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Untitled - 株式会社テクノ・リアライズ

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Untitled - 株式会社テクノ・リアライズ
【 はじめに 】
平成25年度より、技術士試験の内容が大きく変わりました。
特に技術士第二次試験の変更点は、①技術的体験論文の廃止および業務経歴票での詳述
方式の新設、②必須科目における記述式問題の廃止および択一式問題の新設、③選択科目
における課題解決問題の新設です。
また、従来の選択科目は、解答数の2倍程度を出題数の目安とするため、問題数が減り
ました。
問題の内容としては、普遍的な課題からの出題が多くなり、受験対策における問題の絞
り込みも可能となりました。
しかし、平成25年度の筆記試験における建設部門の合格率をみると11.5%(対申
込者)であり、他部門より、非常に厳しい結果でした。例えば、機械部門は23.8%、
情報工学部門も23.8%であり、建設部門の2倍以上の合格率となっています。
建設部門の合格率が低い理由は、受験者の専門知識が十分であっても保有している応用
能力や課題解決能力をうまく表現できないからだと推察されます。
本テキストは、その点に重視し、答案の的確な記述方法の説明にウエイトをおいて制作
しました。特に文章作法や表記方法に加えて、不合格となる「問題のある答案」を掲載し、
「どこに問題があるか」、また「どこをどのように修正すべきか」をしっかり記載しました。
従って、受験者の皆さんは、「問題のある不合格答案」と「合格答案」および「解答例」
の相違点を比較しながら、答案作成に臨むことが可能です。
また、遠路等により、受験対策セミナーを受講できない方に対するバックアップとして、
本テキストの説明DVDも制作しています。
合格への近道として、通学コースの受講をお勧めしますが、先ずは本テキストの熟読に
より学習を開始してください。
平成26年12月
株式会社 テクノ・リアライズ
「技術士第二次試験」筆記試験受験対策テキスト
~
PART1
目
次
~
試験制度および基本事項・・・・・・・・・・・・・・・・
1
Ⅰ.試験制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
Ⅱ.基本事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
PART2
受験申込書の作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
Ⅰ.受験申込書の作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
PART3
専門知識問題への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・
27
Ⅰ.専門知識問題とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
28
Ⅱ.模擬問題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
28
Ⅲ.専門知識問題の解答例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
◆平成25年度および26年度合格答案
◆問題のある答案例
◆一般解答例
◆筆者解答例
PART4
応用能力問題への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・113
Ⅰ.応用能力問題とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・114
Ⅱ.応用能力問題の解答例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・116
◆平成25年度および26年度合格答案
◆問題のある答案例
◆一般解答例
◆筆者解答例
PART5
課題解決問題への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・141
Ⅰ.課題解決問題とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・142
Ⅱ.課題解決問題の解答例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・144
◆平成25年度および26年度合格答案
◆問題のある答案例
◆一般解答例
◆筆者解答例
◆答案グレードアップ例(50点→60点→70点→80点)
Ⅲ.記述方法のおさらい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・201
PART1.試験制度および基本事項
PART1
試験制度および基本事項
-1-
PART1.試験制度および基本事項
Ⅰ.試 験 制 度
1.技術士になるまでの流れ
技術士になるためには、図1に示すように、技術士第一次試験(以下、「一次試験」という)に
合格し、必要な実務経験を積むか、認定された教育課程を修了して技術士第二次試験(以下、「二
次試験」という)の受験資格を取得し、二次試験に合格する必要がある。
技術士補
修習技術者
指導技術士の下での
実務経験(4年間)
図1
経験(修習プログラム:4年間)
技 術 士
優れた指導者の下での実務
第ニ次試験
第一次試験合格者および
それと同等と認められる者
その他の教育
課程修了者
第一次試験
認定された教育課
の修了者
大学エンジニアリング課程
修了者
国際的な技術者資格
継続教育
実務経験(7年間)
技術士になるまでの流れ
2.筆記試験の試験科目および合格基準
試験科目
問題
番号
必須科目
Ⅰ
審査項目
専門知識
専門知識(Ⅱ-1)
Ⅱ
専門知識と応用能力(Ⅱ-2)
選択科目
Ⅲ
※
試験方法
解答
時間
択一式問題
1時間
30分
600 字詰
用紙4枚
に解答
2時間
600 字詰
用紙3枚
に解答
課題解決能力
毎年8月第一日曜日〔平成26年度:8月3日(日)〕
-2-
60%
以上
60%
以上
2時間
詳しくは、技術士第二次試験実施大綱および合否決定基準による。
3.筆記試験の試験日
合格点
PART2.受験申込書の作成
PART2
受験申込書の作成
-15-
PART2.受験申込書の作成
