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『資料2』(PDF:395KB)

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『資料2』(PDF:395KB)
資料収集のあり方について(案)
(1) (仮称)市民図書館における資料収集の基本方針
ア 「(仮称)市民図書館を整備するに当たっての課題」における考え方(再掲)
中間報告において、(仮称)市民図書館の資料収集、蔵書構成については、下記のような課題
が挙げられている。
(ア) 蔵書の充実
類似27都市と比較して、市民1人当たりの図書館総蔵書冊数は最も少なく、最も多い市の
3分の1程度である。(仮称)市民図書館に関するアンケート調査でも、蔵書の充実等の要
望が高く、各アンケートの結果も踏まえながら、今後は、利用者層に応じて蔵書の充実を図
ることが課題である。
(イ) 明石の歴史、文化、産業等に関する蔵書の充実
明石の文化伝統、土地に由来したもの、明石の作家や地域産業など、明石にゆかりのある
本を引き続き収集する。
(ウ) バランス良い蔵書構成
「健康」や「自己啓発」など時代に即した利用者に求められている本や、長く読み継がれ
ている本等を考慮したバランスのよい蔵書を構成する。
(エ) 他機関・施設との相互貸借運用
兵庫県立図書館をはじめとした他図書館との連携関係を継続し、相互貸借運用による利用
者サービスの向上を図る。
また、小中学校の学校図書館との連携を強化し、図書を活用した授業への支援や幼稚園・
保育所・小・中学校等への蔵書の貸出し等の取り組みを進めていく。
(オ) 時代のニーズに対応した資料整備
電子書籍、データベースの利用環境の整備・充実、活用機会の拡大を図る。
イ (仮称)市民図書館における資料収集の基本方針
上記の課題を解決しながら、「人とまちを支える情報拠点「市民図書館」 -共に歩み、共に
成長を続ける-」という基本理念を実現するために、明石市立図書館資料収集方針を踏まえ、
(仮
称)市民図書館における資料収集の基本方針を、以下のとおり設定する。
(ア)市民の生涯学習と地域の発展を支えるため、多様なニーズにこたえる資料をバランス良く収集
する
・明石市の中央図書館として、子どもからお年寄りまでの幅広い市民の生涯学習を支えるため、
アンケート調査の結果を踏まえるとともに、既存の図書の状況を考慮し、それぞれの分野に
おける基本図書については、可能な限り収集する。
・市民の教養、調査研究、レクリエーション、職業生活、日常の生活に資する資料を収集する。
・地域の課題解決に役立つ資料(行政資料、専門資料等)を収集する。
1
・駅前立地ということから、これまで来館しにくかった高齢者や障害者の利用にも配慮した資
料を収集する。
(イ)明石市の情報拠点の核として、地域や地域産業等に関する資料を収集する
・明石の情報拠点として、明石の文化伝統や土地に由来したもの、現状及び変遷を記録した資
料(文書、写真等)を可能な限り収集する。
・市民への情報提供をするために明石市が作成している様々な冊子、パンフレット、チラシ等
も収集する。
・明石の地域産業に関する資料、明石にゆかりのある作家に関する資料や本等を収集する。
・インターネット上の情報や、外部データベースも活用できるようにする。
(ウ)他機関との連携をふまえた資料を収集する
・県立図書館や他の公共図書館、大学図書館、専門機関等と連携しながら、幅広く資料を収集
する。
・主に、江戸時代以前の文書や、写本等で文化的価値のある資料については、原物は明石市の
文化財担当部署が保存・管理し、図書館では、図書館として保存の必要のあるものについて、
デジタル化して保存し、原則的に公開する。
・同じビルの中に入居が予定されている(仮称)こども健やかひろば、(仮称)駅前ワンスト
ップ窓口、民間施設などと連携に配慮し、全館図書館構想を実現するため、効率的な資料収
集を行う。
(エ)時代を先取りするとともに、過去の貴重な資料も保存していく
・ICT社会の進展にあわせ、紙媒体の資料だけではなく、CDやDVD、電子書籍、電子媒
体等を収集する。
・過去の貴重な資料について、デジタル・アーカイブの作成、公開、保存にも取組む。
・10年、20年後にも価値を失わない資料の収集と将来の利用に備えた保存を図る。
(2) 資料の収集基準の考え方
ア 一般図書
○ 各分野にわたる資料について基本的な図書を中心に収集し、市民の利用に配慮し、必要に応
じた専門的な図書の収集にも努める。
○ 参考図書(百科事典、年鑑、図鑑、統計資料等)については、既存図書に留意し、必要な更
新と更なる充実を図る。
イ 児童図書
○ 子どもが図書や読書に興味を持ち、読書習慣とともに、言葉や感性、表現力、創造力、科学
