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STAR-CCM+の建築分野への適用 島池 航平 はじめに 内容 – STAR-CCM+の特徴 – STAR-CCM+がどのように使われているか? – 事例 • 騒音 • 制御 • ゼロギャップオーバーセット – まとめ STAR-CCM+の特徴 統一性(GUI)と汎用性(ソルバー) – 統一された環境内でのモデル作成/解析/ポスト処理 – 1ライセンスで全ての物理モデルを使用可能 解析ツールだけでなく、設計ツールとしての利用 – 最適化ソルバーや、制御モデルの組み込みによる実行 • 室内の温度制御 • ビル風の軽減対策 建築/土木分野における主な解析対象 温熱環境 – 熱流れ解析 – 自然対流 快適性指標 – PMV – フィールド関数/マクロ 空気齢 – パッシブスカラー 建物周辺気流 – 風荷重 建築/土木分野における解析対象: その他 近年の傾向 – 熱流体のみではなく、混相流、マルチフィジックスな分野への適用 – マシンパワーの向上による大規模化にも対応 – 最適化・解の制御 最適化 解の制御 建築/土木分野における解析対象: その他 爆風 – 理想気体 – 物性値の温度依存 燃焼・反応 – 火炎の伝播等 – 規模が大きくなりがちであり、 難易度は高い 騒音 – 有限体積法による音響解析 – 渦音やフィードバック騒音 事例1:ルーバー騒音解析 ルーバー騒音解析 ルーバー – 目隠し、日除け – 意匠的な目的 ルーバーに風が当たり、騒音を発生する事があります。 騒音源として以下が考えられます。 – 渦の放出音 • カルマン渦に起因 • ストローハル数=0.2として、表される – ルーバー間の干渉 • 剥離と再付着 • フィードバック機構の存在が考えられる ルーバー騒音解析 フィードバック騒音を解析するには、CFDによる音響解析が必要です。 – 音波と流体が連成するため、CFDによる直接解法が必要です。 ルーバー騒音解析として、以下の事例を考えます。 – 平行に並んだ長方形角柱に、ある角度(20度)を持った流れを吹きつける。 ルーバー騒音解析 格子や時間刻みを適切に選択します。 ルーバー騒音解析 物理連続体 – – – – 非定常解析 理想気体 分離型温度 DES or LES ルーバー騒音解析 圧力コンター図 ルーバー騒音解析 渦度コンター ルーバー騒音解析 圧力の計測点をルーバーから1m 離れた箇所に配置し、圧力の時刻 歴を取得します。 1.0m ルーバー騒音解析 STAR-CCM+を利用して、FFTを行います。 ルーバー騒音解析 STAR-CCM+を利用して、サーフェスFFTを行います。 – ピーク周波数に寄与するであろう箇所を可視化できます。 ルーバー騒音解析 流体に起因する騒音、フィードバック機構を含む騒音解析が可能です。 ポスト処理機能で、FFTの実行、騒音源位置の特定が可能です。 騒音の直接解法に適したスキームを実装しています。 – – – – 3rd-order MUSCLE/CD、2nd-Order 有界中心差分 時間の二次精度離散化 複数の勾配制限法(Min-Mod, Venkatakrishnan, TVB) Detached Eddy Simulation (DES)/ Large Eddy Simulation (LES) 事例2:PID制御による温度調整 設計ツールとしてのSTAR-CCM+ 設計ツールとしてのSTAR-CCM+ – 最適化 • Adjoint • Optimate+ • HEEDS – 制御系 • ユーザーによる組み込みが必要 – オン/オフ制御 – PID制御 制御系:PID制御について、次ページより紹介いたします。 PID制御による温度調整 例:ある系における温度を25℃に保ちたい。 • 例えば23~27℃と温度幅を設けておき、 • 温度が23度より下がれば加熱 • 温度が27℃より上がれば冷却 Temperature (C) – オン/オフ制御 28 27 26 25 24 23 22 0 10 20 – PID制御 目的温度と測定温度との偏差を求め、 偏差に比例した量と 偏差の時間積分と 偏差の時間微分に 適当な重み付けを掛けて制御量とする。 40 50 30 40 50 28 Temperature (C) • • • • • 30 Time 27 26 25 24 23 22 0 10 20 Time PID制御による温度調整 PID制御の実装には、以下のアプローチが考えられます。 – Javaマクロ • 全ての処理をマクロで記述 – レポート/モニタ機能を使用 • 偏差、時間微分、時間積分をレポート/モニタを利用して算出 OR PID制御による温度調整 制御量:入口境界流速 設定値:室内の平均温度(ピンクの領域での体積平均値) ②体積平均温度を23℃にする。 ①入口流速を調整して、 PID制御による温度調整 定常計算で実施 – 時間微分・積分は、イタレーションに対する微積分で代替 0.25 Velocity 0.2 Temperature (C) Velocity Magnitude (m/s) 入口流入温度は15℃で固定 入口流速を制御することで、設定値23℃を達成 0.15 0.1 0.05 0 0 200 400 Iteration 600 800 26 25.5 25 24.5 24 23.5 23 22.5 22 21.5 Sensor Target 0 200 400 Iteration 600 800 制御値0.135m/sで、 設定値23℃を達成 PID制御による温度調整 PID制御を、STAR-CCM+に組み込む事が可能です。 以下のような使い方が考えられます。 – 目的温度に達するために、噴出し流量や温度の制御する。 – 系がある温度に達する際の、ある部材の発熱量を求める。 – 翼の抗力を最小とする、翼の角度を求める。 事例3:ドアの開放 ドアの開放 通常のオーバーセット機能では壁面同士の接触が許されていません。 Ver9.06から、近接した壁面を一時的に接続する機能が追加されました。 – ゼロギャップオーバーセット オーバーセットの適用範囲が広がっています。是非ご利用ください。 ドアの開放 例として、二つの居室間の閉じている「ドア」を開く解析を行います。 – オーバーセットによる解析となります。 – 可視化事例と共に紹介いたします。 「ドア」と「床」は接しているとします。 ドアのヒンジに相当する箇所も、壁面に接します。 – ゼロギャップオーバーセットを使用します。 ドアの開放 ドアの開放 ドアの開放 パッシブスカラーの輸送 ドアの開放 壁面同士の接触を伴う、重合格子の解析を行う事が可能です。 パッシブスカラー、マーカー粒子を使用したポスト処理紹介しました。 まとめ STAR-CCM+の特徴の紹介 STAR-CCM+がどのように使われているか? 事例紹介 – ルーバー騒音 – PID制御 – ドアの開閉 これからも、STAR-CCM+をご活用ください。 ご静聴ありがとうございました。