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社会貢献と国際貢献 - 横浜国立大学大学院工学研究院

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社会貢献と国際貢献 - 横浜国立大学大学院工学研究院
社会貢献と国際貢献
大学間包括協定による教育研究の推進
● 光応答分子材料分野等における
3 大学アライアンス
奈良先端科学技術大学院大学・青山学院大学・横浜国立
大学の 3 大学は、2011 年 3 月 1 日をもって「光応答分子材
料分野等における相互協力に関する包括協定」を締結し、こ
の分野における教育と研究に関して包括的に連携協力して
ゆくこととした。
本包括協定を締結するにあたり、2010 年に、奈良先端
大では河合壯教授を主査とする奈良県主導の研究支援事業
が活動を開始し、青山学院大では阿部二朗教授がチーフと
なって研究コンソーシアムが立ち上がり、本学では横山泰
のプロジェクトを基盤として日本国内でこれまでに例がな
い大学のみの包括協定を締結し、密に連携してこの分野の
教育研究を推進するとともに、やがては国際共同研究を行
う日本国内の研究組織として活動する予定である。この国
際共同研究には、フランス・ロシア・中国・ドイツが参加
する予定であり、順調にゆけば 2012 年から活動を開始する
予定である。
教授を代表とするグループが「新機能を指向する光応答性
この協定発効を記念するセミナーを 2011 年 3 月 25 日に
材料の創製と機能解析」という学内重点化競争的経費の配
予定していたが、東日本大震災のためにしばらく延期し、年
分を受け、また同名の工学研究院第 3 期グループ研究のグ
度が替わって少し情勢が落ち着いた 7 月 28 日に 3 大学共同
ループが 2011 年度に立ち上がることとなった。この 3 大学
セミナーを開催した。
産学包括協定による教育研究の推進
● 高信頼性鋳物イノベーション寄附講座
(日之出水道機器株式会社)の設置
平成 23 年 3 月 1 日から 3 年間の予定で、日之出水道機器
株式会社の寄附により、工学府システム統合工学専攻の材
料設計工学コースに表記の寄附講座が設置されました。現
在、生産工学科棟 227 室を中心に、この講座に迎えられた
篠原客員教授および宮田客員准教授が中心となり、ここに
朝倉本学名誉教授が加わり、鋳鉄を中心にして、その耐食性
の改善のみならず、構造材料としての高強度化や高靭性化
16
寄附講座研究室の一コマ
社会貢献と国際貢献
を飛躍的に向上させるための基礎研究を進めています。ま
た講座では現在2名の博士課程の学生を受け入れ、学内の
教員とも連携しながら、電気化学的並びに金属組織学的な
視点から研究・教育を行っています。また、平成 23 年 3 月
には「材料の高信頼性とそれ
を取り巻く問題点」と題して
設置記念シンポジウムが開催
されました。
研究対象の一つである球状黒鉛鋳鉄
講座を寄附した日之出水道機器(株)
工学研究院の教員が主たる提案者である包括連携協定機関
締結先機関名
締結日
石川島播磨重工業(株)
2004.4. 1
2011 年 3 月現在
締結先機関名
(独)海上技術安全研究所
締結日
2007.1.26
(独)情報通信研究機構
2004.4. 1
横浜市
2007.3.14
(株)小松製作所
2004.9. 1
高圧ガス保安協会
2007.10.18
日本発条(株)
2004.9. 1
(株)国際電気通信基礎技術研究所
2008.3.4
(株)日立製作所
2005.6.13
(社)海洋産業研究会
2008.5.15
日産自動車(株)
2006.2.14
(独)海洋研究開発機構
2010.1.27
公立大学法人横浜市立大学
2006.3. 1
(独)港湾空港技術研究所
奈良先端科学技術大学・青山学院大学
2011.3.1
2006.7. 1
地域実践教育研究センターを拠点とした
地域実践教育・研究の充実
2010 年度は、1)新たな装いとなった副専攻プログラム
(学部対象)による修了者の増加、2)センター発行の情報媒
体の充実、3)大学院レベルの副専攻プログラムの検討、の
