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プレゼンテーションを取り入れた大学における 教養科目
プレゼンテーションを取り入れた大学における 教養科目としての英語授業の実践 振り返りに現れる学生の成長 階戸陽太 1.はじめに 本稿は,大学の基礎教養科目としての英語の授業にプレゼンテーション を取り入れた 実践について報告するとともに,前期末と後期末の発表後に 学生が書いた振り返りを質的に比較分析することで ,学生の成長からプレ ゼンテーションを取り入れた授業への示唆を得ることを目的としている 。 2 .プレゼンテーションを取り入れた実践 プレゼンテーションを取り入れた授業に関する先行研究を概観する 。 2 .1 . 下 位 ク ラ ス で の 実 践 大 学 2年 生 の 授 業 に プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 取 り 入 れ た 実 践 と し て 酒 井 (2014)が あ る 。 ク ラ ス 分 け を 行 っ た 初 級 コ ー ス で ,英 語 に 対 し て 苦 手 意 識 を 持つ学生が多いクラスであり ,学生の専門が多様なクラスで,プレゼンテ ーションを中心とするプロジェク卜を取り入れた。 開 始月 (10月 ) と 終 了 月 (2月 ) に 英 語 が 好 き か 」 と う い う 質 問 に 6件 法 (6 r とても好き J ~ 1 r 大嫌い J)で学生 に回答してもらったとこ ろ,英語への好意は 1 0月 (M=2 . 8, SD=I . J ) から 2月 ( M=4 . 2, SD=I .O) に か け て 有 意 に 向 上 したと報告している。 プレゼンテーションを中 心 としたプロジェクトを通して ,英語に対する 学生の意識が肯定的に変わった。 2 . 2 .学部の授業での実践 単 一 学 部 と し て , ま た 英 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 実 践 と し て 藤 田 ・山 形 ・竹 中 (2009)が 挙 げ ら れ る 。 経 済 学 部 ・経 営 学 部 の 英 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ンの授業で,アンケ ー ト調査と授業観察を行った。 学生が「自分にもできる」という意識を持つようになり ,自信をつけた 。 ワd ゥ,, さ ら に 「ま た や り た し リ と い う 気 持 ち を 持 つ よ う に な り , よい循環ができ, 自 律 し た 学 習 に つ な が る と し て い る 。 4-5回 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 通 し た授業の効果について報告している 。 3 .実践内容 こうしたプレゼンテーションを取り入れた授業を ,教養科目としての英 語 の 授 業 に 取 り 入 れ , 筆 者 も 行 っ て き た 。 2015年 度 よ り 勤 務 校 が 変 わ っ た が , 前 任 校 で の 2014年 度 の 実 践 に 焦 点 を 当 て る 。 3 .1 . 英 語 購 読 J 対 象 と す る 授 業 は , 文 系 学 部 ( 非 英 語 専 攻 ) の 2年 生 を 対 象 と し た 「英 語 購 読 」 で あ る 。 教 養 科 目 と し て の 英 語 で , 通 年 科 目であり , 習 熟 度 別 の ク ラ ス 編 成 を 行 っ た 下 位 の ク ラ ス を 担 当 し て い た 。 前 年 度 に 単位取得でき な か っ た 過 年 度 生 も 受 講 す る 。 2014年 度 は 合 計 36名 の ク ラ ス で あ っ た 。 こ の 授 業 を 2011年 度 よ り 担 当 し , 毎 回 代 表 グ ル ー プ が プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ンを行う授業を実践してきた 。 テキス卜は Oxford の ~ BUSSINESS VENTURE ]j]を使用するように決められていた 。 i 購読」 という名前がついた授業で あ る が , 他 の ク ラ ス を ネ イ テ ィ ブ 教 員 が 担 当 し て い た こ とから , コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 目的 と し た テ キ ス ト が 選 択 さ れ て い た O そのため ,英 語 を 読 む量 を増やす必要性を感じ,英字新聞などの英文資料を取り入れることを 考えた O さらに学 生 に主 体 性 を 持 た せ る た め , 学 生 が 英 文 資 料 を 選 び , そ の資料に関連したプレゼンテーションを導入した。 