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中高校生のつどい A.Mさん(小 1 男子のお母さん) 三ヶ尻 彩(茅ヶ崎
中高校生のつどい 3月23日(日)、小学生18人、中学生6人、高校生9人、兄弟姉妹8人、ご両親29人、スタッフ45人の計115名が 参加。豊島区立池袋小学校ことばの教室及び家庭科室にて開催。 棒棒鶏(バンバンジー)、水餃子をお昼に、 そしてティラミスをデザートに。ティラミスはイタリア語 Tirami su! は「私を引っ張りあげて」、また転じて「私を元気付け て」の意。 今回、メインリーダーを務めました。充実感と反省感を半々に感じています。つどいがうまく成立したのは、 私が引っ張ったというより、スタッフの皆さんがそれぞれの役割を全うして下さったおかげです。有難いと共に、あまりリ ーダーシップを発揮できず申し訳ない気分でした。 まず嬉しかったこと。今回も最後の一人一言の場において、「元気がもらえた」「安心した」という声が沢山出まし た。やはり、このつどいは役立ってるんだということを実感し、大変やり甲斐を感じて終えることが出来たと思います。 午後の話し合いは、高校生グループを担当しましたが、逆にこちらが教えられたといっても良いくらい、高校生が大 人びていたことが印象に残っています。「折り合いをつけつつある段階」と言えるでしょうか。自分が話のテーマとして 「吃音と友人関係」の話を振った際にも、「友達の多い少ないに吃音は関係無いと思う」という意見が多く出たこと、 「吃音のカミングアウト」のテーマと繋がって、「他者は吃音のことをそれほど気にしていないし、 吃音だから友達が できない訳じゃない」という話へと落ち着いてゆきました。そう。いつの間に先を越されていました。吃音と向き合うこ とが出来ていると思っていた自分の考え方にも、まだまだ未熟なところがあったのかと、これを契機に気付かされまし た。 何よりも、吃音に悩む一人一人、またそのご家族の方々の心の拠り所、自信の源となる「吃音のつどい」の運営 に携わることができ、とても良い機会でした。このつどいはスタッフだけでなく、参加者も含めた皆の心で成り立ってい るのだと思います。 (リーダー;中西智也、松崎圭祐、吉良日希、土屋初希) A.Mさん(小 1 男子のお母さん) 家族 3 人で参加させて頂きました。一年生の男の子の我が子は、話し初めの 2、3 歳頃からどもり始めま した。波があり、一喜一憂のこれまでの子育ての中で、心無い言葉を言われたりもし、それでも家族で今は 前向きに、且つ親である私達はそれを丸ごと受け入れることができるようになりました。 ここまで来るのに何年かかったことでしょう。親であれば、我が子の苦しそうな話し方を治してあげたい、 治って欲しい、そればかり思っていました。 だけど、答えは単純なものだったのです。どもっていようが、いまいが、可愛い我が子に何のかわりもな い!元気にいてくれるだけで、やっぱりとても幸せなことなのです。子供の気持ちに寄り添いながら、だか らと言って、親が先走り過ぎないように強く厳しく温かく見守っていきたいと今は強く思っています。 グループごとに分かれてリーダーの海老原さん山田さんをはじめ、たくさんの保護者の方々とお話しさ せていただき、共感する部分もたくさんあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。 我が子も、実際に吃音をもっている人達と会うのは初めてで、自分だけではないんだ、と帰路でも言って いました。親子揃ってまた行きたいねという気持ちも同じでした。 このようなつどいの場を作ってくださったスタッフの皆様、関係者の皆様のお力に心から感謝申し上げま す。美味しいお昼ごはんに、有意義な貴重な時間をありがとうございました。 三ヶ尻 彩(茅ヶ崎リハビリテーション専門学校 言語聴覚学科 1 年、スタッフ) 初めて吃音の方達とお話をさせていただきました。初対面にもかかわらず、参加者の皆さんは暖かく接 中高校生のつどい してくださりとても嬉しかったです。 お料理の時には、グループ全員で役割を分担して、おしゃべりをしながら作ることができました。お子さ ん達は 1 人ずつ話し方の特徴が違いましたが、お互い明るく笑顔でたくさんおしゃべりをしていたところが 印象的でした。 