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コラーゲン事業について∼ 井原水産(株) 盛川執行役員
【∼コラーゲン事業について∼ 井原水産(株) 盛川執行役員】 井原水産株式会社 創業 1954年(昭和29年) 資本金 2億90万円 従業員 400人 本社 留萌市 主な業務内容 数の子等の魚卵製品加工・販売 水産惣菜の加工・販売 コラーゲン原料の加工・販売 井原水産マリンコラーゲン シロサケ 日本で獲れた 「鮭」の可食部分 (皮)から抽出 マリンコラーゲン コラーゲンとは タンパク質のひとつ 50キロの人間に約3キロのコラーゲン 肌、骨、関節だけでなく内臓、腱、目など体のありとあら ゆる箇所に存在する 年齢と共にコラーゲンが減少する と・・・ 肌にハリがなくなる 肌にハリがなくなる 骨がもろくなる 骨がもろくなる 美容だけでなく 健康にも悪影響 血管が破れやすくなる 血管が破れやすくなる 井原コラーゲン事業について • 平成7年 • 平成13年 約 12 • 平成14年 年 間 • 平成16年 • 平成17年 • 平成18年 水産未利用資源の有効利用の一環として 医療用途の研究開始(北海道の紹介) 留萌本社にサンプルプラント新設 化粧品原料アテロコラーゲン販売開始 小樽市銭函にほしみ工場新設 食品素材マリンコラーゲンペプチド販売 研究用コラーゲンゲル販売 日本生物工学会技術賞受賞 食品(菓子・飲料)への採用増加 コラーゲン事業の流れ サプライ・ チェーン 関係者 弊社が取り組んでいるコラーゲン事業ですが、原料は北海道でとれる秋サ ケ、白サケの皮を原料としています。その原料を利用してこういった製品が できあがります。コラーゲンとはタンパク質の一つで、50キロの人間に約 3キロのコラーゲンが含まれています。肌、骨、関節だけでなく内蔵や目な どの身体のありとあらゆる部分に存在するマテリアルです。年齢とともに減 少するもので、肌に張りが無くなり、血管が壊れやすくなったり、そのよう な影響を及ぼす素材でもあります。美容だけではなく健康にも悪影響を及ぼ すということで、医療分野だけでなく健康分野ですとか化粧品、そういった 分野にも応用された幅の広いバイオマテリアルであると思います。 手前どもがコラーゲン事業を開始したのは平成7年で12年間続けてきた ものですが、当初は研究開発でした。医療用研究ということで代用皮膚の開 発としてスタートしました。ですが、非常に医療関係はハードルが高くてコ ストも時間もかかるということで、途中から化粧品原料ということで提供す るようにしました。平成16年、研究用のコラーゲンゲル、これは細胞培養 の培地として販売しているものですが、それを開発し、最近では食品、お菓 子、ケーキ、飲料への採用も増加しています。現在では約2億円弱の売り上 げ規模にまで至っております。現在のコラーゲン事業の流れですが、供給体 系は、道内でとれた秋サケ、実は道内の秋サケの半分は中国に輸出されてい ます。ですから、道内でとれたものはそのまま皮としてうちが買い取る形、 それと中国から輸入する形で使用しています。実績としましてサケの皮だけ で240トン使用します。これらを化粧品用途ですとか食品用途に加工しま して、そのうち動物性残渣、もしくは有機汚泥とした形で発生するものに関 しましては産廃処理をします。そこから抽出したものは各種製品となって、 各用途メーカーに納められて、それが商品として消費者に流れる。こういっ たフローになっております。ここで重要なのは、関係者というところで、研 究開発、マーケティング、さらに行政機関ですとか、大学の方ですとか、現 在、北大の方と共同研究を行っていますし、札医大とも共同研究を行ってい ますけれども、こういった協力していただける方々があって、初めてこのフ ローが成り立っていると思います。 最後にコラーゲン事業の事業化に当たっての弊社なりのポイントとしてま とめてみたんですけども、まず最初には、未利用資源ですからどういったも のが使えるのかという研究開発が前提となりますが、弊社の場合は当初のき っかけは、北海道食品加工研究センターさんからお話を頂きまして、これに つきまして研究してみようかといったところでございますので、これも産学 間連携といった流れの中でスタートした事業です。そこからさらに共同研究 を進めて参りました。もう一つは未利用資源、サケの皮ですけども、弊社で はイクラも加工していますので、もともとそういった原料を仕入れるルート がございましたので、そういった優位性があったと、それも大きなポイント の一つとなったと思います。 だだ、一番二番、この二つだけでやっていても、いずれ弊社のような中小 企業ですと、資金が足りなくなってきます。そこで、やはり必要なのは用途 開発とマーケティング。消費者にどんなニーズがあって、どんな商品を提供 すれば、それを購入して頂けるか、そういったものも同時並行的に進めてい かないと、研究だけのものになってしまったりとか、事業化が途中で止まっ たりと、そういったことが起こってしまいます。 もう一つは販路の確保です。販路開拓というのは、手前ども水産食品関係 はルートがございますけれども、それ以外の化粧品、医療関係ですと全くル ートがございません。知見もございません。そういったところにどうやって 開拓していくのかといったところでも、さきほどのスライドでもございまし た、外部の方々の協力なんかが非常に必要になりますし、手前どもの事例で は大いに助かったと。 当初は取材、テレビ取材ですとか新聞紙面で注目を頂きまして、それをき っかけにつながりをつけると、そういった活動が有効であったものですから、 そういったことなんかも事業化する上でのポイントだと思います。 今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 Input 道内・中国 Process Output アテロ化 (化粧品用途) 動物性残渣 有機汚泥 産廃業者 各種製品 メーカー 鮭皮 約240㌧ ペプチド (食品用途) 行政機関 研究開発 マーケティング 消 費 者 大 学 コラーゲン事業化のポイント 1.研究開発 z 産学官連携の活用(長期テーマ)、共同研究の推進 2.未利用資源確保の優位性 z 開発商品の原料調達に優位性がなければ模倣されやすい 3.用途開発とマーケティング z 製品用途、市場性、原価、品質、競合の調査が必要 (過剰品質、過大投資の防止) 4.販路の確保 z 製品実現の可能性に応じた販路開拓 (初期はパブリシティ活用が有効)