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オルガン針株式会社(PDF:430KB) - 関東経済産業局

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オルガン針株式会社(PDF:430KB) - 関東経済産業局
オルガン針株式会社 ~ 製品開発、技術営業など様々な分野で12名が活躍 ~
留学生(通訳・翻訳業務)の採用を開始しました。地元の信州
【代表者】
大学や長野大学を始めとする各大学、専門学校、長野県ベトナ
代表取締役社長 増島 良介 氏
ム交流協会等に問い合わせながら採用活動を行いました。入社
【本社住所】長野県
して当社に馴染んでくれると母国から日本に留学している後
上田市前山1
輩たちを当社に紹介してくれるなど、良い循環が生まれ、現在、
【創業】大正9(1920)年
中国・ベトナムなど、12名の海外人材が活躍しています。海
【設立】昭和20(1945)年
外人材採用についてのノウハウが無かったので、採用経験のあ
【資本金】3億円
るアパレル業界の他企業や海外進出経験の豊富な近隣企業等
【従業員数】450名(国内)
男性321名(正規272名)
、女性129名(正規102名)
うち、外国人12名(男性正規:9名、女性正規:3名)
【事業内容】ミシン針、メリヤス針、フェルト針、電子部品の
企画設計、製造、販売
どのような手続きを踏めば良いのか、また、社内でどのような
就労制度を整えれば良いのかなどアドバイスを受けました。海
外法務に詳しい専門家や各国大使館(領事館)にも相談しなが
ら受入体制を整えました。
【HP】http://organ-needles.com/
3.海外人材の活躍状況について
■インタビュー対応者■
企画管理本部 人事部 人事課 課長
にも相談しました。そして労働局や入国管理局などに雇用時に
機械工学、バイオ、素材系を学んだ理系の人材は、機械・製
廉澤 輝樹 氏
品開発、技術営業の各分野で活躍しています。当社の心臓部で
ある針の製造設備の製造部門の管理職として活躍している人
1.企業概要について
東京で蓄音機針のメーカーとして創業しました。現在では家
材もいます。文系出身のメンバーは国内の物流や輸出に係る書
庭用ミシン針、繊維産業やファッション産業などの分野で使用
類作成などに携わっています。皆、日本語は会話も筆記も問題
される工業用ミシン針、メリヤス針(ニット用)、フェルト針
なく、とても優秀です。海外出張に出向いた時もサービスエン
(カーシート、カーペットの縫製に使用)、電子部品、精密部
ジニアとして海外取引先が求めるニーズを聞き出してくれま
品を手がけます。針の販売実績は、世界シェア15%、国内シ
す。2003年に入社した人材については、入社後5年間日本
ェア80%です。生産拠点は上田の本社工場・中央工場、ベト
で働き、その後、2008年から中国工場へ出向し、現在、中
ナム工場、中国重慶工場、営業拠点は、香港、中国・上海、台
国重慶工場の中核となり活躍しています。
湾、シンガポール、ドイツ、ベトナム、中国・重慶です。製鉄
海外人材の研修(教育・訓練体制)については、日本人と同
メーカーとの製針素材の共同開発などを通じた新たな需要の
じです。必ず、ものづくり現場を体験させます。まず、半年の
創出にも取り組んでいます。そして針や電子部品の生産部門で
現場実習が行われます。配属後は、ブラザーシスター制度で職
使用される4千台以上にのぼる専用機やシステム、治工具など
場の先輩が1対1でフォローし、OJTトレーナーとしての立
は全て自社開発によるものです。針の製造設備は国内工場で製
場の他、仕事以外のことでも相談にのります。中国人新入社員
造し、針の製造は主に海外で行っています。
であれば、中国語の話せる日本人社員をシスターとして配置す
るなどして早く職場に馴染んでもらえるように配慮もします。
その後の研修は、30代、30代後半などと階層別研修があ
り、海外人材についても日本人と同様の研修を受講します。
4.海外人材採用ルート及び選考方法について
