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脳死についての意識調査(PDF版/308KB)
脳死についての意識調査 NPO法人ドットジェイピー 文責:野田知里 Promotion Group, dot-jp, the specified nonprofit corporation Copyright © 2008 Marketing Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation はじめに 2009年6月1日∼6月9日の約1週間、 全国の大学生※942名に対して、 脳死についての意識調査を実施いたしました。 ※大学生:院生、専門学生、短大生を含む (次ページ以下、大学生とは上記学生を含めるとする) 1 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 目次 調査概要 質問項目 調査対象について 調査内容 1:脳死や臓器移植について知っているか 2:臓器提供可能年齢の引き下げについて 3:臓器の提供について 2 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 調査概要 対象 全国の大学生 942名 期間 2009年6月1日∼6月9日 調査目的 脳死についての若者の意見を社会に届けるため 調査方法 弊団体スタッフの広報によるWEBアンケート、紙媒体の配布 調査内容 1:脳死や臓器移植について知っているか 2:臓器提供可能年齢の引き下げについて 3:臓器の提供について 3 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 質問項目 問1.「脳死」とはどういう状態か説明できますか? □ はい □ いいえ 問2.現行上、脳死下での臓器提供は「臓器提供意思表示カード(ドナーカード)」など 書面による御本人(15歳以上)の生前の意思表示と、家族の承諾の両方が必要ですが知っていますか? □ はい □ いいえ 問3.臓器移植法が改正されると、臓器移植の提供可能年齢が引き下げられることを知っていますか? □ はい □ いいえ 問4.臓器移植提供年齢が引き下げられることについては賛成ですか、反対ですか? □ 賛成 □ 反対 □ どちらでもない □ 分からない 問5.問4の回答の理由をお答えください。 ( ) 問6.もしあなたが脳死と判定された場合、他人に臓器を提供したいと思いますか? □ したいと思う □ どちらとも言えない □ したくない □ 分からない 問7.問6の回答の理由をお答えください。 ( ) 問8.「臓器提供意思表示カード(ドナーカード)」を知っていますか? □ はい □ いいえ 問9.あなたは「臓器提供意思表示カード(ドナーカード)」を持っていますか? □ 持っている □ 持っていないが持とうと思っている □ 持っていなく、今後も持とうとは思わない 4 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 調査対象について(性別・地域) ■性別 ■地域 性別 集計(人) 男 412 女 529 不明 1 総計 942 地域 北海道 東北 関東甲信越 東海・北陸 関西 中国・四国 九州 総計 集計(人) 175 112 158 68 200 9 220 942 5 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 調査対象について(学部・学年) <学部> ■学部・学年 学年 学部1年 学部2年 学部3年 学部4年以上 院生 不明 総計(人) 学部 文系 理系 73 14 263 80 305 90 81 24 7 4 1 0 730 212 総計(人) 87 343 395 105 11 1 942 <学年> 6 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 1:脳死や臓器移植について 知っているか 7 Copyright © 2008 Marketing Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 「脳死」とはどういう状態か説明できますか? 70%の人が脳死がどういう状態か説明できる、と回答した。文系・理系でも特に 回答結果に大きな違いはなく、多くの人が脳死について知っているようである。 「脳死」とはどういう状態か 説明できますか? はい 集計(人) 662 いいえ 280 総計 942 文系 理系 総計(人) はい 518 144 662 いいえ 212 68 280 総計 730 212 942 8 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 臓器提供のための条件を知っているか 74%の人が臓器提供のための条件を知っている、と回答した。 ここでも、若者の多くが脳死や臓器提供について知っていることがうかがえる。 また、文系・理系でも大きな違いは見られなかった。 