3 点が地域実践教育研究センターの主な話題です。
まず、副専攻プログラム(地域実践)の充実により修了生
が 28 名に増加するとともに、教育人間科学部の修了生が
10 名出るなど、全学部にまんべんなく修了者が出るように
なりました。修了生の声はセンターホームページ(http://
www.chiki-ct.ynu.ac.jp/)に掲載していますので、工
学系の観点からもこうした学習成果の意義につきご理解い
ただければ幸いです。
次に、センターが発行する情報媒体については、統一的デ
ザインによる質的レベルアップや、先ほども触れたホーム
ページのコンテンツの充実等を図りました。紙媒体のもの
地域実践教育研究センター関連の教員等の多くが 2011 年
としては、①センターニュース、②地域交流科目履修案内、
度に新大学院に移籍することが決まりました。新大学院に
③成果報告書、④事業報告書の 4 点で、特に年度ごとに発行
おける「スタジオ教育」にもセンターが参画することを想定
する②③④については、
「わかりやすさ」を重視して情報量
して、概算要求には地域実践教育研究センターも名を連ね
の削減と精選、デザインの統一を図るとともに、表紙も一
ています。2011 年度には国際社会科学研究科の改組も検討
目でセンターのものであることが認識できる工夫をしてい
されるため、大学院レベルの副専攻プログラムもこうした
ます(写真)
。
動きの中で適切なポジショニングを行い、また、学部レベ
大学院レベルの副専攻プログラムについて検討をはじめ
ルの副専攻プログラムを修得した学生が引き続き大学院で
たのも 2010 年度のトピックです。2010 年度は都市イノ
活動を行う場合の受け皿になることも想定したシステムづ
ベーション学府・研究院の新設が並行してなされており、
くりを 2011 年度に行う予定です。
17
社会貢献と国際貢献
公開講座の開催
工学研究院では、2010 年度、市民の方、高校生、行政担当者、社会人技術者、専門家等を対象とした公開講座を開催しました。
工学研究院の教員が講師を担当した公開講座は以下のとおりです。
講座名
開催日
対象
定員
都市交通研究成果報告会
−平成 21 年度交通と都市研究分野学生研究成果の報告−
5 月 1 日(土)
高校生・大学生・大学院生・技術者の方・
市民一般
100
都市交通計画最前線
−調査技術の課題と内外事例の動向−
5 月 22 日(土)
高校生・大学生・大学院生・技術者の方・
市民一般
100
第4回海洋空間のシステムデザインカップ
−ひれ推進コンテスト−
7 月 19 日(月・祝)
8 月 28 日(土)
( 一般の方も聴講・見学可 )
実践機器分析基礎講座
−よりよい分析のために−
8 月 27 日(金)
一般の方・技術者
24
材料の劣化とその対策
−講義・実習を通して学ぶ−
9 月 6 日(月)∼ 10 日(金)
一般の方・技術者
100
セラミックス材料の開発と利用のための基礎と実際
9 月 16 日(木)∼ 17 日(金)
一般の方・技術者
30
技術者のための機器分析入門
−走査型顕微鏡・X線マイクロアナライザー・X線回折−
9 月 27 日(月)∼ 28 日(火)
一般の方・技術者
30
持続可能な水道システムの確立
−基礎から実務まで−
9 月 29 日(水)∼ 10 月 1 日(金)
大学生・大学院生・技術者の方・水道関係の方・
市民一般
10 月 6 日(水)∼ 8 日(金)
11 月 11 日(木)∼ 12 日(金)
12 月 8 日(水)∼ 10 日(金)
一般の方・技術者
20
エンジニアのための実験講座①
−腐食防食の評価・計測技術−
1 月 20 日(木)∼ 21 日(金)
一般の方・技術者
20
エンジニアのための実験講座②
−ステンレス鋼の腐食防食基礎とその対策技術−
2 月 17 日(木)∼ 18 日(金)
一般の方・技術者
20
センサの原理と利用法
−実験実習を通して学ぶ−
高校生
40
100
高等学校を対象とした取り組み
● 2010 年度オープンキャンパス
2010 年度は学部改組の計画もあったことから、8 月 6 日
(金)∼ 7 日 ( 土 ) と 11 月 23 日(祝)にオープンキャンパス
を開催しました。来場者数は 8 月のオープンキャンパスには