授業は,プレゼンテ ー ションを行った後,テキストに関する内容を扱っ た 。 2012年 度 か ら は 協 同 学 習 を 取 り 入 れ , グ ル ー プ を 基 本 と し , 学 生 同 士 が学 び合う場面を設定した 。 3 . 2 .毎回のプレゼンテーション(グループ) 毎時間,授業の最初にプレゼンテーションの時間を取った。担当グルー プ は 学 期 始 め に 決 め ,で き る だ け 2週 間 以 上 の 準 備 期 間 を 置 く よ う に し た 。 発表グループは英文資料とパワーポイントを準備する 。 英 文 資 料 は事 前に提出し ,印刷 して発表時に全員に配布した。 この英文 資 料 は , 発 表 す る 内 容 に 関 す る 英 文 に な る 。 テ ー マ , 量などは指定せず, 各グノレープに任せ,新聞やインターネットから英文を探し , ワードにまと める 。 図 1が 英 文 資 料 の 実 例 に な る 。 ウ d 。 。 f-l,事事事ー ! > N ' f : I ; 四 . . a . I 田d y晶 popub.p 耐 ul.U.k抽 宮市1晶 冒 司L 冒胃, 出1 . 田明国書面甲l l e 曲面申 d 骨明司 h帽llhet.欄伽腎岨 E出恥が血i噌<1l~凶 ~fM9叩岡田叫担~!暗唱E坦哩柵咽霊園瞳mn'l>咽E 包 t~ F幅定同町inI抽 fagw暫帥E 出官回剖加嗣ht..,r~<:田町 tbcl時国(b l.ìE'.・ ,Ft.u..ïi~ 緬吋耐甜岨白幽桝品取、 E並埠加耐時柑訓 同伊d胎'8 皿曲目』岨臨時四回回目皿伊抱皿r.,<~l<;J. b."" 国d...kd.匝h.~司四Z 副官情量事国畠 τロ p" 柏品副iJe i1.田町四回 開白凶町田 d~盟国四 E 匝R.OCl:JI'自由仕n.'1l!..JIen'司副 "foduH. E 国J i tiIヨ 1.副 elru1 皿口百d 胃冊目出Roeb "in ョ "ín. lI~盟副 dri比面'8 b出恒画面且哩( ) o ,. , 開 旬b c y t - , 四 回F 血 CWV'l血叫帽,-,田島国 骨帽 m . . . ' " 四 , . t l l m ! : 包 l遁 世 間4酎 0 I ' l 1 0 ht I 凶 biopped副曲目I>dl" t血.Jí~~皿阻dbiu-ha' l: I.;ttc国£量司i 励 ,k. 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当 た る 。 後 半 部 分 で は , タレ ン ト の 画 像 を 用 い て い る た め , 肖像 権を考慮し ,前半部分のみを掲載し た。 図 2パワーポイントの一例 発表したら終わり , ではなく,全員に課題を設定した。 まず,英文資料 を 読 ん で , ノ ー ト に わ か ら な い 語 句 を 調 べ る こ とと 日本 語 の 要 約 を ま と め るようにした O また , 聞 き 手 の 学 生 に 対 し て は 発 表 に 対 す る コ メ ン ト と 自 己 評 価 (任意)を , 発 表 し た 学 生 に 対 し て は 発 表 の 振 り 返 り と 自 己 評 価 を ポータルサイトに記入するようにした O 評 価 は , 発 表 全 体 を 5段 階 で 評 価 し, 発 表 グ ル ー プ の 成 績 に 反 映 さ せ た 。 コ メ ン トと評 価 は , 翌 週 に 発 表 し たグループに渡した。 このような形でグ ノ レ ー プ 発 表 を 毎 回 設 定 し , 半 期 で l人 2回 の グ ル ー プ 発 表 を 行 った 。 3 . 3 .期末プレゼンテーション(個人) 2013年度より, 学 期 末 に 個 人 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 取 り 入 れ る こ と に した 。 学 期 末 試 験 の 代 わ り と し , 2週 に わ た っ て 全 員 が 発 表 す る よ う に し た。 毎 回 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン と 同 じ よ う に , 英 文 資 料 と パ ワ ー ポ イ ン トを 作 成 し た 。 