Comments
Description
Transcript
第7回医療安全やまがたフォーラム
平成28年10月24日 会員の皆様 一般社団法人山形県薬剤師会 平成28年度「第7回医療安全やまがたフォーラム」の開催について (参加者募集) 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 また、平素は本会の運営に格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。 さて、 「第7回医療安全やまがたフォーラム」が下記日程で開催されます。 つきましては、本会にて参加者を取りまとめて申し込みいたしますので、参加ご希望の 方は、下記をご記入の上、11月15日(火)まで、本会にFAXにてお申し込みください。 詳細は、県薬ホームページ「研修会・イベントカレンダー」をご覧ください。 記 日 時 平成28年11月26日(土)午後1時30分~4時30分 場 所 山形県看護協会会館 テーマ 看護研修センター 3階 第 1 研修室 「最後の医療」 【講演 1】 演題「検視・検索・身元確認班の位置づけ」 講師 奥羽大学歯学部生体構造学講座法歯学 教授 花岡 洋一 高篠 智 【講演 2】 演題「遺体、遺族のケアをするエンバーミング」 講師 参加費 杏林大学法医学教室 無 講師 料 以上 山形県薬剤師会 勤務先 FAX 023―632―5196 参加者氏名 締切日 11月15日(火) 第 7回 医療安全や まがたフォーラム 最後の医療 検視・検案・身元確認班の位置づけ 奥羽大学歯学部生体構造学講座法歯学教授花岡洋 この度は、第 7回医療安全やまがたフォーラムにお招きを賜り、誠に光栄に 存じます。 3年 3月 1 1 日に勃発した東日本大震災からまもなく 6年の月日が流れ 平成 2 ようとしておりますが、その後も関東・東北豪雨、熊本地震、台風 1 0号と、我 が国においても不幸な大規模災害はあとを絶つことがありません。 災害を未然に防ぐことこそが、今も昔も最重要課題の 1つで、あることはいう までもありません。しかし一方でリスクマネージメントの重要性も近年特に指 摘されるようになりました。リスクマネージメントとは、災害を未然に防ぐこ とではなく、生じてしまったリスクにどのように対応するかです。災害時には 不幸にして多くの尊い命が奪われ、中には身元の判明しないご遺体も存在しま す。こうしたご遺体になされなければならない最後の医療こそが「検視・検案・ 身元確認」です。 「ご遺体に対する医療 J ということに違和感を持たれる方もおられると思い ます。しかし、ヒトが病気になれば最高の医療が施されなければならないのと 同様に、ご遺体に対しでも、最高水準の検視・検案が施され、ご遺族のもとに お返しすることこそが、ご遺体の尊厳を守り、ひいては生きる者のより良い生 に繋がっていくのではないでしょうか。すなわち「検視・検案・身元確認 J と は、ご遺体を診る行為であり、まさに「最後の医療」と言えるのです。 今回は特に大規模災害時等における検視・検案・身元確認、班の位置づけとそ の役割についてご紹介し、東日本大震災を教訓として、どのように変化が生じ たかについてもお話をさせて頂きたいと考えております。 第 7回 医療安全やまがたフォーラム 最後の医療 遺体・遺族のケアをするエンパーミング 杏林大学医学部法医学教室・解剖学教室講師高篠智 エンパーミング (Embalming) 遺体衛生保全とは、遺体に防腐および殺菌処置を施し、 必要に応じて損傷部位を修復し、化粧などを行うことをいう。この中で、も防腐処置がエン ノ〈ーミングの本質である。 エンパーミングは紀元前 3200年頃のエジプトでのミイラ作りから始まったとされ、その 理由は宗教上・公衆衛生上のためであった。その方法は体幹を切開して内臓を摘出し、天 然炭酸ナトリウムに浸した後、布で幾重にも巻く方法が用いられていた。 1500年代には長 期保存目的でのエンパーミングが開始された。この頃に体幹、体肢を切開して血液を排出 628年に血液循環説が発表され、 1688年に現在のエンパーミング する方法が用いられた。 1 861年には南 方法である脈管エンパーミングが解剖学の学習・研究のために開始された。 1 北戦争勃発による戦死者の輸送のためエンパーミングの数が増加し、さらに、ヨーロッパ 863年にホルムアルデ、 からアメリカにエンパーミングの知織・技術が伝達されていった。 1 893年にはホノレムアルデ、ヒドによる防腐効果が発見されたことにより、 ヒドが発見され、 1 1920年にホルムアルデヒドのエンパーミングへの応用が始まった。以後は、様々な機材・ 器具や薬品が開発され、エンパーミングは現在まで主に葬儀目的として発展してきた。 海外で発展してきたエンパーミングは、日本では当初、解剖実習の遺体に対して行われ 988年に埼玉県の葬儀会社で初めて葬儀目的でのエンパーミングが行われた。 ていたが、 1 91件であったエンパーミングは 2015年では 33, 861件になっている。しか 当時は 1年で 1 しながら、これに関係する法律・規制は全くない。日本におけるエンパーミングの管理は I n t e r n a t i o n a lFuneralS c i e n c eA s s o c i a t i o nJapan:IFSA) が行っ 日本遺体衛生保全協会 ( ている。また、エンパーマーの養成学校は神奈川県平塚市にある日本ヒューマンセレモニ ー専門学校のみである。 エンパーミングを行う事で、 ドライアイスや冷蔵庫を使用しなくても遺体を室温で長期 間保存することができ、病原微生物の殺菌もしくは活動が抑制できるものと思われ、周囲 の人々の感染防御が期待できる。また、死因により強し、うっ血や死斑を呈する遺体、爪や 唇にチアノーゼが発現している遺体、医療行為により身体に強し、浮腫が起こっている遺体 では、エンバーミングを行う事でそれらを軽減あるいは除去する事ができる。 以上のようにエンパーミングやそれに付随する様々な技術を用いる事で、遺族の悲嘆を 緩和させる事が期待できる。 公益社団法人山形県看護協会会館・看護研修センター案内図 守二,巳b ' a 公益社団法人山形県看護協会 〒9 9 0 2 4 7 3 山形市松栄一丁目 5番 4 5号 T E L0 2 3( 6 8 5 )8 0 3 3 F A X0 2 3( 6 4 6 )8 8 6 8