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浮体による波エネルギー吸収理論概説

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浮体による波エネルギー吸収理論概説
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
13
ᾋయ࡟ࡼࡿἼ࢚ࢿࣝࢠ࣮྾཰⌮ㄽᴫㄝ
኱ᯇ 㔜㞝㸨
On the Theory of Wave Energy Absorption by Floating Body
by
Shigeo OHMATSU
Abstract
This paper deals with the fundamental theory on absorbing energy from ocean waves using
oscillating floating body. Wave energy absorption phenomena are analyzed from three points of
view i.e. pressures acting on the floating body, forces acting on the body and the wave field far
from the body. All these analysis gives same results. But considerations from different points will
be helpful for deep understanding of hydrodynamic phenomena.
Through these studies, the maximum wave energy absorption coefficient and the features of
wave fields at that time are derived. And also the wave drifting forces acting on the wave energy
absorbing floating body are shown for the cases of two dimension and three dimension.
㸨 ௻⏬㒊
ཎ ✏ ཷ ௜ ᖹ ᡂ 25 ᖺ 1 ᭶ 29 ᪥
ᑂ ᰝ ᪥ ᖹ ᡂ 25 ᖺ 6 ᭶ 3 ᪥ (13)
14
目
次
1.まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
2.問題の定式化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
3.波エネルギー吸収効率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
3.1 浮体に働く圧力がなす仕事からの考察・・16
3.2 浮体に働く力がなす仕事からの考察・・・・22
3.3 波浪場からの考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
4. 浮体に働く漂流力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
5.まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
付録
運動量保存則およびエネルギー保存則
記
号
a :入射波の振幅
Ch : 水 深 影 響 係 数
d :波エネルギー吸収装置の減衰係数
D :水深影響係数
Fx , Fy
:
x 方向、 y 方向の漂流力
H d : Diffrac tion
H j : Radiation
potential の Koch in 関 数
potential の Koch in 関 数
k :波エネルギー吸収装置の復原力係数
K :波数
l j : j モードの動揺振幅(複素数)
P :流体の圧力 p S v'
vt
Vg :波の群速度
I : 自由表面上昇量 I 1 v'
g vt
z 0
I max :最大波エネルギー吸収効率
1.まえがき
自然エネルギーの一つとして、波エネルギーを
発電に利用する試みは以前から行われている。地
球環境保全の観点から、波浪エネルギー利用も今
後ますます重要になるであろう。
本論文では、浮体になんらかの装置を取り付け、
波浪中で動揺を制御することによって波のエネ
ルギーを吸収する現象について概説する。本論文
は波エネルギー吸収装置の機構そのものについ
て論ずるのではなく、系全体からみて、波エネル
ギーを吸収するとはどのような現象なのか、どの
ようなときに最適な吸収効率が得られるのか、そ
のとき浮体周りの波浪場はどうなるのかなど、を
論ずるものである。
その際、以下の 3 つの視点から考察する。すな
わち、吸収される波エネルギーは流体が浮体に対
してなす仕事に等しいと考え、1)流体圧が浮体に
なす仕事を見積もる方法、2)流体力が浮体になす
仕事を見積もる方法、もうひとつは、3)浮体遠方
の波のエネルギー収支より見積もる方法、である。
これらにより、それぞれ得られる最大エネルギ
ー吸収効率などが導かれるが、当然のことながら
同じ結果となる。しかしながら、視点を変えて同
じ現象を考察することで、より一層理解が深まる
であろう。
また、浮体が波エネルギーを吸収している場合、
吸収していない場合の、浮体に働く漂流力につい
てもまとめて示しておくことにする。
ここで述べる事柄に、著者の得た新しい知見と
い う も の は 含 ま れ て い な い 。 本 論 文 は 別 所 1 )、
Newman 2 )、Evans 3 )、前田等 4 )、先達の研究成
果を著者の理解で整理・解説したものである。そ
して式の導出に当たっては、できるだけ丁寧に、
煩雑さをいとわずに記述することにした。
なお、本論における解析には、著者が以前に著
した解説論文「浮体の動揺理論における流体力の
関係について」5 )の関係式が頻繁に引用される。
読者には、本論文を手元において読まれることを
お薦めする。この論文より引用される式番号には
(a1)のように”a”を付けることにする。
X :周期的流体現象の周波数
' 0 ,G0 ,K 0 : 入 射 波 の 速 度 ポ テ ン シ ャ ル
' d , Gd ,K d : Diffrac tion 速 度 ポ テ ン シ ャ ル
' j ,G j ,K j : Radiation
G1
:
Gd ¥G j
j
(14)
速度ポテンシャル
2. 問題の定式化
図‐1 のよう
に、波浪中の浮
spring
damper
体に、なんらか
の波エネルギー
吸収装置を施し、
浮体の動揺によ
図-1 波エネルギー吸収装置
り波のエネルギー
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
を吸収することを考える。ここで扱う流場では以
下の仮定をおく。
1)水深は 有限 で一定。(無限水深の結果はこれよ
り簡単に導かれる。)
2)流体は非粘性、非回転であるとして速度ポテン
シャルを導入する。また、入射波、動揺振幅と
もに線形理論で扱える程度に小さいとする。
3)すべての現象は周期的である、すなわち規則波
中の現象であるとし、時間項を e iXt とする。
の実根で与えられる。
ま た 、 下 式 で 与 え ら れ る D および Ch を水深
影響係数と呼ぶことにする。
y
0
(2.5)
D と Ch は D Ch — tanh Kh の 関 係 に あ る 。
x
C
H
Vg g / 2X t D あるいは X / 2 K t Ch
(
n
と表される。
無限水深の場合は下記のようになる。
cosh K ( z h )
n e Kz
cosh Kh
D n 1 , Ch n 1
K X2 / g ,
図-2 座標系
ま た 適 宜 、x R cosR , y R sin R なる ( R,R ) 系を
用いる。
こ の よ う な 仮 定 の も と 、浮 体 周 り の 流 場 を
表 現 す る の で あ る が 、そ れ は 以 下 の 3 つ の 流
場の線形和で表されるとする。
1) 入 射 波 の 流 場
2) 入 射 波 が 固 定 さ れ た 浮 体 に 当 た っ て 、反 射
されることによって作られる流場
3) 波 の な い 静 水 中 で 、浮 体 が 周 期 的 に 動 揺 す
ることによって作られる周場
こ こ で 、1) 入 射 波 の 速 度 ポ テ ン シ ャ ル を 以
下のように表す。
'
d
© iga
¸
K d ( P ; C ) e iX t ¹
( P , t ) Re ª
« X
º
>
(2. 9)
(2.1)
こ こ で l はjモードの動揺の複素振幅である。
j
次 に 、 diffraction 流 場 、 radiation 流 場 そ
ここで
cosh K ( z h ) iK ( x cos
e
cosh Kh
(2.8)
3) の 流 場 を radiation 流 場 と 呼 び 、 そ の 流 場
を 表 す 速 度 ポ テ ン シ ャ ル r adiation
potential を 以 下 の よ う に 表 す 。
<
© iga
¸
' 0 ( P , t ) Re ª
K 0 ( P ; C ) e iX t ¹
« X
º
(2. 7)
2) の 流 場 を diffr action 流 場 と 呼 び 、 そ の 流
場 を 表 す 速 度 ポ テ ン シ ャ ル diffr action
potential を 以 下 の よ う に 表 す 。
' j ( P , t ) Re i X l j K j ( P ) e i X t
C y sin C )
(2.2)
a は入射波の振幅、 C は入射波の進行方向である。
K は波数で、有限水深の場合は
( 2. 6)
n
h
B
K 0 (P;C ) (2.4)
これらを使うと有限水深波の群速度は
F
(
2
© cosh K ( z h ) ¸
± h ª« cosh Kh ¹º dz
tanh Kh Kh / cosh 2 Kh
D z 2K
C h z 1 2 Kh / sinh 2 Kh
座標系を図-2 のように定める。
n
(2.3)
h Kh tanh Kh
g
4)浮体の前進速あるいは流れはないものとする。
z
2
X
15
れ ぞ れ の 遠 方 に お け る 振 る 舞 い を 表 す 、い わ
ゆ る Kochin 関 数 を 以 下 の よ う に 定 義 す る 。
Diffr action potential の Kochin 関 数
H d (R ) 1
D
±±
H
v »
¬ vK d
Kd
¼ K 0 ( R Q ) dS
­
vn ½
® vn
(2.10)
(15)
16
Radiation potential の Kochin 関数
H j (R ) 1
D
±±
H
¬ vK j
K
­
® vn
v
vn
j
©
¸
' ( t ) Re G e i X t Re ª ( G 0 G d ¥ G j ) e i X t ¹
j
«
º
¬ iga
»
iga
K0 K d i X ¥ l jK j ¼ e iX t
Re ­
X
X
j
®
½
<
»
¼ K 0 ( R Q ) dS
½
>
(2.11)
こ の Kochin 関 数 を 用 い る と 、 遠 方 に お け
る 速 度 ポ テ ン シ ャ ル 、波 高 I が 以 下 の よ う に
表される。
2D
Diffr action
Kd
I
x n qe
x n qe
cosh K ( z h )  iKx
e
H
cosh Kh
i
iae
 iKx
H
q
d
q
d
(2. 12a, b)
Radiation
K
j
I
x n qe
x n qe
i
i
cosh K ( z h )  iKx
e
H
cosh Kh
X2
g
l j e  iKx H
q
j
I
Rn e
cosh K ( z h ) iKR
e
2Q R
cosh Kh
i
K
e iKR
2Q R
iQ / 4
iQ / 4
H d (R )
H d (R )
Radiation
I
Rn e
K
cosh K ( z h ) iKR
e
2Q R
cosh Kh
i
i
±±
C
P (t ) —
v'
( t ) ds
vn
(3.1)
<
K
ia
j Rn e
dE
dt
ここで、
(2.14a,b)
K
3.波エネルギー吸収効率
3.1 浮体に働く圧力がなす仕事からの考察
浮体の波エネルギー吸収装置によって吸収され
るエネルギーは、流体が浮体になした仕事に等し
いと考える。すなわちここでは吸収装置のロスは
