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学校教育における
防災気象情報の活用
1
平成25年5月31日 防災気象講習会
宇都宮地方気象台防災業務課 杉田
1.気象庁が発表する防災気象情報
2
防災気象情報 気象警報・注意報・気象情報
警報は、重大な災害が起こるおそれのある場合に発表します。
注意報は、災害が起こるおそれのある場合に発表します。
気象情報は、警報・注意報に先立って注意を呼びかけたり(予告的情報)
警報・注意報を補完したりするため(補完的情報)に発表します。
発表する気象情報は、文書形式と図形式が有ります。
記録的短時間大雨情報は、数年に一度しか起こらないような記録的な短時間の
大雨を観測したときに、より一層の警戒を呼びかける役割があります。
「栃木県では・・・警報発表中に1時間110㍉以上の雨!」
・防災対策の進捗状況や社会環境の変化により基準は適宜見直している。
1‐1‐1
3
防災気象情報の種類
警報・注意報
◆警報 (7) 重大な災害の発生のおそれ
暴風 暴風雪 大雨 (浸水害・土砂災害)
大雪 高潮 波浪 洪水
◆注意報 (16)
強風 風雪 大雨(浸水害・土砂災害)
大雪 濃霧 雷 乾燥 なだれ
着氷 着雪 霜 低温 融雪 高潮
波浪 洪水
気象情報
◆24時間から1週間程度先に災害に結びつくような
激しい現象が発生する可能性のあるときに予告。
◆警報・注意報の発表中に現象の推移や見通しの
変化、特に警戒の必要な点などを補足。
「全般気象情報」:全国を対象に発表
「地方気象情報」:11地方毎に発表
「府県気象情報」:都道府県毎に発表
土砂災害警戒情報
指定河川洪水予報
◆大雨警報の発表
中、土砂災害の
危険度が高まっ
た市町村に対し
て栃木県と気象
台が共同で発表
します。
◆洪水のおそれがある河川毎に、河川を
管理する国土交通省や都道府県と気象
庁が共同で洪水水予報を発表します。
はん濫注意情報
はん濫危険情報
はん濫警戒情報
はん濫発生情報
記録的短時間大雨情報
その他
竜巻注意情報
高温注意情報
◆大雨警報の発表中に、数年に一度の
猛烈な雨を観測した場合に発表します。
4
警報・注意報などの防災気象情報と防災対応
5
※栃木県の基準は1時間雨量110ミリ以上
特別警報について
警報の発表基準をはるかに超える現象に対して、特別警報を発表します。
特別警報は、「東日本大震災」における津波や、「平成23年台風第12号」による豪雨、「伊勢湾台
風」による高潮のような、警報の発表基準をはるかに超える異常な現象が予想され、重大な災害が起
こるおそれが著しく大きい場合に発表されます。
警報の発表基準をはるかに超える現象に対して、甚大な災害
が発生する危険性を充分に伝えることができない。
「特別警報」を新設し、災害発生の
危険性を分かりやすく伝える。
特別警報に相当する大雨の例
平成23年台風第12号
平成24年7月九州北部豪雨
※特別警報の発表基準は
自治体と調整した上
で決定します。決ま
り次第、気象庁ホー
ムページ、広報紙等
でお知らせします。
特別警報が発表されたら、身を守るために最善を尽くしてください。
●経験したことのないような激しい豪雨や暴風など異常な気象現象が起きそうな状況です。
ただちに命を守る行動をとってください。
●周囲の状況や市町村から発表される避難勧告等の情報に留意し、ただちに避難所へ避難するか、
6
すでに外出することが危険な状態のときは、無理をせず家の中で比較的安全な場所にとどまってください。
●この数十年間災害の経験がない地域でも、災害の可能性が高まっています。油断しないでください。
特別警報が発表されるまで(大雨の場合のイメージ)
特別警報が発表されるまでの(大雨の場合のイメージ)