発 表 が 試 験 期 間 中 で あ る こ と を 顧 慮 し , 1カ 月 前 を め ど に , 期 末プレゼンテーションについて告知した。毎回のプレゼンテーションとは 異 な り , 英 文 資 料 は 当 日提 出 することにし, 全 員 に は 配 布 せ ず , そ の 代 わ りにわかりやすい説明を求めた 。詳しい内容については ,後述する 。 8 0 '司堕哩喧喧旬・, '"恒開歯固曹司暗 F同 軍 圃 ー - 闇里里哩 , -副己 ー │ 発 表 時 間 は 5分 で , 質 疑 応 答 は 3分 と し た 。 聞 い て い る 学 生 1 件 I ~ 1は , そ の 場 で コ メ ン ト と 評 価 を 行 っ た 。 図 3が 実 際 の 評 価 シ ー u 「 トである 。 発表者は ,ポータルサイトに 振 り 返 り 印 税 1週 間 以 内 に 記入するようにした。 r 古 品. . n ¥ ( . t . > ' Y 副 I ! o , jIt;~ i a E p ead ← L s 料4 E上唇 』 自 由 伺 胸 同盟' 胆 - 圃 闘蝿司堕園開唱骨同 . .' 1 1 里圃圃噌 図 3評価シートの例 4.振 り 返 り 201 4年 度 の 前 期 と 後 期 , 両 方 の 期 末 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 振 り 返 り を 質 的に分析する 。 4 .1.分析方法 振り返りの分析方法として, 質 的分析を行う 。 理 論 的 背 景 として「構成 構 造 主 義 J (西保, 2 007,2008) を 援 用 し , 分 析 方 法 と し て グ ラ ン デ ッ ド セ オリーアプローチを用いる 。 ここでは,グランデッドセオリーアプローチ (文木, 2 008) を用いる 。 西僚によると,構成構造主義 では,研究者の視点で,研究に関する 事柄 (調 査 対 象 , 人 数 , 方 法 な ど ) を 決 め る こ と が で き る と い う 質 的 研 究 方 法 の 考 え方 である 。 グランデッドセオリーアプローチを用いた具体的な分析の手順として, 00 よ ー ま ず 内 容 に よ っ て ラ ベ ル 付 けを行った 。 内 容 を 重 視 し た た め ,切片 化 は行 わなかった。 その後,内容を検討し ,似 たものをまとめて ,カテゴリーを 作 っ た 。 さ ら に カ テ ゴ リー を 整 理 し , 最 終 的 な モ デ ル 図 を 作 成 し た 。 4 . 2.前 期 の 期 末 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 期末プレゼンテーションについて は,前節で述べたが,前期はテーマ 一 量重画 を限定した。授業内で行ったグルー ププレゼンテーションに関連したも のを選ぶように指定した。具体的に は,前半の評価が高かったグループ 3つ の 英 文 資 料 と 後 半 の 全 グ ル ー プ の 英 文 資 料 の 中 か ら lつ の テ ー マ を 選 ぶ こ ととした 。 た だ し , 自 分 の 所 属したグループのものは選べないこ とにした。 発表構成は,①プレゼン資料要約 (日本語) , ② 調 査 ( 日 本 語 。r 英 語) , ③ 意 見 ( 英 語 ) , ④ 引 用 文 献(一覧)としたO 図 4は 前 期 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 一例である 。 4 . 3 .前 期 の 振 り 返 り の 分 析 前期の振り返りの分析から. % :満 足 感 ;)>%:反省;)><<学び》の 3つ の カ テ ゴリーができた。 《 満 足 感 》 で は < 準 備 > < 工 夫 > < 質 問 の 多 さ > < 内 容 >, 以 上 4つ のサブカテコリーが生成された。各カテゴリーの具体的な振り返りを取り 上 げる 。 <準備> ・自 分 の プ レ ゼ ン の ま と ま り が あ ま り 納 得 の い く も の で は な か っ た が , 調 査自体はすごく面白かった。 く工夫> ・知 ら な い 人 も 置 い て け ぼ り に な ら な い よ う に 説 明 と 概 要 を 詳 し く 説 明さ つ4 00 せていただきました。また,やはり言葉だけでは通じにくいと思ったの と 途 中 飽 き て し ま う の を 防 ぐ た め に 動 画 を 入 れ た の で ,私の発表がよく 伝わったと思います。 く質問の多さ> ・み ん な が た く さ ん 質 問 し て く れ た の で あ り が た か っ た で す 。 