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「アクセスと提供に関するパートナーシップ」プロジェクト概要
アクセスと提供に関する パートナーシップ 結核、マラリア、NTDsのための新規医療技術 プロジェクト概要 2016年1月 国連開発計画(UNDP)主導による「新規医療技術のアクセスと提供 に関するパートナーシップ(ADP)」は、低中所得国(LMICs)に対し、 結核(TB)、マラリア、顧みられない熱帯病(NTDs)の新規医療技術 のアクセスと提供の効果的推進に必要なシステムとプロセス開発の 技術的専門スキル及び知識を提供することに重点を置いています。 ADPは日本政府の拠出金により実施されています。 1 2 革新的なアプローチ 結核、マラリア、 顧みられない熱帯病(NTDs) 結核(TB)、マラリア、顧みられない熱帯病(NTDs)の医療技術に関するイノベ ーション不足に取り組む重要なイニシアティブが発足している一方、人々の健 康にプラスの成果をもたらすためには、低中所得国(LMICs)のコミュニティや 医療制度が新規医療技術を効果的に導入する体制にならなければなりませ ん。新規医療技術の導入に必要不可欠な要素は、導入を可能にする政策と規 制の枠組み、積極的な安全監視、効率的な価格設定、供給および提供のシス テムなどが挙げられます。 結核(TB)、マラリア、NTDsは貧困と不平等が生み出す病で、低中所得国(LMICs) の貧困層や社会の主流から取り残された人々に不均衡な影響を及ぼしています。 結核は世界で最も死者を多く出している感染症のひとつです。 2014年には、960万人が結核を発症し、150万人が死亡したと 推定されています。 マラリアはサハラ以南アフリカで5歳未満の幼児の最大の 死因となっています。2014年には、全世界で33億人 がマラリアのリスクにさらされました。症例は2億 1400万件、死者は43万8000人と推定されて います。 臨床試験登録 14万8445件の うち、NTDsに 関するものは 1% 新規に承認された 化学成分366件のうち、 顧みられない病気に 関するものは 1% 2000~2011 新規に登録された850の治療薬のうち、 顧みられない病気に関するものは 4% 2012年には19億人が少なくとも1つの NTDへの予防目的の化学療法を必 要とすると推定されており、これは障 害調整生命年(DALYs)にすると、 少なくとも2600万年の疾病負担に 相当します。 症例 960 万件 日本政府は、結核、マラリア、NTDsと戦うため、二本の柱から成る革新的なア プローチを主導してきました。 • グローバルヘルス技術振興(GHIT)基金は、日本政府とビル& メリンダ・ゲイツ財団、日本の製薬企業による共同出資 によって設立された官民パートナーシップです。結 核、マラリア、NTDsのための新規医療技術の発 見と開発の促進を目的としています。 症例 2億1400 万件 • 新規医療技術のアクセスと提供に関する パートナーシップ(ADP)は国連開発計画 (UNDP)、熱帯病医学特別研究訓練プロ グラム(TDR)、イノベーションによる国際 保健を推進する非営利団体「PATH」と の協業により成り立っているプロジェク トです。ADPは低中所得国が結核、マ ラリア、NTDsのための新規医療技術 へ公平なアクセスを確保し、持続可能 な提供ができるよう能力強化を図ること を目的としています。 19億人 にリスク 人間開発と持続可能な開発に重大な影響を及ぼ すにもかかわらず、これらの病気のために利用で きる新規医療技術は比較的限られています。現在 使用されている結核、マラリア、NTDの治療薬の多 くは時代遅れで、効果がありません。 3 このアプローチは、結核、マラリア、NTDs対 策に対し幅広い体系的アプローチを求め、医 療制度の強化とユニバーサル・ヘルス・カバレ ッジ(UHC)の重要性を強調した持続可能な開発 目標(SDGs)の目標3に呼応するものです。 新医療技術への アクセスと提供の 調達と サプライチェーン 新規医療技術のアクセスと提供に関するパートナーシップ(ADP)のプロジェクト・パートナーは、ガーナ、インドネシア、タンザニアの3か国をプロジェクト重点国に掲げました。ADPはテクニ カルパートナーであるタイとも連携し、公衆衛生分野における豊富な経験を生かして、重点国との技術交流の促進を図っています。以下はADPの主要なプロジェクト成果を示すものです。 ADPは、30万人を超える多剤耐性結核(MDR-TB)患者の治療ギャップを埋める取り組み の一環として、MDR-TBの新たな治療薬ベダキリンの導入を支援しました。また、ADPは 保健省と連携し、最もコストパフォーマンスの高い医療技術の選択と公平な医療を確実に するため、試験的な医療技術評価も実施しました。 