように設定
しました。
① 飛騨地域の社会的養護の課題と将来についての研究
② 発達障がい、愛着障がい等に関する学習と、両施設職員の専門性の向上
③ 清和寮の建て替えに伴う両施設の連携のあり方についての検討
④ 第三者評価に伴うこれまでの取り組みの再点検
⑤ 両施設間の情報交換と連絡調整
2、夕陽ヶ丘
厚生労働省は「施設の小規模化と施設機能の地域分散化による家庭的養護の推進および
里親支援」の方針のもと、2013 年度、
『児童養護施設等の小規模化及び家庭的養護の推進
のために』という局長通知を発出しました。
これを受け、各施設にはこの方針に基づいた計画の策定と提出が求められました。夕陽
ヶ丘も「施設の今後の運営・整備計画」をとりまとめ、県に提出しました。
この計画は、2015 年を始期とし 2030 年までの 15 ヶ年を推進期間として、5 年ごとの
目標を設定し、小規模化、地域分散化や家庭養護の支援を進めていくものです。
今年度は、その整備計画に則り、2020 年までに地域小規模施設、児童家庭支援センター
の設立に向けた検討を開始する年度となります。
(1)小規模化に向けての取り組み
「家庭的養護と個別化」は、社会養護の原理の第一番目に揚げられ、できる限り小規模
で家庭的な養育環境の形態に変えていくことが必要であるとされています。
今年度は小規模化検討プロジェクトを立ち上げ、法人との連携の元、施設の小規模化に
むけて取り組んでいきたいと思います。
また、昨年度、里親支援専門相談員を配置しましたが、子ども相談センターとのパイプ
役、里親とのコーデネイターとして活躍しました。
整備計画にあげた児童家庭支援センターの設置についても、里親支援専門相談員が中心
となり検討を進めていきます。
(2)子どもの権利擁護を考える
昨年に引き続き、子どもの権利擁護、人権侵害の禁止、防止等、権利意識を高めるため
の学習会を定期的に開催します。
2012 年度から、施設運営の質の向上を図るために、3年に一度の第三者評価の受審及び
毎年度の自己評価の実施が義務化されました。当園では今年度受審します。
(3)子どもの多様化に対応する
養護施設の中で発達障害を疑われる児童の割合は、全国的にも多いという数字があがっ
ていますが、夕陽ヶ丘でも数年前から、この問題に対して積極的に取り組んでいます。
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発達障害による、子ども同士のトラブル、職場に馴染めず仕事が定着しない定時制生徒
への対応などは、やはり専門的な知識や時には医療の力も必要となってきます。
今年度も引き続き、子ども相談センター、精神科医、学校等とネットワークを組み、職
員のスキルアップを目指し、心理担当職員を中心に発達障害等の研修会に参加します。
(4)自立支援計画票の充実
自立支援計画票に児童の気持ちを反映させる為の、スリーハウスシートの活用を、施設
長補佐を中心として模索し研究します。
(5)生活環境の整備
心理担当職員が常勤化され3年目を迎え、心理療法も確立してきました。より良い心理
療法を行うため、心理室の改修工事を行います。
老朽した公用車のリース期間終了の為、新しい車両のリース契約をします。
3、清和寮
(1)新たな取り組みを目指します
清和寮は昭和 24 年に開設されて以来 65 年間、この地域の児童福祉に多大な貢献をして
きました。また、法人内他施設と連携し、全国的にもあまり例を見ない児童福祉ネットワ
ークを構築しています。
ただ、現在の建物は老朽化が進み、耐震的にも危険な状態で早急な建て替えが求められ
ています。2014 年度も引き続き建て替えに向かって「清和寮のあり方検討会」を中心とし
て具体的に取り組んでいきます。
ところで、清和寮は 2013 年度に第三者評価を受審しました。2014 年度はこの評価をも
とに、これまでの取り組みを再点検し、新たな取り組みを目指します。
(2)母と子の心を癒し、子どもの発達を支援します
ア、母親への支援
未婚の母親や DV 被害者および心身に何らかの障がいがある母親は増加傾向にあり、こ
れらの母親たちの生育歴や生活の現状を踏まえながら支援します。
具体的には、自立に向けた生活設計・貯蓄への助言など経済的な基盤の確立への支援や、
食事・買い物・家事・育児など家庭生活全般への支援を行います。
また、就職活動や就労継続のための相談や情報提供、安定した就労を保障するための
様々な支援体制を創造します。
イ、子どもへの支援
暴力や貧困など様々な家庭環境の中で「育ち」を守られなかった子どもに安心・安全な