ないものとし、変換効率は 100 %とする。
仕事は力×距離であるから、単位時間当たりの
仕事は、力×速度の時間平均で表される。すなわ
ち、流体圧にその方向の速度を乗じて表面積分を
行うことにより、仕事の時間平均を以下のように
表すことができる。
q
3D
Diffr action
Rne
と表される。
これらの表記を用いて、波エネルギー吸収効率
や波浪場、漂流力などの考察を行うことにする。
j
(2. 13a, b)
( 複 号 の 上 段 は x n e 、下 段 は x n e に 対 応 )
Kd
(2.16)
X
g
2
lj
K
e iKR
2Q R
iQ / 4
H j (R )
したがって、
dE
1
S ±± ds
C
dt
T
iQ / 4
H j (R )
iSX
4
±
T
0
¸
© vG
Re iXGe iXt Re ª e iXt ¹ dt
º
« vn
<
>
¦ vG *
* vG µ
±±C §§¨ G vn G vn ¶¶·ds
(3.3)
(2. 15a, b)
以 上 、こ の 節 で 述 べ た 表 記 は 文 献 5) に お け
る定式化に倣ったものとなっている。
こうして、浮体周りの流場全体は
(16)
>
<
流体の速度ポテンシャ ル ' ( t ) Re Ge iXt
v' ( t )
S Re iXGe iXt
流体の変動圧力 P ( t ) S
vt
(3.2)
上付きのバーは時間平均を表す。
ここで、以下の公式を用いた。
( * は複素共役であることを示す。)
>
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
<
> <
>
Re Ae iXt Re Be iXt 1
T
±
T
0
<
> <
ここで、文献 5) の (a21)(a22)(a23) 式を参考にす
ると、
>
Re Ae iXt Re Be iXt dt
1 T
± A r cos Xt Ai sin Xt — B r cos Xt B i sin Xt dt
T 0
1
1
A r B r Ai B i AB * A* B
2
4
<
><
<
>
>
<
17
>
(3.4)
(3.3) 式の積分を評価するにあたり、 (2.16) 式に
示したように速度ポテンシャルを以下のように分
離して表現しておこう。
¦ Dga *
µ
\H (0) H (0)^
§
¶
§ X
¶
iD\H (0) H * (0) H (Q ) H * (Q )^ ¶
dE
iSX §
t§
¶
4 §
dt
for 2 D ¶
§
¶
iDK 2Q
H (R ) H * (R )dR for 3D ¶
§
±
0
2Q
¨
·
(3.7)
と表される。ここで
G
iga
X
iga
K 0 ( 0) X
K d (0) ¥ iXl j K j
j
(3.5)
ここで、右辺第 1 項が入射波、第 2 項が diffraction 、
第 3 項が radiation による速度ポテンシャルを表
す。かっこの (0) は入射波の方向が 0 であることを
示す。入射波の方向を 0 と決めても、以下の議論
が一般性を失うことはないであろう。
(3.3) 式に (3.5) 式を代入すると、
H (R ) z
ga
X
(3.8)
H d (0,R ) ¥ Xl j H j (R )
j
こうして、 (3.8) を (3.7) に代入して整理する。
2D の場合
Kochin 関数を (2.12)(2.13) のように定義したが、
ここでは 3D との整合のため、
H d z H d (0,0) , H d z H d (0, Q )
¦ iga
µ
dE
iSX
iga
§
K0 K ¥ iXl j K j ¶¶
X d
4 ±±C §¨ X
dt
j
·
µ
v ¦ iga * iga *
§
K0 K ¥ iXl j K j * ¶¶
X d
vn §¨ X
j
·
t
¦ iga * iga *
µ
K0 K d ¥ iXl j K j * ¶¶
§§
X
j
¨ X
·
t
µ
v ¦ iga
iga
§
K0 K ¥ iXl j K j ¶¶ds
X d
vn §¨ X
j
·
¦ ga
µ
iSX
ga
§ K0 K d ¥ Xl j K j ¶¶
±±
§
4 C¨ X
X
j
·
t
µ
v ¦ ga * ga *
§ K0 K ¥ Xl j K j * ¶¶
vn §¨ X
X d
j
·
¦ ga * ga *
µ
§§ K 0 K d ¥ Xl j K j * ¶¶
X
X
j
¨
·
µ
v ¦ ga
ga
t §§ K 0 K d ¥ Xl j K j ¶¶ds
vn ¨ X
X
j
·
iSX
¦ ga
µ v ¦ ga *
*µ
§ K0 Z ¶ § K 0 Z ¶
v
X
n
4 ±±C ¨ X
· ¨
·
¦ ga *
µ v ¦ ga
µ
§ K 0 Z * ¶ § K 0 Z ¶ds
¨X
· vn ¨ X
·
と書ける。ここで Z z
ga
X
(3.6)
K d ¥ X l jK j と置いた。
H j z H j (0) , H j z H j (Q )
と記述することにする。
¦ Dga
µ
\ 2i Im<H (0)>^
¶
dE
iSX §
t§ X
¶
dt
4 §
iD\H (0) H * (0) H (Q ) H * (Q )^¶·
¨
SgaD
2
© ga
¸
Im ª H d (0,0) ¥ Xl j H j (0)¹
X
j
«
º
2
¸
© ga
ª
H d (0,0) ¥ Xl j H j (0) ¹
¹
j
SXD ª X
ª
2¹
4 ª ga
¹
ª X H d (0, Q ) ¥ Xl j H j (Q ) ¹
j
º
«
(3.9)
ここで、 (a39) 式を考慮すると
1
*
H d ( 0,0) H d ( 0,0)
2i
1
*
*
H d ( 0,0) H d ( 0,0) H d ( 0, Q ) H d ( 0, Q )
2
Im( H d ( 0,0) <
<
>
>
(3.10)
ゆえに
j
(17)
18
ρgaD
⎡ ga
⎤
Im ⎢ H d (0,0)⎥
2
⎣ω
⎦
ρg 2 a 2 D
*
*
H d (0,0) H d (0,0) + H d (0, π ) H d ( 0, π )
=
4ω
−
[
=−
]
ρgaD
2
ρωDK
−
8π
(3.11)
⎡ ga
⎤
Im ⎢ H d (0,0) + ∑ ωl j H j (0)⎥
ω
j
⎣
⎦
2π
ga
0
ω
∫
2
H d (0,θ ) + ∑ ωl j H j (θ ) dθ
j
(3.15)
2
࡜࡞ࡗ࡚ࠊࡇࡢ㡯ࡣࠊ(3.9) ᘧ 2 ⾜┠ࡢ H d ( 0,0) ࡜
ࡇࡇ࡛ࠊ (a46) ᘧࢆ⪃៖ࡍࡿ࡜
2
H d (0, π ) ࡢ㡯࡜ᡴࡕᾘࡋྜ࠺ࠋ
(3.9) ᘧ 2 ⾜┠ࡢ㒊ศ࡛ࠊ(a49a) ᘧࢆ⪃៖ࡍࡿ࡜ࠊ
Im( H d ( 0,0) = −
ga
ω
+
H d ( 0,0) ∑ ωl j H j ( 0) +
*
*
j
ga
ω
ga
ω
H d ( 0, π ) ∑ ωl j H j (π ) +
*
*
[
[(l
*
*
j
]
H d ( 0,0) ∑ ωl j H j ( 0)
*
j
ga
ω
H d ( 0, π ) ∑ ωl j H j (π )
j
= iga ∑
j
j
j
[
j
) (
*
*
*
*
H j (π ) − l j H j (π ) − l j H j ( 0) − l j H j ( 0)
[
= −2 ga Im ∑ [l j H j ( 0) ]+ 2 ga Im ∑ l j H j (π )
j
j
*
]
)]
]
ࡺ࠼࡟ࠊ (3.9) ᘧ 1 ⾜┠ࡢ H j ( 0) ࡢ㒊ศ࡜㊊ࡋྜࢃ
ࡏࡿ࡜
ρgaD
2
(3.16)
ρgaD
⎡ ga
⎤
Im ⎢ H d (0,0)⎥
2
⎣ω
⎦
2 2
ρg a DK 2π
2
H d (0,θ ) dθ
=
8πω ∫0
−
࡜࡞ࡗ࡚ࠊࡇࡢ㡯ࡣࠊ(3.15) ᘧ 2 ⾜┠ࡢ H d ( 0, θ ) 2
ࡢ㡯࡜ᡴࡕᾘࡋྜ࠺ࠋ
(3.15) ᘧ 2 ⾜┠ࡢ㒊ศ࡛ࠊ (a49b) ᘧࢆ⪃៖ࡍࡿ
࡜ࠊ
2π
0
⎡
⎤
Im ⎢∑ ωl j H j (0)⎥
j
⎣
⎦
⎡ ga
⎤
ga
*
*
*
H d ( 0, θ ) ∑ ωl j H j (θ ) ⎥dθ
⎢ H d ( 0, θ ) ∑ ωl j H j (θ ) +
ω
ω
j
j
⎣
⎦
= ga ∑ l j
[
ρωD ⎡
[
2
H d ( 0, θ ) dθ
ࡺ࠼࡟
∫
]
⎤
*
⎢ − 2 ga Im ∑ [l j H j (0)]+ 2 ga Im ∑ l j H j (π ) ⎥
4 ⎣
j
j
⎦
ρgaωD
*
=−
Im ∑ l j H j (π )
2
j
−
2π
0
(3.17)
(3.12)
−
∫
*
= iga ∑ l j H j (π ) − H j ( 0) − iga ∑ l j H j (π ) − H j ( 0)
*
K
4π
]
(3.13)
j
=
*
∫
2π
0
2π
H d ( 0, θ ) H j (θ ) dθ + ga ∑ l j ∫ H d ( 0, θ ) * H j (θ ) dθ
*
0
j
[
]
[
i 2πga
i 2πga
∑j l j * H j (π ) − H j * (0) − K ∑j l j H j * (π ) − H j (0)
K
=−
[
4πga
4πga
*
Im ∑ [l j H j ( 0)] +
Im ∑ l j H j (π )
K
K
j
j
]
]
(3.18)
ࡺ࠼࡟ࠊ(3.15) ᘧ 1 ⾜┠ࡢ H j ( 0) ࡢ㒊ศ࡜㊊ࡋྜࢃ
ࡲ࡜ࡵࡿ࡜ࠊ
ࡏࡿ࡜
⎤
dE
ρgaωD ⎡
*
=−
Im ⎢ ∑ l j H j (π )⎥
2
dt
⎣ j
⎦
2
ρω D ⎡
⎢ ∑ l j H j ( 0) +
−
4 ⎢ j
⎣
3
3D ࡢሙྜ
⎤
∑j l j H j (π ) ⎥⎥
⎦
2
− ρgaD
Im
⎡ ωl H (0)⎤ ⎢∑ j j ⎥
2
⎣ j
⎦
⎤
ρωDK ⎡ 4πga
4πga
*
−
Im ∑ [l j H j (0)]+
Im ∑ l j H j (π ) ⎥
⎢−
K
K
8π ⎣
j
j
⎦
(3.14)
ρgaωD
*
=−
Im ∑ l j H j (π )
2
j
⎛ Dga
⎞
{− 2i Im[H (0)]}
⎟
⎜
dE
iρω ⎜ ω
⎟
=−
×
iDK 2π
dt
4 ⎜
⎟
*
(
θ
)
(
θ
)
θ
−
H
H
d
⎟
⎜
2π ∫0
⎝
⎠
(18)
[
[
]
ࡲ࡜ࡵࡿ࡜ࠊ
]
(3.19)
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
¸
dE
SgaXD ©
*
Im ª¥ l j H j (Q )¹
dt
2
º
« j
SX 3 DK
8Q
と置こう。こうすると
2
2Q
± ¥l H
j
0
j
(R ) dR
*
l j H j (Q ) i
j
(3.20)
したがって、 (3.14)(3.20) 式をまとめて
ª ¥ l j H j ( 0) ª« j
4
SX 3 DK
8Q
0
j
*
l j — H j (Q ) i H j (Q ) l j
2
¥l H
j
j
j
j
>
2
2
dE Sga XD
SX 3 D 2
H j (Q ) l j l j H j ( 0) H j (Q )
dt
2
4
(3.24)
¸
(Q ) ¹
¹º
for 2 D
ここで、b l j a l j 2 が最大になる l j は、l j b / 2 a であ
ることを考慮すると
2
2Q
± ¥l H
H j (Q )
<
2
SX 3 D ©
H j (Q )
(3.22)(3.23) より、
¸
SgaXD ©
dE
*
Im ª ¥ l j H j (Q )¹
dt
2
« j
º
19
(R ) dR
for 3D
j
lj (3.21)
ここで明らかなことは、流体が浮体になす仕事
には、diffraction ポテンシャルは関係しない、と
いうことである。 Radiation ポテンシャルと運動
の位相と振幅によって、仕事を見積もることがで
きる。
2
ga H j (Q )
<
2
X H j ( 0) H j (Q )
2
(3.25)
>
すなわち、
lj 次に、 (3.21) 式を用いて、 波エネルギー 吸収の
最適条件を考えてみよう。基本的な考え方は以下
の通りである。
2
<
igaH j (Q )
2
X H j ( 0) H j (Q )
2
(3.26)
>
としたときに、 dE / dt が最大となる。そのとき、
(3.25) を (3.24) に代入すると
