!? ～ ～ 脳は豆腐と同じ ヘルメットをかぶろう

全 校朝 会の話 ⑩
脳は豆腐と同じ !? ～ ヘルメットをかぶろう ～
2013.7.16
校長
西谷
秀幸
（ 頭を 指さし て） ここに 頭が ありま す。 この中 に何が ある のか、 知っ ていま すね 。
そ うで す 、脳 です 。 今日 、 人間 の 脳を 見せ ま しょ う 。… と言 い たい と ころ です が 、頭の
中 を開 けて見 せる わけに はい かない ので 、似た ような もの を持っ てき ました 。
これ です 。（豆 腐を見 せる 。）
何だか分かりますか。そうです。これは「豆腐」です。なんと、人
間 の脳 の柔ら かさ は、豆 腐の 柔らか さと 同じな のです 。
豆腐のように柔らかい脳を守るため、人間の頭は、頭蓋骨（ずがい
こつ）という固い骨で周りが覆われています。なぜなら、この脳が少
しでも傷つくと、ものを覚えることができなくなるだけでなく、言葉
を 話す ことが でき なくな った り 、 体が 動か なくな った りする からで す 。
場 合に よって は、 息がで きな くなり ます 。つま り、死 んで しまう とい うこと です 。
さ て、 み なさ んが 自 転車 に 乗っ て いて 、自 動 車と ぶ つか った と しま す 。そ のと き に地面
な ど で頭 を 強く 打っ た らど う なる で しょ う。 頭 蓋骨 が 割れ てし ま った ら 、大 変で す ね。も
し 、 頭蓋 骨 が割 れな か った と して も 、そ の中 に ある 脳 は豆 腐の よ うに 柔 らか いの で 、ぶつ
か った ときの 振動 で傷つ いて しまう こと があり ます。
で は、 そ うな った と きに 、 どう し たら 脳を 守 るこ と がで きる で しょ う か？ そう で す。自
転 車用 のヘル メッ トをか ぶる ことで す 。（ヘル メット を見 せる）
みな さんは 、自 分のヘ ルメ ットを 持っ ていま すか。
ヘルメットをかぶるときは、しっかりとベルトで結んでいなくては
ダメです。結んでいないと転んだときにとれてしまいます。かぶって
い ても 効果が なく なりま す。
教室で担任の先生から何度も話を聞いていると思いますが、板橋区
では、去年の秋に小学生が交通事故で２人も亡くなりました。それで
も 、 小学 生 の事 故が 減 りま せ ん。 ４ ～６ 月に ２ １件 、 そし て、 先 週は 、 ７月 ８日 ～ １１日
の た った ４ 日間 に６ 件 も交 通 事故 が 起き まし た 。特 に 多い のが 、 放課 後 の事 故、 そ して自
転 車や キック ボー ドなど に乗 ったと きの 事故、 そして 、飛 び出し です 。
事 故は 、 自分 がケ ガ をし た り、 命 を落 とし た りす る だけ では あ りま せ ん。 板橋 区 のこと
で は あり ま せん が、 ５ 年前 に は、 自 転車 に乗 っ て坂 道 をす ごい ス ピー ド で下 って い た５年
生 が 、６ ７ 歳の 女性 を はね 飛 ばし て しま い、 そ の女 性 が頭 を強 く 打っ て 意識 不明 に なって
し ま った 事 故が あり ま した 。 意識 不 明と いう の は、 ま だ亡 くな っ ては い ない けど 、 寝たき
り で目 も閉じ たま ま、動 けな いし、 言葉 も話す ことが でき ない状 態の ことで す。
先 日、 そ の裁 判に つ いて 、 お母 さ んが 子供 の 代わ り に賠 償金 と して 約 ９５ ００ 万 円を支
払 う よう に 判決 が出 ま した 。 ５年 生 の子 供に メ ルメ ッ トを かぶ ら せて い なか った こ ともそ
の 理由 の１つ のよ うです 。
「 お うち の 人た ちは 、 小さ い 子や 小 学生 が自 転 車に 乗 ると きは 、 ヘル メ ット をか ぶ らせて
く ださ い」… これ は、道 路交 通法と いう 法律で 決めら れて いるこ とな のです 。
こ れか ら の時 期は 暑 くて 嫌 だな ぁ と思 うか も しれ ま せん が、 自 分の 脳 を守 るた め 、そし
て 、 人に ケ ガを させ な いた め にも 、 先生 はヘ ル メッ ト をか ぶっ て ほし い と思 いま す 。そし
て 、交 通ルー ルを しっか り守 って乗 って くださ い。
最 後 に 、「 ブ タ は し ゃ べ る ヘ ル メ ッ ト 」 と い う 言 葉 が あ り ま す 。 ブ タ が 何 か を し ゃ べ る
の でし ょうか ？あ とで、 教室 で担任 の先 生から お話を して もらっ てく ださい 。
今日 のお話 を終 わりま す。
（裏面に「先生方へ 」、別紙に「参考資料」があります）
〈先生方へ〉
板橋区では、昨年の秋に２年生が２人、交通事故によって亡くなったのはご存じの
ことと思います。しかし、その後も交通事故は減ることなく起こっています。特に多
いのが放課後の事故、自転車等に乗っている時の事故、飛び出しによる事故です。
本校では、６月に警察の方にもお越しいただいて、交通安全教室（全学年）並びに
自転車の免許講習（４年生）も行っており、幸い、子供たちに今年度、事故は起きて
いませんが、区内全体では以下のような状況で、予断を許しません。