場を提供するとともに、保育所・学校等と連携して「育ち」を保障します。
また、「遊び」を中心とした子どもへの支援を強化するとともに、貧困の連鎖を断ち切
るために学童保育や学習指導を充実させます。
ウ、親子関係への支援
機能不全の状態にある母子家庭に対しては、親子の信頼関係の再構築を支援します。ま
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た、乳幼児の子どもがいる家庭に対しては施設内保育の強化を図り「いっしょに子育て」
する関係の中で保育します。
(3)職員の専門性を強化します
増加傾向にある発達障がい児や愛着障がい児に対応する専門性の強化を図るために職
員研修を強化します。
Ⅴ、地域支援事業部会
1、地域支援事業部会
今年度も昨年同様に、各事業所の月次報告と課題・問題点の検討を中心に年4回(5月、
8月、10月、3月)実施する予定です。近年、障がい者就労のニーズの高まりと共にこ
の地域でも就労系の事業所が多く立ち上がっています。ただ、そういった動きにぶれるこ
となく、全国の動向や地域のニーズに即した事業の在り方などを検証しながら、本当に必
要な地域支援は何なのかを検証していきます。
(1)各センターや事業所の課題・問題点の検討
各センターや事業所の実績や課題、または問題点を話し合い、解決に向けて検討します。
(2)職員の資質の向上
困難事例の検討や最新の情報を共有することで支援の道筋を学ぶなど、各個人のスキル
アップや育成にも力を入れます。
(3)南飛騨エリアの支援充実
益田山ゆり園の相談支援事業や居宅介護事業と連携しながら、南飛騨エリアの地域支援
の充実に向けて取り組んでいきます。
(4)計画相談支援の協力
計画相談が在宅者のみならず施設入所者もその対象になって、膨大な人数になっていま
す。この事業が円滑に実施できるように、当部会が連携・協力していきます。
(5)グループホーム(ケアホーム)への支援
今年度、グループホーム・ケアホームが一元化されるに当たり、課題や問題点を討議し
ながら、法人へ意見を汲み上げる体制を作っていきます。
2、ひだ障がい者総合支援センターぷりずむ
大きく分けて、4つの事業所と1つの事業を総合的に運営しながら、児童から大人まで、
あらゆるニーズに対して何らかの解決策を見出す事を目標に、ワンストップサービスを目
指して取り組んでいきます。
(1)相談支援事業所ぷりずむ
事業の内容としては、①市村より委託された相談事業(指定特定・一般相談支援事業者)
②計画相談支援事業(指定特定相談支援事業者)③障がい児等療育支援事業(県からの委
託)④高山市発達支援センターへの派遣です。
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計画相談の期限は 2015 年3月ですが、圏域にはまだ計画相談を受けていない方が 1,000
名ほどみえ、それを6事業所で担当する必要があります。他の機関と連携しながら計画的
に取り組んでいきます。
(2)ひだ障がい者就業・生活支援センターぷりずむ
今年度は、新たに就業支援ワーカー、生活支援ワーカーの増員があります。それによっ
て、年々増加する登録者やニーズの多様化に向けて、他機関とも連携しながら就業と生活
の両面で支援していきます。
発達障がい者支援コンシェルジュ事業も二年目を迎え、把握・支援する人数も徐々に増
えています。今年度は、就労に結び付けるより具体的な支援を目指します。
ネットワーク強化・充実事業やチャレンジトレーニング事業も県単での予算が付いたの
で、これまで同様に実施します。余暇支援に関しても今まで同様に和太鼓、調理実習など
を予定しています。また、マナー講習や金銭管理講習なども取り入れながら、社会人とし
ての一般常識獲得の一助になればと考えています。
(3)就労移行支援事業所ぷりずむ
今年度も引き続き、働きたい障がい者のニーズに応え、就職へ送り出す職業訓練の専門
機関としての役割をしっかりと果たしていきます。特に年間就職者数を 10 名、さらには
半年以上の職場定着率 80%以上を目指し、支援内容の充実を図ります。従来通り、協力企
業内での作業を中心にした実践的な職業訓練を柱にしつつ、施設内でのパソコン技術向上
のための訓練、ソーシャルスキルトレーニングやストレスマネジメント等の学習会をさら
に充実させていきます。また、利用者の希望や持っている力に焦点を当てつつ、ハローワ
ークでの職探しや短期間の職場体験実習を積極的に行い、効果的に利用者も力を身につけ
られ、且つ効率よく就職に結び付けられる支援を行っていきます。