臓器提供のために 書面による本人(15歳以上)の生前の意思表示と、 集計 (人) 家族の承諾の両方が必要なことを知っているか? はい いいえ 総計 698 244 942 文系 理系 総計(人) はい 546 152 698 いいえ 184 60 244 総計 730 212 942 9 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 2:臓器提供可能年齢の 引き下げについて 10 Copyright © 2008 Marketing Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 臓器提供可能年齢の引き下げについて 「脳死」や「臓器提供の条件」を知っているかを聞く質問では70%の人が知ってい ると回答したものの、臓器提供年齢の引き下げについて知っている、と回答した 人は41%にとどまった。脳死についての知識はあるものの、現在脳死についてど のようなことが問題とされているか、といったことについては知らない人が多いよ うである。 臓器移植法が改正されると、 臓器移植の提供可能年齢が 引き下げられることを 知っていますか? 集計(人) はい 382 いいえ 555 総計 937 11 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 臓器提供可能年齢の引き下げについての賛否 58%の人が臓器提供可能年齢の引き下げに「賛成」と回答した。若者は臓器提 供可能年齢の引き下げについて、抵抗の少ない人が多いようである。賛成と回答 した人の回答理由を見ると、「15歳以下でも判断が可能だから」、「海外では行わ れているから」、「臓器が足りていないから」などの回答が目立った。 臓器移植提供年齢が 引き下げられることについて 賛成ですか、反対ですか? 賛成 反対 どちらでもない 分からない 総計 集計 (人) 547 62 150 182 941 12 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 臓器提供可能年齢の引き下げについて賛成の理由 15歳という年齢に達していなくても臓器を提供するということを理解し、自ら判断をくだすことができると思うので 15歳以下の人でも臓器を必要としている人はいるはず。家族の了承が得られれば問題ないと思う その人が望んだならその人の意思を尊重すべき それで少しでも多くの人が救われるなら賛成。 たとえ年齢が若くても、しっかりとした意思表示が認められれば尊重されるべきだと思うから。 ドナーが足りないというのをよく聞くから 移植が必要な子供が日本で移植を受けれたらいいと想うから。 移植すれば救える可能性のある子供が増える制度になればいいと思うから。 移植に年齢は関係ないだろうしそれで一人でも多くの人が助かるならそちらのほうがいいから 医学的にはふさわしくないという意見もあると聞くが、何億円もの費用を集めて海外で移植しなければ生きる方法 がない子供達がいるという話も聞き、そのような人々の立場を考えると必要と思いました。 海外では当然に行われているから。 海外に行くのは金銭面でも生活面でも簡単なことではないから、国内で手術ができるといいと思います。 現に小さい子どもは臓器のサイズが大人と一致せずに見送ることが現実におこっている。臓器を提供したい、受け 取りたいと考える人々のほうが、圧倒的に多いはずだから。 若年層でも臓器移植を必要とする人はいるから 手術のためにわざわざ渡米したりする必要があるのはおかしい。 手術実施回数が増え、医師の実績も上がり、研究が進むから。 他国で移植を受ける子供たちは日本の子供だから(先進国の子供だから)お金があれば受けられるが発展途上国 の子供たちは移植という選択肢すらない。自国で解決出来ることは解決した方がいいと思うから ※原文のまま掲載 13 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 臓器提供可能年齢の引き下げについて反対の理由 15才以下の子供に死や脳死についての正確な理解や、臓器提供の意識が明確にあるとは思えないから 15歳以下の子どもの『本人の意思』というのは信頼できない(臓器提供の意味をよくわかっていないかもしれない) 15歳以上が現行上の規定だが、中学生以下の子供にその意思表示をさせることは残酷かなと思うから。 15歳未満の子が、そのような意思表示をすることは素晴しいとは思うけど、まだ判断が難しいと思う。 15歳未満の人たちが自分の臓器を提供するかしないか、きちんと考えて正しい判断ができるとは思えない。さま ざまな経験や多くの人との係わり合いのなかで、自分なりの考えを持ち判断すべきであり、その点においては15 歳未満だとまだまだ経験や係わるコミュニティーが狭すぎると思う。 悪用される可能性があるから 自分の意思がはっきりと決まってから提供すべきであると考えるから。年齢が低いと、適切な判断ができない可 能性がある。 助かる命は増えるかもしれないが、人の資源化に拍車がかかるのでもう少し慎重に考えるべきである 人身売買に近ずいて行っているとかんじているから 臓器移植自体いいのかどうか微妙なとこだと思っているから。 年齢が小さくなるほど体への負担が大きくなりそうだから 年齢が低いこの場合両親が移植しないような気がするため意味がないように思う 年齢が低くなるほど臓器が未発達であると思うので移植手術が成功しても後々問題が発生してしまう可能性が 高まってしまうと思うから。 