2D 、 3D の場合ともに、 (3.21) 式の第 2 項はマ
イナスである。つまり、波エネルギー吸収は第 1
2
H j (Q )
dE
Sg 2 a 2 D
2
2
dt max
2X
H j ( 0) H j (Q )
項によってなされる。そこで、 l j (すなわち運動)
<
の位相を、 l j H j * (Q ) がマイナスの純虚数になるよ
うにしよう。そのあとで、 dE / dt が最大になるよ
うに l j を決定しよう。
2D 運動モードが一つの場合
(3.21) 式より、
>
<
そこで l j H j * (Q ) をマイナスの純虚数にするために、
l j i
H j (Q )
H j (Q )
lj
H j (Q )
Sg 2 a 2 D
2
2
4X
H j ( 0) H j (Q )
<
>
2
2
2
dE
Sga XD
SX 3 D 2
*
Im l j H j (Q ) l j H j ( 0) H j (Q )
dt
2
4
(3.22)
<
>
2
(3.23)
>
H j (Q )
Sg 2 a 2 D
2
2
4X
H j ( 0) H j (Q )
<
Sga 2Vg
2
H j (Q )
<H (0)
j
2
>
2
H j (Q )
2
>
(3.27)
が得られる。ここで
V gは波の群速度
V g ( g / 2X ) — D
(3.28)
(19)
20
2
振幅 a の 波の エ ネル ギ ーは 1 / 2 S ga で ある か ら、
1 / 2 Sga 2Vg は 単 位 時 間 に 流 入 し て く る 波 の エ ネ ル
ギーを表す。
したがって、最大吸収効率は
ここで、下の公式を用いた。
2
2
<
2
A B A B 2 A B
2
>
(3.33)
これより最適化を行う。前と同様に、
2
I max H j (Q )
dE / dt
2
2
2
1 / 2 Sga V g
H j (0) H j (Q )
<
>
(3.29)
ということがわかる。
すなわち、浮体の左右に出ていく波の大きさに
よって、最大吸収効率が決まることになる。左右
対称な浮体に よる最大吸収 効率は 50 %である。
H j ( 0) が小さいほど吸収効率が良い。H j ( 0) 0 の場
合 は 100 % と な る 。 し か し 、 (a50) 式 に よ る と 、
l3
について
l 3 i
位相
SgaXD
∴
2
H 3 ( 0)
l3
H 3 ( 0)
H 3 ( 0) l 3 (3.34)
SX 3 D
2
2
H 3 ( 0) l 3
2
(3.35)
これを最大にする振幅は
H j ( 0) 0 となるには、 T 0 である必要があるが、
浮体でそれを実現するのは不可能である。
l3 ∴
2D 運動モードが二つ以上の場合
ここでは左右対称な浮体を考えよう。この場合、
(a51)(a55) 式に示されているように、
Sway H 1 (0) H 1 (0) eiF 1 H 1 (Q ) H1 (0)
(3.30a)
Heave H 3 (0) H 3 (0) e
iF 3
H 3 (Q ) H 3 (0) (3.30b)
iF 5
H 5 (Q ) H 5 (0) (3.30c)
Roll H 5 (0) H 5 (0) e
ga
2X 2 H 3 ( 0)
l3 i
(3.31)
or F 1 F 5 q Q
Sga XD
dE
*
*
*
Im l1 H 1 (0) l3 H 3 ( 0) l5 H 5 ( 0)
2
dt
2
¸
SX 3 D © l1 H 1 ( 0) l3 H 3 ( 0) l5 H 5 (0)
¹
ª
2
4 ª l H ( 0) l H ( 0) l H ( 0) ¹
1 1
3 3
5 5
º
«
<
SgaXD
2
SX 3 D
2
<
*
*
*
2
l1 H 1 ( 0) l5 H 5 ( 0)
2
Im l3 H 3 ( 0) l1 H 1 (0) l5 H 5 ( 0)
<l H (0)
3
3
>
となるように調整する。このとき
l1 H 1( 0) l5 H 5(0) SX 3 D
2
2
l1 H 1(0) l5 H 5( 0) (3.39)
これを最大にする振幅は
ga
2X 2
(3.40)
これより
*
*
l1 H 1 (0) l5 H 5 ( 0) iga
2X 2
(3.41)
(3.30)(3.31) より
>
>
l1 H 1(0) e iF1 l5 H 5(0) e iF1 ( q iQ ) (3.32)
(20)
について
l1 H 1( 0) l5 H 5( 0) である。 (3.21) 式より
(3.37)
位相 l1 H 1* ( 0) l5 H 5* ( 0) i l1 H 1( 0) l5 H 5( 0)
(3.38)
2
F1 F 5
iga
H 3 ( 0)
ga
t
H 3 ( 0) 2X 2 H 3 ( 0) 2X 2 H 3* ( 0)
l1 and l5
SgaXD
ここで
(3.36)
iga
2X 2
(3.42)
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
両辺に t e i 2F1
これより最適化を行う。前と同様に、
n
l1 H 1(0) l5 H 5(0) (3.43)
iga H 1 ( 0)
—
2X 2 H 1* (0)
こ のと き 、 dE / dt は (3.32) に (3.37)(3.40) を 代 入
することにより、
l3
について
l 3 i
位相
SgaXD
∴
3
2
こうして、左右対称の浮体の場合は、 heave で
最大 50% 、 sway と roll (あるいはどちらか単独
でも)で最大 50% 、合わせて 100% の吸収が可能
である。
3D 運動モードが二つ以上の場合
ここでは軸対称な浮体を考えよう。この場合、
(a61)(a64) 式に示されているように、
4
2
H 3 ( 0) l 3
2
(3.50)
Sway
H 1 (R ) H 1 (0) cos R
(3.46a)
Heave
H 3 (R ) H 3 ( 0)
(3.46b)
(3.51)
X 2 K H 3 ( 0)
iga
ga
∴ l i H 3 ( 0) t
3
H 3 ( 0) X 2 K H 3 ( 0) X 2 KH 3* ( 0)
l1 and l5
*
l1 H 1 (0) l5 H 5 (0) i l1 H 1(0) l5 H 5(0)
(3.53)
となるように調整する。このとき
SgaXD
l1 H 1( 0) l5 H 5( 0) SX 3 DK
8
l1 H 1(0) l5 H 5( 0)
2
(3.54)
これを最大にする振幅は
l1 H 1( 0) l5 H 5( 0) (3.46c)
(3.47)
(3.52)
について
*
位相
2
H (R )
H 1 (R )
5*
*
H 1 (R ) H 5 (R )
SX 3 DK
ga
l3 (3.45)
H 5 (R ) H 5 ( 0) cos R
(3.49)
これを最大にする振幅は
(3.44)
= I max 100 %
H 3 ( 0)
l3
H 3 ( 0)
H 3 ( 0) l 3 2
2
dE
SgaXD ga SX D g a
......... ( l3 )
dt max
2
2X 2
2 4X 4
SgaXD ga SX 3 D g 2 a 2
......... (l1 , l5 )
2
2X 2
2 4X 4
Sg 2 a 2 D 1
Sga 2Vg
4X
2
Roll
21
2 ga
X2K
(3.55)
これより
*
*
l1 H 1 ( 0) l5 H 5 ( 0) i 2 ga
X2K
(3.56)
である。 (3.21) 式より
Sga XD
dE
*
*
*
Im l1H 1 ( 0) l3 H 3 ( 0) l5 H 5 ( 0)
dt
2
SX 3 DK 2Q
2
l1H 1 ( 0) cos R l3 H 3 ( 0) l5 H 5 (0) cos R dR
8Q ±0
<
SgaXD
2
SX 3 DK
8
>
Im l3 H 3 (0) l1 H 1 ( 0) l5 H 5 ( 0)
<
>
<2 l H (0)
>
3
*
*
2
l1 H 1 ( 0) l5 H 5 (0)
3
∵
±
*
2Q
0
dR 2Q ,
±
2Q
0
2
cos 2 RdR Q
(3.48)
こ の と き 、 dE / dt は (3.48) に (3.52)(3.55) を 代 入
することにより、
Sga XD ga
SX 3 DK g 2 a 2
dE
......... ( l3 )
2
2
4
X K
X4K 2
dt max
Sga XD 2 ga SX 3 DK 4 g 2 a 2
......... ( l1 , l5 )
2
8
X2K
X4K 2
Sg 2 a 2 D Sg 2 a 2 D
4XK
2XK
1 1
2 1
3 1
2
Sga Vg Sga 2Vg Sga 2Vg
K 2
K 2
K2
(3.57)
(21)
22
これはどういうことを意味するか?浮体の幅を
L とすると、幅 L の分の波エネルギー流入量は
L — (1 / 2) Sga 2V g であるので、 (3.57) をこれで除する
¬
»
¬
»
Fi ­¥ ±± p j ni ds ±± p S ni ds ¼e iXt z ­¥ Fij Ei ¼e iXt
C
C
j
j
®
½
®
½
(3.61)
と、
I max = I max
これは以下のようにも書ける。 (a30) 式参照。
1
2
3
KL KL KL
3M
M
M
2QL QL 2QL
(3.58)
ゆえに、軸対称の浮体の波エネルギー吸収効率
は、
heave で最大
M / 2QL
( L M / 2の場合は 1 / Q 30% 程度 )
»
¬
Fi ­¥ Fij Ei ¼e iXt z mijYj N ijY j Ei e iXt
½
® j
(3.62)
また、波エネルギー吸収装置の減衰力と復原力
を
sway と roll(あるいはどちらか単独でも)で最大
M / QL
( L M / 2の場合は 2 / Q 60% 程度 )
heave と sway, roll で最大
3M / 2QL
( L M / 2の場合は 3 / Q 100 % 程度 )
ということになる。浮体の幅
¦ d 1 0 0 0 .... µ
§
¶
§ 0 d 2 0 0 ..... ¶
,
d ij §
0 0 d 3 0 ..... ¶
§§
¶¶
¨ ........
·
¦ k1 0 0 0 .... µ
§
¶
§ 0 k 2 0 0 ..... ¶
k ij §
0 0 k 3 0 ..... ¶
§§
¶¶
¨ ........
·
(3.63)
L が小さい場合効率
100% 以上となるが、必要な運動振幅は大きくな
るであろう。
としよう。
(3.62)(3.63) を (3.59) に代入すると、運動方程式
は次のように書ける。
3.2 浮体に働く力がなす仕事からの考察
波エネルギー吸収装置を含む浮体の運動方程式
は以下のように表される。
M \Y^ N \Y^ C \Y ^ \E^e iXt
M ijYj Fi cijY j d ijY j kijY j
(3.64)
ここで
(3.59)
m12 ..... µ
¦ M 1 m11
§
¶
m21
M 2 m22 .... ¶,
§ ........
¶
¨
·
c12 ..... µ
¦ c11 k1
§
¶
C § c21 c22 k 2 .... ¶
§ ........
¶
¨
·
M §
ここで
Y j : 変位 l j e iXt
M ij : 慣性マトリックス
Fi : radiation and diffraction流体力
¦ d 1 N 11
§
N 21
§ ........
¨
N §
cij : 浮体および係留系の復 原力マトリックス
(3.65)
d ij : 波エネルギー吸収装置 の減衰力係数
一方、 (3.59) 式において、流体力
kij : 波エネルギー吸収装置 の復原力係数
(3.60)
ここで流体の圧力を ¥ p j e
iXt
p S e iXt とすると、
Fi に注目して
整理すると、以下のようにも書ける。
\Fi ^ <M >\Y^ <d >\Y^ C \Y ^
j
浮体に働く力は
ここで
(22)
N 12 ..... µ
¶
d 2 N 22 .... ¶,
¶
·
(3.66)
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
0 ..... µ
0 ..... µ
¦ d1
¦ M1
¶
§
¶
§
<M > § 0 M 2 .... ¶, <d > § 0 d 2 .... ¶
¶
§ ........
¶
§ ........