また、ジョブコーチ支援事業においても、昨年度同様に地域の障がい者の職場定着への
支援を行い、「地域の資源」としての役割も引き続き担っていきます。
(4)グループホームぷりずむ
現在、旧高山市内と国府町内に 9 ヶ所のグループホームがあり、40 名の方が利用されて
います。グループホーム事業は地域で生活したいという障がいのある方の思いに応える形
で平成元年にスタートし、徐々に重い障がいの方や発達障がいの方も利用される様になっ
てきました。今後も知的障がい以外の障がいをお持ちの方のニーズに対応する事が求めら
れると思います。また、昨年度に引き続き女性のホームの立ち上げが喫緊の課題となって
おり、ハード面ソフト面での準備を行います。また、夜間の支援があれば、施設などから
グループホームに移行出来る方もみえます。合わせて夜間支援の検討も行います
Ⅵ、法人事務局
1. 人事課
①「就業規則」・「給与規程」の整備と運用
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・顧問の社会保険労務士のアドバイスを受けて、関連法に準じた見直しを適宜行います。
・労働契約法の一部を改正する法律(無期労働契約への転換)に対応するための準備を
行います。
②人事情報の一元的管理
(具体的な取り組み)
・基幹システム(福祉の森)における人事情報のデータ登録と管理。(会計課と共同)
・給与計算業務で使用する職員名簿及び月次の職員配置表の作成。
また、昨年に引き続きパート雇用の契約に関する業務を、法人としての業務となるよう
に準備をすすめます。
③市民講座の実施
・地域への感謝と地域貢献の一環として市民講座を開催します。第3回目となる今年度は、
腰塚勇人氏を講師に、
「命の授業-今の幸せを気づくことから夢がひろがる」と題して、7/26
(土)高山市文化会館小ホールにて行います。
④キャリアパス研修及び内部研修
・経営企画会議の指示を受けて、岐阜県社会福祉協議会主催の研修(キャリアパス研修)
に職員を派遣します。また、系統的な職員育成プログラムの構築を目指します。
・職員の資質向上のため法人内部研修を企画実施します。
⑤「個人情報管理規程」の運用
・規程に基づく、個人情報管理者及び受付窓口担当者向けの研修会を企画実施します。
・個人情報に関するセキュリティ対策の一層の充実を図るため、具体的な取組みとして何
があるのか検討します。
⑥障害者雇用の拡大
・飛騨慈光会における障害者雇用を拡大するための具体的な方策を検討し、雇用率のアッ
プに繋がる取組みを行います。
2. 会計課
①新会計基準の安定運用
新会計基準での三年目の運用となります。移行後、ほぼ二年を経た現在は特に大きな問
題もなく推移している状況であると考えます。
今年度は、各施設の月次の会計諸表の完成度を上げることについての取り組みを進めて
いきます。
試算表確認のための伝票入力期限を設け、各施設が統括会計責任者への月次書類を提出
する前に、課がそれぞれの施設の試算表・仕訳日記帳等の帳票をチェックします。その時
点で各々の解釈や入力方法等の相違がみられないか確認を行い、追加・訂正等の処理を行
った上で提出する体制を整えて行くよう検討していきたいと考えます。その際に、法人内
で統一できそうな事例等があれば、併せて発信していきたいと思います。同時に、毎月の
チェックの中で、月次の試算表における比較的平易な共通の分析方法を検討して、期中で
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あっても経営状況の把握やその対策に繋げて行くための取組みを実施していきたいと考え
ます。また、新しい課題や分かりにくい解釈があった場合には、学習会や研修の機会を設
け、会計マニュアルを随時更新して、各施設事務員が共通の認識を持ち、疑問なく進める
体制を作っていきます。指針と対策を明確にした決算分析も引き続き実施し、顧問先であ
る会計事務所の協力も得て、第三者視点からの意見による分析も行って、経営企画会議等
へ情報提供を行っていきたいと考えます。
②給与計算業務の精度向上
精度の高い給与計算業務の安定運用を引き続き目指して実践して行きます。また、処理
を円滑に進める過程についての検討も引き続き進めていきます。
③自立支援請求の集約
請求内容も複雑化する自立支援請求業務は、責任のウエイトが非常に大きいにも拘わら
ず、各施設・事務員毎の解釈で県への届け出や業務ソフトへの入力・修正を行っている現
状であり、法人の収入の大半を占める自立支援請求業務が、施設毎の個別的な歩みできて
いるこれまでの状況です。