Ⅰ.受験申込書の作成
1.受験申込書の構成
受験申込書は、氏名・住所等の受験者情報の記入欄と業務経歴票から構成されている。
受験者情報については、受験する「選択科目」および「専門とする事項」をよく検討し、決定
した内容を記載するとともに受験要件を満たすための「学歴」および「技術士第一次試験の合格
番号」等を的確に記載することが必要である。
2.選択科目および専門とする事項の決定
(1)選択科目
選択科目は、あなたが技術士になって行おうとする業務(目標など)から決定してください。
ただし、選択科目によって合格率に大きな開きがあること、つまり、問題のレベルが相違してい
ることも念頭におき受験しやすい科目を選んでください。例えば、「鋼構造およびコンクリート」
で受験する根拠が明確でない場合に「施工計画、施工設備および積算」で受験することも推奨し
ます。先ずは、技術士になることを目標に掲げてください。
(2)専門とする事項
専門とする事項は、入手した「受験の手引き」や「記入要領」に事例が掲載されているため、
それを参考として、その中から選ぶか、独自に自分の実態に合わせて決定する。
3.業務経歴票の作成
受験申込書の核となる部分、つまり技術士第二次試験での最終合格を左右するのが、業務経歴
票である。理由は、従来の筆記試験における「経験記述問題」あるいは、口頭試験前提出での「技
術的体験論文」が業務経歴票での「業務の詳述(720文字)
」に置き換わったからである。従っ
て、特に詳述する業務の内容が口頭試験での合否を決定する要素となることを念頭に作成する。
(1)業務内容記入
技術士としてふさわしい業務を5つ選び、業務内容や従事期間を記入する。
【技術士としてふさわしい業務とは】
技術士としてふさわしい業務とは、技術士法第2条に規定されている「技術士の定義」に基づ
くものです。技術士とは、
「科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての
計画、研究、設計、分析、試験および評価を行う者」です。
従って、必ず、
「計画」、
「研究」
、
「設計」、
「分析」、
「試験」および「評価」のいずれかに該当す
るよう業務内容の末尾を記載してください。
【記入例】
(悪い例)車両荷重によるケーブル波乗り移動現象の対策工法の検討
(良い例)車両荷重によるケーブル波乗り移動現象の分析評価および対策設計
【従事期間】
各業務における従事期間および合計した従事期間を記入する。
特に合計従事期間は、所定の受験資格が得られる期間以上であるかをよく確認すること。
なお、業務内容の記入欄は、従来の10から5つに半減しているため、アピール要素の高いも
のを選び、記載する。
(従事期間に空白があっても問題ない。)
-16-
PART2.受験申込書の作成
【記入例(試験本部)
】
試験本部が示した記入例は次のとおりである。これを参考に記入する。
なお、業務内容の記入文字数は、51文字のため、バランスを考え記入すること。
「業務経歴票(証明書)印刷時のレイアウト」
大学院における研究経歴
大学院名
(12 文字×4 行)
日本技術士大学大学院
課程
(専攻まで)
(6 文字×3 行)
工学研究科○
修士課程○○
土木工学専攻
研究内容
(17 文字×3 行)
液状化の評価手法の研究
業務経歴
勤務先名
(部課名まで)
(8 文字×3 行)
社団法人○○○○
日本技術士会○○
北海道支部
所在地
(市区町
村まで)
(4 文字×
3 行)
北海道○
札幌市
地位
・
職名
(4 文字
×3 行)
主任研究
員
業務内容
(17 文字×3 行)
軟弱地盤上に建つ各種建物の基礎地
盤の設計・試験
注)各項目、指定された文字数以内で入力してください。
各項目、改行は使わずに全角スペースを入力して、レイアウトを整えてください。
※
平成25年度での試験本部が示したレイアウトでは、記入欄を4行としている箇所があった
がPDFの書式に基づき3行に修正しました。
(2)業務内容の詳細
記載した5つの業務内容のうち、1つを選んで詳述する必要がある。
スペースは、720文字(40文字×18行)であるため、この範囲で技術士らしさを再大限
アピールしてください。
技術士らしさとは、前項および前章で説明したとおりですが、課題説明、そこでの問題点(課
題を解決しようとしたときの壁)および解決策について順を追って記述してください。
なお、記入用紙では「当該業務での立場、役割、成果等」となっておりますが、立場の前に業
務概要を記述するなど、試験官がざっと読んで内容が分かるようにすることがポイントです。
【記入項目】
1.業務の表題
業務経歴欄と内容を基本的にマッチングさせる。ただし、表現は見直し可。
2.記述内容
(1)業務概要
(2)立場と役割
(3)技術的課題および問題点
(4)技術的解決策とその成果
(5)現時点での評価と今後の展望
-17-
PART2.受験申込書の作成
氏
名
※ 整理番号
業務経歴票[証明書](様式例)
大学院における研究経歴/勤務先における業務経歴
大学院名
在学期間
研究内容
課程(専攻まで)
年・月~年・月
詳細
勤務先
所在地
(部課まで)
(市町村まで)
従事期間
地位・
職名
業務内容
年・月~年・月
※業務経歴の中から、下記「業務内容の詳細」に記入するもの 1 つを選び、「詳細」欄に○を付してください。
上記のとおり相違ないことを証明する。
事務所名
○○○○株式会社
証明者役職 代表取締役社長
証明者氏名 ○○ ○○
年月数
平成**年
印
業務内容の詳細
当該業務での立場、役割、成果等
-18-
**月
合
**日
計
年月数
PART2.受験申込書の作成
【 業 務 内 容 の 詳 細 記 入 例 ( 悪 い 例 )】
当該業務での立場、役割、成果等
1.立場
電力会社の長
2.役割
電線共同溝設置計画の推進の実施および指導
3.業務の内容
飛騨トンネル避難坑(L=10.7km)への電線共同溝(φ125×4+φ75×4)の
設置について中日本道路株式会社(JH)と協議して実施する計画をまとめた。
ここでは、トンネル路盤下への管路埋設におけるハンドホール間隔の拡大が課題であり、通
常の400m、滑剤塗布でも800mしか伸びないものをいかに延伸するかであった。
4.成果
ハンドホール間隔を一般道路では400m、滑剤使用でも800mとなるものを水の導入に
よる浮力延線工法の採用により、1,200mまで延伸することができた。
【記入例の問題点】
・箇条書きにして簡潔にまとめられており、分かりやすいが、逆に深み・重みがない。