当社HP等で募集します。特に外国人枠は設けていません。
2.海外人材採用のきっかけ・時期・受入準備等について
日本人と同様の採用試験を受けていただきます。日本語での試
円高の影響により、海外現地生産、現地販売体制が検討され
験であるため、日本語を理解しているか判断もできます。試験
たことがきかっけです。具体的には、1995年にベトナム工
内容は、定性的な問題、専門性を判断する問題、400字課題
場を設立し、2002年には中国・重慶にも工場を設立し、海
レポート、面接です。
外生産を始めることになりました。海外工場へ技術指導のため、
5.社内全体の人材戦略について
日本人技術者を派遣すると共に海外現地法人から技能習得の
(1) 社内人材の能力を活かす具体的な取組み
ため技能研修生(現在の技能実習生)を受入れてきました。そ
2012年からの新しい取組みとしては、20~30代の若
の際、技能研修生の通
手社員向けに設けたキャリアデザイン研修です。こちらの研修
訳および翻訳などの
は50代のベテラン社員も受講対象とすることを現在、検討し
対応のために、日本人
ています。20代、30代には10年後の自分を考えてもらう
社員が語学を1から
きっかけとして、50代の社員には60歳定年後に当社での継
学んで対応するより、
続雇用を望むか、新しいことにチャレンジするのか等を考える
外国人留学生を採用
きっかけにして欲しいと思っています。
し、母国の状況に熟知
契約社員から準社員、正規社員への移行制度もあり、200
した社員を活用した
5年に制度化し、現在までに、契約社員から準社員へ30名、
ほうが得策ではない
準社員から正社員へ17名ほどの移行実績があります。
かということとなり、
1995年に外国人
31
最近のトピックスとしては、若手向けの研修として、東日本
廉澤課長
大震災の被災地でのボランティア活動に新入社員を参加させ
関東地域における人材戦略ベストプラクティス集 第2号(平成25年度版)~海外人材活躍企業~ 経済産業省 関東経済産業局
たことです。4日間の短い期間でしたが、被災地の状況を目の
当たりにして行動力、チームワーク力が向上したように感じて
ています。
将来的には、日本での採用後、海外拠点で活躍するケースや、
います。
“相手の立場で物事を考えること”の大切さ、
“リスク
逆に海外拠点で採用した人材を日本や別の海外拠点で活躍で
を負わないためにどういう準備をしておけばいいのか”等を実
きるような体制にできたらと考えています。そして、グループ
体験の中て感じとり、仕事でも実践できるようになっています。
全体の人材の強化に繋げたいと考えています。
社会貢献活動の一環としての位置づけで、これからも社内外で
グローバル人材とは単に語学が出来るだけでなく、コミュニ
課題解決など体験できる機会を若手社員に提供したいと考え
ケーション力がある人で、どんな環境でも柔軟に対応できる人
ています。管理監督者クラスの社員(1~2名)には、経営者
だと感じています。社員には自分の能力を高め、幅広い分野で
協会等で実施している長期管理者研修システムを活用して派
活躍して欲しいと思っています。
遣しており、1年間にわたって毎月2~3日程度の定期的な研
■海外人材の皆様へのインタビュー■
修(座学・実務など)に参加しています。また技術系社員につ
【お名前】梁
いては、各専門分野の知識と技能向上に向けて、各種研修に派
【出身地】中華人民共和国
遣しています。その他中堅社員については社内外のリーダー研
【日本での出身学校名等】
修等を実施しています。
(2) 労働制度面等からの支援(休暇制度等の整備状況)
有給休暇については、繰り越せず消えてしまう分を、最大4
0日間まで積み立てておいて何かあった時に使用できる制度
を1994年に整備しました。その使用は、「傷病による長期
療養」
「リフレッシュ休暇」
「ろまん休暇」
「妊婦健診」
「育児休
業」「子の看護休暇」「介護休業」「介護休暇」と幅広いものと
なっています。看護休暇も通常、未就学児を対象にするケース
が多いところですが、当社では小学生まで認めています。
2009年からは女性会議を設置しています。女性社員から