ガーナ ADPは保健省と連携し、国家薬事政策(NMP)の効果的な実施に向けた活動の優先順位 づけと策定を行う部門横断的な取り組みを支援しました。NMPは、ガーナのユニバーサ ル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現と公平な医療へのアクセスを確保するという政府の公 約を示したものです。 6 科学的根拠に基づく 資源配分 ADPの主な成果 インドネシア 政策と法律の 枠組み整備 戦略的な情報と 科学的根拠の収集 タンザニア ADPは、サプライチェーン管理の強化と総額1億8000万米ドルに上る顧みられない熱帯 病(NTDs)治療プログラムの効率化を通じ、感染症のリスクにある4300万人に予防目的 の化学療法を提供する全国規模の集団投薬キャンペーンを支援しました。 タイ ADPはタイの政策立案者と技術専門家の知見を生かし、医療技術評価(HTA)と医療技 術へのアクセス改善に向けた政策・法律環境の整備を中心とする、保健ガバナンス重 点項目における南南協力の機会を提供しました。 疫学調査 つの道筋 安全性監視と薬剤監視 パートナー 日本政府 日本政府と国連開発計画(UNDP)は、結核(TB)、マラリア、 顧みられない熱帯病(NTDs)のための医療技術の研究開発 とアクセスと提供を促進する戦略的パートナーシップを築いて います。 From the People of Japan 国連開発計画(UNDP) UNDPは人々の生活改善に役立つための知識、経験、資源 を各国につなぎ、変革を提唱する国連のグローバル開発ネッ トワークです。私たちは170以上の国・地域に活動拠点を置い ており、世界的・国内的な開発課題について、各国が独自の 解決策を見出せるよう取り組んでいます。能力強化に関して は、UNDPの人材と多分野に渡るパートナーが各国の能力向 上を支援しています。 For research on diseases of poverty UNICEF • UNDP • World Bank • WHO 熱帯病医学特別研究訓練プログラム(TDR) TDRは貧困層の人々の脅威である疾患と戦うための様々な取 り組みの調整・支援、またその取り組み自体に影響を与えるグ ローバルな科学的連携プログラムです。TDRは世界保健機関 (WHO)内に本部を置き、国連児童基金(UNICEF)、UNDP、 世界銀行、WHOからの拠出金により成り立っています。 PATH PATHは、特に女性と子どもの命を救い、健康を増進するため の画期的なイノベーションを推進する国際非政府組織(NGO) です。PATHは、起業家的な知見、科学と公衆衛生の専門能 力、さらには健康面での公平性を求める熱意を活用し、ワクチ ン、薬剤、診断法、機器、制度とサービスのイノベーションとい う5つの基本分野でイノベーションを加速しています。 Design by Inis Communication www.iniscommunication.com | Illustration by Benya Rattanawichai 「新規医療技術のアクセスと提供に関するパートナーシップ(ADP)」についてさらに詳しくは、下記 にお問い合わせください。 Tenu Avafia Team Leader: Law, Human Rights and Treatment Access HIV, Health and Development Team United Nations Development Programme 304 East 45th Street, FF-10108B New York, NY 10017 tenu.avafi[email protected] Cecilia Oh Programme Advisor Access and Delivery Partnership HIV, Health and Development Team UNDP Bangkok Regional Hub 3rd Floor UN Service Building Rajdamnern Nok Avenue Bangkok, Thailand [email protected] Mami Yoshimura (吉村麻美) Programme Specialist: Law, Human Rights and Treatment Access HIV, Health and Development Team United Nations Development Programme 304 East 45th Street, FF-10114A New York, NY 10017 [email protected] www.undp.org www.adphealth.org Follow @ADP_health © UNDP 2016. All rights reserved.