午後は 小学生グループ で小 3 の女の子とマンツーマンでお話をさせていただきました。私も初めてだ ったので、お話が続くかな…と不安だったのですが、質問したことにすぐ答えてくれて、しかも内容もすごく まとまっていて自分の意見や自分の状況をしっかり話してくれる姿を見て、こちらが圧倒されるようでした。 お話をしたお子さんも今回が初めてでしたが、またこのつどいに来たいと言っていて、今回私も初めての 参加でしたが、彼女のその言葉が嬉しかったです。 また小 6 のお姉さん達のしっかりとした意見も、本当に感動しました。年下の子達に自分の体験を語るこ と、対処法を教えることは貴重なことだと思いました。 ゲームも全員で賑やかに進み、なんでもバスケットでは『吃音バスケット』として、吃音に関することを オニになった人がお題を考えて言ってくれました。吃音はキライか?や、こんな時にどもるか?など、直球 のお題に少しドキドキしましたが、そういったことも言い合える場なのだなと思い、すごくいいな、と感動しま した。 今回参加させていただき、吃音についてしっかり勉強しよう!と思いました。吃音は 100 人 100 通りであ ることを今回の体験をもって知ることができ、今後自分の大切な貴重な経験となると思いました! み な も 関根 瑞桃(茅ヶ崎リハビリテーション専門学校 言語聴覚学科 2 年、スタッフ) 当初は、このような大きなグループに、初めてとはいえスタッフとして参加させていただくことに少し緊張し ていました。ですが、当日は気さくなスタッフの方々や参加者の皆さんとたくさんお話しすることで、大変楽 しい時間を過ごさせていただきました。 午前中はグループでお料理教室でバンバンジーとスープ餃子を作りました。参加者の男の子達が積極 的に野菜や鶏肉を切ったり、餃子の具を包んだりする様子を見て、私も進んで参加しなくてはと思いまし た。 午後は小学生グループの男の子(小2)と 1 対 1 でお話しさせて頂きました。こちらのしどろもどろした質問 にも彼は答えてくれました。 また、お話の後は小学生グループの男の子達とスタッフの方達とハンカチ落としや 吃音神経衰弱 をし ました。吃音神経衰弱ではスタッフの先崎さんの体験談や参加者の男の子達が自分の吃音について落ち 着いて話す様子を見て、吃音を抱える人達には本当に色々な方がいること、私には吃音とそれを抱える人 達についてまだまだ知らないことがたくさんあるということを実感しました。私は今年から成人の領域に関わ る言語聴覚士として社会に出ますが、吃音とそれを抱える方達を取り巻く環境について常に関心を持とうと 思いました。 高校生グループ NPO 法人大阪スタタリングプロジェクト機関紙「新生」2014 年 2 月号を読み、話し合いました。 竹内 稜太(高3) 勉強会では、「どもって声が出ない時の対処法」について参加者同士で意見交換をしました。対処 法の中でも、「言い換え」や「挿入」は皆さんも頻繁に使っているようで、各自がよく使う言葉を知ることがで きました。しかし、こうした「言い換え」や「挿入」を多用すると、細かいニュアンスの違いが生じて、自分の本 当に言いたかったことを相手に伝えることが出来なくなってしまいます。それはとても悲しく、また現実的に 中高校生のつどい 不便なことでもあります。あくまでも僕の考えなのですが、何も話すことに拘らずとも、言えない言葉は紙に 書いてみるなり、他の手段で意思を伝えてみてもいいのではないかとも思います。 私事ですが、この春から大学に入学し、不特定多数の人と話す機会が増えました。うまく話せないと、周 りの人から不思議そうな反応をされてしまいますが、そうした時は「そういう病気なんだー」となるべく笑顔で 答えるようにしています。吃音のことをつつかれるのは辛いと感じることもありますが、なるべく明るく振る舞 うことで、その後の人間関係を円滑にすることが出来るのではないかと感じています。 宇都宮 裕莉(高3) 私の対処法は紙面にもありますが深呼吸です。私が吃音なのを知っている人の前では特にそうしていま す。発表など言うことが決まっていることを新たまって言う時がどもりやすく、「絶対こう言わなきゃいけない」 と緊張して体に力が入ってしまうので頻繁に力を抜くのも大切だと思いました。 また吃音があっても無くても人間関係は大切にしたいので、初めて話す人には出来るだけ吃音のことを 話すようにしています。