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吸入指導のポイントについて
1 . 薬剤師が吸入薬とデバイスを熟知する。
当たり前ですが、最良な治療を行うためには指導する側が薬剤の特徴のみではなく、デバイ
スの特性をきちんと理解しなければアドヒアランスの向上は望めない。
2 . 患者さんの身体的機能を考慮する。
指導を受ける側の状態を確認する。
① 視力の低下 ⇒カウンターの目盛りや説明書などが見えない。
② 聴力の低下 ⇒指導時に説明が聞こえないだけではなく、操作時の確認音「カチッ」が
聞こえない。
③ 力の低下 ⇒変形や、手が震え固定して持つことが出来ない。押す力が弱くて押せな
い。
④ 吸入力の低下 ⇒ドライパウダー製剤において十分な吸気が無いため、局所副作用が出や
すくなる。
⑤ 理解力の低下 ⇒操作方法の理解のみではなく、忘れたり重複したりする危険がある。
3 . 疾病の状態を理解し適切な指導をする。
肺機能が低下している患者さんが対象です。状態を理解することで患者側に立った指導が出
来る。
4 . 繰り返し指導と確認を行う。
-1-
吸気流速の測定し適切なデバイスの選択を!
~インチェック使用方法について~
目的
吸入薬にとり薬剤を吸入するときの力はとても重要であります。
特にドライパウダー製剤(DPI)においては、使用する患者さんは低肺機能であることが多いため
に、深く大きく吸うことが重要であり吸入できるかどうかが、薬剤の選択に大切になります。
方法
DPI においては効果的に吸入できるデバイス毎の目安があります。ただし、早ければ気道や口腔、
咽頭壁にぶつかりやすくなり適切でないといわれています。簡易的に適切な吸気流速を確認するた
めに、各社でトレーナーなどが無料で配布されています。
最大吸気流速は、インチェックを用いて簡単に測定することが出来ます。
デ バ イス
必要な吸気流速
ディスクへラー
30~60L/分
ディスカス
30L/分
タービュヘラー
30~60L/分
ハンディヘラー
20L/分
クリックヘラー
20L/分
タビュヘラー
30L/分
インチェック 定価 7000 円
吸気流速 自己記録 ( L/分 ) 操作手順
リセット
① マウスピースの間に適合する、デバイスのアダプターを装着します。
② マウスピースが上に来るようにして手のひらでインチェックが垂直の状態でたたく。
③ 上端に固定されていた磁石が下に落ちてポインターを戻します。
④ 今度は180度ひっくり返して、磁石が上端に戻って固定される。
操作方法
① 十分息をはきます。
② 本体を水平に持ちマウスピースをくわえます。
③ いっき息を吸います。
④ ポインターの止まったメモリが吸気流速です。
その他
吸気流速を測るものが無いときは、一般的にそばをすする力やストローで飲み物をのむ力といわれ
ておりこれらの力が一般的に、60L/分といわれています。
-2-
パルスオキシメーターの利用について
パルスオキシメーターって?
ご存知のとおり、血液中にはヘモグロビンという酸素を運ぶタンパクがあります。以前は血液が
きちんと酸素を運んでいるか血液を採取して酸素分圧 PaO₂を測定しておりました。現在ではパル
スオキシメーターの性能が向上して、採血することなく酸素飽和度SpO₂(%)を測定することで
酸素分圧とほぼ相対していることが知られている。
※ 動脈の血液は酸素をたくさん含んでいるため赤い色をしています。パルスオキシメーターは
つめの毛細血管に2種類の光線を当てて光線の吸収具合で血液中に含まれる酸素の度合い
(%)を測定します。
※ 動脈血酸素分圧(PaO₂)とは、肺における血液酸素化能力の指標です。PaO₂の低下は呼吸
器系の異常すなわち呼吸不全を示します。呼吸不全の病態は、動脈血ガス測定で同時に得ら
れる動脈血炭酸ガス分圧(PaCO₂)と組み合わせで、換気不全と肺でのガス交換障害に大別
されます。
動脈血酸素分圧(PaO₂)は、若年健康者でほぼ100Torr(mmHg)、老年健康者で 約80Torr です。60Torr 以下になると呼吸器系の異常である呼吸不全となります。健康者
の動脈血炭酸ガス分圧(PaCO₂)は、40Torr 前後に維持されます。
-3-
パルスオキシメーターの利点と弱点
利点
① 自分でどこでも簡単にどこでも測ることが出来ます。気になったときに状態が悪くなる前に状
態を把握できます。
② 酸素吸入量、運動量を決めることができます。
例えば、肺活量が低い患者さんは軽く動く際にも酸素飽和度が安全権威なら無いことが多い。
安静時は96%くらいあっても動くとあっという間に80%くらいまで下がります。そういう
場合に酸素をどのくらい吸えばよいのか?どのくらいの運動が無難であるのかが知ることが出
来ます。
弱点
① 炭酸ガスを測ることができない。
炭酸ガスが高くなると血液が酸性に傾き、頭痛がしたり意識が無くなったり集中力を欠いたり
します。極端に肺活量が少ない患者さんは酸素飽和度が99%あっても炭酸ガスが通常の2倍
くらいあることも考えられます。
② 誤作動で無いか脈拍数で確認する。
冬などの冷えるときは毛細血管の流れが低下します。パルスオキシメーターはセンサーが光線
を当てて測定しているので誤作動しやすくなります。これに対しては手を温めて測定すること
が必要になります。正しく装着しているか確認し、性格に測定しているかは、脈拍数を確認す
ると良いでしょう。
③ 安定しているときの酸素飽和度と自覚症状を把握する。
酸素飽和度が高ければ高いほど良くなったと思いがちですが、ここにより数値は違います。安
静時の数値を把握して、1~2%であまりあわてずに、普段の数値との対比と考えてください。
測定の注意
① 指先を暖かくする。
② 手などが震えないようにテーブルなどで固定する。
③ 黒や濃い青系のマニキュアは落とす(光線をさえぎる)
④ 同じ条件で測定する(運動後や外出後、行動ごと安静時は差が出る)
⑤ 脈拍がきちんと表示されていないときは正しく測定されていないので確認すること。
-4-
ピークフローの測定
ピークフローとは
ピークフローとは、力いっぱい息を吐き出したときの息の強さ(速さ)の最大値のことです。こ
のピークフローを測定することで、息苦しさや発作のあるなしに関わらず気管支の状態を客観的に
知ることができ日常管理の指針や治療方針の参考になります。安価で6歳以上で使用できるので、
喘息日記をつけ日常の自己管理が出来ます。
標準値を参考にする。
ピークフローは年齢と身長に関連します。自分の年齢と身長を予測式に当てはめれば、ピークフ
ローの標準値を知ることができます。
ミニライトATSメモリ(使用したピークフローメーター 約¥4000)
測定値 ( ) 、標準予測値( )
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発作の兆候、日動変動を予測する。
ピークフローを毎日、1日2~3回測定して記録しておくと、喘息のコントロール状況をつかむ
のに効果的です。特に値が低くなったときなど、発作の兆候が出たとき対処など準備が出来ます。
また、1日に何回は測ることにより変動(日動変動)を見ることが出来ます。それにより気管支
の状態を予測することが出来、日動変動が大きいときは過敏性が高まるなどコントロール状態が把
握でき、治療方針の目安になります。
日動変動率(%)=(最高値-最低値)÷最高値×100
※ 成人の日動変動率の管理目標は20%以内とされています。
ゾーン管理する。
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