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「協働的な学び」の一層の充実を!

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「協働的な学び」の一層の充実を!
彩の国
埼玉県
埼玉県のマスコット「コバトン」
21世紀型スキルを育成する「協働的な学習」
「協働的な学び」の一層の充実を!
協 働 的 に学 ぶ児 童 (小 6社 会 )
「21世 紀 型 スキル育 成 研 修 会 」の様 子
急激に変化する社会を子ど
・「21世紀型スキル」とは?
もたちが生き抜いていくため
には、基礎的な知識・技能だ
・「協働的な学習」の一つ、
け で は な く 、「創造力」、「 批 判
「協調学習」とは?
的 思 考 力 」、「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ
ョ ン 能 力 」、「 コラボレーション ・
「協働的な学習」の一層の充実を!
能 力 」、「 I C T 活 用 能 力」など
「21 世紀型スキル」と呼ばれる資質や能力が必要となります。
このスキルを育てるためには、「協働的な学習」の一層の充実が
必要不可欠です。この BOOKLET では、「21 世紀型スキル」や
「協働的な学習」についてその概要を紹介します。
平成 25 年3月
①
「21世紀型スキル」とは?
【急激な社会の変化に対応するために】
知識 基 盤社 会 の到 来、高度 情 報化 、グロ ー バル 化 の進 展、少子 高 齢化
な ど 、社 会 が 急 激 に 変 化 し て い ま す 。子 ど も た ち が 、こ の よ う な 社 会 の
変化に対応していくためには、基礎的な知識・技能だけ
で は な く 、「 創 造 力 」、「 批 判 的 思 考 力 」、「 コ ミ ュ ニ ケ ー
シ ョ ン 能 力 」、「 コ ラ ボ レ ー シ ョ ン 能 力 」、「 I C T 活 用
能力」などのスキルを身に付けていく必要があります。
欧米や韓国、中国、インド等、世界の各国政府がその
育成を重視した教育に取り組み始めています。
【「21世紀型スキル」とは】
*1
ATC21S
が示す「21世紀型
スキル」は、4つのカテゴリーと、
主となる10のスキルから構成さ
れています。これらのスキルに含ま
れる資質や能力等は、学校教育で取
り組んでいる「生きる力」や「学力
の3要素」と共通する要素も多いと
いえます。
「21世紀型スキル」は、日本で
はまだあまり馴染みのない言葉で
すが、学校教育で、未来を担う子ど
もたちに、「 グ ローバル化された社
会で活躍できる人材」を育てるうえ
で重要な役割を果たします。
21世紀型スキルの定義(ATC21S)
カテゴリー
思考に関する
スキル
行動に関する
スキル
行動の際の
手段・道具
世界市民
としての力
ス キ ル
・創造力 ・批判的思考力、
問題解決力、意思決定力
・学習力
等
・コミュニケーション能力
・コラボレーション能力
等
・情報活用能力
・ICT 活用能力
・市民としての力
・人生とキャリア設計力
・個人的・社会的責任
*1 ATC21S・・・
Assessment and Teaching of 21st-Century Skills
メルボルン大学とインテル、シスコ、マイクロソフ
トの ICT 先端企業の産学官連携プロジェクトで、
21世紀型スキルの内容として評価方法について
研究している。
【「21 世紀型スキル育成研修会」の紹介】
「 21 世 紀 型 ス キ ル 」を 育 成 す る た め 、県 教 育 委 員 会 は 、イ ン テ ル (株 )
及 び 東 京 大 学 大 学 発 教 育 支 援 コ ン ソ ー シ ア ム 推 進 機 構 ( 通 称 CoREF) と
連 携 を 図 り 、教 員 の 授 業 力 の 向 上 と 授 業 に お け る ICT の 活 用 推 進 を 目 指
し て い ま す 。県 立 総 合 教 育 セ ン タ ー で は 、
「 21 世 紀 型 ス キ ル 育 成 研 修 会 」
として、平成24年度から3年間にわたり約
300人の教員を対象に研修会を開催します。
研 修 会 で は 、 インテル(株)が提供する思考支
援型の授業を実現するための教員研修プログラ
R teach Elements」と、CoREF が
ム「Intel○
推進している「協調学習」の手法を取り入れ、
協調的な学びを体験しつつ授業案を作成し ます。
授業実践後に報告会を行い、児童生徒が「21
【 三 者 連 携 調 印 式 の様 子 】
左 から 三 宅 なほみ CoREF 副機構長
世紀型スキル」を身に付けることができるよ う
前 島 富 雄 埼玉県教育委員会教育長
な指導力を育成していきます。
宗 像 義 恵 インテル株式会社取締役副社長
②
「協働的な学習」の一つ、「協調学習」とは?
