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医療法人等に係る所得金額の計算書の記載の手引き
医療法人等に係る所得金額の計算書の記載の手引き 《この計算書について》 1 この計算書は、医療法人(公益法人等及び人格のない社団等で医療事業を行うものを含み ます。)又は医療施設に係る事業を行う農業協同組合連合会(以下「医療法人等」といいます。 ) が、法人の事業税の確定申告書及びこれに係る修正申告書を提出する場合に、地方税法施行 規則第6号様式別表5「所得金額に関する計算書」 (以下「所得金額の計算書」といいます。 ) の記載要領4に示す「その計算の明細書」として記入し提出するものです。 この計算書には、貸借対照表、損益計算書、雑益・雑損失明細書及び法人税法施行規則別 表4「所得の金額の計算に関する明細書」の写しを添付してください。 2 法人税の申告において、租税特別措置法第67条(社会保険診療報酬の所得計算の特例)第 1項の規定の適用を受ける医療法人等は、この計算書の提出及び貸借対照表等の添付の必要 はありません。ただし、法人の事業税の申告書(地方税法施行規則第6号様式)に添付する こととされている「所得金額の計算書」の備考欄に「特例適用法人」と記載し、法人税法施 行規則別表10(7)の写しを必ず提出してください。 《各欄の記入のしかた》 1 「総所得金額(第6号様式別表5再仮計⑯)①」 「所得金額の計算書」の「再仮計⑯」欄の金額を記載します。 なお、当該金額が欠損金額である場合には、当該金額を朱書するか又は当該金額に△印を 付けて記載します(以下各欄において同じ。)。 2 「土地等及び有価証券の譲渡又は売却益(損)、有価証券の評価損益②」 次の①から③の金額を記載します。 建 物 ①総所得金額の計算上、益金又は損金に算入される土地( 構築物 の所有を目的とする地上 権及び賃借権を含む。以下「土地等」といいます。)及び有価証券の譲渡益若しくは売却 益又は譲渡損若しくは売却損の額(以下「譲渡益等」といいます。 ) ②総所得金額の計算上、益金又は損金に算入される有価証券の評価損益 ③土地等、減価償却資産及び有価証券の受贈益 3 「課税標準の算定の基礎となる所得金額(①-②)③」 「総所得金額(第6号様式別表5再仮計⑱)①」から「土地等及び有価証券の譲渡又は売 却益(損)、有価証券の評価損益②」を控除した金額を記載します。②の欄が「0」の場合は ①と一致します。 4 「医療事業とその他の事業とをあわせて行う場合の所得の区分(医療事業の所得金額④及 びその他の事業の所得金額⑤) 」 「課税標準の算定の基礎となる所得金額③」の欄の金額を「医療事業の所得金額④」と「そ の他の事業の所得金額⑤」に区分して、それぞれの金額を記載します。 なお、医療事業とその他の事業とに区分することが困難な収入金額又は経費の額がある場 合は、次の算式により医療事業の所得金額を算定します。 <算式> 医療事業の所得金額=課税標準の算定の基礎となる所得金額÷ (医療事業の専属収入金額+その他の事業の専属収入金額)×医療事業の専属収入金額 注1 「医療事業又はその他の事業の専属収入金額」とは、当該各事業に専属する一切の収 入金額をいい、それぞれの事業に共通する収入金額は含みません。 注2 「課税標準の算定の基礎となる所得金額」を「医療事業の専属収入金額+その他の事 業の専属収入金額」で除して得た数値に小数点以下の数値があるときは、当該「医療事 業の専属収入金額+その他の事業の専属収入金額」の桁数に1を加えた数に相当する数 の位以下の部分の数値を切り捨てます。 また、 「医療事業の専属収入金額」を乗じて得た金額に1円未満の端数があるときは、 その端数を切り捨てます。 (以下算式の端数処理方法は同じ。) (例) 課税標準の算定の基礎となる所得金額 46,000,000 円÷( 医療事業の専属収入金額 220,000,000円+ その他の事業の専属収入金額 75,000,000 円) の場合 46,000,000 ÷( 220,000,000+ 75,000,000)=0.15593220338 「医療事業の専属収入金額+その他の事業の専属収入金額」は9桁なので、9+1 の10桁以下を切り捨てます。 「医療事業の専属収入金額」を乗じて得た金額 0.155932203×220,000,000=34,305,084.66 に1円未満の端数があるので切り捨てます。 「医療事業の所得金額」は34,305,084円となります。 5 「社会保険診療に係る収入金額⑥」 「付表1医療事業の総収入金額の明細書」の(ア)欄の金額を移記します。 6 「医療事業に係る総収入金額⑦」 「付表1医療事業の総収入金額の明細書」の(エ)欄の金額を移記します。 