施設事務員をサポートする役割を果たすべく、勉強会、意見交換の場を設けて、各施設
事務員がこれまで以上に足並みを揃えた請求業務を行いたいと思います。また、
その際に、
課題点、共有化する必要がある部分をより掘り下げて全体化していきたいと考えます。
3、総務課
法人の業務が円滑に進み、職員が健康で気持ちよく業務に取り組めるように下支えする
機能の一部としての総務係と、法人の取り組みを多くの方々に紹介することを通じて児童
福祉・障害者福祉の推進と地域福祉の向上につなげていく広報係、この二つの部署を設け
取り組みます。
①総務係
ア、法人ホームページの積極運用と継続的な情報更新
当法人の考え方や活動を広く一般に広報するための重要なツールとして、引き続き積極
的な運用を図ります。特に近年は求職者の情報源としての役割も一層大きくなってきてい
ることからも、ホームページの掲載情報が陳腐化しないよう積極的な更新を行うために法
人内の情報収集を強化し、閲覧者に有用な広報と情報開示を行います。また、昨年度具体
的検討に踏み込めなかった職員募集に係る求人応募フォームの新設等、ホームページにて
双方向通信が可能なシステムについても、引き続き研究課題とします。
イ、当法人に未整備の規程の検討
法人として必要でありながら規程化されていない部分はないかなど、規程整備の必要性
について検討を行い、経営企画会議への提案につなげます。
ウ、リスクへの法的対応
顧問弁護士契約を継続し、様々な法的事案に対して専門的なアドバイスを受けながら対
応できる体制を維持します。
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エ、生活習慣病予防検診の申請事務と受診管理
職員の健康管理に資するため、生活習慣病予防検診の申請事務と受診管理を行います。
②広報係
ア、会報ひだ慈光会第 45 号の編集、発行、配布
例年通り、会報ひだ慈光会を発行し飛騨地域の各家庭に配布するとともに、法人のホー
ムページにも掲載します。第五期中長期計画に関わる情報を柱に、飛騨慈光会が実施する
事業への理解と関心を高める機会となるよう紙面の充実を図ります。
イ、草の根活動の分担等の手配
地域で行われるイベント等への参加を通じて、飛騨慈光会並びに後援会の PR 活動を進
めます。
4、安全課
利用者の「安全と健康」を守ることは、支援の基本です。安全課の職員がリーダーシッ
プを発揮して事故防止と健康の維持向上に取り組みます。
(1) 安全防災係
①普通救急救命講習の開催
引き続き、高山消防署にて 6 回の講習会を行います。受講者は、80 名を予定しています。
法人内の全職員が、職種を問わず、3 年に 1 度は受講できるように調整します。講習会に
は、法人の看護師が、救命普及員(有資格者)として、毎回 1 名参加します。
また、それぞれの施設で講習会を行います。
②交通安全講習会の開催
昨年度は、幸い大きな交通事故の発生はありませんでしたが、毎日、送迎や通院等で多
くの公用車が使われており、事故やヒヤリ・ハットの報告もあります。
年度の初めに、主に運転業務職員を対象とした交通安全講習会を開催して、交通安全へ
の意識を高めます。
③ヒヤリ・ハットの活用
各施設のヒヤリ・ハットや事故を開示して情報を共有すると共に、検証を行ない各施設
に周知して再発防止に役立てます。
④「安全課通信」の発信
定期的にメールで発信して、全職員に情報を提供すると共に注意喚起します。
(2)医療係
①情報の共有
年 6 回(隔月)の医療担当者会の中で、各施設の医療的情報やヒヤリ・ハットを開示し
情報を共有することで利用者の健康管理と事故防止に役立てます。また、各施設の感染症
対策の確認と検証も行います。
②研修会の開催
11 月に「ノロウィルスの研修会」を行います。また、各園でも感染症(ノロウィルス・
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インフルエンザ)予防と対策についての研修会を開催して職員の知識と技術の向上を図り
ます。
③看護師のスキルアップ
日々進化している医療・看護に対応していくためには、学習が欠かせません。各種研修
会に職員を派遣すると共に自己研鑚を促します。
④災害時の役割り
災害発生時の医療係の役割りについて、安全防災係と一緒に検討します。
⑤主な予定
4 月…利用者及び 35 歳以下の職員の検診
7 月…検便
8 月…蟯虫検査
11 月…ノロウィルスの研修会
11 月~12 月…インフルエンザワクチン接種
5、栄養課
①衛生教育
昨年度は全国的にノロウィルスによる食中毒が猛威をふるいました。予防策、対応策と