○４～６月における板橋区内の小学生の交通事故は２１件も発生した。
（月別の発生件数は、４月…５件、５月…６件、６月…１０件）
・そのうちの１５件（約７割）が、１～３年生である。
・そのうちの１２件が、放課後や休日に発生している。
・そのうちの８件が、自転車やキックボードなどの乗り物に乗っている。
○７月８日～１１日の４日間だけで、小中学生の交通事故が６件も発生した。
・ そ の う ち の ５ 件 が 小 学 生 （ １ ～ ５ 年 生 ）、 １ 件 が 中 学 生 で あ る 。
・そのうちの４件が放課後、２件が登校中に発生している。
・小学生の事故５件のうち、３件が自転車に乗っている。
また、先日、小学５年生が加害者となった自転車事故について、次のような判決が
出ています。
裁判官は事故当時、男子児童がヘルメットを着用していなかったことなどから
「（ 母 親 が ） 十 分 な 指 導 や 注 意 を し て い た と は い え ず 、 監 督 義 務 を 果 た し て い な
かったのは明らか」として保護者の責任を認め、児童の母親に計約９５００万円
を 支 払 う よ う 命 じ た 。（ 一 部 抜 粋 ）
これまでは、被害者のみだった小学生でも、加害者になってしまう例があるという
ことです。
以上のようなことから、今日のような話をしました。学級では、実態に合わせて補
足説明などをしてください。なお、自転車安全利用五則というのがあります。私たち
もしっかりとルールを守っていきましょう。よろしくお願いします。
〈自 転車安 全利用 五則 〉
１
自転車 は、 車道が 原則 、歩道 は例 外
２
車道は 左側 を通行
３
歩道は 歩行 者優先 で、 車道寄 りを 徐行
４
安全ル ール を守る
①飲酒 運転 ・二人 乗り ・並進 の禁 止
②夜間 はラ イトを 点灯
③交差 点で の信号 遵守 と一時 停止 ・安全 確認
５
子供は ヘル メット を着 用
全校朝会の話⑩ 別紙
【資料】 「ブタはしゃべる」ヘルメット
「ブタはしゃべる」とは、子供たちにもできる自転車の
点検箇所の覚え方・方法です。点検する箇所の頭の文字
をそれぞれとった言葉が「ブタはしゃべる」で、それに
私が「ヘルメット」を加えました。
○ブレーキ…右、左のブレーキはきちんとききますか？
○タイヤ…空気は入っていますか？タイヤに傷や刺さったものがありませんか？
○ハンドル…ハンドルを上からのぞいたときに曲がってませんか？
揺らしたときにガタガタしていませんか？、
○シャタイ…サドルにすわったとき、足半分が両足とも地面につく高さになって
(車 体 )
いますか？ライトは明るくつきますか？反射材が壊れたり汚れたり
してませんか？反射材がスポークに付いていますか？
○ベル…音がちゃんと鳴りますか？
○ヘルメット（これは私の付け加え）…子供はヘルメットをかぶりましょう！
〈参考〉小学生の自転車事故
母親に９５００万円賠償命令
神戸地裁
小 学 生が 乗った 自 転車 には ねられ て 植物 状態 になっ た とし て、 被害女 性 （６ ７ ）の
家族 と 保険 会社が 児 童の 母親 （４０ ） に対 し、 計約１ 億 ６０ ０万 円の損 害 賠償 を 求め
た訴 訟 の判 決で、 神 戸地 裁の 田中智 子 裁判 官は ４日、 児 童の 母親 に計約 ９ ５０ ０ 万円
を支 払うよ う命じた。
判 決 によ ると、 事 故は ２０ ０８年 ９ 月、 神戸 市北区 で 発生 。時 速２０ ～ ３０ キ ロで
坂を 下 って いた小 学 ５年 生の 男子児 童 ＝当 時（ １１） ＝ の自 転車 と、散 歩 中の 原 告女
性が 衝突。 女性ははね 飛ば されて 頭を打ち、 意識不 明の 重体となっ た。
田 中 裁判 官は事 故 当時 、男 子児童 が ヘル メッ トを着 用 して いな かった こ とな ど から
「（ 母 親 が ） 十 分 な 指 導 や 注 意 を し て い た と は い え ず 、 監 督 義 務 を 果 た し てい な か っ
たの は明ら か」として 保護 者の責 任を認めた 。
交 通 事故に 詳し い 高山 俊吉弁 護士 （ 東京 弁護士 会） は 「被 害が重 大だ と 自転 車 事故
でも 高 額な支 払い が 求め られる ケー ス が増 えてい る。 自 転車 事故自 体が 増 える 中 、裁
判所 も 過失を 厳し く 捉え る傾向 にあ り 、判 決は保 護者 の 監督 責任を 厳し く みた の だろ
う」 と話し ている。
神戸新聞 2013年7月5日（ http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201307/0006130576.shtml）
〈 参 考 〉 道 路 交 通 法 及 び 同 施 行 令 の 一 部 改 正 と 施 行 （ 平 成 20 年 6 月 1 日 よ り ）
道 路 交 通 法 第 63条 の 10 （ 児 童 又 は 幼 児 を 保 護 す る 責 任 の あ る 者 の 遵 守 事 項 ）
児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させる
ときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければな
らない。
※ 児 童 (6歳 以 上 13歳 未 満 ) ※ 幼 児 (6歳 未 満 )