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地盤沈下の防止に関する協定の概要等について
資料2 地盤沈下の防止に関する協定の概要等について 1 地盤沈下の原因 地盤沈下の原因は、各地域の地質条件を勘案して更に詳細な検討が必要で あるが、九十九里地域の地盤沈下は建物の抜け上がり等見られないこと、ま た、深度60mまでの浅層の地盤沈下観測井の測定結果では、ほとんど沈下 が見られないことから、地下深部の沈下が主要因と考えられ、天然ガスかん 水の汲み上げが大きく関連しているものと考えられる。 2 地盤沈下の観測体制と結果 地盤沈下の観測体制については、九十九里地域全体の地盤変動を把握する ため、広範囲にわたり水準測量を実施するとともに、4 地点に地層収縮計及 び地下水位計を設置した観測井を設置し、継続して観測している。 なお、これらの観測井の観測深度は60mから25mといずれも浅く、沖 積層を含む浅層部の収縮量を観測している。 (1)地下水位変動 当該地域の地下水位は、地表から-40m以浅の浅層地下水である。 地下水位変動の経年変化については、若干の変動はあるものの、ほぼ横 ばいである。 (2)地層収縮量 観測期間の長い九十九里-2観測井(大網白里町)設置場所周辺の水準 測 量 結 果 で は 、 3 6 年 間 で 45.7cm 沈 下 し 、 こ の う ち 深 度 3 0 m ま で の 観 測 井 に よ る 収 縮 量 は 約 0.9cm で 、 3 0 m 以 深 で は 約 44.8cm と 約 50 倍 の 沈下量と推定される。 ま た 、 観 測 期 間 が 短 い 九 十 九 里 - 4 観 測 井 ( 白 子 町 ) で は 、 同 様 に 22 年 間 で 約 26.0cm 沈 下 し 、 こ の う ち 深 度 6 0 m ま で の 沖 積 層 を 含 む 地 層 の 収 縮 が 約 1.8cm で 、 6 0 m 以 深 で は 約 24.2cm と 約 13 倍 の 沈 下 量 と 推 定 される。 -1- 21 累計沈下量 cm -80 -90 -100 -110 台地 -2- 65 大網白里町 0 -10 -20 -30 -40 -50 -60 -70 3924 一宮町 To-11 東金市 3929 茂原市 41 茂原市 KU-5 九十九里町 SN-10 山武市 OT-6 大多喜町 73 大網白里町 1 長生村 CN-2 長南町 MT-4 睦沢町 MI-1 いすみ市 53 白子町 (千)107 茂原市 45 茂原市 沖積低地 埋立地 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 1989 1988 1987 1986 1985 1984 1983 1982 1981 1980 1979 1978 1977 1976 1975 1974 1973 1972 1971 1970 1969 1968 1967 1966 1965 1964 1963 1962 1961 1960 1959 3 九十九里地域の地盤変動傾向 主要地点の経年地盤変動傾向図(九十九里地域) 4 沈下面積の推移 九十九里地域における前協定と現協定の5年間累計変動面積の推移 12年~16年 17年~21年 沈下面積の増減 5年間累計変動量 (前協定) (現 協 定 ) 10cm 以 上 沈 下 2.2k ㎡ 2.2k ㎡ 増減なし 6cm~ 9.99cm 沈 下 183.5k ㎡ 150.8k ㎡ 32.7k ㎡ 減 少 4cm~ 5.99cm 沈 下 265.1k ㎡ 210.3k ㎡ 54.8k ㎡ 減 少 2cm~ 3.99cm 沈 下 202.6k ㎡ 188.2k ㎡ 14.4k ㎡ 減 少 隆 起 ~ 1.99cm 沈 下 300.3 ㎡ 356.1k ㎡ 55.8k ㎡ 増 加 九十九里地域の5年間累計沈下面積の推移 10cm以上沈下 6cm~9.99cm沈下 4cm~5.99cm沈下 2cm~3.99cm沈下 700 600 500 400 面積(km2) 300 200 100 0 12年~16年 17年~21年 -3- 5 地盤沈下及び地下水位観測井 地盤沈下・地下水位観測井位置図 ■地盤沈下観測井 ●地下水位観測井 九十九里地域の観測井 井戸名 設置場所 井戸 