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出産上のフィルム

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出産上のフィルム
HP ProCurve Switch シリーズ導入事例
JA 長野厚生連 北信総合病院
医療画像診断のフィルムレス化を契機として
院内ネットワークインフラを全面再構築
長野県・北信地区(中野市、飯山市、下高井郡、下水内郡)の中核病
院として長年にわたり地域住民の健康と医療を担ってきた北信総合病院
は、高度医療を ITの側面からサポートするための施策として、CT や X-Ray
(レントゲン)
、MRI などの画像診断におけるフィルムレス化を推進して
いる。その大前提として求められたのが、通信回線のスループット向
上や耐障害性の強化といった課題解決である。HPのネットワークスイッ
チ HP ProCurve Switch シリーズを多数導入し、院内ネットワークイン
フラを全面的に再構築。ネットワークの安定した稼働を実現するとと
もに、無線 LAN 導入で電子カルテを見据えた病院情報システムの全面
更新を検討するなど、今後の拡張への足場を固めている。
地域の中核病院として高度医療を推進
長野県厚生農業協同組合連合会( JA 長野厚生連)が運
営する北信総合病院は、長野県・北信地区(中野市、飯
山市、下高井郡、下水内郡)の中核病院として、長年に
わたり地域住民の健康と医療を担ってきた。災害拠点病
院として指定を受けるとともに、第二次救急医療の告示
医療機関として 24 時間 365 日の緊急対応が可能な医療
管理課 主任
大島 昌武 氏
体制を整備している。
最近においても、妊娠後期から新生児早期までの出産
にまつわる時期を一括して総合的に母子の健康を守る
地域周産期母子医療センターとして指定を受けた小児・
周産期センターをはじめ、循環器センター、腎・透析セ
ンター、脳卒中センター、通院治療センターなどの集中
体制を確立し、医療のさらなる充実に努めている。
こうした高度医療を IT の側面からサポートしていくため
管理課 電算担当
丸山 剛正 氏
の施策として、同院が 2009 年初頭より取り組んできた
Failure(単一障害点)を回避し、高度な可用性を確保。
のが、院内ネットワークインフラの全面的な再構築であ
加えて、各所のスイッチは必ず 2 台構成として、どちら
る。同院管理課の主任を務める大島昌武氏は、その狙
か一方に障害が起こった場合でも、配下の端末が半分は
いを次のように語る。
生き残るよう配慮されている。
「 契 機となったの は、CT や X-Ray( レントゲン)
、MRI
もっとも、これはあくまでも万一の事態に備えた「保険」
などの画 像 診 断におけるフィルムレス化 の 実 現です。
としての施策である。当然のことではあるが、ネットワー
当 院 で は、 早 期 か ら PACS(Picture Archiving and
クインフラを構成する各ノードには、可能な限り障害が
Communication Systems:医療画像保存通信システム)
発生しないことが大前提となる。その重要な鍵を握る
を導入してきた経緯があり、その利用環境を病棟や外来
ネットワークスイッチの製品選択に関して、特に入念な
などの医療現場に展開し、より高度な活用を推進するこ
検討が重ねられてきた。
とを目指しています。ただ、今から約 7 年前に構築され
「病院内ネットワークはその性質上、データセンターの
た既存のネットワークインフラは、100Mbps Ethernet
ような空調の完備した室内ではなく、通路や物置などの
をベースとしており、大容量の医療画像を数十枚、数
環境変化の激しい場所に機器を設置しなければならな
百枚にもわたってやりとりするための通信回線としては、
いケースもよくあります。実は旧インフラで採用していた
十分なスループットを備えていませんでした。MRI 棟や
ネットワークスイッチは、そんな過酷な環境に耐えられ
CT 室などで大量の画像を扱うには Gigabit Ethernet で
なかったのか、頻繁に故障を起こし、私たち運用スタッ
の接続が必要でした。また、フィルムレスへ移行すると
フは苦労してきました。それだけに今回は、過酷な環境
なると、予定外のネットワーク停止は医療活動に重大な
下でも安定して稼働を続ける堅牢なネットワークスイッ
支障をきたしてしまう恐れがあり、障害対策の徹底が不
チを導入したいと考えました」と、大島氏は背後にあっ
可欠でした。こうした理由から、ネットワークインフラ
た事情を明かしている。
の全面的な再構築に踏み切ったのです」
こうした経緯を経て、最終的に同院に選ばれたのが HP