2 日間で約 15,500 名、工学部関連行事への来場者数は昨年
を上回る約 5,100 名でした。また、11 月のオープンキャン
パスでも工学部関連行事に約 700 名の来場者がありました。
オープンキャンパスは入試広報の一環として、本学への
入学を目指す受験生とその保護者に、家族ぐるみでキャン
パスに来訪していただき、直接キャンパスをご覧いただい
ています。また模擬講義への参加、図書館等の施設見学・説
明を受ける等、キャンパスライフを体験していただくこと
18
模擬講義の様子
を目的に開催しています。
介・入試説明・模擬講義・研究室見学・関連施設見学ツアー・
工学部では、各学科やコースに分かれて、それぞれ学科紹
個別相談会等が開催されました。
学科
EP
機械工学・材料系学科
化学・生命系学科
建築 EP
都市基盤 EP
建築都市・環境系学科
海洋空間のシステムデザイン EP
地球生態学 EP
講師
夢を実現するバーチャルデザイン技術
眞田 一志
プラスチックと環境問題
上ノ山 周
環境と建築
松本 由香
土石流を防ぐ
谷 和夫
橋のかたちと歴史
勝地 弘
事故と工学
和田 大志
海洋工学の可能性
村井 基彦
進化する地球惑星システム
石川 正弘
環境問題に貢献する科学としての生態学
酒井 暁子
理性の芸術、それは数学
根上 生也
流れの解明、それも数学
白崎 実
物理工学 EP
レーザー誕生 50 年―先端フォトニクスが切り拓く新しいサイエンス:
光で診る,冷やす,制御する―
武田 淳
電子情報システム EP
ナノテクノロジーのインパクト
荻野 俊郎
情報工学 EP
知能情報処理への招待
長尾 智晴
EP
テーマ
講師
夢を実現するバーチャルデザイン技術
眞田 一志
化学が拓く持続可能社会
渡邉 昌俊
数理科学 EP
数物・電子情報系学科
テーマ
社会貢献と国際貢献
●模擬講義のテーマ(8 月)
●模擬講義のテーマ(11 月)
学科
機械工学・材料系学科
化学・生命系学科
建築都市・環境系学科
建築 EP
建築と環境
松本 由香
都市基盤 EP
都市基盤技術による環境破壊問題の解決
細田 暁
海洋空間のシステムデザイン EP
地球生態学 EP
数理科学 EP
数物・電子情報系学科
海洋工学の可能性
村井 基彦
地球温暖化とマングローブの森
持田 幸良
地球の海と沿岸環境のモニタリング
菊池 知彦
つながりの数理小景
今野 紀雄
見ることと数理
後藤 敏行
田中 正俊
物理工学 EP
原子の世界をのぞいてみよう!
電子情報システム EP
ナノテクノロジーのインパクト
荻野 俊郎
情報工学 EP
知能情報処理への招待
長尾 智晴
高校への出張説明会・模擬講義
2010 年度に本学で実施された高校へ出張する形式の大学説明会 ( 含改編説明会 )・模擬講義は 30 件あり、そのうち、次の神
奈川県内の高等学校において、工学研究院の教員が高校生及びその保護者を対象に、大学説明会(含改編説明会)
、模擬講義を
行いました。
高等学校名
実施日
参加者の種類
横浜市立サイエンスフロンティア高等学校
6月4日
2 年生
参加者数
49
県立柏陽高等学校
6 月 11 日
1 年生
116
鎌倉学園高等学校
7 月 14 日
2 年生
42
県立座間高等学校
8 月 31 日
3 年生
30
70
県立厚木高等学校
8 月 31 日
3 年生
聖光学院
9月8日
3 年生
28
県立柏陽高等学校
10 月 13 日
3 年生
50
桐光学園
11 月 8 日
3 年生
100
県立小田原高等学校
11 月 10 日
3 年生
60
県立光陵高等学校
12 月 3 日
1 年生
19
また、高等学校から本学への来訪は 18 件あり、そのうち工学研究院の教員が対応したものは次のとおりです。
高等学校名
実施日
来訪者の種類
秋田県立大館国際情報学院高等学校
6 月 17 日
教諭
参加者数
県立横須賀高等学校
6 月 25 日
3 年生
61
2
県立松陽高等学校
10 月 8 日
1 年生
30
静岡市立高等学校
10 月 13 日
3 年生保護者
20
県立横浜平沼高等学校
10 月 14 日
1 年生
20
新潟県立高田高等学校
10 月 15 日
2 年生
県立光陵高等学校
12 月 10 日
1 ∼ 2 年生