ストレ 深度 ーナ深 (m) 度(m) 九 十 九 里 -1 長生村金田 長生技術専門学校 九 十 九 里 -2 大網白里町南今泉 30 30 9.5~ 15.0 10.8~ 16.3 白里幼稚園 九 十 九 里 -4 白子町驚 面足神社 九 十 九 里 -5 茂原市小林 問屋町南公園 60 25 32.5~ 38.0 13.0~ 18.0 -4- 井戸口 径( mm) 150 150 150 150 井戸構造 二重管構 造鋼管 二重管構 造鋼管 二重管構 造鋼管 単管構造 鋼管 掘削年月 1972/3 1972/3 1983/3 1986/3 197 1974年 1975年 1976年 1977年 1978年 1989年 1980年 1981年 1982年 1983年 1984年 1985年 1986年 1987年 1988年 1999年 1990年 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 2009年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 9年 T P m 九十九里地域 経年地下水位変動(沖積層・浅層) 12.00 10.00 8.00 6.00 4.00 2.00 0.00 -2.00 -4.00 -6.00 -8.00 -10.00 九十九里-1(長生村) 九十九里-2(大網白里町) -5- 九十九里-4(白子町) 九十九里-5(茂原市) -6- -7- -8- -9- S32 S33 S34 S35 S36 S37 S38 S39 S40 S41 S42 S43 S44 S45 S46 S47 S48 S49 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 7 かん水揚水量 ガス生産量 - 10 - 還元量 21 20 19 18 17 500 16 2cm以上の沈下面積の推移 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 63 62 61 60 59 58 57 56 55 54 53 52 51 50 49 48 47 平方キロメートル 6 2cm以上の地盤沈下面積の推移 千葉県 九十九里地域 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 年 九十九里地域の天然ガスかん水揚水量等の推移 天然ガスかん水揚水量,還元量,天然ガス生産量の推移(県全域) 600,000,000 ㎥/年 500,000,000 400,000,000 300,000,000 200,000,000 100,000,000 0 8 地盤沈下の防止に関する協定の概要 (1)経過 ① 昭 和 4 8 年 、天 然 ガ ス か ん 水 の 採 取 に 係 る 地 盤 沈 下 対 策 と し て 、天 然 ガス関係企業10社と天然ガス井戸の削減を骨子とする地盤沈下防 止協定を締結した。 ② 昭 和 5 6 年 か ら は 、天 然 ガ ス か ん 水 地 上 排 水 量 の 削 減 を 骨 子 と す る 協 定 に 全 面 改 定 し 、地 上 排 水 量 に 係 る 細 目 協 定 に つ い て 5 年 ご と に 見 直 すこととした。 ( 1 社 を 加 え た 本 協 定 締 結 1 1 社 の う ち 東 京 ガ ス( 株 ) は 天 然 ガ ス 採 取 を 行 っ て い な い の で 細 目 協 定 は 締 結 し て い な い 。) (注)天然ガスかん水地上排水量=かん水揚水量-地下還元量 ③また、 「 天 然 ガ ス 井 戸 設 置 基 準 」を 新 た に 定 め て 、 ( S 5 6 年 )次 に 掲 げる区域では新規の天然ガス井戸の開発は認めないこととした。 (S62年一部改定) ア 市街地 イ 公共構造物から250m以内の区域 ウ 海岸線から500m以内の区域 エ 標高5m未満の区域 オ 年間沈下量が2cmを超える区域 (2)細目協定締結企業(9社) 旭 硝 子 (株 ) 伊 勢 化 学 工 業 (株 ) 関 東 天 然 瓦 斯 開 発 (株 ) 合 同 資 源 産 業 (株 ) 国 際 石 油 開 発 帝 石 (株 ) 日 宝 化 学 (株 ) 日本天然ガス(株) (株)冨士ボーリング 三井化学(株) - 11 - 9 昭和56年に締結した現行基本協定に基づく細目協定値の変遷(当初) (単 位 : kl/日 ) 第1次 第2次 第3次 第4次 第5次 第6次 S60 目 標 H2 目 標 H7 目 標 H12 目 標 H17 目 標 H22 目 標 131,920 141,060 127,486 121,259 146,358 149,797 千葉 12,564 12,670 12,495 11,735 3,440 3,440 成田 4,113 6,076 6,076 6,076 10,956 10,956 合計 148,597 159,806 146,057 139,070 160,754 164,193 地区名 九十九里 (注)1 2 排水量は年間排水量を1日平均値にしたもの 第1次から第2次で増加した地区は、第2次締結までに新たに設置 したガス井戸を含めたもので、開発区域(細目協定対象地域)が増加 したことによる。 3 第5次細目協定値の増加は、第5次から削減対象に未開発区域を含 めたことから、全開発地域が対象となったことによる。 4 第5次で千葉地域の協定値が小さくなったのは、井戸の廃止(市原 市)による。 5 第5次及び第6次の数値は、揚水量実績の無い(株)冨士ボーリン グ(千葉地区)の協定値(200kl/日)を除いて集計してある。 - 12 - 1 0 昭 和 55 年 1 月 1 日 ~ 昭 和 60 年 1 月 1 日 ま で の 5 年 間 変 動 量 図 (第1次) - 13 - 1 1 昭 和 60 年 1 月 1 日 ~ 平 成 2 年 1 月 1 日 ま で の 5 年 間 変 動 量 図 (第 2 次) - 14 - 12 平成 2 年 1 月 1 日~平成 7 年 1 月 1 日までの 5 年間変動量図 (第 3 次) - 15 - 1 3 平 成 7 年 1 月 1 日 ~ 平 成 12 年 1 月 1 日 ま で の 5 年 間 変 動 量 図 (第 4 次) - 16 - 1 4 平 成 12 年 1 月 1 日 ~ 平 成 17 年 1 月 1 日 ま で の 5 年 間 変 動 量 図 (前協定、第 5 次) - 17 - 15 平 成 17 年 1 月 1 日 ~ 平 成 22 年 1 月 1 日 ま で の 5 年 間 変 動 量 図 (現協定、第 6 次) - 18 - 16 ( 単 位 : 千 m 3) 平成20年度の天然ガス生産量について 油 田 ガス ガス田 ガス 炭 田 ガス 合 計 構成比 前年度比 北海道 - X - X - - 秋 田 30,360 X - X - - 山 形 X - - X - - 福 島 - - - X - - - 2,654,099 71.6 99.4 新 潟 5,603 2,648,496 長 野 - 96 - 96 0.0 96.0 千 葉 - 460,761 - 460,761 12.4 98.7 宮 崎 - X - X - - その他 - X 112 X - - 112 3,705,584 - 99.4 合 計 39,653 3,665,819 1.1 98.9 0.0 100.0 97.6 99.4 109.8 99.4 構成比 前年度比 ( 出 典:天 然 ガ ス 鉱 業 会 資 料 ) 17 九十九里地域の天然ガス可採埋蔵量 採取の経済性、開発可能地域を考慮し、現在の採取規模が継続すると仮 定すると800年程度は採取できるとされている。 九十九里地域天然ガス可採埋蔵量 (昭和62年 関東通産局 3,685億㎥ 千葉天然ガス技術委員会埋蔵鉱量調査結果) - 19 - 18 ヨウ素について 世界のヨウ素生産国は日本、チリ、アメリカであり、チリでは北部の砂 漠地帯に産出するチリ硝石中から、アメリカではオクラホマ州の油田かん 水や岩塩層かん水から生産されている。 日本では、多くが千葉県の水溶性天然ガスかん水から生産されている。 なお、日本は世界の生産量の約35%を、千葉県は日本の約80%を生 産している。 ヨウ素は、医薬品やレントゲン造影剤、液晶テレビ、工業用触媒として 利用されている。 ヨウ素の年間生産量(平成20年) 単位:t その他, 500 アメリカ, 1600 千葉県, 7,630 日 本 9,450t 他県, 1,820 チリ, 15,700 - 20 -