的な考え方が身につくように、発達段階に応じた資料収集に努める。
ウ ティーンズ図書
○ 図書館を身近に感じてもらえるよう、中学生・高校生の関心の高い図書利用に配慮した図書
の収集に努める。
2
エ 高齢者・障がい者サービス資料
○ 図書館利用の障害を取り除くために、大活字本、点字図書、録音図書等の収集に配慮する。
○ 大活字本は、高齢者にとっても、読みやすい資料であることから、積極的に収集する。
オ ビジネス資料
○ 通勤者の利用の拡大に配慮し、経営、企画、生産性向上、起業、法律などの様々なビジネス
関連資料やキャリアアップにつながる資料等の収集に努める。
カ 電子書籍・電子閲覧資料
○ 電子書籍も収集し、技術動向、ニーズを見ながら貸出・閲覧方法を検討する。
○ 今後ますます進むと考えられるICT化に対応するとともに、図書館としての知識や記録保
存の目的に配慮し、地誌や歴史などを中心に、CD、DVDなどの映像資料、音声資料の適切
な収集を行う。
○ 主に、江戸時代以前の資料で明石市立図書館が収集、保存したものや、明石市の文化財担当
部署が保存・管理する資料のうち、図書館として資料価値があり、デジタル化して保存可能な
ものについては、デジタル・アーカイブ化を積極的に進める。
○ 明石市の行政資料、及び明石市に関連するインターネット上で公開された資料等についても
収集・保存する。
キ 逐次刊行物(新聞、雑誌等)
○ 新聞・雑誌等の逐次刊行物については、一般図書と同様、各分野にわたって幅広く収集する。
○ 新聞については、主要全国紙、地方紙を収集する。
ク 地域資料、行政資料
○ 明石市の歴史、文化、地理、民話、風俗、習慣、写真などの地域資料については、積極的、網
羅的に収集する。
○ 地域の観光にかかわるパンフレットやチラシ、地域コミュニティ紙などについても収集する。
○ 行政資料についても、明石にかかわる資料を中心に収集する。また、市のホームページで公
表された電子ファイルによる行政資料はすべて収集・保管する。
ケ 学校支援用資料
○ 調べ学習等、学校における教育活動の支援のため、学校図書館だけでは対応できない資料に
ついて、学校と連携を図りながら収集を図る。
コ 多文化資料
○ 日本の歴史や文化の理解に役立つ資料を収集する。
○ 市民の多文化理解に役立つ資料、国際理解に役立つ資料の収集についても配慮する。
○ 利用が想定される外国語資料の収集に配慮する。
サ 漫画
○ ストーリー漫画は、原則的に収集しないが、利用者からの要望がある場合は、検討する。
3
○ ストーリー漫画以外の、マンガで表現された資料については、市民の利用に配慮し収集を図
る。
(3) 参考資料
ア
現在の明石市立図書館資料収集方針
明石市立図書館資料収集方針
1.目的
この方針は、図書館法の精神に則り、明石市立図書館条例・規則に定められた業務等を
円滑に運営するため、資料の収集について以下のとおり定める。
2.基本方針
① 日本国憲法で保障された基本的人権のひとつである「知る自由」を市民に保障す
るため、市民の求める資料・情報は可能な限り提供する。
② 多様な、対立する意見のある問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広
く収集する。
③ 個人的な関心や偏見にとらわれることなく、また思想的、宗教的、党派的にかた
よることなく、公平に収集しなければならない。
④ 個人、組織、団体からの圧力や干渉に左右されることなく、あくまでも収集の自
由を堅持する。
⑤ 社会状況、利用状況や地域の状況を十分に考慮して、組織的、体系的に収集する。
3.収集資料の種類
収集する資料は、図書、雑誌、新聞、紙芝居、パンフレット類のほか、視聴覚資料、
点字資料等、多様な形態の資料を収集する。
4.資料選定方法
① 資料の選定は、図書館員の合議によって行い、図書館長が決定する。
② 選定の基準は別に定める。
5.留意点
① 本収集方針については、広く市民の理解と協力を得るように努める。
② 常に新鮮で魅力ある蔵書とするため、適宜資料の除籍、更新を行う。
(除籍、更新の基準は別に定める)
③ 県立図書館と隣接するところから、県立との収集分担を考慮する。
④ 自館で提供できない資料については、図書館間の相互協力などの手段によって提供する
よう努める。
⑤ 寄贈資料の受入れは、本方針に従う。
⑥ 本方針により収集された資料が、どのような思想や主張をもっていようとも、それが図
書館
および図書館員が支持することを意味するものではない。
4
イ
現在の明石市立図書館資料選定基準
明石市立図書館資料選定基準
1.一般基準
① 内容はもちろんのこと、その他書誌内容や資料形態、著者、発行所等をもよく検討