·
¨
·
¨
23
dE 1 T
± dt —¥ Re( M j Yj d jY j k jY j ¥ c jk Y k ) — Re( Y j )
dt
T 0
j
k
(3.67)
X2
2
¥d
j
2
lj
j
つまり
(3.73)
Fi M i Yi d i Yi k i Y i ¥ cij Y j
j
ここで明らかなことは、機械的に加えたダンパ
ーによってのみ、波エネルギーが吸収されるとい
うことである。
運動の振幅は (3.64) 式より
(3.68)
さて、流体が浮体になした仕事は
X 2 M \l j ^ iX N \l j ^ C \l j ^ \E j ^
dE 1 T
dt —¥ Re( Fi ) — Re( Yi )
dt T ±0
i
と書ける。ここで、
Y le iXt ,
(3.69)
= \l j ^
Fi に (3.68) を代入すると
Y iXle iXt ,
1 T
dt — Re( Y) — Re( Y )
T ±0
1 T
± dt — ( Xl r sin Xt Xl i cos Xt ) — ( l r cos Xt l i sin Xt ) 0
T 0
lj >
1 T
dt — Re( Y) — Re( Y)
T ±0
1 T
± dt — ( Xl r sin Xt Xl i cos Xt ) — ( X 2 )( l r cos Xt l i sin Xt ) 0
T 0
<
<(C ) X M iX N >
<(C
Ej
j
>
k j ) X 2 M j m jj iX d j N jj (3.75)
したがって、
>
1
dt — Re( Y ) — Re( Y )
T ±0
X 2 r2 i2 X 2 2
1 T
(l l ) ± dt — ( Xl r sin Xt Xl i cos Xt ) 2 l
2
2
T 0
T
<
(3.74)
j
次に最適化を考えよう。
簡単な場合で、連成項がない場合を考えよう。こ
のときは、
Y X 2 le iXt であるから
<
\E ^
2
>
(3.70)
dE X 2
dt
2
X
¥d
j
lj
2
j
dj Ej
2
2
¥ <\(C
j
2
k j ) X 2 M j m jj ^ X 2 d j N jj 2
j
2
>
(3.76)
ここでまず、
また、
1 T
1 T
dt — Re( Yi ) — Re( Y j ) ± dt — Re( Y j ) — Re( Y i )
T ±0
T 0
1 T
r
i
r
i
± dt — ( Xli sin Xt Xli cos Xt ) — ( l j cos Xt l j sin Xt )
T 0
1 T
r
i
r
i
± dt — ( Xl j sin Xt Xl j cos Xt ) — ( li cos Xt li sin Xt )
T 0
0
<
<
k j X 2 ( M j m jj ) C j
>
>
(3.71)
(3.77)
すなわち共振状態にしよう。このとき、
dE X 2
dt
2
dj Ej
¥ X d
j
2
N jj 2
2
j
(3.78)
より
cij c ji
このとき、dE / dt が最大になるのは d j N jj のとき
(3.72)
である。まとめると、
の場合は、
(23)
24
k j X 2 ( M j m jj ) C j »¯
¼
d j N jj
¯½
(3.79)
N jj SXDK
4Q
±
2Q
0
2
(3.86)
H j (R ) dR
(3.82)(3.86) を (3.80)(3.81) に代入すると
このとき
2
Ej
dE
1
¥
dt max 8 j N jj
lj ¦ X2
§
§ 2
¨
¥N
jj
j
dE
QS g 2 a 2 D
¥j
dt max
2XK
2µ
l j ¶¶
·
1
2Q
Sga 2V g —
K
2
(3.81)
i 2XN jj
±
2Q
2
¥
j
H j (Q )
±
2Q
2
H j (R ) dR
0
lj i 2Qga
X2K
H j (Q )
±
2Q
0
E j SgaDH j (Q )
(3.82)
(3.88)
2
H j (R ) dR
軸対称浮体の場合
Heave
である。そして、
2D の場合
(a34a) 式より
H j (R ) H j (0)
dE
1
2Q
Sga 2V g —
dt max 2
K
¥
j
H j (Q )
±
2Q
\H (0)
2
j
2
H j (Q )
2
^
(3.83)
2
2
H j (R ) dR
0
SXD
2
(3.87)
さてここで、 (a48) の Haskind の関係式より
N jj 2
H j (R ) dR
0
(3.80)
Ej
H j (Q )
1
2Q 1
Sga 2V g —
K 2Q
2
=I max 1
KL
(3.89)=(3.57)(3.58)
(3.82)(3.83) を (3.80) に代入すると
2
H j (Q )
2
lj i 2Qga
X2K
2
j
H j (Q )
2
2
H j ( 0) H j (Q )
2
2
H j (R ) dR
iga
X KH j * (0)
2
(3.90)=(3.52)
H j (Q )
1
Sga 2Vg ¥
2
2
2
j H ( 0) H (Q )
j
j
= I max ¥
±
0
2
dE
Sg a D
¥j
2
2
dt max
4X
H j ( 0) H j (Q )
H j (Q )
2Q
(3.84)=(3.29)
Sway or Roll
dE
1
2Q
Sga 2V g —
dt max 2
K
¥
j
H j (Q )
±
2Q
0
また、 (3.82)(3.83) を (3.81) に代入すると
H j (R ) H j (0) cos R
1
2Q 1
Sga 2V g —
K Q
2
2
2
H j (R ) dR
=I max 2
KL
(3.91)=(3.57)(3.58)
lj Ej
i 2XN jj
iga
X2
H j (Q )
2
H j ( 0) H j (Q )
lj 2
i 2Qga
X2K
H j (Q )
±
2Q
0
2
H j (R ) dR
i 2 ga
X 2 KH j * (0)
(3.92)=(3.56)
(3.85)=(3.26)
(3.84) は (3.29) と 等 し い 。 ま た (3.85) は (3.26) と
等しいことがわかる。
Heave + Sway or Roll
=I max 3D の場合
(a34b) 式より
の場合は
1
2
3
KL KL KL
(3.93)=(3.58)
こうして、前節と同じ結果が得られた。ここで
(24)
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
わかることは、最大の吸収効率を得る条件は、
付加するバネで共振状態とし、ダンパーは浮体の
波浪減衰と同じとすること、である。
3.3 波浪場からの考察
ここでは浮体から遠方に発散して行く波のエネ
ルギーから吸収効率を見積もることにする。
で は 、 あ る 周 波 数 X0 の と き に (3.79) 式 に よ り
2D の場合
浮体の左右における波浪場は以下のように表され
る。図- 3 参照。
k j , d j を定めた場合、他の周波数に対しては吸収効
率はどうなるであろうか?そのときの運動振幅は
(3.75) 式より
lj spring
Ej
<X M
2
0
j
25
β=0
>
m jj 0 X 2 M j m jj iX N jj 0 N jj damper
a
x
(3.94)
図-3
ことを示す。このときの dE / dt は (3.73) 式より
dE X 2
dt
2
¥N
lj
jj 0
2
¥
j
j
N jj 0 E j
\X M
2
^
2
2
0
j
2 次元浮体の反射波と透過波
2
2
X
aT1
aR1
ここで添え字の 0 は周波数 X0 のときの値である
m jj 0 X 2 M j m jj X 2 N jj 0 N jj 2
文献 5) に倣って、Diffraction による反射波と透
過波を R , T と書くことにする。 (a37) 参照。
Radiation による波を加えると、
(3.95)
反射波
(3.80) 式より
Ej
2
8 N jj
dE
(X )
dt max, j
dE
ここで、 dt
K j { iH j (Q )
max, j
(3.96)
cosh K ( z h ) iKx
e
cosh Kh
cosh K ( z h ) iKx iXt ¸
©
' j { Re ªiXl j ( i ) H j (Q )
e
¹º
cosh Kh
«
(X ) は周波数 X のときに j モードで
得られる最大の dE / dt を示す。(3.96) を (3.95) に代
©
I j { Re ª i
«
X2
¸
l j H j (Q )e iKx iXt ¹
g
º
入すると
= R1 R i
X2
ga
¥l H
j
j
(Q )
j
(3.98a)
dE
(X ) dt
4X 2 ¥
j
t
N jj 0 — N jj
\X M
2
0
j
透過波
^
2
m jj 0 X M j m jj X N jj 0 N jj 2
2
2
dE
(X )
dt max, j
(3.97)
K j { iH j ( 0)
cosh K ( z h ) iKx iXt ¸
©
' j { Re ªiXl j ( i ) H j ( 0)
e
¹º
cosh Kh
«
©
これにより、 X0 以外の周波数のときの dE / dt を
cosh K ( z h ) iKx
e
cosh Kh
I j { Re ª i
«
X2
¸
l j H j (0)e iKx iXt ¹
g
º
見積もることができる。
(25)
26
X2
¥l H
ga
= T1 T i
j
j
( 0)
H z
j
iX 2
*
l j H j (Q )
ga
(3.103)
(3.98b)
とすると
これを用いると、波エネルギー吸収効率は以下
のように表されるだろう。
H* 2
2
I 1 R1 T1
iX 2 *
l j H j (Q ) ,
ga *
X4
2
H 2
g a
(3.99)
2
= I 2 Re( H ) H
H j ( 0) H j (Q )
H j (Q )
(3.99) に (3.98) を代入すると
¦
¨
X2
¥l H
ga
j
j
j
¦
µ¦ * X 2
µ
X
*
*
§§ T i
l j H j (0) ¶¶§§ T i
¥
¥j l j H j (0) ¶¶
ga
ga
j
¨
·¨
·
(3.100)
ここで (a42) より、
2
1 R T 2
1
E
2
z
H j (0) H j (Q )
H j (Q )
iX
ga
¥l
*
j
2
1
(3.107)
E
2
I 2H r (H r H i )
であるから、まず
2
j
(3.106)
次に最適化を考える。
0
H j (Q ) (3.105)
2
2
2
I
2
と置くと
I 2 Re( H ) H
また (a50) を利用すると
2
2
ここで
µ¦ * X 2
µ
*
*
(Q ) ¶¶§§ R i
l j H j (Q ) ¶¶
¥
ga j
·¨
·
2
2
(3.104)
2
I 1 §§ R i
2
l j H j (Q )
2
iX
ga
¥l H
j
1
(3.108)
E
H i 0 とする。このとき
*
j
j
I 2H r H r
© ¥ l j H j (Q ) — ¥ l j * H j * (Q )¸
4
¹
X ª j
j
2 2ª
¹
*
*
g a ª ¥ l j H j ( 0) — ¥ l j H j ( 0) ¹
j
º
« j
2
1
(3.109)
E
r
この I を最大にする H は H r E である。このとき
(3.101)
I max E と表される。
1 つのモードの場合
X
4
g2 a
2
lj
2
<H (0)
j
2
H j (Q )
2
(26)
2
また、 H E であるから、 (3.103) 式より
>
(3.102)
ここで
H j (0) H j (Q )
2
iX *
iX
*
l j H j (Q ) l j H j (Q )
ga *
ga
2
2
(3.110)=(3.84)=(3.29)
2
I
H j (Q )
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
27
2
H j (Q )
iX 2
*
H z
l j H j (Q ) 2
2
ga
H j ( 0) H j (Q )
= lj igaH j (Q )
\
2
X 2 H j ( 0) H j (Q )
一方、 (3.99) 式より
2
I max 1 R1 T1 E ^
2
H j (Q )
2
2
H j ( 0) H j (Q )
そこで、 (3.116)(3.117) より R1 , T1 を求めると、
このときの波浪場は、 (3.98) に (3.111) を代入す
ることにより、
R1 2
H j (Q )
X
l j H j (Q ) R 2
2
ga
H j ( 0) H j (Q )
2
R1 R i
R *
H j (Q )
H j (Q ) H j (Q )
*
2
H j (Q ) H j (0) H j (Q )
2