・なぜ、ハンドホールの拡大が必要なのかの具体的根拠が論ぜられていない。
・ハンドホールの拡大という課題に対して、どんな問題があったかが論ぜられていない。
・具体的な検討・提案内容が述べられていない。
・コストおよび工期分析がなされていない。
・余白が多く、記入可能なスペースを有効に使用していない。
以上のことから「技術士としてのふさわしさ」を確認することができず、「悪い例」である。
これに対して妥当な記入例を次項以降に記載しているので、比較してください。
-19-
PART3.専門知識問題への対応
PART3
専門知識問題への対応
-27-
PART3.専門知識問題への対応
Ⅰ.専門知識問題とは
専門知識問題とは、「Ⅱ選択科目」の問題のうち、専門知識を問う「Ⅱ-1問題」である。
この章ではⅡ-1問題について問題を掲載するとともに受験者の答案例と評価および記述ポイント
について掲載する。なお、掲載した問題は、過去の第一次試験および2年間のⅡ-1問題である。
Ⅱ.過 去 問 題
1.Ⅱ-1
選択科目問題
受験する選択科目の問題について各自の専門性等から適宜修正し答案を作成せよ。
【土質及び基礎】
1-1
標準貫入試験の方法および実施上の留意点とN値の定義、設計等への利用方策について述べよ。
1-2
地震時に液状化しやすい地盤条件、および3種類の対策工法と各々の原理について述べよ。
1-3
厚い軟弱粘土地盤に高盛土を施工する場合の動態観測項目3つ、およびその各々の目的と
計器の配置図について記載させよ。
1-4
重力式擁壁の安定計算において、重要な検討項目3つとその内容を簡単に述べよ。(数式は不要)
1-5
圧密沈下量の計算式を3つ示し、それぞれの式の意味と使用上の留意点を簡単に述べよ。
1-6
地盤改良の原理を3種類挙げ、それぞれの内容と代表的な工法名を述べよ。
1-7
掘削工事におけるボイリングとヒービングについて、それぞれの内容を図を用いて説明し、
設計・施工上の留意点を述べよ。
1-8
軟弱地盤上に高盛土を行う場合の土質調査および試験について、実施上の留意点を重要な
ものから3つ挙げ、その内容を述べよ。
1-9
地盤の液状化対策工法の基本原理を3つ挙げ、その内容と代表工法について述べよ。
1-10
静的な土の三軸圧縮試験の試験条件を3つ挙げ、それぞれの試験方法および結果の利用
方法について述べよ。
1-11
壁体に作用する土圧の種類を3つ挙げ、その大小関係を示し、それぞれの土圧を壁体の
変位に着目して述べよ。
1-12
杭基礎工法のうち、基本的な工法を3つ挙げ、打設方法の違いを述べるととともに、各々
の設計・施工上の留意点を述べよ。
1-13
砂地盤で液状化現象が発生する原因と具体的な被害事例について述べよ。
-28-
PART3.専門知識問題への対応
◆合格答案の紹介およびコメント〔平成25年度問題(Ⅱ選択科目)〕
【選択科目】
施工計画、施工設備及び積算
【問題内容】
番
Ⅱ
号
問
1-2
題
文
日平均気温 25℃を超える時期にコンクリートを施工する場合において、懸念
されるコンクリートの品質低下について概説し、この施工環境下での施工計画
上の留意点を 3 つ挙げ、それぞれについて述べよ。
1-4
公共事業にPFI(Private Finance Initiative)を導入することによって期待さ
れる効果について述べよ。
2-2
建設工事(ここでは、建設業法に規定する「建設工事」をいう。)により生じ
る産業廃棄物(放射性廃棄物を除く。以下同じ。)を適正に取り扱うことは、
環境影響の低減につながる。
建設工事により生じる産業廃棄物の取扱いに関し、建設工事を実施する以下の
各段階において、留意すべき事項について述べよ。
(1)工事着手前(工事目的物の計画段階や設計実施段階を含めてもよい。)
(2)工事実施中(工事完了後を含めてもよい。)
【コメント】
番
Ⅱ
号
全
コ メ ン ト
般
「Ⅱ選択科目」の答案は、2時間で3問題、用紙4枚を完成させなければなら
ない。従って、重要事項を要約して簡潔に述べる必要がある。本来であれば、
余白がないよう各答案ともしっかり埋める必要があるが、3問題の答案がトー
タルとして60点以上となるようにバランスを考えて苦手な問題の記述量を少
し減らすなどの対策が必要である。この受験者の答案はⅡ-2問題の記述量を
少なくしており、懸命な対応である。
Ⅱ
1
「Ⅱ-1選択科目」の答案は、用紙各1枚であるため、1枚の記述量が重要と
なる。2枚とも確実に余白がほとんどないように記述することが合格への近道
である。
Ⅱ
2
「Ⅱ-2選択科目」の問題は、2枚に記述しなければならない。そのため、
「Ⅱ-1選択科目」に比べてウエイトは2倍であるいう考え方もあるが、3問
題の配点は同程度と考えて若干の余白を設けるくらいで取り組んだ方がよい。
なぜならば、時間的に限界があるからである。相当速書きの自信のある方を除
いて、5行前後短く終わることをお勧めする。
※
Ⅱ-2問題は、「専門知識と応用能力」を問う問題であり、本来は次章に掲載すべきですが
合格者の記載方法を確認していただくために、本章に掲載しました。
-43-
技術士第二次試験
受験番号
合格答案(25年度)
技術部門
0 9 1 0 E 0 ・ ・ ・
問題番号
選択科目
Ⅱ-1-2
答案使用枚数
施工計画、施工設備及び積算
専門とする事項
1 枚中
1 枚目
建設部門
施工管理
○受験番号,答案使用枚数,選択科目及び専門とする事項の欄は必ず記入すること。
1
.
懸
念
さ
れ
る
コ
ン
ク
リ
ー
ト
の
品
質
低
下
2
5
℃
を
超
え
る
暑
中
状
態
の
コ
ン
ク
リ
ー
ト
は
、
練
か
ら
打
設
ま
で
、
9
0
分
で
完
了
す
る
必
要
が
あ
る
。
初
期
乾
燥
ひ
び
割
れ
の
発
生
打
設
し
た
コ
ン
ク
リ
ー
ト
が
日
光
、
通
風
に
晒
さ
れ
が
蒸
発
、
ブ
リ
ー
デ
ィ
ン
グ
に
よ
る
水
分
供
給
が
間
乾
燥
し
、
収
縮
す
る
こ
と
に
よ
り
、
内
部
応
力
が
働
割
れ
が
発
生
す
る
。
型
枠
材
等
の
吸
水
に
よ
る
ジ
ャ
ン
カ
等
の
発
生
型
枠
材
、
基
礎
砕
石
が
乾
燥
し
て
お
り
、
打
設
ト
の
水
分
が
吸
水
さ
れ
る
こ
と
に
よ
り
、
材
料
り
、
ジ
ャ
ン
カ
等
が
発
生
す
る
。
材
料
の
分
離
に
よ
る
強
度
不
足
生
コ
ン
ク
リ
ー
ト
運
搬
中
に
材
料
の
分
離
の
強
度
を
発
現
し
な
い
。
2
.