〈内容> ・プ レ ゼ ン の 内 容 を 特 に 指 定 さ れ な か っ た こ と で , 自 分 の 好 き な テ ー マ で 発表することができ ,パワーポイントを 作成するのがとても楽しかった です。 <工夫〉で述べられているように,聞き 手を意識して取り入れた工夫がう ま くいったこと < 準 備 〉 の 楽 し さ が 述 べ ら れ て い た 。 ま た ,好 き な < 内 容>で発表できた こと,その結果,質問が多くあったことに満足している 振り返りがあった。 《反省》では<心残り><緊張><発表の仕方><構成><準備> く 不 備 > < 時 間 不 足 > < パ ワ ー ポ イ ン 卜 > , 以 上 8つ の サ ブ カ テ ゴ リ ー が 生 成 さ れ た 。 各 カ テ ゴ リ ー の 具 体 的 な 振 り 返 り を 取 り 上 げる O < 心残り > ・最 後 ま で 作 っ て か ら , 1か ら や り 直 し た い と 思 っ て し ま い , 自 分 の 中 で は 楽 し く な い プ レ ゼ ン に な っ て し ま っ た の が 心残り 。 <緊張> ・意 見 を 英 語 で 発 表 す る の を ス ラ ス ラ と 読 み た い と 思 い , 何 度 も 練 習 し て いったのですが,前に立っと緊張してしまって練習通りに読めなかった こ と が 悔 し かったです。 ・一 人 で プ レ ゼ ン す る の は 初 め て だ っ た の で と て も 緊 張 し た 。 く発表の仕方> ・た だ も っ と シ ャ キ ッ と 発 表 す る べ き だ っ た と 反 省 し て い る 。 <構成〉 ・ プ レ ゼ ン の 構 成 が 甘 かった。 く準備〉 -資料要約の部分が多くテーマに対する調査が少し少なかったような気が しました。また自分の意見も周りに比べて足りなかったと反省していま す。 <不備> qJ 00 -英 文 資 料 に URLを 載 せ 忘 れ た こ と が 良 く な か っ た 点 で す 。 <時間不足> 5分 と い う 時 間 内 で や る の は 非 常 に 難 し く , い く つ か 話 そ う と 思 っ て い た話をカットせざるを得なかったことが悔やまれる 。 <パワ ー ポ イ ン 卜 > .グルー プ と し て の プ レ ゼ ン 発 表 の 直 後 に 期 末 プ レ ゼ ン で 資 料 要 約 や 意 見 などを分担できたグループプレゼンと比べるとパワーポイン卜の質が低 くなってしまった 。 く緊張>で述べられているように,準備をしたが, いう振り返りがあった。 うまくいかなかったと 方 で ,準 備 不 足 や 不 備 を 反 省 す る 記 述 も あ っ た 。 また , く 発 表 の 仕 方 > の よ う に , 発 表 す る 姿 勢 に 対 す る 反 省 も あ っ た 。 《 学 び 》 で は < 次 回 へ > <他 者 か ら の 学 び > < 英 語 > < 難 し さ > < 準 備 過 程 > < グ ル ー プ プ レ ゼ ン の 良 さ > , 以 上 6つ の サ ブ カ テ ゴ リ ー が 生 成 さ せた。各カテゴリーの具体的な振り返りを取り上げる。 <次回へ> ・後 期 に ま た 発 表 す る 機 会 が あ れ ば , 今 回 で き な か っ た こ と を 上 手 く で き るようにしたいです。 く他者からの学び> ・他 の 人 の ス ラ イ ド や , 発 表 を 見 て い る と 自 分 に は 足 り な い も の が 多 く あ ることに気づかされた。 -僕 の プ レ ゼ ン よ り Y 君 の プ レ ゼ ン の ほ う が 盛 り 上 が っ て い た の で , 次 は もっと盛り上がるような内容にしたい <英語> ・意 見 は 自 分 で 英 文 を 考 え て 書 か な く て は い け な く て ボ キ ャ ブ ラ リ ー の な さを痛感しました。そのせいで簡単にできる作業も手聞がかかつてしま いました。もっと英語を勉強してすらすらとかけるようになりたいと思 いました。 <難しさ> ・期 末 の プ レ ゼ ン は グ ル ー プ の も の と は 異 な り , 自 分 の 独 断 で 話 題 を 決 め れ ま し た 。 し か し , そ の 反 面 話 題 探 し に 時 間 が か か り ま し た 。ま た , グ ループのプレゼンの内容と結び付けるという条件が難しかったです。 <準備過程> 1人 で や っ て 調 べ る べ き こ と を 徹 底 的 調 べ る こ と が 出 来ました。 84 1人 で やって見てよかったと思います。 <グノレーププレゼンの良さ> ・プ レゼ ン は l人 で や っ た ほ う が 楽 だ け ど , グ ノ レ ー プ で や る こ と で チ ー ム ワーク力を鍛えられると思います。 <他 者 か ら の 学 び > で 述 べ ら れ て い る よ う に , 他 の 人 の プ レ ゼ ン か ら の 学 びについて述べられていた。<準備過程>からの学びについての振り返り もあった。<英語>の勉強への気づき,<グループプレゼンの良さ>につい ての気づきもあった。一方,設定に 関するく難しさ〉についての振り返り もあったが,学びや気づきを<次回へ>つなげたい , という振り返りがあ った。 4. 4 . 後 期 の 期 末 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 前期と同じように,英文資料とパワーポイントを準備するようにした。 ただ,後期末のプレゼンテーションはテーマを自由にした。 図 5は 後 期 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 一 例 で あ る 。 こ の 学 生 の 発 表 は , 話 題 と な っ て い た 「単位ノ fン 」 に つ い て の 英 文 記 事 か ら パ ン に つ い て 調 査 し て いた 。 な お , 後 半 部 分 で は ア ニ メ の 画 像 が 掲 載 さ れ る た め , 肖 像 権 を 考 慮 し,前半部分のみを掲載した。 図 5後 期 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 一 例 にu o o 発 表 構 成 は , ① プ レ ゼ ン 資 料 要 約 ( 日 本 語 ) ,② 調 査 ( 日 本 語 o r英 語) , ③ 意 見 ・ま と め ( 英 語 ) , ④ 引 用 文 献 (一 覧 ) と し た 。 前 期 と ほ ぼ同じであったが,つなぎで英語を入れるように指示をし ,できるだけ英 を話す場面を増やすことを求めた。 4 . 5.後 期 の 振 り 返 り の 分 析 t学び>>< t達 成 感 : ? > < t反 省 》 の 3つ の カ テ 後期の振り返りの分析から , < ゴリーができた。 《学び》では<準備中の気づき><他者のプレゼン><これからに>< 学 び 合 い > < 知 ら な い 知 識 >, 以 上 5つ の サ ブ カ テ ゴ リ ー が 生 成 さ れ た 。 各カテゴリーの具体的な振り返りを取り上げる 。 <準備中の気づき> ・グ ル ー プ 作 業 に 慣 れ る と , 一 人 で 作 る の が 大 変 だ と 感 じ ま し た 。 <他 者 の プ レ ゼ ン > ・ク ラ ス の み ん な の プ レ ゼ ン は ど れ も 闘 い て い て た の し い も の ば か り で 知 識もふえました 0 ・緊 張 し て し ま っ た 感 じ が あ る の で , N君 や Y 君 ほ ど ま で 行 か な く て も も う少しリラックスして発表できるようになりたいです。 くこ nカミら l こ> -こ の 先 も プ レ ゼ ン の 機 会 は あ る で し ょ う か ら そ の 時 に 生 か し て い き た い と思います。 <学び合い> -英 語 購 読 の 授 業 を い い 形 で 締 め く く る こ と が 出 来 た と 感 じ て お り ま す 。 また , み ん な の プ レ ゼ ン 発 表 も 前 期 の 期 末 プ レ ゼ ン よ り も レ ベ ル ア ッ プ していたと感じました。 共に学び高め合うことが出来たということだと 思いました。 く知らない知識> ・普 段 授 業 で の プ レ ゼ ン の 作 成 は 旬 の ニ ュ ー ス や 自 分 が 知 ら な い 知 識 を 手 に入れることができとてもためになりました。 <他者のプレゼン>で述べられているように,前期と同じように他の人の プレゼンからの学びだけでなく,内容を楽しんだことが述べられていた。 また,他の人の発表の様子から, <これからに>つなげていくという振り 返 り も あ っ た 。 < 準 備 中 の 気 っ き > や く 知 ら な い 知 識 > < 学 び合 い >とい 8 6 った振り返りに普段の授業を踏まえた振り返りがあった。 