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決算カードから何がわかるの?

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決算カードから何がわかるの?
決算カードとは?
決算カードは、総務省が実施している地方財政状況調査(決算統計)の集計結果
に基づいて、各都道府県・市町村ごとに「*普通会計」の決算状況を1枚のカードにま
とめたものです。
※普通会計とは…
地方公共団体ごとに各会計の範囲が異なり、団体間の財政比較などが難しいため、
地方財政の統計上、統一的に用いられる会計区分
決算カードから何がわかるの?
①収入と支出のバランスは?(財政力指数)
私たちには、日本全国どこに住んでいても、教育や福祉、道路整備などについて、
同じ水準のサービスを受ける権利があります。このサービスを標準的なサービスと呼ぶ
ことにします。財政力指数は、地方公共団体による標準的なサービスに必要なお金を、
自力でどのくらい調達できているか、つまり「充分な収入が確保できているか」を示す
指標です。
自力で調達できるお金(基準財政収入額)
(財政力指数) =
標準的なサービスに必要なお金(基準財政需要額)
この指数が1を超えていれば、標準的なサービスを「交付税※」なしで提供できるこ
とを意味します。1以下であれば、その不足分を交付税で補てんすることになります。
小平市の場合、平成17年度に財政力指数(単年度)が 1.035 となったため、平成
10年度以来7年ぶりに交付税が不交付となりました。以降、平成 18 年度(1.065)、平
成 19 年度(1.065)と、財政力指数が 1 を超えたため、引き続き交付税は不交付となり
ました。
(平成 19 年度 26 市平均財政力指数(単年度):1.105)
※交付税とは…
標準的なサービスを行うために、都道府県や市町村に対して国から交付されるお金
のこと
②財政状況に余裕はあるの?(経常収支比率)
経常収支比率は、家計に例えると、給料などの定期的に入ってくるお金に対して、
家賃、食費、光熱水費、借金の返済などのあらかじめ使い道が決まっているお金の割
合がどの程度なのかを示す指標です。
毎年使い道が決まっているお金
(経常収支比率) =
毎年定期的に入ってくる自由に使えるお金
毎年コンスタントに入ってくるお金が多く、毎年使い道が決まっているお金が少なけ
れば、自由に使えるお金が多くなります。つまり、この数値が低いほど、新しい事業や
建設事業などにお金を振り分けることができます。
小平市の経常収支比率は 92.7%ですから、定期的に入ってくるお金を 10,000 円と
すると、9,270 円はその使い道が決まっており、自由に使えるお金は 730 円しかなく、
厳しい財政状況にあるといえます。(26 市平均経常収支比率:91.4%)
③借金はいくらあるの?(地方債現在高)
「地方債(市の場合には市債)」は、一般家庭の家計に例えると、住宅や自動車など
を購入した際に組むローン(借金)
にあたります。
学校、図書館などの公共施設を整備するには、一度に多額のお金が必要となりま
す。市では、そのような場合に国や金融機関などから借金をし、長期間かけて返済し
ています。借金には、税金を納めていただいている今の世代の方々だけでなく、将来
その施設を利用する方々にも公平に負担をしていただくという面もあり、必ずしも 「借
金(市債)
=悪」 とは言いきれません。
しかし、借金が増えすぎると、その返済(公債費)が市の財政を圧迫し、事業を行う
お金が無くなってしまいます。そのため、借金は計画的にしなければなりません。
小平市では、一般会計の平成19 年度末地方債現在高は、386 億 6,548 万円※、
市民 1 人当たりでは、約 21 万円となります。(26 市平均市民 1 人当たり地方債現在高:
21 万 7 千円)
<平成 20 年 3 月 31 日現在人口 182,293 人(住民基本台帳登録数+外国人登録数)により1 人当
たりの金額を計算しています。>
※ この他に平成 19 年度末で、下水道事業特別会計に 195 億 2,075 万円、小平市
土地開発公社に 13 億 2,850 万円の借金残高があります。
④貯金はいくらあるの?(積立金現在高)
市では、特定の目的のために貯金をしたり(積立基金)、定額の資金を運用するな
どしています(運用基金)が、年度末の貯金の残額を積立金現在高といいます。
また、大幅な税収減や災害の発生などによる臨時の出費などに備えるために
積み立てられる貯金のことを「財政調整基金」といいます。この貯金を安易に使ってし
まうと、いざという時に自由に使えるお金がなくなってしまい、大変困ることになります。
そこで、お金に余裕のある年度に確実に積み立てを行っていくことが重要です。
小平市の積立金現在高は、平成 19 年度末で 96 億 1,267 万円、市民 1 人当たりで
は、約 5 万 3 千円になります。
(26 市平均市民1人当たり積立金現在高:6 万 4 千円)
⑤B+C-D
は何?