施
工
計
画
上
の
留
意
点
時
間
管
理
の
徹
底
運
行
ル
ー
ト
、
運
搬
時
間
、
施
工
能
力
リ
ー
ト
打
設
量
を
計
画
し
、
打
設
時
養
生
材
の
設
置
テ
ン
ト
、
濡
れ
む
し
ろ
等
で
コ
ン
風
か
ら
保
護
し
、
乾
燥
を
防
止
す
散
水
に
よ
る
湿
潤
状
態
の
維
持
コ
ン
ク
リ
ー
ト
打
設
前
に
、
型
枠
水
に
よ
る
乾
燥
を
防
止
す
る
。
ぜ
( 1 )
( 2 )
( 3 )
( 1 )
ク
( 2 )
通
( 3 )
吸
-44-
り
混
、
水
分
に
合
わ
ず、
き
、
ひ
び
コ
ン
ク
リ
ー
の
分
離
が
起
こ
が
起
こ
り
、
所
定
等
を
把
握
し
、
コ
ン
間
の
管
理
を
行
う
。
ク
リ
ー
ト
を
覆
い
、
日
光
る
。
、
砕
石
等
に
散
水
を
行
い、
以
上
技術士第二次試験
受験番号
合格答案(25年度)
技術部門
0 9 1 0 E 0 ・ ・ ・
問題番号
選択科目
Ⅱ-1-4
答案使用枚数
施工計画、施工設備及び積算
専門とする事項
1 枚中
1 枚目
建設部門
施工管理
○受験番号,答案使用枚数,選択科目及び専門とする事項の欄は必ず記入すること。
1
.
は
じ
め
に
少
子
高
齢
化
、
人
口
減
少
に
よ
る
社
会
保
障
費
の
増
大
等
に
よ
り
、
建
設
投
資
は
平
成
4
年
の
8
4
兆
円
か
ら
平
成
2
2
年
の
4
1
兆
円
へ
と
大
幅
に
減
少
し
て
い
る
。
こ
れ
は
、
今
後
増
額
さ
れ
る
こ
と
は
厳
し
い
状
況
で
あ
る
。
ま
た
、
行
政
の
熟
練
技
術
職
員
の
退
職
に
よ
り
、
技
術
継
承
が
で
き
て
お
ら
ず
、
発
注
体
制
も
厳
し
い
状
況
に
あ
る
。
2
.
P
F
I
を
導
入
す
る
こ
と
に
よ
っ
て
期
待
さ
れ
る
効
果
民
間
の
資
金
、
技
術
力
を
使
い
、
公
共
事
業
を
推
進
し
て
い
く
こ
と
は
公
共
事
業
の
圧
縮
傾
向
時
に
は
必
要
で
あ
り
、
有
効
な
方
法
で
あ
る
。
民
間
の
技
術
力
は
日
進
月
歩
で
進
化
し
て
お
り
、
高
品
質
で
ス
ト
面
で
優
れ
た
も
の
が
期
待
で
き
る
。
ま
た
、
品
確
法
の
施
行
に
よ
り
、
発
注
者
は
民
間
の
技
術
力
の
活
用
が
求
め
ら
れ
て
い
る
。
「
具
体
的
な
効
果
と
し
て
」
①
公
共
投
資
の
圧
縮
に
つ
な
が
る
。
②
採
算
が
合
わ
な
い
も
の
に
は
民
間
は
投
資
を
し
な
い
。
こ
の
こ
と
か
ら
、
採
算
を
重
視
し
た
視
点
に
よ
り
、
真
に
必
要
な
イ
ン
フ
ラ
整
備
に
つ
な
が
る
。
③
社
会
資
本
整
備
を
民
間
に
発
注
す
る
こ
と
か
ら
、
そ
の
理
由
の
説
明
が
必
要
に
な
り
、
ア
カ
ウ
ン
タ
ビ
リ
テ
ィ
が
向
上
す
る。
④
適
正
な
維
持
管
理
に
よ
り
、
ラ
イ
フ
サ
イ
ク
ル
コ
ス
ト
の
低
減
に
つ
な
が
る
。
以
上
コ
-45-
技術士第二次試験
受験番号
合格答案(25年度)
技術部門
0 9 1 0 E 0 ・ ・ ・
問題番号
選択科目
Ⅱ-2-2
答案使用枚数
施工計画、施工設備及び積算
専門とする事項
2 枚中
1 枚目
建設部門
施工管理
○受験番号,答案使用枚数,選択科目及び専門とする事項の欄は必ず記入すること。
1
.
は
じ
め
に
建
設
リ
サ
イ
ク
ル
法
の
施
行
に
よ
り
、
建
設
廃
棄
物
の
発
生
は
減
少
し
て
い
る
が
、
全
産
業
廃
棄
物
の
2
割
、
不
法
投
棄
量
の
7
割
を
建
設
廃
棄
物
が
占
め
て
お
り
、
さ
ら
な
る
発
生
抑
制
が
必
要
で
あ
る
。
建
設
発
生
土
は
、
発
生
し
た
1
7
0
0
0
㎥
の
土
を
内
陸
処
分
地
へ
搬
出
す
る
一
方
、
そ
の
3
割
を
新
材
の
購
入
で
賄
っ
て
お
り
、
新
材
採
取
に
伴
う
自
然
環
境
、
土
砂
を
運
搬
す
る
ト
ラ
ッ
ク
に
よ
る
大
気
汚
染
な
ど
、
沿
道
環
境
の
悪
化
が
懸
念
さ
れ
て
い
る
。
2
.