《達成感》では<力を入れたこと>く発表を終えて><準備>く内容> < 工 夫 > < 英 語 使 用 > < 聞 き 手 > < 質 問 へ の 不 満 > , 以 上 8つ の サ ブ カ テ ゴ リー が 生 成 さ れ た 。 各 カ テ ゴ リー の 具 体 的 な 振 り 返 り を 取 り 上 げ る 。 く力を入れた こと > ・つ な ぎ の 英 語 や ス ラ イ ド の 流 れ な ど 力 を 入 れ て で き た の で , 良 か っ た で す。 く発表を終えて> -期 末 プ レ ゼ ン は 自 分 で ー か ら 調 べ て う ま く で き た と 思 う 。 <準備> ・前 期 の 期 末 プ レ ゼ ン で 英 語 で 意 見 を 読 む と き に , 何 度 も 家 で 練 習 し て い っ た の に 前 に 立 っ と 緊 張 し て し ま っ て ,練 習 の よ う に ス ラ ス ラ と 読 め な かったことが悔いに残ったのと ,前期のプレゼン以上に英語を読むのを 多くしたので ,前期の期末プレゼンのとき以上に自宅で何回も 一人でプ レゼン発表を繰り返していました。今日はほとんどつまづくことなく英 語を読むことが出来たと思います。満足できる発表が出来ました 。 <英語使用> ・期 末 の プ レ ゼ ン は 全 部 英 語 で や る こ と が で き て よ か っ た で す 0 .つ な ぎ も 英 語 で で き る よ う に 頑 張 り ま し た 。 <内容〉 ・自 分 が 行 っ て み た い さ つ ぼ ろ 雪 ま つ り に つ い て プ レ ゼ ン で き て 良 か っ た です。 <工夫〉 ・外 国 語 学 部 の 友 達 に 自 分 で 考 え た 英 文 の 文 法 確 認 を し て も ら っ た り し て , なるべく全体的に英語を使うように頑張った。 <聞 き 手 > ・前期の時よりは, 聞 き手を意識して話せたと思います。 <質問への不満> -質 問 に 対 し て し っ か り と 調 べ て お い た の で も う 少 し 踏 み 込 ん だ 内 容 の 質 聞をしてくれでもいいのに,と感じた。 < 英 語 使 用 > <準 備 > < 工 夫 > で 述 べ ら れ て い る よ う に , 英 語 の 使 用 量 を 増 や す よ う に 指 示したこともあり ,外 国 語 学 部 の 友 達 に 協 力 し て も ら っ た と い う 振 り 返 り や , 前 期 の 反 省 を 含 め て , 練 習 を し た 上 で 臨 ん だ , という 振り返りがあった。 <発表を終えて><聞き 手 ><内容>のような成長を ウ t o o 感じさせる振り返りがみられた。 《反省》では, <内容><英語使用>く話し方><発表時間>く調査不 足 > < 緊 張 > , 以 上 6つ の サ ブ カ テ ゴ リ ー が 生 成 さ れ た 。 各 カ テ ゴ リ ー の 具 体 的 な 振 り 返 り を 取 り 上 げる 。 く内容> ・色 々 詰 め 込 み た い も の を 詰 め 込 ん だ 結 果 プ レ ゼ ン の 作 成 が 今 ま で よ り も 完成度が低くなってしまったのが気がかりです。 く英語使用〉 ・最 初 や 最 後 , つ な ぎ の 言 葉 を 英 語 で 話 せ ば 良 か っ た o <話し方> ・少 し 緊 張 し て し ま っ た の で , も う 少 し ゆ っ く り 話 せ る と 良 か っ た で す 。 く発表時間> ・発 表 し た 感 じ だ と 思 っ た よ り 発 表 時 聞 が 短 く 感 じ て し ま っ た の で , もう 少し補足等入れでも良かったんじゃないかと思し、ます。 <調査 不 足 > ・調 査 が 少 し 物 足 り な か っ た で す 。 <緊張> -緊 張 し て し ま い 言 お う と 思 っ て い た こ と が 言 え な か っ た の で そ こ は 残 念 でした 。 <緊張><話し方>で述べられているように ,二度目の個人でのプレゼン であったが,緊張したという 振 り返りがあった 。 一 方 , く内容 >のように 二度 目 ということで,考え過ぎてしまって, う ま く 行 か な か っ た , という 振り返りもあった。 く英語使用><発表時間>く調査不足>のような形式 的な反省があった。 5.考 察 図 6は 振 り 返 り の 分 析 結 果 を 表 し た モ デ ル 図 で あ る 。 毎 回 の 授 業 で 行 っ たグループでのプレゼンテーションを背景に ,前後期末に行 った個人での プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 位 置 付 けている 。 