ProCurve Switch シリーズなのである。
堅牢で安定稼働を実現する
オペレーティング温度 0℃∼ 45℃、オペレーティング相
ネットワークスイッチを求めた
対湿度 15%∼ 95%(※結露なきこと)の範囲で動作を
まず、ネットワークのスループット向上という課題に対
可能とする HP ProCurve シリーズの優れた耐環境性能が
しては、フィルムレス化にともなう医療画像伝送のトラ
注目されたのだ。
フィック増加をにらみ、センタースイッチから各病棟・外
さらに、ハードウェアとしての基本スペックとともに同院
来に設置されたスイッチまでの間の基幹ルートを、すべ
が重視したのが、安定したネットワーク運用の後ろ盾と
て Gigabit Ethernet の光ファイバで結ぶという方針がと
なるサービス&サポート体制である。
られた。
「HP ProCurve Switch シリーズには、パーツに故障が起
もうひとつの耐障害性の強化の観点からは、ネットワー
こった際など、代替製品を無償で先送りしてくれるライ
クのあらゆるルートを二重化することで Single Point Of
フタイム保証が標準で備わっている点にも好感を持ちま
システム概要図
した。また、当院に近い長野地区に拠点を持つ SI ベン
の回線を仮想的にひとつの回線として束ねることで通信
ダーとして、HP ProCurve Switch シリーズを含めたネッ
速度や耐故障性を向上させる LACP(Link Aggregation
トワークインフラ全体の提案および基本設計、インテグ
Control Protocol)、接続ミスなどにより発生するネット
レーションを担当してくれたユニアデックス株式会社の
ワークのループを検出・防止するループ・プロテクション
手厚いサポートがあり、これなら安心して運用していけ
やスパニング・ツリーなどの機能である。もちろん HP
ると判断しました」と大島氏は語る。
ProCurve Switch シリーズは、これらの機能すべてに対
応している。
コストパフォーマンスを重視し
初期コストを大幅削減
フィルムレスの画像診断が
ネットワークスイッチの製品選択にあたって、もうひとつ
本格的に運用をスタート
同院が重視したポイントが、コストパフォーマンスの高
今回、同院が導入した HP ProCurve Switch シリーズは、
さである。
センタースイッチとして用いられる HP ProCurve Switch
「仮に惜しみなくコストを投じることができるのであれ
5406zl(2 台)をはじめ、各病棟のスイッチ用ならびに
ば、最新テクノロジを満載したネットワークスイッチを
CT や X-Ray、MRI などの画像診断装置の接続用として用
導入するという選択肢もありえるでしょう。しかし、実
いられる HP ProCurve Switch 2510G-24(24 台)、各
際問題として当院におけるネットワークインフラの利用
フロアーのエッジスイッチとしてさまざまな端末を接続
形態を考えると、業界標準の機能さえ満たしていれば、
する HP ProCurve Switch 2510-24(55 台)の合計 81
それで十分なのです。何らかの緊急事態が起こった際に
台に及ぶ。
も自分たちで予備機に置き換えて対処できるなど、HP
そして、2009 年 2 月∼ 4 月にかけて、これらの機器の
ProCurve Switch シリーズのようなシンプルで扱いやす
設置やケーブルの配線、旧ネットワークからの切り替え
いネットワークスイッチのほうが、むしろ都合が良いと
などの施設工事を実施。5 月にカットオーバーしたこの
も言えます。その上で導入コストも抑えることができる
新ネットワークインフラに大島氏は、
「現在まで、トラブ
なら、
言うことはありません。
HP ProCurve Switchシリー
ルを起こすことなく、安定して稼動を続けています。ネッ
ズを採用したことで、結果的に初期導入コストを大幅に
トワークのスループットについても良好で、フィルムレ
削減できました」と大島氏は語る。
スの画像診断も本格的な運用を開始することができまし
ちなみに、大島氏が言うところの業界標準の機能とは、
た」と満足そうだ。
使用中の機器が障害を起こした際に同じグループ内の機
成果は、早くも医療現場のさまざまな場面にあらわれ始
器に自動的に通信を引き継ぐルーティング多重化機能
めている。
の VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)、複数
例えば医師は、特定患者の CT や MRI、レントゲンなど
導入ハードウェア
・ProCurve Switch 5406zl × 2 台
・ProCurve Switch 2510G-24× 24 台
・ProCurve Switch 2510-24 × 55 台
