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第12回ASEAN+3エネルギー大臣会合共同声明
共同声明 (仮訳) 第12回ASEAN+3(中、日、韓)エネルギー大臣会合 2015 年 10 月 8 日、マレーシア・クアラルンプール (導入) 1. 第 12 回 ASEAN+3(中、日、韓)エネルギー大臣会合(AMEM+3)は、2015 年 10 月 8 日にマレ ーシアのクアラルンプールで開催された。会合では、マレーシアのオンキリ・エネルギー・環 境技術・水大臣が議長を務め、中国の張玉清国家能源局副局長、日本の平井裕秀経済産 業省国際エネルギー技術統括調整官、及び韓国のチョン・ヤンホ産業通商資源部エネルギ ー資源室長が共同議長を務めた。また、会合には、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオ ス、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ及びベトナムのエネルギー大臣が参加した。 2. 大臣は、経済効率と環境持続性を備えたエネルギーセキュリティを達成することの必要性を 確認した。大臣は、ライフサイクルコスト、環境影響及びプロジェクトの安全性の側面を考慮 しつつ、質の高いエネルギーインフラ開発の重要性を認識した。大臣は、この地域における エネルギー持続可能性に向けて ASEAN+3 協力の重要性を確認した。 3. 大臣は、第 33 回 ASEAN エネルギー大臣会合において ASEAN エネルギー協力行動計画 (APAEC)2016-2025 が承認されたことに留意し、エネルギーの連結性と市場統合の強化が、 地域におけるエネルギーセキュリティ、アクセシビリティ及び持続可能性の達成に向けて貢献 することを認識した。この点について、大臣は、各国間における人材育成活動、知見の共有 及び情報交換といった様々な活動を通じて、APAEC の実行において ASEAN を支援するとい うコミットメントを強調した。 (エネルギーセキュリティ) 4. 大臣は、石油、石炭、液化天然ガス(LNG)及び民生用原子力等について、地域のエネルギ ーセキュリティに関する成功事例及び政策立案の共有に関する協力及び協調の着実な進展 を歓迎した。この点について、大臣は、日本による ASEAN+3 エネルギー協力におけるエネル ギーセキュリティフォーラムの主導と、中国及び韓国による協力への支援に対し感謝の意を 表明した。大臣は、2015 年 5 月 19 日にインドネシアのジャカルタで開催された第 12 回 ASEAN+3 エネルギーセキュリティフォーラムに留意し、地域内におけるエネルギーセキュリテ ィと持続可能な開発を強化するプラットフォームとして ASEAN+3 エネルギー協力におけるエ ネルギーセキュリティフォーラムの重要性を強調した。 5. 大臣は、ASEAN+3 各国に対し、地域におけるエネルギーの持続可能性を確保するための政 策オプションを特定し発展させるに際し有用な参考となる情報を、継続して共有するよう促し た。 6. 石油備蓄に関し、大臣は、インドネシア・エネルギー鉱物資源省(MEMR)が、2015 年 5 月 18 日にインドネシアのジャカルタにおいて日本エネルギー経済研究所(IEEJ)の支援を得て主 催した、第 3 回 ASEAN+3・石油備蓄ロードマップ(OSRM)ワークショップを運営した、OSRM 事 務局(ASEAN エネルギーセンター(ACE)及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機 構(JOGMEC))の努力に感謝した。大臣は、また、2015 年 6 月 15-19 日に、東京において局 長級向けの石油セキュリティ構築支援研修を運営した日本に感謝した。当該研修において、 参加者は、日本の石油政策及び緊急時対応方法に関し、情報を交換し、現在の課題と将来 の協力の方向性等を議論した。 7. 