すること。
② 書き込むことや切り取ること、組み立てることを目的とした資料や著しく破損しや
すい資料等、管理に難しい資料は収集しない。
③ 利用者からリクエストされた場合でも、高価(概ね1万円以上)な資料や高度、特殊な
専門的資料で利用があまり見込めないような資料は購入しない。
④ 利用頻度が高いと見込まれる資料や予約待ちの多い資料は、適宜複数を購入する。
⑤ 汚損、破損等による廃棄資料や不明資料の補充を適宜行う。
⑥ 全集、年鑑類等の継続性のある資料については、欠巻が生じないよう常に留意する。
⑦ 変化の著しい主題については、常に新しい資料を収集する。
⑧ 入門的、概説的な資料は、各分野にわたって収集する。
⑨ 移動図書館資料は、小説等の読み物や実用書、児童書等の良く利用される資料を中心に
収集し、移動図書館であまり利用の見込めない資料がリクエストされた場合は、本館で
対応する。
2.資料別基準
① 明石に関する資料、明石市出身及び在住者の著作、明石市が発行する行政資料は
郷土資料として可能な限り収集する。
② 辞典、事典、年鑑等の参考資料(レファレンス・ブック)は、市民からの様々な
調査相談に対応できるように、各主題にわたって収集する。
③ 学習参考書、試験問題集、テキスト類は収集しない。
④ 外国語資料、ストーリー漫画は原則として購入しないが、市民からの要望があれ
ば検討する。
⑤ 雑誌は各主題にわたって収集する。
⑥ 新聞は全国主要紙を中心に適宜地方紙、専門紙及び児童用も収集するが、縮刷版は収集
しない。
⑦ 官報は収集する。
⑧ 1枚ものの楽譜は収集しない。
⑨ 古文書は原則として収集しない。
⑩ 児童書は特に、内容、表現、構成、形態、著者、編者、訳者、画家、出版社等の
事項に留意して選択する。
5
ウ
電子書籍の収集について
電子書籍サービスを実施している日本の公共図書館は、現在はまだ少なく、実施している図書
館の事例としては、以下のとおりである。
図書館名
導入年
概要・特徴
千代田区立図書館
2007年 ・出版社44社から電子書籍の提供を受けサービスを開始
・コンテンツ数は約5600タイトル(平成24年10月現在)
・電子図書がインターネットを通じ、貸出・返却(5冊まで)
を可能とし、自宅等のパソコンで24時間365日利用可能
・貸出は、千代田区在宅・在勤・在学者が対象。なお、館内で
あれば一般利用者も閲覧が可能
・平成24年4月からiOS(iPad)に対応(約1,000タイトル)
下関市立図書館
2010年 ・EBSCOのNetLibrary、ラティオの電子図鑑等を提供
・平成24年10月現在和文300タイトル(主に歴史関連書籍)、英
文3,000タイトルを提供
・館内専用端末での利用が原則だが、NetLibraryのみ事前登録
で自宅での閲覧・印刷が可能
堺市立図書館
2011年 ・(堺市立図書館所蔵の電子書籍1,836タイトル(ビジネス支援
資料204タイトル、語学学習資料143タイトル、文芸書等1,355
タイトル、その他134タイトル(平成24年10月現在))の貸出
・平成24年4月からタブレット(iPad)による閲覧が可能とな
り、利用者が急増
有田川町立図書館
2011年 ・クラウド型電子図書館
・小説、郷土資料等パソコン対応約1,000タイトル、タブレット
対応約100タイトルを提供
萩市立図書館
2011年 ・平成24年10月現在、資格試験用問題集や語学学習用テキスト、
文学等を中心に1,755タイトルを提供
・iPadなどのタブレット対応のほか、将来的には、スマートフ
ォンなどの携帯電話端末機にも対応予定
・AudioBookも対応
武雄市立図書館
2011年 ・市広報誌を含む約200冊を提供
・タブレット(iPad)による閲覧が可能。iPadの貸出も行う。
・平成24年7月から、iPhone等iOS端末でも利用可能
徳島市立図書館
2012年 ・平成24年10月現在698タイトル(主に古典文学)を提供
・貸出冊数3冊、期間15日間で館外からの利用が中心
・新図書館の移転に併せて電子書籍サービスの提供を開始
大阪市立図書館
2012年 ・パソコンからの閲覧のみ(貸出サービスは行っていない)
館外からの閲覧も可能
・平成24年10月現在和文650(主に国史大系)、英文3,500タイ
トルを提供
(資料)各市ホームページ、カレントアウェアネス・ポータル、立命館大学大学院先端総合学術研
究科「バリアフリー電子出版情報室」などより
生駒市立図書館(2005~2008年)は、先進的に電子書籍サービスを開始したものの、ベンダー
のサービス撤退などを理由にサービスを終了したというケースもある。
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