「B+C-D」は、現在ある借金(B)と、将来の支払を約束した支出予定額(C)の
合計額から、市の貯金(D)を差し引いたものです。大まかに言えば、借金から貯金を差
し引いた差額であり、将来の実質的な財政負担を示すものです。
⑥健全化判断比率とは?
平成 19 年度決算から導入され、従来の一般会計のみの財政状況の分析から、特
別会計の財政状況、一部事務組合への負担金の状況、さらには土地開発公社の債
務までが新たにチェック対象となりました。
※詳しくは、添付ファイル「地方公共団体の財政の健全化に関する法律について」
をご覧ください。
⑦標準財政規模(A)とは?
市に入ってくるお金には、事業を実施することに伴って入ってくるお金と、そうでない
ものがあります。事業の実施により入ってくるお金は、例えば、学校を建設する場合に
交付される国や東京都などからの補助金や、国や金融機関などから借りるお金などで
す。このお金は、事業の実施内容などにより金額が決定されるため、市によって入って
くる金額が異なります。一方、事業の実施内容と関係なく入ってくるお金の代表は税金
です。これは、どの市でもほぼ同じ基準で入ってきます。
市の財政状況を比較する際に、事業の実施内容と関係なく入ってくる税金などのお金を
標準とする考え方に基づいて、市町村の財政規模を表したものが標準財政規模です。
⑧市に入ってきたお金はいくら?(歳入)
決算カードの「歳入」の欄をご覧ください。
「地方税」から「地方債」
までの収入項目があり、平成 19 年度は 498 億 4,004 万円の
収入がありました。
【平成 19 年度歳入の内訳】
⑨市に納めていただいた税金はいくら?(歳入:地方税)
税金のうち、地方に直接納められるものを「地方税」といいます。また、国に納められ
る税金の一部は「国庫支出金」や「地方交付税」などの形で市町村に入ってきます。
皆さんから小平市に納めていただいた税金は 308 億 4,705 万円で、市民1人当たり
では約 16 万 9 千円になります。
⑩市はいくら借金をしたの?(歳入:地方債)
「地方債」欄をみると、その年度に借金をした額がわかります。
「地方債」は、学校や図書館など公共施設の建設や道路の整備、土地の購入など、
将来の世代に財産として残すことができる事業について認められています。
そのほか、例外として臨時財政対策債など、収入不足を補うための借金もあります。
平成 19 年度、小平市は 7 億 4,920 万円、市民 1 人当たりでは約 4 千円の新たな借
金をしました。
⑪市はいくら借金を返したの?(歳出:公債費)
その年度の借金の返済額は「公債費」欄でわかります。
平成 19 年度、小平市は 46 億 379 万円(利子含む)、市民 1 人当たりでは約2万 5
千円の借金を返済しました。
「地方債(
歳入)と公債費(
歳出)の関係図」
国
都道府県
銀行 など
貸付側
市町村
借入 地方債(歳入)
返済
公債費(歳出)
都道府県
など
借入側
⑫福祉に使ったお金はいくら?(目的別歳出)
目的別歳出をご覧ください。
福祉関係(民生費)に使ったお金や学校・図書館・公民館など教育関係(教育費)に使
ったお金など、行政の目的別にいくら使ったのかわかります。
→各項目の説明は別ファイルの「用語一覧」をご参照ください。
【平成 19 年度目的別歳出内訳】
⑬職員の給料等に使ったお金はいくら?(性質別歳出)
性質別歳出をご覧ください。
職員の給料や議員の報酬などに使ったお金(人件費)、生活保護費や児童手当な
ど福祉に使ったお金(扶助費)、借金の返済に使ったお金(公債費)、郵送料、光熱水
費、物品の購入、事業の委託などに使ったお金(物件費)などがわかります。
→各項目の説明は別ファイルの「用語一覧」をご参照ください。
【平成 19 年度性質別歳出内訳】
※ 目的別歳出と性質別歳出とは?(歳出を2つの角度から見てみると)
「市立保育園保育士の給料」を例にとって考えてみましょう。
目的別で考えると…「こどもの保育(福祉)のため」のお金なので民生費
性質別で考えると…「職員の給料」のお金なので人件費
使われたお金の「目的」(福祉のためなのか、教育のためなのか)に着目したのが
「目的別歳出」、「性質」(物品の購入なのか、職員の給料なのか)に着目したのが「性
質別歳出」です。
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