なお、医療事業とその他の事業とをあわせて行っている場合で、それぞれの事業に区分す ることが困難な収入金額がある場合は、次の算式により医療事業の総収入金額を算定します。 <算式> 医療事業の総収入金額=医療事業の専属収入金額+共通収入金額 ÷(医療事業の専属収入金額+その他の事業の専属収入金額) × 7 医療事業の専属収入金額 「⑦に占める③又は④の割合(③又は④÷⑦)⑧」 「医療事業に係る総収入金額」に占める「課税標準の算定の基礎となる所得金額」又は「医 療事業の所得金額」の割合で、端数処理は前記4・注2の方法により行ってください。 8 「社会保険診療に係る所得金額(⑧×⑥)⑨」 ⑧の比率に「社会保険診療に係る収入金額⑥」を乗じて得た金額を記載します。端数処理 は前記4・注2の方法により行ってください。 9 「当期分の所得金額(①-⑨)⑩」 「総所得金額①」の金額から「社会保険診療に係る所得金額⑨」の金額を控除した金額を 記載します。 10 「自由診療等の繰越欠損金又は災害損失金⑪」 自由診療等に係る繰越欠損金又は災害損失金を記載します。 11 その他 ⑴ ⑨、⑪の各欄の数値は地方税法施行規則第6号様式別表5の19、23の各欄へそれぞれ移 記します。 ⑵ 営業損害に対する補償金や賠償金(注)の支払いを受けた場合は、次のとおり記載しま す。 ア 補償金(賠償金)請求に当たって積算根拠とした事業年度における医療事業総収入に 占める社会保険診療の割合を算出します。 イ アの割合を当該補償金(賠償金)額に乗じて、社会保険診療分と自由診療分に案分し ます。 ウ イのうち社会保険診療分の補償金(賠償金)額を⑥欄に、総補償金(賠償金)額を⑦ 欄にそれぞれ加算します。 エ 受け取った補償金(賠償金)額及び補償金(賠償金)請求に当たって積算根拠とした 事業年度を「※ 営業損害に対する補償金(賠償金)を受けている場合」の各欄に記載 します。 (注) 「営業損害に対する補償金や賠償金」とは、休業により事業活動ができないことに よって得られない収入や減収に対する補償金や賠償金(逸失利益費用等)のことをい います。これ以外の補償金や賠償金については、実費弁償に係る経費と相殺されるも の(追加的費用等)や車両等の減価償却資産の滅失等に対するもの等は附表2へ、こ れら以外のものは附表1の「その他の付随収入」へ記載します。 付表1 医療事業の総収入金額の明細書の記載の手引き 《この明細書について》 この明細書は、医療法人等の収入金額を収入科目ごとに記載し、 「医療法人等に係る所得金額 の計算書」の計算の基礎とするものです。 《各欄の記入のしかた》 1 「社会保険診療収入金額」 ⑴ 地方税法第72条の23第1項ただし書き(法人の事業税の課税標準の算定方法の特例)の 規定による益金の額に算入しないこととされている社会保険等関係法律の規定に基づく療 養等の給付(以下「社会保険診療」といいます。 )について支払いを受けた(又は受けるべ き)金額を記載します。 ただし、生活保護法の規定に基づく介護扶助のための介護については、次のアからシに 掲げる介護及びサービスに係る給付について支払を受けた(又は受けるべき)金額を、介 護保険法の規定の基づく介護サービス事業については、別添の「介護保険法の規定に基づ くサービスの種類による計上区分(1)(2)」の社会保険診療収入に計上される介護及びサー ビスに係る給付について支払を受けた(又は受けるべき)金額を記載します。 ア 訪問看護 ク 介護予防訪問看護 イ 訪問リハビリテーション ケ 介護予防訪問リハビリテーション ウ 居宅療養管理指導 コ 介護予防居宅療養管理指導 エ 通所リハビリテーション サ 介護予防通所リハビリテーション オ 短期入所療養介護 シ 介護予防短期入所療養介護 カ 介護保健施設サービス キ 指定介護療養施設サービス ⑵ これらの社会保険診療収入金額には、被保険者又は組合員が負担する家族療養費及び一 部負担金(初診料)等を含みます。また、社会保険診療報酬の査定に係る損益は、その増 減点の通知があった日の属する事業年度又は連結事業年度の診療収入に加算又は減算をし て記載します。 ⑶ 社会保険各法に係る医療費を被保険者(医療費助成対象者を含みます。)に代わって福島 県等が支払った金額も社会保険診療となります。 2 「自由診療収入金額」 前記1に記載した社会保険診療収入以外の医療等の給付について支払いを受けるべき金額 を記載します。 なお、次に掲げる収入科目欄の記載は、それぞれの内容に従って記載してください。 ⑴ 「労働者災害補償保険法等収入」 労働者災害補償保険法のほか、国家公務員災害補償法(防衛庁の職員の給与等に関する 法律及び裁判所職員臨時措置法において準用する場合を含みます。 )、地方公務員災害補償 法及びその他の法律に基づく業務上若しくは公務上の負傷・疾病に対する療養補償又は災 害補償等としての医療等の給付について支払いを受けるべき収入金額を記載します。 ⑵ 「その他の医療収入」 「自由診療収入金額」欄のうち、他の収入科目のいずれにも属さない医療に関する収入 金額を記載します。 ⑶ 「生活保護法」及び「介護保険法」 生活保護法の規定に基づく介護扶助のための介護に係る保険給付のうち、前述の1⑴ア からシに掲げる介護及びサービス以外の介護及びサービスに係る保険給付について支払を 受けた(又は受けるべき)金額を、介護保険法の規定に基づく介護サービス事業に係る保 険給付のうち、 別添の 「介護保険法の規定に基づくサービスの種類による計上区分(1)(2)」 の自由診療収入に計上される介護及びサービスに係る保険給付について支払を受けた(又 は受けるべき)金額を記載します。訪問介護等がこれに該当します。 3 「医療事業の付随収入」 医療事業に付随して生ずる収入金額を記載します。 「その他の付随収入」欄は、利子等収入 (所得税法第174条第1号に掲げる利子等で税引き前の収入金額をいいます。)、電話・電気・ ガス・寝具等使用料収入及び不用品売却収入以外の付随収入を記載します。 ただし、「付表2 医療事業の総収入金額に含めない収入金額の明細書」に記載すべきも のは除きます。 4 「その他の事業の収入金額(軽微なもの)」 医療事業以外の事業、例えば、商品販売事業、資産若しくは物品貸付事業(これを「その 他の事業」といいます。 )を医療事業とあわせて行っている場合において、その他の事業が社 会通念上、医療事業とは別に独立した事業部門とは認められない程度の軽微なもの(その他 の事業の収入金額が、医療事業に係る収入金額の1割程度以下の場合)で、医療事業の附帯 事業として行われているときに、その他の事業の収入金額をこの欄に記載します。ただし、 医療事業とその他の事業に係る損益計算が、区分経理により行われている場合には、その区 分計算に従って課税所得金額を算出することとなりますので、この欄には記載しないでくだ さい。 付表2 医療事業の総収入金額に含めない収入金額の明細書の記載の手引き 《この明細書について》 この明細書は、 「医療事業の総収入金額」に含めない収入金額を記載します。 《「医療事業の総収入金額」に含めない収入金額》 1 従業員の社宅・寮等使用料収入、従業員の食事代収入 2 購入たな卸資産に係る仕入割戻しの額として収入に計上した売上割戻しに対応する金額 (納品業者等からの納品リベ-ト等、仕入割戻しと同等と認められるリベ-トを含みます。 ) 3 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入等法人税法の規定により圧縮した 金額に相当する収入金額 4 各種引当金及び積立金の益金算入額 5 収入に計上された国税及び地方税に係る還付(充当)金額(ただし、還付(充当)加算金 については、付表1「医療事業の付随収入」欄の「その他の付随収入」欄に計上してくださ い。) 6 減価償却資産の売却益(ただし、取得価額を超える部分の金額は付表1「医療事業の付随 収入」欄の「その他の付随収入」欄に計上してください。) 7 債務免除益 8 役員及び従業員の生命保険満期又は解約返戻金、損害保険の満期、 解約又は無事故返戻金、 償却資産の損失に基因して支払いを受ける損害保険金のうち当該資産の取得価額までの金額 (配当金は除きます。 ) 9 国、地方公共団体及びこれらに準ずる公的機関からの補助金、助成金又は補償金収入(た だし、支払い利子を補てんする利子補給金については、 「医療事業の付随収入」欄の「その他 の付随収入」欄に計上してください。) 10 土地(建物又は構築物の所有を目的とする地上権及び賃借権を含みます。)及び有価証券の 譲渡損益等、益金又は損金に算入される有価証券の評価損益(「医療法人等に係る所得金額の 計算書」欄の「土地等及び有価証券の譲渡又は売却益(損)、有価証券の評価損益②」欄に計 上してください。 ) その他所得金額の計算に当たっての留意事項 《申告調整及び法人税の修正申告等による収入金額の修正事項の取扱い》 1 申告調整によるもの 法人税法施行規則別表4で加算又は減算した収入金額は、損益計算書の各科目ごとの計上 方法に従い、収入金額にそれぞれ加算又は減算します。 2 法人税の修正申告又は更正・決定によるもの 法人税の修正申告又は更正・決定による加算又は減算される収入金額についても、1に準 じて取扱います。 《貸倒損失の取扱い》 当該事業年度又は連結事業年度において損金経理をした貸倒損失については、収入金額から 減算しません。