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詞用法の形容詞句と名詞句

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詞用法の形容詞句と名詞句
副詞用法の形容詞句と名詞句
大石 強
0.はじめに
本稿では、副詞的に用いられる形容詞句と名詞句の分布上の特徴を検討し、
その分布と形容詞について提案されたWilliams(1982) 、 Di Sciullo and Williams
(1987)の主要部末尾フィルター(Head FinalFilter)との関係を論ずるO
副詞的に用いられる形容詞句とは、伝統的に単純形副詞(Flat Adverb)と呼ば
れるもので、次のような斜字体の形容詞句を指す。
(D a. Don't talk daft.
b. She pays her rent regular.
Quirk et al. (1985)
c. He spoke to John sharp.
副詞的に用いられる名詞句とは、 Larson(1985)が裸の名詞句副詞(Bare NP
Adverb)と呼ぶもので、 Larsonは次のような例を挙げている。
(2) a. John arrived that moment/minute戊our/day/week/month/year.
b. John arrived the previous April/March 12th/Sunday/the Tues軸that I saw Max.
c. John will arrive sometime next week.
d. John arrived yesterday.
e. John will arrive tomorrow.
f. John arrived * (on) that occasion.
g. John arrived * (during) this vacation.
1
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裸名詞句 副詞 として用 い られ る名 詞 は、時 間 を表す ものはカ レンダー 上 の表現
2
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や 昨 日、今 日、 明 日な どの特 定 の表 現 に限 られ 、 (
現 な ら何 で もよい とい うこ とにはな らないo 同様 に、場所 、方 向、様 態 を表す
裸名詞 句 副詞 として用 い られ る名詞 は、pl
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yに 限定 され て い るo
これ らの他 品詞 の語 が副詞 として用 い られ る と、特 定 の位 置 に限定 され て用
い られ 、主要部末尾 フ ィル ター がそ の分布 を制 限 して い るので はないか とい う
こ とを論ず る。
1.単純形副詞
単純形 副詞 は、言 い換 える と裸 の形容詞 句 副詞 とも言 うべ き もので、動詞句
の後 ろに現 れ る付加 部 で あ るo Qui
f
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1
98
5)で は、単純形 副詞 は
の 中で Ⅴ'
動詞 の後 ろ、 あ るい は、 目的語 が あ る場合 は 目的語 の後 ろの位 置 に限定 され る
と述べ られ てい る。
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l.(1
98
5)
(
7
b)は容認 可能性 が低 い が 、 ア メ リカ人 のイ ン フォー マ ン トは この文 を容 認 可
-2-
能 と してい る。 (
6)の よ うに 、 s
l
o
wl
y とい う副詞 が 「動 詞 + 目的 語 」 の前 後 に
7)の よ うに、単 純 形 副詞 は 「
動 詞 + 目的語 」 の後 ろ の位
現 れ るの に対 して 、 (
置 に限定 され て い るO 次 の例 か らも同様 の制 限が働 い て い る こ とが分 か る。
(
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単純 形 副詞 は、 さ らに、次 の例 の よ うに文頭 に生ず るこ とはで きない とい う
特徴 を持つo
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(
9a)、 (
9b)は 、それ ぞれ 「の ろま なケ ビン」、 「
死 ん だ ジャ ック」 とい う意 味 で
あ るな ら容認 可能 とな るが 、動詞 に よって表 され る動 作 を修 飾す る副詞 用 綾 は
認 め られ ない。 また 、単純 形 副詞 と して用 い られ る形 容詞 が名詞 を修飾す る こ
ともで き る こ とか ら、名 詞 を修 飾 す る形 容詞 用 法 との誤解 を避 け るた めに この
位 置 で は用 い られ ない とい う説 明 は妥 当で ない。 次 の例 の よ うに、単純形 副詞
が属 格 の外 側 に位 置 して い る こ とか ら名 詞 を修 飾 して い る とは言 えな い 例 で
も、単純形 副詞 は文頭 に生 じない。
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この よ うに見 て くる と、単 純形 副詞 が本来 形容 詞 で あ る こ とか ら、形容 詞 が
付加 部 として名 詞 を修 飾 す る際 に適 用 され る主 要部 末 尾 フ ィル ター が、動 詞 を
修 飾 す る際 に も働 い て い るの で は ない か と思 われ る。次節 で この点 を検討す る。
-3-
2.主要部 末尾 フィル ター
1
98
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1
98
7)は、名 詞 前位 修飾 に関 して次 の
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フ ィル ター を提案 した。
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98
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(
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)は、 あ る XP とい う句 が名詞 の前位 修 飾 をす る場 合 には 、ⅩP の 中で 主要
部 x の後 ろ に要 素 が あ って はな らない こ とを述 べ て い るO す なわ ち、名 詞 の
前位 修 飾 要素 は、そ の構 成 そ の 中で主要部 が末 尾 に来 てい な けれ ば な らない こ
とにな る。
(
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1
2)で は、p
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ud を主 要部 とす る形 容 詞 句 を角 括 弧 で 囲ん で あ るO この形容詞
句 にお いて、主要部 pr
o
udが末尾 に来 てい る場 合 は名 詞 前位 修飾 が可能 で ある
の に対 し、末尾 に来 てい ない場合 は前位 修 飾 が不可能 で あ るO
前置詞 句 につ いて も同様 の制 限で説 明で き る。
(
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(
1
3b)で は、前置詞 句 の主 要部 wi
血 が末尾 に生 じて い ない ので、名詞 前位 修 飾
が許 され ない。
同様 に、主要部 末 尾 フ ィル ター が動詞 を修 飾 す る要 素 に も働 い てい る と考 え
nd
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1
976)が構 造保 持 制約 の例 として挙 げた次 の例 も、主要部末 尾
られ る。 Emo
フ ィル ター に よ り動詞 前位 修 飾 が認 め られ ない と考 え る こ とがで き る0
-4.