※予備機を除く
企業概要
JA 長野厚生連 北信総合病院
所在地/長野県中野市西 1-5-63
開設/ 1945 年 5 月
診療科目/内科、精神科、神経
内科、呼吸器内科、消化器内科、
循環器内科、小児科、外科、整形
外科、形成外科、美容外科、脳
神経外科、呼吸器外科、心臓血
管外科、皮膚科、泌尿器科、産
婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハ
ビリテーション科、放射線科、麻
酔科、病理診断科
の画像を連続的にモニタに表示することで、過去から現
医療の実現を、縁の下から支える基盤テクノロジとして、
在にいたる時系列の病変を容易に読み取れるようになっ
HP ProCurve Switch シリーズは今後ますます重要な役
た。また、病巣の拡大・強調表示も自由自在となり、よ
割を担っていくことになる。
り正確な診断をスピーディに行うことが可能となった。
同時に、大量のフィルムの保管や搬送のために費やされ
ていた手間や負担も大幅に軽減された。
目 的
・CT や X-Ray(レントゲン)
、MRI などの画像診断に
将来の病診連携や遠隔医療を
視野に入れた青写真を描く
同院が推進する医療改革への取り組みは、これで終わ
るものではない。同院では今後、院内業務の標準化・
効率化を実現するために電子カルテを視野に入れたオー
ダーシステムの全面更新を計画している。
「医師が電子カルテに入力したデータがトリガーとなっ
て、検査オーダーや調剤注射・処置の準備、医療費の計
算、といった関係部門への連絡や処理が進められていき
ます。すなわち、医師だけでなく、看護や検査、医事会
計など、あらゆる業務を院内ネットワークで結びつけて
いくことによって、電子カルテの本来の価値が発揮され
ることになります。こうして院内のさまざまな業務を効
率化できれば、それは結果的に待ち時間の短縮や医療
おけるフィルムレス化
・院内ネットワークインフラのスループット向上と耐
障害性強化
アプローチ
・センタースイッチから各病棟のスイッチまでの間の
基幹ルートを、すべて Gigabit Ethernet の光ファイ
バで接続
・放射線科、MRI 棟、CT 室は大量の画像を扱うため
Gigabit Ethernet で接続
・ネットワークのあらゆるルートを二重化することで
Single Point Of Failure(単一障害点)を回避
・コアスイッチは必ず 2 台構成とし、一方に障害が起
こった場合でも早急な復旧ができることを配慮
・HP ProCurve Switch シリーズを導入し、機器レベ
ルでの耐障害性を強化
費の削減など、患者のメリットにもつながっていきます。
さらに、将来的にはこのネットワークを地域の開業医や
診療所にも拡大し、医療画像を含めた情報共有のツール
として発展させ、病診連携や遠隔医療を実現していくと
いった青写真を描いています」と大島氏は語る。
システムの効果
・環境変化の激しい場所にネットワークスイッチを配
置しているにもかかわらず、安定したネットワーク
の稼働を実現
・コ スト パ フ ォ ー マ ン ス に 優 れ た HP ProCurve
そうした中、各病棟において看護師が日々状況を見守っ
Switch シリーズを導入することで、初期コストを大
ている患者のバイタルデータ(呼吸・脈拍・体温・血圧)
幅に削減
や食事の摂取量、健康状態の経過といった記録を、ハ
ンディターミナルやモバイル PC を使ってシステムに入力
できるよう、無線アクセスポイントを各所に配置するな
ど、ネットワークインフラのさらなる拡充に向けた施策
も具体化してきている。
ビジネスへの効果
・大量のフィルムの保管や搬送のために費やされて
いた手間や負担の大幅な軽減
・電子カルテの導入をはじめ、さらなる高度先端医
療の実現に向けた基盤を確立
地域の人々が健康で安心に過ごしていけるための高度
お問い合わせはカスタマー・インフォメーションセンターへ
03-6416-6660 月∼金 9:00∼19:00 土 10:00∼17:00(日、祝祭日、年末年始および5/1を除く)
ProCurve Networking製品に関する情報は http://www.hp.com/jp/procurve
記載されている会社および製品名は、各社の商標または登録商標です。
記載は2009年8月現在のものです。
本カタログに記載された内容は、予告なく変更されることがあります。
© Copyright 2009 Hewlett-Packard Development Company,LP.
4AA2-7994JAP
CNT09631-01
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