*2
【「協調学習」とは?】
三 宅 な ほ み CoRE F 副機構長
*2 CoREF 平成 23 年度活動報告書
「協調が生む学びの多様性 第2集」より
今までのように「今ここ」で教えたことが教えた通りにできれば良いのではなく、将来、学
んだことを教室から「持ち出して」、必要となった時にきちんとその場の要請に合わせて「う
まく使えて」、さらにはその学びを土台に、次の学びを「積み上げて発展させる」ことができ
るような学びが求められている。その中では、自分で言うべきことを考え出して人に伝える「コ
ミュニケーション能力」、人と話し合って自分の考えを進める「コラボレーション能力」、これ
まで使っていたことや他の人のアイディアを様々に組み合わせて新しいものの見方を作り出
す「イノベーション能力」など、21 世紀型といわれるスキルの学習も含まれている。こうい
う、本人が一生の資産にできるような学びは、本人の納得づくで、本人自身が作り上げたもの
でなければならないことが少しずつわかってきている。学びの成果が、本人自身納得できる本
人自身の「ことば」で表現することの大切さも、これまで以上にはっきりしてきた。だとした
ら、そのような学びを、すべての人に可能にしそうな基盤をまず探さなくてはならない。そう
いう認知科学的な基盤の一つが、「協調学習」と呼ばれる学びの仕組みである。
【「知識構成型ジグソー法」を取り入れた授業づくり】
*3・・・P4参照
「 協 働 的 な 学習」の一つ といえる「協調学習」 における、
「知 識 構 成型ジグソー法」 とい う手法を 紹介します 。
① 一 人 一人が、まず自分で考えて 「 問い 」 に 対す る 答え を書く。
② 問 い に対する答えを得るために 必要な部品 (ある視点) の 担当グループ
に 分 かれ、資料をもとに 話し合う ( エ キ ス パー ト 活動 )。
③ 各 エ キスパートグループを解体し、一人ずつ組み合わせて新たなグルー
プを作り、意見を統合し 問い に対する新たな 答えを出す ( ジ グ ソ ー 活動 )。
④ 最後 に 、各 ジグソー グループで考えた 自分たちの答えを 全体で 交換し 合
い 、一人一人 が 、いろいろな答えから自分で最も納得のいく「言い方」
「 表 現 」を拾って、納得できる答えを得る ( ク ロ スト ー ク活動 )。
エキスパート活動
ジグソー活動
クロストーク活動
一つの視点から専門的に話
し合い、次の活動に移った時
に「人に伝えたいことがある
状態」になるようにする。
「考えながら、考えているこ
とをことばにする」体験をし
ながら、自分の考えが少しず
つはっきりしてくる。
他の人の説明や先生のコメン
トから得た「自分なりの答え」が、
「最初に書いた答え」と違うこと
を実感することで「分かってきた
感じ」を生み出す。
【未来を拓く「学び」推進事業における「協調学習」の取組】
県教育局高校教育指導課事業
高校の先生方が CoREF と 連 携 し 、
「協調学習」の手法を取り入れた教材の
研究開発を行っています。授業づくりと実践・検証をとおし、生徒の主体的な
学びによる学力向上を目指します。
③
「協働的な学習」の一層の充実を!
*3
【「協働的な学習」の重要性】
*4 中央教育審議会 H24.8.28
*5 文部科学省 H23.4.28
*4
「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(答申)」より
21世紀を生き抜くための力を育成するため、これからの学校は、基礎的・基
本的な知識・技能の習得に加え、これらを活用して課題を解決するために必要な
思考力・判断力・表現力等の育成や学習意欲の向上、多様な人間関係を結んでい
く力の育成等を重視する必要がある。これらは、様々な言語活動や 協働的な学習
活動を通じて効果的に育まれることに留意する必要がある。
*5
「教育の情報化ビジョン ~21 世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指して~」より
21世紀を生きる子どもたちに求められる力を育む教育を行うためには、情報
通信技術の・・・・重要である。子どもたちの主要な学習の場である学校において、
教育の情報化を推進し、教員がその役割を十分に果たした上で、情報通信技術を
活用し、その特長を生かすことによって、一斉指導による学び(一斉学習)に加
え、子どもたち一人一人の能力や特性に応じた学び(個別学習)、 子 ど も た ち 同
士が教え合い学び合う協働的な学び(協働学習)を推進していくことができる。
【「協働的な学習」を一層充実する際に配慮すること】
「各 教 科 に 応 じ た 言 語 活 動 の 充 実 」
「体験的・問題解決的な学習の重視」
「見通しや振り返りの学習活動の重視」
「個 に 応 じ た 指 導 の 充 実 」
「指導の評価と改善」等は、学習
指導要領の総則に示されてい
る重要なポイントです。毎日
の授業で、右の囲みのことに
気を付け授業改善を図ること
は、「協働的な学習」を一層充
実することにほかなりません。
子どもたちが自分で考え、
理解し、次に学びたいことを
見つけ出していく。分かった
ことの伝え合いで活動を止め
ず、分かってきたことを交換
し合い、それらを統合し合い
より高い問いへの答えを出し
ていく。それが学び続ける子
どもを育てていくことになる
のです。(学びの連続性)
教科、単元、本時のねらいからスタートする
授業づくりにあたって重要なことは、教科、単元、
本時のねらいを分析し、何を取り上げればねらいに
迫れるかを考え学習内容を決定し、それにふさわし
い 教 材 ( 資料 ) を 選ん でい く と い うこ と で す 。「 教
材」からスタートして、ねらいがあいまいな授業に
ならないように留意する必要があります。
児童生徒の発達の段階や実態、学習経験を生かす
各小中学校の児童生徒は、発達の段階や実態がそ
れぞれであり、それまでの学習経験 の積み上げにも
差があります。それらを十分にとらえて、柔軟に対
応したり、学習経験 を生かした取組を考え たりする
ことが重要です。指導方法も、ねらいの達成に適し
た方法を導入することはもちろん、これらに配慮し
なければ効果が上がりません。
しっかりとした計画を立てる 単元の中、1 時間の中で
学習のねらいを達成するためには、単元の 指導計
画の中で「どの時間」に、あるいは、1 単位時間の
「どの場面」で行うことが効果的なのかをよく考え
ることが重要です。単元や本時のねらいを分析し、
適切な場面で、適切な「協働的な学習活動」の導入
を図ることが必要です。
【 参考文献 】
・埼玉教育 No.755 平成24年9月 児童生徒の「21世紀型スキル」の育成に向けて
特集1「質の高い学校教育の推進に向けての総合教育センターの取組」
清水励・寺田貢紀
・東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構 自治体との連携による協調学習の授業づくりプロジェクト
平成 23 年度活動報告書「協調が生む学びの多様性 第2集」
④
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