R T1 H j (Q )
*
H j (Q )
X2
T l j H j ( 0) T ga
H j ( 0)
*
H j ( 0) H j (Q )
2
H j ( 0) H j (Q )
*
H j (Q ) H j (Q )
2
H j (Q ) H j (0) H j (Q )
2
T 2
H j ( 0) H j (Q )
2
H j (0) H j (Q )
*
T1 H j ( 0)
*
R H j (Q ) *
T H j ( 0) H j (Q )
H j (Q )
E
*
H j ( 0)
E
*
E 1 / 2 であるから、 (3.118) より
2
*
*
(3.112) と (a56) を用いると
H j (Q )
2
E 0
(3.114)
つまり、
T1 H j (Q )
R1 H j * ( 0)
H 3 (Q ) 1
*
H 3 (Q ) 2
1
1
1
( e i 2F 3 e i 2F1 ) e i 2F 3 e i 2F1
2
2
2
(3.120)
(3.115)
Sway
(or
Roll)
(3.115) より、 したがって
H j (Q )
T1
R1
H j ( 0)
T1 R1 R と表されることがわかる。
*
(3.119)
R1
H j ( 0) H j (Q )
*
1
2
E
Ÿ ( a 50 )
R1 H j (Q ) T1 H j ( 0) H j (Q )
E (1 E )
(3.115) より、 T1 1 すなわち T1 R1
2
H j (Q )
2
Heave
2
H j (Q )
(3.118)
左右対称な浮体の場合
(3.112)(3.113) より、 (a50) を考慮すると
1E
と表されることがわかる。
このようにして、最適状態の波浪場は radiation
の Kochin 関数で記述されることがわかる。
R1 T1 *
2
H j (0) H j (Q )
(3.113)
R1 H j (Q )
2
2
H j ( 0)
*
H j ( 0)
E
(3.112)
T1 T i
2
(3.117)
(3.111)=(3.85)=(3.26)
こうして、前節、前々節と同じ結果が得られた。
2
T1
1 すなわち T1 R1
R1
(3.112) と (a56) を用いると
(3.116)
(27)
28
H 1 (Q ) 1
*
H 1 (Q ) 2
T1 R1 R これより最適化を考えるが、前と同様にして
(3.121)
1 i 2F 3
1
1
( e e i 2F 1 ) e i 2F1 e i 2F 3
2
2
2
H1 1
,
2
H3 1
とすると I max 1
2
(3.126)=(3.45)
と表されることがわかる。
(3.123) より
2 つのモードの場合
Heave + Sway ( or Roll)
合を考えよう。
j 1
Sway
lj H 1 (Q ) H 1 ( 0)
j3
Heave
で左右対称浮体の場
H 3 (Q ) H 3 (0)
(3.30a)
iga
*
2X 2 H j (Q )
このときの波浪場は (3.98)(a56)(3.127) 式より
(3.30b)
R1 R i
この場合の吸収効率は (3.101) 式より
I
iX 2
ga
¥l
*
j
iX 2
ga
H j (Q ) j 1, 3
¥l H
j
*
j
(Q )
j 1, 3
*
*
*
*
X 4 ©(l1 H 1 (Q ) l3 H 3 (Q )) — (l1 H 1 (Q ) l3 H 3 (Q )) ¸
*
*
*
*
X 4 ©( l1H 1 (Q ) l3 H 3 (Q )) — ( l1 H 1 (Q ) l3 H 3 (Q )) ¸
ª
¹
g 2 a 2 «ª( l1 H 1 (Q ) l3 H 3 (Q )) — ( l1* H 1* (Q ) l3* H 3* (Q )) º¹
iX 2
ga
¥l
*
j
H j (Q ) j 1, 3
iX 2
ga
¥l H
j
*
j
(Q )
(3.122)
j 1, 3
2X 4
2
2
2
2
2 2 l1 H 1 (Q ) l3 H 3 (Q )
g a
<
>
ここで、前と同様に
Hj z
iX 2
*
l j H j (Q )
ga
(3.123)
X2
l3 H 3 (Q )
ga
1
e i 2F 3 0
2
X2
X2
l1 H 1 (0) i
l 3 H 3 ( 0)
ga
ga
1
1
e i 2F ) e i 2F e i 2F 0
2
2
1
( e i 2F 3
2
1
1
iX 2 *
l j H j (Q ) ,
ga
\
j 1, 3
2
Hj 2
j
^
X4
2
g a
2
2
l j H j (Q )
2
(3.124)
(3.125)
(3.128)
(3.129)
3
すなわち、波が完全に吸収されていることがわ
かる。
3D の場合
3次元の場合は反射波・透過波の概念がないの
で、2次元の場合のような分かりやすい説明がで
きないが、やはり遠場における波浪からみたエネ
ルギー収支を考察することはできる。
図― 4 のように、浮
n
体を含む流場全体のエ
ネルギー変化率を、遠
方における検査面(半
径 R とする)でみると
次のように表される。
-h
図-4
= I 2 ¥ Re( H j ) H
(28)
ga
l1 H 1 (Q ) i
T1 T i
とすると
H j* X2
1
1
( e i 2F 3 e i 2F 1 ) e i 2F1
2
2
ª
¹
g 2 a 2 ª«(l1 H 1 ( 0) l3 H 3 (0)) — ( l1* H 1* ( 0) l3* H 3* ( 0)) º¹
iX 2
iX 2
*
l j H j (Q ) ¥
¥ l j H j * (Q )
ga j 1,3
ga j 1,3
(3.127)=(3.37)(3.43)
3 次元の場合の検査面
2Q
0
© v' v' ¸
dE
S ± RdR ± dz ª
—
¹
h
0
dt
« vt vn º
S
4
±
2Q
0
0
©
vG *
vG ¸
( iXG * ) — ¹
RdR ± dz ªiXG —
h
v
n
vn º
«
(3.130)
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
ここで公式 (3.4) を用いた。
自由表面上昇量 [e iXt は
[e iXt 1 v'
g vt
z 0
iX
G e iXt
g z 0
(3.131)
であるので、
G
ig cosh K ( h z )
[
X
cosh kh
(3.132)
dE Sg 2 D
t < K >
dt
8XK
¸
© 2 cos R — [ 0[ 0 *
¹
ª
*
*
¹
ª (1 cos R ) — [ 0[ d (1 cos R ) — [ 0 [ d
¹
ª
*
2Q ª 2 — [ d [ d
¹
RdR
t± ª
*
*
0
(1 cos R ) — [ 0 ¥ [ j (1 cos R ) — [ 0 ¥ [ j ¹
¹
ª
*
*
¹
ª 2 — [
[
[
[
2
—
d¥ j
d ¥ j
¹
ª
¹
ª 2¥ [ j ¥ [ j *
º
«
(3.139)
と書くことができる。(3.132) 式を (3.130) に代入し、
z に関する積分を実行すると、定義により
2
D
¦ cosh K ( h z ) µ
±h §¨ cosh Kh ¶· dz 2 K
0
29
ここで (3.139) 式の1行目は一周積分で 0 になる。
2 行目は
(3.133)
±
2Q
0
であるので、エネルギー変化率は以下のように表
される。
*
(1 cos R )[ 0[ d Rd R
ia 2
K iQ / 4 2 Q
*
iR <K K cos R >
e
RdR
±0 (1 cos R ) H d (R )e
2QR
(3.140)
v[ ¸
dE Sg 2 D 2Q © v[ *
[ * —
i ª[ —
RdR
±
vR ¹º
vR
dt
8XK 0 «
において、下記の stationary phase method を適
用する。すなわち R が大きな実数の場合、
(3.134)
b
この式を使って、具体的に dE / dt を求めてみよう。
[ [ 0 [ d ¥[ j
iRf (R )
a
dR { ¥
n
2Q
g (R n ) e i <Rf (R n ) qQ / 4 >
R f " (R n )
(3.141)
(3.135)
こ こ で R n は 積 分 範 囲 内 で f ' (R ) 0 を 満 足 す る
ここで
入射波
± g (R )e
すべての R
[ 0 ae iKx ae iKR cosR
Diffraction 波 [ ia
d
Radiation 波 [ i X
j
2
g
(3.136)
K
H d (R )e iKRiQ / 4 (3.137)
2QR
K
l j H j (R ) e iKR iQ / 4 (3.138)
2Q R
複合は f " (R n ) の符号と一致するもの
、
とする
(3.141) を (3.140) に適用すると
f (R ) K (1 cos R )
f (R1 ) 0
R1 0
f " (R1 ) K
f ' (R ) K sin R
f " (R ) K cos R
*
f (R 2 ) 2 K
R2 Q
f " (R 2 ) K
*
g (R ) (1 cos R ) H d (R )
g (R1 ) 2 H d ( 0)
g (R 2 ) 0
(3.142)
(3.135)~(3.138) を (3.134) に代入すると
であるので、
±
2Q
0
*
(1 cos R ) H d (R ) e iR <K K cos R > Rd R
R
2Q
*
— 2 H d ( 0 ) e iQ / 4
RK
(29)
30
K − iπ / 4 2 π
*
iR [K − K cos θ ]
e
Rd θ
∫0 (1 + cos θ ) H d (θ )e
2πR
∴ ia 2
= ia
2
2π
K − iπ / 4
*
e
⋅R
⋅ 2 H d ( 0 ) e iπ / 4
2πR
RK
*
= i 2 a 2 H d ( 0)
(3.143)
2 aω 2
g
i
∫
2π
0
୍᪉ࠊ 3 ⾜┠ࡣࠊ
∫
2π
*
H j ( 0) − i
2 aω 2
g
∑l H
j
j
(3.149)
( 0)
2ζ d ∑ ζ j Rd θ +
*
=
2 aω 2 K
g 2π
∫
+
2 aω 2 K
g 2π
∫
2π
∫
2π
0
2ζ d
*
∑ζ
j
Rd θ
H d (θ ) ∑ l j H j (θ ) dθ
*
0
2π
*
H d (θ ) ∑ l j H j (θ ) dθ
*
0
(3.150)
K 2π
2
H d (θ ) Rd θ
∫
0
2πR
ࡇࡇ࡛ (a49b) ࢆ⪃៖ࡍࡿ࡜
2π
2
2 K
H d (θ ) dθ
=a
2π ∫0
2 aω 2 K 2π
*
*
H d (θ ) ∑ l j H j (θ ) dθ
(3.145)
g 2π ∫0
*
2ζ d ζ d Rd θ = a 2
0
ࡇࡇ࡛ (a46) ࢆ⪃៖ࡍࡿ࡜ࠊ
a2
*
j
࡜࡞ࡿࠋ
୍᪉ࠊ 5 ⾜┠ࡣࠊ
ࡋࡓࡀࡗ࡚ (3.139) ࡢ࠿ࡗࡇࡢ୰ࡢ 2 ⾜┠ࡣ
*
ia 2 H d (0) − ia 2 H d (0) = 2a 2 ⋅ Im[H d (0)] (3.144)
∑l
K
2π
∫
2π
0
H d (θ ) dθ = −2a 2 ⋅ Im[H d ( 0)] 2
+
(3.146)
࡜࡞ࡗ࡚ࠊ 2 ⾜┠࡜ᡴࡕᾘࡋྜ࠺ࠋ
ḟ࡟ࠊ 4 ⾜┠࡟࠾࠸࡚ࡶྠᵝ࡟
2 aω 2 K
g 2π
=i
2 aω
g
−i
2 aω 2
g
2
∫
2π
H d (θ ) ∑ l j H j (θ ) dθ
*
0
∑ [l
∑ [l
*
j
*
( H j (π ) − H j (0)
*
j
( H j (π ) − H j ( 0)
]
]
(3.151)
∫
2π
0
(1 + cos θ )ζ 0 ∑ ζ j Rd θ
*
aω 2
=i
g
K − iπ / 4 2 π
*
*
iR [K − K cos θ ]
e
Rd θ
∫0 (1 + cos θ )∑ l j H j (θ )e
2πR
(3.147)
∫
ࡇࡇ࡛
∫
2π
0
2π
0
(1 + cos θ ) ∑ l j H d (θ ) e iR [K − K cosθ ] Rd θ
*
aω 2
∴ i
g
=i
=i
2 aω
g
2π
K − iπ / 4
*
*
⋅R
⋅ 2 ∑ l j H j ( 0 ) e iπ / 4
e
2πR
RK
2
∑l
*
j
*
ω4 K
g 2 2π
2π
∫ ∑l H
j
0
K − iπ / 4 2 π
*
*
iR [K − K cos θ ]
e
Rd θ
∫0 (1 + cos θ )∑ l j H j (θ )e
2πR
aω 2
g
2 ∑ ζ j ∑ ζ j Rdθ = 2
2
j
(θ ) dθ
*
2π
*
*
=R
⋅ 2 ∑ l j H j ( 0) ⋅ e iπ / 4
RK
*
H j ( 0)
(3.148)
ࡋࡓࡀࡗ࡚ (3.139) ࡢ࠿ࡗࡇࡢ୰ࡢ 4 ⾜┠ࡣ
(30)
࡛࠶ࡿࡢ࡛ࠊୖᘧࡢ࢝ࢵࢥෆࡢ 2 㡯┠ࡣ (3.149)
࡜ᡴࡕᾘࡋྜ࠺ࠋ
᭱ᚋࡢ 6 ⾜┠ࡣ