工
事
着
手
前
の
留
意
す
べ
き
事
項
計
画
、
設
計
段
階
で
、
発
生
抑
制
の
徹
底
に
留
意
し
、
再
利
用
で
き
る
材
料
を
使
用
す
る
こ
と
に
よ
り
、
建
設
廃
棄
物
の
発
生
を
抑
制
す
る
。
再
利
用
品
の
使
用
を
徹
底
す
る
。
発
生
土
に
つ
い
て
、
工
事
間
利
用
の
促
進
、
建
設
発
生
土
利
用
シ
ス
テ
ム
の
活
用
の
徹
底
、
建
築
確
認
申
請
、
開
発
協
議
等
民
間
工
事
も
対
象
に
し
て
、
利
用
拡
大
を
図
り
、
工
事
間
利
用
を
促
進
す
る
。
工
事
発
注
図
書
等
に
よ
り
、
発
生
す
る
材
料
を
把
握
す
る
こ
と
に
よ
り
、
分
別
解
体
・
収
集
が
ス
ム
ー
ズ
に
行
え
る
よ
う
に
す
る
。
3
.
工
事
実
施
中
の
留
意
事
項
分
別
コ
ン
テ
ナ
の
配
置
生
す
る
種
類
別
に
回
収
行
え
る
よ
う
に
分
別
コ
ン
テ
ナ
( 1 )
発
が
-46-
技術士第二次試験
受験番号
合格答案(25年度)
技術部門
0 9 1 0 E 0 ・ ・ ・
問題番号
選択科目
Ⅱ-2-2
答案使用枚数
施工計画、施工設備及び積算
専門とする事項
2 枚中
2 枚目
建設部門
施工管理
○受験番号,答案使用枚数,選択科目及び専門とする事項の欄は必ず記入すること。
を
配
置
す
る
。
産
業
廃
棄
物
排
出
事
業
者
別
の
分
別
収
集
を
実
施
建
設
工
事
は
、
複
数
の
建
設
業
者
が
か
か
わ
っ
て
お
り
、
使
用
す
る
材
料
は
事
業
者
毎
で
異
な
る
。
事
業
者
毎
に
分
別
収
集
す
る
コ
ン
テ
ナ
を
設
置
す
る
。
発
生
す
る
産
業
廃
棄
物
に
つ
い
て
、
処
分
場
で
の
処
分
状
況
確
認
す
る
た
め
運
搬
車
の
追
跡
調
査
を
実
施
す
る
。
発
生
か
ら
最
終
処
分
ま
で
を
確
認
す
る
た
め
、
マ
ニ
フ
ェ
ス
ト
、
さ
ら
に
は
電
子
マ
ニ
フ
ェ
ス
ト
の
利
用
を
徹
底
す
る
。
発
生
し
た
産
業
廃
棄
物
の
種
類
、
搬
出
量
、
処
分
量
な
ど
の
記
録
を
適
正
に
保
管
す
る
。
産
業
廃
棄
物
の
再
利
用
の
推
進
産
業
廃
棄
物
を
処
分
す
る
こ
と
は
、
環
境
負
荷
の
増
加
と
な
る
た
め
、
廃
棄
物
の
再
利
用
を
推
進
す
る
。
ア
ス
フ
ァ
ル
ト
コ
ン
ク
リ
ー
ト
の
再
生
利
用
は
、
も
ち
ろ
ん
で
あ
る
が
、
廃
木
材
の
使
用
や
建
設
汚
泥
の
再
利
用
等
を
推
進
す
る
。
今
後
は
、
リ
サ
イ
ク
ル
技
術
の
さ
ら
な
る
開
発
に
よ
り
、
コ
ス
ト
の
低
減
や
リ
サ
イ
ク
リ
率
の
向
上
に
よ
っ
て
、
環
境
へ
の
影
響
を
低
減
す
べ
き
で
あ
る
。
以
上
( 2 )
を
( 3 )
-47-
PART3.専門知識問題への対応
◆答案記述方法再指導
1.見出し番号およびタイトルの付け方
見出し番号やタイトルの付け方については、「PART1試験制度および基本事項」の章で
説明したとおりであるが、Ⅱ-1およびⅡ-2問題(Ⅲの問題についてもほとんどのケースで
同様)については、記述量が少ないため、章や節を区切る番号は、「1.」「2.」「3.」
とし、それタイトルを付すべきである。
また、項や小項となる部分では、「(1)」「(2)」「(3)」とすることが基本である。
さらに、箇条書きや列挙するときは、「①」「②」「③」を使用する。
なお、後述する合格答案において、「3-2-1」など、枝番を多用した例を掲載している
が紛らわしいため、これはお勧めできない。
【使用例】
1.コスト縮減も踏まえた自然環境への配慮の考え方
自然環境への配慮の観点は、事業計画にあたり自然環境への影響を把握し、回避・低減する
方法としなければならない。具体的には、①環境アセスメント手法の導入、②ミティゲーショ
ンによる優先順対策による。
(1) 環境アセスメントの手法の導入
方法:事前に環境への影響(問題点)を把握し、対策を検討する。地域特性を考慮した影響
を予測する。
コスト縮減:①環境アセスは、・・・
(2) ミティゲーション(緩和措置)の優先順よる対応
方法:ミティゲーションの優先順に従い、①回避:生態系を計画段階で回避。
②最小化:工事による影響の最小化。③代替:他の場所に移設。④修復:ダメージを受けた
生態系の修復再生。
コスト縮減:ミティゲーションの優先順だけではなく、環境コストについて・・・
2.文字の強弱表示
本番の試験は、手書きで実施するため、文字の強弱が表示しにくいと考える方もいると思う
が、鉛筆やシャープペンシルの太さや濃さを変えることにより可能となる。従って、数種類の
ペンを用意し、使い分けることをお勧めする。
なお、本テキストにおいては、「ゴシック体」「明朝体」による使い分けと太字の選択等に
よって強弱を付けている。
上記1.の使用例が示すように、太字の字体にするか、あるいは、【
】を使って強調する