6
30
19
社会貢献と国際貢献
早期工学人材育成事業
「理科離れ」、
「工学離れ」、
「技術者離れ」等の課題への対応として、企業と学校などが連携して , 中高生を対象に、産業技術の
社会的価値の重要性や技術者・研究者の職業としての魅力等を示す育成プログラムを開発・実施しています。この育成プログ
ラムでは「地域コーディネーター」を活用し、学校と地域が連携した授業づくりを支援しています。2010 年度の実施テーマと
開催高校は次のとおりです。
(1)空飛ぶ力の源―ジェットエンジンとロケットエンジンの仕組みとその開発現場―
本井久之氏・IHI +檜佐彰一氏・日本機械学会+白石俊彦准教授
県立鎌倉高等学校 8 月 4 日 講義+工場見学/北杜市立甲陵高等学校 9 月 11 日 講義
(2)ロボット―ロボットが動く仕組みとロボットを動かす仕事の面白さ―
香月理絵氏・東芝+森下 信教授
県立光陵高等学校 7 月 15 日 講義/県立西湘高等学校 9 月 29 日 講義
(3)モノが壊れる仕組み―ノートパソコン、携帯電話が壊れないための工夫―
大森隆広氏・東芝+森下 信教授
県立柏陽高等学校 6 月 11 日 講義/北杜市立甲陵高等学校 7 月 21 日 講義
(4)携帯電話を覗いてみると
花宮俊彦氏・小峰無線電機+森下 信教授
県立鎌倉高等学校 7 月 14 日 講義+実験/県立横須賀高等学校 7 月 30 日 講義+実験/
県立柏陽高等学校 11 月 5 日 講義+実験
(5)知っているようで知らなかったガラスの話
土屋博之氏・旭硝子+森下 信教授
県立西湘高等学校 10 月 8 日 講義/県立光陵高等学校 12 月 15 日 講義
(6)薬が効くしくみ∼新薬創出の面白さと難しさ∼
山元崇氏・味の素製薬+竹林絜矩氏・日本化学会+浅見真年教授
横浜市立桜丘高等学校 6 月 25 日 講義/県立小田原高等学校 6 月 30 日 講義/県立厚木高等学校 7 月 20 日 講義
(7)どうやって鉄は作るのか−環境負荷低減に挑む鉄鋼プロセス−
藤林晃夫氏・日本鉄鋼協会+細谷佳弘氏・JFE スチール+梅澤修教授
県立西湘高等学校 8 月 23 日 講義+工場見学
(8)ものの強さの秘密∼原子レベルの目ではがね ( 鋼 ) の強さの起源に迫る∼
齋藤勇人氏・JFE スチール+船川義正氏・JFE スチール+細谷佳弘氏・JFE スチール+梅澤修教授
私立聖光学院高等学校 9 月 7 日 講義/県立座間高等学校 11 月 5 日 講義+工場見学
(9)船の省エネに流体力学で挑む!∼航走 ( はし ) る船、跡を乱さず∼
井上智文氏・IHI マリンユナイテッド+五十嵐清幸氏・日本船舶海洋工学会+村井基彦准教授
私立聖光学院高等学校 9 月 10 日 講義/県立横浜緑ヶ丘高等学校 9 月 22 日 講義
(10)仮想空間で船を操る−操船シミュレーターは如何にして構築されるのか−
三好晋太郎氏・三井造船昭島研究所+上入佐光氏・三井造船昭島研究所+村井基彦准教授
県立厚木高等学校 10 月 1 日 講義+見学
(11)コンクリートでつくる、コンクリートをつくる
柳井修司氏・鹿島建設+谷 和夫教授
県立座間高等学校 6 月 18 日 講義+実験/私立聖光学院高等学校 9 月 10 日 講義+実験
(12)スーパーコンピュータから電子ペーパーまで−暮らしを支える最先端の IT −
佐々木博氏・富士通+森下 信教授
私立聖光学院高等学校 9 月 17 日 講義/横浜市立桜丘高等学校 12 月 14 日 講義
(13)地球に優しいクリーンエネルギー∼太陽電池の今とこれから∼
保戸塚梢氏・IHI +森下 信教授
横浜市立桜丘高等学校 12 月 15 日 講義+実験
20
工学研究院では、2010 年度にマレーシアマラッカ技術大学(マレーシア)、パラナ・カトリカ大学(ブラジル)と大学間交流
協定を新たに締結しました。
社会貢献と国際貢献
大学間交流協定の締結
マレーシアマラッカ技術大学 (マレーシア Universiti Teknikal MalasiaMelaka)
2010 年 12 月 6 日マレーシアマラッカ技術大学(UTeM:
Universiti Teknikal MalasiaMelaka, http://www.utem.