気象台が発表する気象情報
大雨に関する気象情報
警報・注意報に先立ち発表
大雨注意報
警報になる可能性がある場合はその旨記述
大雨警報(土砂災害)
大雨警報(浸水害)
大雨の期間、予想雨量、警戒を要する事項などを示す
土砂災害警戒情報
土砂災害の危険度が、さらに高まった場合に発表
大雨がさらに降り続き、
重大な災害が起こる危険性が非常に高まる
大雨特別警報
あらかじめ、取るべき行動を考えておきましょう。
特別警報は行政機関や様々なメディアを通じて伝えられます。
テレビ
インターネット
ラジオ
自治体
報道機関
住 民
気象庁
特別警報の伝達の流れ
広報車
防災無線
7
気象台が発表する防災気象情報の伝達経路
8
防災情報の入手
デジタルTVデータ放送やインターネットの関連ホームページで、
最新の気象情報を入手しましょう
・ 宇都宮地方気象台ホームページ
リンク集に気象情報サービスや県内の自治体携帯サービスを掲載
http://www.jma‐net.go.jp/utsunomiya/index.html
・ 気象庁ホームページ
http://www.jma.go.jp/jma/index.html
・ 国土交通省防災情報提供センターホームページ
http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/
携帯版もあります
・ 栃木県ホ-ムページ(防災情報)
右上の「!いざというとき・防災情報」から
栃木県防災メールの登録もここからできます
http://www.pref.tochigi.lg.jp/index.html
9
気象台(宇都宮気象台)ホームページ
文字検索で
「宇都宮地方気象台」
URLは
http://www.jma‐net.go.jp/utsunomiya/
気象の警報注意報
天気予報
気象実況
(気象レーダー等)
10
防災情報提供センター
・携帯電話から気象情報などを確認できます。
国土交通省防災情報提供センター 携帯サイト
http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/i‐index.html
バーコード
(QRコード)
携帯電話で
読み取れます。
トップページ
気象ナウキャスト
(降水)
全国の現在の雨の様
子、1時間後までの雨
量の予想を見ることが
できます。
津波警報・注意報
現在発表されている
津波警報・注意報を
確認できます。
火山情報
現在発表されている
噴火警報などを確
認できます。
11
気象情報をチェックする
気象の警報注意報
天気予報
気象実況
(気象レーダー等)
12
天気予報・天気概況のチェック
13
気象警報・注意報のチェック
確認したい市町をクリック
14
栃木県
栃木県竜巻注意情報 第1号
平成××年4月20日10時27分 宇都宮地方気象台発表
栃木県は、竜巻などの激しい突風が発生しやすい気象状況
になっています。
空の様子に注意してください。雷や急な風の変化など積乱
雲が近づく兆しがある場合には、頑丈な建物内に移動する
など、安全確保に努めてください。
落雷、ひょう、急な強い雨にも注意してください。
この情報は、20日11時30分まで有効です。
15
レーダーによる雨雲の状況と今後の予想を確認
ナウキャストで最新の状況を確認しよう!
ナウキャストは、5分毎もしくは10分毎に最新の状況と
60分先まで予測が確認できます。
16
「ナウキャスト」について
ナウキャストとは、今(ナウ)と予報(フォーキャスト)
を組み合わせた造語。
 「実況解析と過去からの変化傾向」に基づいた目先1時間
程度までの予報を「短い時間間隔」で発表する。
⇒ 最新の状況の変化を反映したきめ細かな予測が可能。
 急激に変化する激しい局地的現象の予測に適している。