ことがポイントである。(詳細は、PART5.「Ⅲ.記述方法のおさらい」による。)
【次項からの答案における強弱表示】
次項以降に掲げる答案は、合格答案でも修正を要するものや、不合格となる答案も掲載して
います。このため、内容についてはそれぞれのコメントや評価で確認するとともに、ここで説
明した強弱表示に従っていないものも数多くあることも念頭に目を通してください。
-48-
◆合格答案の紹介およびコメント(平成26年度問題)
【選択科目】
河川、砂防及び海岸・海洋
【問題内容】
番
Ⅱ
号
1-1
問
題
文
近年の水害の特徴について述べるとともに、都市部の河川における水害
対策についてハード・ソフト両面から述べよ。
1-3
河道閉塞(天然ダムの形成)、火山噴火による降灰、地すべりの活動の
いずれか1つを選び、これに起因する更なる被害を防止・軽減するため
Ⅱ-2
のソフト・ハードそれぞれの対策について述べよ。
近年、南海トラフ地震等の巨大地震に備えて、「南海トラフ地震に係る
地震防災対策の推進に関する特別措置法」等の法整備や、具体的な対策
の策定等が進められている。南海トラフ地震等の巨大地震が発生した際
には、強い揺れ、液状化・地盤沈下、巨大な津波等の発生による被害が
想定される。そこで、河川、砂防及び海岸・海洋分野の観点から、以下
の問いに答えよ。
(1)南 海 ト ラ フ 地 震 等 の 巨 大 地 震 の 発 生 に よ り 想 定 さ れ る 被 害 を 2 つ 以 上
取り上げ、その被害を軽減するため、平常時から準備しておくべき対
策と対策実施の際に留意すべき事項を述べよ。
(2)(1)で 取 り 上 げ た 想 定 さ れ る 被 害 に つ い て 、 巨 大 地 震 発 生 時 の 応 急 対
策と対策実施の際に留意すべき事項を述べよ。
【コメント】
番
Ⅱ
号
1-1
コ メ ン ト
近年の水害の特徴および都市部における水害対策の内容が的確に記述さ
れている。特にゲリラ豪雨など、局所豪雨や既往最高を超える雨量の発
生等、ポイントを押さえた記述となっている。
1-3
河道閉塞による被害を防止するための対策が的確に記述されている。
また、ハード対策を事前に実施すべき事項と発生後の対応について、分
けて記述している点も良い。ただ、事前対策として、「発電用導水路を
改良して使用する。」との提案は、発電事業者との調整や水利権の問
題、さらには閉塞場所を前もって想定したり、改良工事をどのように実
施するかなど、数多くの課題を抱えているため、それらを明確にしない
限り記述しないことをお勧めする。
2-2
設 問 で の 要 求 事 項 に 対 す る 記 述 に つ い て 、 [被 害 状 況 ]、 [平 常 時 対 策 ]、
[留意事項]というように分かりやすく区分して、記述しているのが良い。
※ Ⅱ-2問題は、「専門知識と応用能力」を問う問題であり、本来は次章に掲載すべきで
すが合格者の記載方法を確認していただくために、本章に掲載しました。
-49-
技術士第二次試験
受験番号
合格答案(26年度)
技術部門
0 9 0 4 E 0 ・ ・ ・
問題番号
選択科目
Ⅱ-1-1
答案使用枚数
建設部門
専門とする事項
1 枚中
1 枚目
河川、砂防及び海岸・海洋
利水・治水計画
○受験番号,答案使用枚数,選択科目及び専門とする事項の欄は必ず記入すること。
1 . 近
年
の
水
害
の
特
徴
平
成
2
0
年
に
神
戸
市
の
都
賀
川
で
は
突
然
の
豪
雨
に
よ
る
増
水
で
避
難
が
間
に
合
わ
な
か
っ
た
。
ま
た
、
平
成
2
4
年
の
九
州
北
部
豪
雨
で
は
、
既
往
最
高
を
越
え
る
大
雨
に
よ
り
各
所
で
氾
濫
し
、
矢
部
川
で
は
直
轄
河
川
堤
防
が
破
堤
す
る
な
ど
、
大
き
な
被
害
を
及
ぼ
し
て
い
る
。
こ
の
よ
う
に
、
近
年
の
水
害
の
特
徴
は
、
急
な
局
所
豪
雨
や
、
記
録
的
な
雨
量
に
よ
る
災
害
が
発
生
し
て
い
る
こ
と
で
あ
る
。
2 . 都
市
部
の
河
川
に
お
け
る
水
害
対
策
[
ハ
ー
ド
対
策
]
我
が
国
の
厳
し
い
財
政
状
況
を
考
え
る
と
治
水
施
設
整
備
だ
け
に
頼
る
わ
け
に
は
い
か
な
い
。
そ
こ
で
、
流
域
全
体
で
の
水
害
対
策
に
よ
り
治
水
安
全
度
を
高
め
る
必
要
が
あ
る
。
堤
防
、
遊
水
地
な
ど
の
治
水
施
設
整
備
を
P
I
な
ど
の
住
民
参
加
型
で
行
う
。
ま
た
、
流
域
か
ら
の
流
出
量
を
抑
制
す
る
た
め
に
、
透
水
性
舗
装
、
浸
透
桝
、
調
整
池
、
各
戸
貯
留
施
設
の
設
置
を
行
う
と
と
も
に
、
開
発
を
規
制
す
る
。
流
域
治
水
対
策
に
お
い
て
も
、
市
民
協
働
型
で
行
い
、
住
民
全
員
で
貯
め
る
こ
と
が
重
要
で
あ
る
。
市
民
協
働
型
で
実
施
す
る
こ
と
に
よ
り
、
合
意
形
成
と
効
率
的
な
対
策
が
、
実
施
可
能
で
あ
る
。
[
ソ
フ
ト
対
策
]
東
日
本
大
震
災
限
は
な
い
」
こ
と
、
「
人
命
が
第
一
」
で
あ
る
こ
と
を
考
え
る
と
、
ハ
ー