はトイレの間口を広くして欲しい、駐車場を近くにして欲しい、
職場内を禁煙にして欲しいなど、女性目線の様々な提案がださ
れます。従来は、安全委員会の中で、職場の安全についての議
論の場はありましたが、女性が結婚し、子育てなど家庭と両立
しながら仕事を続けるにあたってのメンタル面も含めた職場
の環境整備について検討する場となっています。
2013年10月、長野労働局より次世代育成支援対策推進
法に基づく「基準適合一般事業主」の認定を受け、次世代認定
マーク(愛称:くるみん)を取得しました。第2期行動計画(2
008年4月から2010年3月)の認定に続き、2度目の次
世代マーク取得です。2013年7月に第4期行動計画を策定
し、全従業員がワークライフバランスを実現できる雇用環境の
整備に取り組んでいます。
6.今後の事業展望と人材戦略(人材確保・育成)について
(1) 今後の事業展望(方向性)
取引先であるファッション業界は生産に係るコスト低減を
求めています。私たちは、長持ちする品質の良い針を低価格で
提供するとともに、開発が進む新素材の縫製等に一番適した針
の素材や形状などの研究開発を進めていきます。
また、海外では日本と異なり、物流が発展していないので、
製品在庫を保管する倉庫を世界のどこの国・地域に置くかが重
要なポイントとなります。倉庫やサービスマンのいる営業拠点
をアパレルメーカーの生産拠点に併せ、即座に供給できる体制
を整えていきたいと考えています。
(2) 人材確保・育成にかかる方向性と課題
「当社で力を発揮したい」と考えている人かどうかが採用の
ポイントです。事前に会社のことを良く勉強した上で、採用試
験を受けてもらいたいと思っています。契約社員であっても職
栄文
さん
吉林省
蛟河市
学校法人松商学園松本大学 総合経営学部
総合経営学科
○日本に留学したきっかけ:
親戚が日本に在住していることから小さい頃から日本に興
味がありました。放映されていた日本のアニメも見ていました。
高校卒業後は、母国の学校には進まず、これまで学んだ日本語
も活かし、興味があるIT分野を学ぶため、日本の専門学校へ
の留学を決心し、2002年に来日しました。専門学校に入学
する前に1年半の日本語学校を経て、専門学校に2年間、その
後、松本大学総合経営学部の3年生に編入し、2年間学びまし
た。就職については、母国か日本のどちらで就職しようか検討
しましたが、折角学んだ日本語を活かすためにも日本での就職
を決めました。
○就職活動方法:
東京や名古屋の企業の説明会等にも参加するなどし、就職活
動を進めました。当社との出会いは、長野県内企業が出展する
地元で開催された就職説明会でした。当社は、海外にも工場を
展開しており、大学で学んだ経営の知識や日本語や中国語、韓
国語も活かせるのではと感じたので、採用試験を受けることを
決めました。試験前に工場見学もさせていただきました。3次
試験まで受け、2008年4月に入社させていただきました。
○実際に働いての感想:
部署名は変更がありますが、入社当初から現在まで6年間、
物流・調達管理部門を担当しています。入社当初は日本国内の
資材調達先企業とのやりとり等含めて、一連の仕事内容を覚え
るまで、苦労しましたが、現在は、とても充実しています。メ
インの仕事ではないですが、韓国の取引先からの書類の日本語
への翻訳や先方が来日した時には韓国語の通訳などもしてい
ますし、語学力も活かすこともできています。
○夢や今後の意気込みなど:
今後は、違う部署
も経験してみたいと
思っています。例え
ば、営業などの部署
で、外に出て、お客
様と直接お話したり
する部署で、語学力
をさらに活かしたい
と思っています。
場を体験してから採用試験を受けたいという場合、積極的に受
け入れています。受け入れ時期など物理的な制約はありますが、
梁さん
大学生や地元高校生のインターンシップも積極的に受け入れ
関東地域における人材戦略ベストプラクティス集 第2号(平成25年度版)~海外人材活躍企業~ 経済産業省 関東経済産業局
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