「ナウキャスト」という予報手法は、
積乱雲に伴う激しい現象の予測に効果的
17
竜巻発生確度ナウキャスト
「竜巻」という名称を使っているが、竜巻注意情報と同様に、積乱雲から
発生する激しい突風として、竜巻の他、ダウンバーストやガストフロント
も予測対象としている。
18
竜巻発生確度ナウキャストの発表形式
発生確度1
19
利用上の留意点(竜巻発生確度ナウキャスト)

予測精度の特徴



精度の低い情報の利用について




竜巻などの激しい突風の予測は難しく、竜巻注意情報や竜巻発生確
度ナウキャストは空振りが多くなる(適中率が5~10%と低い)。
それでも、通常より格段に竜巻が発生しやすい状況。
空振りが多いので、情報発表に連動して負担(対策に要する時間や
手間、影響など)の大きな対策を実施するのは難しい。
「周囲の空の様子に注意する」など、なるべく負担の小さな対策か
ら実施するのが適当。
屋外における活動の中断・施設の安全確保などの対策は、これらの
情報の発表を知った上で、現場の気象状況から発達した積乱雲が接
近すると判断したときに実施するのが現実的。
身の安全を守ることが第一


竜巻注意情報や竜巻発生確度ナウキャストは、竜巻などの激しい突
風から身の安全を確保するための情報。
これらの情報が発表されているときに、空が急に暗くなるなど積乱
雲の近づく兆候を確認したら、頑丈な建物に入るなど身の安全を図
る行動をとることが大切。
20
雷ナウキャスト
21
雷ナウキャストの発表形式
予測
解析
・解析時間 : 10分毎
・格子間隔 : 1km
活動度(雷の激しさ)
4
3
2
1
・予報時間 : 10分毎に
60分先まで
・格子間隔 : 1km
活動度
4
10分後
20分後
30分後
40分後
活動度
3
50分後
60分後
解析
活動度
2
活動度
1
激しい雷
10分間に周囲
5km以内で30個
以上の落雷
落雷が多数発生
やや激しい雷
10分間に周囲
5km以内で1個
以上の落雷
雷あり
10分間に周囲
5km以内で1個
以上の雲放電
雷可能性
あり
落雷がある。
雷光が見えたり雷鳴が
聞こえる。落雷の可能
性が高くなっている。
現在は雷は発生してい
ないが、今後落雷の可
能性がある。
雷監視システムによる雷放電の検知数が多いほど激しい雷(活動度が高い)
と定義している。現在発雷が観測されてない場合でも、レーダー観測による
雨雲の立体的な構造などから、30分以内に落雷に至る可能性が高い領域や、
今後雷雲に発達して落雷の可能性がある領域なども解析する。
22
活動度1~4で想定される対応
屋外において
想定される対応
雷の状況
活動度
4
活動度
3
活動度
2
活動度
1
※
屋内や工場などで
想定される対応
激しい雷
10分間に周囲
5km以内で30個
以上の落雷
落雷が多数発生
やや激しい雷
10分間に周囲
5km以内で1個
以上の落雷
雷あり
10分間に周囲
5km以内で1個
以上の雲放電
雷可能性
あり
落雷がある。
雷光が見えたり雷鳴が聞
こえる。落雷の可能性が
高くなっている。
現在は雷は発生していな
いが今後落雷の可能性が
ある。
●パソコンなど家電
●屋外にいる人は落 製品の電源を切り、
雷の危険があるため、 コンセントを抜く。
建物や車の中に移動
するなど、安全確保 ●工場の生産ライン
に努める。
などリスクの大きい
場所では、作業の中
●屋内にいる人は外 止や自家発電装置へ
の切替などの対応を
出を控える。
とる。
●今後の雷ナウキャストや空の状況に注意
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活動度1~4になっていない地域でも、積乱雲が急速に発達して落雷する場合がある。
雷ナウキャストの利用
雷ナウキャスト
常時10分毎
気象情報(随時)
前日や当日朝など
天気予報
5時、11時、17時
雷注意報
発雷の数時間前
雷が発生している !!
(または直後に発生
する可能性が高い)
この段階では
何も表示されない
 広範囲で激しい落雷が予想される場合
には、半日~1日前に予告的な気象情
報が発表され、「大気の状態が不安
定」、「落雷に注意」などと言及。
 1日3回発表される天気予報で雷が予想
される場合は、「雷を伴う」と示す。
 雷の発生が予測される数時間前には雷
注意報が発表される。
 この時点で雷ナウキャストの監視を強
めるのが効果的。
 雷注意報の発表中に雨雲が発達を始め
ると雷ナウキャストで「活動度1」が
現れる。この範囲内では、1時間程度
以内に発雷の可能性がある。
 実際に雷が発生、または直後に雷が発
生する可能性が高い状況になった場合
には、「活動度2~4」が現れる。
 雷ナウキャストにより、雷の
激しさや、近づく(遠ざかる)
などの予測を詳細に把握することが
できる。
24
利用上の留意点(雷ナウキャスト)