ド
対
策
に
併
せ
て
ソ
フ
ト
対
策
が
必
要
で
あ
る
。
タ
イ
ム
ラ
イ
ン
(
事
前
防
災
行
動
計
画
)
や
ハ
ザ
ー
ド
マ
ッ
プ
の
作
成
・
周
知
や
避
難
訓
練
を
通
し
て
、
普
段
か
ら
、
リ
ス
ク
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
を
図
る
べ
き
で
あ
る
。
以
上
-50-
の
教
訓
で
あ
る
「
災
害
に
上
技術士第二次試験
受験番号
合格答案(26年度)
技術部門
0 9 0 4 E 0 ・ ・ ・
問題番号
選択科目
Ⅱ-1-3
答案使用枚数
建設部門
専門とする事項
2 枚中
1 枚目
河川、砂防及び海岸・海洋
利水・治水計画
○受験番号,答案使用枚数,選択科目及び専門とする事項の欄は必ず記入すること。
1 . 河
道
閉
塞
に
よ
る
被
害
を
防
止
・
軽
減
す
る
ハ
ー
ド
対
策
[
事
前
対
策
]
深
層
崩
壊
に
よ
る
河
道
閉
塞
が
発
生
す
る
と
、
天
然
ダ
ム
の
破
堤
に
伴
う
大
規
模
な
土
石
流
が
発
生
す
る
危
険
が
生
じ
る
。
従
っ
て
、
貯
水
池
の
水
位
を
下
げ
て
破
堤
し
な
い
よ
う
に
す
る
必
要
が
あ
る
。
そ
こ
で
、
深
層
崩
壊
が
発
生
す
る
可
能
性
が
高
い
区
間
に
河
道
閉
塞
地
点
上
流
か
ら
の
河
川
流
量
を
バ
イ
パ
ス
さ
せ
る
た
め
の
導
水
路
を
設
置
す
る
こ
と
が
有
効
で
あ
る
。
発
電
用
導
水
路
を
改
良
す
れ
ば
、
比
較
的
低
予
算
で
実
現
可
能
で
あ
る
。
ま
た
、
天
然
ダ
ム
が
破
堤
し
て
土
石
流
が
発
生
し
た
場
合
に
備
え
て
、
既
設
砂
防
堰
堤
の
補
強
や
土
砂
ポ
ケ
ッ
ト
の
確
保
に
よ
る
減
災
対
策
を
実
施
す
べ
き
で
あ
る
。
[
緊
急
対
策
]
天
然
ダ
ム
が
発
生
し
た
場
合
は
、
放
水
路
の
建
設
や
、
貯
水
池
の
水
を
可
搬
式
ポ
ン
プ
に
よ
り
排
水
す
る
こ
と
に
よ
り
、
貯
水
池
の
水
位
を
下
げ
る
必
要
が
あ
る
。
サ
イ
フ
ォ
ン
式
の
ポ
ン
プ
や
サ
イ
フ
ォ
ン
に
よ
り
発
電
を
行
う
技
術
が
開
発
さ
れ
て
い
る
の
で
、
大
規
模
災
害
に
適
用
す
る
技
術
を
開
発
し
て
、
導
入
す
る
こ
と
を
検
討
す
べ
き
で
あ
る
。
2 . 河
道
閉
塞
に
よ
る
被
害
を
防
止
・
軽
減
す
る
ソ
フ
ト
対
策
河
道
閉
塞
発
生
時
に
、
緊
急
対
策
や
、
避
難
誘
導
を
実
施
す
る
た
め
に
は
、
河
道
閉
塞
の
発
生
場
所
を
速
や
か
に
把
握
す
る
必
要
が
あ
る
。
従
っ
て
、
大
規
模
土
砂
移
動
検
知
セ
ン
サ
ー
や
航
空
L
P
を
活
用
し
て
、
早
期
に
河
道
閉
塞
の
発
生
場
所
を
発
見
す
る
こ
と
が
重
要
で
あ
る
。
ま
た
2 0 1 8 年
よ
り
本
格
運
れ
る
準
天
頂
衛
星
シ
ス
テ
ム
の
活
用
も
す
べ
き
で
あ
-51-
検
討
用
る
さ
。
技術士第二次試験
受験番号
合格答案(26年度)
技術部門
0 9 0 4 E 0 ・ ・ ・
問題番号
選択科目
Ⅱ-2-2
答案使用枚数
建設部門
専門とする事項
2 枚中
1 枚目
河川、砂防及び海岸・海洋
利水・治水計画
○受験番号,答案使用枚数,選択科目及び専門とする事項の欄は必ず記入すること。
1 . 巨
大
地
震
被
害
を
軽
減
す
る
た
め
の
事
前
対
策
と
留
意
点
( 1 )
強
い
揺
れ
に
よ
る
被
害
[
被
害
状
況
]
レ
ベ
ル
1
地
震
動
に
よ
る
揺
れ
で
は
、
耐
震
対
策
が
し
て
あ
れ
ば
部
分
的
な
破
損
に
留
ま
り
、
機
能
損
失
ま
で
に
は
至
ら
な
い
。
レ
ベ
ル
2
地
震
動
に
よ
る
揺
れ
で
は
、
機
能
損
失
が
発
生
す
る
。
[
平
常
時
対
策
]
レ
ベ
ル
1
地
震
動
に
対
し
て
は
、
弾
性
限
界
内
で
の
挙
動
で
収
ま
る
よ
う
に
耐
震
対
策
を
実
施
す
る
。
レ
ベ
ル
2
地
震
動
に
よ
る
揺
れ
に
対
し
て
は
、
全
壊
に
至
ら
な
い
よ
う
な
耐
震
補
強
を
実
施
す
る
。
[
留
意
事
項
]
レ
ベ
ル
1
地
震
動
対
策
で
は
、
L C C
を
考
慮
し
て
対
策
の
必
要
性
を
検
討
す
べ
き
で
あ
る
。
レ
ベ
ル
2
地
震
動
対
策
で
は
、
人
命
が
第
一
で
あ
る
こ
と
を
考
慮
し
た
減
災
対
策
を
検
討
す
べ
き
で
あ
る
。
( 2 )
液
状
化
に
よ
る
被
害
[
被
害
状
況
]
液
状
化
は
、
N
値
2
0
以
下
の
緩
い
地
盤
、
地
表
か
ら
1
0
m
以
上
の
浅
い
水
位
、
震
度