(3.152)
ࡋ ࡓ ࡀ ࡗ ࡚ ࠊ (3.151)(3.152) ࢆ (3.139) ࡟ ௦ ධ ࡍ
ࡿ࡜ࠊ⤖ᒁ
[
]
⎤
⎡ 4 aω 2
*
⎥
⎢ g Im ∑ l j ( H j (π )
dE ρg D
⎥
=
× [− K ]× ⎢
4
⎥
⎢ ω K 2π
dt
8ωK
2
∑ l j H j (θ ) dθ ⎥
⎢2 2
∫
0
π
2
g
⎦
⎣
2
ρgaωD
ρω 3 DK 2π
*
=−
Im ∑ l j H j (π ) −
∑ l j H j (θ ) dθ
2
8π ∫0
2
[
]
(3.153)=(3.21)
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
となって、これは (3.21) と全く同じである。
こうして、遠方の波浪場からエネルギー収支を
見積もることができることがわかる。
また、 (3.139) 式の右辺のかっこの中で、
1 行目 0 →入射波のみでは当然エネルギーの
出入りは無し
2 + 3 行目も 0 → diffraction 波だけの場合もエネ
ルギーの出入りは無し
浮体の動揺が加わって初めてエネルギーの出入り
が生じることがわかる。
31
同様に、軸対称浮体で sway or roll のみの場合、
最大効率を得るための動揺振幅は (3.56)=(3.92) 式
で与えられているのでそれを代入し、(a64) の関係
を使うと
1
cos R e iKR iQ / 4
2QRK
[ ( R , R ) ae iKR cosR 2 a
K ©1
2QR ª« Q
ia
±
2Q
0
¸
H d (R ) cos R dR H d (R ) ¹ e iKR iQ / 4
º
(3.158)
最後に、3Dの場合の波浪場を記述しておこう。
これらは 2 次元の場合の (3.120)(3.121) に対応
するものである。
[ ( R ,R ) [ 0 [ d ¥ [ j
K
H d (R ) e iKR iQ / 4
2QR
ae iKR cos R ia
i
X2
K
¥ l j H j (R )e iKR iQ / 4
2QR
g
(3.154)
ここで、軸対称浮体で heave のみの場合、最大
効率を得るための動揺振幅は (3.52)=(3.90) 式で与
えられているのでそれを代入すると、第 3 項は
4. 浮体に働く漂流力
本節では、付録に示す運動量保存則、エネルギー
保存則を用いて、2 次元および 3 次元浮体に働く
漂流力を求めることにする。なお、本節における
表記は柏木のノート 6 )を参考にしていることを付
記しておく。
2 次元浮体の漂流力
z
i
X
2
K
l3 H 3 (0)e iKR iQ / 4
2QR
g
i
X
2
g
(3.155)
(
(
H
n
K iga H 3 ( 0) iKR iQ / 4
e
2QR X 2 K H 3* (0)
x
n
図-5
n
2 次元の場合の流場
ここで (a65) の関係を使うと
i
X2
K iga H 3 ( 0) iKR iQ / 4
e
2QR X 2 K H 3* ( 0)
g
i
X2
g
K iga ¦
iK
§1 2
2QR X K ¨ 2Q
1 ¦
iK
a
§1 2QRK ¨ 2Q
±
2Q
0
±
2Q
0
µ
H d (R ) dR ¶ e iKR iQ / 4
·
µ
H d (R )dR ¶ e iKR iQ / 4
·
(3.156)
図-5 に示すような 2 次元流場における漂流力
を考える。この場合の浮体に働く漂流力は、付録
の(A9)式より
Fx ±±
±
pn x dS ±± pn x S v x v n dS
(
©
v' ¦ v'
± ª p S
§
(
vx ¨ vx
«
したがって、
H
(
µ¸
¶ ¹dz
·º
©
v' v' ¸
ª p S v x v x ¹dz
«
º
(4.1)
ia
K © 1
2QR ª« 2Q
で与えられる。
ベルヌーイの式より
1
e iKR iQ / 4
2QRK
[ ( R ,R ) ae iKR cos R a
±
2Q
0
¸
H d (R ) dR H d (R ) ¹ e iKR iQ / 4
º
(3.157)
© v ' 1 ¬¯ ¦ v ' µ 2 ¦ v ' µ 2 »¯
¸
p S ª
­§
¶ §
¶ ¼ gz ¹
2 ¯® ¨ v x ·
¨ v z · ¯½
ª« v t
¹º
(4.2)
(31)
32
±
を代入して整理すると
I
0
2
© v ' 1 ¬¯ v ' 2
¸
¦
µ
¦ v ' µ »¯
­§
§
Fx S ± ª ¶
¶
¼ gz ¹dz
(
2 ¯® ¨ v x ·
ª vt
¹
¨ v z · ¯½
«
º
gzdz g
I2
2
1 ¦ v' µ
§
¶
2 g ¨ vt ·
2
(4.8)
z 0
したがって、
2
© v ' 1 ¬¯ v ' 2
¸
¦
µ
¦ v ' µ »¯
gz ¹dz
§
­§
S± ª
¶
¶
¼
(
2 ®¯ ¨ v x ·
ª vt
¹
¨ v z · ¯½
«
º
Fx (4.3)
S ©
0
2 ª« ± h
(
S ¦ v' µ
±
2
2»
¬
¸ ¯ ¦§ v ' µ¶ ¦§ v ' µ¶ ¯ dz
­
¼
( ¹
º ¯¨ vx ·
¨ v z · ¯½
®
0
h
2
¶
§
2 g ¨ vt ·
( ,z0
ここで自由表面上昇量を I として、積分範囲を
S ¦ v' µ
§
¶
2 g ¨ vt ·
2
( ,z0
(4.9)
z h n 0 と z 0 n I に分けて記述すると、
が得られる。ここで ' (t ) Re<GeiXt > , v' (t ) Re<iXGeiXt >
0 © v' ¸
I © v' ¸
Fx S ± ª
¹ dz S ±0 ª v t ¹ dz
h
« vt º ( º(
«
vt
として、公式 (3.4) を適用すると
0 © v' ¸
I © v' ¸
S± ª
¹ dz S ±0 ª v t ¹ dz
h
« vt º ( «
º(
¬¯ ¦ v ' µ 2 ¦ v ' µ 2 ¯»
S
¶ §
¶ ¼ dz ­§
h
v
2
x
z
v
·
¨
· ¯½ ¯® ¨
(
S
0
2 ±
¬¯ ¦ v ' µ 2 ¦ v ' µ 2 »¯
S
± ­§
¶ §
¶ ¼ dz 2 h ¯¨ vx ·
2
vz · ¯ ¨
®
½(
S
0
0
gz S ± gz S±
0
dz S ± gz
0
(
dz
(
dz
I
(
h
dz S ± gz I
(
h
0
±
I
0
±
I
0
¬¯ ¦ v ' µ 2 ¦ v ' µ 2 ¯»
¶ §
¶ ¼ dz
­§
¨ v z · ¯½ ¯® ¨ v x ·
(
¬¯ ¦ v ' µ 2 ¦ v ' µ 2 »¯
¶ §
¶ ¼ dz
­§
¨ v z · ¯½ ¯® ¨ v x ·
(
Fx S
0
Re © ±
ª« h
4
SX
2
4g
(
Re GG *
±
0
h
( ,z0
(
*
*
¸ ¬ v G v G v G v G » dz
¼
­
¹º ® v x v x
vz vz ½
SX 2
4g
Re GG *
( ,z0
(4.10)
と書ける。
さて、(2.16)式に示されているように
(4.4)
G G0 Gd ¥ G j であるが、これを G G0 G1 と表記
j
となる。こうして、時間の一周期積分で消える項
(
の 項 )、 高 次 の 微 小 量 で 消 え る 項
(
の項)を省くと、残りは
Fx S ©
0
2 ª« ± h
I
S ©±
ª« 0
(
(
±
±
I
0
0
h
(
(
2
2»
¬
¸ ¯ ¦§ v ' µ¶ ¦§ v ' µ¶ ¯ dz
¼
¹º ­ ¨ v x ·
¨ v z · ¯½
®¯
¸ ¦§ v ' gz µ¶ dz
¶
¹º § v t
·
¨
しよう。(すなわち Gd ¥ G j z G1 とする)
j
これらの速度ポテンシャルは、遠方においては、
Kochin を用いて以下のように表される。 (2,12)~
(2.16) 参照。
ga cosh K ( z h ) iKx q
e Hd
X
cosh Kh
cosh K ( z h ) iKx q
G j Xl j
e Hj
cosh Kh
Gd (4.5)
と書くことができる。自由表面上昇量 I は
(4.11)
(4.12)
そこで、以下のように表記しよう。
I 1 v'
g vt
(4.6)
z 0
G1 Gd ¥ G j j
であるので、この(4.5)式右辺 2 行目において、
すなわち
ga
X
±
I
0
v'
v'
dz {
vt
vt
z 0
—±
I
0
v'
dz vt
1 ¦ v' µ
—I §
¶
g ¨ vt ·
z 0
q
q
H d X ¥ l j H j zH q
(4.13)
(4.14)
j
(複号の上段は x n e 、下段は x n e に対応)
2
z 0
(4.7)
(32)
cosh K ( z h ) iKx q
e H
cosh Kh
また、 2 次元の場合の入射波の速度ポテンシャ
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
を得る。ここで G1 , G 0 に (4.13)(4.15) 式を代入し、
ルは (2.1)(2.2) 式より C 0 として
iga cosh K ( z h ) iKx
e
cosh Kh
X
G0 33
(4.15)
±
こうすると、(4.10)式の F x は以下のように書ける。
2
1 X2 ¦
2 Kh
© cosh K ( z h ) ¸
µ
dz
§1 ¶
¹
h ª
Kh
K
gK
Kh
cosh
2
sinh
2
«
º
¨
·
1 X2
1 X2
1 q z
z
Ch
2 K gK
2 K gK
0
(4.19)
S
Fx 0
Re © ±
ª« h
4
±
(
0
(
h
¬¯ ¦ v G 0 v G1 µ ¦ v G 0 * v G1*
¶§
­§
vx
v x · §¨ v x
¯® ¨ v x
SX 2
4g
SX 2
4g
*
*
¸
¹º
µ ¦ v G 0 v G1 µ ¦ v G 0 * v G1*
§
¶§
¶ ¨ v z v z ¶· § v z v z
¨
·
Re G 0 G1 G 0 G1
Re G 0 G1 G 0 G1
*
*
µ »¯
¶ ¼ dz
¶¯
·½
±
2
1 X2 ¦
2 Kh
© sinh K ( z h ) ¸
µ
dz
§1 ¶
¹
h ª
Kh
K
gK
Kh
cosh
2
sinh
2
«
º
¨
·
1 X2
1 q z
2 K gK
0
(4.20)
( ,z0
とすると、 (4.18) 式の 1 行目 I 1 は
( ,z 0
(4.16)
*
ここで G0 t G0 の項は x n e 、 x n e において同
じであるので打ち消し合う。したがって
S
Fx 4
0
Re © ±
ª« h
±
(
0
(
h
¸
¹º
4g
SX 2
4g
<
*
<
*
*
*
Re 2 Re G 0 G1 G1G1
Re 2 Re G 0 G1 G1G1
( ,z0
I2 >
4g
S ©
2 ª« ±
0
h
SX 2
2g
(
±
*
1 1
(
( ,z0
±
<
*
0
h
Re G 0 G1
(
>
*
*
¸ ¬ v G1 v G1 v G1 v G1 » dz
¼
­
( ¹
º ® vx vx
vz vz ½
0
h
<G G >
0
«
º
2
SX 2 © 2
H
H ¸
¹
ª
4g «
(4.22)
º
I1 I 2 SX 2
4g
Ch © H ª«
2
2
H ¸
¹º
(4.23)
また、3 行目 I 3 は
4 ª« ± h
SX 2
4g
( ,z0
整理すると
2
SX 2 © 2
H ¸
q H
ª
¹
>
∴
S ©
¸
¹
2¹
¹º
2 行目 I 2 は
(4.17)
Fx 2
(4.21)
¬¯
¦ v G 0 * v G1 µ
¦ v G * v G1 µ v G1 v G1* v G1 v G1* »¯
¶ 2 Re § 0
¶
­ 2 Re §§
¶
§ v z v z ¶ v x v x v z v z ¼¯ dz
¯®
¨ vx vx ·
·
¨
½
SX 2
2
2
©
(1 q ) H 1 X 2 ª (1 q ) H
I1 K
4
2 K gK ª (1 q ) H 2 (1 q ) H ª«
S
SX 2
4g
<G G >
*
1 1
( ,z0
( ,z0
2g
<
*
Re G 0 G1
S
K2
2
SaX
2
© i (1 q ) H e 2 iKx i (1 q ) H e 2 iKx ¸
ga 1 X 2
Re ª
¹
X 2 K gK
« i (1 q ) H i (1 q ) H
º
<
Re iqH
iH e 2 iKx
>
(4.24)
*
*
¸ ¬¯ Re ¦§ v G 0 v G1 µ¶ Re ¦§ v G 0 v G1 µ¶ »¯ dz
­
§ v z v z ¶ ¼¯
¹º ¯ § v x v x ¶
·½
¨
·
® ¨
SX 2
I3 >
4 行目 I 4 は
I4 ( ,z0
(4.18)
SX 2 ga
Re < iH e 2 iKx iH
2g X
SaX
2 iKx
2
I3 I4 <
Re iH
SaX
2
<
>
(4.25)
>
iH e