その方が私も気楽にどもりながら話せるし、相手の第一印象も変わると思います。 相手が吃音を知らなくて、必要以上に心配されたり、緊張してるのかと思ったとよく言われるので、意外とカ ミングアウトしたら理解してくれる人は私の周りは多いです。それに大学生にもなると吃音の友達がいるよと 言う人もいるので親近感を持てます。 会話をせず黙っていれば吃音も知られないけれど理解もされません。深呼吸してどもらないようにする のも良いですが、それ以上にカミングアウトして解ってくれる人とはどもりながら話すことによって次第に理 解してもらえばいいので、それも大切だと思います。 松木 佳奈子(高 3) 読んで振り返ってみると、日常生活で無意識にしている行動から自分が「どもること」とよく向き合ってい ることがよく分かります。言葉が出ない時の対処法として、私がやっているのは「ゆっくり話す(間を上手く空 ける)」「ジェスチャーを使う」ことです。文章にも出てきた通り、これらの行動は非常に便利だと思います。焦 って早口になると余計つっかえてしまうし、言葉だけで伝えようとしてもなかなか伝わらないことがあります。 心掛けることによって、私は話すのがだいぶ楽になりました。どもっても気にしないという考え方、吃音が出 ないような対処法など様々な主張が出ていますが、どれも間違っているとは思いません。何気なく過ごして いる日常生活の中でこんなに多く吃音と向き合う機会があるのだと改めて実感し、自分の生活にも役立て たいと思うことを発見できたいい文章でした。 私が初めてつどいに参加したのは 2 年前の 3 月、料理室の時でした。自分以外の吃音者と話すことが 初めてで緊張していた私に、たくさんの人が積極的に、元気に話しかけてくれたのは驚きで、同時にとても 嬉しかったです。 つどいは、人と人のつながりを本当に大切にしている会だと思います。住んでいる所も性格も趣味もバラ バラな人達が集まって、周りの人には伝えられない気持ちや悩みを共有し合う、とても良い場所です。普 段人に言えない、うまく伝えられない思いを、つどいの人達は理解し、受け入れてくれます。 初めてお話する方とも、リラックスして会話ができる場所です。吃音が無くなって欲しいという気持ちはい つまでも消えませんが、つどいで出来た友達は本当に貴重です。 私は次回からスタッフとしてつどいに関わらせていただきますが、「人とのつながり」というものを大事にし て、つどいが皆さんの心の拠り所になれるようお手伝いしていきます。ありがとうございました。 中高校生のつどい 新聞の紹介・後記 今年1月末、朝日新聞に、「伝えられぬ苦しみ「吃音」就職4ヶ月、命絶った34歳」との記事が掲載され ました。それを受けての記事(朝日3月10日付、つどいHP等掲載許可受諾済)です。 どもることに対し、そして周りに対して、恨みを募らせるばかり…だと、なかなかことは進みません。身近 にすぐできることは、身の回りの人たちに、むしろ自身のどもることを出して、可能な理解をしていただくこと。 中高校生のつどい 自身のどもることを、申し訳ないもの…のように出すでのはない。そうしたら、周りの人も下を向いて聞いて しまう。逆に不幸だ…というような怒り…の気持ちを込めて出すと、それも反発を生む。たいへんなのは、吃 音だけではないぞ…などのように。 ふつうに、ありのままに出せれば一番いいのですが。 ところで、どもって声が出ない時の究極の対処法は、すばり、どもること、しっかりとどもることです。どもる …という一見自分にとって弱みのようなものを、ちゃんと見せる(られる)…ということ。憐みや同情と共に見 てもらいたいものでは決してない。話すことにいくらか時間がかかる…が、良き友でありまた良き企業人で ありたいと考えている。ちょっと時間がかかる時もある…というだけ。付き合う中、慣れてくる、問題にはなら なくなるだろうとも、感じてもらう。 初めは怖くとも、前向きにこころ開いて、人間関係をこつこつと継続していく(仕事などではどうしても付き 合う相手は容易に変えられません)中、相手の見る目も、時間と共に変わっていく。どもる症状から、話す 中身そのものに重点が移っていく。これは実際、やってみないと分かりません。思い切って。だまされたと 思ってで良いので、やってみる。 効率一辺倒の時代にこそ、逆に自分の弱み(最大のチャーミングポイント)を胸張って見せられるという こと。静かな共感も生まれ、最も有効です。 (代表 佐藤隆治)