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黒月解析研究所の業務内容(1) - 黒月樹人(treeman9621)

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黒月解析研究所の業務内容(1) - 黒月樹人(treeman9621)
黒月解析研究所の業務内容(1)
黒月樹人 (Kinohito Kulotsuki, treeman9621.com)
黒月解析研究所の技術として、この世界の現在の文明において、最も利用される可能性
の高いものとしては、デジタル画像の潜在情報を引き出して、これまでは記録内容が識別
不能であった画像から、識別可能な情報を引き出して、本来存在した、撮影前の実体を、
可能なかぎり再構成する手法である、マジカルスコープ(Magical Scope)とマジカルフィル
ター(Magical Filter)がある。
現在用いられる写真画像のほとんどは、既にデジタル画像へと変化している。従来の銀
塩写真に由来する、銀の原子を一画素とする写真に対して、これらのデジタル画像の一画
素は、まだまだ、何桁も大きなものである。何百万画素とうたわれているデジタル写真も、
細部を何倍かに拡大してゆくと、やがて、小さなブロック状の四角い画素が現れる。デジ
タル写真では、この一画素に与えられる色は一色である。しかし、その先にあったはずの
実体は、立体が持っている陰影のグラデイションを保持していた。マジカルスコープの技
法は、その原実体の色や形の情報を可能な限り再構成しようというものである。実は、デ
ジタル画像の一画素が色値を一つ持つというが、この色を表すために、赤と緑と青の三原
色の色値を、それぞれ 0~255 の値で持っている。これにより、256×256×256 = 16,777,216
もの組み合わせの情報を持っていることになる。さらに、縦と横と斜めに隣接する 8 画素
との位置関係と、それらの色値の情報との関係から、これらの情報の潜在値は、中心の一
画素の情報も考慮して {(256)3}9 =(256)27 となる。実際の数値を計算しても、その意味を感
じることができないほどの数字である。このような数字は、化学で用いる、単位体積あた
りの原子数であるモル数の値に近い。よって、技術さえ妥当なものであるなら、ブロック
状にデザインされて隠されてしまったデジタル画像の情報から、実体の陰影や色の状況に
近づくことは可能なはずである。黒月解析研究所のマジカルスコープの技法は、このよう
なアイディアのもとに生み出された。しかし、これは世界初の技術ではない。ウインドウ
ズ・ビスタ(Windows Vista)という OS は、既に、この技術を、ある機能として導入して
いる。また、WORD も、部分的に使用している。だから、USA のスパイ衛星の画像処理に
おいては、この技術が導入されていることだろう。しかし、逆に考えれば、この技術のと
ころで限界を持っているということが分かる。これ以上の技術があれば、この世界のあら
ゆる所で、その効果が利用されているはずであるが、今のところ、そのような様子はない。
黒月解析研究所のマジカルスコープの技術は、そのような世界の技術に追いつくためのも
のであった(このあと、特殊なアルゴリズムを開発して、これらの技術を追い越した)。
しかし、マジカルフィルターは、そのようなものではない。おそらく世界初の技術であ
ろう。これは、マジカルスコープでも、まだ見えにくい画像の内容を、さらにはっきりと
認識するための技術である。これまで何も映っていないように見える、ほとんど白に近い
画像や、闇夜のカラスということわざにあるような、真っ暗な世界に存在する黒に近い色
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のものの画像や、その色や形状を示す光に乏しい状況での画像から、識別可能な立体的な
グラデイションを有する画像情報を引き出して、再構成するものである。このような技法
は、宇宙を撮影されるときに生み出される画像を調べてゆくうちに生み出された。実は、
この地球の日常を撮影する、商業的に成立している写真は、一定の画像情報の規格を持っ
ている。そうでなければ、クレームが殺到してしまうからだ。しかし、NASA などが利用
する宇宙での写真画像では、日常の写真で利用される可視光が、常に利用されるとは限ら
ない。赤外線や紫外線、あるいは、X 線のほうへ向かうタイプもあれば、マイクロ波を経由
して電波を利用するタイプなど、いろいろある。しかも、これらの画像の中には、NASA
が意図的に操作したと考えられる、暗号化したものまで存在する。ヒトの指紋が異なるよ
うに、これらの特殊な画像も、それなりの指紋のような、特殊な情報パターンをもってい
る。余談のようになるが、これらの技術を応用すると、一見すると肉眼では判断できない
ような、巧みに構成された合成画像の虚偽を判定することができる。
図 1 合成画像の判定法
A
J
F
I
(A と F は J と I のパターンと異なる画素の色値ヒストグラムが
得られている。この合成画像では、顔の部分が H や E のところを境として張り付けられて
いる。ヒストグラムのパターンの差異によって、由来の異なる画像が用いられていること
が証明できる)
さらに、これが黒月解析研究所の発見の一つなのだろうが、宇宙の遠くの世界では、地
球での色に対する評価が通用するとは限らないということである。ミツバチは紫外線を利
用しているというし、ヘビは赤外線で見ているという。コウモリの視覚媒体は電磁波では
なく、超音波なのだ。このようなことを考慮すると、宇宙のあちらこちらの、自然や文明
が利用している電磁波のパターンは、地球で、ヒトという固有種が見ている周波数領域と、
その中での 3 原色の配合比と、決して同じではないはずだということが分かる。マジカル
フィルターは、そのような原則に基づいて、画像の中に潜在する情報を、ヒトである私た