今後の方向性として、大臣は、2015-2016 年の以下のフォーローアップ活動を歓迎した。(a) 国別要望調査の結果や様々な国の要望を考慮した OSRM ワークショップの開催の継続、(b) 現地でのデータに関する各国の政府関係者との会議/議論の実施による、ASEAN 各国 (AMS)の石油備蓄状況の詳細評価の実施、(c) 共同研究を通じた、国家レベルの石油備蓄 開発に向けたガイドラインの策定、(d) ASEAN 石油セキュリティ協定(APSA)への石油備蓄 ロードマップの効果に関する ASEAN 石油連盟(ASCOPE)との共同研究の実施、及び (e) 課 長級向けの石油セキュリティ構築支援研修。大臣は、AMS における現地データ収集と議論の 実施に留意し、次回会合での進捗報告を期待した。 8. 大臣は、石炭が地域の主要な燃料源であり続けることを認識し、パートナーシッププログラム を発展させ、新規の石炭火力発電所への公的金融支援を継続し、エネルギーセキュリティ及 び温室効果ガス排出の削減に資するものである高効率石炭火力発電、低品位石炭改質技 術並びに石炭ガス化/液化を含むクリーンコールテクノロジー(CCT)政策を推進し、かつ、 地域における産業を発展させる努力を進めるための連帯した呼び掛けを改めて強調した。大 臣は、+3 の国による具体的な関与が、CCT への積極的な協力を支援し促進するとともに、 CCT に対する社会の認識を強化するために、ASEAN 石炭フォーラム(AFOC)の今後の活動 に貢献することを表明した。この点について、大臣は、電力需要の増大と温室効果ガス削減 の必要性の両方に十分に対処し得るクリーンコール及び炭素緩和テクノロジーの知見の移 転を通じて ASEAN との協力を深めることを、+3 の国に求める連帯した呼び掛けを改めて強 調した。 9. 大臣は、AMS における原子力発電の安全かつ効率的な開発を支持した。大臣は、エネルギ ーセキュリティ及び持続可能な経済成長を進めるとともに、多様化されたエネルギー戦略を 作り上げ、電力需要の増大に対処し、かつ、温室効果ガスを削減するために、ベースロード 電源として機能するクリーンなエネルギー源として、原子力発電の重要性を認識した。大臣 は ASEAN+3 に対し、安全、セキュリティ及び不拡散へのコミットを前提として、自国の経験及 び成功事例を共有し、原子力安全パフォーマンスの向上並びに緊急時対応及び防災メカニ ズムの構築を含む実効的な協力を追求し、かつ、AMS による原子力発電の開発を支援する よう促した。 10. 大臣は、中国が 2015 年 6 月 1-7 日に中国の深センにおいて第 1 回 ASEAN-中国民生原子 力人材育成活動を運営したことに感謝の意を表明し、原子力に関する人材育成活動分野に おいて AMEM+3/SOME+3 の作業プログラムの下で活動を行うための、ACE と中国広核集団 (CGN)との間で調印された協定に留意した。大臣は、国立研究開発法人日本原子力研究開 発機構(JAEA)の核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)の専門性を活用した、核 不拡散及び核セキュリティに関する継続的な人材育成活動を歓迎した。大臣は、ベトナムの ダラットで、2015 年 3 月 16-17 日に、核セキュリティ文化に関する ACE-JAEA セミナーが成功 裏に開催されたことに留意した。大臣は、地域における ACE と JAEA の間の人材育成活動の ための継続的な協力を歓迎した。 (石油市場・天然ガス) 11. 大臣は、現在の世界及び ASEAN+3 の石油・天然ガス市場を認識し、ASEAN+3 各国に、最新 の政策、成功事例、経験、石油・ガスの探鉱・生産に関するテクノロジー、人材育成、並びに 課題及び機会に関する情報の共有と交換を継続するよう促した。大臣は、将来の安定的か つ競争力のある価格での供給に向け、石油・ガスの開発と生産への継続投資の必要性を強 調した。地域において増加するガス需要と変化するガス流通に鑑み、大臣は、ガスセキュリ ティを強化し、柔軟な LNG 市場を促進することの重要性に留意した。 