こ れ は 前 後 期 そ れ ぞ れ の 《 学 び 》 の中に記述されていたため , グループプレゼンテーションを背景に置いて いる 。 前期は《学び:><<満足感:>1:反省>>, 後期は《学び:>1:達成感>>1 : 反省》のカテゴリーにまとめることができた。 前期では《満足感》よりも《反省》に多くのサブカテゴリーが生成され 8 8 た 。 後 期 で は , ~達成感》が増え, ~反省》は減っている 。 このことから, 学 生 の 成 長 を 推 察 す る こ と が で き る 。 こ う し た 成 長 は , ~学び》の変 化 か ら も 読 み 取 る こ と が で き る 。 前期では, <他 者 か ら の 学 び > で あ っ た が , 後 期 は く 他 者 か ら の プ レ ゼ ン > く 学 び 合 い > < 知 ら な い 知 識 > と具 体 的 に 変わっている 。 こ う し た 変 化 の 背 景 に は , 協 同学 習 の 効 果 が 考 え ら れ る 。 一 方 , 前 期 で は < 質 問 の 多 さ > で 「質 問 が 多 か っ た こ と が う れ し か っ た J と あ っ た が , 後 期 で は く 質 問 へ の 不 満 > で 「質 問 に 対 し て し っ か り と 調 べ , て お い た の で も う 少 し 踏 み 込 ん だ 内 容 の 質 問 を し て く れ で も い い の に Jと より積極的になっていた。 こうした学生の成長から前期の《満足感》を後期では《達成感》として いる 。 この成長は, 学 び 合 い に よ っ て 促 さ れ た と 考 え る 。 前期の《学び》にく英語〉があった。 これは英語の勉強が必要だと感じ たという振り返りであった 。 使 用 >が あ っ た 。 後期では《達成感:þ~反省》の両方にく英語 r 英語を使えた」 という達成感の振り返りと 「英 語 を 勉 強しなければ」 という振り返りがみられた。 プレゼンを通して,英語の必 要 性 に 気 づ い て い る こ と が わ か る 。 藤 田 ・山 形 ・竹 中 (2009) が 指 摘 す る プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 通 し た 自律 的 な 学 び が 現 れ て い る と 考 え る O 5 ' jJ レーブプレゼンテーション 人ブレぜンテーション(前駒 図 6 プレゼンテーションの効果 6 . まとめ 大 学 の 基 礎 教 養 科 目 と し て の 英 語 の 授 業 に 2種 類 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 8 9 を取り入れた実践を学生の振り返りからその効果について検証を行った。 学 生 の 学 び 合 い か ら 学 生の成長を促し, 英 語 の 勉 強 の 必 要 性 に 気 づ か せ る という自律的な学習への示唆を得ることができた。 英語を苦手とする学生 を対象とした授業であったため,また授業内容を 考慮、して英語でのプレゼンテーションを強制 し な かったが ,後 期 末 の 個 人 プレゼンテーションでは一部 を 英 語 で 行 う よ う に 指示 したところ ,積 極 的 に取り組んでいた。 今後,全てを英語で行うプレゼンテーションを現勤務 校で行っていきたい。 参考文献 2 0 0 9 ) .r 学生の意識変化に見る英語プレゼ 藤 田 玲 子 ・山 形 亜 子 ・竹 中 肇 子 ( ン テ ー シ ョ ン 授 業 の 有 用 性 J ~東 京経済大学人文自然科学論集 ~ 128, 3 553 文木クレイグヒル滋子 ( 2008) ~実 践グランデッド・セオ リ ー ・ アプローチ 象をとらえる』東京 現 新曜社 西{ 燦剛央 ( 2 0 0 7 ) . ~ ライブ講義 ・ 質的研究とは何か SCQRMベ ー シ ッ ク 編 』 東 京 ・新 曜 社 西{ 燦剛央 ( 2 0 0 8 ) . ~ ライブ講義 ・ 質的研究とは何か SCQRMア ド バ ン ス 編 』 東 京 。新 曜 社 2 0 1 4 ) . 酒井英樹 ( 大 学 2年 生 を 対 象 に し た 英 語 の 授 業 に お け る 探 究 的 実 践 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 中心 と し て 山 梨大会要項~ 3 5 90 J ~第 44 田中部 地 区英語教育学会