edu.my/)と横浜国立大学との大学間協定書の調印式が横
浜にて行われた。写真に示す通り、Hassan 副学長(学長は
王族のため、副学長が実質の学長)ら 6 名が来日された(写
真 1)
。UTeM は 2000 年に設立のマレーシア 14 番目の国立
大学で、マラッカ市に位置し、学生約 8,000 人の工科大学
である。大学の歴史が浅いため、博士号を有しない教員が国
写真 1:調印式の様子
(前列左から Hussain Deputy Vice
Chancellor( 国 際 担 当 )、Hassan
Vice Chancellor、鈴木学長、石原
工学研究院長。後列は関係者)
大工学研究院で博士課程後期に在学し(現在は 4 名)
、協力
関係を深めている。地元新聞では大きく取り上げられ、交
流の成果に期待が寄せられている(写真 2)。河村(電電ネッ
写真 2:地元新聞での報道
(2010 年 12 月 28 日付け)
ト)は UTeM の External Examiner として 3 回ほど現地を
訪れている。 パラナ・カトリカ大学 (ブラジル Pontificia Universidade Catholic Parana)
パ ラ ナ・ カ ト リ カ 大 学 は、Pontificia Universidade
Catholic Parana という正式名称のキリスト教系の大規模
な私立大学で、ブラジル連邦パラナ州州都クリチバ市に位
置しています。
クリチバ市は 1992 年に地球環境サミット以来、環境首
都として知られる都市で、先進的な都市政策の実施で世界
に名をあげています。開発途上国特有の貧困層の都市流入
問題、環境問題、福祉問題および交通問題などに次々と斬
新な取り組みを実践し、持続可能な都市として世界的に注
パラナ・カトリカ大学の本部管理棟
目を浴びています。貧困地域でのゴミの分別買い取りプロ
ジェクトやバスを徹底的に活用した都市交通ネットワーク
などが有名です。このような政策推進を担う人材を輩出し
ている大学がパラナ・カトリカ大学です。パラナ・カトリ
カ大学では 2010 年から学際的で、かつ南米各国を中心に海
外からの留学生を受け入れる、大学院レベルの都市マネジ
メント専攻がスタートしました。
この新しい動きを前提に、本学の都市イノベーション研
究院・学府設置準備委員会が中心となって、都市政策の分
協定書にサインするパラナ・カトリカ大学副学長
野をメインにしながらも、関連する学際領域としての工学、
経済学、経営学、教育人間科学、環境情報学、国際社会学な
どの分野にまで連携を広げることを視野に、2010 年 12 月
に大学間交流協定を締結しました。パラナ・カトリカ大学
は、これまで倉敷芸術科学大学及びその姉妹校と芸術分野
および看護分野での交流が約 20 年以上続いている他は、日
本の大学との連携はなく、本学が先進的都市モデルたるク
リチバ市の中心的な大学と連携体制を確立できたことは、
本学の国際性や先進性、実践性の点でも大きなアドバン
テージになると確信しています。
21
社会貢献と国際貢献
●工学研究院の教員が中心になって締結した大学間交流協定
1982.10.29 ∼
●工学研究院の教員が中心になって締結した部局間交流協定
上海交通大学
(中華人民共和国)
釜慶大学工科大学
(大韓民国)
1995.9.14 ∼ 2005.9.14
サンパウロ大学
(ブラジル連邦共和国) 1983.11.28 ∼
キングモンクート工科大学トンブリ工学部
(タイ王国)
1995.11.14 ∼ 2005.11.14
パリ・中央工科大学
(フランス共和国)
1985.4.30 ∼
モナシュ大学工学部
(オーストリア)
1996.12.16 ∼ 2006.12.16
アーヘン工科大学
(ドイツ連邦共和国)