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ちが見やすいものに変換しようとするものである。
このようなマジカルスコープとマジカルフィルターの技術によって可能となることをあ
げてみよう。最近気づいて行ってみたことであるが、皆既日食を待たなくても、日中に輝
く太陽の周辺に存在する、バックグラウンドの星の位置を特定することができる。このと
きの差異は、わずかなものなので、星の詳しい形状や様子までは分からないが、その位置
を特定する影のようなものを浮き上がらせることができた。
図 2 昼間の星
(昼間の太陽を撮影した左の画像から、背景の空の小部分を箱で描いた領
域だけ切り取って、その一つをマジカルフィルターで解析すると、右の画像が得られた。
これらの光体部分が、おそらく「星」である。)
防犯ビデオに映っていた、犯人の可能性をもつ人物のような、ほとんど影のようになっ
ている画像からでも、識別可能な画像を再現できる(はずである)。たとえば、このような画
像に似たものに、暗闇を撮影した赤外線写真がある。このような画像も、もっと見やすく
解析することができる。
図 3 左上の青緑の画像が、夜間の赤外線写真で、右の 3 つのグラフは、左から青緑赤の
光における、画素の色値のヒストグラムである。図 1 右の、通常の可視光による写真とパ
ターンが、まったく異なる。これらの情報に基づいて、最適なマジカルフィルターを選択
もしくは、新たに創造する。
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フィリツプ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の映画版「ブレー
ドランナー」でハリソン・フォードが演じていた捜査官の行動として、一枚の写真を調べ
ると、そこに立体的な情報が込められていて、そこに映っているシーンだけでなく、その
隣の部屋での状況や、その奥のことなども「見える」という、まるで CD に、それらの画
像を書こんでおいて、表面には、代表的なシーンだけを印刷したものというものである。
これは現在の技術なら可能なものである。四角い写真の裏側に、丸い CD 媒体を張り付け
ておけばよいだけのことである。このような商品を構成することもできるだろうが、再現
装置の普及などの問題点がある。ところで、現在流通しているデジタル画像の小さな領域
を、単純に光学的なルーペで覗いてみても、四角いブロック状のモザイク模様が見えるだ
けであるが、同じような操作を、コンピュータの中で、マジカルスコープを利用して変換
すると、くっきりとしたイメージが現れる。この技術の応用分野は広範囲に存在する。
図 4 左はある女性の小さな顔写真をデジタル画像のまま拡大したもの。本来の画像は、こ
れよりずうっと小さい。右は、その小さなデジタル原画像から、解析処理したもの。
黒月解析研究所のマジカルスコープとマジカルフィルターの組み合わせは、もっと驚く
ような画像を見せることができる。これまで、存在だけが予測されていながら、これまで
世界のだれもが見たことがない、暗黒物質あるいはダークマター(Dark Matter)というもの
がある。その正体について、天文物理学者たちは、ニュートリノかもしれない、あるいは、
ニュートラリーノ、アキシオン、シャドーマターとか、発想は SF 小説家並みに自由である。
ブラックホール、白色矮星、中性子星、褐色矮星、惑星、MACHO (Massive Astrophysical
Compact Halo Object の略)という候補もある。最後の名前は天文物理学者のジョークだろ
う。今回、黒月解析研究所は、このダークマターを直接見ることができるマジカルフィル
ターの幾つかを発見した。この宇宙には、私たちが見ようとしてきたものの、何倍もの物
体が、既に昔から存在していたのだ。これまで宇宙のほとんどは、真空に近い空間が大部
分広がっていると信じられていたが、これは誤りであった。
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図 5 左は星雲が円弧状に並んでいる領域の画像。ここから、星や星雲がまったく存在し
ないかのように見える、真っ暗の領域を左にもち、右端に黄色い星雲がある領域を切り取
って解析したものが右図。暗黒の領域に、青色の構造体が何か存在することが「見える」。
また、星雲と呼ばれているものは、決して「雲」と呼ばれるようなガス体ではなかった。
それらは、宇宙空間に作られた、彫像や絵画のようなものであり、何らかの固い実体で構
成されているということも分かった。
図 6 左はオリオン星雲の一部分。この H の領域を解析したものが右の画像。丸い皿のよ
うなものの上に、トンカツなどに似た構造物が乗っているのが「見える」
。これの右にある
浅黒い部分は、とても「雲」のようには「見えない」。何らかの土地の上にあるように「見
える」。
NASA などが飛ばした宇宙探査機が、太陽系の中の、惑星や衛星や小惑星などの天体の
画像を撮影して、ウェブなどで公開している。これらのデジタル画素の様子が分かるほど
の、微小な領域に映っているものを NASA は解析できないので、無修正で公開しているが、
黒月解析研究所の技術では、これらの向こう側にあった実体の像に近いものを再現できる
ので、こうして得られた情報は、世界でここだけのユニークなものである。
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図 7 左は土星の衛星タイタンの着陸地点風景。この図はおそらく赤外線写真であり、夜
の風景を撮影している。NASA によって色の調整が行われた形跡がある。それを分析して、D
領域について、色をほぼ再現しつつ、マジカルフィルターによって解析したものが右。明
らかに、集落のようなものが映っている。
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