5
以
上
の
強
い
揺
れ
の
条
件
が
重
な
る
と
発
生
し
や
す
い
。
堤
防
の
陥
没
や
基
礎
杭
が
あ
る
水
門
施
設
の
浮
き
上
が
り
等
の
被
害
が
発
生
す
る
。
[
平
常
時
対
策
]
グ
ラ
ベ
ル
ド
レ
ー
ン
工
法
に
よ
る
間
隙
水
圧
解
消
、
ペ
ー
パ
ー
ド
レ
ー
ン
工
法
や
サ
ン
ド
ド
レ
ー
ン
工
法
、
深
層
混
合
処
理
工
に
よ
る
基
礎
地
盤
改
良
、
鋼
矢
板
打
設
に
よ
る
変
形
抑
制
を
[
留
意
事
項
]
環
境
へ
の
影
響
す
影
響
に
つ
い
て
検
討
す
る
必
実
施
す
る
。
な
要
-52-
ど
が
、
あ
対
る
策
。
工
が
周
囲
に
及
ぼ
技術士第二次試験
受験番号
合格答案(26年度)
技術部門
0 9 0 4 E 0 ・ ・ ・
問題番号
選択科目
Ⅱ-2-2
答案使用枚数
建設部門
専門とする事項
2 枚中
2 枚目
河川、砂防及び海岸・海洋
利水・治水計画
○受験番号,答案使用枚数,選択科目及び専門とする事項の欄は必ず記入すること。
( 3 )
津
波
に
よ
る
被
害
[
被
害
状
況
]
東
日
本
大
震
災
で
は
、
津
波
が
河
川
を
遡
上
し、
堤
防
を
越
流
し
て
沿
川
の
地
域
に
浸
水
被
害
を
及
ぼ
し
た
。
液
状
化
に
よ
り
堤
防
が
陥
没
し
た
区
間
は
被
害
が
大
き
く
な
る
。
[
平
常
時
対
策
]
海
岸
や
河
川
の
堤
防
を
、
越
水
し
て
も
容
易
に
破
堤
し
な
い
粘
り
強
い
構
造
と
す
る
。
具
体
的
に
は
、
重
量
と
強
度
を
確
保
し
た
三
面
張
り
構
造
や
、
法
尻
部
の
被
覆
、
断
面
拡
幅
に
よ
る
裏
法
の
緩
勾
配
化
が
有
効
で
あ
る
。
[
留
意
事
項
]
1
つ
の
堤
防
だ
け
で
防
御
す
る
こ
と
が
困
難
な
場
合
は
道
路
等
を
利
用
し
た
2
重
化
、
3
重
化
を
検
討
す
る
。
2 . 巨
大
地
震
発
生
時
の
応
急
対
策
と
留
意
事
項
( 1 )
強
い
揺
れ
に
よ
る
被
害
[
応
急
対
策
]
緊
急
点
検
を
実
施
し
、
機
能
が
損
失
し
て
い
る
場
合
は
早
急
に
補
修
す
る
。
[
留
意
事
項
]
す
ぐ
に
補
修
で
き
な
い
場
合
は
、
角
落
し
を
設
置
す
る
等
の
応
急
措
置
を
実
施
す
る
。
( 2 )
液
状
化
に
よ
る
被
害
[
応
急
対
策
]
堤
防
が
陥
没
し
た
区
間
に
は
大
型
土
の
う
積
等
で
堤
防
の
嵩
上
げ
を
実
施
す
る
。
[
留
意
事
項
]
背
後
地
の
状
況
な
ど
に
よ
る
適
正
な
優
先
順
位
を
検
討
す
べ
き
で
あ
る
。
( 3 )
津
波
に
よ
る
被
害
[
応
急
対
策
]
ポ
ン
プ
に
よ
り
浸
水
区
域
の
排
水
を
実
施
す
る。
[
留
意
事
項
]
余
震
に
よ
る
津
波
発
生
時
に
避
難
で
き
る
体
制
を
確
保
す
る
必
要
が
あ
る
。
以
-53-
上
【 おわりに 】
筆記試験対策テキストをご覧になった感想は、いかがでしたか?
記述方法は、マスターできましたか?
本テキストのねらいは、はじめに紹介したように「不合格となる答案」と「良い解答
例」の両方を掲載することにより、「良い答案」の書き方をマスターしていただくこと
にあります。「不合格となる答案」や「問題となる答案」は、どこが悪いのかを評価の
内容やコメントで明確にしました。
また、特に悪い答案については、「どのように修正すべきか」が分かるように、その
後に「良い解答例」や「グレードアップ例」を掲載しました。
このため、受験者の皆さんは、その内容を理解して良い答案に修正する技術を身に付
けられ、容易にグレードアップすることが可能となるでしょう。
本テキストの使用によって、多くの方が本テキストをベースとして学習され、技術士
第二次試験「筆記試験」の合格を勝ち取られることをお祈りいたします。
平成26年12月吉日
株式会社 テクノ・リアライズ
主任講師
株式会社
谷 口 清 和
テクノ・リアライズ
Home Page:http://techno-realize.com/
E-mail:[email protected]
「技術士第二次試験」筆記試験受験対策テキスト
2014 年 1 月 20 日
初
版
第 1 刷発行
2014 年 12 月 20 日
第2版
第 1 刷発行
編
著
株式会社 テクノ・リアライズ
発行元
株式会社 テクノ・リアライズ
〒500-8388
岐阜市今嶺1丁目11-9
TEL 058-215-0425
RA101
FAX 058-215-0426
落丁・乱丁本はお取り替えいたします。テクノ・リアライズ宛にご連絡ください。
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©Techno Realize Printed in Japan
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