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1
3
b)と同 じよ うに、前 置詞 句 の主 要部 b
y が句 の末尾 に来 てい ない
(
1
4
b)も、 (
た め前位修 飾 が許 され な い と考 え られ る。 前置詞 句 は 、そ の主要部 が常 に末 尾
に こないた め、前位 修 飾 が で きな い こ とにな る。
同様 の例 は以 下の通 りで あ る。
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(
1
5)の場合 は、副詞 句 の 中で 主要 部 の 副 詞 が末 尾 に来 てい るので、前位 修 飾 も
後位 修 飾 も可能 で あ るが
1、
(
1
6)、 (
1
7)で は、 主 要 部 が句 の末 尾 に来 てい ない
た め前位 修飾 が不可能 で あ る と考 え られ る
。
ここで注意 してお か な けれ ばな らない こ とが あ る。 次 の例 で は、前置詞 句 が
前位 修 飾 して い る よ うな位 置 に現れ て い る。
(
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しか しなが ら、本 稿 で は 、 副詞 的 な要素 は 、 Ci
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ue(
1
9
9
9)で主 張 され て い る よ
うに、時 間、場所 、様 態 な どの副詞 を除 き、す べ て対応 した機 能範 噂 の指 定辞
の位 置 に厳密 に一対 一 の対 応 を して生 じて い る と考 える 2
。 動詞 に対す る前位
修 飾 と後位 修 飾 を制 限す る主 要部 末尾 フ ィル ター が適 用 され るのは、Ci
nq
ueが
出来 事 に付 随す る副詞 類 (
Ci
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と呼び 、動詞 句 内で動詞 の補 部 に後続 す る副詞 類 で あ る と考 える。 す なわ ち、
-5-
これ らの副詞類 のみ が、お 互 い に厳密 に順 序 づ け られ てお らず 、付加 部 として
1
8)の例 で は、副詞 要 素 が、Ci
nq
ue
生ず る こ とがで きる副詞 と考 え る。 従 って、(
が主張す る よ うに、 主語 よ りも高 い機 能範 噂 の指 定部 に位 置 し、主語 。助 動詞
1
8)の副詞 要素 が動詞 句
等 が移 動 で さ らに高 い機 能範 噂 -上 が った と考 える。 (
を修飾す るので はない こ とは、次 の例 か らも裏 付 け られ る
(
1
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98
5)
ここで、単純形 副詞 が形容詞 な のか副詞 な のか を明 らか に してお か な けれ ば
l
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eは主要 部末尾 で あ るので、
な らない。単純形副詞 が形容詞 で あ るな ら s
前位 用法 が可能 にな って しまい、 これ は事 実 に反す る。確 か に、次 の例 に見 ら
れ る よ うに形容詞 と類似 した特 徴 が見 られ る
。
(
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(
20)に見 られ る よ うに、形容詞 は単独 で は後位修 飾 が難 しい とい う事 実 が あ る。
同様 i
こ、単純形 副詞 も語 に よって は単独 で生ず る こ とが難 しい とい う事 実 が あ
る。 しか しなが ら、 単純 形 副詞 は形容詞 とは異 な る分布 を有 す る こ とか ら、統
語 上 の範 噂 は副詞 で あ る と考 える。 また、動 作 を修 飾 す る こ とか ら二次述 語 と
は考 えない。
(
21
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(
21)で は 、主 語 が s
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w 「の ろ まな 」 とい う解 釈 で使 われ て い るの で はな く、動
22a
)、 (
2
3a)にお い て 、 単 純 形 副 詞 が 主語 に対 す る
作 を修 飾 して い るO また 、 (
二 次 述 語 で あ る と解 釈 す る こ とは 、 主 語 ・述 語 関係 (
p
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n)の構 造 上 の条
件
4
に違 反 して しま う。 従 っ て 、 単 純 形 副 詞 は形 容 詞 で あ りな が ら副 詞 で あ
る とい う次 の構 造 を有 す る と考 え る。
(
2
4)
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v
P [AA ]
]
この よ うに考 えれ ば 、 単 純 形 副詞 は副詞 句 の 中で 主 要 部 が末 尾 に来 てい な い こ
とに な り、 前位 修 飾 が 許 され ない こ とが説 明 され る こ とに な る。
1
y副 詞 で あ っ て も、補 部 を とる と主 要部 が 副 詞 句 内 で 末 尾
最 後 に、普 通 の に来 れ な くな る こ とか ら前位 修 飾 が許 され な い とい う例 を見 てお く。
(
2
5
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d.