12. 大臣は、2015 年 2 月 5-6 日にタイのバンコクで第 4 回石油市場・天然ガスフォーラム及び第 4 回 ASEAN+3 石油市場・天然ガスビジネス対話を運営したタイに、感謝の意を表明した。大 臣は、同フォーラムとビジネス対話での、LNG 取引における仕向け地条項の緩和の利点並 びにガス市場の改革及び競争力をさらに研究するという推奨を歓迎した。 (再生可能エネルギー・省エネルギー) 13. 大臣は、エネルギーセキュリティ及び環境持続可能性に対処するために、再生可能エネルギ ー、特に非常に長い期間にわたり本地域の経済的効果の高い手段であり続けると見込まれ る水力発電のポテンシャルを認識した。大臣は、省エネルギー基準及びラベリング(EE S&L) に関する人材育成活動、EE S&L の活動計画を開発するための政策相談、メンバー国の韓国 2014 国際エネルギーフォーラムへの参加及び 2015 緩和人材育成活動といった、ASEAN+3 緩和行動協力プログラムの進捗を認識した。大臣は、ASEAN+3 緩和行動協力プログラム 2015-2016 を歓迎し、次回会合での進捗報告に期待を表明した。大臣は、新再生可能エネル ギー・省エネルギーフォーラムを主導した韓国に感謝した。 14. 大臣は、また、省エネルギーセンタ-(ECCJ)及び ACE による、ECAP(AJEEP 活動下の省エ ネルギーワークショップ)及び EMTIPS(情報提供スキームによる省エネルギー市場の転換) を含む、日 ASEANA 省エネルギーパートナーシッププログラム(AJEEP)の進捗に留意した。 大臣は、さらに、地域の持続可能なエネルギー開発に対し、これらのプログラムの継続的な 実施が重要であることを確認した。 15. 大臣は、2015 年 3 月 10-11 日に東京でスマートグリッド及びスマートコミュニティに関する円 卓会議を実施した日本に、感謝の意を表明した。大臣は、コストと利点の特定、商業的に可 能かつ持続可能性のある政府主導モデルプロジェクトを作ることの重要性、政府による明確 な政策、ロードマップ及び国家戦略の開発、並びに安定的な電力システムを確保するために 従来の電源と再生可能エネルギーを伴うスマートグリッドをバランスさせることの必要性とい った、スマートコミュニティ及びグリッド等を促進するために鍵となる点に留意した。 16. 大臣は、革新的なソリューションを促進することが重要であることを認識するとともに、スマー トグリッド/コミュニティプロジェクト、再生可能エネルギーに関する政策/経済の分析及びモ デル化、エネルギー供給事業(ESCO)のビジネスモデル並びに廃棄物発電に関する情報共 有、人材育成活動及び現地視察を継続し開始するよう、ASEAN+3 各国に対し促した。 (新たなイニシアティブ) 17. 大臣は、ESS テクノロジーの開発や展開を通じた再生可能資源の活用によるエネルギーの 効率的利用及び安定供給を促進するための、エネルギー貯蔵システムと再生可能エネルギ ーの統合に関する協力プログラム(RE+ESS)イニチアティブの実施を継続するよう、韓国に対 し促すとともに、次回会合での進捗報告に期待を表明した。 18. 大臣は、i)中国-ASEAN 原子力発電人材育成計画、ii)電源異常時における ASEAN の緊急 時対応に関するセミナー、iii) ASEAN 地域間電力連系の研究、iv)中国-ASEAN クリーンコー ル転換技術の交換や促進、の 4 つの提案からなる、新エネルギー持続可能な開発イニシア ティブの提案を継続的に実行するよう、中国に対し促した。 (次回会合) 19. 大臣は、第 13 回 ASEAN+3 エネルギー大臣会合のため、2016 年 9 月の第 3 週(仮)にミャン マーで再会することを確認した。 20. ASEAN+3 各国の参加者、ASEAN 事務局及び ACE は、マレーシア政府と国民による第 12 回 ASEAN+3 エネルギー大臣会合のための温かい歓迎と素晴らしいアレンジに感謝の意を表明 した。