1986.6.9 ∼
モナシュ大学理学部
(オーストリア)
1996.6.19 ∼ 2006.6.19
イリノイ大学アーバナ・シャンペイン校 (アメリカ合衆国)
1995.8.14 ∼ 2011.8.14
ソウル市大学校工科大学
(大韓民国)
1996.6.26 ∼ 2006.6.26
デルフト工科大学
(オランダ王国)
1996.7.4 ∼ 2011.7.3
国立釜山大学校工科大学
(大韓民国)
2006.7.17
ソウル市立大学校
(大韓民国)
1998.12.11 ∼ 2013.12.10
プリンスオブソンクラ大学工学部
(タイ王国)
1999.1.27 ∼ 2009.1.27
オストラバ工科大学
(チェコ共和国)
2003.2.13 ∼ 2013.2.13
ソウル国立大学校工科大学
(大韓民国)
1999.3.27 ∼ 2009.3.27
インド工科大学カンプール校
(インド)
2004.1.6 ∼ 2009.1.5
タマサート大学国際工学部
(タイ王国)
1999.4.20 ∼ 2004.4.20
嶺南大学校
(大韓民国)
2005.1.18 ∼ 2015.1.18
クロード・ベルナール・リヨン第1大学
(フランス共和国) 2001.1.15 ∼ 2006.1.15
モントリオール工科大学
(カナダ)
2005.3.1 ∼ 2010.2.28
清華大学化学工程系
(中華人民共和国) 2001.8.1 ∼ 2011.7.31
天津大学
(中華人民共和国)
2005.8.16 ∼ 2010.8.15
清華大学機械工程学院
(中華人民共和国) 2001.8.31 ∼ 2006.8.31
延世大学校
(大韓民国)
2006.10.17 ∼ 2011.10.16
清華大学信息科学与技術学院電機工程与応用
(中華人民共和国) 2001.9.17 ∼ 2006.9.17
電子技術系応用超導研究中心
サザンプトン大学
(連合王国)
2006.11.9 ∼ 2011.11.8
国立高雄大学
(台湾)
2006.4.20 ∼ 2011.4.19
釜慶大学校
(大韓民国)
2007.5.2 ∼ 2012.5.1
大連理工大学
オウル大学
(中華人民共和国)
(フィンランド)
2009.2.10 ∼ 2014.2.9
2009.3.23 ∼ 2014.3.22
イスタンブール工科大学
(トルコ)
2010.3.11 ∼ 2015.3.10
ホーチミン市工科大学
(ベトナム)
2010.3.22 ∼ 2015.3.21
マレーシアマラッカ技術大学
(マレーシア)
2010.12.6 ∼
パラナ・カトリカ大学
(ブラジル)
2010.12.15 ∼
清華大学環境科学与工程系
(中華人民共和国) 2003.3.17 ∼ 2013.3.17
ダッカ大学理学部
(バングラディシュ) 2005.3.16 ∼ 2010.3.16
国立台湾大学工学院
(台湾)
2006.12.8 ∼ 2011.12.8
グラーツ工科大学
(オーストリア)
2007.12.10 ∼ 2010.12.9
国立モンゴル大学化学部
(モンゴル)
2007.12.12 ∼ 2012.12.11
国立交通大学理学院
(台湾)
2008.1.14 ∼ 2013.1.13
南洋理工大学理学院
(シンガポール)
2008.3.25 ∼ 2013.3.24
昌原大学校大学院
(大韓民国)
2008.4.22 ∼ 2013.4.21
工学研究院の教員が 2010 年度に代表者として取得した社会貢献等に関する補助金等
この表は 2010 年度の社会貢献等に関する補助金等の一部を紹介したものです。
委託者
研究題目
研究代表者
厚木市
コミュニティ交通需要予測アンケート作成委託
岡村 敏之
500,850
綾瀬市
平成 22 年度(仮称)綾瀬インターチェンジの設置に伴う生活道路進入防止策の研究