雷ナウキャストの特徴から
活動度1では、現在発雷していなくても、1時間程度以内に雷が
発生する可能性があることを認識した行動が必要。避難に時間
がかかる場合などには、活動度1の段階から早めの対応を心が
ける。
 活動度2~4は、既に雷が発生しているか発生直前であり、いつ
落雷してもおかしくない状況である。「活動度の大小に関わら
ず」直ちに安全な場所へ避難する必要がある。
 雷ナウキャストでは、急に発生する雷は予測できない場合があ
るので、10分ごとに発表される雷ナウキャストで最新の状況を
確認することが重要。


雷が間近に迫ったら

雷鳴が聞こえたり、電光が見えるときは、落雷が差し迫って
いることを表している。速やかに安全な場所へ避難すること
が重要。
25
学校防災Q&A①
Q 雷雨時、大雨時の下校や部活動の切り上げの
判断は?
A 雷鳴が聞こえたら、最新の気象情報を確認してください。
気象庁ホームページの「レーダー・ナウキャスト」で、
携帯電話でしたら国土交通省の防災情報提供センターの
「気象ナウキャスト」で、1時間先までの動画表示ができます。
積乱雲の移動方向を確認してください。
携帯電話からは、
http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/i-index.html
をご利用ください
•防災情報提供センター(携帯端末用QRコード)
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学校防災Q&A②
Q 台風時の下校判断、休校判断は?
A
①台風など広域的に影響をもたらす現象については、台風情報や
台風に関する気象情報で事前に対応を検討ください。
(警報は現象発生の数時間前でないと発表していません)
②警報の発表状況に応じた「下校」「待機」「休校」等の判断基準を
予め保護者に示しているような学校では、警報が市町村単位で
発表されていることを学校・保護者の双方が共通の認識として持
っていないと、登下校判断をめぐる混乱の懸念があることをご承
知置き願います。
27
学校防災Q&A③
Q 竜巻発生時の対応や竜巻を想定した避難訓練
を計画する時の留意点について
A 体育の授業などで校庭にいるときを想定する以外、被災前の竜
巻では校舎外に避難する訓練は考えにくいと思います。
(つくばの竜巻のように時速約60kmの竜巻の移動速度は、1kmを
1分ですが、1km先の竜巻が自分の方に向かって近づいているの
を見分けるのは容易ではありません。
また、1分は校舎外への避難には時間が短すぎますし、竜巻が横
に移動していれば直撃はされません。
積乱雲に伴う現象には落雷やひょう、竜巻以外の突風もあること
から、校舎外に避難する訓練は現実的ではないと思います。)
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学校防災Q&A④
Q 学校の教室内で待機している場合、竜巻の風向
きに対して、教室内のどこに、どんな方法で待避行
動をとればいいのか?
A 竜巻の風向きに対応した待避行動をとるのではなく、窓ガラスを
割って飛び込んでくる瓦や木の枝、ガラス片からどのようにしたら
(どのような姿勢を取ったら)逃れられるか?だと思います。
教室等であれば、窓ガラスから離れた廊下側に机を寄せて
その下にもぐり込み、ランドセルや帽子などで頭を守るのも
一つの方法です。
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学校防災Q&A⑤
Q 日本では竜巻の進行方向は北東方向なのか?
A 積乱雲(親雲)の移動方向に概ね一致しています。真岡の竜巻は
北東方向でしたが、積乱雲が南西から北東方向に移動していた
からです。積乱雲が南東に移動していれば、竜巻も南東に
進みます。
30
2.防災啓発ビデオ「急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう!」
の活用
31
3232
33
34
終
ご静聴ありがとうございました。
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