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№ 29 「立ち上がる農山漁村」選定案概要書 ◎取 組 分 野:【 交流】 と よ た し 1.都道府県、市町村 愛知県豊田市 2.事 三州足助屋敷 業 者 名 3.取 組 み の 名 称 里山あすけの暮らしと手仕事 保存と継承 4.取 組 概 要 等 ◇概 要 旧足助町は愛知県の東北に位置する中山間部にある。塩の道「中馬街道」の宿場町・商 業町として栄えた古い町並み地域と、山間の谷や小盆地に散在する多くの小集落からなって いる。山間部の集落では、林業の他は食べる分だけの田畑をつくり、蚕を飼い、ほぼ自給自 足に近い生活をしてきた。戦後一時、林業がにぎわった時期もあったが、昭和30年頃からは 隣接する豊田市等へ労働力が流出し、それによる過疎化とともに生活スタイルも否応なく変 化した。 このままでは、これまで育まれてきた「農ある 」「手仕事」の暮らしが消えてしまうこと から、 昔ながらの生活の価値を見直して残していこうと「生きた民俗資料館」として、昭和 55年に「三州足助屋敷」が誕生 した。明治時代の豪農の家をイメージし、地元材を使い昔な がらの工法で建てられ、地元大工の技術継承の場にもなった。 「自分に必要なものは自分でつくる」ことを理想に掲げ、昔ながらの毎日のくらしと、 生活に必要なものをつくる手仕事を実践する場として、体験観光施設として、現在までの取 組を続けている。 竹を割って、ザルや籠を編む。ワラ草履を編む。家族の衣類に三河縞を機織り。燃料は 竹を焼いた炭。紙すきは農家の冬の内職仕事であり、その紙で番傘を作る。 牛は農耕用に飼い、鶏の卵と肉はハレの日のご馳走になる。いろりの火は絶えることな く、その煙で内部から建物を丈夫にする。年末の大掃除は一家総出で家具から畳まですべて 外に出して煤払い、正月をはじめひな祭、彼岸などの年中行事を地域の高齢者の知恵と技術 を積極的に取り入れて、かつての農家の暮らしを再現している。 三州足助屋敷では、 地元の農家が竹籠づくりや、紙すき、わら細工などの体験教室を開 催するほか、手作り味噌や梅干しづくり、施設内の畑での有機野菜づくりなど、かつての農 家の暮らしと手仕事の風景が実際に再現される場となっており、農家の手仕事を体験できる 場として、地域内外から人を呼び込むことで地域の活性化に貢献 している。 ◇活動の規模 項目 H14 H15 H16 H17 H18 生産量 解説 売り上げ 解説 来客数 解説 雇用者数 解説 職人の生産品や梅干しやみそ、漬物など多岐に渡り生産している 435,132 418,209 402,560 375,242 344,710 単位:千円 106,861 113,113 91,442 87,534 90,771 単位:人 43 48 48 48 47 単位:人 № 29 項目 イベント開 催回数 解説 H14 H15 H16 H17 H18 年間5∼10回程度開催 ◇活用している地域資源 ・地域につながる農家の知恵と技術 ◇地域活性化のポイント 三州足助屋敷が誕生して25年間、地域の高齢者の熟練した技術と知恵を生かし、この地 に残る「手仕事」や昔ながら農家の普通の暮らしを忠実に伝承しており、この様子が地域の 個性的な体験型の観光資源として経済効果を生んでいる。 豊田市との合併という中でも、里山の生き様を残していくという努力をしており、旧足助 町に残る里山の風景、昔ながらの農家の手仕事のある暮らしが継承されている。 ◇事業の今後の展開方向 今後も、地域で育まれてきた「農ある 」「手仕事」の暮らしといった昔ながらの生活の価 値を見直して次世代に残していくため 、「生きた民俗資料館」として多くの人達へ農村文化 を発信していく。