C h Re iH
>
(4.26)
(33)
34
以上により漂流力の表示式が以下の様に得られる。
Fx SX 2
4g
Ch © H
ª«
2
2
SaX
H ¸
C h Re iH
¹º
2
<
dE
SX
Re
dt
2
>
SX
2
Re
*
© vG *
vG ¸
i ªG 0 1 G1 0 ¹
h
vx º ( vx
«
0
±
*
© v G1*
vG0 ¸
i
G
G
± h ª« 0 v x 1 v x ¹º (
0
*
0 ©
© vG * ¸
vG ¸
Re ± ª i G1 1 ¹ ª i G1 1 ¹ dz
h
vx º ( 2
vx º ( «
«
SX
(4.27)
(4.31)
次に、エネルギー保存則を適用してみよう。付
録の (A16) 式によると、浮体になされた仕事の時間
平均は以下のように表される。
v'
dE
S ±±
v n dS
( vt
dt
I ©
I © v' v' ¸
v' v' ¸
S ± ª
¹ dz S ± h ª v t v x ¹ dz
h
v
v
t
x
«
º(
«
º(
0 © v' v' ¸
© v' v' ¸
dz S ± ª
{ S ± ª
¹
¹ dz
h
h
« vt vx º ( « vt vx º ( 0
ここで (4.13)(4.15) 式を代入し、 (4.19) 式を考慮
すると、 (4.31) 式の 1 行目 I 1 は
I1 SX 1 X 2 ga
KC h Re <i ( H H * ) >
2 2 K gK X
SaX 2
<
C h Re iH
2K
>
(4.32)
(4.28)
ここで、積分範囲のうち z 0 n I の部分は高次
2 行目 I 2 は
であるので省略した。
次に、 ' (t ) Re<GeiXt > ,
(3.4) を適用すると
v' (t )
Re iXGeiXt として、公式
vt
<
>
I2 SX 1 X 2 ga
KC h Re <i ( H e i 2 Kx H * e i 2 Kx ) >
2 2 K gK X
SaX 2
2K
< <
>>
C h Re i Re H e i 2 Kx 0
(4.33)
S
dE
Re
dt
2
©
S
vG * ¸
± h ª« ( iXG ) v x ¹º dz 2 Re
(
0
©
vG * ¸
± h ª« ( iXG ) v x ¹º dz
(
0
3 行目 I 3 は
(4.29)
I3 前と同様に G G0 G1 とすると、
SX
dE
Re
2
dt
SX
2
Re
©
¦ v G 0 * v G1*
(
)
G
G
i
ª
± h ª 0 1 §§¨ v x v x
«
µ¸
¶ ¹ dz
¶
· ¹º ( ©
¦ v G 0 * v G1*
§
i
(
)
G
G
ª
0
1
± h ª
§ vx vx
¨
«
µ¸
¶ ¹ dz
¶
· º¹ ( 0
0
SX 1 X 2
(4.30)
2
KC h Re © H ª«
2 2 K gK
SX 3
Ch © H ª«
4 gK
2
2
H ¸
¹º
2
H ¸
¹º
(4.34)
以上により
SaX 2
dE
C h Re iH
dt
2K
<
3
> 4SXgK C
h
©H
ª«
2
2
H ¸
¹º
(4.35)
*
ここで G0 t G0 の項は x n e 、 x n e において同
じであるので打ち消し合う。したがって
が得られる。
これより、
SaX
2
<
C h Re iH
> SX
4g
2
Ch © H ª«
2
H
2
¸ dE / dt
¹º ( X / K )
(4.36)
(34)
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
を (4.27) に代入すると
SX 2
Fx Ch — H 2g
2
35
これらを (4.27) 式に代入すると、次式のように、
漂流力を反射率、透過率で表現できる。
dE / dt
(X / K )
(4.37)
© g 2 a 2 R1 2 g 2 a 2
2
Ch ª
1 T1 2 Re( T1 )
2
2
X
X
4g
ª«
SaX
ga
\1 Re( T1 )^
Ch
X
2
Fx となる。これより、エネルギーの吸収がない場合
は反射波成分の大きさだけで漂流力が求められる
ことがわかる。
以上、漂流力、エネルギーの関係式を Kochin
関数で表したが、これを波高で表現してみよう。
浮体の反射波側、 x n e での波高を aR と書くこ
SX 2
\
^¸¹
¹º
∴
Fx S ga 2
4
<
2
C h 1 R1 T1
2
>
(4.42)
1
エネルギーの関係式 (4.35) も同様にして、
とにすると( R1 は反射率を表す)、
cosh K ( z h ) iKx »
e H ¯
cosh Kh
¯
¼
iX iKx e H z aR1eiKx ¯
¯½
g
G1 , x e I x e
(4.38)
dE S a X 2
ga
\1 Re( T1 )^
Ch
X
2K
dt
2
© g 2a 2
g 2 a 2 R1 ¸
SX 3
2
C h ª 2 1 T1 2 Re( T1 ) ¹
X2
4 gK
ǻ X
º¹
\
S ga 2X
dE
2
C h 1 R1 T1
dt
4K
<
<
2
2
>
1 / 2 S ga 2V g — 1 R1 T1
より
H = H
^
> n ( 3 .99 )
(4.39)
X
2
(4.43)
つまりエネルギーの出入りがない場合は
igaR1
2
2
2
g a R1
X
2
2
2
(4.44)
1 R1 T1 0
2
という当然の結果が導かれる。 (4.43) 式より
浮体の透過波側、x n e での波高を aT1 と書くこ
とにすると( T1 は透過率を表す)、
S ga 2
4
cosh K ( z h ) ¦ iga
»
µ
H ¶e iKx ¯
§
cosh Kh ¨ X
·
¯ (4.40)
¼
iX ¦ iga
µ iKx
iKx
¯
§
H ¶e z aT1e
¯½
g ¨ X
·
<
C h 1 T1
2
> S ga4
2
2
C h R1 dE / dt (4.45)
(X / K )
を (4.42) に代入すると
G0 G1 , x e Ix e
より
H iga
X
2
= H ( 1 T1 )
g 2a 2
< >
X2
Re iH \1 T
ga
X
1
2
2 Re(T1 )
^
(4.41)
Fx S ga 2
2
2
C h — R1 dE / dt
(X / K )
(4.46)
となる。
3次元浮体の漂流力
3 次元の場合も 2 次元の場合と同じように考え
ることができる。図-2 に示すような 3 次元流場
における漂流力を考える。この場合の浮体に働く
漂流力は、付録の (A9) 式より
\1 Re(T1 )^
(35)
36
Fx ±±
H
pn x dS ±± pn x S v x v n dS
(
I
± dz ±
0
h
(4.47)
¦
v' v' µ
§§ p cos R S
¶ Rd R
v x v R ¶·
¨
2Q
S
Fx 4
±
0
dz ±
0
h
2
SX
4g
2Q
2
© vG vG * vG * vG
¸
*
ª v x v R v x v R ‘ G — ‘ G cos R ¹ Rd R
«
º
Q
± <GG >
*
z0
0
R cos R d R
(4.52)
で与えられる。
ベルヌーイの式より
と書ける。
さて、前と同様に
© v' 1
¸
p S ª
‘ ' — ‘ ' gz ¹
2
« vt
º
(4.48)
G G0 Gd ¥ G j z G0 G1
j
と表記
しよう。これらの速度ポテンシャルは、遠方にお
いては、 Kochin を用いて以下のように表される。
(2,14)~(2.16) 参照。
を代入して整理すると
2Q
I
F x S ± dz ±
h
0
2Q
I
S ± dz ±
0
h
Gd ¦ v' v' µ
§§
¶¶ Rd R
¨ vx vR ·
¦ v' 1
µ
§§
‘ ' — ‘ ' gz ¶¶ R cos R d R
2
¨ vt
·
ga
X
G j Xl j
K cosh K ( z h ) iKR iQ / 4
e
H d (R )
2QR
cosh Kh
(4.53)
K cosh K ( z h ) iKR iQ / 4
e
H j (R )
2QR
cosh Kh
(4.54)
(4.49)
こ こ で 積 分 範 囲 を z h n 0 と z 0 n I に 分
そこで、以下のように表記しよう。
け , 高次の項を省略すると、
G1 Gd ¥ G j 0
2Q
F x S ± dz ±
h
0
I
S ± dz ±
0
2Q
0
0
2Q
S ± dz ±
h
0
¦ v' v' 1
§§
‘ ' — ‘ ' cos R
¨ vx vR 2
j
µ
¶¶ Rd R
·
K cosh K ( z h ) iKR iQ / 4
e
H (R )
2QR
cosh Kh
(4.55)
µ
¦ v'
§§
gz ¶¶ R cos R d R
v
t
·
¨
すなわち
¦ v'
µ
§§
gz ¶¶ R cos R d R
v
t
¨
·
ga
X
H d (R ) X ¥ l j H j (R ) zH (R )
(4.56)
j
(4.50)
ここで 3 行目は、v' / vt の項は時間の一周期積分
で消え、 gz の項は場所の一周積分で消える。ま
た、 2 行目において (4.7)(4.8) を考慮すると
また、 3 次元の場合の入射波の速度ポテンシャ
ルは (2.1)(2.2) 式より
iga cosh K ( z h ) iK ( x cos C y sin C )
e
cosh Kh
X
iga cosh K ( z h ) iKR cos(R C )
e
X
cosh Kh
G0 0
2Q
h
0
F x S ± dz ±
S
2g
±
2Q
0
¦ v' v' 1
§§
‘ ' — ‘ ' cos R
¨ vx vR 2
¦ v'
§§
¨ vt
µ
¶¶
·
µ
¶¶ Rd R
·
2
R cos R d R
こうすると、(4.52) 式の F x は以下のように書ける。
z0
(4.51)
とすることができる。ここで
<
>
' (t ) Re Ge iXt ,
を適用すると
(36)
(4.57)
v' (t )
Re iXGe iXt
vt
と し て 、 公 式 (3.4)
<
>
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
S
Fx ±
4
0
2
SX
dz ±
h
¸
© ¦ v G 0 v G1 µ ¦ v G 0 * v G1* µ
¶
¶ §§
¹
ª§
vx ·¨ vR
v R ¶·
¹
ª¨ vx
¹
ª
*
*
ª ¦§ v G 0 v G1 µ¶ ¦§ v G 0 v G1 µ¶ ¹ Rd R
ª §¨ v x
v x ¶· ¨ v R
vR · ¹
¹
ª
ª ‘ (G 0 G1 ) — ‘ (G 0 * G1* ) cos R ¹
¹
ª
º¹
ǻ
2Q
0
± <G
2Q
4g
0
0
*
G1 G 0 G1
*
>
z0
*
ここで G0 t G0 の項は一周積分で消える。また、
G ( x, y ) に お い て x R cos R , y R sin R に よ っ て 変 数
を ( R,R ) に変換すると、
vy
vR
vG
vR
vG
vR
vx
vR
vx
vR
vy
vR
vx
vR
vy
vR
R が大なるときに消
滅する項を省くと、 (4.61) 式の 1 行目 I 1 は
I1 2Q
SX 2 K
2
— q — ± H (R ) cos R d R
0
8Q g
(4.62)
2 行目 I 2 は
R cos R d R
(4.58)
vy
vG
vR
vG
vx
vR
vG
vG
vR
vx
vy
vR
(4.19)(4.20) を 考 慮 し 、 ま た
37
vx
vG sin R
vR
cos R
vy
R
vR
vR
vx
vG cos R
vR
sin R
vy
R
vR
vR
»
vG ¯
¯
vR ¯
¯
¼
¯
vG ¯
vR ¯
¯
½
(4.59)
vG * sin R vG * µ
vG sin R vG µ¦
¦
¶
‘G — ‘G * § cos R
¶§§ cos R
vR
vR
R vR ·¨
R vR ¶·
¨
vG * cos R vG * µ
vG cos R vG µ¦
¦
¶
§ sin R
¶§§ sin R
vR
vR
R vR · ¨
R vR ¶·
¨
vG vG *
v z vz
v G vG * 1 vG vG * v G v G *
v R v R R 2 vR v R vz v z
(4.60)
I2 ∴
SX 2 K
8Q g
±
2Q
I1 I 2 (4.63)
2
H (R ) cos R d R
0
2Q
SX 2 K
2
C h ± H (R ) cos R d R
0
8Q g
(4.64)
また、 3 行目 I 3 は
I3 SaX
4
KR
Re
2Q
±
2Q
0
© cos C (1 q ) H (R ) e iKR <cos( R C ) 1> iQ / 4 ¸
iª
dR
iKR <cos( R C ) 1 > i Q / 4 ¹
« cos R (1 q ) H (R ) e
º
(4.65)