従 って 、名 詞 修 飾 要 素 につ い て提 案 され た主 要部 末 尾 フ ィル ター は 、単純 形 副
詞や (
2
5
)の よ うな 1
y副 詞 な どの動 詞 修 飾 要 素 に つ い て も 当て は ま る と考 え ら
れ る。 5
3. 裸 名詞 句 副 詞
La
r
s
o
n が 議 論 した裸 名 詞 句 副 詞 の例 はす で に 見 た が 、 この 副 詞 類 はす べ て
Ci
nque の分 類 した 出来 事 に付 随す る副詞 類 に含 まれ るo 従 って 、裸 名詞 句 副詞
は 、 単 純 形 副詞 と同様 、 主 要 部 末 尾 フ ィル ター の適 用 を受 け る と予想 され る。
次 の例 を見 よ。
-7-
(
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上記 の例 文 は、 イ ギ リス 人 の判 断 に よる もので あ る。 (
2
6
b)、 (
27
b)に見 られ る
よ うに、裸名詞 句 副詞 が前位 修 飾 の形 を とって い る。 しか しなが ら、 これ は往
3で示 した Ci
nq
u
eの特徴 付 け に反 して い るO も う少 し具 体 的 にイ ン フ ォーマ
ン トの判 断 を検討す る と、(
26
a
)、(
27
a
)が この ま まで特 に問題 が ない の に対 し、
(
26
b)、 (
2
7
b)は、 この文 の後 に a
ndwa
s
he
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瓜e
rc
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r
‥.
な どの よ うに情報 を もっ
と加 えない としっ く りこない とい う直観 を述 べ た
。
この よ うに さ らに情 報 が必
2
6
C
)、 (
27
C)に も当て は ま る。 とす る と、考 え
要 で あ る とい う直観 は 、実 は 、 (
られ るの は、文 末 の副詞 が- 定 の条件 下で文頭 に移 動 され 、そ の後 、主語 が さ
らに上 の機 能範 噂-繰 り上 げ られ た とい うこ とで あ る。 この仮 説 が正 しい とす
26
b)、 (
2
7
b)の 副 詞 は文頭 の位 置 に あ り、動詞 に対 す る前位 修 飾 の位 置
れ ば、 (
にない とい うこ とに な る。 そ うで あれ ば、主 要 部末 尾 フ ィル ター が依 然 として
成 立 してい る こ とにな るO
今度 は、前置詞句 を用 いた次 の例 を見てみ よ。
(
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.