中村 文彦
630,000
2,640,000
東京大学
フォトニクス・エレクトロニクス融合システム基盤技術開発
馬場 俊彦
名古屋大学
アジア型低炭素都市交通戦略の実現可能性氷塊に関する研究
中村 文彦
横浜市立大学
都心臨海部・インナーハーバー整備構想に係る調査・研究(大学まちづくりコンソーシアム) 北山 恒
経済産業省 関東経済産業局
(財)関西文化学術研究都市推進
機構
神奈川県産業技術センター
(独)科学技術振興機構
セキュアネットワーク&サーバーの開発
4,641,000
3,300,000
石原 修
6,105,000
河野 隆二
1,031,000
リチウムイオン二次電池用材料の評価解析 −試作セルの機能性評価−
渡邉 正義
1,000,000
波浪予測・警報機能付小型船舶用レーダ技術の開発
平山 次清
3,680,000
磁気ナノ微粒子を利用したベクターフリー iPS 細胞の創生
一柳 優子
1,300,000
含水多孔質体を用いた瞬間過熱水蒸気生成器の高性能化
奥山 邦人
1,300,000
低融点ガラスを添加した Mn-Co-Ni 系スピネル単一相酸化物未焼結体からなるサーミス
タ素子の試作
横山 隆
1,300,000
1,950,000
トモグラフィーを用いたマイクロ流れ 3 次元計測技術の開発
西野 耕一
(独)建築研究所
構造物の耐震性能を高機能化する次世代パッシブトリガーダンパーの開発
中尾 方人
1,105,000
(独)国立環境研究所
平成 22 年度自動車排出ガスに起因する環境ナノ粒子の生体影響調査委託業務
榊原 和久
1,000,000
6,003,000
(独)新エネルギー・産業技術総
合開発機構
(独)日本学術振興会
22
【平成 22 年度早期工学人材育成事業(地域コーディネーター事業】
産学連携による神奈川県内高等学校生徒に対する早期工学人材育成プログラム開発事業
H 22 受入金額
鉄鋼材料の革新的高強度・高機能化基盤研究開発
梅澤 修
次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発 次世代技術開発 リチウムイオン液体を
用いた安全性と高機能を兼ね備える蓄電システム構築
渡邉 正義
19,255,000
固体高分子形燃料電池実用化戦略的技術開発事業 / 要素技術開発 / 酸化物系非貴金属触媒
の研究開発
太田健一郎
86,288,000
固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発 / 次世代技術開発 / 広い範囲で無加湿運転が可
能な固体高分子形燃料電池の電解質および電極設計
渡邉 正義
11,981,000
グリーン・サスティナブルケミカルプロセス基盤技術開発 / 触媒を用いる革新的ナフサ
分解プロセス基盤技術開発 / 高性能ゼオライト触媒を用いる革新的ナフサ分解プロセス
の開発
窪田 好浩
15,001,000
1,430,000
無線通信多次元空間のためのネットワークコーディング
小野 文枝
交通 IC カードの乗車記録を用いた都市公共交通の計画手法とマーケティング手法の開発
岡村 敏之
1,300,000
路面の凹凸のない視覚障害者用横断歩道誘導帯に関する発展的研究 −改良と応用−
太田 篤史
1,040,000
長期の高温履歴を受ける地盤の変形を計測し予測する技術
谷 和夫
900,000
欧州エコミュージアムにみる世代継承性と現代的課題への対応
大原 一興
1,950,000
コグニティブUWB無線による高度交通安全・環境観測ネットワークの研究
河野 隆二
4,810,000
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