しては、大量調理衛生マニュアルに則り基本的なことを日々の業務で確実に実施すること
です。各機関と情報交換しながら調理実務に即した研修内容を検討し実施します。
②栄養ケアマネジメント業務の内容向上
飛騨慈光会の利用者にとって施設は生活の場となっています。その為栄養管理は、画一
的な対応でなく、利用者の生活機能、障害、健康の状況に応じた内容でなければなりませ
ん。日本栄養士会主催の福祉施設を対象とした基礎研修に参加し、業務のプロセスや評価
ツールを学び実践に生かしていきます。高リスクな事例では栄養士が連携して対応します。
③給食施設災害発生時対応マニュアルの作成
災害時でも利用者に適切で安全、安心な給食を提供するため、給食部門での災害発生等
を想定したマニュアルの作成をします。有事にあっても実効性のあること、調理関係職員
以外でも活用可能なものを目指します。
④利用者に適した食形態を目指して
増粘剤等の進化によりソフト食や刻み食の形態も多様なものが可能となっています。利
用者の特性からどこに着目し、どのような形状が継続して提供可能であるかについて試作
しスキルの共有を図ります。
⑤課業務の一元化の検討
栄養士業務全般を見直し、業務一元化の可能性について検討します。メリット、デメリ
ットを勘案し、業務の中で一元化可能な点は何か、どうしたら可能なのか、できない点は
その理由を明確にします。
また、栄養士が休職等により不在となった場合の業務継続が課題となっています。この
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解消についても合わせて検討します。
給食業務委託契約している 3 社の違いも引き続き確認していきます。
Ⅶ、苦情解決第三者委員会事務局
1、2014 年度の活動方針
2013 年度は2年ぶりに全施設への第三者委員施設訪問と懇談を実施しました。訪問日を
保護者会活動日等に重ね、保護者の方の意見要望の吸い上げにも努めました。それぞれの
施設の利用者、保護者から直接話を伺う事により、施設の特性にも触れることができたよ
うに感じます。
また、利用者や保護者が、直接第三者委員に相談したり申し入れるケースも多くなりま
した。認知度・理解度が高まり、安心して意見要望を出せる環境が整いつつあるのではな
いかと考えています。
今年度も、利用者や保護者から訴えがあった際には、事務局として迅速な対応を心がけ
ていきたいと思います。
2、第三者委員活動予定
①施設訪問・懇談
2013 年度は、全施設訪問を実施しました。今年度も継続して全施設訪問を実施予定です。
その他、グループホームへの訪問も数か所予定しています。
②個別懇談
全施設の利用者・保護者に個別懇談の案内を配布し、要望があった利用者・保護者には
第三者委員と個別に懇談できる場を設定します。2013 年度は6件の希望があり、それぞれ
個別懇談を行いました。
③苦情への対応
苦情の申し出があった場合は、苦情解決の要綱に従い速やかに対処します。2013 年度に
第三者委員が対応した件数は 2 月末現在で 10 件でした。
3、研修
2年間連続し、施設の苦情受付担当責任者を中心とした、福祉サービス苦情解決研修に
参加しました。
2014 年度は「信頼される福祉サービス職員になるために」という内容で、外部講師を招
き、多くの職員の方にリスクマネジメントの考え方を学んでいただくことで、より適切な
苦情解決につながるよう、施設内研修を開催したいと思います。
4、法人としての苦情解決責任者設置の必要性と提案
2013 年度、第三者委員の施設訪問を行う中で利用者や保護者から様々な要望や苦情が寄
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せられましたが、その中で、施設への提言を行ったものの、改善できていない案件につい
て、苦情の解決に当たり法人としての大きな枠での取り組みが必要なのではないかと感じ
ました。飛騨慈光会には施設としての苦情解決責任者は配置されていますが、法人として
責任を負う苦情解決責任者の配置がありません。全国の他法人を調べてみると、特に大規
模法人において法人としての苦情解決責任者を配置しているところが多くありました。
事務局は、飛騨慈光会としても、法人として対処するべき案件や施設内だけでは解決が
困難な苦情に対し、法人として責任を持ってこれに対応する部署が必要なのではないかと
考えています。
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