こ こで も、一見 、主 要部 が句 の末 尾 にない前置詞 句 が動詞 の前位 修 飾 を してい
28
a
)は 、他 の 二つ の例 文 とは異 な る解 釈 を
る よ うに見 える。 しか しなが ら、 (
もつ
6O
(
28
a
)の o
n aS
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md
a
y mo
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ngは特 定 (
s
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c
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f
i
c)の解 釈 を もつ の に対 し、
(
28
b)、 (
2S
c)の o
naS
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-8-
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Ci
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8
b)、 (
2
8
C
)の前置詞 句 は、
は対応 す る機 能 範 噂 の指 定 部 に現れ るo 従 って 、 (
出来事 に付 随す る副詞 類 、す なわ ち、付加 部 と して動詞 の前位 修 飾 を して い る
わ けで はな く、 (
2
8
a
)の前 置詞 句 とは種類 が異 な る こ とにな るO
この よ うに見 て くる と、裸 名 詞 句 副詞 も主 要部末 尾 フィル ター の適用 を受 け
て い る と考 えて よい と思 われ る
O
従 って 、裸 名 詞 句 副詞 は、単純形 副詞 に類 比
した次 の構 造 を もつ と考 え る。
(
29)
[Ad
vP [
NN]]
4. おわ りに
本稿 で は、副詞 的 に用 い られ る形容 詞 句 と名 詞 句 の分布 上 の特徴 を明 らか に
l
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ms らの提 案 した 主要 部末尾 フ ィル ター が形容 詞 類 の修 飾 関係
した上 で 、Wi
を説 明す るだ けで な く、副詞 類 の修飾 関係 も説 明 して くれ る と論 じた。 そ の際
重 要 な こ とは、副詞 類 が機 能 範 噂 と厳 密 に一対 - の対 応 関係 を持 つ と主張 した
Ci
nque の枠組 み を採 用 した こ とで あったo そ うす る と、主 要部 末尾 フィル ター
が説 明す るの は 、付加 部 と して修 飾 要素 とな る もので あ り、名詞 修 飾要素 と共
に、単純形 副詞 と裸 名 詞 句 副詞 を含 む 出来事 に付 随す る副詞類 がそ の守備 範 囲
に入 って くる とい うこ とを見 た。
-9-
注
本稿 は、20
0
2年 1
2月 1
9日の新 潟 大学言 語 研 究会 第 6回研 究発 表 会 で発 表 し
た ものの一部 を加 筆 訂 正 した もの で あ る。 本稿 に関 わ る部 分 に質 問 ・意 見 を頂
い た本 間伸 輔 氏 、池 田英 喜 氏 お よび言語研 究会 の参 加 者 に感 謝 申 し上 げ る。 ま
た 、本稿 の例 文 につ い て判 断 して くだ さった新 潟 大 学外 国人教 師 J
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氏 (ア メ リカ人 ) と J
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5
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5
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c
kl
y
は 出来 事 を修 飾す る場 合 と動 詞 の表す 動 作 の過 程 を修 飾 す る場合 の二通 りの解
釈 を持 っ の に対 して 、 (
1
5
も)の よ うに後 ろに現れ る q
ui
c
kl
y は動 作 の過 程 を修 飾
す る解 釈 しか持 た ない。 具体 的 に は、q
ui
c
kl
yが 出来 事 にか か る場 合 、例 えば、
「
質 問 あ りませ んか」 とい う問い か けの 出来 事 が あ った後 に 「手 を挙 げ る とい
う出来事 」 が 「素早 く、 間髪 を入 れ ず に」 起 きた とい う解 釈 にな る。 極 端 な場
合 、手 を挙 げ る とい う動 作 そ の もの は ゆっ く りで あって も構 わ ない こ とにな る。
これ に対 して 、 q
ui
c
kl
y が 動 作 の過 程 にか か る場 合 は 、 手 を挙 げ る とい う動 作
が 「
速 く」 行 われ た こ とを意 味す る。
2. Ci
nq
ueの設 定 した機 能 範 噂 の階層 と対 応 す る 副詞 の例 は次 の通 りで あ る。
(
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(
Ⅱ)
3. Ci
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ueは 、 具体 的 に は 、場 所 、 時 間、様 態 、 手段 、 随伴 、理 由、 目的 の副
詞 を この類 に含 めて い て 、 注 2で示 した階層 の 下 に生ず る副詞 とな る。 これ ら
-
10-
の副詞 は、次 の特徴 を持 つ と述べ て い る。
a
. お 互い に厳 密 に順 序 づ け られ てい ない。
も. お 互い の構 造位 置 に よ り、互 い の作用域 の 中に入れ る。
C
. (
一部 の様 態 の副詞 を除 き)典型 的 に は、前置 詞 句 か裸 の名詞句 の形 で
現れ る。
d. 副詞 句 に認 め られ る動詞句 の前 の位 置 に生ず る こ とが 出来 ない。
他 の副詞 句 が命 題 か ら命 題 - の写像 を行 う演算子 と して機 能す るの に
e.
対 して 、基底 の 出来 事構 造 につ い て叙 述 す る修 飾 語 と して機 能 す る0
4. 構 造 条件 と して 、主 語 と述語 がお 互 い に
C 統御
あ るい は m 統御 してい るこ
とが必 要 で あ るが、 いず れ の条件 で あ って も連反 して しま う。
5. 本 間伸輔 氏 の指 摘 で 、形 容 詞 に対す る修 飾 要 素 も同様 の こ とが言 え るか検
討 してみ たO イ ギ リス 人 のイ ンフォー マ ン トは次 の よ うな判 断 を したO
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前位 修 飾 が可能 で あ るが 、 そ の際 十分 な休 止 (
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あ った
O
従 って 、前位 修 飾 の 際 は、普 通 の付 加 部 と して用 い られ てい るの とは
異 な る よ うで あ る。 これ につ い て は、今後 の研 究課 題 と した い。
6. (
28)の例文 の判 断 も J
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