4 行目 I 4 は
I4 SaX
2
2Q
KR
Re ± i cos R H (R ) e iKR <cos( R C ) 1 > iQ / 4 d R
0
2Q
<
>
(4.66)
∴
I3 I4 SaX
4
KR
C h Re ie iQ / 4 t
2Q
2Q
± <(cos C cos R ) H (R ) e
iKR <cos( R C ) 1 >
0
>d R
(4.67)
こ こ で 、 積 分 に (3.141) 式 に 示 し た stationary
phase method を適用すると、
したがって、整理すると
2Q
Fx S
4 ±
0
dz ±
h
SX 2
4g
S
2
Re
SX 2
2g
*
© v G1 v G1
¸
v G v G1
*
‘ G1 — ‘ G1 cos R ¹ Rd R
1
ª
vx vR
« vx vR
º
2Q
0
± <G G >
2Q
*
1 1
0
±
0
dz ±
h
Re
*
2Q
0
± <G
z0
*
*
0
G1
>
z0
iKR <cos( R C ) 1 >
0
>d R
(4.68)
2Q
— 2 cos C — H ( C ) e iQ / 4
KR
∴
*
© v G 0 v G1 v G1 v G 0
¸
*
‘ G 0 — ‘ G1 cos R ¹ Rd R
ª
vx vR
« vx vR
º
2Q
0
R cos R d R
± <(cos C cos R ) H (R ) e
R cos R d R
I3 I4 SaX
2
C h cos C Re <iH ( C ) >
(4.69)
以上により漂流力の表示式が以下の様に得られる。
(4.61)
を 得 る 。 こ こ で G1 , G 0 に (4.55)(4.57) 式 を 代 入 、
(37)
38
2Q
SX 2 K
2
C h ± H (R ) cos R d R
0
8Q g
SaX
C h cos C Re <iH ( C ) >
Fx すると、 (4.74) 式の 1 行目 I 1 と 2 行目 I 2 は
(4.70)
2
次に、エネルギー保存則を適用する。付録の
(A16) 式によると、浮体になされた仕事の時間平均
は以下のように表される。
<
式 (3.4) を適用すると
SaX
2
KR
Ch t
2Q
4K
Im e
iQ / 4
2Q
± <cos( R C ) 1>H (R ) e
iKR <cos( R C ) 1 >
dR
0
(4.76)
ここで、stationary phase method を適用すると、
v' ( t )
Re iXGeiXt として、公
vt
>,
2Q
SX 3
2
C h ± H (R ) d R
0
8Q g
(4.75)
(4.71)
ここで、積分範囲のうち z 0 n I の部分は高次
であるので省略した。
iXt
I2 dE
v'
v n dS
S ±±
(
dt
vt
0
2Q © v' v' ¸
{ S ± dz ± ª
¹ Rd R
0
h
« vt vR º
次に、 ' (t ) Re<Ge
2Q
SX K 2 1 X 2
2
C h ± H (R ) Rd R
0
2 2Q R 2 K gK
I1 >
2Q
± <cos( R C ) 1>H (R ) e
iKR <cos( R C ) 1 >
dR
0
2Q
— 2 H ( C ) e iQ / 4
KR
(4.77)
dE
S
dt
4
0
±
h
¬
vG *
vG »
iXG *
­ i XG
¼Rd R
vR
vR ½
®
2Q
dz ±
0
∴
I2 SaX 2
2K
C h Im <H ( C ) > SaX 2
2K
C h Re <iH ( C ) >
(4.72)
以上により
前と同様に G G0 G1 とすると、
dE
S
dt
4
±
0
dz ±
h
2Q
0
¬
¦ v G 0 * v G1 * µ »
¶ ¯
¯ iX G 0 G1 §§
v R ¶· ¯
¯
¨ vR
­
¼Rd R
v G1 µ ¯
¯
*
* ¦ vG0
¯ i X G 0 G1 §¨ v R v R ¶· ¯
®
½
(4.78)
2Q
dE
SX 3
2
C h ± H (R ) d R
0
8Q g
dt
SaX 2
2K
C h Re <iH ( C ) >
(4.73)
*
ここで G0 t G0 の項は一周積分で消える。
(4.79)
が得られる。これより、
したがって、整理すると
SaX
SX
dE
Im
dt
2
SX
2
Im
0
±
h
±
0
2Q
dz ±
0
dz ±
h
2Q
0
2
*
G1
v G1
Rd R
vR
2Q
SX 2 K
dE / dt
2
C h ± H (R ) d R 0
(X / K )
8Q g
(4.80)
*
¦ * v G1
vG0 µ
§ G0
¶Rd R
G
1
§
vR
v R ¶·
¨
(4.74)
ここで (4.55)(4.57) 式を代入し、 (4.19) 式を考慮
(38)
C h Re <iH ( C ) > を (4.70) に代入すると
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
Fx 2Q
SX 2 K
2
C h ± (cos C cos R ) H (R ) d R
0
8Q g
dE / dt
cos C
(X / K )
S ga 2
2
2Q R
C h Re <[ ( C ) >
K
S ga 2 R
4
Ch ±
2Q
0
dE / dt
(X / K )
を (4.84) に代入すると
となる。
以上の漂流力、エネルギーの関係式を波高 a[ (R )
Fx S ga 2 R
Ch ±
2Q
0
4
dE / dt
cos C
(X / K )
で表現してみよう。
I x e 2
[ (R ) d R (4.86)
(4.81)
G1 , x e 39
K cosh K ( z h ) iKR iQ / 4
e
H (R )
2QR cosh Kh
2
(cos C cos R ) [ (R ) d R
(4.87)
iX K iKR iQ / 4
e
H (R ) z a[ (R )e iKR iQ / 4
g 2QR
(4.82)
と表される。
なお、 y 方向の漂流力 Fy も全く同じ手順で
より
H (R ) Fy iga 2QR
[ (R )
X
K
(4.83)
この H (R ) を (4.70) 式に代入すると、漂流力は次
2Q
SX 2 K
2
C h ± (sin C sin R ) H (R ) d R
0
8Q g
dE / dt
sin C
(X / K )
(4.88)
のように得られる。
のように表現できる。
Fx S ga 2 R
4
S ga 2
2
Ch ±
2Q
0
2
[ (R ) cos R d R
2Q R
C h cos C Re <[ ( C ) >
K
(4.84)
エネルギーの関係式 (4.79) も同様にして、
2Q
dE
S ga 2 X R
2
C h ± [ (R ) d R
0
dt
4K
2
S ga X 2Q R
C h Re <[ ( C ) >
K
2K
(4.85)
(4.85) 式より
5. まとめ
浮体に波エネルギー吸収装置を施し、波浪中で
の動揺により波エネルギーを吸収する際、どのよ
うな現象が起きているのか。浮体に働く圧力や力
からの考察、浮体周りの波浪場からの考察によっ
て、波エネルギー吸収効率の見積もりを行った。
また、系全体に働く漂流力の算定法を示した。
現実の波エネルギー吸収装置の設計にはさまざ
まな課題があるであろうが、ここで述べた事柄は
その検討の基礎になるであろう。
参考文献
1)別所正利:「逆時間ポテンシャルについて」、
関西造船協会誌、第 159 号 (1975)
2)J.N.Newman:「 The Interaction of Stationary
Vessels with Regular Waves 」11thONR London
(1976)
3 ) D.V.Evans : 「 A Theory of Wave-Power
Absorption by Oscillating Bodies 」 , J. F.M.,
(39)
40
Vol.77, part1 ( 1976 )
4)前田久明 他:「海洋エネルギーの利用」、第
4 回海洋工学シンポジウム、日本造船学会
1 vp
vvi
vv
vv
vv
v1 i v 2 i v 3 i g k (A3)
S vxi
vx3
vt
v x1
vx2
(1979)
5)大松重雄:
「浮体の動揺理論における流体力の
関係について」海技研報告第 7 巻第 1 号 (2007)
6)柏木 正:「造波理論」、未刊行 (1981)
より、
と書ける。
∵
付録
運動量保存則およびエネルギー保存則
ここでは、波エネルギーを吸収している状態で
の浮体に働く漂流力を導く準備として、浮体を囲
む流体領域での運動量保存則およびエネルギー
保存則を示しておく。
運動量保存則
付図― 1 にように浮体を含む流体領域における
運動量を考える。
z
vvi
v ( p / S gz ) © v v1v i v v 2 v i v v 3 v i ¸ (A4)
ª
vt
vxi
vx 2
v x 3 ¹º
« v x1
y
© v v1 v i v v 2 v i v v 3 v i ¸
© v v1 v v 2 v v 3 ¸
ª vx vx vx ¹ vi ª vx vx vx ¹
1
2
3 º
2
3º
«
« 1
© vv
vv
vv ¸
ª v1 i v 2 i v 3 i ¹
v
x
x
v
x3 º
v
1
2
«
(右辺第 1 項は連続の式より0)
そこで、(A4) 式を (A2) 式に代入し、ガウスの積
分定理
±±±
V
n
n
F
(
H
(A5)
f — n i dS
n
©¦ p
¸
µ
dM i
S ±± ª § gz ¶ n i v i ( v n U n ) ¹ dS
S
dt
·
Ǭ S
º
付図―1 浮体を囲む流体領域と境界面
S v i dv
水平方向の成分については、 gz の項は考える必
要はない。それぞれの境界面においては、
(A1)
H:
とすると、その時間変化率は輸送定理により
dM i
vvi
S ±±±
dv S ±± v iU n dS
V
S
dt
vt
vn U n
»
F : v n U n , p 0 ¯¯
¼
B : vn U n 0
¯
¯½
( : U n 0
(A7)
(A2)
と表される 。 ここで U n は境界 面の法線方 向 移動
速度である。流体力学におけるオイラーの運動方
程式
であることを考慮すると
dM i
±± pn i dS H
dt
±± pn
(
i
S v i v n dS
と表される。ここで時間平均をとると
(40)
(A6)
を得ることができる。
( A4 )式からわかるように、
流 体 領 域 を V 、 そ れ を 囲 む 境 界 面 を
S H F B ( としよう。領域内の運動量を
V
S
を用いると、( v 1 n 1 v 2 n 2 v 3 n 3 v n として)
(
n
n
±±±
±±
x
B
Mi df
dv dx i
(A8)
海上技術安全研究所報告 第 13 巻 第 1 号 (平成 25 年度) 解説
±±
H
(A9)
pn i dS ±± pn i S v i v n dS
(
これより、浮体に働く力の時間平均すなわち漂
流力を求めることができる。
エネルギー保存則
次に、付図― 1 の領域における流体の持つエネ
ルギーについて考えよう。流体のエネルギーは運
動エネルギーと位置のエネルギーの和により
E ±±± S <1 / 2 v
V
2
>
>
また、ベルヌーイの定理より
<1 / 2 v
2
¦ p v' µ
gz § ¶
vt ·
¨S
>
(A13)
(A12)(A13) 式を (A11) 式に 代入し、ガウ スの積
分定理を用いると、
© v'
¦ p v' µ ¸
dE
vn § S ±± ª
¶U n ¹ dS
S
dt
t
v
vt · º
¨S
«
(A14)
(A10)
gz dv
この時間変化率は前と同様、輸送定理により
<
41
dE
v 1 / 2 v 2 gz
S ±±±
dv S ±± 1 / 2 v 2 gz U n dS
V
S
dt
vt
<
>
を得ることができる。
前 と 同 様 、 そ れ ぞ れ の 境 界 面 に お い て は (A7)
式が成り立つので、
dE
v'
±± pv n dS S ±±
v n dS
H
( vt
dt
(A15)
(A11)
と表される。ここで時間平均をとると
ここで ' を流体の速度ポテンシャルとすると
v ©1 2¸
v ©1
v'
v' µ
¸
¦
v ‘' — ‘' ¹ ‘' — ‘
‘§ ‘' —
¶
v t ª« 2 ¹º v t ª« 2
vt
vt ·
º
¨
±±
H
pv n dS S ±±
(
v'
v n dS
vt
(A16)
(A12)
∵ ‘ ¦ ‘ ' — v' µ ‘ 2' — v' ‘ ' — ‘ v'
§
¶
vt
vt
vt ·
¨
この式より、流体が浮体になす仕事を求めるこ
とができる。
(右辺第 1 項は連続の式より0)
(41)
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