判断が可能な年齢かどうか疑問だから 幼い年齢の子に臓器を提供させるのはたとえそれが本人の同意の上であっても可哀相に思うから。また14歳以 下になってくると本人の意思決定能力も未熟であると思うから。 ※原文のまま掲載 14 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 3:臓器の提供について 15 Copyright © 2008 Marketing Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 他人に臓器を提供したいと思うか 他人への臓器提供について、46%の人が「したいと思う」と回答し、「したくない」と 回答した人は15%に留まった。臓器移植に対して抵抗の少ない若者が多いよう である。「したいと思う」と回答した人の回答の理由を見ると「人の役に立てるか ら」、「脳死になれば『生きている』とは言えないから」、「どうせ燃やすなら役立て たい」などの意見が目立ち、脳死を人の死と考える若者が多いことがうかがえ た。 もしあなたが脳死と判定された場合、 集計 他人に臓器を提供したいと思いますか? (人) したいと思う したくない どちらとも言えない 分からない 総計 430 142 253 116 942 16 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 「提供したい」と思う理由 そのまま死んでいくより人の役に立てればそのほうがいいから。 それで助かる人がいるなら救いたいから どうせ燃えてなくなるのなら、臓器を必要としている人に提供した方が無駄にはならないと思うから。 死んだ後は体なんて必要がないから 自分が死んでも他の人の元で何かしらの臓器が生きていけるのが、自分がまだ存在しているような気にもなれる から。 自分が脳死になったら 生きている とは言えないので、自分の臓器が役に立つのなら使ってほしいから 自分が脳死になって生命維持に金がかかって親や子に負担をかけるよりも、親と子には辛いかもしれないが、他 の人が助かった方がいいと思うため。 自分の臓器で救える命があるのならぜひ救いたい。 自分の倫理感では脳死=死なので。臓器提供で助かる人がいるのなら救われます 自分自身に関しては脳死=死だと考えているから 植物状態になってまで生きていたいと思わないし、ドナーカードで提供の意思表示はしています。 人の生命活動には「心」「意識」がもっとも重要であり、脳が機能停止し、再会が望めなくなったら、たとえ体は生き ていてもそれは「自分」ではないから 生命維持装置を付けなければ生存出来ないし、その時に意識はもうないので、出来る限り生きれる可能性がある 人に命をたくしたいから 他の人で生き続けたいから 抵抗がないと言えば嘘になるが、自分の臓器で他人を救うことができるなら本望。 燃やしてしまう体なら、どこかで役に立ったほうが嬉しいから 脳死も死だと思うから 17 ※原文のまま掲載 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 「提供したくない」と思う理由 1パーセントでも可能性があるのであれば生きたいから。 こわい しんだと判断されたとはいえ、自分の体を傷つけられるのは嫌だから。 そのまま火葬されたい どこも切らずに、自分のものを全部持って死にたいと思う。 なるべく綺麗なまま葬儀で送り出されたいから。 家族が悲しむと思うから。 死を肯定するようだから 私の脳が死んだら、私の身体も一緒にこの世から葬り去りたいから。他人の一部になって生きるのが 嫌だから。 自分が死んだときの家族の心境に良くないだろうから 自分の臓器が自分が死んだあとも他人の体の中で動いていると考えると、少し気味が悪いからです。 自分の臓器は生涯自分だけのものでありたいから。 自分の体を解剖して、臓器を取られた状態より、何もない状態で葬儀をして欲しいから。 自分の命を諦めるみたいに思えて嫌だから。 親からもらった身体だから。 提供は素晴らしいことだと思うが、いざ自分がするとなると抵抗を感じてしまうため。 18 ※原文のまま掲載 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation 臓器提供意思表示カード 臓器提供意思表示カードを「持っている」と回答した人は全体の11%で、少数だっ た。94%と、ほとんどの若者が臓器提供意思表示カードについて知ってはいるも のの、実際に持っている、という人は少数のようである。「臓器提供をしたい」と考 える人に絞っても、実際に意思表示カードを持っているのは19%に留まった。 「臓器提供意思表示カード(ドナーカード)」 集計(人) を知っていますか? はい いいえ 総計 885 54 940 あなたは「臓器提供意思表示カード (ドナーカード)」を持っていますか? 集計(人) 持っている 持っていないが持とうと思っている 持っていなく、今後も持とうとは思わない 総計 102 411 429 942 19 Copyright © 2008 Promotion Group, dot-jp.the specified nonprofit corporation